JPH05201129A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH05201129A
JPH05201129A JP4012062A JP1206292A JPH05201129A JP H05201129 A JPH05201129 A JP H05201129A JP 4012062 A JP4012062 A JP 4012062A JP 1206292 A JP1206292 A JP 1206292A JP H05201129 A JPH05201129 A JP H05201129A
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JP
Japan
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heat
layer
thermosensitive
coloring layer
thermosensitive coloring
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JP4012062A
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English (en)
Inventor
Masakazu Hakomori
正和 箱守
Kazuya Nishikawa
一哉 西川
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速記録時におけるサーマルヘッドからの微
少な熱エネルギーによって、高い発色濃度を示す感熱記
録材料を提供する。 【構成】 シート状支持体と、その上に形成され、染料
前駆体と顕色剤とを含む感熱発色層とを有する感熱記録
材料において、この感熱発色層中に、15〜50重量%
の無機顔料を含有させて、レーザーフラッシュ法による
熱拡散率を1.40×10-3〜5.00×10-3cm2
sec に調整し、必要により支持体と、感熱発色層との間
に、レーザーフラッシュ法による1.20×10-3
3.30×10-3cm2 /sec の熱拡散率を有する中間層
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録材料に関するも
のである。更に詳しく述べるならば、本発明は、電子供
与性染料前駆体と顕色剤との間の感熱発色反応を利用し
て発色画像を形成する感熱記録材料において、特に感度
の高い感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常無色または淡色の電子供与性染料前
駆体と、フェノール類または有機酸などからなる顕色剤
との加熱反応を利用して発色画像を形成する感熱記録材
料は古くから知られており、例えば特公昭43−416
0号、特公昭45−14039号、および特開昭48−
27736号等に発表され、かつ既に広く実用化されて
いる。このような感熱記録材料は、ファクシミリ通信用
プリンターなどの用途を始め、コンピューター端末およ
び各種計測用レコーダー、バーコード用ラベル等の広範
な分野に用いられているが、特に最近、最大の用途であ
るファクシミリ用等において、高性能化、即ち記録速度
の高速化が進み、サーマルヘッドからの微少な熱エネル
ギーで高い発色濃度が得られ、且つ鮮明な画像を記録で
きる感熱記録材料の開発が強く求められている。これら
の要求を満たすために、発色成分自体、即ち電子供与性
染料前駆体および顕色剤、並びにこれらの組成の改良、
加熱発色操作の際に、発色成分の溶解を速め発色を促進
するための増感剤の開発、さらにはこれらの配合比率の
適正化等、感熱発色層に関する様々な工夫、および改善
が行われている。また、これらの研究開発を通じて、感
熱発色層を支持しているシート状支持体の物性も記録性
能に大きく関与することが認識されている。
【0003】支持体の物性面における改善策の一つは、
支持体の表面を平滑化し、サーマルヘッドからの熱エネ
ルギーを感熱記録材料表面に効果的に伝達せしめようと
する試みである。例えば特開昭58−65695号に提
示されるごとく、支持体自体の表面を平滑にする方法、
および特開昭58−25986号、又は特開昭59−2
04594号に提示されるごとく、支持体表面に特定の
組成から成る中間層を形成し、それによって平滑性を向
上させようとする方法が知られている。
【0004】これらの方法で支持体表面を平滑化した場
合、その上に形成される感熱発色層表面もまた平滑とな
り、サーマルヘッドと感熱発色層の接触が良好となり、
熱エネルギーの伝達は改善される。一方、支持体表面を
カレンダー処理等により加圧下で平滑化したり、無機顔
料などを含む中間層を支持体表面に形成して平滑性を向
上させるものであるため、支持体自身の構造が緻密にな
る。このため支持体層の断熱性が低下し、熱が速やかに
支持体裏面に放出され、画像は均一(記録面に斑点状に
白くかすれて散在する部分は減少)に形成されるように
なる。しかし、発色濃度は改善されないという問題点が
ある。また、緻密化した中間層は、加熱により溶融した
発色成分を受理する能力が低下しているため、ヘッドか
すの発生が助長されやすいという問題点もある。
【0005】上記問題点を解決するために、サーマルヘ
ッドから感熱記録材料表面に伝達された熱が感熱記録材
料の断面方向に移動し、裏面側に放出されにくくするこ
とが工夫されており、例えば特開昭49−133113
号に提示されるごとく、支持体表面に多孔性に富む中間
層を形成したり、さらに積極的な方法として特開昭59
−5093号、特開昭59−225987号、又は特開
昭63−173686号に提示されるごとく、中間層に
有機発泡プラスチック顔料を配合して支持体の断熱性を
高める方法などが開発されているが、高感度でヘッドか
すの発生が少なく、満足し得る感熱記録材料の開発は未
だ十分に成功していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、記録性能が
優れ、即ち高感度且つ鮮明な画質を得ることのできる感
