JPH05202779A - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JPH05202779A
JPH05202779A JP4014982A JP1498292A JPH05202779A JP H05202779 A JPH05202779 A JP H05202779A JP 4014982 A JP4014982 A JP 4014982A JP 1498292 A JP1498292 A JP 1498292A JP H05202779 A JPH05202779 A JP H05202779A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両走行路が摩擦係数の大きい登坂路である
か否かを簡易に判定することができる車両のスリップ制
御装置を提供する。 【構成】 駆動輪の路面に対するスリップ率がエンジン
出力制限の開始条件となる所定値になったときのエンジ
ン回転速度N1 とスリップ率がエンジン出力制限開始後
最初のピーク値になったときのエンジン回転速度N2
の差を検出し、この検出されたエンジン回転速度差(N
1 −N2 )が所定値以上のとき、車両走行路が摩擦係数
の大きい登坂路であると判定する。上記判定条件に加え
て、エンジン回転速度N2 が所定の設定値以下のときの
み車両走行路が摩擦係数の大きい登坂路であると判定す
るように構成してもよく、このように構成することによ
り、エンジン回転速度Nの落込み量のみならず落込みの
割合をも考慮して判定することが可能となるため、判定
精度を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のスリップ制御装
置、特に、駆動輪の路面に対するスリップ率が所定値以
上になったとき駆動輪の駆動力を制御するスリップ制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両加速時等においては、駆動輪が過大
な駆動力によってスリップし、これにより加速性が低下
してしまうことがある。このため従来より、駆動輪の路
面に対するスリップ率が所定値以上になったとき、この
スリップ率を所定の目標スリップ率に近づけるよう駆動
輪の駆動力を制御する、いわゆるトラクション制御を行
うスリップ制御装置が提案されている。上記駆動力を制
御する方法の1つとして、エンジン出力を制限する方法
が知られている。
【0003】しかしながら、このようなエンジン出力制
限によるトラクション制御を無制限に行うようにした場
合には次のような不都合がある。すなわち、マニュアル
式変速機を備えた車両において、例えば発進性を向上さ
せるために、アクセル操作により予めエンジン回転速度
をある程度大きくした状態でクラッチをつなぐ操作をす
ることがあるが、このようにした場合には、クラッチが
つながったとき駆動輪スリップが発生するため、これに
よりトラクション制御が開始されてエンジン出力が制限
されてしまい、運転者の意図した発進性が得られなくな
ってしまうこととなる。
【0004】これに対し、特開平1-197161号公報には、
車両発進時はトラクション制御を禁止して発進性向上を
図るようにしたスリップ制御装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両発
進時にトラクション制御を一律に禁止するようにした場
合には、次のような問題がある。すなわち、車両発進時
の路面が摩擦係数の大きいいわゆる高μ路の場合には、
一旦スリップが発生してもスリップは比較的短時間で低
減収束し早期に駆動輪グリップ力が回復するので、トラ
クション制御を禁止することにより運転者の意図した発
進性を得ることができるのであるが、車両発進時の路面
がいわゆる低μ路の場合には、一旦スリップが発生する
とスリップは増大するのみで収束せず駆動輪グリップ力
を回復することができなくなってしまう、という問題が
ある。このような問題は、車両発進時のみならず、定速
走行状態から加速する場合においてトラクション制御に
よる失速感を防止するためにトラクション制御を一律に
禁止するようにしたときにも同様に発生する問題であ
る。
