JPH05207861A - 甘味組成物 - Google Patents
甘味組成物Info
- Publication number
- JPH05207861A JPH05207861A JP4038514A JP3851492A JPH05207861A JP H05207861 A JPH05207861 A JP H05207861A JP 4038514 A JP4038514 A JP 4038514A JP 3851492 A JP3851492 A JP 3851492A JP H05207861 A JPH05207861 A JP H05207861A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cellobiurose
- sweetness
- cellobiulose
- cellobiose
- sweetener composition
- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】甘味をほとんど有していないセロビオースから
セロビウロースを製造し、得られたセロビウロースを主
材とした甘味組成物として食品に利用する。 【構成】4-0-β-D-Glucopyranosyl-D-Fructoseの構造式
で示されるセロビウロースを主材とする甘味組成物。 【効果】低カロリーかつ低甘味で、後味に残らない苦み
を持ったセロビウロースを主材とする甘味組成物を得
る。
セロビウロースを製造し、得られたセロビウロースを主
材とした甘味組成物として食品に利用する。 【構成】4-0-β-D-Glucopyranosyl-D-Fructoseの構造式
で示されるセロビウロースを主材とする甘味組成物。 【効果】低カロリーかつ低甘味で、後味に残らない苦み
を持ったセロビウロースを主材とする甘味組成物を得
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は苦みを有し、かつ低カロ
リーであるセロビウロースを主材とする甘味組成物に関
するものである。
リーであるセロビウロースを主材とする甘味組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】砂糖を代表とする天然、人工甘味料は、
甘さを追究したものがほとんどであるが、近年の食生活
の向上によって味覚に対する嗜好も多様化してきてお
り、甘味以外に苦みも望まれる傾向にある。苦みを有す
る糖類は、ゲンチオオリゴ糖類が知られているが(特開
平1−222779)、これらは甘味をほとんど有して
いない。また、砂糖などの高カロリー糖質は大量摂取に
よる弊害が問題となっており、低カロリーまたはノンカ
ロリーの甘味料が望まれている。
甘さを追究したものがほとんどであるが、近年の食生活
の向上によって味覚に対する嗜好も多様化してきてお
り、甘味以外に苦みも望まれる傾向にある。苦みを有す
る糖類は、ゲンチオオリゴ糖類が知られているが(特開
平1−222779)、これらは甘味をほとんど有して
いない。また、砂糖などの高カロリー糖質は大量摂取に
よる弊害が問題となっており、低カロリーまたはノンカ
ロリーの甘味料が望まれている。
【0003】本発明で示すセロビウロースは既知の物質
(参考文献:W.M.Corbett and J.Kenner : J.Chem.So
c.,1431(1955)、R.W.Bailey : OLIGOSACCHARIDES p93,Pe
r-gamon Press LTD.(1965))であるが、甘味度、甘味質
などの物性および正確なエネルギー量などについては知
られていない。
(参考文献:W.M.Corbett and J.Kenner : J.Chem.So
c.,1431(1955)、R.W.Bailey : OLIGOSACCHARIDES p93,Pe
r-gamon Press LTD.(1965))であるが、甘味度、甘味質
などの物性および正確なエネルギー量などについては知
られていない。
【0004】また、原料であるセロビオースは未利用資
源であるセルロースより調製され、大量に供給できる
が、甘味度がほとんど無く、甘味料としての利用はされ
ていない。このため、セルロース資源からセロビウロー
スを調製することは資源の有効利用にも役立つ。
源であるセルロースより調製され、大量に供給できる
が、甘味度がほとんど無く、甘味料としての利用はされ
ていない。このため、セルロース資源からセロビウロー
スを調製することは資源の有効利用にも役立つ。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】本発明の目的は、甘味
をほとんど有していないセロビオースからアルカリ異性
化反応によってセロビウロースを製造し、その特性を知
り、甘味組成物として食品に利用することにある。
をほとんど有していないセロビオースからアルカリ異性
化反応によってセロビウロースを製造し、その特性を知
り、甘味組成物として食品に利用することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明において用いるセ
ロビウロースは、セロビオースをアルカリ異性化するこ
とにより生成される甘味物質であり、セロビウロースが
甘味料として低カロリーである点と、苦みを有する点を
見い出し本発明に至った。
ロビウロースは、セロビオースをアルカリ異性化するこ
とにより生成される甘味物質であり、セロビウロースが
甘味料として低カロリーである点と、苦みを有する点を
見い出し本発明に至った。
【0007】本発明は、セロビオースをアルカリ溶液中
で加熱反応させることによってセロビウロースを生産す
るが、その反応に用いるアルカリ剤は水酸化ナトリウム
