JPH0519982U - 光学式走査器用光電センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単一インクで印刷したパッドを使用してもセ
ンサユニットの構成を簡略化できる。 【構成】 検出すべき方向に対し直交する方向のストラ
イプ４を複数の受光素子１１ａ〜１１ｄ，１１Ａ〜１１
Ｄで検出するセンサユニット１２は、各受光素子１１ａ
〜１１ｄ，１１Ａ〜１１Ｄを同じピッチでそれぞれ対と
して２列に並べ、且つ両列の幅方向の各外端縁部間の寸
法Ｗを、検出すべき方向に平行する方向のストライプ８
の暗ゾーン８ｃによって該センサユニット１２の受光面
に投影される像の幅よりも大きい値にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、Ｘ方向検出用ストライプとＹ方向検出用ストライプとが格子状に設 けてあるパッド上で移動させて用いるマウス等の光学式走査器用光電センサに関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図４の(A) 〜(D) は、従来の４個の受光素子１ａ〜１ｄからなるセンサユニッ ト２を用いる光学式走査器用光電センサ３のパッドＭ上での動作例を示したもの である。該パッドＭ上には、暗ゾーン４ａ，４ｃ…と明ゾーン４ｂ，４ｄがＸ方 向に平行する向きでＹ方向に交互に存在するＹ方向検出用ストライプが設けられ ている。 光学式走査器用光電センサ３は、受光素子１ａ〜１ｄのほかに、受光素子１ａ ，１ｃの出力を比較する第１の比較器５ａと、受光素子１ｂ，１ｄの出力を比較 する第２の比較器５ｂとを備えている。

【０００３】 パッドＭは、実際にはＸ方向検出用ストライプとＹ方向検出用ストライプとが 格子状に設けられた構造になっているが、この図４ではＹ方向検出用ストライプ ４のみを示している。 このＹ方向検出用ストライプ４は、Ｘ方向に沿って連続した暗ゾーン４ａ，明 ゾーン４ｂ，暗ゾーン４ｃ，明ゾーン４ｄ…を所定の幅で交互に配置れて構成さ れている。

【０００４】 各受光素子１ａ〜１ｄは、その受光面に結像されるＹ方向検出用ストライプ４ の各ゾーン４ａ，４ｂ，４ｃ…における像の各幅の１／２の幅の受光面を有し、 ２個の受光素子の受光面の幅が各ゾーン４ａ，４ｂ，４ｃ…における像の各幅と 同じになっている。

【０００５】 上記の如き光学式走査器用光電センサ３は、例えば矢印で示すＹ方向に走査さ れる。このとき、Ｙ方向検出用ストライプ４の各ゾーン４ａ，４ｂ，４ｃ…にお ける像がセンサユニット２の受光面に結像され、各受光素子１ａ〜１ｄで検出さ れ、その出力が第１、第２の比較器５ａ，５ｂで比較され、ハイレベル信号Ｈ又 はローレベル信号Ｌが出力される。

【０００６】 光学式走査器用光電センサ３の移動により第１、第２の比較器５ａ，５ｂの出 力Ｈ，Ｌが図示のように変化するが、その変化の仕方により光学式走査器用光電 センサ３の移動方向（この場合には、上向きか、下向きか）が検出でき、またそ の変化の回数により移動量が分かる。実際には、図５に示すように、Ｙ方向用と して並設された４個の受光素子１ａ〜１ｄからなるＹ方向センサユニット２と、 Ｘ方向用として並設された４個の受光素子６ａ〜６ｄからなるＸ方向センサユニ ット７とを組み合わせたものが光学式走査器用光電センサ３である。

