JPH05202985A - 筒型防振マウントと該筒型防振マウントを用いたパワープラント支持装置および該パワープラント支持装置における筒型防振マウントの制御方法 - Google Patents

筒型防振マウントと該筒型防振マウントを用いたパワープラント支持装置および該パワープラント支持装置における筒型防振マウントの制御方法

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JPH05202985A
JPH05202985A JP4010692A JP4010692A JPH05202985A JP H05202985 A JPH05202985 A JP H05202985A JP 4010692 A JP4010692 A JP 4010692A JP 4010692 A JP4010692 A JP 4010692A JP H05202985 A JPH05202985 A JP H05202985A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動のアクティブ制御が可能で、自動車用エ
ンジンマウントに適用することにより、鉛直上下方向の
振動と共に、トルクロール軸回りのアイドリング振動に
対しても優れた防振効果が得られるパワープラント支持
装置の提供。 【構成】 ゴム弾性体にて連結された内筒金具12と外
筒金具14との間に、それら内外筒金具間の互いに異な
る略径方向に駆動力を及ぼす一対の電歪素子(46,4
8)が、並列的に配されると共に、それら各電歪素子に
対して独立した給電が可能とされた筒型防振マウント1
0を用い、かかる筒型防振マウントにおける一対の電歪
素子が、パワープラントのトルクロール軸を含む鉛直面
を挟んだ両側に位置するようにして、パワープラントと
支持部材との間に装着したことを特徴とするパワープラ
ント支持装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車のパワープラントの車体
に対する防振支持構造などに有利に適用され得る防振技
術であって、特に振動のアクティブ制御が可能で、入力
振動に応じた防振特性を容易に得ることの出来る筒型防
振マウントと該筒型防振マウントを用いたパワープラン
ト支持装置および該パワープラント支持装置における筒
型防振マウントの制御方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、パワープラント等の振動源とそ
の支持部材との間に介装されて、かかる振動源を支持部
材に対して防振支持せしめる防振マウントの一種とし
て、互いに径方向に所定距離を隔てて配置された内筒金
具と外筒金具とを、それらの間に介装されたゴム弾性体
にて連結せしめてなる構造のものが知られている。例え
ば、FF型自動車において、内燃機関や変速装置等を含
むパワープラントを、車体側に対して防振支持せしめる
筒型エンジンマウント等が、それである。
【0003】また、近年、要求される防振特性の高度化
等に伴い、そのような筒型防振マウントとして、内部に
非圧縮性流体が封入された流体室を設け、振動入力時に
惹起される流体の流動作用に基づいて発揮される防振効
果を利用するようにした流体封入式の筒型防振マウント
等も、種々提案されてきている。
【0004】しかしながら、それら従来構造の筒型防振
マウントは、外部からのエネルギー供給が必要でないパ
ッシブな振動制御装置であって、未だ充分な防振効果を
得ることが難しかったのであり、しかも、有効な防振効
果が発揮される振動周波数域が狭く、且つその防振特性
が設計時に固定的に決定されるために、防振すべき入力
振動の周波数等が変動した場合には、防振効果が著しく
低下してしまい、有効な防振効果を得ることが困難とな
るという不具合を有していた。
【0005】また、特に自動車のパワープラント支持装
置においては、車両上下方向に入力されるシェイクやバ
ウンス等の低周波振動に対する高減衰特性と、トルクロ
ール軸回りに入力されるアイドリング振動に対する低動
ばね特性とが要求されることとなるが、それらシェイク
やバウンス等の低周波振動とアイドリング振動とは、互
