JPH05202227A - 消臭機能を有する樹脂フィルム - Google Patents

消臭機能を有する樹脂フィルム

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Publication number
JPH05202227A
JPH05202227A JP26743592A JP26743592A JPH05202227A JP H05202227 A JPH05202227 A JP H05202227A JP 26743592 A JP26743592 A JP 26743592A JP 26743592 A JP26743592 A JP 26743592A JP H05202227 A JPH05202227 A JP H05202227A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
resin film
deodorizing function
weight
deodorizing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26743592A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomio Kato
富夫 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishizuka Glass Co Ltd
Original Assignee
Ishizuka Glass Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Ishizuka Glass Co Ltd filed Critical Ishizuka Glass Co Ltd
Priority to JP26743592A priority Critical patent/JPH05202227A/ja
Publication of JPH05202227A publication Critical patent/JPH05202227A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性に優れまた取扱いが容易で消臭機能の
高い樹脂フィルムを提供すること。 【構成】 P2O5:60重量%以上、Ag2O:2重量%以上を
含んだリン酸系ガラス粉末を、樹脂中に0.1 〜15重量%
の比率で分散させる。 【効果】 消臭効果を持つAg+ 、PO4 -3イオンが悪臭を
消す。またガラスは安全上の問題がなく、取扱いも容易
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塵芥袋等の日用品とし
て広く利用できる消臭機能を有する樹脂フィルムに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】消臭機能を有する樹脂フィルムに関して
は、従来から消臭剤を練り込んだ合成樹脂で樹脂フィル
ムを作成するなどの多くの試みがなされている。そして
その消臭方法は、使用した消臭剤により次の二つに区分
される。 化学的方法:薬剤と悪臭成分との化学反応を利用する
方法。 物理的方法:活性炭、ゼオライト等の物理吸着を利用
する方法。
【0003】しかしこのような従来技術では以下のよう
な欠点があげられる。 化学的方法:有機溶剤が用いられるが、練り込みの際
に200 ℃程度の温度となるので、分解、蒸発等を生じる
恐れがある。また、その消臭効果が選択的であったり、
消臭剤自体や反応後の物質の有害性が問題になり、その
取扱いに注意が必要である。 物理的方法:物理吸着であるので再放出の問題があ
る。更に消臭剤に関しては、活性炭は黒色であるために
その利用分野が限られ、ゼオライト等では水分を優先的
に吸着するので、湿気の多い環境では保管の問題や能力
が低下する問題などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を一掃して、安全性に優れまた取扱いが容易で
消臭機能の高い樹脂フィルムを提供するために完成され
たものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、P2O5:60重量%以上、Ag2O:2
重量%以上を含んだリン酸系ガラス粉末を、樹脂中に0.
1 〜15重量%の比率で分散させたことを特徴とするもの
である。
【0006】本発明に用いられるガラスは、悪臭に対し
て消臭効果を持つAg+ 、PO4 -3イオンをガラス中に多量
に存在させたリン酸系ガラスである。ここでその組成を
P2O5:60重量%以上、Ag2O:2重量%以上と限定したの
は、P2O5やAg2Oがこれより少ないと消臭効果が不十分で
あるためである。
【0007】この銀イオン含有リン酸系ガラスを使用し
て種々の方法により消臭機能を持った樹脂フィルムを作
成した結果、このガラスを50μm 以下、望ましくは25μ
m 以下に粉砕して合成樹脂素材中に練り込み、フィルム
化することが最も有効であることが判明した。またガラ
スの添加量は粒径によっても異なるが、合成樹脂素材の
重量当り0.1 〜15重量%の範囲が望ましい。このように
範囲を限定したのは、粒径が50μm 以上あるいは添加量
が15重量%以上であると、樹脂フィルム本来の透明性、
機械的強度、成形性等が損なわれるためである。また、
添加量が0.1 重量%以下であると消臭効果が少なくなる
結果となる。
【0008】本発明において使用できる合成樹脂は、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、酢酸ビニルナイロン、ポリエステル、ポリビニル
アルコール、アイオノマー等の単体フィルム、ラミネー
トフィルム、共押出しフィルム、アルミ真空蒸着フィル
ム等、フィルム状に成形されるものであればよく、いず
れの樹脂素材をも使用することができる。
【0009】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。89%リン酸溶液(H3PO4):263.9g、リン酸一カリ
ウム(KH2PO4):203.9g、ケイ砂(SiO2):18.0g 、酸
化銀(Ag2O):14.2g を混合して、500 ℃で乾燥後に1,
300 ℃で1時間溶融してリン酸系ガラスを作成し、これ
を冷却粉砕して粒径25μm 以下の粉末を得た。次にこの
リン酸系ガラスの粉末をポリプロピレン樹脂素材中に1.
0 及び5.0 重量%の比率で添加し、それぞれ混練してチ
ップを作成した。このチップから厚み35μm の単層フィ
ルムをそれぞれ成形して実施例1、2とした。同様にガ
ラス無添加の単層フィルムを成形し、比較例1とした。
【0010】また上記と同様の方法でリン酸系ガラスを
作成し、10μm 以下に粉砕して得た粉末を低密度ポリエ
チレン樹脂素材中に1.0 及び5.0 重量%の比率で混練
し、実施例1、2と同様に厚み35μm の単層フィルムを
それぞれ成形して実施例3、4とした。同様にガラス無
添加の単層フィルムを成形し、比較例2とした。
【0011】以上の実施例1〜4と比較例1、2のフィ
ルムの消臭効果の評価試験を次の方法で実施した。まず
悪臭ガスとして、硫化水素(H2S)、アンモニア(NH
3)、メチルメルカプタン(CH3SH)、トリメチルアミ
ン((CH3)3N)をあらかじめ窒素によりそれぞれ2.8 、3.
5 、4.8 、12ppm に稀釈した標準ガスを作成した。
【0012】消臭効果の評価テストは、図1のテスト装
置にて次の順序で実施した。テスト試料をそれぞれ10
g はかり取りガラス瓶1に投入する。ガラス瓶1をテ
スト装置にセットし真空ポンプにて真空にする。コッ
ク2を閉じ、コック3を開け常圧まで標準ガスボンベ4
から標準ガスを入れ、三方コック5を閉じる。1時間
放置後、ガラス瓶1内の残存ガス濃度を検知管にて測定
する。ブランクの場合の濃度と比較して、テスト試料
の消臭効果の評価を行う。その結果を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1から分かるように、比較例に対して実
施例はどの悪臭ガスに対しても高い消臭効果を示した。
【0015】次に、実施例4と比較例2のフィルムを用
いて三角コーナー用の水切りごみ袋を作成し、家庭用生
ごみについて実使用テストを行った。テスト方法は次の
通りである。 三角コーナーを2個用意し、実施例4のフィルムを使
用したごみ袋と、比較例2のフィルムを使用したごみ袋
をそれぞれの三角コーナーにセットし、生ごみを分けて
それぞれのごみ袋に投入する。 袋は満杯の都度、それぞれ専用の塵芥用大型袋に投入
する。 毎日それぞれの塵芥用大型袋のにおいを比較する。
【0016】評価は、比較例2のフィルムを用いたごみ
袋を基準として、つぎの4段階評価を行った。 1:悪臭が著しく減少している。 2:悪臭が少し減少している。 3:どちらも臭いが薄く余り差がない。 4:どちらも悪臭がきつく消臭効果がない。 ただし、塵芥用大型袋は通常家庭では3〜4日おきに廃
棄するので、実用に合わせて3〜4日毎に新品と交換し
た。以上のテスト方法でA〜Eの5軒の家庭での調査を
21日間行った。その結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】表2から分かるように、どの家庭の例でも
4の消臭効果がないという評価はなく、A,B,C宅で
は家庭の実使用としては十分な効果があったと考えるこ
とができる。また、D,E宅の1日目の2、3の評価
は、生ごみ中に魚類等の比較的悪臭の強いものが少なか
ったために1日目からは消臭効果が分かりにくく、2日
目移行に顕著な差が現れたという結果であり、この例で
も十分な効果があったものと考えられる。
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の消臭機
能を有する樹脂フィルムは窒素系、イオウ系全般の悪臭
を消臭できるうえ、消臭剤として安定なガラスを使用し
ているので従来の化学的方法のような有害性がない。更
に本発明のフィルムは消臭剤として使用したガラスの性
質から下記の多くの利点を持っている。 このリン酸系のガラス組成は水に溶解する性質を持っ
ている。また一般に悪臭物質は水溶性であることから、
水と組み合わせて使用したり保水剤と組み合わせて使用
すれば一層優れた消臭力を示すこととなる。 銀イオンの抗菌・抗カビ効果については既に多くの報
告がなされているが、菌の増殖時に発生する腐敗臭によ
る悪臭を防止する効果の点からも、本発明品は非常に有
効である。 本発明で使用されるガラスの粉末は白色である。それ
故にフィルムの色を損なうことがなく、その利用範囲は
多大である。 よって本発明は、従来の問題点を解消した消臭機能を有
する樹脂フィルムとして、産業の発展に寄与するところ
は極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の消臭効果のテストに使用した装置の断
面図である。
【符号の説明】
1 ガラス瓶 2 コック 3 コック 4 標準ガスボンベ 5 三方コック

