JPH05207922A - クッション材及びその製造方法 - Google Patents

クッション材及びその製造方法

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JPH05207922A
JPH05207922A JP4046182A JP4618292A JPH05207922A JP H05207922 A JPH05207922 A JP H05207922A JP 4046182 A JP4046182 A JP 4046182A JP 4618292 A JP4618292 A JP 4618292A JP H05207922 A JPH05207922 A JP H05207922A
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JP
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fiber
fibers
adhesive
coil spring
animal
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JP4046182A
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English (en)
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Yoshigo Fukaya
善吾 深谷
Hidetaka Kato
英隆 加藤
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TOYO KUTSUSHIYON KK
Original Assignee
TOYO KUTSUSHIYON KK
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  • Mattresses And Other Support Structures For Chairs And Beds (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造を簡単にしてしかも軽く、通気性が良好
で使用済の繊維を再利用でき且つ機能的な構造体とする
一体構造型のクッション材及びその製造方法を提供す
る。 【構成】 本製造方法は、行列状に配置される複数個の
コイルスプリング2と隣接するコイルスプリングを固定
するヘリカル線6とからなるコイルスプリング列体2の
上面上、下面上及び内部に接着剤(ゴム系等)を塗布し
た植物繊維(パーム繊維等)5を充填し、次いで、これ
を加熱して各繊維間を一体的に接着することを特徴とす
る。上記植物繊維等には、抗菌性繊維、高吸水性繊維、
消臭繊維、付香繊維及び制電繊維のうちの少なくとも一
つを配合することができる。また豚毛、馬毛等の動物繊
維を使用することもできる。更に、硬度調整材(樹脂製
網状体又はハードパームシート等)を使用することもで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クッション材及びその
製造方法に関し、更に詳しくは、構造が簡単で軽く、ま
た通気性が良好で人の健康にも優れた一体構造型のクッ
ション材及びその製造方法に関する。本発明は、ベッド
用マットレス、チェア、自動車用ソファその他のマット
レス等に利用される。
【0002】
【従来の技術】従来のクッション材、例えばマットレス
においては、行列状に配置される複数個のコイルスプリ
ングの上面部及び下面部をヘリカル線で連結して複数個
のスプリングユニットを構成し、且つこのスプリングの
上面及び下面の周辺部に外枠線を設け、この外枠線と各
スプリングの上面等とを継止部材で固定していた。そし
て、このスプリングユニットの上に弾性体を配置した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のマ
ットレスにおいては、使用によりこのヘリカル線が抜け
て出てくることもあった。また、継止部材を1つ1つ取
りつけるのでその工程が煩雑であった。更に、スプリン
グユニットとその上下に配置される弾性体が一体となっ
ていないので、後工程でボタン掛け等が必要となり、そ
の構造は複雑である等の問題があった。。一方、マット
レス材には、発泡ポリウレタン等の合成樹脂を用いたも
のが知られているが、これらは通気性に劣る難点があっ
た。
【0004】本発明は、上記問題点を克服するものであ