いに入力方向が異なり、しかも要求される防振特性が相
反するために、従来構造の筒型エンジンマウントを用い
たパワープラント支持装置では、それら両振動に対して
充分な防振効果を得ることが、極めて困難であったので
ある。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、振動のアクティブ制御が可能で、優れた防
振効果を得ることができると共に、防振特性を、入力振
動等に応じて、適宜、切り換えることが可能である筒型
防振マウントを提供することにあり、更に、本発明は、
自動車のパワープラント支持装置等に有利に適用され得
る、かかる筒型防振マウントを用いたパワープラントの
支持装置および該パワープラント支持装置における筒型
防振マウントの制御方法を提供することをも、その解決
課題とするものである。
【0007】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明にあっては、互いに径方向に所定距離を隔てて配置
された内筒金具と外筒金具とを、それらの間に介装され
たゴム弾性体にて連結せしめてなる筒型防振マウントに
おいて、それら内筒金具と外筒金具との間に、一対の電
歪素子を、該内筒金具と該外筒金具とが対向する互いに
異なる略径方向に変位が生ぜしめられるように、互いに
並列的に配置すると共に、かかる一対の電歪素子に対す
る給電を互いに独立して制御可能とすることにより、か
かる一対の電歪素子に印加する電圧を互いに同相の波形
としたときの該一対の電歪素子の変位に基づく合力と、
互いに逆相の波形としたときの該一対の電歪素子の変位
に基づく合力とが、前記内筒金具と前記外筒金具との間
に対して、相互に異なる方向に及ぼされるようにしたこ
とを特徴とする筒型防振マウントを、その要旨とするも
のである。
【0008】また、本発明は、そのような筒型防振マウ
ントを用い、前記内筒金具をパワープラントおよび支持
部材の何れか一方の側に取り付ける一方、前記外筒金具
をパワープラントおよび支持部材の何れか他方の側に取
り付けることにより、該パワープラントを該支持部材に
対して防振支持せしめてなるパワープラント支持装置で
あって、前記筒型防振マウントにおける一対の電歪素子
を、前記パワープラントのトルクロール軸を含む鉛直面
を挟んだ両側に位置せしめて、かかる一対の電歪素子に
印加する電圧を互いに逆相の波形としたときの該一対の
電歪素子の変位に基づく合力が、該パワープラントに対
してトルクロール軸回りに及ぼされるようにしたことを
特徴とするパワープラント支持装置をも、その要旨とす
るものである。
【0009】更にまた、本発明は、そのようなパワープ
ラント支持装置において、前記筒型防振マウントにおけ
る一対の電歪素子に対して、互いに同相の波形の電圧
と、互いに逆相の波形の電圧とを、入力振動に応じて切
り換えて印加することを特徴とするパワープラント支持
装置における筒型防振マウントの制御方法をも、その要
旨とするものである。
【0010】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0011】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
たFF型自動車用のエンジンマウント10が、示されて
いる。かかる図において、12は内筒金具、14は外筒
金具であって、互いに径方向に所定距離を隔てて対向配
置されていると共に、それらの間に介装されたゴム弾性
体16によって、弾性的に連結されている。
【0012】なお、かかるエンジンマウント10にあっ
ては、内筒金具12および外筒金具14が、それぞれ、
後述するパワープラント18側および車体20側に、そ
れぞれ取り付けられることにより、パワープラント18
と車体20との間に介装されることとなる。また、その
ような装着時、かかるエンジンマウント10には、内外
筒金具12,14の偏心方向に対して、パワープラント
18の荷重が入力されることとなる。
【0013】より詳細には、内筒金具12は、円筒形状
を呈している。また、この内筒金具12の外側には、薄
肉円筒形状を呈する金属スリーブ22が、径方向に所定
距離を隔てて、且つ所定量だけ偏心して配設されてい