【0006】ところで、発進時あるいは加速時における
失速感を防止する方法として、高μ路においてはエンジ
ン出力制限を規制する方法が考えられる。ただし、この
エンジン出力制限の規制は、過大スリップ発生のおそれ
を伴うものであることから、必要最小限に抑えるべきで
ある。しかして、運転者が失速感を特に感じるのは、車
両走行路が高μ路でかつ登坂路であるときであり、この
ような高μ登坂路では発進時のエンジンストールを防止
する上でもエンジン出力制限の規制が特に望まれる。
【0007】しかしながら、上記エンジン出力制限の規
制を行うための前提として、車両走行路が摩擦係数の大
きい登坂路であるか否かを判定できるようにすることが
必要となる。そして、この判定は、できるだけ簡易な方
法で行うことができるようにすることが望まれる。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、車両走行路が摩擦係数の大きい登坂路
であるか否かを簡易に判定することができる車両のスリ
ップ制御装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る車両のスリ
ップ制御装置は、トラクション制御が開始されてエンジ
ン出力が制限されるとエンジン回転速度が落ち込み、か
つ、この落込みの度合は車両走行路の状況によって異な
ることに着目し、この落込みの度合を利用して車両走行
路が摩擦係数の大きい登坂路であるか否かを判定する構
成とすることにより、上記目的達成を図るようにしたも
のである。
【0010】すなわち、請求項1に記載したように、ま
た、図1に示すように、マニュアル式変速機を備えた車
両に設けられ、駆動輪の路面に対するスリップ率が所定
値以上になったとき、前記スリップ率を所定の目標スリ
ップ率に近づけるよう、エンジン出力を制限することに
より前記駆動輪の駆動力を制御する駆動力制御手段
(A)、を備えたスリップ制御装置において、前記スリ
ップ率が前記所定値になったときのエンジン回転速度と
前記スリップ率が前記エンジン出力制限開始後最初のピ
ーク値になったときのエンジン回転速度との差を検出す
る検出手段(B)と、この検出手段(B)により検出さ
れたエンジン回転速度差が所定値以上のとき、車両走行
路が摩擦係数の大きい登坂路であると判定する判定手段
(C)と、を備えていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の作用および効果】上記構成に示すように、駆動
輪の路面に対するスリップ率がエンジン出力制限の開始
条件となる所定値になったときのエンジン回転速度とス
リップ率がエンジン出力制限開始後最初のピーク値にな
ったときのエンジン回転速度との差を検出し、この検出
されたエンジン回転速度差が所定値以上のとき、車両走
行路が摩擦係数の大きい登坂路であると判定するように
なっているので、車両走行路が摩擦係数の大きい登坂路
であるか否かを簡易に判定することができる。
【0012】上記判定条件に加えて、請求項2に記載し
たように、スリップ率が上記ピーク値になったときのエ
ンジン回転速度が所定の設定値以下のときのみ車両走行
路が摩擦係数の大きい登坂路であると判定するように構
成してもよく、このように構成することにより、エンジ
ン回転速度の落込み量のみならず落込みの割合をも考慮
して判定することが可能となるため、判定精度を向上さ
せることができる。このようにした場合、過大スリップ
防止とエンジンストール防止との両立が要求される発進
時等におけるエンジン出力制限制御およびその規制制御
を適切に行うことができる。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明の実
施例について説明する。
【0014】図2は、本発明に係る車両のスリップ制御
装置の一実施例を示す構成概要図である。
【0015】図2に示すように、このスリップ制御装置
が設けられる車両は、左右の前輪1、2が従動輪、左右
の後輪3、4が駆動輪とされており、エンジン5の出力
トルクがマニュアル式変速機6からプロペラシャフト
7、差動装置8および左右の駆動軸9、10を介して左
右の後輪3、4に伝達されるようになっている。
【0016】そして、上記各車輪1〜4には、これらの