【０００７】 しかしながら、このような光学式走査器用光電センサ３では、例えばＹ方向の 検出をしようとして、図５に示すようにＸ方向検出用ストライプ８の暗ゾーン８ ｃ上をＹ方向に移動した場合、Ｙ方向センサユニット２の各受光素子１ａ〜１ｄ が暗ゾーン８ｃの像の中に全体的に入ってしまってＹ方向検出用ストライプ４の 各ゾーン４ｂ，４ｃ，４ｄ…の変化が検出できないという問題点がある。 このため、Ｘ方向、Ｙ方向でそれぞれ光源の発光波長を異ならせ、Ｙ方向検出 用ストライプ４及びＸ方向検出用ストライプ８の各暗ゾーンの吸収波長をそれぞ れの波長に合せたインクにより印刷することが行われている。 このとき、一方の波長は吸収し、もう一方の波長は吸収しないインクで印刷し なければならないため、２種類のインク及びこれらによる印刷の管理が必要にな り、コスト高になるという問題点がある。

【０００８】 このような問題点を解決するため、図６において○印で示す受光素子と◎印で 示す受光素子をＸ方向とＹ方向に合計で１２個並設したセンサユニット９を用い ることが提案されている。 この図６から明らかなように、この場合のセンサユニット９は、受光素子をＸ 方向及びＹ方向にそれぞれ４列に配置することにより、いずれかの列の受光素子 が明ゾーンに必ず存在して明ゾーン、暗ゾーンの検出ができるようにしている。 かかるセンサユニット９を用いると、パッドは単一の黒インクにより印刷するこ とが可能になり、パッドのコストダウンを図ることができる。また、この場合に は、光学系も１組になり、小型化が期待できる。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

このようなセンサユニット９は、チップ単価も高く、また実装方法も図５に示 す方式のものと比べて複雑になっており、単純にコストダウンが図れるものでは ない。 また、◎印の受光素子がＸ方向とＹ方向の受光素子を兼ねているため、ロジッ クが複雑となり、従って、検出回路は前述した図４に示す場合よりも構成が複雑 になっている。 本考案の目的は、単一インクで印刷したパッドを使用し、しかもセンサユニッ トの構成を簡略化することができる光学式走査器用光電センサを提供することに ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、Ｘ方向検出用ストライプとＹ方向検出 用ストライプとが格子状に設けられているパッド上で、直線上に並べて配置した 複数の受光素子からなるセンサユニットを該パッドに対して相対的に移動させ検 出すべき方向に対し直交する方向のストライプを検出する光学式走査器用光電セ ンサにおいて、前記各受光素子の受光面がそれぞれ対をなし同じピッチで２列に 並び、各対をなす受光素子の出力側を短絡させ、且つ両列の幅方向の各外端縁部 間の寸法が、少なくとも検出すべき方向に平行なストライプの暗ゾーンによって 該センサユニットの受光面に投影される像の幅よりも大きい値に設定されている ことを特徴とする。

【００１１】

【作用】

このようにセンサユニットの２列の各受光素子の幅方向の各外端縁部間の寸法 が、検出すべき方向に平行する方向のストライプの暗ゾーンによって該センサユ ニットの受光面に投影される像の幅よりも大きい値になっていると、該センサユ ニットが該検出すべき方向に平行する方向のストライプの暗ゾーン上をその長手 方向に沿って移動しても、２列の各受光素子のうちいずれか一方の列の受光素子 の受光面が該暗ゾーンの像の外に必ず一部が出るようになる。この暗ゾーンの像 の外に出た各受光素子の受光面の部分で、検出すべき方向に対し直交する方向の ストライプを検出できるようになる。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の実施例につき、図１及び図２を参照して詳細に説明する。 パッドＭは、Ｙ方向検出用ストライプ４が横であるＸ方向に平行に暗ゾーン４ ａ，４ｃ，４ｅ及び明ゾーン４ｂ，４ｄを交互に配置して形成され、Ｘ方向検出 用ストライプ８が縦であるＹ方向に平行に暗ゾーン８ａ，８ｃ，８ｅ及び明ゾー ン８ｂ，８ｄを交互に配置して形成され、Ｘ方向及びＹ方向とも同じ種類のイン クで且つ各ゾーンの幅を同じにして印刷されている。