熱記録材料を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決には、サーマルヘッドから感熱記録材料の表面に
伝えられた熱の移動現象の解明が重要であるとの観点か
ら感熱記録材料の感度に関し研究を重ね、次の二点の知
見を得るに至った。 1)サーマルヘッドから加えられる熱エネルギー(以下
印加エネルギーと記す)に対し、感熱記録材料の発色濃
度をプロットした曲線は、一般に印加エネルギーが大き
くなるにつれて発色濃度が連続的に上昇し、最終的に平
衡状態に達する。これらの挙動は、サーマルヘッドから
感熱発色層への熱伝達性と、中間層および支持体の裏面
側への熱伝導性に影響され、特に記録紙表面に伝達され
た熱が裏面に放出されにくくするため、断熱性に優れた
(熱伝導性の低い)中間層および支持体を用いることが
効果的である。しかし鋭意研究を重ねる過程で高い感度
を得るためには、感熱発色層内の温度を高く保持するこ
とが重要で、そのためには感熱発色層自身の熱伝導性を
高くすることが効果的である。
【0008】2)上記の知見は感熱発色層が熱を伝えや
すいほうが有利とするものである。しかし、感熱発色層
の温度を高く保持するのは、一見不利と思われているた
め未だ当業界により認知されていない知見である。しか
し、これは、熱伝導性の高い感熱発色層ほど、サーマル
ヘッドから伝えられた熱エネルギーにより、感熱発色層
の温度が瞬時に上昇することを意味しており、その効果
は、中間層の断熱性を高めたり、感熱発色層を過度に平
滑化することにより得られる効果よりも大きいことを見
いだしたのである。
【0009】本発明者らは前記1)および2)、即ちサ
ーマルヘッドから伝えられた熱エネルギーにより感熱発
色層内の温度を瞬時に上昇せしめ、高く保持することに
より感度の高い感熱記録材料を得るためには、感熱発色
層のレーザーフラッシュ法による熱拡散率を、1.90
×10-3〜5.00×10-3cm2 /sec の範囲にするこ
とが必要で、この条件が満たされたとき、感熱記録材料
は、初めて十分に高い感度を得ることができることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】本発明の感熱記録材料は、シート状支持体
と、このシート状支持体の1面上に形成され、実質的に
無色の電子供与性染料前駆体、および、この染料前駆体
と加熱下に反応してこれを発色させる顕色剤を含む感熱
発色層とを有し、前記感熱発色層が、その全固形分重量
に対して15〜50%の無機顔料を有し、かつレーザー
フラッシュ法による、1.40×10-3〜5.00×1
-3cm2 /sec の熱拡散率を有することを特徴とするも
のである。
【0011】また、本発明の感熱記録材料は、その一態
様において、前記シート状支持体と、前記感熱発色層と
の間に形成され、かつ白色顔料と、バインダーとを主成
分として含む中間層が形成されており、前記中間層が、
レーザーフラッシュ法による、1.20×10-3〜3.
30×10-3cm2 /sec の熱拡散率を有するものであっ
てもよい。
【0012】更に、本発明の感熱記録材料は、その一態
様において、前記中間層が、レーザーフラッシュ法によ
る、2.00×10-3〜3.30×10-3cm2 /sec の
熱拡散率を有し、かつ、前記感熱発色層が、レーザーフ
ラッシュ法による、1.40×10-3〜1.90×10
-3cm2 /sec の熱拡散率を有するものであってもよい。
【0013】
〔但し、上式中、αおよびt1/2 は上記定義の通りであり、Lは試料の厚さ(cm)を表す。〕
【0014】また前記の感熱発色層内の温度は、次の一
次元非定常熱伝導方程式から算出する。 ∂2 T/∂t2 =α×(∂2 T/∂x2 ) 〔但し、Tは感熱発色層の温度(℃)、tは時間(se
c)、xは試料表面からの裏面への距離(cm)、αは上記
のように定義された熱拡散率(cm2 /sec)を表す。〕
【0015】感熱発色層内の温度Tの算出に際して、中
間層を有する感熱記録材料の場合は、感熱発色層、中間
層および支持体層それぞれの熱拡散率および厚さを測定
することが必要である。また支持体上に直接感熱発色層
を形成する場合には、感熱発色層および支持体のそれぞ
れの熱拡散率および厚さを測定することが必要である。
【0016】感熱発色層の熱拡散率の測定には、素焼き
板上に感熱発色層用塗料を塗布し乾燥後、これを素焼き
板から分離することによって測定用試料調製が可能であ
る。また測定用試料の調製のために、モールド内に感熱
発色層用塗料を流し込み乾燥後取り出してもよく、熱拡
散率既知の支持体上に感熱発色層を形成してもよい。こ
れらの方法は、中間層の熱拡散率測定用の試料調製にも
適用可能である。
【0017】レーザーフラッシュ法による熱拡散率の測
定に際しては、前記の方法で調製した試料の表面および
裏面に超微粒子のグラファイトカーボン等の黒色材料の
薄膜を形成する。ここでいうおもて面とは、レーザーを
照射する面のことである。このように黒色材料の薄膜を
形成することによりレーザー光を熱エネルギーに変換す
ることができる。また前記裏面とは、レーザー照射直後
からの温度上昇を赤外線センサーによって追跡する面の
ことであり、黒色材料の薄膜を形成することにより試料
からの赤外線の輻射を容易ならしめるのである。
【0018】前記の方法によって得られる感熱発色層お
よび中間層の熱拡散率測定用の試料は、感熱発色層用塗
料あるいは中間層用塗料の固形分濃度を変化させること
によって任意にその厚さを制御することができる。しか
し支持体の厚さは、数10μm程度であることが多く、
グラファイトカーボン等の黒色材料の薄膜の形成は熱拡
散率測定値に影響をおよぼすので、グラファイトカーボ
ン薄膜の厚さを変化させたもの数点について測定し、グ
ラファイトカーボン薄膜の厚さと測定値との関係式を作
成して厚さゼロにおける値を算出すれば容易に感熱発色
層、又は中間層の試料自体の熱拡散率を求めることが可
能である。
【0019】前記のとおり感熱発色層の熱拡散率を高め
ることにより、感熱発色層内の温度を高く保持し高い感
度を得ることができるが、このためには、本発明の感熱
