JPH05199927A - ベッドにおける背上げ対応型側柵装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 背上げ位置に追従させた背上げ対応型側柵装
置を提供する。 【構成】 床部６の支持フレーム９の背床６ａに対応す
る位置に、回動可能に取り付けられた側柵支持軸１３両
端部に、回動係止支持部１４を介して側柵１５を取り付
ける。また、メインフレーム３とは、側柵支持軸１３の
作動腕１３ａと回動可能に取り付けた連結腕１６とによ
り連結する。前記回動係止支持部１４は、側柵支持軸１
３側に突設された突起部１７と、側柵１５の支柱１５ａ
に設けられた突起部１８とを有し、これら突起部１７、
１８が係合する構造のものである。 【効果】 側柵は保持位置が床部の起床と共に追従し、
常に、当初の保持角度を保つ。また、前記側柵は、未使
用時は、床部下方に格納しておくことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は床部起伏機構を有するベ
ッドに対応可能なベッドにおける背上げ対応型側柵装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】最近のベッドにおける側柵には、サイド
フレームに差し込むだけの柵や、折り畳み式、回転して
下降する柵等、種々の構造を有するものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、側柵は、通
常、ベッドが通常の状態の場合に機能を発揮するもので
あり、床部起伏機構を有するベッドに設けた場合、背上
げした状態にて、側柵の上端部は患者の腹部までしかな
く、そのために、例えば、患者に緊急事態が生じた場
合、患者が背床からベッドのサイド方向に倒れ、前記側
柵では患者の体を支え切れず、最悪の場合、側柵を乗り
越えて患者が転がり落ちるという懸念が指摘されてい
る。本発明は前記した課題を克服するためになされたも
ので、背上げ位置に係りなく、安全確実に患者をサポー
トすることができるベッドにおける背上げ対応型側柵装
置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために、本発明は、床部を分割構成すると共に床部起伏
機構を設けたベッドにおいて、床部を構成する背床下面
に側柵支持軸をベッド幅方向に、回動可能に設けると共
に、この側柵支持軸端部に回動係止支持部を介して側柵
を取り付け、前記側柵支持軸は床部下方に突設された作
動腕を有し、前記回動係止支持部は、側柵の所定範囲の
回動を許容すると共に側柵を保持すべき回動係止手段を
有し、前記側柵支持軸の作動腕とメインフレームとを軸
部材により連結して、背床の起伏に応じて側柵支持軸を
回動させ、側柵を略一定の支持角度を保持する構成とし
たことを特徴とするものである。また、前記回動係止支
持部における回動係止手段は、側柵支持軸端部と側柵の
支柱との係合面において、側柵支持軸側に所定角度範囲
に突設された突起部と、側柵の支柱側に設けられた突起
部とから構成されるものであることを特徴とするもので
ある。さらに、前記回動係止支持部における回動係止手
段は、側柵支持軸端部と側柵の支柱との係合面に、一方
向への変位を許容する複数の噛み合い歯を形成したもの
であることを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】床部起伏機構を起動して背上げを行い、背床を
起床していくと、背床下面の側柵支持軸と一体構造の作
動腕が、メインフレームに取り付けられた連結腕によっ
て、引き込まれて変位し、側柵支持軸は背床の起床角度
分、起床方向と逆方向に回転する。従って、側柵支持軸
との取付部である回動係止支持部が背床の起床によっ
て、上昇するだけで、側柵は、当初の支持角度に保持さ
れる。また、かかる側柵を背床の外側方向に廻すと、回
動係止手段の作用が解除され、側柵は、所定角度回転変
位し、再び係合面の突起部が係合し、これにより、側柵
は背床下方に指向して保持された状態となる。

【０００６】さらに、回動係止手段が、側柵支持軸側お
よび側柵支柱に設けられた複数の噛み合い歯を係合した
構造のものにおいては、側柵の一方向への所定角度の回
転を許容してこの側柵を段階的に保持すると共に、背床
下方に格納することができる。従って、背床の起床状態
に応じて、側柵を調節することができる。

【０００７】

【実施例】次に、本発明にかかるベッドにおける背上げ
対応型側柵装置について、一実施例を挙げ、添付の図面
を参照しながら以下説明する。図１において、参照符号
１はベッドにおける背上げ対応型側柵装置を示し、この
背上げ対応型側柵装置１は、床部起伏機構(後述)を有す
るベッド２に取り付けられるものである。

