JPH0520224U - 膜型キ−ボ−ドスイツチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 「目的」 二段階スイッチ機構の各段階で確実なクリッ
ク感を発生して各々のスイッチのオン・オフ動作を知覚
させると共に、接点パタ−ンの劣化等を解消できる膜型
キ−ボ−ドスイッチを提供する。 「構成」 下部スペ−サ２とこのスペ−サの透孔２Ａよ
り大きな透孔５Ａを形成した上部スペ−サ５のスイッチ
動作間隙用各透孔２Ａ、５Ａ内に操作押圧力により反転
・復帰動するそれぞれのクリック用導電板３、８を装着
し、これら各々のクリック用導電板３、８が操作押圧力
により各別に動作する二段階スイッチ機構を構成したも
の。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、所要数の接点パタ−ンを形成した二枚の絶縁性シ−ト部材と、操作 押圧力の付与・解除に応じて反転・復帰動してスイッチ操作を知覚させるための 二枚のクリック用導電板とを用いてキ−を動作させることにより、各別のスイッ チ動作に於いて操作者に好適なクリック感を与えながら狭いスぺ−ス内で各キ− に於けるスイッチ機能の多機能集約化を図るようにした膜型キ−ボ−ドスイッチ に関する。

【０００２】

【従来技術とその問題点】

プラスチックフィルム等の二枚の可撓性絶縁シ−トの各一方面に所要数の接点 パタ−ンを各別に形成し、これらの接点パタ−ンを用いてスイッチを構成すべく 薄い絶縁性スペ−サを介して上記両絶縁シ−トを対向配置した膜型キ−ボ−ドス イッチ乃至はメンブレンキ−ボ−ドスイッチは、印刷技術とスイッチ技術とを効 果的に統合して開発されたものであって、機器の小型化・薄型化を達成する上で のスイッチ手段として極めて好適であり、また、機器に対する実装簡易化による 経済性の他、表面を印刷操作表示シ−トで密閉した構造であるので、防水・防塵 等に対する高い耐環境性を発揮する一方、機器のスイッチ操作面を任意にデザイ ンして目的に合致した斬新なスイッチ操作イメ−ジを構成できるなどの特徴を備 え、フラットキ−スイッチ又はパネルスイッチ等の別名の下に各種の電気・電子 機器に多用されている。

【０００３】 このような膜型キ−ボ−ドスイッチでは、キ−の操作感覚性を改善する為に、 操作押圧力の付与・解除に応じて反転・復帰動するド−ム状乃至はディスク状等 に形成されたクリック用部材を内蔵させ、操作時にクリック感を与えてスイッチ のオン・オフ動作を知覚できるような構造も種々提供されている。

【０００４】 しかし、このような膜型キ−ボ−ドスイッチは、いずれにしても一つのキ−部 分は単一のスイッチを構成するものであって、一箇所のキ−操作でスイッチを二 段階等に動作させて複数の入力を与えることはできない。このような多段階スイ ッチ機構は一般のスイッチでは各種の形態で既に実用に供されているが、例えば 機械的スイッチ機構等は薄型化する上で限度があり、また、機器に対する実装の 自由度も制約を受ける他、膜型キ−ボ−ドスイッチのように操作面のデザインを 任意に処理することもできない。

【０００５】 そこで、本願の出願人が提案した実願昭６３−９６６９９号に於いて、図３の 如く所要数の固定接点パタ−ン１Ａ、１Ｂを形成した可撓性絶縁べ−ス材１と、 各接点パタ−ン１Ａ、１Ｂと各々対応する位置に可動接点パタ−ン６Ａを形成し た絶縁性の可撓性操作シ−ト６とを所要のスイッチ動作間隙を介して対向配置す るように構成した膜型キ−ボ−ドスイッチに於いて、操作シ−ト６のキ−操作領 域に対する押圧操作力の付与・解除に応じて対向する固定及び可動の両接点パタ −ンとの間で各別に開閉動作する内部可動接点をスペ−サ２、５の透孔２Ａ及び ５Ａで形成されるスイッチ動作間隙内に配装して二段階スイッチ機構を構成し、 この場合、上記内部可動接点は押圧操作力の付与・解除に応じて反転・復帰動す るクリック用導電板３で構成することができる。なお、図３に於いて、４はクリ ック用導電板３の好ましくない動きを防止する為の保持シ−トであり、また、７ は機器の一部又は受け板を示す。

