JPH05202180A - 直鎖状ポリカーボネート及びその製造法 - Google Patents

直鎖状ポリカーボネート及びその製造法

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JPH05202180A
JPH05202180A JP1364792A JP1364792A JPH05202180A JP H05202180 A JPH05202180 A JP H05202180A JP 1364792 A JP1364792 A JP 1364792A JP 1364792 A JP1364792 A JP 1364792A JP H05202180 A JPH05202180 A JP H05202180A
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polycarbonate
carbonic acid
dihydric phenol
acid diester
linear polycarbonate
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Yoshimichi Okano
善道 岡野
Yasuhiro Oshino
康弘 押野
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はエステル交換反応により、着色がな
く、着色の原因となる塩素イオンを含まず、更に副反応
により生成する分岐構造を持たない直鎖状ポリカーボネ
ート及びその製造法を提供する。 【構成】 触媒の存在下、エステル交換法により、 2,2
−ビス( 4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の2価フ
ェノールと、ジフェニルカーボネート等の炭酸ジエステ
ルとからポリカーボネートを製造する。触媒として、ア
ンチモン、ビスマス、錫、鉛、亜鉛及びカドミウム等の
元素周期律表 IIb族、 IVb族及びVb族の群から選択され
た元素を含む少なくとも一種の化合物とを用いる。 【効果】 本発明の方法によれば、特定の触媒の存在下
で、2価フェノールと炭酸ジエステルとのエステル交換
反応を行うので、着色がなく、しかも実質的に分岐構造
を含まない高分子量で直鎖状のポリカーボネートが得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直鎖状ポリカーボネー
ト及びその製造法に関し、更に詳しくは、着色がなく、
重合中の副反応により生成する分岐構造を持たない直鎖
状ポリカーボネート及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリカ
ーボネートは、2価フェノールのナトリウム塩の水溶液
又は懸濁液に塩化メチレン等の溶媒を添加し、ホスゲン
を吹き込んで反応させる界面重縮合法(ホスゲン法)、
又は2価フェノールとジフェニルカーボネート等の炭酸
ジエステルとを加熱溶融し、高温減圧下でのエステル交
換反応により重縮合させるエステル交換法により製造さ
れている。これらのポリカーボネートの製造法のなか
で、一般に界面重縮合法が広く利用されている。しか
し、この方法では極めて毒性の強いホスゲンを使用する
必要があるだけでなく、生成したポリカーボネート中に
塩素イオンが残存する。この様にポリカーボネート中に
塩素イオンが残存していると、高温下での成形加工によ
りポリマーが着色する。従って、残存する塩素イオン濃
度を低減するために、得られたポリマーを洗浄する必要
がある。
【0003】これに対してエステル交換法は、毒性の強
いホスゲンが不要であること、残存塩素イオンの除去工
程を設ける必要がないこと等の利点を有する。エステル
交換法は一般に触媒を必要とし、これまでに数多くの化
合物がポリカーボネートの製造に有効であると提案され
ている。しかし、エステル交換法では界面重縮合法とは
異なり、一般に高分子量のポリカーボネートを得るのは
困難であり、触媒の存在下と高温減圧下で反応を行うた
めポリマーが着色する。例えば特開昭60−51719 号公報
には、含窒素塩基性化合物とホウ素化合物との組合わせ
から成る触媒によりポリカーボネートを製造する方法が
提案されており、この触媒を用いれば比較的に淡色なポ
リカーボネートが得られるが、この触媒は活性が低く、
高分子量体が得られ難いという問題点があった。
【0004】エステル交換法によるポリカーボネートの
製造に有効な高活性触媒として、アルカリ金属化合物や
アルカリ土類金属化合物がよく知られている。しかし、
これらの化合物はコルベ−シュミット型の反応による分
岐構造や、イソアルケニルフェノールの生成を経由する
分岐構造を形成する副反応を起こすことが知られている
〔エンサイクロピーディア オブ ポリマー サイエン
ス アンド テクノロジー{ Encyclopedia of Polymer
Science and Technology,10,722(1969)}〕。従って、
