JPH05200895A - プラスチック部品の擦り傷補修方法 - Google Patents
プラスチック部品の擦り傷補修方法Info
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- JPH05200895A JPH05200895A JP1269792A JP1269792A JPH05200895A JP H05200895 A JPH05200895 A JP H05200895A JP 1269792 A JP1269792 A JP 1269792A JP 1269792 A JP1269792 A JP 1269792A JP H05200895 A JPH05200895 A JP H05200895A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】擦り傷の遮蔽性が良く、透明性の回復が良好
で、補修が容易に行える、透明プラスチック部品の擦り
傷の補修方法を提供する。 【構成】(A) 一般式 RaSiXbO(4-(a+b))/2 (式中、R は1価の有機基もしくは水素原子を表し、X
はヒドロキシル基または加水分解性基を表し、a および
b は下記の関係にある数である。 0.8 <a <2 0.3 ≦b <2 ) で示される硬化性ポリオルガノシロキサン 100 重量部 および (B) 特定の揮発性ポリジメチルシロキサン 100 〜1000
重量部より成り、25℃における粘度が10〜100,000 セン
チストークスである組成物を、プラスチック部品の擦り
傷に塗工、硬化させることにより、擦り傷を補修する方
法。
で、補修が容易に行える、透明プラスチック部品の擦り
傷の補修方法を提供する。 【構成】(A) 一般式 RaSiXbO(4-(a+b))/2 (式中、R は1価の有機基もしくは水素原子を表し、X
はヒドロキシル基または加水分解性基を表し、a および
b は下記の関係にある数である。 0.8 <a <2 0.3 ≦b <2 ) で示される硬化性ポリオルガノシロキサン 100 重量部 および (B) 特定の揮発性ポリジメチルシロキサン 100 〜1000
重量部より成り、25℃における粘度が10〜100,000 セン
チストークスである組成物を、プラスチック部品の擦り
傷に塗工、硬化させることにより、擦り傷を補修する方
法。
Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、プラスチック部品の擦り
傷の補修方法に関し、さらに詳しくはヘルメットのゴー
グルなどの透明プラスチックよりなる風防部品の擦り傷
を遮蔽して良好な透明性を回復し、その透明性が良好に
維持される擦り傷の補修方法に関する。
傷の補修方法に関し、さらに詳しくはヘルメットのゴー
グルなどの透明プラスチックよりなる風防部品の擦り傷
を遮蔽して良好な透明性を回復し、その透明性が良好に
維持される擦り傷の補修方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景とその問題点】ヘルメットのゴーグ
ルやシールド、スキーのゴーグルなどの風防部品のよう
な透明プラスチック部品は、安全な視野の確保のために
良好な透明性が要求されるが、プラスチック製であるた
めに屋外での使用によって擦り傷が発生しやすく、透明
性が低下して良好な視野が得られにくくなるという問題
がある。このため、透明プラスチック部品の表面に保護
被膜を形成し、表面硬度を改良してあらかじめ擦り傷を
付きにくくする方法が知られている(特開昭51−2736号
公報、特開昭54−87736 号公報、特開昭55−94971 号公
報、特開昭62−169832号公報、特開平2−150431号公報
および特開平3−192175号公報参照)。しかしすでに擦
り傷が発生した透明プラスチック部品の補修の場合は、
表面硬度の改良よりも擦り傷の遮蔽性、透明性の回復が
重要となる。また擦り傷が発生する前の表面硬度の改良
のための表面処理は、製品に組み立てられる前のプラス
チック部品が対象であり、浸漬法などの塗工および加熱
硬化などの処理が可能であるため、このような方法が適
用され得るが、耐熱性、耐溶剤性の低い他の部品と組み
合わされて製品化されたプラスチック部品の擦り傷の補
修の場合は、このような方法の適用が難しい。このよう
に、透明プラスチック部品の擦り傷の補修の場合は、擦
り傷の遮蔽性および透明性の回復が必要であり、また室
温で簡易な方法で処理できることが望ましい。また表面
硬度を改良する処理剤として、シリコーンレジンを主剤
とする処理剤が知られているが、一般にこれらの処理剤
はコロイド状シリカを含有するために、保存安定性が低
く、取扱い上問題があった。またビールビンなどのガラ
スビンの擦り傷を、表面処理によって遮蔽して表面光沢
を回復し、繰り返し使用することが知られている(特開
昭55−56040 号公報、特開昭56−23444 号公報、特開昭
61−6152号公報、特開昭63−117932号公報参照)。この
場合、表面処理されたガラスビンは、使用後アルカリ水
溶液などの洗浄剤によって保護被膜を除去し、再度表面
処理して使用される。従ってこの方法では一般にアルカ
リ水溶液などの洗浄剤によってプラスチックの腐食が起
こり、透明性が損なわれるという問題があり、透明性の
要求されるゴーグルやシールドなどには適用されなかっ
た。
ルやシールド、スキーのゴーグルなどの風防部品のよう
な透明プラスチック部品は、安全な視野の確保のために
良好な透明性が要求されるが、プラスチック製であるた
めに屋外での使用によって擦り傷が発生しやすく、透明
性が低下して良好な視野が得られにくくなるという問題
がある。このため、透明プラスチック部品の表面に保護
被膜を形成し、表面硬度を改良してあらかじめ擦り傷を
付きにくくする方法が知られている(特開昭51−2736号
公報、特開昭54−87736 号公報、特開昭55−94971 号公
報、特開昭62−169832号公報、特開平2−150431号公報
および特開平3−192175号公報参照)。しかしすでに擦
り傷が発生した透明プラスチック部品の補修の場合は、
