JPH0520035U - 撮影装置 - Google Patents

撮影装置

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JPH0520035U
JPH0520035U JP6756091U JP6756091U JPH0520035U JP H0520035 U JPH0520035 U JP H0520035U JP 6756091 U JP6756091 U JP 6756091U JP 6756091 U JP6756091 U JP 6756091U JP H0520035 U JPH0520035 U JP H0520035U
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JP
Japan
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tilt
light
flash
strobe
camera
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JP6756091U
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Inventor
洋志 寺田
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Olympus Corp
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Olympus Optic Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複数の距離の異なる被写体に対してティルトさ
せて合焦可能とする同時に、特殊な発光操作を行なうこ
となく、ストロボ撮影時にも適正露出となる写真を得る
ことが可能な撮影装置を提供する。 【構成】少なくとも2種の距離の被写体に対して、AF
投受光部202,203により測距を行い、撮影レンズ
部201をティルト駆動して合焦状態とし、それぞれの
被写体を適正露出とする為に必要な発光光量の演算を行
い、その出力に基づいてストロボ部206を発光させて
露光を実行する撮影装置。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は撮影装置、詳しくは、撮影範囲内の複数の被写体に対して合焦を行う ことが可能な撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
撮影画角内に複数の主要被写体を有する場合、少なくとも、2種の距離に対し て、共に合焦した写真を得る為に、2つの方式が用いられている。 第1は、適切な絞り値により複数の被写体を包括しうる被写界深度を得る方式 であり、第2は、ティルト機構により、結像しうる被写体面をフィルム面に対し て傾斜させる方式である。
【0003】 上記第1の方法による技術としては、特開昭62−52538号公報に開示の ものがあり、これは複数の被写体が被写界深度内に収まるようにピント調整を行 なう方式である。第2の方法の用いたものとしては、35mm一眼レフカメラの 交換レンズとしてティルト機構を有するタイプのものが種々ある。また、レンズ シャッターカメラにも利用可能な方式として特開平2−79808号公報に開示 のものは、多点距離データより、ティルト量を決定するカメラに関するものであ る。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上記従来のものにおいて被写界深度に頼る第1の方法は、被写体の明るさによ って利用が制限されたり、距離の差が大きい場合、深度不足により利用が制限さ れるという欠点を有しており、限られた場合のみしか、効果は望めなかった。 また、ティルト機構による第2の方法は、所望の効果は得られるものの補助光 すなわち、ストロボ等を用いない場合に限られていた。なぜなら、ストロボ等の 配光は一般的にブラットな被写体を適正露出に撮影可能となるように均一に設定 されている。例えば、図39は、既存の一般的なストロボの照射角度に対する配 光をGNo(ガイドナンバ)の変化で示したものであり、撮影範囲は片側28度 に対応したものである。このようなフラットな特性を持つストロボを用いた場合 、主要被写体が画面内でほぼ同一距離に位置するときは、共に適正露光が得られ る。しかし、主要被写体が異なった距離にあり、ティルト機構を用いて合焦する 被写体面が傾斜している場合には、被写体面中の1つの距離にしか適正露光が得 られず他の被写体は露出オーバーもしくはアンダーとなり、撮影者の意図した写 真は得られなかった。
【0005】 これは、ストロボから投射された光量が被写体に到達する量は、距離の2乗に 反比例するためであり、距離の異なる被写体を共に適正露光で撮影するには、縦 軸をガイドナンバーで考えた場合は、図40のように画面内で順次GNoが変化 していく配光が必要である。
【0006】 これらの解決策として、多灯ライティングや、多灯ストロボによるバウンス撮 影が効果はあるが、本考案は、これらの特殊な操作を何ら行なう事なく、上述の 不具合を解決するためになされたものであって、複数の被写体に対してティルト させることによって合焦可能とする同時に、ティルト使用のストロボ撮影時にも 複数の被写体に対しても適正露出となる写真を得る事が可能な撮影装置を提案す ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案の撮影装置は、撮影範囲内の複数の被写体までの距離を測定する多点測 距装置を備えたカメラにおいて、カメラ本体に保持された撮影レンズと、複数の 被写体のうち、距離の異なる少なくとも2箇所の被写体が合焦状態となるような 撮影レンズの傾斜角を求める角度演算手段と、上記角度演算手段出力に基づき撮 影レンズを傾動させる駆動手段と、上記少なくとも2箇所の被写体を個別に適正 露出とするのに必要な発光量を求める光量演算手段と、上記光量演算手段の出力 に基づき配光特性を変化させる閃光発光手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
【作用】
複数の被写体のうち、距離の異なる少なくとも2箇所の被写体が合焦状態とな るような撮影レンズの傾斜角を求め、その傾斜角に基づき撮影レンズを傾動させ 、上記少なくとも2箇所の被写体を個別に必要な発光量で照射して、各被写体に 適正露光光量を与える。
【0009】
【実施例】
以下図示の実施例に基づいて本考案を説明する。
【0010】 図1は、本考案の第1実施例を示す撮影装置であるカメラの外観斜視図である 。このカメラは、単焦点オートフォーカスカメラであって、カメラ本体200の 前面にティルト機構を介して支持される撮影レンズ1を持つ撮影レンズ部201 ,オートフォーカス(以下、AFと記す)投光部202と受光部203,ファイ ンダー205,2灯式の閃光発光手段であるストロボ部206等が適宜配置され 、また、上面には、1,2段動作を有するレリーズ釦204,各モード設定やコ マ数の表示を行なう表示部207が配置されている。
【0011】 次に、図2の制御系ブロック構成図により本実施例のカメラにおける制御系の 概要を説明する。 本実施例のカメラは、多点測距手段のアクティブタイプの3点測距AF装置を 有するもので、3点の測距および、測光を行う測距部302、測光部303から の測距,測光情報が比較演算部301に入力される。また、該比較演算部301 には、複数の被写体が異なる距離に位置する場合に、該測距情報を基に被写体面 の傾きを演算する角度演算手段と、該複数の被写体を個別に適正露出とするため に必要な発光量を演算する光量演算手段等が内蔵されており、更に、測光情報に より露出動作を制御する露出制御部304と,演算された距離情報によりレンズ 繰り出しを制御するレンズ駆動制御部305と,必要に応じ撮影レンズ1を傾斜 させる傾動させるティルト機構の駆動手段であるティルト制御部306と、低輝 度時や逆光時にストロボを発光させ、また、上記光量演算手段の出力に基づき配 光特性を変化させる閃光発光手段であるストロボ光量制御部307がそれぞれ接 続されている。
【0012】 また、上記露出制御部304にはシャッタ駆動用シャッタモータ308および シャッタトリガ用Sトリガスイッチ309が接続され、レンズ駆動制御部305 にはAF駆動用のAFモータ310とAF駆動パルスカウント用のAFパルスフ ォトインターラプタ(以下、PIと称する)311とAFトリガ用のAFトリガ スイッチ312とがそれぞれ接続されている。また、ティルト制御部306には ティルト駆動用のティルトモータ313とティルト駆動パルスカウント用のTパ ルスPI314とティルトトリガカウント用のTトリガPI315が接続されて いる。更に、2つの閃光発光管211,213(図13参照)を各々発光させる 第1ストロボ発光回路316と第1ストロボ発光回路316とがそれそれ接続さ れている。そして、それぞれ上記フォトインターラプタやトリガスイッチ等の信 号に基づき、上記制御系においては各制御要素が上記モータにより制御され、あ るいは、ストロボ発光が制御される。