これらの触媒を用いて高分子量ポリカーボネートを得よ
うとすると、副反応により分岐構造が形成され、反応条
件によっては塩化メチレン等の溶媒に一部不溶となり、
又過度に着色する。従って、本発明の目的は、着色がな
く、又着色の原因となる塩素イオンを含まず、更に副反
応により生成する分岐構造を持たない、高分子量で直鎖
状ポリカーボネートを製造することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、エステル交換法に
よるポリカーボネートの製造において、特定の化合物の
組合わせから成る触媒を用いることにより、着色が殆ど
なく、又着色の原因となる塩素イオン及び分岐構造を実
質的に含まない高分子量ポリカーボネートが得られるこ
とを見出し、本発明を完成するに至ったものである。即
ち本発明は、エステル交換法により2価フェノールと炭
酸ジエステルとから製造される直鎖状ポリカーボネート
及びその製造法に関するものであって、触媒として元素
周期律表 IIb族、 IVb族及びVb族の群から選択された元
素を含む少なくとも一種の化合物を用いることにより製
造され、分岐パラメーターG=〔η〕/〔η〕lin (こ
こで〔η〕は塩化メチレン中20℃における極限粘度であ
り、〔η〕lin は光散乱法で測定される重量平均分子量
が同一の直鎖状ポリカーボネートの塩化メチレン中20℃
における極限粘度である。)が 0.8〜1.0 である実質的
に直鎖状のポリカーボネート及びその製造法を提供す
る。
【0006】本発明の直鎖状ポリカーボネートは、分岐
パラメーターGが 0.8〜1.0 である。ここで分岐パラメ
ーターGは製造したポリカーボネートの極限粘度〔η〕
と、それと同じ重量平均分子量を持つ直鎖状ポリカーボ
ネートの極限粘度〔η〕linとの比、即ちG=〔η〕
/〔η〕lin で定義される。〔η〕lin は、2価フ
ェノールがビスフェノールAの場合には、シュルツ(Sch
ultz) の粘度式〔η〕=1.11×10-4Mw0.82(Mwは重量平
均分子量を示す)を基に、分子量分布が Schultz−Z-im
m の指数分布に従うとして算出した。他の2価フェノー
ルを使用した共重合体及び単独重合体の場合は、界面重
縮合法で製造した直鎖状ポリカーボネートの極限粘度と
重量平均分子量とから粘度式を求め、それを基にして上
記と同様にして分岐パラメーターGを算出した。分岐パ
ラメーターGが 0.8を超えるポリカーボネートは、溶融
状態でニュートン流体としての挙動を示すこと、及び重
量平均分子量を測定時の測定誤差、極限粘度を測定時の
測定誤差及び分子量分布の影響等を考慮すると、実質的
に分岐構造を持たないと結論が出される。分岐パラメー
ターGが 0.8未満のポリカーボネートは、重量平均分子
量を測定時の測定誤差、極限粘度を測定時の測定誤差及
び分子量分布の影響等を考慮しても、分岐構造を有して
いると結論が出される。即ちこの場合、重合中に副反応
により分岐構造が形成され、ポリカーボネート本来の構
造とは異なった構造が形成されるため、物性値が低下す
る。
【0007】また、本発明の直鎖状ポリカーボネート
は、その全末端の内、水酸基末端が20モル%以下であ
る。水酸基末端が20モル%以上であると、高温下での成
形加工時に着色し易く、又分子量が低下し易い。また、
本発明の直鎖状ポリカーボネート中のアルカリ金属イオ
ン濃度及びアルカリ土類金属イオン濃度は1ppm 以下で
且つ塩素イオン濃度は 10ppm以下である。アルカリ金属
イオン濃度及びアルカリ土類金属イオン濃度が1ppm を
超えると、副反応による分岐構造の形成及び着色が顕著
になる。塩素イオン濃度が10ppmを超えると、成形加工
時の着色が顕著になる。
【0008】上記のような直鎖状ポリカーボネートの製
造法としては、前述した本発明の方法が有効である。即
ち、2価フェノールと炭酸ジエステルとを混合し、触媒
として元素周期律表 IIb族、 IVb族及びVb族の群から選
択された元素を含む少なくとも一種の化合物を用いるこ
とにより、溶融エステル交換法にて製造される。
【0009】本発明に使用される2価フェノールとして
は、ビスフェノールA( 2,2−ビス( 4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン)が汎用されるが、他に例えばビス
( 4−ヒドロキシフェニル)メタン、 1,1−ビス( 4−
ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス( 4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン、 2,2−ビス( 4−ヒドロキシフ
ェニル)− 4−メチルペンタン、 2,2−ビス( 4−ヒド
ロキシフェニル)オクタン、ビス( 4−ヒドロキシフェ
ニル)フェニルメタン、4,4'−ジヒドロキシ− 2,2,2−
トリフェニルエタン、 2,2−ビス( 3−ブロモ− 4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、 2,2−ビス( 3,5−ジブ