表面硬度の改良よりも擦り傷の遮蔽性、透明性の回復が
重要となる。また擦り傷が発生する前の表面硬度の改良
のための表面処理は、製品に組み立てられる前のプラス
チック部品が対象であり、浸漬法などの塗工および加熱
硬化などの処理が可能であるため、このような方法が適
用され得るが、耐熱性、耐溶剤性の低い他の部品と組み
合わされて製品化されたプラスチック部品の擦り傷の補
修の場合は、このような方法の適用が難しい。このよう
に、透明プラスチック部品の擦り傷の補修の場合は、擦
り傷の遮蔽性および透明性の回復が必要であり、また室
温で簡易な方法で処理できることが望ましい。また表面
硬度を改良する処理剤として、シリコーンレジンを主剤
とする処理剤が知られているが、一般にこれらの処理剤
はコロイド状シリカを含有するために、保存安定性が低
く、取扱い上問題があった。またビールビンなどのガラ
スビンの擦り傷を、表面処理によって遮蔽して表面光沢
を回復し、繰り返し使用することが知られている(特開
昭55−56040 号公報、特開昭56−23444 号公報、特開昭
61−6152号公報、特開昭63−117932号公報参照)。この
場合、表面処理されたガラスビンは、使用後アルカリ水
溶液などの洗浄剤によって保護被膜を除去し、再度表面
処理して使用される。従ってこの方法では一般にアルカ
リ水溶液などの洗浄剤によってプラスチックの腐食が起
こり、透明性が損なわれるという問題があり、透明性の
要求されるゴーグルやシールドなどには適用されなかっ
た。
【0003】以上のように、シールドなどの透明プラス
チック部品の擦り傷を保護被膜によって補修する場合、
以下のような特性が要求される。 擦り傷の遮蔽性が良いこと 保護被膜の透明性が良いこと 塗工が容易であり、室温での処理が可能であること 保護被膜の強度が大きいこと 保護被膜の密着性、耐水性が良いこと 保護被膜の表面にべとつきのないこと 補修後の透明プラスチック部品が曇りにくいこと ここで、補修後のプラスチック部品は、再度の使用条件
下で擦り傷が発生しにくいことが要求され、そのため被
膜強度の大きいことが必要となる。またヘルメットのゴ
ーグルやシールドなどは屋外で使用され、風雨にさらさ
れることから、被膜の密着性、耐水性のよいことが必要
となり、取扱い上の手触りの良さと粉塵などの付着を少
なくするために、表面のべとつきが無いことが必要であ
る。さらにヘルメットのゴーグルやシールド、スキーの
ゴーグルなどは水蒸気などによる曇りによって視野の低
下が起こりやすく、従って補修によって曇りの発生が抑
えられることが好ましい。これらの要求をすべて満足す
るプラスチック部品の補修方法はこれまで知られていな
かった。
チック部品の擦り傷を保護被膜によって補修する場合、
以下のような特性が要求される。 擦り傷の遮蔽性が良いこと 保護被膜の透明性が良いこと 塗工が容易であり、室温での処理が可能であること 保護被膜の強度が大きいこと 保護被膜の密着性、耐水性が良いこと 保護被膜の表面にべとつきのないこと 補修後の透明プラスチック部品が曇りにくいこと ここで、補修後のプラスチック部品は、再度の使用条件
下で擦り傷が発生しにくいことが要求され、そのため被
膜強度の大きいことが必要となる。またヘルメットのゴ
ーグルやシールドなどは屋外で使用され、風雨にさらさ
れることから、被膜の密着性、耐水性のよいことが必要
となり、取扱い上の手触りの良さと粉塵などの付着を少
なくするために、表面のべとつきが無いことが必要であ
る。さらにヘルメットのゴーグルやシールド、スキーの
ゴーグルなどは水蒸気などによる曇りによって視野の低
下が起こりやすく、従って補修によって曇りの発生が抑
えられることが好ましい。これらの要求をすべて満足す
るプラスチック部品の補修方法はこれまで知られていな
かった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、擦り傷の遮蔽性が良く、透明
性の回復が良好で、補修が容易に行える、透明プラスチ
ック部品の擦り傷の補修方法を提供することを目的とす
る。
性の回復が良好で、補修が容易に行える、透明プラスチ
ック部品の擦り傷の補修方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【発明の構成】本発明者らは、プラスチック部品の擦り
傷の補修方法について鋭意検討を重ねた結果、ヒドロキ
シル基または加水分解性基を有する硬化性ポリオルガノ
シロキサンと、揮発性ポリジメチルシロキサンを含有す
る組成物を塗工することにより、擦り傷が良好に補修さ
れることを見出し本発明を成すに至った。すなわち本発
明は、 (A) 一般式 RaSiXbO(4-(a+b))/2 (式中、R は1価の有機基もしくは水素原子を表し、X
はヒドロキシル基または加水分解性基を表し、a および
b は下記の関係にある数である。 0.8 <a <2 0.3 ≦b <2 ) で示される硬化性ポリオルガノシロキサン 100 重量部 および (B) 一般式(I) または(II)で表される揮発性ポリジメチ
ルシロキサン 100 〜1000重量部
傷の補修方法について鋭意検討を重ねた結果、ヒドロキ
シル基または加水分解性基を有する硬化性ポリオルガノ
シロキサンと、揮発性ポリジメチルシロキサンを含有す
る組成物を塗工することにより、擦り傷が良好に補修さ
れることを見出し本発明を成すに至った。すなわち本発
明は、 (A) 一般式 RaSiXbO(4-(a+b))/2 (式中、R は1価の有機基もしくは水素原子を表し、X
はヒドロキシル基または加水分解性基を表し、a および
b は下記の関係にある数である。 0.8 <a <2 0.3 ≦b <2 ) で示される硬化性ポリオルガノシロキサン 100 重量部 および (B) 一般式(I) または(II)で表される揮発性ポリジメチ
ルシロキサン 100 〜1000重量部
【0006】
【化2】
【0007】より成り、25℃における粘度が10〜100,00
0 センチストークスである組成物を、プラスチック部品
の擦り傷に塗工、硬化させることにより、擦り傷を補修
する方法である。
0 センチストークスである組成物を、プラスチック部品
