JPH05202649A - 埋め込みナット付き脱着柱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 脱着柱に対するナットの取付けが、強度的に
極めて優れた埋め込み状態での取付けが果たされると同
時に、ナットの螺子部の腐食、更にはこれに螺合するボ
ルトの腐食と言うような問題の解決化を図った新規の脱
着柱を提供するものである。 【構成】 角形鋼管等製の脱着柱３の所要箇所に、丸孔
Ｍを穿設すると共に、当該丸孔Ｍ対してナット４を嵌合
すると共に、これを溶接することに依り、脱着柱３内に
対する埋め込み状態での固設を図るように構成したこと
を特徴とする埋め込みナット付き脱着柱。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ボルトに依り止め着す
るフェンス等を、所要時にその脱着ができるように、当
該ボルトを螺合するためのナットを、埋め込み状態で一
体的に固設して成る脱着柱に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、脱着のためのナットを、所要の脱
着部材に固定化するための手段としては、下記するもの
がある。脱着部材に対して、埋込用ナット部材をリベッ
ト方式に依り固定化するように構成したもの（商品名：
エビナット）。脱着部材に対して、基端部に抜け止め用
回転ステッパ片を具えた埋込用ボルト部材を差し込むと
共に、ナット締めに基づきこれを固定化するように構成
したもの（商品名：ＩＴハンガー）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前者（商品名：エビナ
ット）にあっては、リベット方式でナット部材の固定化
を図るものであるため、ナット部材自体の取付け強度が
低く、従って、ボルトの脱着を長期間に亘って繰り返し
た場合、ナット部材が取れてしまうことがあるばかりで
なく、ボルト締め操作を行っている最中に、ナット部材
が回転してしまい、その締着に齟齬をきたすことがあ
る。 更に、適用ボルトサイズがＭ１０までとするよう
な、サイズ上の限定性が伴うものである。

【０００４】後者（商品名：ＩＴハンガー）にあって
は、脱着部材として壁状部材を対象としているため、板
厚が６mm以上ないと使用不能とする。 従って、角形鋼
管のような柱材に対する実施には不適当とした。

【０００５】本発明はこのような従来における問題点の
解決化を図ったものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、角形鋼管等製
の脱着柱３の所要箇所に、丸孔Ｍを穿設すると共に、当
該丸孔Ｍ対してナット４を嵌合すると共に、これを溶接
に基づき脱着柱３内に対して埋め込み状態での固設を図
るようにし、依って、脱着柱３に対するナットの取付け
が、強度的に極めて優れた埋め込み状態での取付けが果
たされるようにしたものである。

【０００７】

【実施例】図１は本発明の一使用例として、小動物対策
用フェンスに施した場合を表したものである。電力施設
の周囲には、小動物の侵入を防ぐために、所要のフェン
スを張り巡らす必要がある。 そして、当該フェンス
は、その内部に出入りするために設けた門扉部分とは別
に、大型機材等の運込みに際して取り外すための、脱着
フェンスを設けることを通例とする。 そして、当該脱
着フェンスは年に数回は取り外すため、フェンス自体を
パネル形態とすると共に、その脱着はボルト，ナットに
依る締着に基づくものとすることに依り、当該脱着フェ
ンスの取外しが容易に果たされるように構成するもので
ある。 図１において、１は通常のフエンスに於ける
柱、２は脱着フェンスＡに対する取付け用たる固定柱、
３は同脱着フェンスＡ支持用脱着柱を示す。

【０００８】図２は本発明の要部を示したものである。
これは、脱着柱３に対して所要の埋め込みナット４を
設けると共に、脱着フェンスＡにおけるパネル枠片ａ
を、ボルト５を介して当該埋込みナット４に締着するこ
とに依り、当該脱着フェンスＡに対する取付けを図るよ
うに構成してある。 同図において、ｂはフェンスの金
網部分を示す。