ロモ− 4−ヒドロキシフェニル)プロパン、 1,1−ビス
( 4−ヒドロキシ− 3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ− 3−イソプロピルフェニ
ル)プロパン、 2,2−ビス( 4−ヒドロキシ− 3− sec
−ブチルフェニル)プロパン、 2,2−ビス( 3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、 1,1−ビス
( 4−ヒドロキシ− 3−tert−ブチルフェニル)プロパ
ン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、 1,1−
ビス( 4−ヒドロキシフェニル)− p−ジイソプロピル
ベンゼン、 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)− p
−ジエチルベンゼン、 1,1−ビス( 4−ヒドロキシフェ
ニル)− m−ジイソプロピルベンゼン等のビス(ヒドロ
キシアリール)アレン類、 1,1−ビス( 4−ヒドロキシ
フェニル)シクロペンタン、 1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、 1,1−ビス( 4−ヒドロ
キシフェニル)シクロオクタン等のビス(ヒドロキシア
リール)シクロアルカン類、4,4'−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジ
フェニルエーテル等のジヒドロキシジアリールエーテル
類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−
ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルフィド等
のジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4'−ジヒド
ロキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジヒドロキシ−
3,3'−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキ
シジアリールスルホキシド類、4,4'−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチル
ジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホ
ン類等が使用できる。これらの2価フェノールは単独で
又は二種以上を混合して使用できる。
【0010】本発明で使用される炭酸ジエステルとして
は、例えばジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネ
ート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、 m−クレ
ジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジシクロ
ヘキシルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、ジブチルカーボネート等が使用でき
る。これらの炭酸ジエステルのなかでジフェニルカーボ
ネートが汎用される。これらの炭酸ジエステルは単独で
又は二種以上を混合して使用できる。炭酸ジエステルの
使用量は、通常2価フェノール1モルに対して0.90〜1.
50モル、好ましくは0.95〜1.25モルである。
【0011】尚、必要に応じて炭酸ジエステルの一部に
代えてジカルボン酸、ジカルボン酸エステルを用いても
良い。この場合、ポリエステルカーボネートが得られ
る。ジカルボン酸及びジカルボン酸エステルとしては、
例えばテレフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフ
タル酸、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。ジカ
ルボン酸及びジカルボン酸エステルの使用量は、例えば
炭酸ジエステルの50モル%以下、好ましくは30モル%以
下である。
【0012】触媒系を構成する化合物は、元素周期律表
IIb族、 IVb族及びVb族の群から選択された元素を含む
化合物である。これらの元素を含む化合物は、有機又は
無機化合物の何れであっても良い。元素周期律表 IIb族
に属する元素としては、亜鉛、カドミウム等が挙げられ
る。好ましい IIb族元素としては亜鉛及びカドミウムが
挙げられる。亜鉛化合物としては、例えば酢酸亜鉛、シ
ュウ酸亜鉛、フェニル酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、
硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、ステアリ