る。
【0014】そして、それら内筒金具12と金属スリー
ブ22との間に、ゴム弾性体16が介装されており、該
ゴム弾性体16にて、内筒金具12と金属スリーブ22
とが、互いに弾性的に連結されている。即ち、このゴム
弾性体16は、内筒金具12の外周面および金属スリー
ブ22の内周面に対して、それぞれ加硫接着された一体
加硫成形品として形成されているのである。
【0015】また、そこにおいて、かかるゴム弾性体1
6は、内筒金具12の外周面から金属スリーブ22の内
周面に向って延び出す二本の脚部24,24から成り、
内筒金具12と金属スリーブ22との偏心方向に延びる
径方向線に関して略対照となる全体として略「く」字型
の横断面形状をもって形成されている。
【0016】それによって、内筒金具12と金属スリー
ブ22との間には、該内筒金具12を挟んだ径方向一方
向に対向位置して、第一の空所26と第二の空所28
が、それぞれ軸方向に貫通して設けられている。そし
て、これらの空所26,28により、マウント装着時に
及ぼされるパワープラントの荷重によるゴム弾性体16
における引張応力の発生が、可及的に防止されて、ゴム
弾性体16の耐久性の向上が図られている。
【0017】更にまた、かかるゴム弾性体16には、内
筒金具12を偏心方向に挟んだ両側において、それぞ
れ、金属スリーブ22側に向って所定高さで突出するス
トッパ部30,32が、一体的に設けられている。ま
た、それら各ストッパ部30,32に対向位置する金属
スリーブ22の内周面には、緩衝ゴム34,36が、そ
れぞれ設けられ、該金属スリーブ22に対して加硫接着
されている。そして、これらの緩衝ゴム34,36に対
するストッパ部30,32の当接により、内筒金具12
の金属スリーブ22に対する相対的変位量が規制され得
るようになっているのである。
【0018】さらに、上記一体加硫成形品を形成する金
属スリーブ22には、ゴム弾性体16の脚部24,24
が固着された部位において、第一の窓部38および第二
の窓部40が設けられている。また、ゴム弾性体16の
脚部24,24には、金属スリーブ22側から内筒金具
12側に向って、円形断面形状をもって所定長さで延び
る第一のポケット部42および第二のポケット部44が
設けられており、それぞれ、金属スリーブ22に設けら
れた第一の窓部38および第二の窓部40を通じて、開
口せしめられている。
【0019】そして、それら第一のポケット部42およ
び第二のポケット部44には、第一のアクチュエータ部
材46および第二のアクチュエータ部材48が、それぞ
れ、挿入状態下に装着されている。
【0020】これら第一及び第二のアクチュエータ部材
46,48は、それぞれ、図2に示されているように、
略有底円筒形状のホルダ金具50に対して、逆カップ状
の蓋金具52が、その開口部側から内挿されることによ
り、軸方向に相互に出入り可能に組み合わされてなる構
造のケース54を備えている。なお、ホルダ金具50の
内周面と蓋金具52の外周面との間には、リング状のシ
ールゴム56が、介装されている。
【0021】また、かかるケース54の内部には、電歪
素子58が収容配置されている。この電歪素子58は、
チタン酸バリウムやPZT等の逆圧電効果を有する圧電
セラミックスから成る素子を、適当な変位ストロークが
得られるように複数枚積層して構成された、所謂積層型
のセラミックス・アクチュエータであって、その積層方
向一方の側がホルダ金具50の底板部62に、他方の側
が蓋金具52の底板部64に、それぞれ固定的に取り付
けられている。
【0022】そして、ホルダ金具50の底板部を貫通し
て内部に導かれたリード線60を通じて、各積層素子に
対して電圧が印加されることにより、電歪素子58に対
して、軸方向の歪(伸縮変形)が惹起せしめられるよう
になっている。即ち、この電歪素子58の歪が、ホルダ
金具50と蓋金具52との間に及ぼされることにより、
かかる蓋金具52が、ホルダ金具50に対して、軸方向
(出入方向)に駆動されて変位せしめられるようになっ
ているのである。
【0023】そうして、かくの如き構造とされた第一の
アクチュエータ部材46および第二のアクチュエータ部