の擦り傷に塗工、硬化させることにより、擦り傷を補修
する方法である。
【0008】本発明で使用される(A) 成分の硬化性ポリ
オルガノシロキサンは、ヒドロキシル基または加水分解
性基を有し、一般式 RaSiXbO(4-(a+b))/2 で示されるも
のである。ここでR は1価の有機基もしくは水素原子を
表す。1価の有機基としてはメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ヘキシルなどのアルキル基、ビニル、アリ
ルなどのアルケニル基、フェニル、トリル、キシリルな
どのアリール基、フェネチル、β−フェニルプロピルの
ようなアラルキル基、γ−グリシドキシプロピル、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルのようなエポキシ基含
有基、γ−メタクリロキシプロピルのような(メタ)ア
クリル基含有基、γ−メルカプトプロピルのようなメル
カプトアルキル基、シアノエチルのようなシアノアルキ
ル基、β−クロロエチル、γ−クロロプロピルのような
クロロアルキル基、3,3,3 −トリフルオロプロピルのよ
うなフルオロアルキル基などが例示される。これらの中
でも、補修後のプラスチック部品の透明性が良好なこと
から、アルキル基が好ましく、特にメチル基が好まし
い。また(B) 成分の揮発性ポリメチルシロキサンとの相
溶性が良好で、平滑な保護被膜ができ、擦り傷の遮蔽性
に優れることから、R のうち90モル%以上がメチル基で
あることが好ましい。また保護被膜の密着性、耐水性が
良好となることから、エポキシ基含有基または(メタ)
アクリル基含有基を含有してもよく、R のうち0.05〜10
モル%含有することが好ましい。またその他に、補修後
のプラスチック部品が曇りにくくなることから、R とし
て親水性基を含有してもよい。親水性基としてはR'O(C2
H4O)d(C3H6O)e −(ここでR'はR と同様な基、d, eは整
数)で示されるポリオキシアルキレン基、γ−アミノプ
ロピル基、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピル基のようなアミノアルキル基、γ−カルボキシプロ
ピル基のようなカルボキシアルキル基、HOC3H6−、HOCH
2(CHOH)fC3H6−(ここでf は整数)のようなヒドロキシ
アルキル基などが例示される。親水性基としてはポリオ
キシアルキレン基、アミノアルキル基が好ましく、特に
ポリオキシアルキレン基が好ましい。親水性基はR のう
ち0.1 〜20モル%、とくに0.5 〜5モル%であることが
好ましい。また(A) 成分のX はヒドロキシル基または加
水分解性基を表す。加水分解性基としてはアルコキシル
基、アシロキシ基、アミノキシ基、ケトオキシム基、ア
ミド基、アルケニルオキシ基およびハロゲン原子などが
例示される。硬化反応時に生成する副生成物の臭気の少
ないこと、硬化性および被膜特性が良好なことから、ヒ
ドロキシル基、またはアルコキシル基が好ましく、特に
ヒドロキシル基、メトキシ基またはエトキシ基が好まし
い。またa およびb は下記の関係にある数であることが
必要である。 0.8 <a <2 0.3 ≦b <2 a が0.8 以下では硬化被膜が脆くなり、2以上であると
良好な硬化被膜が得られなくなると共に、被膜に油分が
滲み出すような滑り性を生じ本発明の目的に適さない。
b が0.3 未満では硬化速度が遅すぎて実用に合わず、2
以上では硬化被膜が脆くなり本発明の目的に適さない。
(A) 成分は(B) 成分に溶解・混合するものであれば、液
体でも固体でも使用しうる。(A) 成分ははじきの少ない
良好な塗膜ができることから、通常は粘度10センチスト
ークス以上が好ましく、また形成される保護被膜がべと
つきの少ないものとなり、擦り傷への浸透がよく、遮蔽
性が良好なことから、100,000 センチストークス以下が
好ましい。このようなポリオルガノシロキサンは公知の
方法で得ることができ、原料となるオルガノアルコキシ
シラン、オルガノクロロシランなどの加水分解性オルガ
ノシランを、部分加水分解することにより得られる。
オルガノシロキサンは、ヒドロキシル基または加水分解
性基を有し、一般式 RaSiXbO(4-(a+b))/2 で示されるも
のである。ここでR は1価の有機基もしくは水素原子を
表す。1価の有機基としてはメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ヘキシルなどのアルキル基、ビニル、アリ
ルなどのアルケニル基、フェニル、トリル、キシリルな
どのアリール基、フェネチル、β−フェニルプロピルの
ようなアラルキル基、γ−グリシドキシプロピル、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルのようなエポキシ基含
有基、γ−メタクリロキシプロピルのような(メタ)ア
クリル基含有基、γ−メルカプトプロピルのようなメル
カプトアルキル基、シアノエチルのようなシアノアルキ
ル基、β−クロロエチル、γ−クロロプロピルのような
クロロアルキル基、3,3,3 −トリフルオロプロピルのよ
うなフルオロアルキル基などが例示される。これらの中
でも、補修後のプラスチック部品の透明性が良好なこと
から、アルキル基が好ましく、特にメチル基が好まし
い。また(B) 成分の揮発性ポリメチルシロキサンとの相
溶性が良好で、平滑な保護被膜ができ、擦り傷の遮蔽性
に優れることから、R のうち90モル%以上がメチル基で
あることが好ましい。また保護被膜の密着性、耐水性が
良好となることから、エポキシ基含有基または(メタ)
アクリル基含有基を含有してもよく、R のうち0.05〜10
モル%含有することが好ましい。またその他に、補修後
のプラスチック部品が曇りにくくなることから、R とし
て親水性基を含有してもよい。親水性基としてはR'O(C2
H4O)d(C3H6O)e −(ここでR'はR と同様な基、d, eは整
数)で示されるポリオキシアルキレン基、γ−アミノプ
ロピル基、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピル基のようなアミノアルキル基、γ−カルボキシプロ