車輪1〜4と一体回転するディスク11a〜14aと、
制動圧の供給を受けて、これらのディスク11a〜14
aの回転を制動するキャリパ11b〜14bなどでなる
ブレーキ装置11〜14とがそれぞれ設けられており、
さらに、これらのブレーキ装置11〜14を制動操作さ
せるブレーキ制御システム15が設けられている。
【0017】このブレーキ制御システム15は、運転者
によるブレーキペダル16の踏込力を増大させる倍力装
置17と、この倍力装置17によって増大された踏込力
に応じた制動圧を発生させるマスターシリンダ18とを
有している。このマスターシリンダ18から導かれた前
輪用制動圧供給ライン19、20が左右の前輪1、2に
おけるブレーキ装置11、12のキャリパ11b、12
bにそれぞれ接続されている。そして、上記マスターシ
リンダ18で発生するブレーキペダル16の踏込力に応
じた制動圧が、各前輪用制動圧供給ライン19、20を
介して左右の前輪1、2におけるブレーキ装置11、1
2にダイレクトに供給され、これらの制動圧に応じた制
動力で前輪1、2がそれぞれ制動されるようになってい
る。
【0018】上記倍力装置17には、ポンプ21からの
作動圧を供給する作動圧供給ライン22と、該倍力装置
17で生じた余剰のブレーキオイルをリザーバタンクに
戻すリターンライン23とが接続されており、また、倍
力装置17から導かれた第1制動圧供給ライン24は点
Xで分岐しており、その分岐点Xから左右の後輪3、4
におけるブレーキ装置13、14のキャリパ13b、1
4bに後輪用制動圧供給ライン29、30が導かれてい
る。
【0019】一方、エンジン5の吸気通路35には運転
者によって操作されるアクセルペダル36に連結された
メインスロットル弁37と、スロットル開度調節アクチ
ュエータ38に連結されたサブスロットル弁39とが設
置されており、これらのスロットル弁37、39の開度
を調節することにより、エンジン5の吸入空気量が可変
制御されてエンジン出力が調節されるようになってい
る。
【0020】スリップ制御装置は、電子制御式のコント
ロールユニット(以下「ECU」という。)40を備え
ており、このECU40によりトラクション制御を行う
ようになっている。このトラクション制御は、駆動輪で
ある後輪3、4の路面に対するスリップ率が所定値以上
になったとき、上記スリップ率を所定の目標スリップ率
に近づけるよう各後輪3、4の駆動力を制御するもので
あるが、この駆動力の制御は、具体的には、エンジン出
力を制限すること(エンジン制御)により行われるよう
になっている。
【0021】このECU40には、各車輪1〜4の回転
速度を検出する車輪速センサ41〜44からの信号と、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ45か
らの信号と、上記アクセルペダル36の踏込量を検出す
るアクセルポジションセンサ48からの信号と、ステア
リング舵角を検出する舵角センサ49からの信号とが入
力されるようになっており、ECU40は、これらの信
号に基づいて、上記サブスロットル弁29の開度を調節
する上記スロットル開度調節アクチュエータ38の作動
とを制御するようになっている。
【0022】上記ECU40は、また、トラクション制
御における制御目標値および制御開始用閾値を決定する
ために必要な摩擦係数推定処理を行うようになってい
る。
【0023】この摩擦係数推定処理の概略を説明する
と、例えば左後輪3については次のようにして行われ
る。すなわち、ECU40は、上記車輪速センサ41、
42からの信号が示す左右の前輪1、2の回転速度から
求めた平均前輪速VF が所定の下限値VO (例えば5k
m/h)より小さいか否かを判定し、平均前輪速VF
下限値VO 以上のときには、この平均前輪速VF とこれ
から求めた前輪加速度AF とによって、表1に示すテー
ブルから路面摩擦係数μL を推定する。
【0024】
【表1】
【0025】ここで、路面摩擦係数μとしては、極低μ
路を示す1から高μ路を示す5までの5段階に区分され
た数値のどれかが選択されるようになっている。
【0026】一方、ECU40は、平均前輪速VF が上
記下限値VO よりも小さいと判定したときには、上記セ