材48は、それぞれ蓋金具52側から、ゴム弾性体16
の脚部24,24に設けられた第一のポケット部42お
よび第二のポケット部44内に挿入配置されている。そ
して、それら第一及び第二のアクチュエータ部材46,
48におけるホルダ金具50,50の底板部62,62
が、金属スリーブ22に設けられた第一及び第二の窓部
38,40に対して嵌め込まれて保持されている。
【0024】なお、これら第一及び第二のアクチュエー
タ部材46,48の第一及び第二のポケット部42,4
4への配設は、ゴム弾性体16の加硫成形後に、各ポケ
ット部42,44内へ嵌め込んで組み付けることも可能
であるが、ゴム弾性体16の成形型内に第一及び第二の
アクチュエータ部材46,48を配しておくことによ
り、該ゴム弾性体16の成形と同時に、組み付けるよう
にしても良い。
【0025】さらに、かかる金属スリーブ22の外周面
上には、円筒形状の外筒金具14が外嵌固定されてい
る。そして、この外筒金具14によって、上記第一及び
第二のアクチュエータ部材46,48におけるホルダ金
具50,50の底板部62,62の背面が支持されるこ
とにより、それら第一及び第二のアクチュエータ部材4
6,48が、外筒金具14に対して、固定的に取り付け
られている。
【0026】すなわち、それによって、第一のアクチュ
エータ部材46および第二のアクチュエータ部材48
は、外筒金具14側から内筒金具12側に向って延び出
す状態で、ゴム弾性体16の脚部24,24に埋設状態
下に、配設されているのである。
【0027】なお、上記第一及び第二のアクチュエータ
部材46,48の組付けに際しては、必要に応じ、ホル
ダ金具50と蓋金具52との間に、ゴム弾性体16の弾
性力が及ぼされるようにすることにより、各電歪素子5
8に対して、適当な軸方向の予荷重が及ぼされることと
なる。
【0028】従って、前述の如く、各アクチュエータ部
材46,48の電歪素子58,58に対して電圧を印加
して、蓋金具52を変位せしめることにより、それら各
アクチュエータ部材46,48による駆動力が、ゴム弾
性体16を介して、内筒金具12と外筒金具14との間
に対して、各電歪素子58の伸縮変位方向に及ぼされる
ようになっているのである。
【0029】なお、そこにおいて、かかるエンジンマウ
ント10の装着状態下においては、内外筒金具12,1
4間に及ぼされるパワープラント18の荷重にてゴム弾
性体16が変形せしめられて、内外筒金具12,14が
略同軸的に位置せしめられることにより、アクチュエー
タ部材46,48による駆動力が、それら内外筒金具1
2,14の略径方向に及ぼされることとなる(図5参
照)。
【0030】また、それら第一のアクチュエータ部材4
6および第二のアクチュエータ部材48における各電歪
素子58,58にあっては、印加電圧の制御が、互いに
独立して為され得るようになっている。それ故、例え
ば、それら第一及び第二のアクチュエータ部材46,4
8における両電歪素子58,58に対して、同位相の交
流電圧を印加することにより、内筒金具12に対して、
外筒金具14に対する偏心方向(図1中、上下方向)の
振動駆動力を及ぼすことが可能であり、或いはまた、両
電歪素子58,58に対して、逆位相の交流電圧を印加
することにより、内筒金具12に対して、内外筒金具1
2,14の偏心方向とは異なる軸直角方向の振動駆動力
を及ぼすことができるのである。
【0031】そして、上述の如き構造とされたエンジン
マウント10は、例えば、図3及び図4に示されている
ように、それと同一構造とされた、或いは別の構造とさ
れたエンジンマウント66等と共に用いられて、かかる
エンジンマウント66等と協働して、パワープラント1
8の支持装置を構成することとなる。
【0032】具体的には、それらエンジンマウント10
及び66は、変速装置68と内燃機関70とからなるパ
ワープラント18に対して、そのトルクロール軸:Lの
両端部において、それぞれ、トルクロール軸:Lを含む
鉛直面:Z−Z上に位置するようにして、パワープラン
ト18と車体20との間に装着されることとなり、それ
によって、かかるパワープラント18を車体20側に防
振支持せしめるパワープラント支持装置が構成される。