ピル基のようなカルボキシアルキル基、HOC3H6−、HOCH
2(CHOH)fC3H6−(ここでf は整数)のようなヒドロキシ
アルキル基などが例示される。親水性基としてはポリオ
キシアルキレン基、アミノアルキル基が好ましく、特に
ポリオキシアルキレン基が好ましい。親水性基はR のう
ち0.1 〜20モル%、とくに0.5 〜5モル%であることが
好ましい。また(A) 成分のX はヒドロキシル基または加
水分解性基を表す。加水分解性基としてはアルコキシル
基、アシロキシ基、アミノキシ基、ケトオキシム基、ア
ミド基、アルケニルオキシ基およびハロゲン原子などが
例示される。硬化反応時に生成する副生成物の臭気の少
ないこと、硬化性および被膜特性が良好なことから、ヒ
ドロキシル基、またはアルコキシル基が好ましく、特に
ヒドロキシル基、メトキシ基またはエトキシ基が好まし
い。またa およびb は下記の関係にある数であることが
必要である。 0.8 <a <2 0.3 ≦b <2 a が0.8 以下では硬化被膜が脆くなり、2以上であると
良好な硬化被膜が得られなくなると共に、被膜に油分が
滲み出すような滑り性を生じ本発明の目的に適さない。
b が0.3 未満では硬化速度が遅すぎて実用に合わず、2
以上では硬化被膜が脆くなり本発明の目的に適さない。
(A) 成分は(B) 成分に溶解・混合するものであれば、液
体でも固体でも使用しうる。(A) 成分ははじきの少ない
良好な塗膜ができることから、通常は粘度10センチスト
ークス以上が好ましく、また形成される保護被膜がべと
つきの少ないものとなり、擦り傷への浸透がよく、遮蔽
性が良好なことから、100,000 センチストークス以下が
好ましい。このようなポリオルガノシロキサンは公知の
方法で得ることができ、原料となるオルガノアルコキシ
シラン、オルガノクロロシランなどの加水分解性オルガ
ノシランを、部分加水分解することにより得られる。
【0009】本発明において使用される(B) 成分は、一
般式(I) または(II)で表される揮発性ポリジメチルシロ
キサンであり、本発明の方法を特徴づける重要な成分で
ある。
般式(I) または(II)で表される揮発性ポリジメチルシロ
キサンであり、本発明の方法を特徴づける重要な成分で
ある。
【0010】
【化3】
【0011】上記のような揮発性ポリジメチルシロキサ
ンは、末端がトリメチルシリル基で封鎖された重合度が
2以上の直鎖状ポリジメチルシロキサンまたは重合度が
3以上の環状ポリジメチルシロキサンであり、(A) 成分
の溶解性を配慮しながら直鎖状あるいは環状のポリメチ
ルシロキサンのいずれかもしくはそれらの混合物が使用
される。このうち、重合度が2〜7の直鎖状ポリジメチ
ルシロキサンまたは重合度が3〜5の環状ポリジメチル
シロキサンの使用が望ましく、特に重合度が4あるは5
の環状ポリジメチルシロキサンの使用が好ましい。ここ
で「揮発性」とは室温で測定可能な蒸気圧を有すること
を意味し、(B) 成分は99〜260 ℃の沸点を有することが
好ましい。また(B) 成分は(A) 成分を希釈・溶解するこ
とにより、本発明の組成物の塗工特性を向上させるもの
で、その低い表面張力とゆっくりとした揮発速度によ
り、微小なまた深い擦り傷発生部へも良く浸透し、かつ
優れた平滑性を発揮して、遮蔽性の優れた被膜の形成を
可能とする。また本発明の(B) 成分は、通常の有機溶剤
のようなプラスチックに対する腐食性もなく、さらに膨
潤などによる変形も起こさず、透明プラスチック部品の
透明性の良好な回復を可能とする。さらに特徴的なこと
として、一度擦り傷を補修したプラスチック部品を使用
後、再度発生した擦り傷を補修する場合でも、古い保護
被膜を除去することなく、その上に直接塗工することに
よって良好な補修が可能となる。一般にシリコーンで処
理した表面に通常の有機溶剤を使用した処理剤を塗工す
る場合、はじきや膨潤などの発生によって良好な塗膜の
得られないことがあるが、本発明の(B) 成分の使用によ
って古い保護被膜の除去をすることなく、繰り返しての
補修が容易に行えるようになる。(B) 成分の配合量は
(A) 成分100 重量部に対して 100〜1,000 重量部であ
る。100 重量部未満ではプラスチック部品に塗工される
(A) 成分の量が多くなり、被膜表面の平滑性や硬化乾燥
性が悪くなり、ゆず肌や表面のべとつきの原因となるお
それがある。また1,000 重量部を越えるとプラスチック
部品に塗工される(A)成分の量が不足し、十分な遮蔽効
果が得られにくい。
ンは、末端がトリメチルシリル基で封鎖された重合度が
2以上の直鎖状ポリジメチルシロキサンまたは重合度が
3以上の環状ポリジメチルシロキサンであり、(A) 成分
の溶解性を配慮しながら直鎖状あるいは環状のポリメチ
ルシロキサンのいずれかもしくはそれらの混合物が使用
される。このうち、重合度が2〜7の直鎖状ポリジメチ
ルシロキサンまたは重合度が3〜5の環状ポリジメチル
シロキサンの使用が望ましく、特に重合度が4あるは5
の環状ポリジメチルシロキサンの使用が好ましい。ここ
で「揮発性」とは室温で測定可能な蒸気圧を有すること
を意味し、(B) 成分は99〜260 ℃の沸点を有することが
好ましい。また(B) 成分は(A) 成分を希釈・溶解するこ
とにより、本発明の組成物の塗工特性を向上させるもの
で、その低い表面張力とゆっくりとした揮発速度によ
り、微小なまた深い擦り傷発生部へも良く浸透し、かつ
優れた平滑性を発揮して、遮蔽性の優れた被膜の形成を
可能とする。また本発明の(B) 成分は、通常の有機溶剤
のようなプラスチックに対する腐食性もなく、さらに膨
潤などによる変形も起こさず、透明プラスチック部品の
透明性の良好な回復を可能とする。さらに特徴的なこと
として、一度擦り傷を補修したプラスチック部品を使用
後、再度発生した擦り傷を補修する場合でも、古い保護
被膜を除去することなく、その上に直接塗工することに
よって良好な補修が可能となる。一般にシリコーンで処
理した表面に通常の有機溶剤を使用した処理剤を塗工す
る場合、はじきや膨潤などの発生によって良好な塗膜の