り、構造を簡単にしてしかも軽く、通気性が良好で且つ
機能的な構造体とする一体構造型のクッション材及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本第1〜4発明のクッシ
ョン材の製造方法及び第5〜8発明のクッション材は、
上記特許請求の範囲の各項に示すものである。
【0006】本発明において、「行列状に配置される複
数個のコイルスプリング」とは、隣り合うコイルスプリ
ングを隣接するようにして碁盤状に立設配置した複数個
のコイルスプリングをいう。上記「コイルスプリング列
体」とは、複数個のコイルスプリングが立設維持できる
ように、ヘリカル線及び外枠体のうちの少なくとも該ヘ
リカル線によって保持されているこれらの一体化物をい
う。
【0007】上記「植物繊維」とは、ヤシ、ビンロウジ
ュ等を用いた果実繊維、又はマニラ麻、サイザル麻、シ
ュロ等を用いた葉脈繊維等をいい、これらのうちの1種
又は2種以上を用いることができる。これらは、クッシ
ョン材に適した高い空隙率を形成することができ、軽量
化を促すと共に化学繊維に比し通気性に優れた作用を有
する。上記「動物繊維」とは、人毛(髪の毛等)、豚毛
又は馬毛(たてがみ、尻尾の毛等)等をいい、これらの
うちの1種又は2種以上を用いることができる。これら
を用いる場合は、比較的硬い層を形成できる。
【0008】植物繊維等を「充填する」とは、例えば、
図11に示すようにスプリング内の全内部空間に又はス
プリング内部と隣接するスプリング間との全空間に(図
14参照)充填してもよいし、図12に示すように、そ
の空間の上方部及び下方部のみを充填してもよい。この
前者においては、二重スプリング作用を示す点で優れる
し、後者においても、このコイルスプリングの脱離、移
動防止作用、優れた外観も十分に具備しているし、植物
繊維等の使用量の軽減化、軽量化を図ることができる。
特に、図1、図14に示すように植物繊維等が充填等さ
れたコイルスプリング列体の全側周を、接着材を塗布し
た植物繊維等にて覆うものとすれば、優れた外観を得る
ことができる。更に、図1に示すように、このコイルス
プリング列体の内部全体(即ちコイルスプリング内部及
びコイルスプリング間の全部)のみならず、この上下及
び全側周の全外表面を覆うものとすることもできる。こ
の場合は、クッション材全体の美観、一体性等が一層優
れるようになる。
【0009】上記「加熱」は、接着剤が塗布等された繊
維間を接着するためのものである。この接着剤として
は、通常、ゴム弾性を確保するとともに安価なゴム系の
接着剤を用いるが、これに限らず種々の公知の接着剤を
用いることができる。その加熱手段は、熱水、スチー
ム、高圧スチーム等の湿熱手段、熱風、加熱炉等のよう
な乾燥手段、更には遠赤外線加熱、高周波加熱等も用い
ることができるし、それらを併用することもできる。ま
た、大気下のみならず、真空下において上記加熱空気若
しくは加熱蒸気を導入して加熱を行うこともできる。通
常、コイルスプリング列体に植物繊維等を充填した後接
着剤を塗布した所定の配列体(組合せ体)を所定の金型
内で押圧的に配置して加熱する。尚、型成形でなくて
も、上方のみ又は上方と下方のみを所定の板状体若しく
はベルト等により押圧した状態にて加熱することもでき
る。また、そのようなものは一切なくそのままの配列体
をそのまま加熱することもできる。但し、所望形状の成
形体を得るためには、型を用いて加熱するのが好まし
い。
【0010】本発明において、「硬度調整材」とは、格
子若しくは編み目構造を有する板状体若しくはシート状
体(樹脂製等)、又は板状若しくはシート状のハード型
繊維集積体(ハードパームシート等)等でありクッショ
ン表面の硬さを調整するものをいう。また、上記植物繊
維等に抗菌性繊維、高吸水性繊維、消臭繊維、付香繊維
及び制電繊維のうちの少なくとも一つを配合することも
できる。更に、上記クッション材の上面及び/又は下面
に抗菌性繊維、高吸水性繊維、消臭繊維、付香繊維及び
制電繊維の少なくとも一つを含むシート状若しくは板状
の機能性繊維集積体を配置することとして、接着剤を用
いて積層し、加熱して、所定位置に所望の機能性繊維集
積層を一体的に形成することができる。尚、この機能性
繊維集積体には、機能性繊維のみからなってもよいし、
これに植物繊維、動物繊維、更には他の繊維を含む混合
繊維からなってもよい。また、各機能性繊維からなる各
機能性繊維層を積層した複合層としてもよい。尚、上記
以外の他の機能性繊維(防黴性等)を配合することもで
きる。
