JPH0520754B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (1) 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は、静電複写機、同プリンタなど、静
電転写プロセスを利用する画像形成装置に関する
ものである。

（従来技術と解決すべき課題） 像担持体表面に可転写トナー像を形成し、これ
を、紙を主とするシート状の転写材に転写する工
程をくり返す周知の画像形成装置において、トナ
ー像を担持する像担持体に、バイアスを印加した
導電性転写ローラを圧接させ、これら両者間に転
写材を通過させてトナー像を転写材に転移させる
ように構成したローラ転写方式の画像形成装置が
すでに提案されている。

このような画像形成装置は、従来からひろく実
用されている、トナー像に転写材を当接させ、そ
の背後からコロナ放電を印加するように構成した
コロナ転写方式に比べると、低いバイアスで高い
転写効率が得られ、温湿度の影響を受けにくく、
転写部位において転写材を確実に保持して、これ
に強い搬送力を与えることができるので、転写材
搬送路を、したがつて装置全体の構成を、より自
由に形成できるなど種々な利点があることが知ら
れている。

しかしながら、反面、ローラ転写方式は以下に
示すような問題点があるために実用化には難点が
あつた。

即ち、像担持体に圧接する転写ローラは、いつ
ぱんに、ゴムに可塑材を加えて適度の弾性を具有
させるとともに、カーボンブラツクなどを添加し
て導電性を付与して構成するのが普通であるが、
トナーや像担持体表面の感光層に悪影響を与えな
いためには、可塑材の量は少なくする必要があ
り、カーボンブラツクなどを混入するためにロー
ラの硬度を低くすることが難かしい。

従つて、転写ローラの像担持体への圧接ニツプ
部を充分にとるためには、転写ローラを像担持体
へ強く押し付けなければならないことになり、こ
のためにトナー像の、とくに中央部分が像担持体
に押し付けられて転写されない、いわゆる中抜け
現象が生じたり、感光層を損傷したりするなどの
問題がある。

転写ローラの硬度を下げて上記ような事態を回
避するために、ローラの可塑材の量を増したり、
カーボンブラツクなどの導電性材料の量を減らし
たりすると、前者の場合には、ローラの粘性が増
し、また強度も弱くなるので該ローラのクリーニ
ングが困難となり、これが転写材の汚染につなが
つて好ましくなく、後者の場合には、該ローラに
所望の導電性を具有させることができないので実
用に耐えなくなる。

転写ローラの硬度を実質的に低下させるため
に、スポンジ状の材料を使用することも考えられ
るが、通常のスポンジ材料は、表面の凹凸が大き
すぎてトナーが凹部に強固に付着することを免か
れず、またクリーニング部材との摩擦が大きいの
でクリーニングが困難となる。

本発明はこのような事態に鑑みてなされたもの
であつて、転写ローラを使用する画像形成装置に
おいて、良好な転写を可能とするとともにクリー
ニング性のよい装置を提供することを目的とする
ものである。

(2) 発明の構成 （課題を解決する技術手段、その作用） 上記の目的を達成するため、本発明は、像担持
体と、この像担持体の像を転写材に転写するため
に転写材の前記像担持体とは逆側に接触する転写
回転体とを有する画像形成装置において、前記転
写回転体はその表面にスポンジ層をそなえ、この
スポンジ層の表面の気孔径はその内部の気孔径よ
りも小さいことを特徴とする。

このように構成することによつて、転写ローラ
は低い押圧力で充分転写に必要なニツプ部をとる
ことが可能であるとともに、転写ローラのクリー
ニング性を向上させることができる。

（実施例の説明） 第１図は本発明を回転円筒状の感光体をそなえ
た複写機に適用した実施例の要部を示す概略側面
図である。

紙面に垂直方向にのびており、矢印Ａ方向に回
転する感光体１に平行に、以下に説述するような
弾性転写ローラ２が、適量のニツプ部Ｎを形成す
るように圧接配置されている。

感光体１表面に形成された可転写トナー像が、
感光体の回転にともなつて前記ニツプ部Ｎに到達
すると、これとタイミングを合せて搬送路３ａに
よつて転写材（不図示）が供給されて感光体表面
のトナー像に当接し、これに印加されるバイアス
の作用でトナー像は転写材に転移し、ついで搬送
路３ｂを経て、不図示の定着部位に搬送されるも
のとする。