得られないことがあるが、本発明の(B) 成分の使用によ
って古い保護被膜の除去をすることなく、繰り返しての
補修が容易に行えるようになる。(B) 成分の配合量は
(A) 成分100 重量部に対して 100〜1,000 重量部であ
る。100 重量部未満ではプラスチック部品に塗工される
(A) 成分の量が多くなり、被膜表面の平滑性や硬化乾燥
性が悪くなり、ゆず肌や表面のべとつきの原因となるお
それがある。また1,000 重量部を越えるとプラスチック
部品に塗工される(A)成分の量が不足し、十分な遮蔽効
果が得られにくい。
【0012】なお本発明の特徴を損なわない範囲で6〜
16個の炭素数を有する炭化水素、アルコールなどを混合
して用いることは差支えない。特に本発明の組成物の保
存安定性の改善のためにアルコールを混合することは効
果を示すが、擦り傷の遮蔽性、透明性の回復への影響を
考慮すると、本発明の組成物中5重量%以下とすること
が好ましい。また親水性基を有する(A) 成分を使用する
場合は、良好な遮蔽性が得られることからアルコールを
1〜5重量%含有することが好ましい。
16個の炭素数を有する炭化水素、アルコールなどを混合
して用いることは差支えない。特に本発明の組成物の保
存安定性の改善のためにアルコールを混合することは効
果を示すが、擦り傷の遮蔽性、透明性の回復への影響を
考慮すると、本発明の組成物中5重量%以下とすること
が好ましい。また親水性基を有する(A) 成分を使用する
場合は、良好な遮蔽性が得られることからアルコールを
1〜5重量%含有することが好ましい。
【0013】本発明の組成物は上記した(A) 成分を(B)
成分に溶解して得られるものである。このようにして得
られた組成物は25℃における粘度が10〜10,000センチス
トークスの範囲にあり、特に10〜1,000 センチストーク
スの範囲にあることが好ましい。10センチストークス未
満ではプラスチック部品への付着量が少ないために一度
の処理では十分な擦り傷遮蔽効果が得られず、一方10,0
00センチストークスを越えると付着量が増加して被膜が
厚くなるために、逆に擦り傷が付きやすくなるなどの不
都合を生じ好ましくない。
成分に溶解して得られるものである。このようにして得
られた組成物は25℃における粘度が10〜10,000センチス
トークスの範囲にあり、特に10〜1,000 センチストーク
スの範囲にあることが好ましい。10センチストークス未
満ではプラスチック部品への付着量が少ないために一度
の処理では十分な擦り傷遮蔽効果が得られず、一方10,0
00センチストークスを越えると付着量が増加して被膜が
厚くなるために、逆に擦り傷が付きやすくなるなどの不
都合を生じ好ましくない。
【0014】本発明の組成物には一般に硬化用触媒を併
合する。硬化用触媒としてはトリエタノールアミンのよ
うな有機アミン;オクチル酸鉄、オクチル酸亜鉛などの
カルボン酸金属塩;ジオクチル酸スズ、ジブチルスズジ
ラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルス
ズジオクトエートなどの有機スズ化合物;テトラプロピ
ルチタネート、テトラブチルチタネートなどのチタン酸
エステルおよびオルガノシリコン第4級アンモニウム塩
のような第4級アンモニウム塩などが例示されるが、硬
化性と安全衛生上からジブチルスズジラウレート、ジオ
クチルスズジラウレートまたはテトラブチルチタネート
が好ましい。硬化用触媒の配合量は、(A) 成分100 重量
部に対し0.01〜7重量部、好ましくは0.02〜5重量部で
ある。被膜の硬化乾燥速度から0.01重量部以上が好まし
く、組成物の保存安定性からは7重量部以下が好まし
い。ただし、(A) 成分の硬化性オルガノポリシロキサン
のR として、アミノアルキル基のような硬化触媒作用を
有する置換基を含む場合は、硬化用触媒の併合は不要で
ある。
合する。硬化用触媒としてはトリエタノールアミンのよ
うな有機アミン;オクチル酸鉄、オクチル酸亜鉛などの
カルボン酸金属塩;ジオクチル酸スズ、ジブチルスズジ
ラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルス
ズジオクトエートなどの有機スズ化合物;テトラプロピ
ルチタネート、テトラブチルチタネートなどのチタン酸
エステルおよびオルガノシリコン第4級アンモニウム塩
のような第4級アンモニウム塩などが例示されるが、硬
化性と安全衛生上からジブチルスズジラウレート、ジオ
クチルスズジラウレートまたはテトラブチルチタネート
が好ましい。硬化用触媒の配合量は、(A) 成分100 重量
部に対し0.01〜7重量部、好ましくは0.02〜5重量部で
ある。被膜の硬化乾燥速度から0.01重量部以上が好まし
く、組成物の保存安定性からは7重量部以下が好まし
い。ただし、(A) 成分の硬化性オルガノポリシロキサン
のR として、アミノアルキル基のような硬化触媒作用を
有する置換基を含む場合は、硬化用触媒の併合は不要で
ある。
【0015】擦り傷の付いたプラスチック部品への塗工
方法としては、刷毛塗り、スプレーコーティング、パフ
塗り、浸漬法、フローコーター法、転写法など通常行わ
れる方法を用いることができる。例えばスプレーコート
したのち、過剰な組成物をガーゼで拭き取るという簡便
な方法でも可能である。本発明の組成物の自己平滑性に
より良好な塗工面が得られる。本発明の補修方法では特
に加熱は必要ではなく、室温で0.5 〜5時間放置するこ
とにより硬化した保護被膜が得られるが、硬化時間の短
縮などのために部品の変形などを生じない範囲で加熱す
ることは差支えない。この場合、良好な遮蔽性、透明性
の回復のために、加熱温度は70℃以下とすることが好ま
しい。
方法としては、刷毛塗り、スプレーコーティング、パフ
塗り、浸漬法、フローコーター法、転写法など通常行わ
れる方法を用いることができる。例えばスプレーコート
したのち、過剰な組成物をガーゼで拭き取るという簡便
な方法でも可能である。本発明の組成物の自己平滑性に
より良好な塗工面が得られる。本発明の補修方法では特
に加熱は必要ではなく、室温で0.5 〜5時間放置するこ