【0011】上記「抗菌性繊維」には、例えば、無機抗
菌剤を繊維原料ポリマー中に混練して紡糸して製造した
練込型抗菌性繊維を用いることができる。この無機抗菌
剤としては、殺菌性のある金属イオンをゼオライトに付
加、吸収させたもの、更には抗菌作用のある無機化合物
単味を練り込んだもの、また繊維表面に吸着させたもの
等を用いることができる。そして、これらのものは、耐
熱性を有するので後工程にて安心して加熱することがで
きる。
【0012】上記「高吸水性繊維」としては、例えば、
デンプン系、セルーロース系、合成ポリマー系等の種々
の高吸水性ポリマーからなる繊維等を目的用途に応じて
種々選択して用いることができる。尚、高吸水性繊維の
使用量は、上記植物繊維等及び高吸水性繊維の合計10
0重量部に対して10〜20重量部の割合にて配合する
ことが好ましい。10重量部未満の使用量では吸水性の
著しい向上は望めず、一方20重量部を越える量を使用
しても不経済となり、却ってクッション作用の低下(弾
性力の低下等)を招くからである。
【0013】上記「消臭繊維」とは、消臭機能をもつ繊
維をいう。悪臭物質と直接反応して無臭の化合物を作る
場合でも、悪臭と直接反応せずとも触媒の役割を果して
無臭化の反応を促進するものでもよい。例えば、繊維内
にフタロシアニンを分散して固定して触媒効果を発揮さ
せたものである。上記「付香繊維」とは、芳香物質を繊
維内に閉じ込め、徐放できるようにした繊維をいう。具
体的には、ラベンダ−等の主成分を肉厚の中空繊維の糸
中に練り込だものをいう。上記「制電繊維」とは、静電
気の発生を抑制できる繊維をいい、例えば、導電性の炭
素粒子を素材高分子に混入したもの等である。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 本実施例は、図1、図5に示すように、ベッド用のマッ
トレス用クッション材を製造するものである。行列状
〔例えば、9列×26個(1列)〕に234個のコイル
スプリング(例えば、鼓状、5巻き、両面部の径約65
mm、中央部の径約40mm、線材太さ約2mm、全体
の高さ140mm)1を配置し、ヘリカル線6により固
定されてなるコイルスプリング列体2を準備する。そし
て、このコイルスプリング列体2の上面上、下面上及び
内部、更には側方側に、パ−ム繊維からなる植物繊維
(通常、ベッド用クッションの製造に用いられるもの、
繊維長;70〜200mm程度)3を撚ってできたロー
プ状物をほぐしながら、このほぐされたパーム繊維3を
充填した後、ゴム系接着剤(天然ゴム又は合成ゴムエマ
ルション)を吹いて覆った。この充填は、空気流ととも
にパーム繊維を吹きつけてもよいし、手動で行ってもよ
い。ここで、パ−ム繊維はヤシの実から作った繊維であ
る。尚、接着剤が塗布されたパ−ム繊維を充填しても構
わない。
【0015】その後、上記植物繊維を充填、配置したコ
イルスプリング列体2の上面及び下面に、パンチングし
た植物繊維からなる繊維接着被覆体4、5を各々配置し
た。ここで、繊維接着被覆体4、5は、接着剤が塗布さ
れた植物繊維からなり且つ接着剤が加熱されて各繊維間
を一体的に接着できる被覆体をいう。尚、クッション材
中の構成部分のものにも同符号(図5の4、5)を付し
た。本実施例ではパ−ム繊維に接着剤が塗布されたもの
で、加熱によりパ−ム繊維同士を接着させて一体的に形
成するものである。尚、繊維接着被覆体4、5は、パン
チングされていないものでもよい。これらを金型内にて
160〜200℃で約30〜60分加熱し、接着剤によ
って植物繊維同士を接着させて一体的に成形し、図5に
示すクッション材を製造した。
【0016】本実施例の如く、機械的接合法によりソフ
トパンチングしたパ−ム繊維からなる繊維接着被覆体
は、コイルスプリング内に充填される植物繊維の密度よ
り高く、表面仕上げにもなり、その風合い、感触、表面
の円滑度等に優れる。そのままシ−ツ等を被せば、ベッ
ド等のクッション材を構成できるようになっている。状
況に応じて、更にベッド表面に薄い発泡ウレタンシ−ト
を張り合わせてもよい。快適な感触を得るためである。
【0017】本クッション材は、コイルスプリング列体
をパ−ム繊維が覆っており、且つそれらが一体形成され
ており、また枠線のみならず継止用クリップも不要とな
るので、重量を軽減できるし、その製造も極めて簡単と
なる。特に、パ−ム繊維からなる植物繊維は、空隙率も
高く、一層の軽量化と優れた通気性を確保できる。たと
え本クッション材にコップ等の水をこぼしても多孔性で
しかも繊維表面が平滑であるため、液体が瞬間的に通過
