JPH05199891A - モノグルコシルルチンの分離方法 - Google Patents
モノグルコシルルチンの分離方法Info
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Abstract
は、例えば、モノグルコシルルチンとルチンとの混合物
(B)にα-1,6-ラムノシダーゼを作用させて、得られ
た反応混合物(C)からモノグルコシルルチンを分離す
ることを特徴とする。また、他の分離方法はα-グルコ
シル化ルチンとルチンとの混合物(A)に、グルアミラ
ーゼとα-1,6-ラムノシダーゼを同時または別々に作用
させて得られた反応混合物(C)からモノグルコシルル
チンを分離することを特徴とする。 【効果】本発明の分離方法によれば、α-グルコシル化
ルチンとルチンとの混合物あるいはモノグルコシルルチ
ンとルチンとの混合物から高純度のモノグルコシルルチ
ンを効率的に分離・収集することができる。
Description
分離方法に関する。さらに詳しくは、α-グルコシル化
ルチンとルチンとの混合物あるいはモノグルコシルルチ
ンとルチンとの混合物からモノグルコシルルチンを効率
的に分離する方法に関する。
じゅのつぼみ、ソバ等に含まれ、ビタミンCとともに脆
弱化した血管を正常に戻し、出血を防止する作用を有
し、また消炎・鎮痛作用を有するなどその用途は広い。
しかしながら、ルチンは水に難溶であるため、その用途
は限定されている。そこでルチンに糖を転移(付加)さ
せたα-グルコシル化ルチンが開発(特開平3-27293号公
報)され、商品名「α-Gルチン」として市販されてい
る。この「α-Gルチン」は転移(付加)したグルコー
ス単位数の異なるα-グルコシル化ルチンとルチンとの
混合物であり(「食品工業」1990年5月30日
(刊)参照)、α-グルコシル化ルチン自体は、ルチン
と同様の薬理・生理作用を示し、しかもルチンに比べて
約5000倍と著しく水溶性に優れている。さらに製品
中のα-グルコシル化ルチンの純度を著しく高めること
ができれば、例えば医薬品、化粧品など、「αGルチ
ン」の用途は一段と拡大され得るものと期待される。
シル化ルチンとルチンとの含有物から、α-グルコシル
化ルチンの内の1種であるモノグルコシルルチンを分離
する方法としては、例えば、クロマトグラフィーを用い
る方法、吸着樹脂及び酵素反応を用いる方法等が知られ
ている。
1989年農芸化学会講演要旨集287ページ参照)に
てα-グルコシル化ルチンとルチンとの混合物からα-グ
ルコシル化ルチンを分離すると、非常に純度の高いα-
グルコシル化ルチン(モノグルコシルルチン)が得られ
る。しかしながら、α-グルコシル化ルチンの内の1種
であるモノグルコシルルチンとルチンとは非常に性質が
似ているため、この方法では、効率的にα-グルコシル
化ルチンとルチンとを分離できないという問題点があっ
た。
じめに「αGルチン」溶液を吸着樹脂中に通して、「α
Gルチン」中の、より疎水性の低い、糖単位の沢山つい
たα-グルコシル化ルチンを吸着樹脂からリークさせ
る。次いでこの吸着樹脂からリークしたα-グルコシル
化ルチンをグルコアミラーゼで分解するとモノグルコシ
ルルチンが得られる。あるいはまたあらかじめ吸着樹脂
に「αGルチン」を吸着させておき、樹脂への付着力の
弱い糖単位の沢山付いたα-グルコシル化ルチンを例え
ば濃度の低いアルコール等で脱着し、必要により脱アル
コールしてからグルコアミラーゼで分解してもモノグル
コシルルチンが得られる。しかしながらこれらの方法で
はルチンとα-グルコシル化ルチンの吸着樹脂への付着
力の差により効率が決ってくるが、現実にはルチンとα
-グルコシル化ルチンの吸着樹脂への付着力の差がそれ
