JP2682169B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はVTR等の磁気記録再生装置に関するものであ
り、特にリール中心からカセット背面までのカセット外
形寸法が互いに異なる２種類以上のカセットを使用する
際のカセット装着機構に関するものである。

従来の技術 一般に磁気記録再生装置のフロントローディング機構
は、第７図に示されるような構成を有していた。第７図
において１はカセットであり、カセット１は箱形に形成
されたカセットホルダー２に矢印Ａ方向に挿入されて保
持される。カセットホルダー２は両側面に各々ボス2a及
び2bを有している。３は基盤であり、その基盤上に左右
一対のサイドプレート４が固定されている。一対のサイ
ドプレート４はＬ形溝4a,4bを有し、各々Ｌ形溝にカセ
ットホルダー２のボス2a,2bが摺動自在に係合してい
る。また、サイドプレート４に回動自在に係止されたロ
ッド６の両先端にアーム５が固定され、アーム５の一端
にＵ溝5aが形成されてボス2aの先端部と係合している。
ロッド６には歯車（図示せず）が固定され、その歯車は
モータ（図示せず）により駆動される。したがって、該
モータを回転させることによりロッド６が回動し、アー
ム５の回動を通じてボス2aはＬ形溝4aに沿って摺動する
ことになる。その結果、カセット１を挿入したカセット
ホルダー２はＬ形溝に沿って、水平移動から垂直移動を
行ない、所定の位置にカセット１を装着することができ
る。

第８図は従来の磁気記録再生装置のカセット装置時の
側面図であり、カセットのリールから背面までの寸法が
互いに異なる２種類のカセットをカセットホルダー内に
挿入し、垂直移動が完了した際の構成を示している。第
８図において1aはリールから背面までの寸法が小さなカ
セット（以下、第１のカセットという）、1bはリールか
ら背面までの寸法が大きなカセット（以下、第２のカセ
ットという）を示している。11はリール台であり、カセ
ット内のリール12と係合し、リール12と一体になって回
転する。13は基盤３上に設けられたカセット位置決めピ
ンであり、カセットが下降時に各々のカセットに設けら
れた孔14と係合し、カセットの基盤３に対する装着位置
を決定する。７はカセットの蓋であり、支軸８のまわり
に回動する。９は支軸８のまわりに掛けられたねじりコ
イルばねであり、蓋７が閉まる方向に付勢している。10
は装置に固定された蓋開け部材であり、各々のカセット
が垂直方向に移動する際に、蓋７の一部と係合して蓋７
を開けるものである。以上の構成により、カセット1a又
は1bをカセットホルダー２の所定の位置に挿入すると、
モータ（図示せず）の回転によりカセットホルダー２は
水平方向の移動から垂直方向の移動を行ない、カセット
を所定の位置に装着できることになる。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記の構成では、垂直方向に下降する
際に蓋開け部材10が蓋７と係合して蓋７を開けるが、蓋
７を開けるにしたがってねじりコイルばね９の力により
カセット1a及び1bは矢印Ｂで示す背面方向に若干移動す
ることになる。そのように背面方向に移動した状態でカ
セットが下降すると、リール12とリール台11が係合でき
なかったり、カセット位置決めピン13とカセットの孔14
が係合できなかったりして完全にカセットが装着され
ず、場合によってはカセットが所定の高さより浮き、そ
の状態でカセット内のテープを引き出し走行させると、
テープに損傷を与えるという問題点を有していた。

本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたも
のであって、カセットを垂直方向に装着する際に背面方
向への移動を防止できる磁気記録再生装置を提供するこ
とを目的とする。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明は、リール中心から
カセット背面までのカセット外形寸法が各々異なり、前
面に開閉自在の蓋を有する２種類以上のカセットを装着
して記録又は再生を行う磁気記録再生装置であって、挿
入されたカセットを垂直方向に移動して所定の位置に装
着させるカセット装着手段と、基盤上の装着されうるカ
セットの背面の位置に夫々垂直に植設された支軸と、該
支軸と係合し柱状形状に形成され、該先端が挿入時のカ
セット下面の高さからカセット装着時のカセット下面以
下の高さの範囲において上下に自在に保持されたガイド
部材と、該ガイド部材を常に上方に付勢する付勢手段
と、を具備し、前記カセット装着手段によるカセットの
装着時にカセットの背面を前記ガイド部材の側面に沿う
ように各々のカセットの種類に応じて前記いずれかのガ
イド部材を配置したものである。また本発明は、前記２
種類以上のカセットの種類のなかでリール中心からカセ
ット背面までのカセット外形寸法が最も大きなカセット
の背面に沿うように設けたガイド部材を固定したもので
ある。また本願の請求項３の発明は前記カセットの種類
を判別する判別手段と、カセットが下降する以前に装着
されるカセットの背面に沿うべきガイド部材の下降を阻
止する阻止手段と、を具備したことを特徴とするもので
ある。

作用 上記構成によって、カセットを装置するためのカセッ
トを下降させることにより前面の蓋が開放する。このと
きカセットの背面の方向に力が作用するが、いずれかの
ガイド部材または係止部材によりカセットの背面が支持
され、カセットの背面方向の移動が阻止される。したが
って、カセットの背面方向の移動の結果生じるリールと
リール台の係合不良や位置決めピンとカセットの係合不
良は発生せず、テープの損傷を防ぐことができる。