記録材料において、その感熱発色層の熱拡散率は1.4
0×10-3cm2 /sec 、またはそれ以上にする必要があ
る。また感熱発色層の熱拡散率が高くなること自体は感
度そのものに対して、阻害要因とはならないが、熱拡散
率が5.00×10-3cm2 /sec を越える感熱発色層
は、多くの場合、極度に緻密な構造を有し、感熱発色層
表面で溶融した成分を感熱発色層内に保持することがで
きないようになり、このためサーマルヘッドに付着する
などの欠点を示すようになるので好ましくない。
【0020】本発明の感熱発色層を支持するシート状支
持体には何らの制限はなく、通常の木材パルプおよび無
機填料を含有する、一般的な原紙、またはこの上に任意
の組成からなるコート層を設けたものであってもよい。
即ちコート層用塗料としては、天然および合成バインダ
ーを単独または混合して塗布することも、さらにカオリ
ン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化ア
ルミニウム等の無機顔料、ポリスチレン、スチレン−ブ
タジエン共重合体等の有機顔料等のバインダーを混合し
て塗布することも可能である。また必要に応じて耐水化
剤、消泡剤、染色剤、潤滑剤等の添加剤を配合すること
も可能である。
【0021】本発明の感熱記録材料において、レーザー
フラッシュ法による、1.40×10-3〜5.00×1
-3cm2 /sec の熱拡散率を有する感熱発色層を形成す
ることは、例えば塗料中の全固形成分重量を100部と
した場合、15〜50重量部の範囲内の無機顔料を配合
することによって可能となる。この場合、無機顔料とし
ては焼成クレーや特定の凝集状炭酸カルシウムのごとき
多孔性に富み熱拡散率の低い顔料は好ましくなく、球状
の炭酸カルシウム、板状のカオリン等のように、比較的
緻密な構造の塗膜を形成しやすい顔料を用いることが好
ましい。この場合、無機顔料の含有量が15重量部に満
たないと、得られる感熱発色層の熱拡散率が不十分とな
って、本発明の目的を達成することが困難となり、ま
た、それが50重量部を越えると得られる感熱発色層中
の発色成分やバインダーの含有量が減少するため、感度
が低下し、かつ塗膜強度も弱くなる。さらに感熱発色層
に用いるバインダーの種類や、顔料との配合率を適切に
すること等により、所望の熱拡散率を有する感熱発色層
を形成することが可能であるが、この塗料組成に関し特
に制約はない。
【0022】本発明の感熱発色層は、主に電子供与性染
料前駆体、フェノール類または有機酸などよりなる顕色
剤からなり、さらに必要に応じて増感剤を含むものであ
る。また感熱発色層は、前記無機顔料を含むものであっ
て、さらに必要に応じてワックス類を含んでいてよく、
またこれらの成分を支持体に固着するためのバインダー
を含むものである。
【0023】電子供与性染料前駆体としては、従来公知
のものを用いることができる。例えば下記のものがあげ
られる。クリスタルバイオレットラクトン、3−(N−
エチル−N−イソベンジルアミノ)−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−(ジエチルアミノ)−6−メ
チル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキ
シン−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チルフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−フル
オラン
【0024】フェノール類または有機酸などからなる顕
色剤としては、従来公知のものを用いることができ、例
えば下記化合物を例示することができる。ビスフェノー
ルA、p−ヒドロキシ安息香酸−ベンジル、ジ(4−ヒ
ドロキシフェニル)酢酸n−ブチル、ビスフェノール
S、4−ヒドロキシ,4′−イソプロピルオキシスルホ
ン、1,1−ジ(ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,7−ジ(ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−
ジオキサヘプタン
【0025】また、前記増感剤としては、融点50〜1
50℃の熱可融性有機化合物が用いられるが、これらも
従来公知のものを用いることができ、下記化合物を例示
することができる。p−ヒドロキシナフトエ酸フェニル
エステル、p−ベンジルビフェニル、ベンジルナフチル
エーテル、ジベンジルナフチルエーテル、p−ベンジル
オキシ安息香酸ベンジル、炭酸ジフェニル、炭酸ジトリ
【0026】さらに本発明の感熱発色層は、種々のワッ
クス類を必要に応じて含有することが可能である。それ
らはパラフィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワッ
クス、高級脂肪酸の金属塩等、従来公知のものから選ぶ
ことができる。
【0027】また、感熱発色層に配合されるバインダー
についても従来公知の前記のコート層に適用できるもの
の中から適宜選定することができる。
【0028】本発明に使用される支持体としては、主と
して紙が用いられるが、不織布、プラスチックフィル
ム、合成紙、金属箔等、あるいはこれらを組み合わせた
複合シートを任意に用いることができる。
【0029】なお感熱発色層形成後、記録性能を一層向
上させるため、スーパーカレンダー等により最終的な仕
上げ処理を行うのが好ましい。処理後の平滑度に特に制
限はないが、紙パルプ技術協会編「J.TAPPI紙パ
ルプ試験方法」J.TAPPI番号5に記載されている
王研式ベック平滑度(以下実施例および比較例に記載さ
れる平滑度は本法による)で200〜1500秒が好ま
しい。
【0030】以上の要件を満たすことにより、サーマル
ヘッドから伝えられた熱エネルギーを有効に利用し、感
度の高い感熱記録材料を得ることが可能となる。
【0031】本発明の感熱記録材料において、そのシー
ト状支持体と感熱発色層との間に、白色顔料と、バイン
ダーとを主成分として含む中間層が形成されていてもよ
く、この中間層は、レーザーフラッシュ法による、1.