程大きくないため、この方法では「αGルチン」からル
チンの含まれないα-グルコシル化ルチンさらにはモノ
グルコシルルチンを製造することはきわめて効率が悪
い。
問題点を解決しようとするものであって、α-グルコシ
ル化ルチンとルチンとの混合物あるいはモノグルコシル
ルチンとルチンとの混合物から高純度のモノグルコシル
ルチンを効率的に分離する方法を提供することを目的と
している。
1の分離方法は、原料として、モノグルコシルルチンと
ルチンとの混合物(B)を用い、この原料(B)にα-
1,6-ラムノシダーゼを作用させて、該混合物(B)中の
ルチンをイソクエルシトリンに変えたのち、得られたモ
ノグルコシルルチンとイソクエルシトリンとの混合物
(C)からモノグルコシルルチンを分離することを特徴
としている。
料としてα-グルコシル化ルチンとルチンとの混合物
(A)を用い、この原料(A)に、グルコアミラーゼと
α-1,6-ラムノシダーゼを同時または別々に作用させ
て、該混合物(A)中のα-グルコシル化ルチンをモノ
グルコシルルチンに変え、また、ルチンをイソクエルシ
トリンに変えた後、得られたモノグルコシルルチンとイ
ソクエルシトリンとの混合物(C)からモノグルコシル
ルチンを分離することを特徴としている。
ルコール中で結晶化させることにより、上記第1または
第2の発明において得られる、モノグルコシルルチンと
イソクエルシトリンとの混合物(C)からモノグルコシ
ルルチンを分離することを特徴としている。
ル化ルチンとルチンとの混合物あるいはモノグルコシル
ルチンとルチンとの混合物からモノグルコシルルチンを
効率的に分離することができる。
ルルチンの分離方法について下記の表1を参照しつつ具
体的に説明する。なお、表中、Rはルチノースを、また
Gはグルコースをそれぞれ表わす。
の分離方法では、原料としてα-グルコシル化ルチンと
ルチンとの混合物(A)が用いられ、この混合物(A)
は、通常、「αGルチン」(東洋精糖(株)製)の商品
名で市販されている。 このα-グルコシル化ルチンは
下記式(ロ)で表わされ、
ース残基、nは1〜数十の整数を表わす。)、α-位の
グルコース残基数(n)が1〜数十の範囲、平均ではn
が4〜5程度のα-グルコシル化ルチンの混合物であ
る。このα-グルコシル化ルチンには、α-位のグルコー
ス残基数(n)が1のモノグルコシルルチンなどが含ま
れる。
ール等に対する溶解度が高く、水100g当り50g以
上溶解し、また濃度50%のアルコール100g当り4
0g以上溶解する。
ようにして製造される。すなわち、下記式(イ)で
り0.01g程度)なルチンに、糖供与体としての澱粉
あるいはその部分加水分解物(例:デキストリン、マル
トース)を加えてなる組成物に、アミラーゼ、グリコシ
ダーゼ、トランスグリコシダーゼなどのグルコース残基
転移酵素を作用させて澱粉あるいはその部分分解物から
ルチンに糖(グルコース)を転移(付加)させることに
より、α-グルコシル化ルチンは得られる。
方法としては、従来より公知の種々の方法を採用するこ
とができる。具体的には、例えば特公昭54ー3207
3号公報あるいは特公昭58ー54799号公報記載の
方法を採用することができる。なお、このようにして得
られた反応物には、通常、α-グルコシル化ルチンと共
に、未反応のルチンあるいはルチンの分解物であるケル
セチン等が少量含まれている。なお、この明細書中にお
いては、その主旨に反しない限り、α-グルコシル化ル
チンというときは、モノグルコシルルチンを含む。
コシル化ルチンとルチンとが含まれた混合物からモノグ
ルコシルルチンを効率的に分離する方法に関する。以
下、まずはじめに本発明の主な反応工程について詳細に
説明するが、第1工程と第2工程のように隣合う工程に
おいて、用いられる各酵素が共通の作用を有するもので
