JPH0519866Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 （産業上の利用分野） 本考案はテープレコーダのローデイング機構に
おいて、カセツトホルダーを昇降自在に支持する
ための支持機構に関するものである。

（従来の技術） カセツトのローデイング機構において、装填口
から挿入されたカセツトがグリツプ装置によつて
グリツプされてカセツトホルダ内に収容され、該
ホルダーが降下することによりカセツトを所定位
置にセツトし、イジエクトに際してはホルダーが
上昇してカセツトを装填口に送り出すように構成
したものがある。

（考案が解決しようとする問題点） カセツトテープレコーダの小型化を追及する場
合、ローデイング機構の小型化が重要な課題とな
る。特にローデイング機構においては装填された
カセツトが所定位置にセツトされるまでの移動ス
トローク用スペースを要し、このようなローデイ
ングメカニズムにあつてカセツトホルダーを支持
するための機構においてもスペースフアクターを
改善する必要がある。

ところが従来のローデイング機構にあつてはカ
セツトホルダーを支持する機構が概して複雑であ
ると共に各パーツの配置スペース等においても有
効利用が図られていないという欠点がある。

一方、カセツトホルダー支持機構を改善する場
合において、既存の機器に組み込まれるパーツの
設計等を根本的に変更することは製造コストが増
大すると共に、例えば、パーツへの加工等を施す
と機械強度の再検討等をも考慮する必要があるか
ら、構成の簡略化、小型化及びスペースフアクタ
ーの改善等に際しては変更部分を可及的少なくし
てしかも一定の効果を奏するようにすることが要
求される。

本考案は上記した点に鑑みてなされたものであ
つて、その目的とするところは、カセツトのロー
デイング機構においてスペースの有効利用と機構
の小型化を図つたカセツトホルダーの支持機構を
提供することにある。

「考案の構成」 （問題点を解決するための手段） 本考案に係るテープカセツトのローデイング機
構におけるカセツトホルダー支持機構は、カセツ
トホルダーの側面には大きな切欠部を有する取付
プレートを取り付けると共に該取付プレートには
シヤーシに形成したガイド溝に沿つて昇降するガ
イドピンを配置し、後端部を回転自在に支持した
支持枠の先端部をカセツトホルダーの側面に上記
取付プレートと面一となるように枢支し、上記カ
セツトホルダーがトグル回動するように支持枠と
取付プレートとの間に張架するコイルスプリング
をそのコイル部が上記切欠部内に位置するように
配置したものである。

（作用） 装填口に挿入されたカセツトはグリツプ装置に
よつてグリツプされてカセツトホルダー内に収容
されるが、支持枠が下方向に回転することによつ
てその先端部で支持されたカセツトホルダーは取
付プレートから突出しているガイドピンがガイド
溝でガイドされながらホルダー全体が降下を開始
する。カセツトホルダーは所定位置までは水平に
降下するが、トグルの臨界点を通過すると取付プ
レートと支持枠との間に張架されたコイルスプリ
ングによりトグル回動しようとし、カセツトホル
ダーがバネ力によつて更に降下することによりカ
セツトを所定位置にセツトすることができる。

イジエクトに際しては上記とは逆の動作をする
が、支持枠先端部とカセツトホルダー側面の取付
プレートとは面一になつているから、取付プレー
ト及び支持枠先端部の板厚分だけスペースフアク
ターが良好となり、しかもトグル回転用のコイル
スプリングはそのコイル部が取付プレートの切欠
部に位置しているから、上記保持枠先端部の回動
の支障とならないのは勿論、上記取付プレートの
板厚分だけ上記コイル部外径の寸法を吸収するこ
とができ、その分スペースを稼ぐことができる。

（実施例） 本考案に係るテープカセツトのローデイング機
構におけるカセツトホルダー支持機構の実施例を
第１図乃至第５図に基づいて説明するが、第１図
はカセツトホルダーの斜視図、第２図はカセツト
ホルダー支持機構の平面図、第３図は同上右側面
図、第４図は同上要部の斜視図、第５図はメイン
シヤーシの一部除去した斜視図である。

ローデイング機構は、装填口から第１図の１Ｆ
方向に挿入されたカセツト２が別に設けたグリツ
プ装置（図示しない）によつてグリツプされてカ
セツトホルダー４内に収容され、該ホルダーが降
下することによりカセツトを所定位置にセツト
し、イジエクトに際してはホルダー４が上昇する
とグリツプ装置によつて該ホルダーからカセツト
を送り出すように構成されている。

第１図に示すように、４Ｆ方向に昇降すべきカ
セツトホルダー４は底板４１と両側壁４２とガイ
ド片４３とにより略箱型に形成されているが、こ
れを昇降自在に支持するための支持機構１は、カ
セツトホルダー４の両側壁４２に取り付けられて
いて大きな切欠部５１を有する取付プレート５
と、該取付プレートに配置されていてシヤーシ３
に形成したガイド溝３１に沿つて昇降するガイド
ピン５２と、後端部８１がシヤーシ３に回転自在
に支持されると共に先端部８２をカセツトホルダ
ー４の両側壁４２に上記取付プレート５と面一と
なるように枢支８３した支持枠８と、上記カセツ
トホルダー４がトグル回動するように支持枠８と
取付プレート５との間に張架され、コイル部６１
が上記切欠部５１内に位置するようにしたコイル
スプリング６とによつて構成されている。