【0013】 ここで、上記ティルト機構とは、図3に示すようにシャインプルフの法則、即 ち、被写体106、107で形成される被写体面108と結像面110との延長 線の交点CPが撮影レンズ109の傾きの延長線上に存在する時、被写体面全体 が合焦可能であるとの法則に従うような位置に撮影レンズ系を傾斜させる機構で ある。 また、上記2灯式ストロボとは、各1灯の発光光量が、左右の照射角度に対し てそれぞれ後述する図11,12に示すような不均一配光を有するものとする。 但し、両配光は光軸に対し、線対称な配光である。そして、両灯が同一光量にて 発光した場合、図25に示すような若干中央部が凹部形状なほぼ均一配光を得ら れるように配置されたストロボである。そして、本カメラでは対称の被写体に対 しては、2つの発光部が均一光量で発光して、カメラ光軸に対して対称な配光を 与え、良好な写真を得られるよう構成されている。
【0014】 次に要部の構成について詳細に説明する。 図4は、図1の撮影レンズ部201のBーB′断面図である。この撮影レンズ 部201には、撮影レンズ1の中間に、露光を行なうシャッターのセレクタ11 が配置されている。そのセクター11と撮影レンズ1を含むレンズ系は、レンズ 枠8に保持され、レンズ枠8はAF軸9およびガイド軸10により、光軸O方向 に直進移動自在に保持されている。AF軸9およびガイド軸10は揺動枠2に固 定されている。
【0015】 揺動枠2は、揺動ピン7が上下2ヵ所に固定されており、揺動ピン7が固定枠 4に対し回動自在に嵌合し、かつ、固定枠4の段部が、揺動枠の上下方向を規制 された状態で、上下の揺動ピン7の軸線を中心とし回動自在に保持される。固定 枠4は、図示しない支持部材により、本体6に固定されている。固定枠4の内周 右側端部にはティルトリング3が、固定枠に対し光軸回りに回動自在に嵌合して いる。ティルトリング3は外周にギヤ部を有し、該ギヤは、ティルトリング駆動 系のギヤA12と噛合している。また、本体6の結像面相当位置にはフィルム1 3が図示しない圧板等により平面的に保持されている。
【0016】 また、揺動枠2には、その要部分解斜視図である図5に示されるように揺動ピ ン7の軸線とほぼ直交する位置にカム当接部2aが設けられている。このカム当 接部2aは、図6のティルトリング3の拡大斜視図に示されるカム部3a,3b および平坦部に当接する部分である。また、揺動枠2には、カム当接部と円周方 向上でほぼ同じ位置に、コイルバネであるティルトバネ5の一端が固定されてい る。ティルトバネ5の他端は、ティルトバネ取付部4aにより固定枠4に固定さ れている(図5参照)。従って、揺動枠2は常にティルトリング3の方向へ付勢 され、ティルトリング3の回動位置に応じて揺動枠2の傾きが規制される。
【0017】 ティルトリング3の形状は図6に示したが、そのカム部3a,3bの詳細はカ ム部断面展開図の図7に示す。本図において、カムの初期位置とは通常撮影時、 すなわち、ティルトを行わない場合の位置であり、初期位置の両側に一定領域の み平坦部を有している。カム3a,3bは、ティルト駆動時の領域であり、図6 に示すように初期位置に対し対向する位置、形状となっている。
【0018】 図6において、ティルトリング3には、その回動状態を検出する為に外周相当 位置にTトリガーPI315が配置されている。ここで、TトリガーPI315 は既知のフォトインタラプタであり、スリット間の遮光により出力信号を生じる ものである。ティルトリング3の外周には、TトリガーPI14のスリット部に 侵入可能な円板部が形成され、該円板部には、初期位置に相当した位置に切欠き 部3eが、また、カム3a,3bのティルト開始直前位置にトリガー用切欠き部 3c,3dがそれぞれ設けられている。ティルトリング3には、図6では円板部 により図示できないがその背面には、図4のBーB′断面図で示すように、ギヤ A12に噛合するギヤ部が設けられている。
【0019】 次に、図4に示したティルト駆動系の駆動ギヤA12以降について図8の斜視 図により説明する。ギヤA12には、2段ギヤであるギヤB15、ギヤC16, ギヤD17が順次噛合し、ギヤD17には、ティルトモータ313の出力軸に直 結したモーターギヤ18が噛合している。更に、ティルトモータ313の出力軸 には、スリット板20が一体回動可能に固着されており、また、スリット板20 の外周には、ティルトモータ313の回転量に、対応したパルスを得る為のTパ ルスPI314が配置されている。ここで、TパルスPI314は既知のフォト インタラプタである。上記のギヤA12からティルトモータ313、および、T パルスPI314に至るティルト駆動・検出系は、図示しない支持部材により図 4に示す本体6に支持されている。
【0020】 本実施例のカメラが、2灯の発光部により構成されるストロボ部を有すること は既に述べたが、そのストロボ部206の構成について、図1のAーA′断面図 である図9にて説明する。 本カメラにおける2つの発光部は、それぞれ第1閃光発光管211,第2閃光 発光管213の軸方向が、カメラの上下方向と一致するよう配置されている。こ のことは、図4,図5に示した揺動ピン7の軸線方向と上記発光管211,21 3の軸線方向が略一致していることを意味している。上記発光管211,213 には、その光量を必要な画角内に効率よく投射すべく第1反射傘212,第2反 射傘214がそれぞれ設けられている。閃光発光管と反射傘の位置関係は、要部 斜視図である図10に示されるように、第1閃光発光管211には、第1反射傘 212の一部分が閃光発光管外周に当接するように配置されており、また、反射 傘自体は曲面部の一端側が突出した非対称形状をなしている。図10に示した第 1閃光発光管211が図9においては、左側に位置するユニットである。また、 図9にて明らかなように、もう一方の第2閃光発光管213は第1閃光発光管2 11に対し併設させているものの、付随する第2反射傘214は、第1反射傘2 12と対向する形状となっている。
【0021】 本ストロボ部における実際の配光特性は、フィルムの長手方向を左右と表示し た図11,12のように照射角度に対する光量分布により示すことができる。本 実施例のカメラの撮影レンズ1は、焦点距離35mmの単焦点レンズを用いている ので、図11,12において実際の必要画角範囲は、左右それぞれ約28゜であ る。そして、第1閃光発光管211のみを全光量で発光させた場合の配光が図1 2であり、第2閃光発光管213に対するものが図11である。 図11,12の配光は図より明らかなように、光軸(照射角0度)を中心とし て双方は対称な形状を有しており、かつ、角度に対する光量の変化は、ほぼ二次 曲線により表わされる関係を有している。前記した図9に示す非対称な反射傘形 状は、このような配光特性を得るために形成されたものである。
【0022】 図13は、上記ストロボ部206の発光のためストロボ光量制御部307によ り発光量がコントロールされるストロボ発光回路図である。なお、第1閃光発光 管211,第2閃光発光管213は、図9と同一記号を付記している。 ストロボ発光回路は、主に第1ストロボ発光回路316と第2ストロボ発光回 路317とで構成される。そして、第1ストロボ発光回路316においては、第 1閃光発光管211に、発光時間を制御する第1トリガ回路215、および、第 1光量制御回路219が接続され、また、発光管両端には、メインコンデンサ2 16により高電圧が印加されている。一方、第2ストロボ発光回路317におい ては、第2閃光発光管213に第2トリガ回路217,第2光量制御回路220 ,メインコンデンサ218が接続されている。また、上記第1,2トリガ回路2 15,217を制御する信号ラインは、ストロボ光量制御部307に接続されて いる。このストロボ光量制御部307よりの信号により両発光部は、図11,図 12に示した全光量発光状態から、無発光状態までその光量を連続無段階的、も しくは、複数段階的にそれぞれ独立して制御される。
【0023】 本実施例のカメラにおいては、撮影者は、撮影構図を決定し、レリーズボタン 204を押圧することのみで撮影が可能である。まず、レリーズスイッチの一段 目のストロ−ク動作(以下、1段レリーズ動作と記す)により3点の測距および 、測光情報はそれぞれ比較演算部301に入力される。そして、角度演算,光量 演算等が行われ、続いて、ティルト駆動、レンズ繰り出しが実行される。2段目 のストロ−ク動作(以下、2段レリーズ動作と記す)によって露光、巻上、レン ズリセット、ティルトリセットを行なうよう構成されている。