【0033】また、かかるエンジンマウント10の装着
は、図5に示されている如く、内筒金具12をパワープ
ラント18側に固定された取付軸72に対して、外筒金
具14を車体20側に固定されたブラケット74に対し
て、それぞれ、取り付けることによって、或いはまた、
それとは逆に、図示はされていないが、内筒金具12を
車体側に、外筒金具14をパワープラント側に、それぞ
れ、取り付けることによって、為されることとなるが、
それらの何れにおいても、一対の電歪素子58,58
が、トルクロール軸:Lを含む鉛直面:Z−Z(図3参
照)を挟んだ両側に位置せしめられるようにして、装着
されることとなる。
【0034】さらに、それら何れの装着形態において
も、内筒金具12および外筒金具14のうちパワープラ
ント18側に取り付けられる方の筒金具の取付中心:O
に対して、パワープラント18のトルクロール軸:L
が、鉛直上方に所定距離だけ隔たった位置:P1 または
鉛直下方に所定距離だけ隔たった位置:P2 を通るよう
に、マウント装着位置を決定することが望ましい。
【0035】そして、そのような装着状態下、かかるエ
ンジンマウント10にあっては、第一のアクチュエータ
部材46および第二のアクチュエータ部材48の各電歪
素子58,58に対して印加せしめる電圧を制御して、
入力振動と干渉してこれを打ち消すような振動を生ぜし
めることにより、振動のアクティブ制御が可能となるの
であり、以て、パワープラント支持装置において、入力
振動に応じた防振特性を有利に得ることができるのであ
る。
【0036】より具体的には、例えば、シェイクやバウ
ンス等の如く、鉛直上下方向の低周波振動の入力時にお
いては、第一のアクチュエータ部材46および第二のア
クチュエータ部材48の各電歪素子58,58に対し
て、それぞれ、互いに同相となる波形の電圧を印加せし
めて、かかるエンジンマウント10における内筒金具1
2と外筒金具14との間に、入力振動に対して略逆相と
なる変位を生ぜしめる。
【0037】それによって、エンジンマウント10を含
むパワープラント支持装置における減衰特性が向上せし
められたと同様な効果が発揮されるのであり、以て、シ
ェイクやバウンス等の低周波振動に対して、優れた制振
効果が発揮され得るのである。
【0038】また、こもり音等の原因となるような鉛直
上下方向の中乃至高周波振動の入力時においては、第一
のアクチュエータ部材46および第二のアクチュエータ
部材48の各電歪素子58,58に対して、それぞれ、
互いに同相となる波形の電圧を印加せしめて、かかるエ
ンジンマウント10における内筒金具12と外筒金具1
4との間に、入力振動に対して略同相となる変位を生ぜ
しめる。
【0039】それによって、エンジンマウント10を含
むパワ−プラント支持装置における動ばね定数が低下せ
しめられたと同様な効果が発揮されるのであり、以て、
中乃至高周波振動に対して、優れた振動絶縁効果が発揮
され得るのである。
【0040】また一方、このようなパワープラント支持
装置にあっては、パワープラント18のトルクロール
軸:Lの回りの回転振動として惹起されるアイドリング
振動に対しても、振動絶縁効果が要求される。そこで、
アイドリング振動の入力時においては、第一のアクチュ
エータ部材46および第二のアクチュエータ部材48の
各電歪素子58,58に対して、それぞれ、互いに逆相
となる波形の電圧を印加せしめる。
【0041】すなわち、それら各電歪素子58,58に
対して互いに逆相となる波形の電圧を印加することによ
り、エンジンマウント10における内筒金具12に対し
て、トルクロール軸:Lの回りの方向成分をもった変位
が生ぜしめられることとなるのであり、それ故、かかる
内筒金具12に対し、入力されるアイドリング振動と略
同相となる変位を生ぜしめることにより、エンジンマウ
ント10を含むパワ−プラント支持装置における動ばね
定数が低下せしめられたと同様な効果が得られることと
なり、以て、アイドリング振動に対しても、優れた振動
絶縁効果が発揮され得るのである。
【0042】なお、かくの如き、アイドリング振動に対
する振動絶縁効果をより有効に得るためには、第一及び
第二のアクチュエータ部材46,48における電歪素子
