JP3012303U - クッション材 - Google Patents

クッション材

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JP3012303U
JP3012303U JP1994016316U JP1631694U JP3012303U JP 3012303 U JP3012303 U JP 3012303U JP 1994016316 U JP1994016316 U JP 1994016316U JP 1631694 U JP1631694 U JP 1631694U JP 3012303 U JP3012303 U JP 3012303U
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善吾 深谷
英隆 加藤
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東洋クッション株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】クッション性能、耐久性、通気性、安全性に優
れ、軽量化、廃棄、リサイクル等が容易な一体構造型の
クッション材を提供する。 【構成】熱溶着繊維及び非熱溶着繊維からなる混合繊維
の各繊維間を適宜溶着して構成され、各収納孔を散点状
に備え、略シート状の基体部1と、各収納孔Hに収納さ
れた各コイルスプリングSと、基体部1と同様な混合繊
維の各繊維間を同様に溶着して構成され、基体部1の表
裏各面に溶着固定され一体とされたシート状の各表皮部
21、22と、基体部1と同様な混合繊維の各繊維間を
同様に溶着して構成され、各収納孔Hの内周面に溶着固
定され、該基体部1と一体とされ、各コイルスプリング
Sの上下両端側及び外周側のうちの少なく上下両端側
を、略埋設若しくは略被覆し、固定する各固定部3と、
を備える。固定部3がコイルスプリングSを周回して
も、これと共にスプリングSの内部を充填してもよい。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、クッション材に関し、更に詳しくは、クッション性能、耐久性、通 気性及び安全性等に優れ、軽量化が容易で、しかも、廃棄、リサイクル等が容易 な一体構造型のクッション材に関する。本考案は、ベッド用マットレス、チェア 、自動車用ソファその他のマットレス等に利用される。
【0002】
【従来の技術】
従来より、クッション材(マットレス等)として、行列状に配置される複数個 のコイルスプリングの上面部及び下面部をヘリカル線で連結して複数個のスプリ ングユニットを構成し、且つこのスプリングの上面及び下面の周辺部に外枠線を 設け、この外枠線と各スプリングの上面等とを継止部材で固定し、更に、このス プリングユニットの上に弾性体を配置したものが多く用いられていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、この様な構造のクッション材では、使用中に、ヘリカル線が抜けて出 てくることがある。 また、構造が複雑なため、生産性、製造コスト等の面で問題がある。例えば、 上記「継止部材」を、外枠線及び各スプリングの間に1つ1つ取りつける作業は 煩雑である。また、スプリングユニットとその上下に配置される弾性体が一体と なっていないために、後工程でボタン掛け等を行う手間等が必要となるからであ る。更に、外枠線、継止部材等のために、軽量化が困難であるという問題をも有 していた。
【0004】 一方、これ以外のクッション材として、例えば、発泡ポリウレタン等の合成樹 脂を用いたものを例示できる。このクッション材は、構造が単純であり、高い生 産性の下、比較的安価に製造できるが、通気性に劣るという難点がある。 従って、これらの従来のクッション材の欠点を十分に克服したクッション材の 出現が従来より求められている。 これ加え、クッション材では、長期間の使用に対しても、十分に耐えられる高 い耐久性が求められている。また、近年の各種工業製品では、地球環境の保全の 見地より、使用後、容易に廃棄できたり、リサイクルできることが望まれており 、クッション材も、その例外ではない。