し、吸水による変化は生じない。そして、斯るパ−ム繊
維がコイルスプリングを覆うようにして、一体的に構成
されたクッション材は、型崩れすることなく安定した状
態を維持でき、強い耐久性を示す。
【0018】また、クッション材の表層が、ソフトパン
チングによって作られた繊維接着被覆体で構成されてい
るものでは、ベッド等のクッション材に利用した場合、
感触に優れ、また、通気性も良く、ゆったりとしたくつ
ろぎを与え、寝心地もよく快い睡眠を得ることができ
る。本実施例の如く、パ−ム繊維をパンチングした不織
布からなる繊維接着被覆体においては、弾性構造をもち
圧縮残留歪みが小さいので、腰のヘタりも少なく、その
ためクッション材の保形性にも優れる。クッション性に
ついても、コイルスプリング内にも弾性作用のあるパ−
ム繊維が内在し、コイルスプリング部分の弾性にこのパ
−ム繊維部分の弾性が加わる(二重弾性)ので、クッシ
ョン作用に優れ、特にやや硬めのクッション作用を示す
とともに、全体として均一性に富んだクッション作用を
示すことになる。更に、コイルスプリングは少なくとも
該ヘリカル線によって立設配置できるよう保持され、且
つパ−ム繊維がコイルスプリング列体を覆うようにして
一体的に構成するので、後工程のボタン掛け等は不要と
なる。
【0019】尚、本実施例では、コイルスプリング列体
の上面若しくは下面にベッド表層を形成する際に、パン
チングしたパ−ム繊維からなる繊維接着被覆体を敷設し
たが、これの代わりにパ−ム繊維そのままの状態で敷き
詰めてもよい。また、パ−ム繊維を充填等した後に接着
剤を塗布したが、予め接着剤を塗布したパ−ム繊維を充
填等してもよい。更に、クッション材のベッド表層部分
を除けば、使用するパ−ム繊維として製造工程から排出
される切れ端等を充填してもよい。リサイクル活用、資
源有効利用のためである。また、上記パ−ム繊維等から
なる植物繊維(全部又は一部)の代わりに、人毛(髪の
毛等)、豚毛又は馬毛等の動物繊維を用いてもよい。こ
れらは、上記植物繊維の優れた特性に加えそれら自体が
振動吸収性等に優れ、緩衝材としての威力を発揮する。
そして、動物繊維も通気性が良く、表面が乾燥して心地
良く、また冬は断熱効果としての空気を包むため保温性
に優れ温かい。
【0020】実施例2 本実施例は図2に示すように、パーム繊維(植物繊維)
が内部及び上下面に充填且つ配置されたコイルスプリン
グ列体2の上面に、硬度調整材7を配置して、実施例1
と同様にして、図6に示す一体成形物であるクッション
材を製造するものである。この硬度調整材7は、図6に
示すように、繊維接着被覆体4の内部に一体的に構成さ
れるものである。本実施例では、接着剤を塗布する前に
硬度調整材7がパーム繊維内部に配設されるが、パ−ム
繊維をソフトパンチングして不織布を層状重ねとし、そ
の層と層の間に硬度調整材7を配置し、接着剤が塗布さ
れ加熱によって一体的に構成するものでもよい。
【0021】この硬度調整材7は、網目が20〜40m
mで、構成線部分の幅は3〜5mmであり、厚さは2〜
4mmの樹脂製の格子を有するシート状物(インシュレ
ーター)を用いることができる。尚、この硬度調整材の
材質、網目の大きさ、線幅等は目的、用途により種々変
更使用できる。このクッション材は、実施例1の効果を
有するとともに、クッションの硬度が適度に調整され、
ベッド用クッションとして適する。特に、これらの複層
構造によってクッションとしての衝撃を受け止める役目
を保持しながら、寝姿勢を正しく保つことができる。ま
た、このような硬度調整材を用いても網目があるので、
接着繊維間に完全に固定され、その一体性に優れる。
【0022】ここで、上記硬度調整材の代わりに、他の
シ−ト状体8を配置することができる(図3及び図7参
照)。「他のシ−ト状体」には、通常、ハ−ドパンチン
グしたヤシ、シュロ等の熱帯植物からなるパ−ム繊維が
用いられる。パ−ム繊維をハ−ドパンチングしたシ−ト
状体が硬度調整材と同様の硬さを保持しながら、弾性に
優れ、腰のヘタりにくい性質をもち、保形性に優れるた
めである。また、ベッドの厚みを得るために、コイルス
プリング列体2の上面とシ−ト状体8との間に、又は種
々の所望の層間にソフトパンチングしたパ−ム繊維集積
体9を配置することもできる(図4参照)。このように
して、コイルスプリングに加えパ−ム繊維のクッション
性を工夫して柔らかい感触をもちながら望ましい寝姿勢
を保つベッドを提供できる。また、実施例1と同様パ−
ム繊維からなる植物繊維を用いているので、構造上大き
な空隙率を占め、湿気等がこもり露滴となるような現象