ンサ43からの信号が示す左後輪速VRLから求めた後輪
加速度ARLが所定の基準値AO (例えば2G)を超えて
いるか否かを判定して、超えていると判定したときに
は、エンジン回転速度センサ45からの信号が示すエン
ジン回転速度Nに応じた左後輪3についての路面摩擦係
数μL を推定するようになっている。一方、後輪加速度
RLが上記基準値AO よりも小さいと判定したときに
は、路面摩擦係数μL として固定値(例えば3)を選択
する。
【0027】なお、右後輪4についても同様にして路面
摩擦係数μR が推定されるようになっている。
【0028】ECU40によるトラクション制御は、左
右の後輪3、4ごとに独立して行われるようになってお
り、例えば左後輪3については次のようにして行われ
る。
【0029】すなわち、まず、ECU40は、予め路面
摩擦係数μL をパラメータとして設定したテーブルか
ら、エンジン制御開始用閾値SEOとエンジン制御目標値
E とを読み出す。
【0030】ここで、路面摩擦係数μとエンジン制御の
開始用閾値SEOおよび目標値SE との関係を示すと表2
のようになる。なお、本実施例においては、エンジン制
御開始用閾値SEOはエンジン制御目標値SE と同じ値に
設定されている。
【0031】
【表2】
【0032】上記表2において制御開始用閾値SEOおよ
び制御目標値SE は、左後輪3の路面に対するスリップ
率に対応する値として設定されている。
【0033】ECU40は、上記車輪速センサ43から
の信号が示す左後輪速VRLおよび車輪速センサ41、4
2からの信号が示す平均前輪速VF から、次式(1)に
より左後輪3に対する第1スリップ率S1 を算出する。
【0034】 S1 =(VRL−VF )/VRL …(1) ECU40は、この第1スリップ率S1 が、図3に示す
ように、エンジン制御開始用閾値SEOを超えた時点(t
1 )でエンジン制御を開始し、エンジン制御目標値SE
が得られるようにスロットル開度調節アクチュエータ3
8を介してサブスロットル弁39をフィードバック制御
する。これにより、エンジン5の出力トルクが上記エン
ジン制御目標値SE に収束するように制御されることに
なる。
【0035】エンジン制御は所定の終了条件が満足され
るまで行われる。
【0036】なお、右後輪4についても同様にして上記
制御が行われる。すなわち、ECU40は上記車輪速セ
ンサ44からの信号が示す右後輪速VRRから、平均前輪
速VF を差し引いてこれを右後輪速VRRで除して右後輪
4に対する第2スリップ率S2 を算出する。そして、こ
の第2スリップ率S2 が、上記と同様にして設定された
エンジン制御開始用閾値SEOを超えた時点でエンジン制
御を開始し、エンジン制御目標値SE が得られるように
スロットル開度調節アクチュエータ38を介してサブス
ロットル弁39をフィードバック制御する。
【0037】上記エンジン制御におけるスロットルゲイ
ンGV(制御ゲイン)は次のようにして決定される。
【0038】すなわち、図4のフローチャートに示すよ
うに、まずステップS1で、基本スロットルゲインGV
0 がテーブルから読み込まれる。このテーブルは、表3
および表4に示すようになっており、エンジン制御目標
値SE に対する駆動輪速の偏差と駆動輪速変化量とをパ
ラメータとして予め設定したゲインラベルテーブル(表
3)を用いて、現実の駆動輪速偏差および駆動輪速変化
量に対応するスロットル開度のゲインラベルを読み込
み、さらにこの読み込んだゲインラベルに対応する基本
スロットルゲインGV0 を、ゲインラベルに応じて設定
したテーブル(表4)から読み込む。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】ここで、基本スロットルゲインGV0 は、
上記サブスロットル弁39の全閉状態から全開状態まで
の総回転角に対する百分率で示した値として設定されて
いる。つまり、上記ゲインラベルが−側の最大ゲインを
示すNBのときには、−10%のスロットルゲインが得
られることになる。なお、上記ゲインラベルは、NSが
−側の最小ゲインを示し、NMが−側の中間のゲインを
示すように設定されているとともに、PBは+側の最大
ゲイン、PSは+側の最小ゲイン、PMは両者の中間の