【0005】 本考案は、上記観点に鑑みてなされたものであり、クッション性能、耐久性、 通気性及び安全性等に優れ、軽量化が容易で、しかも、廃棄、リサイクル等が容 易な一体構造型のクッション材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本第1考案のクッション材は、所定の熱溶着繊維及び所定の非熱溶着繊維から なる混合繊維のうちの該熱溶着繊維が加熱により該混合繊維の各繊維間を適宜、 溶着して構成されると共に、上面側から下面側に連通する各収納孔を適宜、散点 状に備え、且つ外形が略シート状の基体部と、上記各収納孔に、高さ方向を基体 部の厚み方向に沿わせた状態で収納された各コイルスプリング(以下、「スプリ ング」という。)と、上記基体部と同様な混合繊維の各繊維間を同様に溶着して 構成されると共に、該基体部の表裏各面に溶着固定され、該基体部と一体とされ たシート状の各表皮部と、上記基体部と同様な混合繊維の各繊維間を同様に溶着 して構成され、且つ上記各収納孔の内周面に溶着固定され、該基体部と一体とさ れると共に、上記各スプリングの上下両端側及び外周側のうちの少なく上下両端 側を、略埋設若しくは略被覆しながら、該各スプリングを固定する各固定部と、 を備えることを特徴とする。
【0007】 上記「各固定部」は、本第2考案に示す様に、上記各スプリングの高さ方向に 沿って該各スプリングを略周回してもよい。また、本第3考案に示す様に、上記 各スプリングを包み込んでいてもよい。更に、本第4考案に示す様に、上記各ス プリングの上下両端側の内部を略充填する充填部と、該内部よりはみ出したはみ 出し部と、で構成されていてもよい。また、本第5考案に示す様に、上記各スプ リングの高さ方向に沿って該各スプリングを略周回している周回部と、上記各ス プリングの上下両端側の内部を略充填する充填部と、で構成されてもよい。更に 、本第6考案に示す様に、上記各スプリングを包み込む包皮部と、上記各スプリ ングの上下両端側の内部を略充填する充填部と、で構成されていてもよい。
【0008】 上記「熱溶着繊維」は、主に熱接着(溶着、融着)作用を有するもので、高温 にすることにより自ら消失して節玉になり繊維間を接着する作用を備える。但し 、ここまで高温に加熱せずに表面のみ溶融させる場合は、繊維自ら消失しない。 この熱溶着繊維として、本第7考案に示す様に、高融点型ポリエステル繊維か らなる芯と、該芯を被覆し該高融点型ポリエステル繊維よりも30°C以上低い 融点を備えた熱可塑性樹脂からなる被覆部と、の接着性芯鞘型繊維を例示できる 。この繊維の場合は自ら消失することがないので容積の減少が少なく、また芯繊 維が高融点型ポリエステルのため熱特性(耐熱性等)、機械特性等にも優れる。 また、この芯鞘型繊維の「芯」は、中実体でも、中空体でもよい。この中空体の 場合は、より軽量で、弾力性に優れる。また、この芯として、ゴム弾性繊維を用 いてもよい。また、この熱溶着繊維を、本第8考案に示す様に、接着性芯鞘型繊 維、低融点ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩 化ビニル繊維及びナイロン繊維のうちのいずれかで1以上構成してもよい。
【0009】 上記非熱溶着性繊維は、上記熱溶着性繊維よりも高温の融点をもてばよく、通 常、150〜280℃の高融点のものが用いられる。この繊維としては、ポリエ チレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレ ンテレフタレート等からなるポリエステル繊維、その他の合成繊維、天然繊維等 を用いることができる。 尚、熱溶着性繊維、非熱溶着性繊維の形状(カールの有無等)、太さ、長さ等 は目的、用途に応じて種々選択することができる。