20×10-3〜3.30×10-3cm2 /sec の熱拡散率
を有するものであることが好ましい。
【0032】前述のように、中間層の熱拡散率を低くす
ることにより、感熱発色層内の温度を高く保持し高い感
度を得ることができるが、このためには、中間層の熱拡
散率を最高3.30×10-3cm2 /sec 、またはこれ以
下にすることが好ましい。また感熱発色層の熱拡散率が
高くなること自体は感熱発色層内温度に対して阻害要因
とはならないが、熱拡散率が1.20×10-3cm2 /se
c に満たない中間層は、多くの場合、極度に空隙の多い
構造を有し、このため感熱発色層用塗料中の染料、顕色
剤等の発色成分が感熱発色層内に保持され得ず、中間層
中に浸透、埋没しやすくなり、それが感度低下の原因と
なるので好ましくない。
【0033】1.20×10-3〜3.3×10-3cm2
sec の熱拡散率を有する中間層を形成するためには、白
色顔料としてカオリン、焼成カオリン、タルク、炭酸カ
ルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム等のよう
な無機顔料および/またはポリスチレン、スチレン−ブ
タジエン共重合体等のような有機顔料が用いられ、これ
らを固着するために天然および/または合成バインダー
を適宜に配合した塗料が使用される。中間層形成用塗料
中には、必要に応じて耐水化剤、消泡剤、染色剤、潤滑
剤等を配合することができるが、中間層の塗料組成に関
し、特に制約されるものではないが、白色顔料が、中間
層の全重量に対し、75〜95%の範囲で含まれている
ことが好ましい。
【0034】本発明の感熱記録材料において、中間層
が、レーザーフラッシュ法による2.00×10-3
3.30×10-3cm2 /sec の熱拡散率を有し、感熱発
色層が、レーザーフラッシュ法による、1.40×10
-3〜1.90×10-3cm2 /secの熱拡散率を有するこ
とが好ましい。
【0035】
【実施例】本発明を更に下記実施例により説明するが、
本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお実施例および比較例中の塗料の組成、濃度、お
よび塗工量の表示はすべて重量部を基準とするものであ
る。
【0036】実施例1 下記により感熱記録紙を作成した。米坪50g/m2
上質紙上に、下記組成の感熱発色層用塗料成分: 成 分 重量部 3−(N−エチル−N−イソエンジルアミノ) 10 −6−メチル−7−アニリノフルオラン ビスフェノールA 20 p−ベンジルビフェニル 20 重質炭酸カルシウム 25 ポリビニルアルコール 20 パラフィンワックス 5 を含有する20%濃度の水性塗料溶剤を、メイヤーバー
No.10を用いて塗工し、乾燥塗布量5.2g/m2
の乾燥塗布層を形成した。これを60℃にて15分間乾
燥して感熱発色層を形成し、これをスーパーカレンダー
により平滑度752秒に仕上げた。
【0037】なお、ここで用いた重質炭酸カルシウム
は、白石工業(株)製のソフトン2200(商標)であ
り、得られた感熱発色層のレーザーフラッシュ法による
熱拡散率は2.22×10-3cm2 /sec であった。本熱
拡散率をもとに感熱発色層内の温度を算出した結果を、
感熱発色層表面に150℃の熱が加えられた際、0.9
msec後、表面から深さ3μmの位置の温度は、128℃
であった。
【0038】次に得られた感熱記録紙を20℃、65%
RHの環境下に一夜調湿し、株式会社日立製作所製感熱
記録設備(HI−FAX45)を用いて主走査繰り返し
周期10msecの条件で記録試験を行い、感度を評価し
た。その結果を表1に示す。表1から明らかなように、
全印加エネルギー領域で高い発色濃度を示し、また記録
画像の均一性も、きわめて良好で鮮明性に富むものであ
った。
【0039】実施例2 下記により感熱記録紙を作成した。米坪50g/m2
上質紙上に、下記組成の感熱発色層用塗料成分: 成 分 重量部 3−(N−エチル−N−イソエンジルアミノ) 10 −6−メチル−7−アニリノフルオラン ビスフェノールA 20 p−ベンジルビフェニル 20 カオリン 25 ポリビニルアルコール 20 パラフィンワックス 5 を含有する20%濃度の水性塗料をメイヤーバーNo.
10を用いて塗工し、乾燥塗布量5.5g/m2 の塗布
層を形成した。これを60℃にて15分間乾燥して感熱
発色層を形成し、これをスーパーカレンダーにより平滑
度765秒に仕上げた。
【0040】なお、ここで用いたカオリンは、エンゲル
ハード社のHTクレー(商標)であり、得られた感熱発
色層のレーザーフラッシュ法による熱拡散率は2.05
×10-3cm2 /sec であった。本熱拡散率をもとに感熱
発色層内の温度を算出したところ、感熱発色層表面に1
50℃の熱が加えられた際、0.9msec後、表面から深
さ3μmの位置の温度は、124℃であった。
【0041】この感熱記録紙を20℃、65%RHの環
境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で感度
を評価した。その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように全印加エネルギー領域で高い発色濃度を示し、ま
た記録画像の均一性もきわめて良好で鮮明性に富むもの
であった。
【0042】実施例3 下記により感熱記録紙を作成した。先ず、下記組成の中
間層用塗料成分: 成 分 重量部 重質炭酸カルシウム(商標:ソフトン2200、 100 白石工業(株)製) ポリカルボン酸系分散剤(商標:アロンT−40、 2 東亜合成化学(株)製) スチレン−ブタジエンラテックス(商標:JSR0692、 30 日本合成ゴム(株)製) ステアリン酸ナトリウム(商標:カネビノールYC−80、 2 カネボウ・エヌ・エス・シー(株)製) を含有する20%濃度の中間層用水性塗料を、米坪50
g/m2 の上質紙上にメイヤーバーNo.10を用い
て、乾燥塗工量が10g/m2 となるように塗工し乾燥
した。
【0043】得られた中間層の上に、実施例1に記載の
感熱発色層を形成した。これを60℃にて15分間乾燥
した後、その表面をスーパーカレンダーにより平滑度7
35秒に仕上げた。上記中間層のレーザーフラッシュ法
による熱拡散率は3.00×10-3cm2 /sec であっ
た。
【0044】得られた感熱記録紙を20℃、65%RH
の環境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で
感度を評価した。その結果を表1に示す。表1から明ら
かなように全印加エネルギー領域で実施例1よりもさら
に高い発色濃度を示し、また記録画像の均一性もきわめ
て良好で鮮明性に富むものであった。
【0045】実施例4 実施例と同様に感熱記録紙を作成した。但し、実施例3
と同様にして支持体上に中間層を形成し、その上に、実
施例1に記載の感熱発色層用塗料をメイヤーバーNo.