ゲインを示すように設定されている。そして、ZOは0
%のスロットルゲインを示している。
【0042】次に、ステップS2で、車速に応じた補正
係数K1 が、図5に示すマップを参照して決定される。
この補正係数K1 は、車速が大きくなるほど小さくなる
ように設定されている。そしてステップS3で、補正係
数K1 を基本スロットルゲインGV0 に乗算することに
よって、スロットルゲインGVが算出される。このよう
に、スロットルゲインGVは、基本的に、車速が大きく
なるほどその絶対値が小さくなるように設定されてい
る。
【0043】次に、ステップS4で車両走行路が高μ登
坂路(路面摩擦係数の大きい登坂路)であるとの判定
(これについては後述する)がなされているか否かの判
定がなされ、高μ登坂路判定がなされていなければ、上
記ステップS3で得られたスロットルゲインGVをその
まま用いてエンジン出力制限が行われるが、高μ登坂路
判定がなされていれば、以下のようにスロットルゲイン
GVを補正することによりエンジン出力制限が規制され
る。
【0044】すなわち、ステップS5でスロットルゲイ
ンGVが正か否かの判定がなされ、スロットルゲインG
Vが正であれば、ステップS6で1より大きい補正係数
2 をスロットルゲインGVに乗算することにより上記
補正がなされ、一方、スロットルゲインGVが正でなけ
れば、ステップS7で1より小さい正の補正係数K3
スロットルゲインGVに乗算することにより上記補正が
なされる。ここに、スロットルゲインGVが正であると
いうことは、スロットル開度が増大することを意味し、
スロットルゲインGVが負であるということは、スロッ
トル開度が減少することを意味する。したがって、スロ
ットルゲインGVが正のときこれを増大補正し、スロッ
トルゲインGVが負のときこの絶対値を減少補正するこ
とにより(すなわち、エンジン制御におけるスリップ率
減少化方向の制御ゲインを減少補正することにより)、
エンジン出力制限が規制されることとなる。
【0045】上記補正係数K2 、K3 は、図6、図7に
示すように、エンジン回転速度Nに応じてそれぞれ減
少、増大する特性に設定されている。これは、エンジン
回転速度Nが小さいときほどエンジン出力制限による運
転者の失速感が大きくなるので、エンジン回転速度Nが
小さいときほど上記スロットルゲインGVの補正量を大
きくして上記エンジン出力制限の規制を大きい規制量で
行うようにするものである。
【0046】上記フローチャートのステップS4におけ
る高μ登坂路判定は、次のようにして行われる。
【0047】すなわち、図8のフローチャートに示すよ
うに、ステップT1で第1スリップ率S1 (第2スリッ
プ率S2 についても同様)がエンジン制御開始用閾値S
EOを超えたと判定されるとステップT2でエンジン制御
開始時のエンジン回転速度N1 が記憶される。
【0048】次に、ステップT3で左後輪加速度ARL
正から負になったか否か、すなわち、エンジン制御開始
後第1スリップ率S1 が最初のピーク値になったか否か
の判定がなされ、ARLが負になっていればステップT4
でピーク時のエンジン回転速度N2 が記憶される。
【0049】そして、ステップT5でエンジン回転速度
1 とN2 との差が所定値DN0 を越えているか否かの
判定がなされる。上記エンジン制御の開始によりエンジ
ン出力が制限されるため、図9に示すように、エンジン
回転速度Nが落ち込んでN1 よりN2 の方が小さい値と
なるが、その差は路面摩擦係数μが大きいほどまた登り
坂になるほど大きな値となる。したがって、上記所定値
DN0 を適当に設定することにより、これを超えている
場合には車両走行路が高μ登坂路であると判定すること
ができる。
【0050】本実施例においては、ステップT5でエン
ジン回転速度差(N1 −N2 )が所定値DN0 を超えた
と判定された場合、さらに、ステップT6でエンジン回
転速度N2 が所定の設定値N0 より小さいか否かの判定
を行い、ここで小さいと判定されたときに初めて車両走
行路が高μ登坂路であると判定されるようになってい
る。上記設定値N0 は、アイドリング回転速度よりもや
や大きい回転速度(例えば2000rpm)に設定され
るのが好ましい。