【0010】 また、本第9考案に示す様に、熱溶着繊維及び非熱溶着繊維の重量比(M/N )を10/90〜80/20とすることが好ましい。この熱溶着繊維の配合割合 が10%未満となると、この接着性繊維間の熱接着が不十分となりクッション性 が低下し易く、一方、これが80%を超えると、接着点が過多となり製造したク ッション材が固すぎてしまうからである。 上記「スプリング」の形状、大きさ(自由高さ)、線材の太さ、使用数、巻き 数等は、目的、用途に応じて種々選択される。また、本第10考案に示す様に、 上記各スプリングのうちの適宜な位置に配置するもの線材径を太くし、又は二重 以上に重ねた多重スプリングとすることにより、クッション材の各部位の硬さを 調節してもよい。
【0011】 本第11考案に示す様に、上記各表皮部を、内側表皮層と外側表皮層との複層 構造とし、外側表皮層の硬度を内側表皮層の硬度よりも小さくしてもよい。この 場合には、所望の使用感を備えたクッション材とすることが容易である。 本第12考案のクッション材は、上記の試験条件(B)の下で耐久試験を行っ た後に、上記の条件(A)の下で圧縮試験を行って得られた荷重−歪みのヒステ リシスループを、耐久試験を行う前に行った同様の圧縮試験で得られたヒステリ シスループと比べた場合に、負荷過程の圧縮荷重60kgfにおける歪み増加率 が40%以下で、除荷過程の圧縮荷重60kgfにおける歪み増加率が30%以 下となるものである。この条件を満足すれば、特に良好な耐久性を備えるクッシ ョン材となる。
【0012】 尚、上記混合繊維には、熱溶着性繊維及び非熱溶着性繊維の他に、抗菌性繊維 を配合することにより、クッション材に抗菌性を付与することができる。この抗 菌性繊維としては、例えば、無機抗菌剤を繊維原料ポリマー中に混練して紡糸し て製造した練込型抗菌性性を用いることができる。この無機抗菌剤としては、殺 菌性のある金属イオンをゼオライトに付加、吸収させたもの、更には抗菌性のあ る無機化合物単味を練り込んだもの、また繊維表面に吸着させたもの等を用いる ことができる。また、抗菌性の他に、防臭性、芳香性、防黴性等の種々の性能を 付与するのも有効である。 また、上記混合繊維には、高吸水性繊維を配合することにより、クッション材 の吸水力、アンモニア吸着性能、使い心地等の向上を図ることもできる。ここで 、この高吸水性繊維としては、例えば、デンプン系、セルロース系、合成ポリマ ー系等の種々の高吸水性ポリマーからなる繊維等を目的用途に応じて種々選択し て用いることができる。
【0013】 更に、消臭繊維、付香繊維又は制電繊維を配合することもできる。 この「消臭繊維」とは、消臭機能をもつ繊維をいう。悪臭物質と直接反応して 無臭の化合物を作る場合でも、悪臭と直接反応せずとも触媒の役割を果して無臭 化の反応を促進するものでもよい。例えば、繊維内にフタロシアニンを分散して 固定して触媒効果を発揮させたものである。 また、「付香繊維」とは、芳香物質を繊維内に閉じ込め、徐放できるようにし た繊維をいう。具体的には、ラベンダ−等の主成分を肉厚の中空繊維の糸中に練 り込だものをいう。 更に、「制電繊維」とは、静電気の発生を抑制できる繊維をいい、例えば、導 電性の炭素粒子を素材高分子に混入したもの等である。 尚、前記混合繊維には、抗菌性繊維、高吸水性繊維、消臭繊維、付香繊維及び 制電繊維の2種以上を適宜配合して、クッション材の性能の一層の向上を図るこ とができる。
【0014】
【作用】
本各考案のクッション材は、以上の様に構成されるため、構造が単純であり、 高い生産性の下、安価に製造できると共に、通気性、安全性が優れている。 また、スプリングの少なくとも上下両端側が、固定部で略埋設、若しくは略被 覆された状態になる。即ち、両端部側は、固定部により挟みこまれている。しか も、この固定部は、基体部及び表皮部と一体になっている。従って、スプリング は、収納孔の内部にしっかりと固定されているため、長期間の使用によっても、 スプリングの位置ずれを生じ難い。また、スプリングは、その近傍の基体部の部 分と略一体で圧縮変形できるため、スプリング及び基体部はへたりを生じ難い。 更に、枠線及び係止用クリップを用いず、独立した各スプリングを並べたもの であるため、廃棄及び、スプリングの再利用が容易である。また、外観が優れる と共に、軽量化が容易である。
