JP3039104B2 - 防振マウントと該防振マウントを用いたパワープラント支持装置および該パワープラント支持装置における防振マウントの制御方法 - Google Patents

防振マウントと該防振マウントを用いたパワープラント支持装置および該パワープラント支持装置における防振マウントの制御方法

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JP3039104B2
JP3039104B2 JP4010592A JP4010592A JP3039104B2 JP 3039104 B2 JP3039104 B2 JP 3039104B2 JP 4010592 A JP4010592 A JP 4010592A JP 4010592 A JP4010592 A JP 4010592A JP 3039104 B2 JP3039104 B2 JP 3039104B2
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真彰 濱田
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車のパワープラントの車体
に対する防振支持構造などに有利に適用され得る防振技
術であって、特に振動のアクティブ制御が可能で、入力
振動に応じた防振特性を容易に得ることの出来る防振マ
ウントと該防振マウントを用いたパワープラント支持装
置および該パワープラント支持装置における防振マウン
トの制御方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、パワープラント等の振動源とそ
の支持部材との間に介装されて、かかる振動源を支持部
材に対して防振支持せしめる防振マウントの一種とし
て、振動入力方向に所定距離を隔てて対向配置された第
一の取付金具と第二の取付金具とを、それらの間に介装
されたゴム弾性体にて連結せしめてなる構造のものが知
られている。例えば、自動車において、内燃機関や変速
装置等を含むパワープラントを、車体側に対して防振支
持せしめるエンジンマウント等が、それである。
【0003】また、近年、要求される防振特性の高度化
等に伴い、そのような防振マウントとして、内部に非圧
縮性流体が封入された流体室を備え、振動入力時に惹起
される流体の流動作用に基づいて発揮される防振効果を
利用するようにした流体封入式の防振マウント等も、種
々提案されてきている。
【0004】しかしながら、それら従来構造の防振マウ
ントは、外部からのエネルギー供給が必要でないパッシ
ブな振動制御装置であって、未だ充分な防振効果を得る
ことが難しかったのであり、しかも、有効な防振効果が
発揮される振動周波数域が狭く、且つその防振特性が設
計時に固定的に決定されるために、防振すべき入力振動
の周波数等が変動した場合には、防振効果が著しく低下
してしまい、有効な防振効果を得ることが困難となると
いう不具合を有していた。
【0005】また、特に自動車のパワープラント支持装
置においては、車両上下方向に入力されるシェイクやバ
ウンス等の低周波振動などに対する高減衰特性と、トル
クロール軸回りに入力されるアイドリング振動に対する
低動ばね特性とが要求されることとなるが、それらシェ
イクやバウンス等の低周波振動とアイドリング振動と
は、互いに入力方向が異なり、しかも要求される防振特
性が反するために、従来構造の防振マウントを用いたパ
ワープラント支持装置では、それら両振動に対して充分
な防振効果を得ることが、極めて困難であったのであ
る。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、振動のアクティブ制御が可能で、優れた防
振効果を得ることができると共に、防振特性を、入力振
動等に応じて、適宜、切り換えることが可能である防振
マウントを提供することにあり、更に、本発明は、自動
車のパワープラント支持装置等に有利に適用され得る、
かかる防振マウントを用いたパワープラントの支持装置
および該パワープラント支持装置における防振マウント
の制御方法を提供することをも、その解決課題とするも
のである。
【0007】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明にあっては、振動入力方向に互いに所定距離を隔て
て対向配置された第一の取付金具と第二の取付金具と
を、それらの間に介装されたゴム弾性体にて連結せしめ
てなる防振マウントにおいて、それら第一の取付金具と
第二の取付金具との間に、一対の電歪素子を、該第一の
取付金具と該第二の取付金具との対向方向に変位が生ぜ