【0024】 上記撮影動作において、ファインダ205にて構図を決定した被写体の状態が 図14,15の状態であった場合、レリーズ釦204が1段レリーズ動作位置ま で押圧されると、既知の3点測距機構(本機では、アクティブタイプとする)に より、測距枠101,測距枠102,測距枠103に対応した距離データを得る 。被写体の状態は図15に示すように、被写体104,被写体105が共に距離 Lであって、測距枠C103部には被写体が存在しない為、距離無限遠(以下、 ∞と記す)であり、この状態では、距離Lに相当したレンズ繰り出しのみを行な えば、主要被写体104,105に共に合焦した写真が得られ、ティルト駆動の 必要は全くない。
【0025】 次に、被写体の状態が図16、17のような状態であった場合を考えると、1 段レリーズ動作で得られる測距値は、測距枠111にてL1 (被写体106の位 置),測距枠112にてL2 (被写体107の位置),測距枠113にて距離∞ とする。このような状態では、従来、一般的に利用されている3点測距システム では、最至近に存在する被写体106のL1 を距離データとしてレンズ繰り出し を行なっている。しかしながら、前述したように、距離L1 とL2 とが略等しい 場合は被写界深度によりカバーできるものの、通常は距離L1 の被写体のみの合 焦像が得られ、被写体112は非合焦の写真となってしまう。
【0026】 そこで、本実施例のカメラでは図17のような被写体の場合、以下の制御動作 を行う。即ち、図3において説明したように、3つの距離情報の内、近距離側の 2つ、(ここではL1 ,L2 )を選択し、それらの距離により決定される被写体 面108が結像面110に合焦像を得られるような撮影レンズ1のティルト量と 繰り出し量を比較演算部301で決定し、撮影レンズ1の駆動を実行する。
【0027】 そのティルト量,繰り出し量について更に詳しく説明すると、まず、撮影レン ズ1は、図18の被写体107,106に対してシャインプルの法則を満足する ようにそのティルト量,繰り出し量が決定される訳であるが、まず、被写体10 7,106で形成される被写体面108は、測距データにより設定される。結像 面110は、固定であるから、その交点CPは、一点に定められる。そこで、被 写体107,106の像を結像面110に結像させるためには、撮影レンズ1の 主面115の延長線は、必ず、交点CPを通過する必要がある。また、撮影レン ズ1の光軸上に位置する被写体面108上のポイントaは、結像面110上のポ イントa′にて結像させる必要がある。この関係は、ポイントaから主面までの 距離をS、主面からポイントa′までの距離をS′、更に、撮影レンズ1の焦点 距離をfとし、S,S′の符号を撮影レンズ1に対して光線の進行方向を+とし たとき、周知のように、 1/S′=(1/S)+(1/f)…………………(1) なる関係で示される。 以上の2つの関係を満足するように図2に示される比較演算部301は、必要 なティルト量と繰り出し量を演算し決定する。
【0028】 なお、本撮影装置の撮影レンズ1は、略主面上のポイントを中心としてティル トを行うが、同時にレンズの繰り出しも行われるため、撮影レンズ1の主面上の 中心が結像面上の中心(画面中心)を通る垂線上に位置するとは限らない。従っ て、撮影レンズ1の合焦位置がそのずれを十分許容し得る設定になっていること は当然であり、また、垂線からのずれ量により実際の撮影範囲が僅かに変化する ことも、このずれ量自体が僅かであることから実使用においては、何等問題にな らない。 上記ティルト量は、図2におけるティルト制御部306に伝達され、該制御部 は、TパルスPI314,TトリガーPI315の信号により必要なティルト量 を確保する為にティルトモータ313を駆動する。
【0029】 このときの撮影レンズ1の撮影動作を図4〜8、および、図19のティルト駆 動を行うティルトモードでのタイムチャ−トにて説明する。 図8に示すティルトモータ313は、両方向回転可能であり、これによりティ ルトリング3が両方向に回転される。モータ313の駆動直後においては、図6 に示すティルトリング3は初期位置にあり、TトリガPI315は切欠部3eに 対応する位置を監視しているため、TトリガーPI315の出力は、一旦、H( High)となる。また、図8において、ティルトモータ313の出力軸と一体 回動するスリット板20はTパルスPI314内を移動するためTパルスPI3 14はティルトモータ313の回転に同期したパルスを出力する。但し、ここで は、パルスPI出力は、まだ、カウントせず、ティルトモータ313のみ駆動し ていく(図19参照)。
【0030】 そして、ティルトリング3が図6の矢印A方向に回動されていくと、外周部は 、スリット3eと3cの中間部が、TトリガPI315内を移動し、回動を続け る事により3c部が通過し、出力はH→L(Low)→Hと変化する。ここで、 最後のL→Hすなわち、スリット3c部が通過したタイミングをトリガ信号とし 、この時点より、TパルスPI314によるパルス数をカウント開始する(図1 9参照)。ところで、このパルスカウント開始位置は、図7においては中央の平 坦部の右側に相当するため、レンズ系は、この時点では、まだティルト動作を行 なっていない。
【0031】 TパルスPI314からの必要パルス数は、撮影レンズ1の傾斜量を演算した 時点で決定されており、パルスカウントがトリガ信号からティルトリング3停止 までの総パルス数が、上記必要パルス数と一致するように、ティルトモータ31 3は駆動される。なお、本カメラでは、必要パルスの約20パルス手前より徐々 に減速していくことにより、必要パルスに対し±1パルスの誤差にて、ティルト 位置を制御することを可能としている。
【0032】 図20〜22は、本実施例のカメラの揺動枠2に支持される撮影レンズ1のテ ィルト状態図を示す。図20が初期状態であり、図21が上述の動作によりティ ルト駆動が終了し、撮影レンズ1の光軸が方向O1 にティルトした状態である。 また、図22は、図6においてティルトリング3が矢印Aと逆方向に回転した際 、撮影レンズ1の光軸が方向O2 にティルトした状態を示している。 若干、図5により補足すると、本構成では、揺動枠2はティルトバネ5により 常にカム当接部2aがティルトリング3に摺動可能に圧接されているため、揺動 ピン7の軸線中心に回動可能な揺動枠2は、ティルトリング3のカム面3a,3 b(図6参照)によりその回転を規制され、図21や図22の状態を安定して得 ることができるわけである。
【0033】 上述の動作によりティルト動作が終了すると、続いて、レンズ繰り出しが行わ れる。本実施例のものでは、その繰出し量は、図3の被写体面108に合焦する 為に必要な、ティルト量を演算する際に同時に求められており、ティルトとレン ズ繰出しの双方の動作により結像面にシャープな像を得ることが可能となる。 撮影レンズ1の繰出しは、図4においてレンズ枠8が光軸O方向に直線移動し て駆動される。そして、レンズ枠8の揺動枠2に対するラジアル方向は、AF軸 9およびガイド軸10により規制され、図示しないAFモータ310によりAF カムを介して上記繰出し駆動が行われる。なお、上記AFモータ310、AFカ ムは共に揺動枠2の内部に配置されている。
【0034】 上記繰出し動作を制御するレンズ駆動制御部305には、図2に示されるよう に繰り出し駆動用のAFモータ310,AFモータ310の回転角検出用のAF パルスPI311,繰り出しの基準位置検出用のAFトリガースイッチ312が 接続されている。本カメラの繰り出し駆動方式は、ティルト駆動にて説明した方 式と類似しており、あらかじめ演算された必要パルス数とAFトリガースイッチ 312オンからのAFパルスPI311の出力パルス数が一致するようにAFモ ーター310を時計回り(CW)に駆動し撮影レンズ1の繰り出し制御を行うも のである(図19のタイムチャ−ト参照)。以上の一連の動作はレリーズ釦20 4の1段レリーズ動作により行なわれる。
【0035】 次に、露光を実行するためのレリーズ釦204の2段レリーズ動作による処理 動作を説明する。 図4に示すセクタ11の開閉動作が露光を司るものであるが、このセクタ11 は既知の技術によりモータによりダイレクト駆動されるものであり、シャッター モータ308の正逆回転と同期してその開閉動作が行われる。そして、図2のブ ロック構成図、および、図19のタイムチャ−トに示すように、2段レリーズ動 作に基づいて露出制御部304により制御されるシャッターモータ308とSト リガースイッチ309により露光が実行される。