【００１３】 図示のように本実施例に係るセンサユニット１２は、複数の受光素子１１ａ， １１ｂ，１１ｃ，１１ｄ，１１Ａ，１１Ｂ，１１Ｃ，１１Ｄが同じ間隔を置きそ れぞれ対をなし同じピッチで２列に並べて直線上に配置されている。 これら２列の受光素子１１ａ〜１１ｄ，１１Ａ〜１１Ｄの幅方向の各外端縁間 の寸法Ｗは、検出すべき方向即ちＹ方向に平行な方向のストライプ８の暗ゾーン （この場合では、暗ゾーン８ｃ）によって該センサユニット１２の受光面に投影 される像の幅よりも大きい約１．５倍以上の値に設定されている。各受光素子１ １ａ〜１１ｄ，１１Ａ〜１１Ｄの長さは従来と同様にストライプ４における各ゾ ーンにより受光面に投影される像の幅の１／２である。

【００１４】 しかも、これら２列の受光素子１１ａ〜１１ｄ，１１Ａ〜１１Ｄのうち、幅方 向に対応する対１１ａ，１１Ａ間、１１ｂ，１１Ｂ間、１１ｃ，１１Ｃ間、１１ ｄ，１１Ｄ間は、短絡線１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄで短絡接続され、各対 が一体になって動作し、各対毎にその和の出力が得られるようになっている。

【００１５】 この実施例では、Ｙ方向検出用ストライプ４を検出するセンサユニット１２に 本考案を適用した例について示したが、Ｘ方向検出用ストライプ８を検出する図 示しないセンサユニットにも同様に適用し、２列の受光素子の幅方向の各外端縁 間の寸法Ｗが検出すべき方向に平行な方向のストライプ４の暗ゾーンによって該 センサユニットの受光面に投影される像の幅よりも大きい値に設定されているも のを用いる。

【００１６】 図３は本考案に係る光学式走査器用光電センサを矢印で示すＹ方向に走査させ た場合における、パッド上の位置と出力との関係を示す説明図であり、（Ａ）〜 （Ｄ）は位置の変化と出力の関係を示している。 上述のようなセンサユニット１２を用いた本考案に係る光学式走査器用光電セ ンサ１３は、受光素子１１ａ〜１１ｄ，１１Ａ〜１１Ｄのほかに、受光素子１１ ａ，１１Ａの出力と受光素子１１ｃ，１１Ｃの出力とを比較する第１の比較器５ ａと、受光素子１１ｂ，１１Ｂの出力と受光素子１１ｄ，１１Ｄの出力とを比較 する第２の比較器５ｂとを備えている。光学式走査器用光電センサ１３は、Ｙ方 向検出用ストライプ４の各ゾーン４ａ，４ｂ，４ｃ…における像がセンサユニッ ト１２の受光面に結像され、各受光素子１１ａ，１１Ａ〜１１ｄ，１１Ｄで検出 され、その出力が第１の比較器５ａ及び第２の比較器５ｂで比較され、ハイレベ ル信号Ｈ又はローレベル信号Ｌが出力される。

【００１７】 かかるセンサユニット１２を用いると、当該センサユニット１２が、例えば、 図３（Ａ）に示すように検出すべき方向に平行する方向のストライプ８における 暗ゾーン８ｃ上をその長手方向に沿って移動しても、各受光素子１１Ｃと１１Ｄ が該暗ゾーン８ｃの像の外に必ず一部が出るようになり、この暗ゾーン８ｃの外 に出た各受光素子１１Ｃと１１Ｄの部分でハイレベル信号Ｈが出力され、検出す べき方向に対し直交する方向のストライプ、即ちＹ方向検出用ストライプ４を検 出できるようになる。実際には、図３（Ｄ）に示すように、Ｙ方向検出用として 並設された４個の受光素子１１ａ〜１１ｄ，１１Ａ〜１１ＤからなるＹ方向セン サユニット１２と、これと直交する方向にＸ方向検出用として並設された４個の 受光素子１６ａ〜１６ｄ，１６Ａ〜１６ＤからなるＸ方向センサユニット１７と を組み合わせたものを備えているのがこの光学式走査器用光電センサ１３であり 、Ｘ方向についてもＹ方向と同様に検出できる。