しめられるように、互いに並列的に配置すると共に、か
かる一対の電歪素子に対する給電を互いに独立して制御
可能とすることにより、かかる一対の電歪素子に印加す
る電圧を互いに同相の波形としたときの該一対の電歪素
子の変位に基づく合力と、互いに逆相の波形としたとき
の該一対の電歪素子の変位に基づく合力とが、前記第一
の取付金具と前記第二の取付金具との間に対して、相互
に異なる方向に及ぼされるようにしたことを特徴とする
防振マウントを、その要旨とするものである。
【0008】また、本発明は、そのような防振マウント
を用い、前記第一の取付金具をパワープラントおよび支
持部材の何れか一方の側に取り付ける一方、前記第二の
取付金具をパワープラントおよび支持部材の何れか他方
の側に取り付けることにより、該パワープラントを該支
持部材に対して防振支持せしめてなるパワープラント支
持装置であって、前記防振マウントにおける一対の電歪
素子を、前記パワープラントのトルクロール軸を含む鉛
直面を挟んだ両側に位置せしめて、かかる一対の電歪素
子に印加する電圧を互いに逆相の波形としたときの該一
対の電歪素子の変位に基づく合力が、該パワープラント
に対してトルクロール軸回りに及ぼされるようにしたこ
とを特徴とするパワープラント支持装置をも、その要旨
とするものである。
【0009】更にまた、本発明は、そのようなパワープ
ラント支持装置において、前記防振マウントにおける一
対の電歪素子に対して、互いに同相の波形の電圧と、互
いに逆相の波形の電圧とを、入力振動に応じて切り換え
て印加することを特徴とするパワープラント支持装置に
おける防振マウントの制御方法をも、その要旨とするも
のである。
【0010】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0011】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
たFR型自動車用のミッションマウントが、示されてい
る。かかる図において、10は第一の取付金具、12は
第二の取付金具であって、互いに所定距離を隔てて対向
配置されていると共に、それらの間に介装されたゴム弾
性体14,14によって、弾性的に連結されている。
【0012】より詳細には、第一の取付金具10は、略
厚肉の矩形板形状を呈しており、その上面の略中央部に
は、第一の取付ボルト16が、突設されている。また、
かかる第一の取付金具10の下面は、図1中の左右方向
における両側部分が所定角度傾斜して外方に向かう傾斜
面18,18とされている。
【0013】一方、第二の取付金具12は、略長手状の
矩形平板形状を呈しており、その中央部には、第二の取
付ボルト20が一体的に取り付けられて、下方に突出せ
しめられている。また、かかる第二の取付金具12は、
その長手方向両側部分が、それぞれ上方に向って屈曲せ
しめられて、所定角度傾斜して斜め上方に延びる傾斜部
22,22とされている。
【0014】そして、これら第一の取付金具10と第二
の取付金具12は、傾斜面18,18と傾斜部22,2
2とが、各々、互いに略平行な面をもって対向する状態
で、所定距離を隔てて対向して配置せしめられている。
【0015】また、かくの如く対向配置された第一の取
付金具10と第二の取付金具12との間には、各傾斜面
18と傾斜部22との対向面間に、それぞれ、ゴム弾性
体14が介装されている。そして、かかるゴム弾性体1
4,14が、第一の取付金具10および第二の取付金具
12に対して加硫接着されていることにより、それら第
一の取付金具10と第二の取付金具12とが、弾性的に
連結されている。なお、第一の取付金具10と第二の取
付金具12との対向面間の中央部には、ゴム弾性体1
4,14間を、両取付金具10,12の対向方向に対し
て直角な方向に貫通して延びる空所24が設けられてい
る。
【0016】また一方、第二の取付金具12には、傾斜
部22,22において、板厚方向に貫通する第一の貫通
孔26および第二の貫通孔28が、それぞれ設けられて
いる。また、ゴム弾性体14,14の内部には、第二の
取付金具12側から第一の取付金具10側に向って所定
長さで延びる第一のポケット部30および第二のポケッ
ト部32が、それぞれ設けられている。そして、これら
第一及び第二のポケット部30,32が、それぞれ、第
二の取付金具12の傾斜部22,22に設けられた第一
及び第二の貫通孔26,28を通じて、外部に開口せし
められている。
【0017】さらに、第一及び第二のポケット部30,
32が開口せしめられた第一及び第二の貫通孔26,2
8には、第一のアクチュエータ部材34および第二のア
