JPH052067U - 超音波探傷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 直進搬送される被検材に曲がりや芯ぶれがあ
る場合でも、水室の超音波伝播用の水が外部にもれず、
正常な探傷ができる超音波探傷装置を得る。 【構成】 超音波探触子１を保持する円筒体２の長手方
向の両端に第１の弾性体のリング７を固定する。第１の
弾性体のリング７の内周面に環状リング８を接合する。
環状リング８の内周面に、被検材の外表面に内接する第
２の弾性体のリング９を接合する。円筒体２、第１の弾
性体のリング７、環状リング８、第２の弾性体のリング
９および被検材４により囲み、超音波伝播用の水を満た
した水室６を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は回転せずに直進搬送される管状あるいは丸棒状の被検材の周りを回 転する超音波探触子により、被検材をスパイラル状に走査探傷する超音波探傷装 置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図２は従来の超音波探傷装置の断面図である。図において、１は超音波探触子 （以下探触子という）、２は上記探触子１を保持する円筒体、３は上記円筒体２ の内部へ超音波伝播用の水を送る給水口、４は管状あるいは丸棒状の被検材（以 下被検材という）、５は上記円筒体２の長手方向の両端に固定され、その内面が 、上記被検材４の外表面に内接する弾性体のリング、６は上記円筒体２、上記弾 性体のリング５、および上記被検材により囲まれて形成された水室である。

【０００３】 従来の装置は上記のように構成されており、図示されていない回転機により、 上記装置を回転させながら、給水口３より超音波伝播用の水を供給して水室６を 形成し、探触子１から発した超音波が、上記水室６の水を介して被検材４に伝播 され、直進搬送される被検材４をスパイラル状に走査探傷する装置である。直進 搬送される被検材４の断面形状が、例えば楕円形状のように真円でない場合にお いても、リング５が弾性体であるため、その内面が全周にわたって被検材４の外 表面に接しており、水室６の水が外にもれないようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の超音波探傷装置は以上のように構成されているので、直進搬送される被 検材４の断面形状が真円でない場合に対してはリング５が弾性体であるため問題 はない。しかし図２の破線で示すように、被検材４に曲がりや搬送時の芯ぶれが ある場合には、被検材４と弾性体のリング５との間に芯ずれを生じ、弾性体のリ ング５の内面の被検材４が近づく側は、被検材４の外表面に接したままたわまさ れるが、被検材４が遠ざかる側では、被検材４の外表面との間にすきまを生じ、 水室６の水が異常に外にもれて水室６に水が完全に満たされなくなり、探傷不能 になるという問題点があった。このため直進搬送される被検材４の曲がり量や芯 ぶれ量を厳しく規整しなければならないという問題点があった。

【０００５】 この考案は上記のような問題点を解消するためになされたもので、直進搬送さ れる被検材に曲がりや搬送時の芯ぶれがある場合でも、被検材の外表面と弾性体 のリング５との間から水もれすることなく正常に探傷することができ、被検材の 曲がり量や芯ぶれ量を厳しく規整しなくてもよい超音波探傷装置を得ることを目 的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案に係る超音波探傷装置は円筒体の長手方向の両端に、第１の弾性体の リングを固定し、この第１のリングの内周面に環状リングを接着し、さらにこの 環状リングの内周面に、外表面に内接する第２の弾性体のリングを接着したもの である。

【０００７】

【作用】

この考案における超音波探傷装置は、直進搬送される被検材の曲がりや芯ぶれ により、被検材の外表面に内接している第２の弾性体のリングを介して環状リン グが径方向に揺動させられる。このとき環状リングと第１の弾性体のリングの内 周面は接着されているため、第１の弾性体のリングは、環状リングにより径方向 に伸縮させられるが、第１の弾性体のリングと環状リングとの間にすきまを生じ ることはない。このため水室の水の保持が確実に行える。

【０００８】

【実施例】

実施例１． 図１はこの考案の一実施例を示す断面図であり、１〜４および６は上記従来装 置と同じものである。７は円筒体２の両端に固定された第１の弾性体のリング（ 以下第１のリングという）、８は上記第１のリング７の円周面に接着された環状 リング、９は上記環状リング８の内周面に接着され、その内面が被検材４に内接 する第２の弾性体のリング（以下第２のリングという）である。

【０００９】 上記のように構成されたこの考案の装置においては、直進搬送される被検材４ の断面形状が真円でない場合、第２のリングが弾性体であるため従来の装置と同 様に、その内面が全周にわたって被検材４の外表面に接しており、この接触面か ら水がもれることはない。また、直進搬送される被検材４に曲がりや搬送時の芯 ぶれがある場合、被検材４の外表面に内接している第２のリング９を介して環状 リング８が被検材４の曲がり量や芯ぶれ量に応じて径方向に揺動させられる。こ の揺動により、第１のリング７の内周面の、環状リング８が近づく側はそのまま おされてたわまされるが、環状リング８が遠ざかる側は接触面が接着されている ため、すきまができることなく、そのまま引張られ第１のリング７が伸ばされる 。すなわち環状リング８の径方向の揺動により、弾性体である第１のリング７は 径方向に伸縮させられるが、この接着面から水がもれることはない。したがって 被検材４が直進搬送されているとき、被検材４と第２のリング９の接触面、第２ のリング９と環状リング８の接着面、環状リング８と第１のリング７の接着面の いずれの面からの水もれもなく、水室６の水が確実に保持される。

【００１０】

【考案の効果】

この考案は以上説明したように構成されているので、直進搬送される被検材に 曲がりや搬送時の芯ぶれがある場合でも、水室の水が外にもれることなく、正常 に探傷することができ、被検材の曲がり量や芯ぶれ量を厳しく規整しなくてもよ いという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】従来の超音波探傷装置を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 超音波探触子 ２ 円筒体 ３ 給水口 ４ 被検材 ６ 水室 ７ 第１の弾性体のリング ８ 環状リング ９ 第２の弾性体のリング

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 回転せずに直進搬送される管状あるいは
   丸棒状の被検材の周りを回転する超音波探触子と、上記
   超音波探触子を保持する円筒体と、上記円筒体の長手方
   向の両端に固定された弾性体よりなる第１のリングと、
   上記第１のリングの内周面に接合された環状リングと、
   上記環状リングの内周面に接合され、上記被検材の外周
   に内接する弾性体よりなる第２のリングと、上記内筒
   体、上記第１のリング、上記環状リング、上記第２のリ
   ングおよび上記被検材により囲まれて形成された水室と
   を備えたことを特徴とする超音波探傷装置。