ある場合には、先の工程で用いられる酵素にて、それに
続く後の工程の反応をも、通常、進行させることができ
る。
化ルチンとルチンとの混合物(A)に、グルコアミラー
ゼを作用させて、α-グルコシル化ルチンをモノグルコ
シルルチンに変える。 こうした酵素としては長瀬産業
(株)のグルコチーム、天野製薬(株)のグルクザイム
NL、(株)ヤクルトのユニアーゼ30等のグルコアミラー
ゼの他、田辺製薬のナリンギナーゼ、天野製薬(株)の
セルラーゼA「アマノ」3などのような酵素、すなわち
α-1,4-グルコシル結合を、グルコース単位で切断する
グルコアミラーゼ活性を有する酵素であれば自由に用い
ることができる。さらにα-アミラーゼ、β-アミラーゼ
等のように、α-1,4-グルコシル結合をグルコース単位
以外でも切断する酵素を用いることもできる。しかしこ
れらの酵素のうちではα-グルコシル化ルチンをモノグ
ルコシルルチンに変える性質に優れたグルコアミラーゼ
が好ましく用いられる。
ルコチームは、α-グルコシル化ルチンとルチンとの混
合物(A)100g当り、通常、0.01〜10gの量
で、好ましくは0.2〜1gの量で、換言すれば、混合
物(A)中のα-グルコシル化ルチン含有量100g当
り、通常、0.01〜11gの量で、好ましくは0.2〜
1gの量で用いられる。このような量でグルコチームを
用いると、効率的(変換率99%程度)にα-グルコシ
ル化ルチンをモノグルコシルルチンに変換することがで
きる。
ンと混合物(A)にグルコアミラーゼなどの酵素を作用
させる際には、用いられる酵素の種類、活性などの違い
により一概に決定されないが、例えば、グルコチームで
は、混合物(A)含有溶液のpHを無機酸、有機酸等を
用いて3〜6程度に調節することが好ましい。また、こ
のモノグルコシル化反応の際には、35〜65℃程度の
温度で、1〜60時間程度保持することが好ましい。
シル化ルチンに酵素を作用させて得られたモノグルコシ
ルルチンとルチンとの混合物(B)に、第2工程では、
α-1,6-ラムノシダーゼを作用させて、混合物(B)中
のルチンをイソクエルシトリンに変える。
ルチンとルチンとの混合物(B)に、α-1,6-ラムノシ
ダーゼを作用させて、混合物(B)中のルチンからラム
ノース単位が取れたイソクエルシトリンに変える。この
混合物(B)は、上記第1工程で原料(A)を用いて得
られるものに限らず、公知の方法で得られた原料(B)
を用いることもできる。
ムノシダーゼ活性を有する酵素であれば、いずれもルチ
ンをイソクエルシトリンに変えることができる。このよ
うな酵素として田辺製薬(株)のヘスペリジナーゼ2
号、ナリンギナーゼ、天野製薬(株)のセルラーゼA
「アマノ」3などを挙げることができる。
ゼ2号は、モノグルコシルルチンとルチンとの混合物
(B)100g当り、通常、0.01〜10gの量で、
好ましくは0.3〜2gの量で、換言すれば、混合物
(B)中のルチン含有量100g当り、通常、0.05
〜50gの量で、好ましくは1.5〜10gの量で用い
られる。このような量でヘスペリジナーゼを用いると、
効率的(変換効率99%程度)にルチンをイソクエルシ
トリンに変換することができる。
1工程と第2工程の酵素を加えこれらの反応を実質的に
同時に進行させる場合において、両工程に共通の酵素
(例:ナリンギナーゼあるいはセルラーゼA「アマ
ノ」)を用いる場合には、その量を適宜加減し設定する
ことができる。
(B)にα-1,6-ラムノシダーゼなどの酵素を作用させ
る際には、用いられる酵素の種類、活性などの違いによ
り一概に決定されないが、通常、例えば、ヘスペリジナ
ーゼでは、混合物(B)含有溶液のpH、温度、反応時
間を第1工程のモノグルコシル化反応の場合と同様に保