【0036】 そして、モータ308の正転タイムおよび停止タイムを制御する事によりその 露出時間は、適宜変化し得るものである。1段レリーズ動作で測光された演算値 が高速秒時であり、ストロボを必要としない場合、2段レリーズ動作後、露出制 御系のみの動作にて露光は終了する。しかし、被写体が暗く、上記測光演算値が 低速秒時となり、手ブレの危険がある場合、本カメラは、ストロボを自動的に発 光させて撮影を実行することになる。
【0037】 そこで、被写体とストロボの関係において、距離の異なる被写体を共に適正露 出とするためには、前記図40のように画面内で順次GNoが変化していく配光 が必要である。 本カメラのストロボ部206は、既に述べたように2灯のストロボにより構成 され、それぞれのストロボの特性が図11,12の配光を有する。そして、この 図11,12に示すように縦軸を光量とし、画角内の大部分の領域を略二次曲線 となる不均一配光とし、GNo換算で前記図40に示すような配光を得るように して、図3に示される被写体面108に対しても適正露光が得られるようにした 。
【0038】 本カメラにおいて、被写体が図17に示す状態であって、かつ、低照度状態で あるときの2段レリーズによる露光動作について詳述する。 1段レリーズにて、既にティルト駆動,レンズ繰り出しは行なわれているため 、2段レリーズによりシャッターモータ308が始動し露光を開始する。そして 、シャッターモータ308によりダイレクト駆動されるセクタ11が所定の開口 径に達したときに、図2に示される露出制御部304がストロボ光量制御部30 7に信号を伝達し、ストロボが発光する。ストロボ光量制御部307に接続され る第1ストロボ発光回路316、第2ストロボ発光回路317の閃光発光管は、 図9の第1閃光発光管211と第2閃光発光管213とがそれぞれ対応する。な お、図17の被写体106,被写体107を共に適正露出する為に必要な光量は 、1段レリーズ時の測距動作を基に、ティルト量演算と同様、発光量演算が行な われ、、それぞれの光量を満足するために必要な両ストロボへの入力エネルギー がすでに演算されている。
【0039】 露出制御部304から発光信号を受けたストロボ光量制御部307は、メイン コンデンサ216,218に充電されているエネルギーの内、必要なエネルギー のみ出力すべく、それぞれのトリガ回路215,217にそれぞれ信号を伝達す る(図13参照)。即ち、入力エネルギーを制御する事により、発光量を制御し 、第1,2のストロボにより図23に示すような不均一配光を得る訳である。な お、図23において、斜線部分は、第1閃光発光管211による光量を示し、他 の部分は第2閃光発光管213による光量を示している。そして、第2閃光発光 管213は、メインコンデンサ218のほぼ全エネルギーを、第1発光管はメイ ンコンデンサ216の約20%のエネルギーを使用している。
【0040】 以上により、被写体は適正露出となる訳であるが、図16、17により具体的 な被写体の位置を当てはめて考えてみると、今、被写体106は画面内で右10 度の方向に、被写体107は左10度の方向にそれぞれ、L1 ,L2 の距離に位 置しているものとする。また、距離L1 ,L2 の比L2 /L1 が1.4に略しい 関係があるとする。ストロボ発光時に、被写体106,107が共に適正露出と なるためには、L1 側へ投射されるの光量に対し、L2 側へ投射される光量は (L2 /L1 )の2乗でなくてはならない。そこで、図23に戻ると、第1,2 閃光発光管211,213の光量の総和は、右方向10度の光量に対し、左方向 10度の光量が、約2倍になるように設定してある。
【0041】 このようにして、被写体106と被写体107に対して共に適正な光量を得る ことが可能となっている訳である。また、図3において、図23のストロボの配 光によれば被写体面108に対して、ほぼ全域に適正配光を有する事を意味して おり、被写体が上述のように2箇所ではなく、建築物のように被写体面108に 沿って連続している物に対しても、全域で適正露出を得ることができる。
【0042】 以上に述べた動作により、発光動作が終了するとシャッターモータ308は逆 転しセクターは初期の閉鎖状態に復帰し、該モータ308の停止により露出動作 は終了する。図19のタイムチャ−トに示すように露出終了に関連して、図示し ないフィルタ巻き上げ駆動系により、フィルムを1コマ巻上げる。更に、該巻き 上げ終了に応動してレンズ繰り出し用のAFモータ310を反時計回り(CCW 方向)逆転し、レンズを初期位置にリセットする。次いで、レンズ位置リセット 動作終了に応動してティルト駆動用のティルトモータ313を逆転し、ティルト リングを初期位置にリセットする。なお、ティルト動作時の該モータ313の回 転方向が図19に示すようにCW方向であれば、このリセット時にはCCW方向 に該モータは駆動される。 以上のリセット動作が終了すると、ストロボ系充電を行ない、両ストロボ用の 2つのメインコンデンサ216,218がフル充電された時点で充電完了し、一 連のシーケンスを終了する。
【0043】 本実施例では、図6においてティルトリングを矢印A方向に回転した際の動作 について説明したが、ティルトリングを逆方向に回転するような、すなわち、被 写体面108(図3参照)の傾きが逆の場合には、ストロボ配光が、図24のよ うに制御されることは云うまでもない。なお、本図において斜線部分は、第2閃 光発光管213による光量を示し、他の部分は、第1閃光発光管211による光 量を示している。 また、測距データによりティルト制御の必要がないと判断された場合には、ス トロボも均一配光が必要となる為、両ストロボは常に同一エネルギーにて発光す る。この場合の配光は、図25に示すように中央部が若干凹形状となった、左右 対称な配光となるように本カメラでは制御される。このような均一配光を与える ことにより、実露光における周辺部の光量不足を補う効果をも有している。
【0044】 次に、前記図19に示されるティルトモードでの撮影処理について図26のフ ロ−チャ−トによって説明する。 ステップS01で1段目のレリーズスイッチのオン/オフをチェックしてオン の場合、ステップS02〜04に進み、測距,測光,演算を実行する。ここで、 演算とは、2つの被写体に対してともに合焦像を得るために必要なティルト量お よび繰り出し量を演算し、かつ、2つの被写体に対してともに適正光量を与える に必要な2灯のストロボの光量バランスを演算する2つの処理を表すものとする 。 ステップS05においてティルト駆動が必要かどうかのチェックを行い、必要 な場合、 ステップS06〜08においてティルトモータの正転,Tパルスのカ ウント等を行いティルト駆動を完了して、ステップS09に進む。ステップS0 9〜11において、AFモータの正転,AFパルスのカウントを行って、レンズ の繰り出しを完了させた後、ステップS12,13に進み、レリーズスイッチの オン/オフをチェックする。そして、1段目のレリーズスイッチがオフのときは 、後述するステップS19にジャンプする。2段目のレリーズスイッチがオンの 場合、ステップS14に進む。
【0045】 ステップS14〜18において、シャッタモータ正転,第1,2ストロボの発 光,シャッタモータの逆転,1コマ巻き上げ等を実行する。そして、ステップS 19〜24に進み、AFモータの逆転,AFパルスのカウントを行って撮影レン ズのリセットを完了し、更に、ティルトモータの逆転,Tパルスのカウントを行 ってティルト機構のリセットを完了させる。そして、ステップS01に戻り、撮 影シーケンスを終了する。
【0046】 次に、本実施例のカメラのストロボ発光制御の演算方法について詳しく説明す る。 図17のように被写体106,107がそれぞれL1 ,L2 の距離にあると測 距された場合の演算は、次のように行われる。まず、2つのストロボ装置の内、 第2閃光配光管213がフル発光し、第1閃光配光管211が光量制御される場 合について説明すると、図27,28は、それぞれ第2および第1閃光発光管の GNoと左右角度の配光状態を示している。そして、上記図27,28の実線は 、それぞれフル発光時の配光特性を示している。なお、前述したように図27, 28の配光特性は、光軸に対して略対称な配光特性を有している。また、上述し たように第1閃光発光管211側を光量制御するものとして、そのコントロール された配光状態を図28の1点鎖線で示す。
【0047】 フル発光時の閃光発光管により被写体に与えられるGNoは、第2閃光発光管 213の場合、図27に示すように被写体106に対してGb1,被写体107に 対してGb2、光軸上ではGb0とし、また、第1閃光発光管211の場合、図28 に示すように被写体106に対してGa1,被写体107に対してGa2、光軸上で はGa0とする。また、光量制御された場合の第1閃光発光管のGNoは、図28 に示すように被写体106に対してGa1′,被写体107に対してGa2′とする 。そして、制御時に入力されたエネルギを表すパラメータをk(但し、k=0〜 1)とすると値Ga1′,Ga2′は、次の式で示される。即ち、 (Ga2′)2 =k・(Ga2)2 …………………(2) (Ga1′)2 =k・(Ga1)2 …………………(3) となる。また、図27,28の配光特性が対称であることから Gb2=Ga1 ……………………………………(4) Gb1=Ga2 ……………………………………(5) が成立する。