【0051】このように高μ登坂路判定の条件にステッ
プT5のみならずステップT6も加えることにより、エ
ンジン回転速度Nの落込み量のみならず落込みの割合を
も考慮して判定することが可能となるため、高μ登坂路
判定の精度向上を図ることができる。これにより、過大
スリップ防止とエンジンストール防止との両立が要求さ
れる発進時等におけるエンジン出力制限制御およびその
規制制御を適切に行うことができる。
【0052】以上詳述したように、本実施例において
は、高μ登坂路判定を簡易に行うことができ、この判定
がなされたときにはエンジン出力の制限を規制するよう
になっているので、車両走行路が高μ登坂路のときには
上記エンジン出力制限による失速感が防止される一方、
高μ登坂路以外のときには上記規制は行われず、これに
より駆動輪グリップ力を回復できなくなるような過大ス
リップの発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のスリップ制御装置の構成を
示すブロック図
【図2】本発明に係る車両のスリップ制御装置の一実施
例を示す構成概要図
【図3】上記実施例の作用(トラクション制御の基本制
御)を示すタイムチャート
【図4】上記実施例の作用(エンジン出力制限規制)を
示すフローチャート
【図5】上記実施例の作用を示す、補正係数のグラフ
【図6】上記実施例の作用を示す、補正係数のグラフ
【図7】上記実施例の作用を示す、補正係数のグラフ
【図8】上記実施例の作用(高μ登坂路判定制御)を示
すフローチャート
【図9】上記実施例の作用(高μ登坂路判定制御)を示
すタイムチャート
【符号の説明】
1、2 前輪 3、4 後輪(駆動輪) 5 エンジン 6 マニュアル式変速機 8 差動装置 13、14 ブレーキ装置 15 ブレーキ制御システム 36 アクセルペダル 38 スロットル開度調節アクチュエータ 39 サブスロットル弁 40 ECU(駆動力制御手段、検出手段、判定手
段、規制手段) 41〜44 車輪速センサ 46 第1圧力センサ 47 第2圧力センサ 48 アクセルポジションセンサ 49 舵角センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マニュアル式変速機を備えた車両に設け
    られ、駆動輪の路面に対するスリップ率が所定値以上に
    なったとき、前記スリップ率を所定の目標スリップ率に
    近づけるよう、エンジン出力を制限することにより前記
    駆動輪の駆動力を制御する駆動力制御手段、を備えたス
    リップ制御装置において、 前記スリップ率が前記所定値になったときのエンジン回
    転速度と前記スリップ率が前記エンジン出力制限開始後
    最初のピーク値になったときのエンジン回転速度との差
    を検出する検出手段と、 この検出手段により検出されたエンジン回転速度差が所
    定値以上のとき、車両走行路が摩擦係数の大きい登坂路
    であると判定する判定手段と、を備えていることを特徴
    とする車両のスリップ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記判定手段は、前記スリップ率が前記
    ピーク値になったときのエンジン回転速度が所定の設定
    値以下のときのみ車両走行路が摩擦係数の大きい登坂路
    であると判定するように構成されている、ことを特徴と
    する請求項1記載の車両のスリップ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記判定手段により車両走行路が摩擦係
    数の大きい登坂路であると判定されたとき、前記駆動力
    制御手段によるエンジン出力の制限を規制する規制手段
    を備えている、ことを特徴とする請求項1または2記載
    の車両のスリップ制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020175849A (ja) * 2019-04-22 2020-10-29 トヨタ自動車株式会社 車両の駆動力制御装置

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