【0015】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本考案を具体的に説明する。 本実施例では、4種のクッション材(実施品No.1〜3及び比較品)につい て述べる。これらのクッション材は、いずれもベットのマットレスとして用いら れものである。 (1)クッション材の概要及び製造方法 実施品No.1 本実施品は、図1及び2に示すものであり、基体部1と各スプリングSと第1 表皮部21と第2表皮部22と各固定部3とを備えている。 上記基体部1は、熱溶着繊維(繊度;2〜15d、繊維長;約51mm)と非 熱溶着繊維(繊度;13d、繊維長;約51mm)とからなる混合繊維のウエブ (目付;210〜430g/m2 、厚さ;15mm)を用いて作製したものであ り、略シート状(1m×2mm×140mm)の外形を備える。
【0016】 この熱溶着繊維は、融点250℃〜280℃程度のポリエステル繊維からなる 芯を、融点110℃〜130℃のポリエチレンからなる鞘で被覆した接着性芯鞘 型繊維である。また、非熱溶着繊維は、融点250℃程度のポリエステル繊維で ある。更に、混合繊維は、これらの繊維を重量比(熱溶着繊維/非熱溶着繊維) が(20/80)〜(70/30)となる様に適度に配合したものである。 また、上記基体部1の外形は、シングルサイズのマットレスの外形に対応させ たものである。尚、所望のマットレスの種類が、これと異なる場合(ダブルサイ ズ、セミダブルサイズ、キングサイズ等の場合)には、基体部1の外形寸法を適 宜、変更することができる。
【0017】 また、この基体部1には、その上面側から下面側に連通し、略円柱の空間形状 を備えた多数(例えば、75〜85個)の連通孔(孔径;70〜80mmφ)H が規則正しく設けられている。但し、これらの連通孔Hの大きさ、形状、配置方 法等は、本実施例に示すものに限らない。 上記各スプリングSは、図3に示す様な鼓型(巻き数;3〜5、自由高さ;約 140mm、上下両端部の径;65〜80mm、中央部の径;40mm前後、線 材の径;2.3mmφ)のものである。但し、朝顔型、樽型、円筒型、Z型等の 他の形状を備えたスプリングを用いることができる。 上記各表皮部21、22は、上記基体部1と同様な混合繊維を原料繊維とした 不織布(ソフトパンチングにより交絡されているもの)から作製され、略シート 形状(1m×2m×17mm)を備えている。そして、第1表皮部21は、基体 部1の上面に溶着固定され、基体部1と一体になっている。また、第2表皮部2 2も、同様に基体部1の下面に溶着固定され、基体部1と一体になっている。
【0018】 上記各固定部3は、上記基体部1と同様な混合繊維のウエブを用いて作製され るものであり、上記スプリングSの上下両端部側S1 、S2 を略埋設しつつ、そ の側周面の一部(手前面及び奥行き面を除いた左右の側周面の部分)S3 、S4 を覆っている。また、各固定部3は、連通孔Hの内周面に溶着固定されて、基体 部1と一体になっている。この結果、各固定部3は、各スプリングSを、その上 下両端側S1 、S2 より、しっかりと固定している。
【0019】 次に、本実施品の製造方法について簡単に説明する。 先ず、所定の上下型(キャビティ形状;1m×2m×140mm)内に、基体 部作製用のウエブを充填する。そして、これを100〜110℃にて5分間、加 熱炉内にて加熱する。尚、この加熱温度は、各熱溶着性繊維の融点の最低値より も20〜40℃低い温度であることが好ましい。また、この工程は、熱溶着繊維 の表面をやや軟らかくして互いにやや接着させて賦形でき、下記の連通孔Hの穿 設工程が容易になる程度に加熱するものである。しかも、後述の後工程(熱溶着 工程)で、完全に加熱溶着できる余地を残しておく程度に加熱するものである。 更に、この加熱は、所定量の基体部作製用のウエブの上方及び下方の少なくとも いずれかを、所定の板状体若しくはベルト等により押圧した状態で行うこともで きる。 そして、この工程で、図5に示す略板状の予備加熱繊維集積体(1m×2m× 140mm)1aを得た。その後、この集積体1aの所望の箇所に、各連通孔H を穿設した。尚、この集積体が予備加熱により賦形されているので、穿設作業が 容易であった。