【0048】 以上の関係において、第1閃光発光管211による光量制御は、距離L1 にあ る被写体106と距離L2 にある被写体107を等価な露光にて撮影することが 目的であるから、GNoとFNo(絞り値)の関係式、即ち、 GNo/距離=FNo を用いることにより、被写体106,107に対する絞り値FNo1,FNo2 との関係式がつぎのように求められる。即ち、 {(Gb2)2 +(Ga2′)2 1/2 /L2 =FNo1…………(6) {(Gb1)2 +(Ga1′)2 1/2 /L1 =FNo2…………(7) ここで、両被写体に対してともに適正露出となるためには上式(6)と(7)に おいて、FNo1=FNo2となる必要があることは、言うまでもない。そして 、上記(2)〜(7)式から入力エネルギパラメータkが求められる。 以上の演算により、測距にてL1 ,L2 が入力されるだけで、常に適正な配光 を得ることが可能になるのである。 次に、被写体の状態は上記被写体106,107と同一とするが撮影時の絞り 値FNoが予め決定されている場合の光量制御について説明する。なお、このよ うな状態は、例えば、被写体が近距離に位置し、最小絞りでも露出オーバになり 、光量制御が必要になった場合や、撮影者が予め絞りを設定可能な絞り優先モー ドの撮影の場合等が相当する。 この場合、第1,2閃光発光管211,213の光量比率とともに、それぞれ の発光管に入力される総エネルギも制御する必要がある。そこで、総エネルギの パラメータをm(但し、m=0〜1)とし、上記予め設定されている絞り値をF Nocとすると、次の関係式が成立する。即ち、 {m・((Gb2)2 +(Ga2′)2 )}1/2 /L2 =FNoc…………(8 ) {m・((Gb1)2 +(Ga1′)2 )}1/2 /L1 =FNoc…………(9 ) そして、上記(8),(9)式と前記(2)〜(5)式とにより、2つのパラメ ータk,mを求めることができる。このパラメータk,mにより第1,2閃光発 光管の発光光量の制御が可能になる。即ち、光量制御時に第2閃光発光管213 には、全エネルギをEとすると、入力エネルギとしては、値(m・E)が与えら れ、第1閃光発光管211には、入力エネルギとして、値(m・k・E)が与え られることにより適正露出が得られることになる。
【0049】 ところで、上記の演算を実際に行う場合、測距位置は予め中央と左右の3点に 限定されている。従って、図27、28に示した配光の形状をすべてデータとし て記憶している必要はなく、図27の各被写体、即ち、各照射角に対するGNo のGb0,Gb1,Gb2および図28のGNoのGa0,Ga1,Ga2の値を不揮発性メ モリ等に書き込んでおき、演算時に随時利用することで前記パラメータk,mを 求めることができる。
【0050】 更に、上記演算で求められた上記パラメータ値に相当するGNoを得る手段と しては、発光管の発光時間を制御することで上記パラメータに対応したエネルギ を全エネルギ中の一部を発光に利用することで得るのが簡便である。しかし、一 般的に発光時間と利用エネルギ、即ち、発光時間と光量は、比例関係にない。図 29は、本実施例のカメラに用いられる閃光発光管の発光時間と光量の関係を横 軸を対数表示として発光時間をあてたものである。本図に示すように両者の関係 は、簡易式等で相関づけることはできない。 そこで、本実施例のカメラでは、例えば、パラメータkの0〜1を64分割し 、各パラメータに対する発光時間tを不揮発性メモリにテーブルデータとして予 め入力しておき、演算で求められたk値に最も近い値に対応する発光時間tを求 め、所望の配光特性を得るようにしている。
【0051】 なお、上記配光制御における配光時間演算処理を図30のフロ−チャ−トによ り説明する。 ステップS31において、絞り優先モードが選択されているかどうかの判別を 行い、絞り優先モードでなければステップS32へ、絞り優先モードであればス テップS34にジャンプする。 絞り優先モードでない場合、ステップS32,33において予め入力されてい る#Data1,#Data2を前記GNoの固有値Gb1,Gb2として取り込む。そして 、ステップS37では、前記(2)〜(7)式に基づきパラメータk、および、 演算上の絞り値FNoである値Fを値Gb1,Gb2と距離L1,L2から求める。 なお、f(Gb1,Gb2,L1,L2)は、その演算式を表している。そして、ス テップS38において、上記絞り値Fをカメラの最小絞り値FNoと比較し、上 記値Fが最小絞り値FNo以下でない場合、ステップS39に、また、最小絞り 値FNo以下の場合、ステップS40にジャンプする。ステップS40では、値 Fに最小絞り値FNoを与えてステップS42に進む。
【0052】 ステップS39では、第2閃光発光管213の発光時間t2として予め入力さ れているフル光量時の発光時間の#Data(フル)、例えば、2400μsを与え る。続いて、ステップS41で予め入力されているパラメータk,mもしくはk ・mと発光時間の関係を示すテーブルデータ(表1)を参照して64・kに対応 する発光時間tの値Table(64・k)を選択して第1閃光発光管211の発光 時間t1として与える。 なお、上記テーブルデータは、表1に示すようにパラメータk,mもしくはk ・mをを64に分割して、それぞれの分割値に対する発光時間tを与えるもので ある。
【0053】
【表1】
【0054】 一方、絞り優先モードである場合、ステップS34,35において、同様に、 予め入力されている#Data1,#Data2を前記GNoの固有値Gb1,Gb2として 取り込む。また、演算上の絞り値Fに予め設定されている前記の絞り値FNoc を取り込む(ステップS36)。そして、ステップS42に進み、前記(2)〜 (5)式、および、(8),(9)式に基づき前記パラメータk、および、mを 値Gb1,Gb2と距離L1,L2から求める。なお、f(F,Gb1,Gb2,L1, L2)は、その演算式を表している。 ステップS43,44では、第2,1閃光発光管213,211の発光時間t 2,t1に、上記テーブルデータ(表1)を参照して64・mに対応する発光時 間tの値Table(64・m)、および、64・m・kに対応する発光時間tの値 Table(64・m・k)をそれぞれ選択して与える。このようにして、本カメラ のストロボの入力エネルギの制御を実行することができる。
【0055】 以上述べたように、本カメラにおいては、撮影者は主要被写体が複数存在する 時、その代表的な少なくとも二者を測距ゾーン内にフレーミングする事のみで、 他に何ら繁雑な操作を行なうことなく、レリーズ釦204を押圧するのみで、主 要被写体にピントと露出が合った写真を撮影することができる。
【0056】 次に、本考案の第2実施例を示す撮影装置のカメラについて図31〜36によ り説明する。本カメラは、前記第1実施例のものに対してティルト駆動部材の構 成が異なるものである。 図31は、本考案のカメラの撮影レンズ部の要部斜視図を示し、揺動枠42の 内部には第1実施例と同等の撮影レンズ41が包括されている。また、揺動枠自 体は上下の揺動ピン47にて固定枠44に対し揺動ピン47の軸線中心に回動可 能である。そして、揺動枠42は、その一端をティルドバネ45にて、斜視図に て右後方へ付勢されている。該揺動枠42には、カム当接部42aが設けられて いるが、その対向位置には、ティルトカム43が固定枠44に対し回動自在に、 図示しない本体に配置されている。
【0057】 上記ティルトカム43には、後述するカム部43a,43bが設けられ、その 他は平坦部となっている。また、ティルトカム43の外周には、ギャー部が設け られ、図示しないティルト駆動系と噛合し回動駆動可能となっている。その回動 軸は光軸Oと異なる。さらに、ティルトカム43の背面には、位置検出用のT基 板46が一体回動可能に固着され、既知のフォトリフリクタであるティルトPR 48により、回動方向の位置検出を行なっている。図32は上記ティルトカム4 3のカム部断面展開図であり、ティルトを必要としない場合、ティルトカム43 はカム当接部42aが、常に、初期位置に固定されている。その位置が、中央平 坦部であり、平坦な範囲は、ある程度の領域を有している。平坦部の両端には、 ティルト動作に必要な43a,43bのカム部が設けられ、ティルト動作時にカ ム当接部42aが該カム部43a、または、43b上に位置し撮影レンズ41を ティルトさせる。