ン酸亜鉛、亜鉛−クロム酸化物、亜鉛−クロム−銅酸化
物等が挙げられる。カドミウム化合物としては、例えば
酢酸カドミウム、シュウ酸カドミウム、酸化カドミウ
ム、ステアリン酸カドミウム等が挙げられる。
【0013】IVb族に属する元素としては、ケイ素、ゲ
ルマニウム、錫、鉛が挙げられる。好ましい IVb族元素
としては、銅及び鉛が挙げられる。ケイ素化合物として
は、例えば酸化ケイ素、ケイ素−アルミニウム酸化物
(SiO2−Al2O3)、ケイ素−マグネシウム酸化物(SiO2
MgO)等が挙げられ、又ゲルマニウム化合物としては、例
えば酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム等が挙げら
れる。錫化合物としては、錫を含む有機又は無機化合
物、例えば酢酸第一錫、シュウ酸第一錫、オクチル酸
錫、塩化第一錫、塩化第二錫、酸化第一錫、酸化第二
錫、テトラフェニル錫等が挙げられる。鉛化合物の代表
例としては、例えば酢酸鉛、ホウ酸鉛、クエン酸鉛、水
酸化鉛、酸化鉛、リン酸鉛、フタル酸鉛、ステアリン酸
鉛等が挙げられる。
【0014】Vb族に属する元素としては、アンチモン及
びビスマスが挙げられる。アンチモン化合物としては、
例えば酢酸アンチモン、シュウ酸アンチモン、トリフェ
ニルアンチモン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモ
ン、トリフェノキシアンチモン、トリメトキシアンチモ
ン、トリエトキシアンチモン、三塩化アンチモン等が挙
げられる。ビスマス化合物としては、ビスマスを含む有
機又は無機化合物、例えば酢酸ビスマス、シュウ酸ビス
マス、トリフェニルビスマス、トリフェノキシビスマ
ス、三酸化ビスマス、三塩化ビスマス等が挙げられる。
【0015】本発明の方法では、元素周期律表 IIb族、
IVb族及びVb族の群から選択された元素を含む1種又は
2種以上の化合物を組合わせて触媒系を構成し、2価フ
ェノールを炭酸ジエステルと溶融重縮合反応させる。元
素周期律表 IIb族、 IVb族及びVb族の群から選択された
元素を含む化合物の使用量は、例えば、2価フェノール
1モルに対して10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3
モルである。これらの化合物の使用量が10-8モル未満で
あると所望の重合度のポリカーボネートを得るのに長時
間を要し、ポリカーボネートの工業的な製造法としては
有効ではない。一方、10-2モルを超えると、生成するポ
リカーボネート中に残存する触媒量が多くなるので、ポ
リカーボネートの物性が低下し易くなる。
【0016】エステル交換反応は、溶融重縮合反応に採
用される通常の方法、例えば反応初期に80〜250 ℃、好
ましくは 100〜230 ℃程度で反応させた後、減圧しなが
ら昇温し、最終的には 250〜320 ℃程度で反応させるこ
とにより行うことができる。尚、反応終結時の減圧度
は、例えば 0.3Torr以下にするのが好ましい。このよう
なエステル交換反応においては、重縮合反応が円滑に進
行し、着色がなく、実質的に塩素イオン及び分岐構造を
含まない高分子量のポリカーボネートが得られる。
【0017】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。実施例1 内容積 300mlのフラスコに 2,2−ビス( 4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン45.66g(0.20モル)とジフェニルカ
ーボネート42.99g(0.21モル)を入れ、触媒として酢酸
アンチモン 6.0×10-4g(2×10-6モル)を添加した
後、フラスコ内を窒素置換し、 160℃に加熱した。原料
溶融後の30分間、 160℃、常圧で攪拌し、その後 240℃
まで徐々に昇温しながら系内を5Torrまで徐々に減圧
し、フェノール約32mlを留出させた。さらに、その後 2
70℃、0.2Torr まで昇温・減圧し、最終的に 270℃、0.
2Torr で 1.5時間重縮合反応させ、無色透明のポリカー
ボネートを得た。
【0018】実施例2〜5 触媒を下記に変えた以外は実施例1と同様の操作を行っ
て、何れも無色透明のポリカーボネートを得た。即ち実
施例2では酢酸第一錫 4.7×10-4g(2×10-6モル)、
実施例3では酢酸鉛 7.6×10-4g(2×10-6モル)、実
施例4では酢酸亜鉛 4.4×10-4g(2×10-6モル)、実
施例5では三酸化アンチモン1.17×10-3g(4×10-6
ル)を触媒として用いた。
【0019】比較例1〜3 触媒を下記に変えた以外は実施例1と同様の操作を行っ
て、ポリカーボネートを得た。即ち比較例1では酢酸カ
リウム 4.0×10-4g(4×10-6モル)、比較例2では酢
酸リチウム 2.6×10-4g(4×10-6モル)、比較例3で
は炭酸カリウム2.8×10-4g(2×10-6モル)を触媒と