【0020】 次いで、図4に示す様に、上記各スプリングSに、固定部作製用のウエブ(但 し、大きさは470mm×100mm)Wをぐるりと巻き付けて、各スプリング Sの上下両端側S1 、S2 、及び側周面の一部S3 、S4 を取り囲んだ。そして 、このウエブ付きスプリングを集積体1aの連通孔H内に挿入配置する。このと き、図5に示す様に、ウエブWが、上記集積体1aの上下両面より、若干、突出 した状態になる。 更に、集積体1aの上下表面のいずれにも、表皮部作製用の不織布(1m×2 m×20mm)を2枚ずつ(上面;21a及び21b、下面;22a及び22b )、積層配置する。尚、不織布21a、21b、22a、22bの使用重量は、 約600g/(1m×2m)である。また、これの不織布21a、22a等のパ ンチングの程度も特に問わない。
【0021】 次いで、これらを金型内で、押圧状態の下、130〜140℃の温度で、5分 加熱した。尚、この加熱温度は、各熱溶着性繊維の融点の最高値よりも20〜6 0℃高くすることが好ましい。 そして、この加熱により、上記着性芯鞘型繊維の低融点の鞘の部分が溶融して 、各繊維間が熱溶着により接合され、図1及び2に示す様な実施品NO.1のク ッション材が作製される。
【0022】 実施品NO.2 本実施品は、各固定部により、各スプリングSの上下両端側S1 、S2 を略埋 没させると共に、上下両端側の内部S7 、S8 を充填するものである。但し、各 スプリングSの側周面(S3 、S4 、S5 、S6 )の被覆は、殆ど、なされてい ない。その他の点に関しては、実施品NO.1と同様である。 そして、本実施品は、図5に示すウエブ付きスプリングSの代わりに、図6に 示す上下両端側内部S7 、S8 に、上記集積体1aと同様な材質の筒状体Tが挿 入されたスプリングを用いて作製できる。尚、この筒状体Tとしては、上記集積 体1aに各連通孔Hを穿設する際に用いる廃材を利用することができる。
【0023】 実施品NO.3 本実施品は、各固定部により、各スプリングSの上下両端側S1 、S2 を略埋 没させると共に、全周囲を略覆うものである。その他の点に関しては、実施品N O.1と同様である。 そして、本実施品は、図4に示すウエブWの巻かれたスプリングSに、更にも う1枚のウエブW1 を巻き付けたものを用いて作製できる。このもう1枚のウエ ブW1 は、スプリングSの手前面S5 及び奥行き面S6 を略覆う様に巻き付ける こととなる。 比較品 本比較品は、固定部3を備えないものである。その他の点に関しては、各実施 品と同様である。 本比較品は、図3に示すスプリングSをそのままの状態で、上記集積体1aの 各連通孔Hに挿入すれば作製できる。
【0024】 (2)性能評価 本性能評価は、各実施品及び比較品の耐久性に関するものである。 先ず、各クッション材に対して、下記に示す試験条件(I)の下で、圧縮試験 を行った。 試験条件I 方法;図8に示す様に、上記各クッション材上面の略中央寄りを略鉄研型の 押圧部材(形状;250mm×300mm×50〜100mm)Fで押圧する静 圧縮試験である。 負荷荷重の範囲;0〜120kgf そして、この試験で得られた荷重−歪みのヒステリシスループを、図9〜12 にそれぞれ示す(L11〜L14)。
【0025】 次いで、各クッション材に対して、下記に示す試験条件(II)の下で耐久試 験を行った。 試験条件II 方法;円柱状の錘体を上記クッション材の上面上で転がしながら、該クッシ ョン材の長手方向に沿って往復移動させる。 錘体の重量;50kgf 錘体の移動速度;クッション材を1分間当たり、24回往復した。 試験時間;10時間 そして、上記試験条件(I)の下で、再び、圧縮試験を行って得られた荷重− 歪みのヒステリシスループを、図9〜12にそれぞれ示す(L21〜L24)。