だけでなく、水酸化カリウム、水酸化バリウム、アルミ
ン酸ナトリウム、アルカリ亜リン酸塩、ホウ砂、生石灰
などpHが8〜12の範囲であればよく、その他にイオン
交換樹脂を用いてもよい。
で加熱反応させることによってセロビウロースを生産す
るが、その反応に用いるアルカリ剤は水酸化ナトリウム
だけでなく、水酸化カリウム、水酸化バリウム、アルミ
ン酸ナトリウム、アルカリ亜リン酸塩、ホウ砂、生石灰
などpHが8〜12の範囲であればよく、その他にイオン
交換樹脂を用いてもよい。
【0008】原料のセロビオースの濃度は1〜20%の
範囲が好ましいが、これ以上の濃度であっても問題はな
い。反応温度は、20℃から100℃程度までよく、好
ましくは50℃から90℃である。このような条件下で
の反応によってセロビオースからセロビウロースが20
〜40%程度生成される。
範囲が好ましいが、これ以上の濃度であっても問題はな
い。反応温度は、20℃から100℃程度までよく、好
ましくは50℃から90℃である。このような条件下で
の反応によってセロビオースからセロビウロースが20
〜40%程度生成される。
【0009】このようにして得られたセロビウロース溶
液のセロビウロース含量はまだ低いものであるが、セロ
ビウロース含量を上昇させるために反応液を糖濃度が約
60%になるまで濃縮し、未反応セロビオースを結晶化
させ、セロビウロース含量を60〜80%まで上げるこ
とが可能であり、また得られたセロビウロース溶液は真
空乾燥、凍結乾燥法などによって固形化することができ
る。
液のセロビウロース含量はまだ低いものであるが、セロ
ビウロース含量を上昇させるために反応液を糖濃度が約
60%になるまで濃縮し、未反応セロビオースを結晶化
させ、セロビウロース含量を60〜80%まで上げるこ
とが可能であり、また得られたセロビウロース溶液は真
空乾燥、凍結乾燥法などによって固形化することができ
る。
【0010】さらに高セロビウロース製品を得る場合
は、各種クロマトグラフィーを用いて純品を得ることも
可能である。このようにして得られたセロビウロースの
甘味度、甘味質を調べたところ苦みを有していたが、こ
の苦みは後味に刺激を感じるほど強くもないので単独で
使用してもよく、砂糖などと併用することによって苦み
を感じなくすることも可能であった。
は、各種クロマトグラフィーを用いて純品を得ることも
可能である。このようにして得られたセロビウロースの
甘味度、甘味質を調べたところ苦みを有していたが、こ
の苦みは後味に刺激を感じるほど強くもないので単独で
使用してもよく、砂糖などと併用することによって苦み
を感じなくすることも可能であった。
【0011】エネルギー量を調べたところ、消化器官で
分解吸収されることがないため低カロリーであった。
分解吸収されることがないため低カロリーであった。
【0012】また、セロビウロース甘味組成物の用途と
しては、ジュース、コーラ、コーヒーなどの飲料、チョ
コレート、キャンディーなどの菓子類、その他食品、加
工食品に使用することができる。
しては、ジュース、コーラ、コーヒーなどの飲料、チョ
コレート、キャンディーなどの菓子類、その他食品、加
工食品に使用することができる。
【0013】
【実施例】セロビウロースを製造、精製する手順は次の
とおりである。
とおりである。
【0014】セロビオース100gを熱水400mlに
溶かし、1N NaOHでpH11に調整し、80〜90℃
でアルカリ異性化を15分間行った。生成したセロビウ
ロースを高速液体クロマトグラフィーによって定量した
ところ25.8gのセロビウロースが生成していた。
(図1) 得られた反応液をBrix65°まで濃縮し、セロビオ
ースを結晶化して除き、母液の糖組成を調べたところ、
セロビウロース含有量は60%であった。このセロビウ
ロース溶液を活性炭セライトカラム(1:1)によって
水、2%エタノール、5%エタノール、7.5%エタノ
ール、10%エタノールを通液して精製することにより
セロビウロース純品(98%以上)を10.5g得た。
溶かし、1N NaOHでpH11に調整し、80〜90℃
でアルカリ異性化を15分間行った。生成したセロビウ
ロースを高速液体クロマトグラフィーによって定量した
ところ25.8gのセロビウロースが生成していた。
(図1) 得られた反応液をBrix65°まで濃縮し、セロビオ
ースを結晶化して除き、母液の糖組成を調べたところ、
セロビウロース含有量は60%であった。このセロビウ
ロース溶液を活性炭セライトカラム(1:1)によって
水、2%エタノール、5%エタノール、7.5%エタノ
ール、10%エタノールを通液して精製することにより
セロビウロース純品(98%以上)を10.5g得た。
【0015】次に、10%セロビウロース溶液と、甘味
料の標準として砂糖溶液を用いて比較官能評価を行った
ところ、セロビウロースの甘味度は砂糖の約25〜30
%となり、低甘味料として有用である。
料の標準として砂糖溶液を用いて比較官能評価を行った
ところ、セロビウロースの甘味度は砂糖の約25〜30
%となり、低甘味料として有用である。
【0016】また甘味の他に苦みを感じるが、甘味にマ
スクされる程度であった。このため甘味料として用いる
以外に、苦みのある点を利用して味質改善にも有用であ
る。さらに、本実施例で得られたセロビウロースを1重
量部に対して砂糖4重量部を添加した甘味組成物を6g
(A)と、砂糖5g(B)とをコーヒーに使用し、官能
評価を10名のパネラーで実施したところ、セロビウロ
ースを含む甘味組成物は、下の表1に示すように後味、
苦みについて砂糖単独に比べて好ましい評価が得られ
た。
スクされる程度であった。このため甘味料として用いる
以外に、苦みのある点を利用して味質改善にも有用であ
る。さらに、本実施例で得られたセロビウロースを1重
量部に対して砂糖4重量部を添加した甘味組成物を6g