を生じない。容易に乾燥する程度の通気性を有し、衛生
的でもある。
【0023】実施例3 実施例1では、全てパ−ム繊維を用いたが、本実施例で
は、パ−ム繊維と抗菌性繊維とを配合してなる混合繊維
を用いた。その他は、実施例1と同様にしてベッド用の
マットレス用クッション材を製造した。ここで、本実施
例では、パ−ム繊維及び抗菌性繊維の合計100重量部
に対して、30〜50重量部の割合にて抗菌性繊維を配
合した混合繊維を用意した。また、本実施例にて用いた
抗菌性繊維は、無機系抗菌剤をポリエステル繊維(繊度
2デニール×51mm)に練り込んだものである。この
クッション材も、特に悪臭も生ぜず、実施例1と同様な
効果のあるクッションであり、更に30〜50重量部も
の抗菌性繊維を含むので、抗菌作用を示すのは明らかで
あり、高機能、健康性クッションといえる。
【0024】尚、本実施例では、抗菌層10を図8の如
くクッション材の表層部に限ったが、内部にまで含めて
もよい。また、これにはパ−ム繊維と抗菌性繊維とを配
合してなる混合繊維を用いたが、別に抗菌性繊維だけで
シート状の機能性繊維集合体を構成し、これをクッショ
ン材表面に接着剤を用いて積層し、加熱することによっ
て一体的に形成してもよい。
【0025】実施例4 本実施例では、実施例1で用いたパ−ム繊維に代わ
り、パ−ム繊維と高吸水性繊維よりなる混合繊維を用い
たこと、加熱温度を120〜140℃、加熱時間を3
0分〜1時間としたこと、以外は実施例1と同様にして
ベッド用のマットレス用クッション材を製造した。
【0026】ここで、本実施例では、パ−ム繊維の合計
100重量部に対して、10〜30重量部の割合にて高
吸水性繊維(アクリル繊維の加水分解物系、5デニー
ル、51mm)を配合した混合繊維を用いた(図8)。
これによれば、クッョン材の吸水力、アンモニア吸着性
能、使い心地等の向上を図ることができ、人の健康面に
とって極めて有用である。本実施例も吸水層10を図8
の如くクッション材の表層に限った。ここで、本実施例
で用いた高吸水性繊維の代わりに消臭繊維、付香繊維及
び制電繊維のうちの少なくとも一つを配合させることも
できる。また、パ−ム繊維と高吸水性繊維等よりなる混
合繊維を用いる代わりに、別途、高吸水性繊維等の機能
性繊維集合体を構成し、これをクッション材表面に接着
固定することで一体化してもよい。
【0027】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
コイルスプリングの形状、大きさ、使用線材の太さ等、
コイルスプリング列体の大きさ、積層の有無等、また植
物繊維等の種類、充填密度等は目的、用途により種々選
択できる。また、ベッド表層は、厚くしたい場合は何枚
も積層してよいし、その厚さを厚くしてもよい。
【0028】更に、本実施例に係るクッション材及びそ
の製造方法においては、使用する接着剤の多少、パ−ム
繊維の長短等によって充填密度を変えることができ、ま
た、配置するコイルスプリングの線径、二重コイル等に
より、クッション性に変化を与えることが可能となる。
そのため、中央部の人が横臥する部分を硬いクッション
部分とし、周囲の方はやや柔らかいクッション部分とす
ることもできる。そして、ベッド用クッション材に限ら
ず、図9に示すような自動車用クッション材等とするこ
とができ、目的形状に応じ金型を用いて自由に設計でき
る。この図9においても、a部分は硬く、b部分は柔ら
かくすることができる。この場合、a分においては、上
記実施例で用いたパ−ム繊維にハ−ドパンチングを与え
硬くし、一方、b部分においてはパ−ム繊維にソフトパ
ンチング又はそのまま充填することで柔らかさを与える
ことができる。
【0029】また、硬くしたい所望の一部分に、これら
の硬度調整材を配置することもできる。このようにして
も、硬度調整材は、一体的に繊維接着被覆体中に固定保
持される。更に、図10に示すように、各々硬さの異な
るクッション材を製造し、これを目的に応じて配列した
組付体、例えば中央配置のもの(A)は、他のもの
(B)よりも硬くした構成とすることもできる。
【0030】更に、上記各発明において製造されたクッ
ション材の上下の少なくとも一方の面上に他の部材(例
えば、軟質パーム繊維シート、ハードパーム繊維シー
ト、ウレタンシート、ニードルパンチングしたフェルト
類、この弾性体シート等)を種々の組合せで接着積層す
ることができる。一例を示せば、実施例1で製造したベ
ースクッション材(例えば図13又は図14図示等)上
に、1〜10mm(好ましくは3〜5mm)のハードパ