なお、感光体１の周辺には、よく知られている
ように、感光体表面を帯電させるための一次帯電
器、これに潜像を形成させる画像信号付与手段、
該潜像を可視トナー像とする現像器、クリーニン
グ装置など、画像形成に必要な部材が配設してあ
ることは勿論であるが、それらは本発明には直接
関係がないのですべて省略してある。

転写ローラ２は常時感光体１に圧接しているの
で、転写ローラ側にトナーが付着することを免か
れないが、このために、次回以降に到来する転写
材の裏面にこのトナーが付着して裏汚れを生じた
り、さらにこのトナーが感光体に移つて画面を汚
染したりすることがないように、転写ローラには
クリーニングブレード４を当接させてトナーを除
去するようになつている。

クリーニングブレード４は、耐摩耗性、耐熱
性、硬度、トナーとの反応性などの点からいつて
ウレタンが好適であり、これを転写ローラ４の表
面に20〜50ｇ／cmの力で弾性的に当接させるもの
とする。

転写ローラ２は、導電性の微細な連続気孔材に
カーボンを分散させたポリウレタンミクロポーラ
ススポンジ（商品名 ルビセル、東洋ポリマー社
製）を用いた。

図示の装置の場合、転写ローラは、直径8φの
金属製芯金２ａに前記材料を巻展２ｂして、外径
16φのローラに形成し、前記芯金を介してバイア
スを印加した。

前記気孔材の抵抗は10²〜10⁶Ωcmで、気泡径
は、内部で10〜50μｍ、表面で１〜5μｍ、空孔率
（単位体積中に含まれる気泡の体積の割合）は、
内部で80％以上、表面で70％以下としてスキン層
を形成した。スキン層の厚みは、0.5〜１mmが適
当である。

このような構成によつて、適度の導電性を有
し、表面の凹凸が小さくて摩擦係数も低く、多量
の可塑材を用いずにトナーとの反応することな
く、粘性も小さく、さらに硬度も40゜（JIS Ａ）以
下の柔軟な転写ローラを得られた。

上記のようなローラによつて、中抜けのない良
好な画像が得られるとともに、転写ローラのクリ
ーニング性も良好で、感光体を損傷するようなこ
ともなかつた。

上記のような転写ローラに対するクリーニング
手段としては、クリーニングブレードのみなら
ず、たとえば、第２図に示すように、転写ローラ
２の近傍に配設した、供給ローラＷ１と捲き取り
ローラＷ２との間に懸架したウエブＷを転写ロー
ラ２に圧接し、これを順次図示矢印方向に倦き取
つてゆくように構成したウエブクリーニング方
式、第３図に略示するように、転写ローラ２にフ
エルト、スポンジなどのパツド５を圧接するパツ
ドクリーニング方式あるいは、第４図に示すよう
に、フアーブラシ６を用いるなど種々なクリーニ
ング手段を利用することが可能であることは勿論
である。

また、以上本発明を複写機に適用した場合につ
いて説明したが、本発明がこれに限定されるもの
ではなく、種々な画像形成装置、プリンタなども
適用できるものであることは容易に理解できると
ころであろう。

(3) 発明の効果 本発明は、以上説明した構成を具備しているか
ら、転写ローラを、比較的弱い力で像担持体に押
圧することで充分なニツプ巾がとれるので、画像
の中抜け現象が発生するようなことがなく、転写
ローラには、可塑剤を使用しないので粘性が小さ
く、トナーの剥離性もよくなつてクリーニング性
もすぐれており、長期にわたつて安定的に良質の
画像を得るのに資するところが大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を複写機に適用した実施例の要
部側面図、第２図ないし第４図は、それぞれ、同
上の、クリーニング装置の他の構成を例示する要
部の側面図である。 １……感光体、２……転写ローラ、３ａ，３ｂ
……搬送路、４……クリーニングブレード。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 像担持体と、この像担持体の像を転写材に転
   写するために転写材の前記像担持体とは逆側に接
   触する転写回転体とを有する画像形成装置におい
   て、 前記回転転写体はその表面にスポンジ層をそな
   え、このスポンジ層の表面の気孔径はその内部の
   気孔径よりも小さいことを特徴とする画像形成装
   置。