クチュエータ部材36が、それぞれ装着されている。
【0018】これら第一及び第二のアクチュエータ部材
34,36は、それぞれ、略円筒形状のケース42を備
えている。そして、該ケース42の一方の開口部側に
は、円板形状の振動板44が、環状の連結ゴム46を介
して、取り付けられて、その開口部が流体密に閉塞され
ている。また一方、該ケース42の他方の開口部側に
は、底板40が、固着されている。
【0019】また、かかるケース42の内部には、電歪
素子48が収容されており、振動板44と底板40との
間に跨がって配設されている。この電歪素子48は、チ
タン酸バリウムやPZT等の逆圧電効果を有する圧電セ
ラミックスから成る素子を、適当な変位ストロークが得
られるように複数枚積層して構成された、所謂積層型の
セラミックス・アクチュエータであって、その積層方向
一方の側が振動板44に、他方の側が底板40に、それ
ぞれ固定的に取り付けられている。
【0020】そして、底板40を貫通して内部に導かれ
たリード線50を通じて、各積層素子に対して電圧が印
加されることにより、電歪素子48に対して、軸方向の
歪(伸縮変形)が惹起せしめられるようになっている。
即ち、この電歪素子48の歪が、振動板44と底板40
との間に及ぼされることにより、かかる振動板44が、
ケース42の軸方向に駆動されて変位せしめられるよう
になっているのである。
【0021】そうして、かくの如き構造とされた第一の
アクチュエータ部材34および第二のアクチュエータ部
材36は、それぞれ振動板44側から、前記第二の取付
金具12の傾斜部22,22に設けられた第一の貫通孔
26および第二の貫通孔28内に挿入されている。そし
て、各々のケース42が第二の取付金具12に固着され
ることにより、第一のポケット部30および第二のポケ
ット部32内に所定寸法入り込んだ状態で、第二の取付
金具12に対して取り付けられている。
【0022】また、これら第一及び第二のアクチュエー
タ部材34,36の取付けにより、第一及び第二の貫通
孔26,28が流体密に閉塞されており、以て、第一の
ポケット部30および第二のポケット部32により、そ
れぞれ内部に所定の非圧縮性流体が封入された第一の流
体室52および第二の流体室54が形成されている。な
お、これら流体室52,54内に封入される流体は、特
に限定されるものではなく、水やアルキレングリコー
ル,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等の低粘
性或いは高粘性の非圧縮性流体が、何れも、採用され得
る。
【0023】すなわち、これら第一の流体室52および
第二の流体室54にあっては、その壁部の一部が第一及
び第二のアクチュエータ部材34,36の振動板44に
て構成されており、それによって、前述の如く、各アク
チュエータ部材34,36の電歪素子48に対して電圧
を印加して、振動板44を変位せしめることにより、そ
れら第一の流体室52および第二の流体室54の内圧が
変化せしめられるようになっている。
【0024】そして、それら第一の流体室52および第
二の流体室54の内圧変化を通じて、第一のアクチュエ
ータ部材34および第二のアクチュエータ部材36によ
る駆動力が、第一の取付金具10と第二の取付金具12
との間に対して、各電歪素子48の伸縮変位方向に及ぼ
されるようになっているのである。
【0025】また、そこにおいて、それら第一のアクチ
ュエータ部材34および第二のアクチュエータ部材36
における各電歪素子48,48にあっては、印加電圧の
制御が、互いに独立して為され得るようになっている。
それ故、例えば、それら第一及び第二のアクチュエータ
部材34,36における両電歪素子48,48に対し
て、同位相の交流電圧を印加することにより、第一の取
付金具10に対して、第二の取付金具12に対する接近
・離隔方向の振動駆動力を及ぼすことが可能であり、或
いはまた、両電歪素子48,48に対して、逆位相の交
流電圧を印加することにより、第一の取付金具10に対
して、第二の取付金具12に対する斜め方向の振動駆動
力を及ぼすことができるのである。
【0026】そして、上述の如き構造とされたミッショ
ンマウント56は、他の幾つかのマウントと共に用いら
れて、それらのマウントと共に、パワープラントの支持
装置を構成することとなる。
【0027】具体的には、例えば、かかるミッションマ
ウント56は、図2及び図3に示されているように、パ
ワープラント58を構成するミッションケース60の下
部に装着され、エンジンユニット62の両サイドに装着
された一対のエンジンマウント64,64と協働して、