持することが好ましい。
れた、モノグルコシルルチンとイソクエルシトリンとの
混合物(C)からモノグルコシルルチンを、分取(分
離)する。
(C)からモノグルコシルルチンを分取(分離)するに
は、例えば、下記[i]〜[iv]の方法を挙げること
ができる。
で得られた、モノグルコシルルチンとイソクエルシトリ
ンとの混合物(C)に、βーグルコシダーゼを作用させ
て、混合物(C)中のイソクエルシトリンをケルセチン
に変える。
コシルルチンとケルセチンとの混合物(D)あるいはこ
れらが含まれた水溶液(D)では、ケルセチンは沈澱す
るため、この液(D)を濾過することにより容易に両者
を固液分離して、液相としてモノグルコシルルチンを得
ることができる。
活性を有する酵素であればもいずれも用いることができ
る。そうした酵素としては天野製薬(株)のセルラーゼ
A「アマノ」等を挙げることができる。
グルコシルルチンとイソクエルシトリンとの混合物
(C)100g当り、通常、0.01〜20gの量で、
好ましくは1〜12gの量で、換言すれば、混合物
(C)中のイソクエルシトリン含有量100g当り、通
常、0.05〜120gの量で、好ましくは30〜70
gの量で用いられる。このような量でβーグルコシダー
ゼを用いると、効率的(変換効率90%程度)にイソク
エルシトリンをケルセチンに変換することができる。
エルシトリンとの混合物(C)にβーグルコシダーゼを
作用させる際には、用いられる酵素の種類、活性などの
違いにより一概に決定されないが、通常、例えば、セル
ラーゼA「アマノ」3では、混合物(C)含有溶液のp
Hを、無機酸、有機酸等を用いて3〜6程度に調節する
ことが好ましい。また、この反応の際には、35〜65
℃程度の温度で、1〜60時間程度保持することが好ま
しい。
チンとケルセチンとの混合物(D)あるいはこれらが含
まれた水溶液(D)では、ケルセチンは沈澱するから、
濾過することにより容易にモノグルコシルルチンとケル
セチンとの両者を分離して、モノグルコシルルチンを得
ることができる。
られた、モノグルコシルルチンとイソクエルシトリンと
の混合物(C)あるいはこれらが含まれた水溶液(C)
から、吸着樹脂を用いることにより、モノグルコシルル
チンを分取することもできる。
XAD7、非極性樹脂HP−20、HP−50、XAD
−2等が用いられる。 [iii]また、本発明では、第2工程で得られた、モ
ノグルコシルルチンとイソクエルシトリンとの混合物
(C)を、一旦、アルコールに溶解させ、結晶化させた
後、濾過にて結晶を分取することによりモノグルコシル
ルチンを得ることもできる。アルコールとしては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど炭
素数が1〜4程度の低級アルコールが挙げられる。
コシルルチンの結晶化に先立ち、混合物(C)あるいは
これらが含まれた水溶液(C)から、上記と同様の吸着
樹脂を用いることにより、混合物(C)に含まれた糖
類、タンパク質等を除去してもよい。
られた、モノグルコシルルチンとイソクエルシトリンと
の混合物(C)あるいはこれらが含まれた水溶液(C)
から、クロマト分離を用いることにより、モノグルコシ
ルルチンを分取することもできる。
の方法を適宜組み合わせてもよい。本発明では、このよ
うな[i]〜[iv]の方法の内では、[iii]が好ま
しい。これはモノグルコシルルチンとイソクエルシトリ
ンとのアルコールに対する溶解度の違いを利用するもの
で、効率良く高純度のモノグルコシルチンが得られる。
本発明では、原料として、例えば、東洋精糖(株)より
市販されているような、α-グルコシル化ルチンとルチ
ンとの混合物(A):「αGルチン」を用いる場合に
は、上記、第1工程の反応の次に、第2工程の反応を行