【0058】 図33は上記T基板46の平面図である。該カム43と一体回動するT基板4 6を図31のD方向から見た図であり、図33に示される面が、該ティルトPR 48により監視される面であリ、斜線表示部は他部に対し、著しく反射率が低く なるよう構成されている。初期位置検出部46cの中央のティルトPR48によ る検出位相は図32のカム断面図の初期位置にカム当接部が位置する位相と同位 相となっている。検出部46a,46bはティルトカムのカム部43a,43b の立ち上がり、または、立ち下がりの開始直前に対応したトリガー検出部である 。なお、他の構成は、第1実施例と同等である。そして、ティルト動作以外は、 第1実施例と同様のため、ティルト駆動動作についてのみ説明する。
【0059】 図34〜図36は各ティルト状態を示し、図34は通常状態であるが、ティル トが必要な場合には、ティルトカム43が図示しないティルトモータにより回動 され、図35,図36の状態を作りだし、撮影レンズ41をそれぞれ光軸O1 , O2 方向にティルトさせる。ティルトモータの制御は、T基板46の検出部46 a,46bをティルトPR48によって検出したトリガ信号に基づいたパルス数 により制御される。ここで、パルス数とは、第1実施例同様、ティルトモータの 回転量を監視しているものである。
【0060】 ティルト完了後、レンズ繰り出し、露光、巻上げ、レンズリセット、ティルト リセットが順次行なわれ、一連のシーケンスが終了する。 本実施例のものは、第1実施例に示したティルトリング3のように固定枠内径 に嵌合していないため、大型の撮影レンズに対しても、ティルト駆動系を小型化 することが可能となり、更には、ティルト駆動系全体の慣性も小さくなる為、テ ィルト駆動の高速化が可能となる。
【0061】 次に、本考案の第3実施例を示す撮影装置のカメラについて図37,38によ り説明する。本カメラは、前記第1実施例のものに対してストロボ部の構成が異 なるものであるが、ティルト機構を含む撮影レンズ系や測光、測距系はすべて第 1実施例と同等である。 図37は、本実施例のカメラのストロボ部の内部斜視図である。また、図38 は、図37のC−C′断面図である。本実施例のものでは、図37のように第1 .2閃光発光管51,52用の反射傘52,54は、第1実施例の如く非対称形 状の傘にはなっておらず、従来の曲面形状を有している。しかしながら、第1閃 光発光管51,第2閃光発光管53の配設方向は図38に示すように光軸に対し て直交しておらず、所定角度だけ対称方向に傾斜して配置されている。但し、反 射傘52,54の曲面形状は同等である。
【0062】 このように閃光発光管51,53の傾きを設けることによりそれぞれの発光管 51,53による左右方向の配光は、前述の実施例と同様に第2閃光発光管53 による配光が図11のように、また、第1閃光発光管51による配光が図12の ようになる。そして、第1実施例同様、それぞれの配光が光軸に対して対称な関 係にあり、両者を同一光量で発光させた場合には、必要画角内でほぼ均一な配光 が得られることは云うまでもない。
【0063】 なお、第1閃光発光管51,第2閃光発光管53には、それぞれ第1実施例と 同様に図13に示すようにストロボ発光回路316,317が接続されている。 また、ストロボ部以外の構成に関しても第1実施例と同等であって、ティルト撮 影時に、適正露出が得られる点は、第1実施例同様である。しかし、本実施例の ものは、該発光管を傾斜させることのみで不均一配光を得られるため、反射傘は 第1実施例のように非対称形状にする必要がなく、光軸方向のストロボ部の必要 寸法を小さくすることが可能となる。
【0064】 以上3つの実施例を示したが、本考案は、ティルト動作が不必要な場合は、3 点測距は行なってもティルトを行わない。また、ティルトオフモードや、ティル ト状態でもストロボは均一発光を行なうストロボノーマルモードを設け、適宜撮 影者が切換可能なように構成しても何ら問題はない。また、ストロボ部を別体に しても問題はなく、ティルト機構を有するカメラとシステム化することも可能で ある。
【0065】
【考案の効果】
以上述べたように本考案の撮影装置は、撮影画角内の少なくとも2種の距離の 被写体に対し、合焦状態にする為に必要な駆動動作と、それぞれの被写体を適正 露出とする為に必要な発光光量の演算を行い、その出力に基づいて閃光発光器を 制御し得るよう構成したため、本考案の装置は、撮影者は、適宜構図を決定し、 レリーズを押圧するのみで、他に何ら繁雑な操作を行なうことなく、従来は、一 眼レフ用のシフトレンズと高度なライティング技術を駆使しなくては良好な写真 が得られなかった被写体に対しも、常に、簡単な構成である本装置で良好な写真 を得ることが可能となる。また、ストロボ部は、配光の変化を2灯の不均一配光 ストロボの光量比変化により、達成している為、配光変化の為に何ら駆動部材を 必要とせず、装置の小型化が達成可能である。さらに、駆動部材を必要としてい ない為、レリーズタイムラグにも何ら影響を与えず、極めて、小型かつ軽量な撮 影装置を提供することが可能であるなど数多くの顕著な効果を有する。
【提出日】平成4年4月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上記従来のものにおいて被写界深度に頼る第1の方法は、被写体の明るさによ って利用が制限されたり、距離の差が大きい場合、深度不足により利用が制限さ れるという欠点を有しており、限られた場合のみしか、効果は望めなかった。 また、ティルト機構による第2の方法は、所望の効果は得られるものの補助光 すなわち、ストロボ等を用いない場合に限られていた。なぜなら、ストロボ等の 配光は一般的にラットな被写体を適正露出に撮影可能となるように均一に設定 されている。例えば、図39は、既存の一般的なストロボの照射角度に対する配 光をGNo(ガイドナンバ)の変化で示したものであり、撮影範囲は撮影レンズ の焦点距離が35mm相当の 片側28度に対応したものである。このようなフラ ットな特性を持つストロボを用いた場合、主要被写体が画面内でほぼ同一距離に 位置するときは、共に適正露光が得られる。しかし、主要被写体が異なった距離 にあり、ティルト機構を用いて合焦する被写体面が傾斜している場合には、被写 体面中の1つの距離にしか適正露光が得られず他の被写体は露出オーバーもしく はアンダーとなり、撮影者の意図した写真は得られなかった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】 これらの解決策として、多灯ライティングや、多灯ストロボによるバウンス撮 影が効果はあるが、本考案は、これらの特殊な操作を何ら行なう事なく、上述の 不具合を解決するためになされたものであって、複数の被写体に対してティルト させることによって合焦とする同時に、ティルト使用のストロボ撮影時にも複 数の被写体に対しても適正露出となる写真を得る事が可能な撮影装置を提案する ことを目的とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 次に、図2の制御系ブロック構成図により本実施例のカメラにおける制御系の 概要を説明する。 本実施例のカメラは、多点測距手段のアクティブタイプの3点測距AF装置を 有するもので、3点の測距および、測光を行う測距部302、測光部303から の測距,測光情報が比較演算部301に入力される。また、該比較演算部301 には、複数の被写体が異なる距離に位置する場合に、該測距情報を基に被写体面 の傾きを演算する角度演算手段と、該複数の被写体を個別に適正露出とするため に必要な発光量を演算する光量演算手段等が内蔵されており、更に、測光情報に より露出動作を制御する露出制御部304と,演算された距離情報によりレンズ 繰り出しを制御するレンズ駆動制御部305と,必要に応じ撮影レンズ1を傾斜 させるティルト機構の駆動手段であるティルト制御部306と、低輝度時や逆光 時にストロボを発光させ、また、上記光量演算手段の出力に基づき配光特性を変 化させる閃光発光手段であるストロボ光量制御部307がそれぞれ接続されてい る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】 また、上記露出制御部304にはシャッタ駆動用シャッタモータ308および シャッタトリガ用Sトリガスイッチ309が接続され、レンズ駆動制御部305 にはAF駆動用のAFモータ310とAF駆動パルスカウント用のAFパルスフ ォトインターラプタ(以下、PIと称する)311とAFトリガ用のAFトリガ スイッチ312とがそれぞれ接続されている。また、ティルト制御部306には ティルト駆動用のティルトモータ313とティルト駆動パルスカウント用のTパ ルスPI314とティルトトリガカウント用のTトリガPI315が接続されて いる。更に、2つの閃光発光管211,213(図13参照)を各々発光させる 第1ストロボ発光回路316と第ストロボ発光回路31とがそれそれ接続さ れている。