【0026】 以上の結果によれば、比較品では、耐久試験前後のヒステリシスループL14及 びL24が大きくずれおり(ヒステリシスロス率が大きく)、耐久性が悪いことを 示している。この比較品では、スプリングSが各収納孔Hに、そのまま収められ ている。このため、耐久試験の間に各収納孔H内で位置ずれ等を生じたスプリン グSが多々存在したためと考えられる。また、スプリングSと、その近傍の基体 部1の部分とが略独立した状態で圧縮変形を繰り返したため、スプリングS及び 基体部1の疲労が大きかったためとも考えられる。
【0027】 これ対し、実施品NO.1及び2では、ヒステリシスループ(L11、L12、L 21 及びL22)のずれは小さくなり(ヒステリシスロス率が減少し)、耐久性が向 上している。これらの場合には、スプリングSが、その各端部側S1 、S2 から 、固定部3により挟みこまれ、しかも、この固定部3が基体部1及び表皮部21 、22と一体になっている。従って、スプリングSは、各収納孔Hの内部でしっ かりと固定されている。このため、長時間の耐久試験の後でも、位置ずれを生じ たスプリングSの数は少なく、また、スプリングS及びその近傍の基体部1の部 分が略一体で圧縮変形を繰り返したため、スプリングS、基体部1の疲労は少な かったためである。
【0028】 また、実施品NO.3では、各ループL31及びL32のずれが、更に小さくなり 、特に優れた耐久性能を示している。これは、各固定部3が、各収納孔Hの内周 面全体に熱溶着されおり、各固定部3と基体部1との一体間がより強固となり、 スプリングSの位置ずれがより一層、生じ難かったためである。 尚、本実施例の変形例として、図7に示す様に、固定部作製用のウエブW及び 筒状体Tの双方を取着したスプリングを用いて作製するクッション材を例示でき る。このクッション材においても、良好な耐久性能を期待できる。
【0029】 更に、各実施品は、以下の点でも優れている。 先ず、上記の様な優れた耐久性能を備えつつ、製造が容易である。即ち、スプ リングSの配置作業は、集積体1aの各連通孔Hに、固定部作製用のウエブWや 筒状体Tを取着したスプリングSを収納して行えば足りるからである。尚、製造 の容易性の面では、比較品も同様であるが、各実施品の様な優れた耐久性能を備 えていない。 また、この配置作業が容易であると共に、全体の構造も単純であるため大量生 産にも適している。更に、老朽化等のため、廃棄する場合でも、スプリングSの 再利用が容易である。例えば、各実施品を焼却して、スプリングSを取り出すこ とができるからである。
【0030】 また、実施品No.2に示す様に、筒状体Tとして集積体1aを廃材を利用す る場合は、より一層のコスト低減を図ることができる。この場合、廃材の形状が 、丁度連通孔Hを埋めるのに好都合であり、しかもスプリングの中に容易に入れ ることもできる形状であるため、大変便利である。また、廃材がある程度の賦形 性を備えるため、それを構成する繊維が飛散し難く、取り扱いが容易である。 また、本クッション材は、一体型であり、枠線及び係止用クリップを備えない ため、外観が優れ、軽量化を図ることが容易である。また、使用中に、「コイル のきしみ音」を生じ難いし、金型のキャビィティ形状に応じた所望形状のクッシ ョン材を容易に製造できる。
【0031】 更に、使用した熱溶着性繊維は、高融点のポリエステル繊維を芯とした心鞘型 であるため、成形体の容積の収縮が少ないので、特に圧縮工程を有しなくても所 望形状の大きさの成形体を製造でき、また弾性をも十分に維持できる。更に、ポ リエステル繊維を主体に構成されているので、耐熱性、耐久性、耐候性、強度等 に優れ、そのため自動車用においても安心して使用できる。尚、熱溶着性繊維と して、その芯材料をポリエステル製中空体(繊度5〜10デニール、繊維長25 〜60mm)を同様に用いて製造した所、やや弾性に優れ同様に高品質なクッシ ョンを製造できた。
【0032】 尚、本考案においては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途 に応じて本考案の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、混合 繊維の種類、配合割合等は目的、用途により種々選択できる。また、各混合繊維 を構成する熱溶着繊維及び非熱溶着繊維の種類は、同種でも異種でもよい。更に 、熱溶着繊維と非熱溶着繊維の混合割合を変えた混合繊維を、位置により変えて 充填することができ、例えば中央部の人が横臥する部分を硬いクッション部分と し、周囲の方はやや柔らかいクッション部分とすることもできる。また、網状若 しくは格子状の硬度調整材(例えば樹脂製)を複数の表皮部の間に配置して一体 成形品としてもよい。