い、得られたモノグルコシルルチンとイソクエルシトリ
ンとの混合物(C)から、モノグルコシルルチンを分離
すればよい。
を分離するには、例えば、第3工程の[i]〜[iv]
の1または2以上の分離方法を組み合わせて採用するこ
とにより、目的とする高純度のモノグルコシルルチンを
効率的に得ることができる。
(A)に、上記したような第1工程で用いられるグルコ
アミラーゼ等の酵素と、第2工程で用いられるα-1,6-
ラムノシダーゼ等の酵素と、必要に応じて、第3工程の
[i]で用いられるβーグルコシダーゼ等の酵素とを一
緒に加え、これらの反応を実質上同時に進行させてもよ
く、あるいは第1〜第3工程の順序で加えて、その順序
で反応を進行させてもよく、さらには、用いられる酵素
に応じて第2工程の反応の後に第1工程の反応を進行さ
せ、ついで必要に応じて、第3工程の操作、例えば、反
応[i]を進行させることもできる。
コシルルチンとルチンとの混合物(B)を用いる場合に
は、上記、第2工程の反応を行い、次いで、得られたモ
ノグルコシルルチンとイソクエルシトリンとの混合物
(C)からモノグルコシルルチンを分離すればよい。
ルチンとルチンとの混合物(B)を用いる場合には、上
記第2工程の反応の次に、さらに必要により第3工程の
[i]〜[iv]のいずれか1つの方法を採用し、ある
いはこれらの方法を適宜組み合わせて採用することによ
り、目的とする高純度のモノグルコシルルチンを効率的
に得ることができる。
ノシダーゼと、第3工程の反応[i]で用いられるβー
グルコシダーゼとを同時に作用させて、ルチンをケルセ
チンに変える反応を進行させることもできる。
とが好ましい。ここで使用される還元剤としてはα-グ
ルコシル化ルチンあるいは反応生成物を過度に還元しな
いような還元力を有すると共に溶存酸素や空気による酸
化を有効に防止し得る程度の還元力を有するものが好ま
しく、さらにモノグルコシルルチンの用途を考慮すると
生体に対する影響力の少ないものが好ましい。このよう
な還元剤の例としてはアスコルビン酸及びアスコルビン
酸塩を挙げることができ、一般にはアスコルビン酸が使
用される。その使用量はα-グルコシル化ルチン100
gに対して0.1〜5g程度の量である。このような量
のアスコルビン酸は製造工程で容易に除去される。
れる、モノグルコシルルチンは純度が高い。必要により
さらに再結晶を繰り返し純度を高めることもできる。こ
のような高純度のモノグルコシルルチンは医薬品、化粧
品、食品添加物などの広範な用途に好ましく用いられ
る。
りのルチン単位量が大きいので、ルチンに代えてモノグ
ルコシルルチンを用いることにより、効率的にルチン自
体の有する各種特性、例えば、消炎・鎮痛作用、抗酸化
作用、紫外線吸収作用等を発揮させることができる。
シルルチンとルチンとの混合物あるいはモノグルコシル
ルチンとルチンとの混合物から高純度のモノグルコシル
ルチンを効率的に分離することができる。
に説明するが、本発明はかかる実施例に何等制限される
ものではない。
物(A)100gに水1000mlを加え溶解した後、ア
スコルビン酸1g、グルコチーム(長瀬産業(株)製)
1gを加えpH4.5に調整し55℃、24時間反応さ
せた。この反応液(イ)にヘスペリジナーゼ2号(田辺
製薬(株)製)1gを加えpH4.0に調整し55℃、
24時間反応させ、反応液(ロ)を得た。反応液(ロ)
は酸素を加熱失活させ濾過した後、濾液を中間極性樹脂
XAD−7、1000mlに通液し、水洗後、60%エタ
ノール2000ml、水1000mlで脱着、押し出しを行
なった。両液を合わせ脱アルコール、濃縮、乾燥させ固
形物47g(純度65%)を得た。この固形分に99%
メタノール80mlを加え60℃で加熱溶解後、室温放置