(A)と、砂糖5g(B)とをコーヒーに使用し、官能
評価を10名のパネラーで実施したところ、セロビウロ
ースを含む甘味組成物は、下の表1に示すように後味、
苦みについて砂糖単独に比べて好ましい評価が得られ
た。
【0017】
【表1】 また、本実施例で得られたセロビウロースを1重量部に
対して異性化糖(果糖55、ぶどう糖45の重量比よりなる
Brix75°のシラップ状)を5重量部添加した甘味
組成物を7g(A)と、セロビウロースを含まない異性
化糖6g(B)とをそれぞれ紅茶に使用し、官能評価を
10名のパネラーで実施したところ、セロビウロースを
含む甘味組成物は、下の表2に示すように実施例5と同
様に後味、甘味質について異性化糖単独に比べて好まし
い評価が得られた。
対して異性化糖(果糖55、ぶどう糖45の重量比よりなる
Brix75°のシラップ状)を5重量部添加した甘味
組成物を7g(A)と、セロビウロースを含まない異性
化糖6g(B)とをそれぞれ紅茶に使用し、官能評価を
10名のパネラーで実施したところ、セロビウロースを
含む甘味組成物は、下の表2に示すように実施例5と同
様に後味、甘味質について異性化糖単独に比べて好まし
い評価が得られた。
【0018】
【表2】 セロビウロースの分解については、セロビウロース10
0mgを人工胃液5.0mlに溶かして37℃で6時間
反応させ、途中1時間ごとにサンプリングして調べたと
ころ、全く分解されていなかった。
0mgを人工胃液5.0mlに溶かして37℃で6時間
反応させ、途中1時間ごとにサンプリングして調べたと
ころ、全く分解されていなかった。
【0019】セロビウロースのエネルギーについては、
厚生省の通達(衛新第71号)に従ってセロビウロース
を50mMマレイン酸ナトリウム緩衝液に溶かし、ラッ
ト小腸アセトン粉末溶液を加えて消化試験を行ったとこ
ろ1.52kcal/gであることがわかった。これは、砂
糖などの糖類に比べて半分以下のエネルギーであり、低
甘味料であることを示している。
厚生省の通達(衛新第71号)に従ってセロビウロース
を50mMマレイン酸ナトリウム緩衝液に溶かし、ラッ
ト小腸アセトン粉末溶液を加えて消化試験を行ったとこ
ろ1.52kcal/gであることがわかった。これは、砂
糖などの糖類に比べて半分以下のエネルギーであり、低
甘味料であることを示している。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、セロビウロースを、低
カロリーで健康上優れ、かつ低甘味で後味に残らない苦
みを持ち、嗜好上からも好ましい甘味料として使用でき
る。
カロリーで健康上優れ、かつ低甘味で後味に残らない苦
みを持ち、嗜好上からも好ましい甘味料として使用でき
る。
【図1】 セロビウロースの定量結果を示すグラフ。
Claims (2)
- 【請求項1】低カロリー性で、しかも苦みを有する4-0-
β-D-Glucopyranosyl-D-Fructoseの構造式で示されるセ
ロビウロースを主材とする甘味組成物。 - 【請求項2】セロビウロースの含量が20%以上である
請求項1記載の甘味組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4038514A JPH05207861A (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 甘味組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4038514A JPH05207861A (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 甘味組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05207861A true JPH05207861A (ja) | 1993-08-20 |
Family
ID=12527382
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4038514A Pending JPH05207861A (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 甘味組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05207861A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9101160B2 (en) | 2005-11-23 | 2015-08-11 | The Coca-Cola Company | Condiments with high-potency sweetener |
CN113382637A (zh) * | 2019-02-01 | 2021-09-10 | 奇华顿股份有限公司 | 来源于膳食纤维的改进风味的成分 |
-
1992
- 1992-01-29 JP JP4038514A patent/JPH05207861A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9101160B2 (en) | 2005-11-23 | 2015-08-11 | The Coca-Cola Company | Condiments with high-potency sweetener |
CN113382637A (zh) * | 2019-02-01 | 2021-09-10 | 奇华顿股份有限公司 | 来源于膳食纤维的改进风味的成分 |
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