とにより硬化した保護被膜が得られるが、硬化時間の短
縮などのために部品の変形などを生じない範囲で加熱す
ることは差支えない。この場合、良好な遮蔽性、透明性
の回復のために、加熱温度は70℃以下とすることが好ま
しい。
【0016】
【実施例】以下において実施例を挙げ、本発明をさらに
詳しく説明する。なお実施例中の部はすべて重量部であ
る。
詳しく説明する。なお実施例中の部はすべて重量部であ
る。
【0017】合成例1 攪拌機、加温ジャケット、還流冷却器および滴下ロート
を取り付けたフラスコ中にCH3(OC2H4)10OCH2CH=CH2 513
部(1モル)、塩化白金酸のイソプロパノール溶液(白
金量が2重量%)0.5 部を仕込み、攪拌しながらメチル
ジクロロシラン230 部(2モル)を徐々に滴下した。室
温で3時間攪拌後さらに50℃で1時間攪拌し、その後大
気圧下さらに減圧下で未反応物を加熱留去し、ポリオキ
シアルキレン基を有するクロロシラン(CH3(OC2H4)10OC3
H6Si(CH3)Cl2) 625 部(S−1)を得た。 調製例1〜5 表1に示す配合量のアルコキシシラン、S−1および酢
酸を、攪拌機、加温ジャケット、還流冷却器、水分定量
器および滴下ロートを取り付けたフラスコ中に仕込み、
攪拌しながら徐々に加熱した。液温が80℃になった時点
で表1に示す量の水を徐々に滴下して加えた。反応によ
り生成するアルコールが還流する温度(約78〜83℃)で
4時間保持して、加水分解および縮合反応を行った。次
に水分定量器により留出するアルコールを除去しながら
加熱攪拌をつづけ、アルコールの留出が止まり反応液温
が上昇を示した時点で加熱を止め、常温に戻して硬化性
ポリオルガノシロキサン(R−1〜R−5)を得た。R
−1〜R−5の粘度、有機基含有量およびその他の特性
を表1にまとめて示した。有機基含有量、メチル基含有
量およびX含有量はすべて配合仕込み量に基づき計算に
より求めた値である。 調製例6 攪拌機、加温ジャケット、還流冷却器および滴下ロート
を取り付けたフラスコに、メチルトリメトキシシラン 9
52部(7モル)、フェニルトリメトキシシラン198 部
(1モル)、ジメチルジクロロシラン 516部(4モル)
およびトルエン1500部を仕込み、攪拌しながら水 234部
(13モル)を徐々に滴下した。滴下終了後、温度約110
℃で還流させて1時間加熱攪拌を行った。反応液を室温
まで徐冷して分液ロートに移し入れ、静置して有機層と
水層に分離させた後、下層の水層を除去してポリオルガ
ノシロキサンのトルエン溶液を得た。この有機層に飽和
食塩水を加えてよくかき混ぜた後、静置して水層を分離
した。この塩析操作を2回繰り返した後、水を加えて同
様の操作で有機層を2回水洗した。この有機層を攪拌
機、加温ジャケットおよび水分定量器を取り付けたフラ
スコに入れ、30mmHg,80℃で3時間揮発成分を減圧留去
して、硬化性ポリオルガノシロキサン860 部(R−6)
を得た。R−6の粘度、有機基含有量およびその他の特
性を表2にまとめて示した。 調製例7 攪拌機、加温ジャケット、還流冷却器および滴下ロート
を取り付けたフラスコに、メチルトリメトキシシラン17
80部(10モル)、トリメチルクロロシラン 216部(2モ
ル)およびトルエン2000部を仕込み、攪拌しながら水10
50部(60モル)を徐々に滴下した。滴下終了後、温度約
110 ℃で還流させて1時間加熱攪拌を行った。反応液を
室温まで徐冷して分液ロートに移し入れ、静置して有機
層と水層に分離させた後、下層の水層を除去してポリオ
ルガノシロキサンのトルエン溶液を得た。この有機層に
飽和食塩水を加えてよくかき混ぜた後、静置して水層を
分離した。この塩析操作を2回繰り返した後、水を加え
て同様の操作で有機層を2回水洗した。この有機層を攪
拌機、加温ジャケットおよび水分定量器を取り付けたフ
ラスコに入れ、30mmHg, 80℃で3時間揮発成分を減圧留
去して、ポリオルガノシロキサンを得た。これに水酸化
カリウムを50ppm となるように添加し、180℃で5時
間加熱してさらに縮合させた。これをエチレンクロロヒ
ドリンで中和して樹脂760 部(R−7)を得た。R
−7の粘度、有機基含有量およびその他の特性を表2に
まとめて示した。
を取り付けたフラスコ中にCH3(OC2H4)10OCH2CH=CH2 513
部(1モル)、塩化白金酸のイソプロパノール溶液(白
金量が2重量%)0.5 部を仕込み、攪拌しながらメチル
ジクロロシラン230 部(2モル)を徐々に滴下した。室
温で3時間攪拌後さらに50℃で1時間攪拌し、その後大
気圧下さらに減圧下で未反応物を加熱留去し、ポリオキ
シアルキレン基を有するクロロシラン(CH3(OC2H4)10OC3
H6Si(CH3)Cl2) 625 部(S−1)を得た。 調製例1〜5 表1に示す配合量のアルコキシシラン、S−1および酢
酸を、攪拌機、加温ジャケット、還流冷却器、水分定量
器および滴下ロートを取り付けたフラスコ中に仕込み、
攪拌しながら徐々に加熱した。液温が80℃になった時点
で表1に示す量の水を徐々に滴下して加えた。反応によ
り生成するアルコールが還流する温度(約78〜83℃)で
4時間保持して、加水分解および縮合反応を行った。次
に水分定量器により留出するアルコールを除去しながら
加熱攪拌をつづけ、アルコールの留出が止まり反応液温
が上昇を示した時点で加熱を止め、常温に戻して硬化性
ポリオルガノシロキサン(R−1〜R−5)を得た。R
−1〜R−5の粘度、有機基含有量およびその他の特性
を表1にまとめて示した。有機基含有量、メチル基含有
量およびX含有量はすべて配合仕込み量に基づき計算に
より求めた値である。 調製例6 攪拌機、加温ジャケット、還流冷却器および滴下ロート
を取り付けたフラスコに、メチルトリメトキシシラン 9
52部(7モル)、フェニルトリメトキシシラン198 部
(1モル)、ジメチルジクロロシラン 516部(4モル)
およびトルエン1500部を仕込み、攪拌しながら水 234部
(13モル)を徐々に滴下した。滴下終了後、温度約110
℃で還流させて1時間加熱攪拌を行った。反応液を室温
まで徐冷して分液ロートに移し入れ、静置して有機層と