58,58の伸縮方向が、トルクロール軸:L回りのア
イドリング振動の入力方向と略一致するように、エンジ
ンマウント10の装着位置を設定することが望ましい。
【0043】また、第一及び第二のアクチュエータ部材
46,48における電歪素子58,58に対して印加す
る電圧を制御するためのコントロール信号は、パワープ
ラント18の振動を振動センサによって直接に検出した
信号に基づいて得ることも可能であるが、その他、車両
の走行状態やエンジンの回転状態、例えば、車速やエン
ジン回転数等を検出した信号に基づいて得ることも可能
である。
【0044】更にまた、第一及び第二のアクチュエータ
部材46,48における電歪素子58,58に対して印
加する電圧は、その周波数を予め適当な値に設定してお
くことも可能であるが、入力される振動周波数に応じ
て、連続的に変化させることも可能である。
【0045】従って、上述の如き構造とされたエンジン
マウント10においては、第一のアクチュエータ部材4
6および第二のアクチュエータ部材48における電歪素
子58,58に対して印加する電圧を制御することによ
り、内筒金具12と外筒金具14との偏心方向だけでな
く、かかる偏心方向に対して傾斜した方向における入力
振動に対しても、その防振特性を適宜調節することがで
き、振動に対するアクティブ制御が可能となるのであ
る。
【0046】また、かくの如きエンジンマウント10を
用いて構成された、上述の如きパワープラント支持装置
によれば、第一及び第二のアクチュエータ部材46,4
8の電歪素子58,58に対する印加電圧を、入力振動
に応じて切換制御することにより、入力方向や振動周波
数が異なる各種の入力振動に対して、何れも、優れた防
振効果を安定して得ることができるのである。
【0047】そして、特に、かかるパワープラント支持
装置においては、鉛直上下方向だけでなく、トルクロー
ル軸回りの回転方向における防振特性も、制御可能であ
ることから、従来ではその両立が極めて困難であった、
互いに入力方向が異なり、しかも要求される防振特性が
相反するシェイクやバウンス等の低周波振動とアイドリ
ング振動とに対する防振特性を、共に、高度に達成する
ことができるのである。
【0048】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0049】例えば、内筒金具12と外筒金具14とに
対する電歪素子58,58の配設方向は、前記実施例の
如き形態に限定されるものではなく、それら内筒金具1
2と外筒金具14との間における振動入力方向等に応じ
て、適宜、決定されるものである。
【0050】また、電歪素子58は、内筒金具12また
は外筒金具14の何れかに対して固定的に支持させるこ
とは、必ずしも必要ではなく、例えば、内外筒金具1
2,14間に対して、その変位に基づく駆動力が及ぼさ
れ得る限り、それら内外筒金具12,14を連結するゴ
ム弾性体内に、それら内外筒金具12,14の何れにも
固定的に支持させることなく、埋設配置するようにして
も良い。
【0051】更にまた、ゴム弾性体16内に、非圧縮性
流体が封入された流体室を形成すると共に、電歪素子5
8の変位に基づいて、かかる流体室の内圧が変化せしめ
られるようにすることにより、電歪素子58,58の変
位に基づく駆動力を、流体圧力を介して、内筒金具12
と外筒金具14との間に及ぼすようにすること等も可能
である。
【0052】さらに、そのように、ゴム弾性体16内に
流体室を形成する場合には、振動入力時に流体の流動が
惹起される流体通路を設けて、該流体通路内を流動せし
められる流体の共振作用等に基づく防振効果を、併せて
利用するようにすることも可能である。
【0053】加えて、前記実施例では、本発明を、FF
型自動車用のエンジンマウントに対して適用したものの
具体例を示したが、本発明は、その他、自動車用デフマ
ウント等、或いは自動車以外の各種筒型防振マウントに
対しても、適用され得るものである。
【0054】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0055】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた筒型防振マウントにおいては、一対