し結晶を析出させた。析出した結晶は少量の99%メタ
ノールで洗浄し、乾燥させ固形物25g(純度93%)
を得た。
ロマトグラムを示す。展開はキーゼルゲル60F254 薄
層板(メルク社製)にスポットし、n-ブタノール/水/
酢酸=4/5/1で行なった。図1には対照として混合
物(A)と標準モノグルコシルルチン((株)林原生化
学研究所製)をスポットした。反応液(イ)はモノグル
コシルルチン以下にスポットが無いこと、またモノグル
コシルルチンのスポットの発色が強いことより、新たな
モノグルコシルルチン(Rf0.36)の生成が認めら
れた(混合物(B))。図2では標準イソクエルシトリ
ン(フナコシ薬品(株)製)のスポットから反応液
(ロ)のイソクエルシトリン(Rf0.74)が確認さ
れた(混合物(C))。
ルルチンとルチンとの混合物(B)100g(純度64
%)に99%メタノール150mlを加え60℃で加熱溶
解後、室温放置し結晶を析出させた。析出した結晶は少
量の99%メタノールで洗浄し、乾燥させ固形分57g
(純度84%)を得た。
物(A)100gに水1000mlを加え溶解した後、ア
スコルビン酸ナトリウム2.5g、グルコチーム(長瀬
産業(株)製)1g、ナリンギナーゼ(田辺製薬(株)
製)0.5gを加えpH4.0に調整し55℃で24時間
反応させた。反応液は酸素を加熱失活させ濾過した後、
濾液を非極性樹脂HP−20、1000mlに通液し、水
洗後60%エタノール2000ml、水1000mlで脱
着、押し出しを行なった。両液を合わせ脱アルコール、
濃縮、乾燥させ固形物42g(純度67%)を得た。こ
の固形分に99%メタノール80mlを加え60℃で加熱
溶解後、室温放置し結晶を析出させた。析出した結晶は
少量の99%メタノールで洗浄し乾燥させ固形物23g
(純度93%)を得た。
物(A)100gに水1000mlを加え溶解した後、ア
スコルビン酸1g、グルコチーム(長瀬産業(株)製)
1g、ヘスペリジナーゼ2号(田辺製薬(株)製)1
g、セルラーゼA「アマノ」3(天野製薬(株)製)1
0gを加えpH4.0に調整し55℃で48時間反応さ
せた。反応液は酸素を加熱失活させ濾過した後、濾液を
中間極性樹脂XAD−7、1000mlに通液し、水洗
後、60%エタノール2000ml、水1000mlで脱
着、押し出しを行なった。両液を合わせ脱アルコール、
濃縮、乾燥させ固形物40g(純度80%)を得た。こ
の固形分に99%メタノール80mlを加え60℃で加熱
溶解後、室温放置し結晶を析出させた。析出した結晶は
少量の99%メタノールで洗浄乾燥させ固形物22g
(純度95%)を得た。
示す。
示す。
化学研究所 製) (3)・・・反応液(イ)(=混合物(B)) (4)・・・イソクエルシトリン(フナコシ薬品(株)
製) (5)・・・反応液(ロ)(=混合物(C))
Claims (3)
- 【請求項1】モノグルコシルルチンとルチンとの混合物
(B)にα-1,6-ラムノシダーゼを作用させて、得られ
た反応混合物(C)からモノグルコシルルチンを分離す
ることを特徴とするモノグルコシルルチンの分離方法。 - 【請求項2】α-グルコシル化ルチンとルチンとの混合
物(A)に、グルコアミラーゼとα-1,6-ラムノシダー
ゼを同時または別々に作用させて得られた反応混合物
(C)からモノグルコシルルチンを分離することを特徴
とするモノグルコシルルチンの分離方法。 - 【請求項3】アルコール中で結晶化させることにより、
モノグルコシルルチンとイソクエルシトリンとの混合物
(C)からモノグルコシルルチンを分離することを特徴
とする前記請求項1、2に記載のモノグルコシルルチン
の分離方法。
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