【０００６】 しかし、この構造では一段目の押圧操作力Ｆを与えてもクリック感は生じない のでスイッチ操作のオン・オフ動作は感知できず、また、僅かな押圧操作力Ｆで もスイッチが入ってしまう為、操作者の意図しないスイッチ動作が行われるとい う不具合があった。

【０００７】 また、同じく本願の出願人が提案した実願平１−１０９７６４号に於いては、 図４の如く、二枚の膜型キ−ボ−ドスイッチを重ねることにより二段階スイッチ 機構を構成したものを提供した。しかし、この構造では、上部スイッチを構成す る第二の可撓性回路基板１１の絶縁性べ−スシ−ト９と接点パタ−ン９Ｃを含む 配線パタ−ンとが第一の可撓性回路基板１０を有する下部スイッチを押圧しよう とする際に押圧力に対し抵抗として働く為、上部接点パタ−ン９Ｃに対し下部の スペ−サ２の透孔が十分大きくないと、クリック感を鈍くしスイッチ動作を不確 実にし、また、度重なる押圧操作によって接点パタ−ン９Ｃの寿命を縮めてしま うという問題がある。その他、図４中、１Ｃは下部接点パタ−ン、１２、１３は カバ−フィルム、８は上部クリック用導電板、１４は例えば受け板を示す。

【０００８】

【考案の目的及び構成】

本考案は、二段階スイッチ機構の各段階で確実なクリック感を発生して各々の スイッチのオン・オフ動作を明確に知覚させると共に、接点パタ−ンの劣化等を 解消できるようにした膜型キ−ボ−ドスイッチを提供するものである。

【０００９】 その為に、本考案の膜型キ−ボ−ドスイッチでは、所要の固定接点パタ−ンを 形成した絶縁べ−ス部材の上面に上記固定接点パタ−ンの形成対応部位に透孔を 有する下部スペ−サを設け、この下部スペ−サの透孔内には上記固定接点パタ− ンの一方に接するように収容した第一のクリック用導電板を設け、上記下部スペ −サの上面には上記第一のクリック用導電板を保持するように形成した保持シ− トを配装し、該保持シ−トの上面には上記下部スペ−サの透孔より大きな透孔を 有する上部スペ−サを設け、この上部スペ−サの透孔内に収容した第二のクリッ ク用導電板を備え、前記上部スペ−サの上には上記第二のクリック用導電板と接 触する可動接点パタ−ンを形成した絶縁性操作シ−トを配装し、上記第一及び第 二の各クリック用導電板が操作押圧力により各別に動作する二段階スイッチ機構 を構成したものである。

【００１０】 上記の如き二段階スイッチ機構を有する膜型キ−ボ−ドスイッチは、上記構成 の他、第二のクリック用導電板と接する固定接点パタ−ンを上記保持シ−トに設 けることにより、絶縁性操作シ−トに可動接点パタ−ンを形成しないように構成 することもできる。

【００１１】

【実施例】

図１は本考案の一実施例に従った膜型キ−ボ−ドスイッチの概念的な要部拡大 断面構成図を示し、図３に関連して説明した符号と同一符号はそれらと同一構成 要素を示す。即ち、この実施例では下部スペ−サ２の透孔２Ａより大きく形成し た上部スペ−サ５の透孔５Ａには、第二のクリック用導電板８を配装するように 構成してあるので、絶縁性操作シ−ト６のキ−操作部に操作押圧力Ｆを加えるこ とにより、このクリック用導電板８は可動接点パタ−ン６Ａと接触しながら反転 して第一のクリック用導電板３に接触するので、両クリック用導電板３、８を介 して可動接点パタ−ン６Ａとくし型状の一方の固定接点パタ−ン１Ｂとの導通下 に第一のスイッチが閉成する。そして、操作押圧力Ｆを更に下方に加えると、次 には第一のクリック用導電板３が反転動作して両固定接点パタ−ン１Ａと１Ｂと を導通させる為、第二のスイッチが閉成することとなる。また、操作押圧力Ｆを 解除すると、先ず第一のクリック用導電板３が復帰し、次いで第二のクリック用 導電板８も同様に復帰して両スイッチとも開路状態となって図１の状態に復帰す ることとなる。