の電歪素子に対して印加する電圧を制御することによ
り、内筒金具と外筒金具との間に入力される、互いに入
力方向が異なる複数の振動に対する防振特性を、適宜調
節することができ、振動に対するアクティブ制御が可能
となるのである。
【0056】また、かくの如き筒型防振マウントを用い
た、本発明に係るパワープラント支持装置にあっては、
一対の電歪素子に対して印加する電圧の周波数や位相
を、入力振動に応じて切換制御することにより、鉛直上
下方向に入力されるパワープラントの振動だけでなく、
トルクロール軸回りに入力されるパワープラントの振動
に対しても、優れた防振効果を得ることができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのエンジンマウントを
示す横断面図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントに用いられて
いるアクチュエータ部材を取り出して示す断面図であ
る。
【図3】図1に示されたエンジンマウントのパワープラ
ントに対する装着位置を例示する説明図である。
【図4】図3における右側面を示す説明図である。
【図5】図1に示されたエンジンマウントのパワープラ
ントに対する装着状態の一例を示す横断面説明図であ
る。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 内筒金具 14 外筒金具 16 ゴム弾性体 18 パワープラント 20 車体 46 第一のアクチュエータ部材 48 第二のアクチュエータ部材 58 電歪素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに径方向に所定距離を隔てて配置さ
    れた内筒金具と外筒金具とを、それらの間に介装された
    ゴム弾性体にて連結せしめてなる筒型防振マウントにお
    いて、 それら内筒金具と外筒金具との間に、一対の電歪素子
    を、該内筒金具と該外筒金具とが対向する互いに異なる
    略径方向に変位が生ぜしめられるように、互いに並列的
    に配置すると共に、かかる一対の電歪素子に対する給電
    を互いに独立して制御可能とすることにより、かかる一
    対の電歪素子に印加する電圧を互いに同相の波形とした
    ときの該一対の電歪素子の変位に基づく合力と、互いに
    逆相の波形としたときの該一対の電歪素子の変位に基づ
    く合力とが、前記内筒金具と前記外筒金具との間に対し
    て、相互に異なる方向に及ぼされるようにしたことを特
    徴とする筒型防振マウント。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の筒型防振マウントを用
    い、前記内筒金具をパワープラントおよび支持部材の何
    れか一方の側に取り付ける一方、前記外筒金具をパワー
    プラントおよび支持部材の何れか他方の側に取り付ける
    ことにより、該パワープラントを該支持部材に対して防
    振支持せしめてなるパワープラント支持装置であって、 前記筒型防振マウントにおける一対の電歪素子を、前記
    パワープラントのトルクロール軸を含む鉛直面を挟んだ
    両側に位置せしめて、かかる一対の電歪素子に印加する
    電圧を互いに逆相の波形としたときの該一対の電歪素子
    の変位に基づく合力が、該パワープラントに対してトル
    クロール軸回りに及ぼされるようにしたことを特徴とす
    るパワープラント支持装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のパワープラント支持装
    置において、 前記筒型防振マウントにおける一対の電歪素子に対し
    て、互いに同相の波形の電圧と、互いに逆相の波形の電
    圧とを、入力振動に応じて切り換えて印加することを特
    徴とするパワープラント支持装置における筒型防振マウ
    ントの制御方法。
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