10を用いて、乾燥塗布重量が5.9g/m2 になるよ
うに塗布し、これを60℃で15分間乾燥して感熱発色
層を形成した。
【0046】得られた感熱記録紙の表面をスーパーカレ
ンダーにより、平滑度740秒に仕上げた。
【0047】得られた感熱記録紙を20℃、65%RH
の環境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で
感度を評価した。その結果を表1に示す。表1から明ら
かなように全印加エネルギー領域で高い発色濃度を示
し、また記録画像の均一性もきわめて良好で鮮明性に富
むものであった。
【0048】比較例1 下記により感熱記録紙を作成した。米坪50g/m2
上質紙上に、下記組成の感熱発色層用塗料成分: 成 分 重量部 3−(N−エチル−N−イソエンジルアミノ) 10 −6−メチル−7−アニリノフルオラン ビスフェノールA 20 p−ベンジルビフェニル 20 焼成クレー 25 ポリビニルアルコール 20 パラフィンワックス 5 を含有する20%濃度の水性塗料を、メイヤーバーN
o.10を用いて乾燥塗工量が5.8g/m2 になるよ
うに塗布して感熱発色層を形成し、これを60℃にて1
5分間乾燥した後、その表面をスーパーカレンダーによ
り平滑度750秒に仕上げた。
【0049】なお、ここで用いられた焼成クレーは、エ
ンゲルハード社製のアンシレックス93(商標)であ
り、得られた感熱発色層のレーザーフラッシュ法による
熱拡散率は1.20×10-3cm2 /sec であった。この
熱拡散率をもとに感熱発色層内の温度を算出したとこ
ろ、感熱発色層表面に150℃の熱が加えられた際、
0.9msec後、表面から深さ3μmの位置の温度は11
5℃であった。
【0050】得られた感熱記録紙を20℃、65%RH
の環境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で
感度を評価した。その結果を表1に示す。表1から明ら
かなように全印加エネルギー領域で低い発色濃度を示
し、また記録画像の均一性もきわめて不良で鮮明性に欠
けるものであった。
【0051】比較例2 実施例3の中間層を設けた支持体上に、比較例1の感熱
発色層用塗料を、メイヤーバーNo.10を用いて乾燥
塗工量6.0g/m2 の感熱発色層を形成し、これを6
0℃にて15分間乾燥した後、その表面をスーパーカレ
ンダーにより748秒に仕上げた。
【0052】得られた感熱記録紙を20℃、65%RH
の環境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で
感度を評価した。その結果を表1に示す。表1から明ら
かなように全印加エネルギー領域で低い発色濃度を示
し、また記録画像の均一性もきわめて不良で鮮明性に欠
けるものであった。
【0053】比較例3 下記により感熱記録紙を作成した。比較例1に記載の支
持体上に、下記組成の感熱発色層用塗料成分: 成 分 重量部 3−(N−エチル−N−イソエンジルアミノ) 15 −6−メチル−7−アニリノフルオラン ビスフェノールA 25 p−ベンジルビフェニル 25 重質炭酸カルシウム 10 ポリビニルアルコール 20 パラフィンワックス 5 を含有する20%濃度の水性塗料をメイヤーバーNo.
10を用いて、乾燥塗工量が5.5g/m2 になるよう
に塗布して感熱発色層を形成し、これを60℃にて15
分間乾燥した後、その表面をスーパーカレンダーにより
平滑度760秒に仕上げた。
【0054】なお、ここで用いた重質炭酸カルシウム
は、白石工業(株)製のソフトン2200(商標)であ
り、得られた感熱発色層のレーザーフラッシュ法による
熱拡散率は1.35×10-3cm2 /sec であった。この
熱拡散率をもとに感熱発色層内の温度を算出したとこ
ろ、感熱発色層表面に150℃の熱が加えられた際、
0.9msec後、表面から深さ3μmの位置の温度は12
8℃であった。
【0055】この感熱記録紙を20℃、65%RHの環
境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で感度
を評価した。その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、全印加エネルギー領域で低い発色濃度を示し、
また記録画像の均一性もきわめて劣り、且つサーマルヘ
ッドへの粕付着が著しかった。
【0056】比較例4 下記により感熱記録紙を作成した。米坪50g/m2
上質紙上に、下記組成の感熱発色層用塗料成分: 成 分 重量部 3−(N−エチル−N−イソエンジルアミノ) 10 −6−メチル−7−アニリノフルオラン ビスフェノールA 10 p−ベンジルビフェニル 10 重質炭酸カルシウム 55 ポリビニルアルコール 10 パラフィンワックス 5 を含有する20%濃度の水性塗料を、メイヤーバーN
o.10を用いて乾燥塗工量が5.7g/m2 になるよ
うに塗布して感熱発色層を形成し、60℃にて15分間
乾燥した後、その表面をスーパーカレンダーにより平滑
度732秒に仕上げた。
【0057】なお、ここで用いた重質炭酸カルシウム
は、白石工業(株)製のソフトン2200(商標)であ
り、得られた感熱発色層のレーザーフラッシュ法による
熱拡散率は、3.20×10-3cm2 /sec であった。こ
の熱拡散率をもとに感熱発色層内の温度を算出したとこ
ろ、感熱発色層表面に150℃の熱が加えられた際、
0.9msec後、表面から深さ3μmの位置の温度は13
2℃であった。
【0058】得られた感熱記録紙を20℃、65%RH
の環境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で
感度を評価した。その結果を表1に示す。表1から明ら
かなように、感熱発色層の温度が高く保持されたにもか
わらず、顔料含有量が過多であるため発色成分の含有量
が過少であり、そのため発色能力が低下し、全印加エネ
ルギー領域で低い発色濃度を示し、且つ塗膜強度も極め
て弱かった。
【0059】
【表1】
【0060】実施例5 下記により感熱記録紙を作成した。米坪50g/m2
上質紙上に、下記中間層用塗料成分: 成 分 重量部 焼成カオリン(商標:アンシレックス93、 100 エンゲルハード社製) ポリカルボン酸系分散剤(商標:アロンT−40、 2 東亜合成化学(株)製) スチレン−ブタジエンラテックス(商標:JSR0692、 25 日本合成ゴム(株)製) を含有する35%濃度の水性塗料を、メイヤーバーN