かかるパワープラント58を車体68側に防振支持せし
めるパワープラント支持装置を構成することとなる。
【0028】そこにおいて、かかるミッションマウント
56は、パワープラント58のトルクロール軸:Lを含
む鉛直面Z−Z上に位置するようにして、装着される。
【0029】また、かかるミッションマウント56の装
着は、図4に示されている如く、第一の取付金具10を
パワープラント58側に、第二の取付金具12を車体6
8側に、それぞれ、第一の取付ボルト16および第二の
取付ボルト20にて固定することによって、或いはま
た、図5に示されている如く、第一の取付金具10を車
体68側に、第二の取付金具12をパワープラント58
側に、それぞれ固定することによって、為されることと
なるが、それらの何れにおいても、一対の電歪素子4
8,48が、トルクロール軸:Lを含む鉛直面:Z−Z
(図3参照)を挟んだ両側に位置せしめられるようにし
て、装着されることとなる。
【0030】さらに、それら図4および図5に示された
何れの装着形態においても、パワープラント58のトル
クロール軸:Lが、第一の取付金具10または第二の取
付金具12のパワープラント58側に対する取付部:a
に対して、鉛直上方に所定距離だけ隔たった位置:P1
または鉛直下方に所定距離だけ隔たった位置:P2 を通
るように、マウント装着位置を決定することが望まし
い。
【0031】そして、そのような装着状態下、かかるミ
ッションマウント56にあっては、第一のアクチュエー
タ部材34および第二アクチュエータ部材36の各電歪
素子48に対して印加せしめる電圧を制御して、入力振
動と干渉してこれを打ち消すような振動を生ぜしめるこ
とにより、振動のアクティブ制御が可能で、入力振動に
応じた防振特性を有利に得ることができるのである。
【0032】より具体的には、例えば、シェイクやバウ
ンス等の如く、鉛直上下方向の低周波振動の入力時にお
いては、第一のアクチュエータ部材34および第二アク
チュエータ部材36の各電歪素子48,48に対して、
それぞれ、互いに同相となる波形の電圧を印加せしめ
て、かかるミッションマウント56における第一の取付
金具10と第二の取付金具12との間に、入力振動に対
して略逆相となる変位を生ぜしめる。
【0033】それによって、ミッションマウント56を
含むパワープラント支持装置における減衰特性が向上せ
しめられたと同様な効果が発揮されるのであり、以て、
シェイクやバウンス等の低周波振動に対して、優れた制
振効果が発揮され得ることとなるのである。
【0034】また、こもり音等の原因となるような鉛直
上下方向の中乃至高周波振動の入力時においては、第一
のアクチュエータ部材34および第二アクチュエータ部
材36の各電歪素子48,48に対して、それぞれ、互
いに同相となる波形の電圧を印加せしめて、かかるミッ
ションマウント56における第一の取付金具10と第二
の取付金具12との間に、入力振動に対して略同相とな
る変位を生ぜしめる。
【0035】それによって、ミッションマウント56を
含むパワ−プラント支持装置における動ばね定数が低下
せしめられたと同様な効果が発揮されるのであり、以
て、中乃至高周波振動に対して、優れた振動絶縁効果が
発揮され得ることとなるのである。
【0036】また一方、このようなパワープラント支持
装置にあっては、パワープラント58のトルクロール
軸:Lの回りの回転振動として惹起されるアイドリング
振動に対しても、振動絶縁効果が要求される。そこで、
アイドリング振動の入力時においては、第一のアクチュ
エータ部材34および第二のアクチュエータ部材36の
各電歪素子48,48に対して、それぞれ、互いに逆相
となる波形の電圧を印加せしめる。
【0037】すなわち、それら各電歪素子48,48に
対して互いに逆相となる波形の電圧を印加することによ
り、ミッションマウント56における第一の取付金具1
0に対して、略トルクロール軸:Lの回りの変位が生ぜ
しめられることとなるのであり、それ故、かかるミッシ
ョンマウント56に対して、入力されるアイドリング振
動に対して略同相となる変位を生ぜしめることにより、
ミッションマウント56を含むパワ−プラント支持装置
における動ばね定数が低下せしめられたと同様な効果が
得られることとなり、以て、アイドリング振動に対して
も、優れた振動絶縁効果が発揮され得るのである。
【0038】なお、かくの如き、アイドリング振動に対
する振動絶縁効果をより有効に得るためには、第一及び
第二のアクチュエータ部材34,36における電歪素子
48,48の伸縮方向が、トルクロール軸:L回りのア
イドリング振動の入力方向と略一致するように、ミッシ
ョンマウント56の装着位置を設定することが望まし