【００１８】 なお、受光素子の各対の相互接続は、共通の出力端子又は共通の出力に接続す ることにより行うこともできる。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように本考案に係る光学式走査器用光電センサによれば、複数の 受光素子で検出すべき方向に対し直交する方向のストライプを検出するセンサユ ニットは、各受光素子が同じピッチでそれぞれ対として２列に並び、且つ両列の 幅方向の各外端縁部間の寸法が、検出すべき方向に平行する方向のストライプの 暗ゾーンによって該センサユニットの受光面に投影される像の幅よりも大きい値 に設定されているので、該センサユニットが該検出すべき方向に平行する方向の ストライプにおける暗ゾーン上をその長手方向に沿って移動しても、２列の受光 素子のうちのいずれか一方の列の受光素子の少なくとも一部が該暗ゾーンの像の 外に必ず出るようになり、この暗ゾーンの外に出た各受光素子の受光面の部分で 、検出すべき方向に対し直交する方向のストライプを検出することができる。特 に本考案の構造の場合には、既存の受光素子を２列に配列することにより容易に 変更できる利点がある。また、各受光素子の列間の幅の設定も、本考案の場合に は、容易に実施できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る光学式走査器用光電センサのセン
サユニットとパッドとの関係の一実施例を示す平面図で
ある。

【図２】本考案の光学式走査器用光電センサのセンサユ
ニットを示す平面図である。

【図３】本考案に係る光学式走査器用光電センサを矢印
で示すＹ方向に走査させた場合における、パッド上の位
置と出力との関係を示す説明図であり、（Ａ）〜（Ｄ）
は位置の変化と出力の関係を示している。

【図４】従来の光学式走査器用光電センサのパッド上の
位置と出力の関係を示す説明図であり、（Ａ）〜（Ｄ）
は位置の変化と出力の関係を示している。

【図５】従来の光学式走査器用光電センサの各センサユ
ニットとパッドとの関係を示す平面図である。

【図６】従来の光学式走査器用光電センサの他の例のセ
ンサユニットとパッドとの関係を示す平面図である。

【符号の説明】

Ｍ パッド ４ Ｙ方向検出用ストライプ ４ａ，４ｃ… 暗ゾーン ４ｂ，４ｄ… 明ゾーン ５ａ 第１の比較器 ５ｂ 第２の比較器 ８ Ｘ方向検出用ストライプ ８ａ，８ｃ，８ｅ… 暗ゾーン ８ｂ，８ｄ… 明ゾーン １１ａ〜１１ｄ 受光素子 １１Ａ〜１１Ｄ 受光素子 １２ センサユニット １３ 光学式走査器用光電センサ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｘ方向検出用ストライプとＹ方向検出用
   ストライプとが格子状に設けられているパッド上で、直
   線上に並べて配置した複数の受光素子からなるセンサユ
   ニットを該パッドに対して相対的に移動させ検出すべき
   方向に対し直交する方向のストライプを検出する光学式
   走査器用光電センサにおいて、前記各受光素子の受光面
   がそれぞれ対をなし同じピッチで２列に並び、各対をな
   す受光素子の出力側を短絡させ、且つ両列の幅方向の各
   外端縁部間の寸法が、少なくとも検出すべき方向に平行
   なストライプの暗ゾーンによって該センサユニットの受
   光面に投影される像の幅よりも大きい値に設定されてい
   ることを特徴とする光学式走査器用光電センサ。