o.10を用いて塗工し、105℃にて15分間乾燥し
て中間層を形成した。なお、この場合の中間層塗工量は
10.2g/m2 であった。
【0061】この中間層上に、下記感熱発色層用塗料成
分: 成 分 重量部 3−(N−エチル−N−イソエンジルアミノ) 15 −6−メチル−7−アニリノフルオラン ビスフェノールA 15 p−ベンジルビフェニル 15 重質炭酸カルシウム(商標:ソフトン2200、 30 白石工業(株)製) ポリビニルアルコール 20 パラフィンワックス 5 を含有する20%濃度の水性塗料を、メイヤーバーN
o.10を用いて、乾燥塗工量が5.8g/m2 になる
ように塗布して感熱発色層を形成し、60℃にて15分
間乾燥した後、その表面をスーパーカレンダーにより平
滑度740秒に仕上げた。
【0062】本実施例において得られた中間層のレーザ
ーフラッシュ法による熱拡散率は、2.10×10-3cm
2 /sec であり、感熱発色層の熱拡散率は2.40×1
-3cm2 /sec であった。上記熱拡散率をもとに感熱発
色層内温度を算出したところ、感熱発色層表面に150
℃の熱が加えられた際、0.9msec後、表面から深さ3
μmの位置の温度は124℃であった。
【0063】この感熱記録紙を20℃、65%RHの環
境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で感度
を評価した。その結果を表2に示す。表2から明らかな
ように、全印加エネルギー領域で高い発色濃度を示し、
また記録画像の均一性もきわめて良好で鮮明性に富むも
のであった。
【0064】実施例6 下記により感熱記録紙を作成した。米坪50g/m2
上質紙上に、下記中間層用塗料成分: 成 分 重量部 プラスチックピグメント(商標:L−8801、 80 旭化成工業(株)製) 重質炭酸カルシウム(商標:ソフトン2200、 20 白石工業(株)製) ポリカルボン酸系分散剤(商標:アロンT−40、 2 東亜合成化学(株)製) スチレン−ブタジエンラテックス 20 (商標:JSR0692、日本合成ゴム(株)製) を含有する35%濃度の水性塗料を、メイヤーバーN
o.10を用いて塗工し、105℃にて15分間乾燥し
て中間層を形成した。なお、この場合の中間層塗工量は
10.8g/m2 であった。
【0065】この中間層上に、実施例5と同じ感熱発色
層用塗料を20%濃度で、メイヤーバーNo.10を用
いて塗工し、乾燥塗工量5.3g/m2 の感熱発色層を
形成し、60℃にて15分間乾燥した後、その表面をス
ーパーカレンダーにより平滑度753秒に仕上げた。
【0066】本実施例の中間層のレーザーフラッシュ法
による熱拡散率は、1.84×10 -3cm2 /sec であ
り、中間層および感熱発色層の熱拡散率をもとに感熱発
色層内温度を算出したところ、感熱発色層表面に150
℃の熱が加えられた際、0.9msec後、表面から深さ3
μmの位置の温度は127℃であった。
【0067】得られた感熱記録紙を20℃、65%RH
の環境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で
感度を評価した。その結果を表2に示す。表2から明ら
かなように、全印加エネルギー領域で実施例5よりも高
い発色濃度を示し、また記録画像の均一性もきわめて良
好で鮮明性に富むものであった。
【0068】実施例7 下記により感熱記録紙を作成した。米坪50g/m2
上質紙上に、下記組成の中間層用塗料成分: 成 分 重量部 プラスチックピグメント(商標:L−8801、 100 旭化成工業(株)製) ポリカルボン酸系分散剤(商標:アロンT−40、 2 東亜合成化学(株)製) スチレン−ブタジエンラテックス 6 (商標:JSR0692、日本合成ゴム(株)製) を含有する35%濃度の水性塗料を、メイヤーバーN
o.10を用いて塗工し、105℃にて15分間乾燥し
て、中間層を形成した。なお、この中間層の塗工量は1
0.4g/m2 であった。
【0069】この中間層上に実施例5と同じ感熱発色層
用塗料を20%濃度で、メイヤーバーNo.10を用い
て塗工し、乾燥塗工量5.5g/m2 の感熱発色層を形
成し、これを60℃にて15分間乾燥した後、その表面
をスーパーカレンダーにより平滑度748秒に仕上げ
た。
【0070】本実施例の中間層のレーザーフラッシュ法
による熱拡散率は1.25×10-3cm2 /sec であっ
た。中間層および感熱発色層の熱拡散率をもとにして感
熱発色層内温度を算出したところ、感熱発色層表面に1
50℃の熱が加えられた際、0.9msec後、表面から深
さ3μmの位置の温度は132℃であった。
【0071】この感熱記録紙を20度、65%RHの環
境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で感度
を評価した。その結果を表2に示す。表2から明らかな
ように全印加エネルギー領域で実施例6よりもさらに高
い発色濃度を示し、また記録画像の均一性もきわめて良
好で鮮明性に富むものであった。
【0072】
【表2】
【0073】実施例8 下記により感熱記録紙を作成した。米坪50g/m2
上質紙上に、下記組成の中間層用塗料成分: 成 分 重量部 焼成カオリン(商標:アンシレックス93、 100 エンゲルハード社製) ポリカルボン酸系分散剤(商標:アロンT−40、 2 東亜合成化学(株)製) スチレン−ブタジエンラテックス 10 (商標:JSR0692、日本合成ゴム(株)製) を含有する35%濃度の水性塗料を、メイヤーバーN
o.10を用いて塗工し、105℃にて15分間乾燥し
て中間層を形成した。この中間層の塗工量は10.5g
/m2 であった。
【0074】この中間層上に、下記組成の感熱発色層用
塗料成分: 成 分 重量部 3−(N−エチル−N−イソエンジルアミノ) 20 −6−メチル−7−アニリノフルオラン ビスフェノールA 20 p−ベンジルビフェニル 20 重質炭酸カルシウム(商標:ソフトン2200、 20 白石工業(株)製) ポリビニルアルコール 20 パラフィンワックス 5 を含有する20%濃度の水性塗料をメイヤーバーNo.