そして、それぞれ上記フォトインターラプタやトリガスイッチ等の信 号に基づき、上記制御系においては各制御要素が上記モータにより制御され、あ るいは、ストロボ発光が制御される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】 次に要部の構成について詳細に説明する。 図4は、図1の撮影レンズ部201のBーB′断面図である。この撮影レンズ 部201には、撮影レンズ1の中間に、露光を行なうシャッターのセクター11 が配置されている。そのセクター11と撮影レンズ1を含むレンズ系は、レンズ 枠8に保持され、レンズ枠8はAF軸9およびガイド軸10により、光軸O方向 に直進移動自在に保持されている。AF軸9およびガイド軸10は揺動枠2に固 定されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】 上記撮影動作において、ファインダ205にて構図を決定した被写体の状態が 図14,15の状態であった場合、レリーズ釦204が1段レリーズ動作位置ま で押圧されると、既知の3点測距機構(本機では、アクティブタイプとする)に より、測距枠101,測距枠102,測距枠103に対応した距離データを得る 。被写体の状態は図15に示すように、被写体104,被写体105が共に距離 Lであって、測距枠103部には被写体が存在しない為、距離無限遠(以下、∞ と記す)であり、この状態では、距離Lに相当したレンズ繰り出しのみを行なえ ば、主要被写体104,105に共に合焦した写真が得られ、ティルト駆動の必 要は全くない。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】 そのティルト量,繰り出し量について更に詳しく説明すると、まず、撮影レン ズ1は、図18の被写体107,106に対してシャインプルの法則を満足す るようにそのティルト量,繰り出し量が決定される訳であるが、まず、被写体1 07,106で形成される被写体面108は、測距データにより設定される。結 像面110は、固定であるから、その交点CPは、一点に定められる。そこで、 被写体107,106の像を結像面110に結像させるためには、撮影レンズ1 の主面115の延長線は、必ず、交点CPを通過する必要がある。また、撮影レ ンズ1の光軸上に位置する被写体面108上のポイントaは、結像面110上の ポイントa′にて結像させる必要がある。この関係は、ポイントaから主面まで の距離をS、主面からポイントa′までの距離をS′、更に、撮影レンズ1の焦 点距離をfとし、S,S′の符号を撮影レンズ1に対して光線の進行方向を+と したとき、周知のように、 1/S′=(1/S)+(1/f)…………………(1) なる関係で示される。 以上の2つの関係を満足するように図2に示される比較演算部301は、必要 なティルト量と繰り出し量を演算し決定する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】 このときの撮影レンズ1の撮影動作を図4〜8、および、図19のティルト駆 動を行うティルトモードでのタイムチャ−トにて説明する。 図8に示すティルトモータ313は、両方向回転可能であり、これによりティ ルトリング3が両方向に回転される。モータ313の駆動直後においては、図6 に示すティルトリング3は初期位置にあり、TトリガPI315は切欠部3eに 対応する位置を監視しているため、TトリガーPI315の出力は、最初、L( Low) となる。また、図8において、ティルトモータ313の出力軸と一体回 動するスリット板20はTパルスPI314内を移動するためTパルスPI31 4はティルトモータ313の回転に同期したパルスを出力する。但し、ここでは 、パルスPI出力は、まだ、カウントせず、ティルトモータ313のみ駆動して いく(図19参照)。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】 そして、ティルトリング3が図6の矢印A方向に回動されていくと、外周部は 、スリット3eと3cの中間部が、TトリガPI315内を移動し、回動を続け る事により3c部が通過し、出力はH(High)L→Hと変化する。ここで 、最後のL→Hすなわち、スリット3c部が通過したタイミングをトリガ信号と し、この時点より、TパルスPI314によるパルス数をカウント開始する(図 19参照)。ところで、このパルスカウント開始位置は、図7においては中央の 平坦部の右側に相当するため、レンズ系は、この時点では、まだティルト動作を 行なっていない。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】 以上により、被写体は適正露出となる訳であるが、図16、17により具体的 な被写体の位置を当てはめて考えてみると、今、被写体106は画面内で右10 度の方向に、被写体107は左10度の方向にそれぞれ、L1 ,L2 の距離に位 置しているものとする。また、距離L1 ,L2 の比L2 /L1 が1.4に略し い関係があるとする。ストロボ発光時に、被写体106,107が共に適正露出 となるためには、L1 側へ投射されるの光量に対し、L2 側へ投射される光量は (L2 /L1 )の2乗でなくてはならない。そこで、図23に戻ると、第1,2 閃光発光管211,213の光量の総和は、右方向10度の光量に対し、左方向 10度の光量が、約2倍になるように設定してある。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】 以上に述べた動作により、発光動作が終了するとシャッターモータ308は逆 転しセクターは初期の閉鎖状態に復帰し、該モータ308の停止により露出動作 は終了する。図19のタイムチャ−トに示すように露出終了に関連して、図示し ないフィル巻き上げ駆動系により、フィルムを1コマ巻上げる。更に、該巻き 上げ終了に応動してレンズ繰り出し用のAFモータ310を反時計回り(CCW 方向)逆転し、レンズを初期位置にリセットする。次いで、レンズ位置リセッ ト動作終了に応動してティルト駆動用のティルトモータ313を逆転し、ティル トリングを初期位置にリセットする。なお、ティルト動作時の該モータ313の 回転方向が図19に示すようにCW方向であれば、このリセット時にはCCW方 向に該モータは駆動される。 以上のリセット動作が終了すると、ストロボ系充電を行ない、両ストロボ用の 2つのメインコンデンサ216,218がフル充電された時点で充電完了し、一 連のシーケンスを終了する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】 次に、前記図19に示されるティルトモードでの撮影処理について図26のフ ロ−チャ−トによって説明する。 ステップS01で1段目のレリーズスイッチのオン/オフをチェックしてオン の場合、ステップS02〜04に進み、測距,測光,演算を実行する。ここで、 演算とは、2つの被写体に対してともに合焦像を得るために必要なティルト量お よび繰り出し量を演算し、かつ、2つの被写体に対してともに適正光量を与える に必要な2灯のストロボの光量バランスを演算する2つの処理を表すものとする 。 ステップS05においてティルト駆動が必要かどうかのチェックを行い、必要 な場合、 ステップS06〜08においてティルトモータの回転,Tパルスのカ ウント等を行いティルト駆動を完了して、ステップS09に進む。ステップS0 9〜11において、AFモータの正転,AFパルスのカウントを行って、レンズ の繰り出しを完了させた後、ステップS12,13に進み、レリーズスイッチの オン/オフをチェックする。そして、1段目のレリーズスイッチがオフのときは 、後述するステップS19にジャンプする。2段目のレリーズスイッチがオンの 場合、ステップS14に進む。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】 ステップS14〜18において、シャッタモータ正転,第1,2ストロボの発 光,シャッタモータの逆転,1コマ巻き上げ等を実行する。そして、ステップS 19〜24に進み、AFモータの逆転,AFパルスのカウントを行って撮影レン ズのリセットを完了し、更に、ティルトモータの逆転,Tパルスのカウントを行 ってティルト機構のリセットを完了させる。そして、ステップS01に戻り、撮 影シーケンスを終了する。 なお、本フローではステップS15,16により第1,第2ストロボの発光を 説明したが、詳細には図19に示されるように、両ストロボのオンタイミングは 同一で、オフタイミングを各々制御することにより光量をコントロールしたり、 オフタイミングが同一となるように各々のオンタイミングを制御したり、第1ス トロボのオフタイミングと第2ストロボのオンタイミングを同期させ、順次制御 するなど種々の方式が可能である。 