ーム、その上に10〜20mm(g/cm3 ;0.01
〜0.30g/cm3 程度)のウレタンシート又は20
〜30mm(密度;0.03〜0.05g/cm3
度)の軟質パームシートを接着させた構成とすることが
できる。更に、この最表面を布製シ−ツ等でカバ−した
ものとすることもできる。この場合は、このシートを目
的等により変えることにより、雰囲気を容易に変えるこ
とができる。
【0031】
【発明の効果】以上の如く、本発明のクッション材及び
その製造方法によれば、構造が簡単で、しかも軽い一体
構造型のクッション材とすることができる。そして、枠
線のみならず継止部材等もなく構成を単純にして、且つ
後工程でボタン掛けも不要で、製造も容易である。しか
るに、植物繊維等がコイルスプリング列体と一体化構造
となるように覆っているので、使用によりヘリカル線が
抜けることはない。また、パ−ム繊維等からなる植物繊
維等を用いているので、空隙率を高くでき軽量化及び優
れた通気性を確保できる。特に、これらの繊維は、通気
性が良く汗、湿気の排出がスム−ズに行われる他、その
表面の感触、平滑度に優れ、そのままシ−ツ等を被せれ
ば、清潔なベッド等のクッション材を構成することがで
きる。そして、斯る繊維を用いて弾性構造とした不織布
には腰のヘタりがないので、保形性に優れ、安全性、快
適性を保持できる。また、使用繊維としては、使用済み
の繊維を利用でき、この場合は資源の再利用に優れる
し、コスト低減を図ることができる。
【0032】加えて、型成形を行う場合は、キャビィテ
ィ形状に応じた所望形状のクッション材が容易に製造で
きる。コイルスプリング内全体にパ−ム繊維を充填した
場合は二重弾性を示すので、やや硬めのクッション作用
を示すとともに、全体として均一性に富んだクッション
作用を示す。また、抗菌性繊維を含むクッション材の場
合は、ダニ、大腸菌等の発生を抑止することができるの
で、快適で人の健康面に優れる。高吸水性繊維を含むク
ッション材の場合は、人の排出する水分及び環境下の水
分を吸着、除去するので、同様に快適で、且つ、健康に
よい。同様に、消臭繊維、付香繊維、制電繊維等を含む
クッション材は健康維持に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるクッション材の製造方法を示
す概略説明図である。
【図2】実施例2におけるクッション材の製造方法を示
す概略説明図である。
【図3】実施例2において、他の態様を示すクッション
材の製造方法の概略説明図である。
【図4】実施例2において、他の態様を示すクッション
材の製造方法の概略説明図である。
【図5】実施例1において製造されたクッション材の一
部説明断面図である。
【図6】実施例2において製造されたクッション材の一
部説明断面図である。
【図7】実施例2において製造された他の態様を示すク
ッション材の一部説明断面図である。
【図8】実施例3(又は実施例4)で用いた抗菌作用
(高吸水性)を付加したクッション材の一部説明断面図
である。
【図9】自動車用クッション材の斜視図である。
【図10】5つのクッション材を組合わせた組付け本体
の全体斜視図である。
【図11】コイルスプリング内にのみ植物繊維を充填し
た状態を示す一部説明断面図である。
【図12】コイルスプリングの内部空間の上方部及び下
方部に植物繊維を充填した状態を示す一部説明断面図で
ある。
【図13】実施例1において製造された他の態様を示す
クッション材の一部説明断面図である。
【図14】実施例1において製造された他の態様を示す
クッション材の一部説明断面図である。
【符号の説明】
1;コイルスプリング、2;コイルスプリング列体、
3;植物繊維(パーム繊維)、4;繊維接着被覆体、
5;繊維接着被覆体、6;ヘリカル線、7;硬度調整材
(インシュレータ)、8;シ−ト状体(硬度調整材)、
9;パ−ム繊維集積体、10;抗菌層(吸水層)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 23/00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 行列状に配置される複数個のコイルスプ
    リングと隣接する該コイルスプリングを固定するための
    ヘリカル線及び外枠体のうちの少なくとも該ヘリカル線
    とからなるコイルスプリング列体のうちの少なくとも上
    記コイルスプリングの上面上、下面上及び内部に、
    (A)接着剤が塗布された植物繊維及び動物繊維のうち