水層に分離させた後、下層の水層を除去してポリオルガ
ノシロキサンのトルエン溶液を得た。この有機層に飽和
食塩水を加えてよくかき混ぜた後、静置して水層を分離
した。この塩析操作を2回繰り返した後、水を加えて同
様の操作で有機層を2回水洗した。この有機層を攪拌
機、加温ジャケットおよび水分定量器を取り付けたフラ
スコに入れ、30mmHg,80℃で3時間揮発成分を減圧留去
して、硬化性ポリオルガノシロキサン860 部(R−6)
を得た。R−6の粘度、有機基含有量およびその他の特
性を表2にまとめて示した。 調製例7 攪拌機、加温ジャケット、還流冷却器および滴下ロート
を取り付けたフラスコに、メチルトリメトキシシラン17
80部(10モル)、トリメチルクロロシラン 216部(2モ
ル)およびトルエン2000部を仕込み、攪拌しながら水10
50部(60モル)を徐々に滴下した。滴下終了後、温度約
110 ℃で還流させて1時間加熱攪拌を行った。反応液を
室温まで徐冷して分液ロートに移し入れ、静置して有機
層と水層に分離させた後、下層の水層を除去してポリオ
ルガノシロキサンのトルエン溶液を得た。この有機層に
飽和食塩水を加えてよくかき混ぜた後、静置して水層を
分離した。この塩析操作を2回繰り返した後、水を加え
て同様の操作で有機層を2回水洗した。この有機層を攪
拌機、加温ジャケットおよび水分定量器を取り付けたフ
ラスコに入れ、30mmHg, 80℃で3時間揮発成分を減圧留
去して、ポリオルガノシロキサンを得た。これに水酸化
カリウムを50ppm となるように添加し、180℃で5時
間加熱してさらに縮合させた。これをエチレンクロロヒ
ドリンで中和して樹脂760 部(R−7)を得た。R
−7の粘度、有機基含有量およびその他の特性を表2に
まとめて示した。
【0018】実施例1〜7、比較例1 表3に示す配合組成でコーティング剤を調製し、遮蔽
性、再遮蔽性、耐水性、防曇性を下記の如く評価した。
結果を表3に示す。 〔試験片の作製〕透明プラスチック板としてポリカーボ
ネート板(10cm×10cm×0.5cm )を用意し、サンドペー
パーで軽く擦って擦り傷を付けた。これに前述のコーテ
ィング剤をガーゼを用いて塗工し、25℃、50%RHの環境
下で3時間静置して試験片を作製した。 〔遮蔽性〕試験片の外観を目視にて観察し、下記4段階
で評価した。 ◎:擦り傷部分が良く遮蔽され、試験片の透明性も良好 ○:擦り傷部分の形跡がわずかに見られるが、試験片の
透明性は良好 △:擦り傷部分の形跡が少し見られ、試験片の透明性も
やや良好 ×:遮蔽効果不十分で、試験片の透明性も不良 〔再遮蔽性〕前記で作製した試験片をさらに室温で1日
静置後、再度サンドペーパーで軽く擦って擦り傷を付け
た。これに前述と同様にコーティング剤を塗工・静置し
て遮蔽性を前記と同様に4段階で評価した。 〔耐水性〕試験片を20℃の水中に浸漬し、3日間放置後
取り出して観察し、下記3段階で評価した。 ◎:浸漬前の状態から変化なし ○:遮蔽性が◎から○へ、または○から△へ低下 ×:遮蔽性が◎、○または△から×へ低下 〔防曇性〕試験片を5℃の冷蔵庫に30分間入れた後、25
℃・60%RHにて静置し、塗工表面を観察し、下記4段階
で評価した。 ◎:ほとんど曇りを生じない ○:わずかに曇りが生ずるが、すぐに消失する △:少し曇りが生ずる ×:曇りがかなり生ずる 表3に示したとおり、本発明の方法のコーティング剤
は、いずれも遮蔽性、再遮蔽性、耐水性などの各特性に
ついて良好な結果を示した。一方本発明の(B) 成分の配
合量の少ない比較例では、遮蔽性、再遮蔽性とも十分満
足する結果が得られなかった。
性、再遮蔽性、耐水性、防曇性を下記の如く評価した。
結果を表3に示す。 〔試験片の作製〕透明プラスチック板としてポリカーボ
ネート板(10cm×10cm×0.5cm )を用意し、サンドペー
パーで軽く擦って擦り傷を付けた。これに前述のコーテ
ィング剤をガーゼを用いて塗工し、25℃、50%RHの環境
下で3時間静置して試験片を作製した。 〔遮蔽性〕試験片の外観を目視にて観察し、下記4段階
で評価した。 ◎:擦り傷部分が良く遮蔽され、試験片の透明性も良好 ○:擦り傷部分の形跡がわずかに見られるが、試験片の
透明性は良好 △:擦り傷部分の形跡が少し見られ、試験片の透明性も
やや良好 ×:遮蔽効果不十分で、試験片の透明性も不良 〔再遮蔽性〕前記で作製した試験片をさらに室温で1日
静置後、再度サンドペーパーで軽く擦って擦り傷を付け
た。これに前述と同様にコーティング剤を塗工・静置し
て遮蔽性を前記と同様に4段階で評価した。 〔耐水性〕試験片を20℃の水中に浸漬し、3日間放置後
取り出して観察し、下記3段階で評価した。 ◎:浸漬前の状態から変化なし ○:遮蔽性が◎から○へ、または○から△へ低下 ×:遮蔽性が◎、○または△から×へ低下 〔防曇性〕試験片を5℃の冷蔵庫に30分間入れた後、25
℃・60%RHにて静置し、塗工表面を観察し、下記4段階
で評価した。 ◎:ほとんど曇りを生じない ○:わずかに曇りが生ずるが、すぐに消失する △:少し曇りが生ずる ×:曇りがかなり生ずる 表3に示したとおり、本発明の方法のコーティング剤
は、いずれも遮蔽性、再遮蔽性、耐水性などの各特性に
ついて良好な結果を示した。一方本発明の(B) 成分の配
合量の少ない比較例では、遮蔽性、再遮蔽性とも十分満
足する結果が得られなかった。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 183/04 PMU 8319−4J // C08L 83/04 LRZ 8319−4J
Claims (1)
- 【請求項1】(A) 一般式 RaSiXbO(4-(a+b))/2 (式中、R は1価の有機基もしくは水素原子を表し、X
はヒドロキシル基または加水分解性基を表し、a および
b は下記の関係にある数である。 0.8 <a <2 0.3 ≦b <2 ) で示される硬化性ポリオルガノシロキサン 100 重量部
および (B) 一般式(I) または(II)で表される揮発性ポリジメチ
ルシロキサン 100 〜1000重量部 【化1】 より成り、25℃における粘度が10〜100,000 センチスト