10を用いて塗布し、乾燥塗工量が5.4g/m2 の感
熱発色層を形成し、これを60℃にて15分間乾燥した
後、その表面をスーパーカレンダーにより平滑度732
秒に仕上げた。
【0075】本実施例の中間層のレーザーフラッシュ法
による熱拡散率は2.80×10-3cm2 /sec であり、
感熱発色層の熱拡散率は1.60×10-3cm2 /sec で
あった。本熱拡散率をもとにして感熱発色層内温度を算
出したところ、感熱発色層表面に150℃の熱が加えら
れた際、0.9msec後、表面から深さ3μmの位置の温
度は124℃であった。
【0076】この感熱記録紙を20℃、65%RHの環
境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で感度
を評価した。その結果を表3に示す。表3から明らかな
ように全印加エネルギー領域で高い発色濃度を示し、ま
た記録画像の均一性もきわめて良好で鮮明性に富むもの
であった。
【0077】実施例9 下記により感熱記録紙を作成した。米坪50g/m2
上質紙上に、下記組成の中間層用塗料成分: 成 分 重量部 プラスチックピグメント(商標:L−8801、 60 旭化成工業(株)製) 焼成カオリン(商標:アンシレックス93、 40 エンゲルハード社製) ポリカルボン酸系分散剤(商標:アロンT−40、 2 東亜合成化学(株)製) スチレン−ブタジエンラテックス 10 (商標:JSR0692、日本合成ゴム(株)製) を含有する35%濃度の水性塗料をメイヤーバーNo.
10を用いて塗工し、105℃にて15分間乾燥して中
間層を形成した。この中間層の塗工量は10.1g/m
2 であった。
【0078】この中間層上に実施例8と同じ感熱発色層
用塗料を20%濃度で、メイヤーバーNo.10を用い
て塗工し、乾燥塗工量5.5g/m2 の感熱発色層を形
成し、これを60℃にて15分間乾燥した後、その表面
をスーパーカレンダーにより平滑度760秒に仕上げ
た。
【0079】本実施例の中間層のレーザーフラッシュ法
による熱拡散率は1.75×10-3cm2 /sec であり、
中間層および感熱発色層の熱拡散率をもとにして感熱発
色層内温度を算出したところ、感熱発色層表面に150
℃の熱が加えられた際、0.9msec後、表面から深さ3
μmの位置の温度は130℃であった。
【0080】この感熱記録紙を、20℃、65%RHの
環境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で感
度を評価した。その結果を表3に示す。全印加エネルギ
ー領域で実施例8よりもさらに高い発色濃度を示し、ま
た記録画像の均一性もきわめて良好で鮮明性に富むもの
であった。
【0081】実施例10 下記により感熱記録紙を作成した。実施例9と同様にし
て、米坪50g/m2 の上質紙上に中間層を形成し、こ
の中間層上に、下記組成の感熱発色層用塗料成分: 成 分 重量部 3−(N−エチル−N−イソエンジルアミノ) 10 −6−メチル−7−アニリノフルオラン ビスフェノールA 20 p−ベンジルビフェニル 20 カオリン(商標:HTクレー、エンゲルハード社製) 25 ポリビニルアルコール 20 パラフィンワックス 5 を含有する20%濃度の水性塗料をメイヤーバーNo.
10を用いて塗布し、乾燥塗工量5.8g/m2 の感熱
発色層を形成し、これを60℃にて15分間乾燥した
後、その表面をスーパーカレンダーにより平滑度750
秒に仕上げた。
【0082】本感熱発色層のレーザーフラッシュ法によ
る熱拡散率は1.85×10-3cm2 /sec であった。中
間層および感熱発色層の熱拡散率をもとにして感熱発色
層内の温度を算出したところ、感熱発色層表面に150
℃の熱が加えられた際、0.9msec後、表面から深さ3
μmの位置の温度は132℃であった。
【0083】この感熱記録紙を20℃、65%RHの環
境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で感度
を評価した。その結果を表3に示す。表3から明らかな
ように全印加エネルギー領域で実施例9よりもさらに高
い発色濃度を示し、また記録画像の均一性もきわめて良
好で鮮明性に富むものであった。
【0084】比較例5 下記により感熱記録紙を作成した。実施例8と同様にし
て、米坪50g/m2 の上質紙上に中間層を形成し、こ
の中間層上に、下記組成の感熱発色層用塗料成分: 成 分 重量部 3−(N−エチル−N−イソエンジルアミノ) 10 −6−メチル−7−アニリノフルオラン ビスフェノールA 20 p−ベンジルビフェニル 20 重質炭酸カルシウム(商標:ソフトン2200: 10 白石工業(株)製) ポリビニルアルコール 35 パラフィンワックス 5 を含有する20%濃度の水性塗料をメイヤーバーNo.