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 P2O5:60重量%以上、Ag2O:2重量%以
    上を含んだリン酸系ガラス粉末を、樹脂中に0.1 〜15重
    量%の比率で分散させたことを特徴とする消臭機能を有
    する樹脂フィルム。
JP26743592A 1991-10-16 1992-10-06 消臭機能を有する樹脂フィルム Pending JPH05202227A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26743592A JPH05202227A (ja) 1991-10-16 1992-10-06 消臭機能を有する樹脂フィルム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29645291 1991-10-16
JP3-296452 1991-10-16
JP26743592A JPH05202227A (ja) 1991-10-16 1992-10-06 消臭機能を有する樹脂フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05202227A true JPH05202227A (ja) 1993-08-10

Family

ID=26547867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26743592A Pending JPH05202227A (ja) 1991-10-16 1992-10-06 消臭機能を有する樹脂フィルム

Country Status (1)

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JP (1) JPH05202227A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017025190A (ja) * 2015-07-22 2017-02-02 石塚硝子株式会社 消臭性フィルム及び消臭機能を持つ袋
JP2020163017A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 大日本印刷株式会社 消臭フィルム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017025190A (ja) * 2015-07-22 2017-02-02 石塚硝子株式会社 消臭性フィルム及び消臭機能を持つ袋
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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020802