【０００８】すなわち、前記ベッド２は、図２に示すよ
うに、メインフレーム３に床部起伏機構４を組み込んだ
保持枠５と、床部６とを固定手段７、８により、取り付
けるようにしたものである。

【０００９】前記床部６は、背床６ａ、腰床６ｂ、膝床
６ｃそして脚床６ｄに分割され、下面において、それぞ
れの長さに対応した支持フレーム９に取り付けた構造を
有している。この支持フレーム９の腰床６ｂに対応する
位置に突設された支持腕１０、保持枠５を介して前記メ
インフレーム３における固定手段８に取り付けられる構
造である。

【００１０】前記床部起伏機構４は、背上げ機構１１と
膝上げ機構１２とを保持枠５に組み込んだもので、背上
げ機構１１および膝上げ機構１２は、それぞれ、モータ
１１ａ、１２ａと、モータ１１ａ、１２ａの起動によ
り、進退動する駆動軸１１ｂ、１２ｂ、これら駆動軸１
１ｂ、１２ｂ先端部に取り付けられた背上げリンク１１
ｃ、膝上げリンク１２ｃとから構成されるものである。

【００１１】前記床部６の支持フレーム９の背床６ａに
対応する位置には、側柵支持軸１３が、ベッド幅方向に
指向して、回動可能に取り付けられ、この側柵支持軸１
３両端部に、回動係止支持部１４を介して側柵１５が取
り付けられている。また、前記側柵支持軸１３と背床６
ａ側方のメインフレーム３とは、側柵支持軸１３の作動
腕１３ａと回動可能に取り付けた連結腕１６とにより連
結される。そして、前記背上げ機構１１の背上げリンク
１１ｃの作動腕１１ｄが前記側柵支持軸１３に当接し、
膝上げ機構１２の膝上げリンク１２ｃの作動腕１２ｄが
支持フレーム９の脚床６ｄに対応する位置に当接してい
る。

【００１２】前記回動係止支持部１４は、回動係止手段
として、側柵支持軸１３側に突設された突起部１７と、
側柵１５の支柱１５ａに設けられた突起部１８とを有
し、これら突起部１７、１８が係合して、側柵１５を略
水平状態に保持すると共に、一方向への所定角度の回転
を許容して背床６ａ下方に格納する構造を有するもので
ある。

【００１３】以上説明したベッド２における背上げ対応
型側柵装置１は以下のように機能する。床部６が通常状
態にあるときは、側柵１５は、ほぼ水平状態に保持され
ている(図３、図７参照)。ここで、床部起伏機構４を起
動して背上げを行い、背床６ａを起床していくと、背床
６ａ下面の側柵支持軸１３における作動腕１３ａが、メ
インフレーム３に取り付けられた連結腕１６によって、
引き込まれて変位し、側柵支持軸１３は背床６ａの起床
角度分、起床方向と逆方向に回転する。従って、側柵支
持軸１３との取付部である回動係止支持部１４が背床６
ａの起床によって、上昇するだけで(図８、図９参照)、
側柵１５は、当初の状態、すなわちほぼ水平状態に保持
される(図５参照)。また、かかる側柵１５を背床６ａの
外側方向に廻すと、回動係止手段の作用が解除され、側
柵１５は、所定角度回転変位し、再び突起部１７、１８
が係合し、これにより、側柵１５は背床６ａ下方に指向
して保持された状態となる(図６参照)。

【００１４】このように、背上げしても、側柵１５は背
床６ａの起床と共に追従し、常に、患者のサイドをガー
ドする構造なので、患者が床部６からベッド２のサイド
方向に倒れるようなことがあっても、患者は前記側柵１
５によって支えられ、患者がベッドから転がり落ちると
いう最悪の事態を回避することが可能となる。また、前
記側柵１５は、未使用時は、背床６ａ下方に格納してお
くことができるので、ベッド２への乗り降り、治療の邪
魔になるということはない。

【００１５】次に、本発明にかかるベッドにおける背上
げ対応型側柵装置は以下のような構成とすることもでき
る。この場合の背上げ対応型側柵装置２０は、図１０に
示すように、回動係止支持部２１の回動係止手段とし
て、側柵支持軸１３側および側柵１５支柱１５ａに、一
方向への変位を許容する複数の噛み合い歯２１ａ、２１
ｂを設けたものである。すなわち、回動係止支持部２１
は側柵１５を一方向への所定角度の回転を許容して段階
的に保持すると共に、背床６ａ下方に格納する構造を有
するものである。なお、前記回動係止支持部２１におい
て、側柵１５を保持するのは何段階でもよい。また、回
動係止支持部２１は、適宜な手段により、背床６ａの起
床に応じて段階的に側柵１５を保持し、最終的に背床６
ａ下方に格納すべく側柵１５を変位させ、当初の保持位
置に復帰させるようにした構造を有している(図１１参
照)。