【0033】 また、本考案で、各混合繊維は、熱溶着繊維と非熱溶着繊維の両方を含むもの であるが、非熱溶着繊維を含まず、主要繊維としては熱溶着繊維のみを含むもの とすることができる。この場合の熱溶着繊維としては、上記のような芯鞘型繊維 であり且つこの芯が中空体のものが使用される。この繊維の場合は、十分にクッ ションとして必要とされる弾性を示すからである。また、上記表皮部21、22 を、内側にはニードルパンチにより適度に各繊維を絡ませて接合させて製造され た不織布を配置し、その外側にはウエブそのものを配置するか、内側の不織布よ りもソフトパンチングを行って製造した、より柔らかい不織布を配置した積層体 で作製してもよい。この場合には、内側表皮層が硬く、外側表皮層が柔らかいの で、ベッドとしての寝心地に優れる。
【0034】
【考案の効果】
以上のように、本考案のクッション材は、クッション性能、耐久性、通気性等 が優れ、長期間、安全に使用できると共に、廃棄、スプリングのリサイクル等が 容易である。また、外観に優れ、構造が簡単で、効率良く、安価に製造できると 共に、軽量化を図ることが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施品No.1のクッション材の説明するため
の一部破断斜視図である。
【図2】実施品No.1のクッション材の一部縦断面図
である。
【図3】各実施品及び比較品で用いたスプリングの斜視
図である。
【図4】実施品No.1のクッション材の製造に使用し
たウエブが巻かれたスプリングの説明図である。
【図5】実施品No.1のクッション材の製造方法を示
す概略説明図である。
【図6】実施品No.1のクッション材の製造に使用し
た筒状体の取着されたスプリングの説明図である。
【図7】本実施例の変形例のクッション材の製造に使用
したウエブ及び筒状体の取着されたスプリングの説明図
である。
【図8】耐久試験に用いる装置の一部説明図である。
【図9】実施品No.1のクッション材の耐久試験の結
果を説明するためのグラフである。
【図10】実施品No.2のクッション材の耐久試験の
結果を説明するためのグラフである。
【図11】実施品No.3のクッション材の耐久試験の
結果を説明するためのグラフである。
【図12】比較品のクッション材の耐久試験の結果を説
明するためのグラフである。
【符号の説明】
1;基体部、21、22;表皮部、H;連通孔、1a;
予備加熱繊維集積体、21a、21b、22a、22
b;表皮部作製用の不織、3;固定部、S;コイルスプ
リング、W、W1 ;固定部作成用のウエブ、T;筒状
体、L11〜L14、L21〜L24;ヒステリシスループ。

Claims (12)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の熱溶着繊維及び所定の非熱溶着繊
    維からなる混合繊維のうちの該熱溶着繊維が加熱により
    該混合繊維の各繊維間を適宜、溶着して構成されると共
    に、上面側から下面側に連通する各収納孔を適宜、散点
    状に備え、且つ外形が略シート状の基体部と、 上記各収納孔に、高さ方向を基体部の厚み方向に沿わせ
    た状態で収納された各コイルスプリングと、 上記基体部と同様な混合繊維の各繊維間を同様に溶着し
    て構成されると共に、該基体部の表裏各面に溶着固定さ
    れ、該基体部と一体とされたシート状の各表皮部と、 上記基体部と同様な混合繊維の各繊維間を同様に溶着し
    て構成され、且つ上記各収納孔の内周面に溶着固定さ
    れ、該基体部と一体とされると共に、上記各コイルスプ
    リングの上下両端側及び外周側のうちの少なく上下両端
    側を、略埋設若しくは略被覆しながら、該各コイルスプ