して用いた。実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた
全てのポリカーボネートについての極限粘度、重量平均
分子量、分岐パラメーターG値、ゲルパーミエイション
クロマトグラフィー法で求めた分子量分布Mw/Mn(重量
平均分子量/数平均分子量)、アルカリ金属イオン濃度
及びアルカリ土類金属イオン濃度〔M+ 〕、及び色相を
表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1の結果より、本発明品は比較品と比べ
て、着色されていなく、直鎖状のポリカーボネートが得
られていることが判る。
【0022】
【発明の効果】本発明の方法によれば、特定の触媒の存
在下で、2価フェノールと炭酸ジエステルとのエステル
交換反応を行うので、着色がなく、しかも実質的に分岐
構造を含まない高分子量で直鎖状のポリカーボネートが
得られる。
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】本発明の直鎖状ポリカーボネートは、分岐
パラメーターGが 0.8〜1.0 であるが、好ましくは0.88
〜1.0 、更に好ましくは0.91〜1.0 である。ここで分岐
パラメーターGは製造したポリカーボネートの極限粘度
〔η〕と、それと同じ重量平均分子量を持つ直鎖状ポリ
カーボネートの極限粘度〔η〕lin との比、即ちG=
〔η〕/〔η〕lin で定義される。〔η〕lin は、2価
フェノールがビスフェノールAの場合には、シュルツ(S
chultz) の粘度式〔η〕=1.11×10-4Mw0.82(Mwは重量
平均分子量を示す)を基に、分子量分布が Schultz−Zi
mmの指数分布に従うとして算出した。他の2価フェノー
ルを使用した共重合体及び単独重合体の場合は、界面重
縮合法で製造した直鎖状ポリカーボネートの極限粘度と
重量平均分子量とから粘度式を求め、それを基にして上
記と同様にして分岐パラメーターGを算出した。尚、重
量平均分子量(Mw)は光散乱法の他に汎用較正曲線を用い
たGPC法でも可能であり、測定法の違いの影響は実験
誤差の範囲内であった。分岐パラメーターGが 0.8を超
えるポリカーボネートは、溶融状態でニュートン流体と
しての挙動を示すこと、及び重量平均分子量を測定時の
測定誤差、極限粘度を測定時の測定誤差及び分子量分布
の影響等を考慮すると、実質的に分岐構造を持たないと
結論が出される。分岐パラメーターGが 0.8未満のポリ
カーボネートは、重量平均分子量を測定時の測定誤差、
極限粘度を測定時の測定誤差及び分子量分布の影響等を
考慮しても、分岐構造を有していると結論が出される。
即ちこの場合、重合中に副反応により分岐構造が形成さ
れ、ポリカーボネート本来の構造とは異なった構造が形
成されるため、物性値が低下する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分岐パラメーターG=〔η〕/〔η〕
    lin (ここで〔η〕は塩化メチレン中20℃における極限
    粘度であり、〔η〕lin は光散乱法で測定される重量平
    均分子量が同一の直鎖状ポリカーボネートの塩化メチレ
    ン中20℃における極限粘度である。)が 0.8〜1.0 であ
    る直鎖状ポリカーボネート。
  2. 【請求項2】 2価フェノールと炭酸ジエステルとから
    溶融エステル交換法によって製造される請求項1記載の
    直鎖状ポリカーボネート。
  3. 【請求項3】 分岐パラメーターGが 0.8〜1.0 であ
    り、ポリカーボネートの全末端の内、水酸基末端が20モ
    ル%以下である直鎖状ポリカーボネート。
  4. 【請求項4】 分岐パラメーターGが 0.8〜1.0 であ
    り、ポリカーボネート中のアルカリ金属イオン濃度及び
    アルカリ土類金属イオン濃度が1ppm 以下で且つ塩素イ
    オン濃度が 10ppm以下である直鎖状ポリカーボネート。
  5. 【請求項5】 2価フェノールと炭酸ジエステルとから
    溶融エステル交換法によって製造される請求項3又は4
    記載の直鎖状ポリカーボネート。
  6. 【請求項6】 2価フェノールと炭酸ジエステルとから
    溶融エステル交換法によってポリカーボネートを製造す
    る際、触媒として元素周期率表IIb 族、IVb族及びVb族
    の群から選択された元素を含む少なくとも1種の化合物
    を用いる請求項1〜5の何れか1項記載の直鎖状ポリカ
    ーボネートの製造法。
  7. 【請求項7】 2価フェノールと炭酸ジエステルとから
    溶融エステル交換法によってポリカーボネートを製造す
    る際、触媒としてアンチモン、ビスマス、錫、鉛、亜鉛
    及びカドミウムの群から選択された元素を含む少なくと
    も1種の化合物を用いる請求項1〜5の何れか1項又は
    請求項6記載の直鎖状ポリカーボネートの製造法。
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