い。
【0039】また、第一及び第二のアクチュエータ部材
34,36における電歪素子48,48に対して印加す
る電圧を制御するためのコントロール信号は、パワープ
ラント58の振動を振動センサによって直接に検出した
信号に基づいて得ることも可能であるが、その他、車両
の走行状態やエンジンの回転状態、例えば、車速やエン
ジン回転数等を検出した信号に基づいて得ることも可能
である。
【0040】更にまた、第一及び第二のアクチュエータ
部材34,36における電歪素子48,48に対して印
加する電圧は、その周波数を予め適当な値に設定してお
くことも可能であるが、入力される振動周波数に応じ
て、連続的に変化させることも可能である。
【0041】従って、上述の如き構造とされたミッショ
ンマウント56においては、第一のアクチュエータ部材
34および第二のアクチュエータ部材36における電歪
素子48,48に対して印加する電圧を制御することに
より、第一の取付金具10と第二の取付金具12との対
向方向だけでなく、他の方向における入力振動に対して
も、その防振特性を適宜調節することができ、振動に対
するアクティブ制御が可能となるのである。
【0042】また、かくの如きミッションマウント56
を用いて構成された、上述の如きパワープラント支持装
置によれば、第一及び第二のアクチュエータ部材34,
36の電歪素子48,48に対する印加電圧を、入力振
動に応じて切換制御することにより、各種の入力振動に
対して、何れも、優れた防振効果を安定して得ることが
できるのである。
【0043】そして、特に、かかるパワープラント支持
装置においては、鉛直上下方向だけでなく、トルクロー
ル軸回りの回転方向における防振特性も、制御可能であ
ることから、従来ではその両立が極めて困難であった、
互いに入力方向が異なり、しかも要求される防振特性が
反するシェイクやバウンス等の低周波振動とアイドリン
グ振動とに対する防振特性を、共に、高度に達成するこ
とができるのである。
【0044】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0045】例えば、前記実施例では、第一及び第二の
アクチュエータ部材34,36における電歪素子48,
48の変位に基づく駆動力が、第一及び第二の流体室5
2,54に封入された流体を介して、第一の取付金具1
0と第二の取付金具12との間に及ぼされるようになっ
ていたが、その他、それら電歪素子48,48の変位に
基づく駆動力を、直接、ゴム弾性体14,14を介し
て、第一の取付金具10と第二の取付金具12との間に
及ぼすようにすることも可能であり、その場合には、流
体室を設ける必要はなく、ゴム弾性体14,14内に電
歪素子48,48を埋設配置すること等によって、構成
され得る。
【0046】また、例示の如く、ゴム弾性体14,14
内に流体室52,54を形成する場合には、振動入力時
に流体の流動が惹起される流体通路を設けて、該流体通
路内を流動せしめられる流体の共振作用等に基づく防振
効果を、併せて利用するようにすることも可能である。
【0047】更にまた、第一の取付金具10と第二の取
付金具12とに対する電歪素子48,48の配設方向
は、前記実施例の如き形態に限定されるものではなく、
それら第一の取付金具10と第二の取付金具12との間
における振動入力方向等に応じて、適宜、決定されるも
のであり、例えば、第一の取付金具と第二の取付金具と
の間に、一対の電歪素子を、その変位方向が互いに平行
となるように配設すること等も可能である。
【0048】さらに、電歪素子48は、何れか一方の取
付金具10,12に対して固定的に支持させることは、
必ずしも必要ではなく、例えば、第一及び第二の取付金
具10,12の対向方向に対して、その変位に基づく駆
動力が及ぼされ得る限り、それら両取付金具10,12
を連結するゴム弾性体内に埋設配置するようにしても良
い。
【0049】加えて、前記実施例では、本発明を、FR
型自動車用のミッションマウントに対して適用したもの
の具体例を示したが、本発明は、その他、FF型自動車
用エンジンマウントやデフマウント等、或いは自動車以
外の各種防振マウントに対しても、適用され得るもので
ある。
【0050】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0051】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた防振マウントにおいては、一対の電
歪素子に対して印加する電圧を制御することにより、第
一の取付金具と第二の取付金具との間に入力される、互