この場合、撮影時のFno.が開放値でない場合には、厳密にはセクターが移 動中のため、発光タイミングは一致していることが好ましいが、セクターの移動 速度、即ち、Fno.の変化に対し、発光時間は十分短いため、順次制御を行っ ても露出上は問題にならないレベルである。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】 次に、本実施例のカメラのストロボ発光制御の演算方法について詳しく説明す る。 図17のように被写体106,107がそれぞれL1 ,L2 の距離にあると測 距された場合の演算は、次のように行われる。まず、2つのストロボ装置の内、 第2閃光光管213がフル発光し、第1閃光光管211が光量制御される場 合について説明すると、図27,28は、それぞれ第2および第1閃光発光管の GNoと左右角度の配光状態を示している。そして、上記図27,28の実線は 、それぞれフル発光時の配光特性を示している。なお、前述したように図27, 28の配光特性は、光軸に対して略対称な配光特性を有している。また、上述し たように第1閃光発光管211側を光量制御するものとして、そのコントロール された配光状態を図28の1点鎖線で示す。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】 ステップS39では、第2閃光発光管213の発光時間t2として予め入力さ れているフル光量時の発光時間の#Data(フル)、例えば、2400μsを与え る。続いて、ステップS41で予め入力されているパラメータk,mもしくはk ・mと発光時間の関係を示すテーブルデータ(表1)を参照して64・kに対応 する発光時間tの値Table(64・k)を選択して第1閃光発光管211の発光 時間t1として与える。 なお、上記テーブルデータは、表1に示すようにパラメータk,mもしくはk ・mを64に分割して、それぞれの分割値に対する発光時間tを与えるものであ る。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】 次に、本考案の第3実施例を示す撮影装置のカメラについて図37,38によ り説明する。本カメラは、前記第1実施例のものに対してストロボ部の構成が異 なるものであるが、ティルト機構を含む撮影レンズ系や測光、測距系はすべて第 1実施例と同等である。 図37は、本実施例のカメラのストロボ部の内部斜視図である。また、図38 は、図37のC−C′断面図である。本実施例のものでは、図37のように第1 .2閃光発光管51,5用の反射傘52,54は、第1実施例の如く非対称形 状の傘にはなっておらず、従来の曲面形状を有している。しかしながら、第1閃 光発光管51,第2閃光発光管53の配設方向は図38に示すように光軸に対し て直交しておらず、所定角度だけ対称方向に傾斜して配置されている。但し、反 射傘52,54の曲面形状は同等である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例を示す撮影装置であるカメ
ラの斜視図。
【図2】上記図1のカメラの制御系のブロック構成図。
【図3】距離の異なる被写体に対してシャインプルフの
法則を適用して撮影レンズをティルトさせた状態を示す
図。
【図4】上記図1のカメラの撮影レンズ部のB−B′断
面図。
【図5】上記図1のカメラの撮影レンズ部の要部分解斜
視図。
【図6】上記図1のカメラの撮影レンズ部に配設される
ティルトリングの斜視図。
【図7】上記図6のティルトリングのカム部断面展開
図。
【図8】上記図6のティルトリングの駆動系の分解斜視
図。
【図9】上記図1のカメラのストロボ部のA−A′断面
図。
【図10】上記図9のストロボ部の第1閃光発光管と第
1反射傘の斜視図。
【図11】上記図9のストロボ部の第2閃光発光管の配
光特性線図。
【図12】上記図9のストロボ部の第1閃光発光管の配
光特性線図。
【図13】上記図1のカメラのストロボ発光回路図。
【図14】等距離にある被写体を撮影する場合の測距枠
と被写体の状態を示す撮影画面。
【図15】等距離にある被写体を撮影する場合の測距枠
と被写体の状態を示す平面図。
【図16】異なる距離にある被写体を撮影する場合の測
距枠と被写体の状態を示す撮影画面。
【図17】異なる距離にある被写体を撮影する場合の測
距枠と被写体の状態を示す平面図。
【図18】図1のカメラにおいて、距離の異なる被写体
の撮影時に撮影レンズをティルトさせた状態での結像状
態を示す図。
【図19】上記図1のカメラの制御系のタイムチャ−
ト。
【図20】上記図1のカメラのティルト動作が行われて
いないときの撮影レンズ部の横断面図。
【図21】上記図1のカメラのティルト動作が行われた
ときの撮影レンズ部の横断面図。
【図22】上記図1のカメラの、図21の場合と反対方
向にティルト動作が行われたときの撮影レンズ部の横断
面図。
【図23】図1のカメラのストロボ部の配光状態を示
し、上記図17に示す被写体を撮影する場合の第1、第
2閃光発光管による配光状態を示す図。
【図24】図1のカメラのストロボ部の配光状態を示
し、被写体の遠近の状態が上記図17に示すものと逆の
状態の被写体を撮影する場合の第1、第2閃光発光管に
よる配光状態を示す図。
【図25】図1のカメラのストロボ部の配光状態を示
し、ティルト制御がなされなかった場合の配光状態を示
す図。
【図26】上記図1のカメラのティルトモードでの撮影
処理のフロ−チャ−ト。
【図27】上記図1のカメラの第2閃光発光管による配
光状態を示す図。
【図28】上記図1のカメラの第1閃光発光管による配
光状態を示す図。
【図29】上記図1のカメラの閃光発光管の発光時間と
発光光量の関係を示す図。
【図30】上記図1のカメラの発光時間演算処理のフロ
ーチャート。
【図31】本考案の第2実施例を示す撮影装置であるカ
メラの撮影レンズ部の要部分解斜視図。
【図32】上記図31のカメラの撮影レンズ部に配設さ
れるティルトカムのカム部断面展開図。
【図33】上記図31のカメラの撮影レンズ部に配設さ
れるT基板の平面図。
【図34】上記図31のカメラのティルト動作が行われ
ていないときの撮影レンズ部の横断面図。
【図35】上記図31のカメラのティルト動作が行われ
たときの撮影レンズ部の横断面図。
【図36】上記図31のカメラの、図35の場合と反対
方向にティルト動作が行われたときの撮影レンズ部の横
断面図。
【図37】本考案の第3実施例を示す撮影装置であるカ
メラのストロボ部の要部斜視図。
【図38】上記図37のカメラのストロボ部のC−C′
断面図。
【図39】従来の一般的なストロボの配光状態のGNo
の変化を示した図。
【図40】距離の異なる被写体に対して適正露光を得る
ために必要なストロボの配光状態のGNoの変化を示し
た図。
【符号の説明】
1,41,201………………………撮影レンズ 3……………………ティルトリング(撮影レンズを駆動
する駆動手段) 12,15,16,17………ギヤー(撮影レンズを駆
動する駆動手段) 43………………………ティルトカム(撮影レンズを駆
動する駆動手段) 313…………………ティルトモータ(撮影レンズを駆
動する駆動手段) 51,211………………………………第1閃光発光管
(閃光発光手段) 53,213………………………………第2閃光発光管
(閃光発光手段) 301………………………………………比較演算部(角
度演算手段,光量演算手段)
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月17日
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図26
【補正方法】変更
【補正内容】
【図26】

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】撮影範囲内の複数の被写体までの距離を測
    定する多点測距装置を備えたカメラにおいて、 カメラ本体に傾動自在に保持された撮影レンズと、 複数の被写体のうち、距離の異なる少なくとも2箇所の
    被写体が合焦状態となるような撮影レンズの傾斜角を求
    める角度演算手段と、 上記角度演算手段の出力に基づき撮影レンズを傾動させ
    る駆動手段と、 上記少なくとも2箇所の被写体を個別に適正露出とする
    のに必要な発光量を求める光量演算手段と、 上記光量演算手段の出力に基づき配光特性を変化させる
    閃光発光手段と、 を具備したことを特徴とする撮影装置。
JP6756091U 1991-08-26 1991-08-26 撮影装置 Withdrawn JPH0520035U (ja)

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