【００１６】かかる背上げ対応型側柵装置２０において
も、側柵１５を一方向への所定角度の回転を許容して段
階的に保持すると共に、背床６ａ下方に格納することが
できるので、背床６ａの起床状態に応じて、側柵１５を
調節して常に、患者のサイドをガードする構造なので、
患者が床部６からベッド２のサイド方向に倒れるような
ことがあっても、患者は前記側柵１５によって支えら
れ、患者がベッドから転がり落ちるという最悪の事態を
回避することが可能となる。

【００１７】

【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、側柵は床
部の起床と共に追従し、常に、患者のサイドをガードす
る構造なので、患者が床部からベッドのサイド方向に倒
れるようなことがあっても、患者は前記側柵によって支
えられ、患者がベッドから転がり落ちるという最悪の事
態を回避することが可能となる。また、前記側柵は、未
使用時は、床部下方に格納しておくことができるので、
ベッドへの乗り降り、治療の邪魔になるということはな
い。

【００１８】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる背上げ対応型側柵装置が適用さ
れたベッドの一実施例を示す概略全体斜視図である。

【図２】図１に示すベッドの分解斜視図である。

【図３】図１に示すベッドの通常状態における背上げ対
応型側柵装置の保持位置を説明する側面説明図である。

【図４】図１に示すベッドの背上げした状態における背
上げ対応型側柵装置の保持位置を説明する側面説明図で
ある。

【図５】背上げ対応型側柵装置の回動係止支持部の作用
を説明する図である。

【図６】背上げ対応型側柵装置の回動係止支持部の作用
を説明する図である。

【図７】背上げ対応型側柵装置と床部との位置関係を説
明する図である。

【図８】背上げ対応型側柵装置と床部との位置関係を説
明する図である。

【図９】背上げ対応型側柵装置と床部との位置関係を説
明する図である。

【図１０】本発明にかかる背上げ対応型側柵装置の別の
実施例を示す要部斜視図である。

【図１１】図１０に示す背上げ対応型側柵装置の回動係
止支持部の作用を説明する図である。

【符号の説明】

１、２０ 背上げ対応型側柵装置 ２ ベッド ３ メインフレーム ４ 床部起伏機構 ５ 保持枠 ６ 床部 ６ａ 背床 ６ｂ 腰床 ６ｃ 膝床 ６ｄ 脚床 ７、８ 固定手段 ９ 支持フレーム １０ 支持腕 １１ 背上げ機構 １２ 膝上げ機構 １１ａ、１２ａ モータ １１ｂ、１２ｂ 駆動軸 １１ｃ 背上げリンク １２ｃ 膝上げリンク １２ｄ 作動腕 １３ 側柵支持軸 １４、２１ 回動係止支持部 １５ 側柵 １６ 連結腕 １７、１８ 突起部 ２１ａ、２１ｂ 噛み合い歯

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床部を分割構成すると共に床部起伏機
   構を設けたベッドにおいて、床部を構成する背床下面に
   側柵支持軸をベッド幅方向に、回動可能に設けると共
   に、この側柵支持軸端部に回動係止支持部を介して側柵
   を取り付け、前記側柵支持軸は床部下方に突設された作
   動腕を有し、前記回動係止支持部は、側柵の所定範囲の
   回動を許容すると共に側柵を保持すべき回動係止手段を
   有し、前記側柵支持軸の作動腕とメインフレームとを軸
   部材により連結して、背床の起伏に応じて側柵支持軸を
   回動させ、側柵を略一定の支持角度を保持する構成とし
   たことを特徴とするベッドにおける背上げ対応型側柵装
   置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の回動係止支持部におけ
   る回動係止手段は、側柵支持軸端部と側柵の支柱との係
   合部において、側柵支持軸側に所定角度範囲に突設され
   た突起部と、側柵の支柱側に設けられた突起部とから構
   成されるものであることを特徴とするベッドにおける背
   上げ対応型側柵装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載の回動係止支持部におけ
   る回動係止手段は、側柵支持軸端部と側柵の支柱との係
   合部に、一方向への変位を許容する複数の噛み合い歯を
   形成したものであることを特徴とするベッドにおける背
   上げ対応型側柵装置。