【００１２】 図２の実施例では、絶縁性操作シ−ト６に可動接点パタ−ン６Ａを設ける手法 に代えて、上部スペ−サ５の透孔５Ａ内に於いて、第二のクリック用導電板８の 下部外周部と接するように形成した他の固定接点パタ−ン９Ａを保持シ−ト９に 設けたものである。この構造によれば、操作押圧力Ｆを加えると先ず第二のクリ ック用導電板８が反転動作して第一のクリック用導電板３に接触するので、これ らの両クリック用導電板３及び８を介して固定接点パタ−ン９Ａと１Ｂとが導通 し、これによって第一のスイッチが閉成するものであって、その他の動作は図１ に関して説明したものと同様である。

【００１３】

【考案の効果】

本考案に係る二段階スイッチ機構を有する膜型キ−ボ−ドスイッチは、各段階 のスイッチが確実なクリック動作を伴って安定に開閉動作するので、スイッチの 操作感覚性を格段に改善することができる。

【００１４】 また、各スイッチのクリック用導電板のクリック動作は円滑であり、更に接点 パタ−ンの劣化等の問題も解消できるので、動作信頼性及び耐久性の良好な二段 階スイッチ機構を有する膜型キ−ボ−ドスイッチを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例による二段階スイッチ機構
を備えた膜型キ−ボ−ドスイッチの概念的な要部拡大断
面構成図。

【図２】 本考案の他の実施例による二段階スイッチ機
構を備えた膜型キ−ボ−ドスイッチの概念的な要部拡大
断面構成図。

【図３】 従来の二段階スイッチ機構を有する膜型キ−
ボ−ドスイッチの概念的な要部拡大断面構成図。

【図４】 従来の他の二段階スイッチ機構を有する膜型
キ−ボ−ドスイッチの概念的な要部拡大断面構成図。

【符号の説明】

１ 絶縁べ−ス部材 １Ａ 固定接点パタ−ン １Ｂ 固定接点パタ−ン ２ 下部スペ−サ ２Ａ 透孔 ３ 第一のクリック用導電板 ４ 保持シ−ト ５ 上部スペ−サ ５Ａ 透孔 ６ 絶縁性操作シ−ト ６Ａ 可動接点パタ−ン ７ 機器の一部又は受け板 ８ 第二のクリック用導電板 ９ 保持シ−ト ９Ａ 固定接点パタ−ン

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所要の固定接点パタ−ンを形成した絶縁
   べ−ス部材の上面に上記固定接点パタ−ンの形成対応部
   位に透孔を有する下部スペ−サを設け、この下部スペ−
   サの透孔内には上記固定接点パタ−ンの一方に接するよ
   うに収容した第一のクリック用導電板を設け、上記下部
   スペ−サの上面には上記第一のクリック用導電板を保持
   するように形成した保持シ−トを配装し、該保持シ−ト
   の上面には上記下部スペ−サの透孔より大きな透孔を有
   する上部スペ−サを設け、この上部スペ−サの透孔内に
   収容した第二のクリック用導電板を備え、前記上部スペ
   −サの上には上記第二のクリック用導電板と接触する可
   動接点パタ−ンを形成した絶縁性操作シ−トを配装し、
   上記第一及び第二の各クリック用導電板が操作押圧力に
   より各別に動作する二段階スイッチ機構を構成したこと
   を特徴とする膜型キ−ボ−ドスイッチ。
2. 【請求項２】 所要の固定接点パタ−ンを形成した絶縁
   べ−ス部材の上面に上記固定接点パタ−ンの形成対応部
   位に透孔を有する下部スペ−サを設け、この下部スペ−
   サの透孔内には上記固定接点パタ−ンの一方に接するよ
   うに収容した第一のクリック用導電板を設け、上記下部
   スペ−サの上面には上記第一のクリック用導電板を保持
   するように形成した保持シ−トを配装し、この保持シ−
   トには他の固定接点パタ−ンを形成し、上記保持シ−ト
   の上面には上記下部スペ−サの透孔より大きな透孔を有
   する上部スペ−サを設け、この上部スペ−サの透孔内に
   は上記保持シ−トの固定接点パタ−ンと接するように収
   容した第二のクリック用導電板を備え、前記上部スペ−
   サの上面には絶縁性操作シ−トを配装し、上記第一及び
   第二の各クリック用導電板が操作押圧力により各別に動
   作する二段階スイッチ機構を構成したことを特徴とする
   膜型キ−ボ−ドスイッチ。