ークスである組成物を、プラスチック部品の擦り傷に塗
工、硬化させることにより、擦り傷を補修する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1269792A JP2962917B2 (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 透明プラスチック製風防部品の擦り傷補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1269792A JP2962917B2 (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 透明プラスチック製風防部品の擦り傷補修方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05200895A true JPH05200895A (ja) | 1993-08-10 |
JP2962917B2 JP2962917B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=11812582
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1269792A Expired - Lifetime JP2962917B2 (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 透明プラスチック製風防部品の擦り傷補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2962917B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008137322A (ja) * | 2006-12-04 | 2008-06-19 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 表面に凹凸形状部を有する樹脂板の製造方法 |
JP2008159211A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | Yohei Sukegawa | 光記録媒体表面の回復剤 |
JP2013128895A (ja) * | 2011-12-22 | 2013-07-04 | Japan Construction Machinery & Construction Association | 透明板の補修方法 |
ES2429394A1 (es) * | 2012-05-09 | 2013-11-14 | Javier DÍAZ RODRÍGUEZ | Poducto renovador-recuperador de plásticos rígidos |
WO2017047600A1 (ja) * | 2015-09-18 | 2017-03-23 | Jnc株式会社 | プラスチック修復用フィルム、表面保護物品、プラスチック修復用フィルムの製造方法 |
CN113201306A (zh) * | 2021-05-11 | 2021-08-03 | 江苏申阳交通装备有限公司 | 一种硅橡胶无痕修复用有机硅胶黏剂及其制备方法 |
JP2022089777A (ja) * | 2020-12-04 | 2022-06-16 | 西日本高速道路エンジニアリング九州株式会社 | 発光装置の再生方法および再生発光装置の製造方法 |
-
1992
- 1992-01-28 JP JP1269792A patent/JP2962917B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008137322A (ja) * | 2006-12-04 | 2008-06-19 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 表面に凹凸形状部を有する樹脂板の製造方法 |
JP2008159211A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | Yohei Sukegawa | 光記録媒体表面の回復剤 |
JP2013128895A (ja) * | 2011-12-22 | 2013-07-04 | Japan Construction Machinery & Construction Association | 透明板の補修方法 |
ES2429394A1 (es) * | 2012-05-09 | 2013-11-14 | Javier DÍAZ RODRÍGUEZ | Poducto renovador-recuperador de plásticos rígidos |
WO2017047600A1 (ja) * | 2015-09-18 | 2017-03-23 | Jnc株式会社 | プラスチック修復用フィルム、表面保護物品、プラスチック修復用フィルムの製造方法 |
JPWO2017047600A1 (ja) * | 2015-09-18 | 2018-07-05 | Jnc株式会社 | プラスチック修復用フィルム、表面保護物品、プラスチック修復用フィルムの製造方法 |
JP2022089777A (ja) * | 2020-12-04 | 2022-06-16 | 西日本高速道路エンジニアリング九州株式会社 | 発光装置の再生方法および再生発光装置の製造方法 |
CN113201306A (zh) * | 2021-05-11 | 2021-08-03 | 江苏申阳交通装备有限公司 | 一种硅橡胶无痕修复用有机硅胶黏剂及其制备方法 |
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---|---|
JP2962917B2 (ja) | 1999-10-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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