    リングを固定する各固定部と、を備えることを特徴とす
    るクッション材。
  2. 【請求項2】 上記各固定部が、上記各コイルスプリン
    グの高さ方向に沿って該各コイルスプリングを略周回し
    ている請求項1記載のクッション材。
  3. 【請求項3】 上記各固定部が、上記各コイルスプリン
    グを包み込んでいる請求項1記載のクッション材。
  4. 【請求項4】 上記各固定部が、上記各コイルスプリン
    グの上下両端側の内部を略充填する充填部と、該内部よ
    りはみ出したはみ出し部と、で構成される請求項1記載
    のクッション材。
  5. 【請求項5】 上記各固定部が、上記各コイルスプリン
    グの高さ方向に沿って該各コイルスプリングを略周回し
    ている周回部と、上記各コイルスプリングの上下両端側
    の内部を略充填する充填部と、で構成される請求項1記
    載のクッション材。
  6. 【請求項6】 上記各固定部が、上記各コイルスプリン
    グを包み込む包皮部と、上記各コイルスプリングの上下
    両端側の内部を略充填する充填部と、で構成される請求
    項1記載のクッション材。
  7. 【請求項7】 上記各熱溶着繊維が、高融点型ポリエス
    テル繊維からなる芯と、該芯を被覆し該高融点型ポリエ
    ステル繊維よりも30°C以上低い融点を備えた熱可塑
    性樹脂からなる被覆部と、の接着性芯鞘型繊維で構成さ
    れる請求項1乃至6のいずれかに記載のクッション材。
  8. 【請求項8】 上記各熱溶着繊維が、高融点型ポリエス
    テル繊維からなる芯体を該高融点型ポリエステル繊維よ
    りも30°C以上低い融点を備えた熱可塑性樹脂からな
    る被覆体で被覆した接着性芯鞘型繊維、低融点ポリエス
    テル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポ
    リ塩化ビニル繊維及びナイロン繊維のうちのいずれか1
    以上で構成される請求項1乃至7のいずれかに記載のク
    ッション材。
  9. 【請求項9】 上記混合繊維を構成する熱溶着繊維の重
    量(M)及び非熱溶着繊維の重量(N)の重量比(M/
    N)が10/90〜80/20である請求項1乃至8の
    いずれかに記載のクッション材。
  10. 【請求項10】 上記各コイルスプリングのうちの適宜
    な位置に配置するもの線材径を太くし、又は二重以上に
    重ねた多重コイルスプリングとすることにより、クッシ
    ョン材の各部位の硬さを調節した請求項1乃至9のいず
    れかに記載のクッション材。
  11. 【請求項11】 上記表皮部が、上記基体部側に配置さ
    れる内側表皮層と、意匠面側に配置される外側表皮層と
    の積層構造を備えると共に、外側表皮層の硬度が内側表
    皮層の硬度よりも小さい請求項1乃至10のいずれかに
    記載のクッション材。
  12. 【請求項12】 下記の試験条件(B)の下で耐久試験
    を行った後に、下記の試験条件(A)の下で圧縮試験を
    行って得られた荷重−歪みのヒステリシスループを、耐
    久試験を行う前に行った同様の圧縮試験で得られたヒス
    テリシスループと比べた場合に、負荷過程の圧縮荷重6
    0kgfにおける歪み増加率が40%以下で、除荷過程
    の圧縮荷重60kgfにおける歪み増加率が30%以下
    となる請求項1乃至11のいずれかに記載のクッション
    材。 試験条件A 方法;上記クッション材上面の略中央よりを略鉄研型の
    押圧部材で押圧する静圧縮試験である。 負荷荷重の範囲;0〜120kgf 試験条件B 方法;円柱状の錘体を上記クッション材の上面上で転さ
    せながら、該クッション材の長手方向に沿って往復移動
    させる。 錘体の移動速度;クッション材を1分間当たり、24回
    往復した。 試験時間;10時間
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