上記した構成を詳説すると、シヤーシ３は天板
３２と両側壁３３とからなつていて上記ガイド溝
３１は側壁３３に形成され、また、このガイド溝
３１内で昇降する上記ガイドピン５２にはローラ
５２ａが配置されていてガイド溝内でスムーズに
昇降するようになつている。また、取付プレート
５の先端側には上方に突出させたストツパー部５
３が形成されていてこれがシヤーシ３の天板３２
に当接することによりカセツトホルダーの上昇上
限位置が規制される。上記コイルスプリング６は
一端が上記ストツパー部３５基部に、また、他端
が上記枢支部８３よりも少許後方にそれぞれ係止
されている。

上記支持枠８の後端部８１は支点８ａを中心と
して回転するようシヤーシ３の側壁３３に支持さ
れ、また、支持枠８には支点８ａよりも少許前側
にガイドローラ８４が配置されている。シヤーシ
３の側壁３３には駆動源（図示しない）によつて
矢示９Ｆ方向にスライドするスライダ９が配置さ
れると共にこのスライダに段付きのガイド溝１９
が形成されていて上記ガイドローラ８４はこのガ
イド溝１９に係合している。従つて、スライダ９
が所定位置までスライドすると支持枠８が支点８
ａを中心として下方向に回転し、これに伴なつて
カセツトホルダー４が降下するように構成されて
いる。なお、第５図において、１１はスライダ９
を支持するためにシヤーシ３から突設したガイド
ピンであつて、スライダ９に形成したガイド溝１
２に係合している。１３はスライダ９に連動して
スライドする第２のスライダであつて、このスラ
イダのスライドによつてカセツト２をカセツトホ
ルダー４内に収容するためのグリツプ装置が駆動
する。

次に動作例を説明するに、装填口に挿入された
カセツト２はグリツプ装置によつてグリツプされ
てカセツトホルダー４内に収容されるが、支持枠
８が下方向に回転することによつてその先端部８
２で支持されたカセツトホルダー４は取付プレー
ト５から突出しているガイドピン５２がガイド溝
３１でガイドされながらホルダー全体が降下を開
始する。

カセツトホルダー４は所定位置までは水平に降
下するが、トグルの臨界点を通過するとコイルス
プリング６によりトグル回動しようとし、そのバ
ネ力でカセツトホルダー４の後端部側を機器底面
側に押圧して固定し、これによりカセツトは所定
位置にセツトされる。

イジエクトに際してはスライダ９が後退すると
支持枠８が上方向に回転し、カセツトホルダー４
が持ち上げられて上記した動作とは逆の動作をす
る。

「考案の効果」 本考案に係るテープカセツトのローデイング機
構におけるカセツトホルダー支持機構によれば、
小型化に際し、カセツトホルダーの形状等を大幅
に変えることがないよう該カセツトホルダーに取
付プレートが取り付けられ、カセツトホルダーを
支持すべき支持枠の先端部とカセツトホルダー側
面に取り付けるべき取付プレートとは面一になつ
ているから、取付プレート及び支持枠先端部の板
厚分だけスペースフアクターが良好となり、ま
た、トグル用のコイルスプリングはそのコイル部
が取付プレートに形成した切欠部に位置している
から、上記保持枠先端部の回動の支障とならない
のは勿論、上記取付プレートの板厚分だけ上記コ
イル部外径の寸法を吸収することができ、その分
スペースを稼ぐことができる効果がある。

従つて、小型化に際して機器内部の部材配置に
極めて厳しい制約を受けるカセツトテープレコー
ダのローデイング機構におけるカセツトホルダー
支持機構として最適である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案に係るテープカセツ
トのローデイング機構におけるカセツトホルダー
支持機構の実施例を示し、第１図はカセツトホル
ダーの斜視図、第２図はカセツトホルダー支持機
構の平面図、第３図は同上右側面図、第４図は同
上要部の斜視図、第５図はメインシヤーシの一部
除去した斜視図である。 １……カセツトホルダー支持機構全体、２……
カセツト、３……シヤーシ、４……カセツトホル
ダー、４２……側壁、５……取付プレート、５１
……切欠部、５２……ガイドピン、５３……スト
ツパー部、６……コイルスプリング、６１……コ
イル部、８……支持枠、８ａ……支点、８１……
後端部、８２……先端部、８３……枢支部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 装填口から挿入されたカセツトがカセツトホル
   ダー内に収容され、該ホルダーが降下することに
   よりカセツトを所定位置にセツトするように構成
   したテープレコーダのローデイング機構におい
   て、 カセツトホルダーを昇降させるために該カセツ
   トホルダーを支持する機構であつて、カセツトホ
   ルダーの側面に取り付けられていて大きな切欠部
   を有する取付プレートと、該取付プレートに配置
   されていてシヤーシに形成したガイド溝に沿つて
   昇降するガイドピンと、後端部が回転自在に支持
   されると共に先端部をカセツトホルダーの側面に
   上記取付プレートと面一となるように枢支した支
   持枠と、上記カセツトホルダーがトグル回動する
   ように支持枠と取付プレートとの間に張架され、
   コイル部が上記切欠部内に位置するようにしたコ
   イルスプリングとによつて構成されていることを
   特徴とする支持機構。