    の少なくとも一方を充填し、又は(B)植物繊維及び動
    物繊維のうちの少なくとも一方を充填した後接着剤を塗
    布し、 次いで、これを加熱して各繊維間を一体的に接着するこ
    とを特徴とするクッション材の製造方法。
  2. 【請求項2】 行列状に配置される複数個のコイルスプ
    リングと隣接する該コイルスプリングを固定するための
    ヘリカル線及び外枠体のうちの少なくとも該ヘリカル線
    とからなるコイルスプリング列体のうちの少なくとも上
    記コイルスプリングの上面上、下面上及び内部に、
    (A)接着剤が塗布された植物繊維及び動物繊維のうち
    の少なくとも一方を充填し、又は(B)植物繊維及び動
    物繊維のうちの少なくとも一方を充填した後接着剤を均
    一に塗布し、 その後、該植物繊維及び該動物繊維のうちの少なくとも
    一方が充填等された上記コイルスプリング列体の上面及
    び下面のうち少なくとも一方の面上に、格子若しくは網
    目をもつ硬度調整材又は接着剤が塗布された繊維集積体
    からなる硬度調整材を配置し、更に、これらの配列体の
    少なくとも上面及び下面上に、接着剤が塗布された植物
    繊維及び動物繊維のうちの少なくとも一方を敷き詰め、
    又は植物繊維及び動物繊維のうちの少なくとも一方がパ
    ンチングされて構成され且つ接着剤を塗布した不織布を
    敷設し、これらを加熱して一体的に成形したことを特徴
    とするクッション材の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記植物繊維及び上記動物繊維のうちの
    少なくとも一方に、更に抗菌性繊維、高吸水性繊維、消
    臭繊維、付香繊維及び制電繊維のうちの少なくとも一つ
    を配合してなる請求項1又は2記載のクッション材の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 上記クッション材の上面及び下面の少な
    くとも一方の面上に、抗菌性繊維、高吸水性繊維、消臭
    繊維、付香繊維及び制電繊維の少なくとも一つを含むシ
    ート状若しくは板状の機能性繊維集積体を配置し、接着
    剤を用いて積層し加熱し、一体的に成形する請求項1又
    は2記載のクッション材の製造方法。
  5. 【請求項5】 行列状に配置される複数個のコイルスプ
    リングと隣接する該コイルスプリングを固定するための
    ヘリカル線及び外枠体のうちの少なくとも該ヘリカル線
    とからなるコイルスプリング列体と、 該コイルスプリングを充填し、且つ覆うように一体的に
    構成され、接着剤が塗布された植物繊維及び動物繊維の
    うちの少なくとも一方とからなり且つ接着剤が加熱され
    て各繊維間を一体的に接着した繊維接着被覆体と、を一
    体的に備えることを特徴とするクッション材。
  6. 【請求項6】 上記コイルスプリング列体の上面及び下
    面のうちの少なくとも一方の面上に位置する繊維接着被
    覆体部分の内部に、格子若しくは網目をもつ硬度調整材
    が配置され、該硬度調整材、上記コイルスプリング列体
    及び上記繊維接着被覆体は一体的に構成されている請求
    項5記載のクッション材。
  7. 【請求項7】 上記植物繊維及び上記動物繊維のうちの
    少なくとも一方に、更に抗菌性繊維、高吸水性繊維、消
    臭繊維、付香繊維及び制電繊維の少なくとも一つを配合
    してなる請求項5又は6記載のクッション材。
  8. 【請求項8】 上記クッション材の上面及び下面の少な
    くとも一方の面上には、抗菌性繊維、高吸水性繊維、消
    臭繊維、付香繊維及び制電繊維の少なくとも一つを含む
    機能性繊維集積層が形成される請求項5又は6記載のク
    ッション材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010284508A (ja) * 2009-05-13 2010-12-24 France Bed Co Ltd マットレス装置
JP2019162205A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 株式会社タイカ スプリング構造体、並びにスプリング構造体を用いたマットレス及びクッション

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