10を用いて塗布し、乾燥塗工量5.5g/m2 の感熱
発色層を形成し、これを60℃にて15分間乾燥した
後、その表面をスーパーカレンダーにより平滑度740
秒に仕上げた。
【0085】本比較例の感熱発色層のレーザーフラッシ
ュ法による熱拡散率は1.30×10-3cm2 /sec であ
った。中間層および感熱発色層の熱拡散率をもとにして
感熱発色層内の温度を算出したところ、感熱発色層表面
に150℃の熱が加えられた際、0.9msec後、表面か
ら深さ3μmの位置の温度は122℃であった。
【0086】この感熱記録紙を20℃、65%RHの環
境下に一夜調湿し、実施例1と同様の方法で感度を評価
した。その結果を表3に示す。表3から明らかなよう
に、全印加エネルギー領域で低い発色濃度を示し、また
記録画像の均一性もきわめて不良で鮮明性に欠けるもの
であった。
【0087】比較例6 下記により感熱記録紙を作成した。米坪50g/m2
上質紙上に、下記組成の中間層用塗料成分: 成 分 重量部 重質炭酸カルシウム(商標:ソフトン2200、 100 白石工業(株)製) ポリカルボン酸系分散剤(商標:アロンT−40、 2 東亜合成化学(株)製) スチレン−ブタジエンラテックス 10 (商標:JSR0692、日本合成ゴム(株)製) を含有する濃度35%の中間層用水性塗料をメイヤーバ
ーNo.10を用いて塗工し、105℃にて15分間乾
燥して中間層を形成した。この中間層塗工量は10.8
g/m2 であった。
【0088】この中間層上に比較例2と同様の感熱発色
層用塗料を濃度20%で、メイヤーバーNo.10を用
いて塗工し、塗工量6.0g/m2 の感熱発色層を形成
し、これを60℃にて15分間乾燥した後、その表面を
スーパーカレンダーにより平滑度748秒に仕上げた。
【0089】本比較例の中間層の熱拡散率は4.20×
10-3cm2 /sec であった。中間層および感熱発色層の
熱拡散率をもとに感熱発色層内の温度を算出したとこ
ろ、感熱発色層表面に150℃の熱が加えられた際、
0.9msec後、表面から深さ3μmの位置の温度は11
2℃であった。
【0090】この感光記録紙を、20℃、65%RHの
環境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で感
度を測定しようとしたが、当然のことながら発色濃度の
低下が著しいため測定を行わなかった。
【0091】比較例7 下記により感熱記録紙を作成した。実施例8と同様にし
て、米坪50g/m2 の上質紙上に中間層を形成し、こ
の中間層上に、下記組成の感熱発色層用塗料成分: 成 分 重量部 3−(N−エチル−N−イソエンジルアミノ) 10 −6−メチル−7−アニリノフルオラン ビスフェノールA 10 p−ベンジルビフェニル 10 重質炭酸カルシウム(商標:ソフトン2200、 53 白石工業(株)製) ポリビニルアルコール 12 パラフィンワックス 5 を含有する20%濃度の水性塗料をメイヤーバーNo.
10を用いて塗布し、乾燥塗工量5.7g/m2 の感熱
発色層を形成し、これを60℃にて15分間乾燥した
後、その表面をスーパーカレンダーで平滑度739秒に
仕上げた。
【0092】本比較例の感熱発色層のレーザーフラッシ
ュ法による熱拡散率は2.70×10-3cm2 /sec であ
った。この熱拡散率をもとにして感熱発色層内の温度を
算出したところ、感熱発色層表面に150℃の熱が加え
られた際、0.9msec後、表面から深さ3μmの位置の
温度は133℃であった。
【0093】この感熱記録紙を20℃、65%RHの環
境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で感度
を評価した。その結果を表3に示す。表3から明らかな
ように、全印加エネルギー領域で低い発色濃度を示し、
また記録画像の均一性もきわめて劣っていた。すなわち
感熱発色層の温度が高く保持されたにもかかわらず、顔
料の高配合率により、発色成分の含有比率が減少したた
め発色濃度が低下したものである。
【0094】
【表3】
【0095】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は高速記録時の微
少な熱エネルギーにより高い発色濃度の記録が得られる
ものであって、実用上きわめて有用なものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】前記の方法によって得られる感熱発色層お
よび中間層の熱拡散率測定用の試料は、感熱発色層用塗
料あるいは中間層用塗料の固形分濃度を変化させること
によって任意にその厚さを制御することができる。しか
し支持体の厚さは、数10μm程度であることが多く、
グラファイトカーボン等の黒色材料の薄膜の形成は熱拡
散率測定値に影響をおよぼすので、グラファイトカーボ
ン薄膜の厚さを変化させたもの数点について測定し、グ
ラファイトカーボン薄膜の厚さと測定値との関係式を作
成して厚さゼロにおける値を算出すれば容易に支持体
熱拡散率を求めることが可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正内容】
【0090】この感記録紙を、20℃、65%RHの
環境下に一夜調湿し、実施例1と同様のテスト方法で感
度を測定しようとしたが、当然のことながら発色濃度の
低下が著しいため測定を行わなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、このシート状支持体
    の1面上に形成され、実質的に無色の電子供与性染料前
    駆体、および、この染料前駆体と加熱下に反応してこれ
    を発色させる顕色剤を含む感熱発色層とを有し、 前記感熱発色層が、その全固形分重量に対して、15〜
    50%の無機顔料を有し、かつレーザーフラッシュ法に
    よる、1.40×10-3〜5.00×10-3cm 2 /sec
    の熱拡散率を有することを特徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 前記シート状支持体と、前記感熱発色層
    との間に形成され、かつ白色顔料と、バインダーとを主
    成分として含む中間層が形成されており、 前記中間層が、レーザーフラッシュ法による、1.20
    ×10-3〜3.30×10-3cm2 /sec の熱拡散率を有
    する、請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 前記中間層が、レーザーフラッシュ法に
    よる、2.00×10-3〜3.30×10-3cm2 /sec
    の熱拡散率を有し、かつ、前記感熱発色層が、レーザー
    フラッシュ法による、1.40×10-3〜1.90×1
    -3cm2 /sec の熱拡散率を有する、請求項2に記載の
    感熱記録材料。
JP4012062A 1992-01-27 1992-01-27 感熱記録材料 Pending JPH05201129A (ja)

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