【０００９】上記した埋め込みナット４の取付け手段で
あるが、これは下記のようにして行う。先ず、図３に示
すように脱着柱３の所要箇所に丸穴Ｍを穿設する。 次
に、図４に示すようにナット４を当該丸穴Ｍに嵌入する
と共に、これを溶接する。 この状態において、盛り上
がった溶接周囲を打ち込むことに依り、当該溶接部分と
柱の面部とに凹凸が生じないように平坦化する。 次に
溶融亜鉛メッキを施し、これに依り、丸穴Ｍとナット４
との間隙が埋められる。 最後に、ナット４の螺子部分
に対するタップ切りを行うことにより、埋め込みナット
４の装着は完了する。 以上に依り、外観的に極めてス
ッキリとした形態でのナットの埋め込み固定が果たされ
る。

【００１０】図５は本発明の他の実施例を示したもので
あって、脱着柱３の隣接する面に埋め込みナット４を設
けて、９０度のコーナーを形成するようにしたものであ
る。

【００１１】図６は脱着柱３にアングル片６を取付け、
これに埋め込みナット４を取付けることにより、１３５
度のコーナーを構成した場合の実施例を示したものであ
る。すなわち本発明は、脱着柱３自体に直接的に、埋め
込みナット４を取り付けるように構成する以外、図６に
示すように適宜付属部材を介して埋め込みナット４を取
付けるようにすることも出来る。

【００１２】図７は従来の単純なるボルト締めに基づ
き、フェンスを脱着可能に取付けた状態を示したもので
ある。 この場合、脱着柱として、本発明のように角形
鋼管を用いることが出来ず（ナットを柱の内部に入れる
ことが出来ないため）、図示のような溝形鋼Ｓの使用に
限定されることと成る。

【００１３】

【発明の効果】本発明は、角形鋼管等製の脱着柱３の所
要箇所に対するナット４の取付けを、溶接に基づき脱着
柱３内に対する埋め込み状態での固設を図るように構成
したから、脱着柱３を、図７に示すような溝形鋼Ｓを使
用することなく、角形鋼管の使用が可能化されることと
なる。 従って、当該材料の入手が容易化されると共
に、材料費の低減化が図られることとなる。

【００１４】更に、ナットが脱着柱内に埋め込み状態に
あるため、これが外部に露出しているものに於いて生じ
た螺子部の腐食、更にはこれに螺合するボルトの腐食、
と言うような問題は、本発明にあっては全く一掃するこ
ととなる。

【００１５】また、本発明は溶接手段に基づきナットの
固定を図るように構成したから、強度的に著しく向上化
され、埋込用ナット部材をリベット方式に依り固定化す
るように構成した従来品に於いて生じた、ナット部材の
取付け強度の問題及びナット自体の不測の回転と言うよ
うな問題は、本発明にあっては全く解消されることとな
る。 そして、あらゆるサイズのナットに対する埋め込
み状態での固設が図られ、サイズ的制限性を皆無とす
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の具体的な使用例を示す正面図である。

【図２】本発明の要部を示す横断面図である。

【図３】ナット嵌着のための丸孔の穿設状態を示す正面
図である。

【図４】上記丸孔に対してナットを嵌着した状態を示す
正面図である。

【図５】本発明の他の実施例を示す横断面図である。

【図６】本発明のもう一つの他の実施例を示す横断面図
である。

【図７】従来技術の一例を示す横断面図である。

【符号の説明】

Ａ 脱着フェンス ａ パネル枠片 ｂ 金網部分 １ 柱 ２ 固定柱 ３ 脱着柱 ４ 埋め込みナット ５ ボルト Ｍ 丸穴 ６ アングル片 Ｓ 溝形鋼

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 角形鋼管等製の脱着柱（３）の所要箇所
   に丸孔（Ｍ）を穿設し、当該丸孔（Ｍ）対してナット
   （４）を嵌合すると共に、これを溶接することに依り、
   脱着柱（３）内に対する埋め込み状態での固設を図るよ
   うに構成したことを特徴とする埋め込みナット付き脱着
   柱。
2. 【請求項２】 埋め込み状態での固設するナット（４）
   を、角形鋼管等製の脱着柱（３）の所要箇所に取り付け
   た適宜付属部材に対して固設するように構成したことを
   特徴とする請求項１に記載の埋め込みナット付き脱着
   柱。