いに入力方向が異なる複数の振動に対する防振特性を、
適宜調節することができ、振動に対するアクティブ制御
が可能となるのである。
【0052】また、かくの如き防振マウントを用いた、
本発明に係るパワープラント支持装置にあっては、一対
の電歪素子に対して印加する電圧の周波数や位相を、入
力振動に応じて切換制御することにより、鉛直上下方向
に入力されるパワープラントの振動だけでなく、トルク
ロール軸回りに入力されるパワープラントの振動に対し
ても、優れた防振効果を有利に得ることができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのミッションマウント
を示す縦断面図である。
【図2】図1に示されたミッションマウントのパワープ
ラントに対する装着位置を例示する説明図である。
【図3】図2における左側面を示す説明図である。
【図4】図1に示されたミッションマウントのパワープ
ラントに対する装着状態の一例を示す縦断面説明図であ
る。
【図5】図1に示されたミッションマウントのパワープ
ラントに対する装着状態の別の例を示す縦断面説明図で
ある。
【符号の説明】
10 第一の取付金具 12 第二の取付金具 14 ゴム弾性体 34 第一のアクチュエータ部材 36 第二のアクチュエータ部材 42 ケース 44 振動板 46 連結ゴム 48 電歪素子 52 第一の流体室 54 第二の流体室 56 ミッションマウント 58 パワープラント 68 車体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−114522(JP,A) 特開 平2−261940(JP,A) 特開 平3−193528(JP,A) 特開 平4−145241(JP,A) 特開 平5−87189(JP,A) 特開 平5−202985(JP,A) 特開 平5−99264(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/02 F16F 15/08 B60K 5/12 F16F 13/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動入力方向に互いに所定距離を隔てて
    対向配置された第一の取付金具と第二の取付金具とを、
    それらの間に介装されたゴム弾性体にて連結せしめてな
    る防振マウントにおいて、 それら第一の取付金具と第二の取付金具との間に、一対
    の電歪素子を、該第一の取付金具と該第二の取付金具と
    の対向方向に変位が生ぜしめられるように、互いに並列
    的に配置すると共に、かかる一対の電歪素子に対する給
    電を互いに独立して制御可能とすることにより、かかる
    一対の電歪素子に印加する電圧を互いに同相の波形とし
    たときの該一対の電歪素子の変位に基づく合力と、互い
    に逆相の波形としたときの該一対の電歪素子の変位に基
    づく合力とが、前記第一の取付金具と前記第二の取付金
    具との間に対して、相互に異なる方向に及ぼされるよう
    にしたことを特徴とする防振マウント。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の防振マウントを用い、前
    記第一の取付金具をパワープラントおよび支持部材の何
    れか一方の側に取り付ける一方、前記第二の取付金具を
    パワープラントおよび支持部材の何れか他方の側に取り
    付けることにより、該パワープラントを該支持部材に対
    して防振支持せしめてなるパワープラント支持装置であ
    って、 前記防振マウントにおける一対の電歪素子を、前記パワ
    ープラントのトルクロール軸を含む鉛直面を挟んだ両側
    に位置せしめて、かかる一対の電歪素子に印加する電圧
    を互いに逆相の波形としたときの該一対の電歪素子の変
    位に基づく合力が、該パワープラントに対してトルクロ
    ール軸回りに及ぼされるようにしたことを特徴とするパ
    ワープラント支持装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のパワープラント支持装
    置において、 前記防振マウントにおける一対の電歪素子に対して、互
    いに同相の波形の電圧と、互いに逆相の波形の電圧と
    を、入力振動に応じて切り換えて印加することを特徴と
    するパワープラント支持装置における防振マウントの制
    御方法。
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