又より大きいカセットを装着したときにはそのカセッ
トの下方にあるガイド部材はカセットの下降と同時に押
圧されて下降し、いずれかのガイド部材又は係止部材に
よってそのカセットの背面が支持することとなる。

実施例 第１図は本発明の第１の実施例の磁気記録再生装置の
第１のカセット下降時の側面図である。なお、従来例と
同様の構成部材については、従来例と同一の符号を付
す。

第１図において、15は支軸であり、基盤３上に植設さ
れている。17は第１のカセットガイド部材であり、支軸
15と係合し、上下方向に支軸に沿って摺動自在に係止さ
れている。16は圧縮ばねであり、支軸15に係合するとと
もに第１のカセットガイド部材17を常に上方に付勢して
いる。18は支軸得15に固定されたストッパーであり、第
１のカセットガイド部材17が支軸15から外れるのを阻止
している。第１のカセットガイド部材17の先端は第１の
カセット1aが垂直方向に下降するときの背面の高さから
第１のカセット1aが下降後装着されたときの第１のカセ
ット1a下面の高さ以下の範囲で摺動可能である。17bは
第１のカセットガイド部材17の第１のカセット1aの当接
側に設けられた傾斜部であり、第１のカセット1aが下降
する際に第１のカセット1aが第１のカセットガイド部材
17にひっかからないようにすると共に、ひっかかった場
合でもカセット1aを傾斜部に沿わせてなめらかに所定位
置に摺動させるものである。15′〜18′は各々第１のカ
セットガイド部材17の構成要素15〜18に対応して設けら
れた第２のカセットガイド17′の構成要素である。

以上の構成により、第１のカセット1aが下降する際に
蓋が開き、第１のカセット1aが背面方向に移動したと
き、第１のカセット1aの背面19aは第１のカセットガイ
ド部材17の側面17aと当接し、第１のカセットガイド部
材17は支軸15に係止されているため第１のカセットガイ
ド部材17は移動しない。したがって、第１のカセット1a
は第１のカセットガイド部材17に当接した状態で下降す
ることになる。これにより第１のカセット1aの背面方向
の移動が阻止されるために第１のカセット1aは確実にカ
セット位置決めピン13と係合し、且つリールとリール台
もスムーズに係合することができ、その結果、第１のカ
セット1aの装着不良となるテープの損損を防ぐことがで
きる。

第２図は、同実施例において第２のカセットを装置し
て下降させた時の側面図である。第２のカセット1bが装
着されると、その下方の第１のカセットガイド部材17は
第２のカセット1bの下面で押圧され支軸15に沿って下降
する。そして、もう一方の第２のカセットガイド17′に
より第２のカセット1bの背面19bが第１のカセット1aの
ときと同様に当接して下降する。したがって、この場合
も前述のように第２のカセット1bは所定の位置に確実に
装着され、第２のカセット1bの装着不良によるテープの
損傷を防ぐことができる。この場合、第１のカセットガ
イド部材17は第２のカセット1bが装着したとき、カセッ
トの下面以上の高さまで移動可能であり、第２のカセッ
ト1b下面に押圧され第２のカセット1bの下降を妨げな
い。

以上、大きさの異なる２種類のカセットについて説明
したが、大きさの異なる２種類以上のカセットを使用す
る場合においても各々のカセットの背面に当接する位置
にカセットガイド部材を設置することにより同様に確実
なカセットの装着を実現できる。

第３図は本発明の第二の実施例における磁気記録再生
装置のカセット装着の側面図である。第３図は使用する
カセットのリールから背面までの距離の最大のカセット
の背面に当接して設けるカセットガイド部材20を基盤に
固定した構成を示している。カセットガイド部材20は下
降する必要はなく基盤に固定することにより、構成部品
点数が削減できるという特徴がある。なお、カセットガ
イド部材20の第２のカセット1bの当接側に設けられた傾
斜部20′は、第２のカセット1bが下降する際に第２のカ
セット1bがカセットガイド部材17にひっかからないよう
にするためのものであり、ひっかかった場合でもカセッ
ト1aを傾斜部に沿わせてなめらかに所定位置に摺動させ
るものである。

第４図は、本発明の第三の実施例における磁気記録再
生装置のカセット装着の側面図である。第４図におい
て、第１図と同様の構成部材については同一の附号を付
す。第４図において、21は基盤３上を水平方向に摺動可
能なロッドであり、該右端に曲げ部21aを有し、該曲げ
部21aの上端の高さは第１のカセットガイド部材17が上
昇時の下面より若干低く形成され、第１のカセットガイ
ド部材17が下降時に当接可能に構成されている。またロ
ッド21の左端にはラック22が形成されており、該ラック
22はピニオン23と噛み合い、ピニオン23はモータ24の回
転軸と連結されている。以上の構成でモータ24を回転さ
せることにより、ロッド21が左右に摺動する。今、ロッ
ド21の曲げ部21aが第１のカセットガイド部材17の下面
の下に位置するときモータ24の回転を停止すると、第１
のカセットガイド部材17は該下面とロッド21の曲げ部端
面が当接して下降できない。また、モータ24を回転させ
てロッドを右方向に移動させ、第１のカセットガイド部
材17の下面から離れたところにてモータ24を停止するこ
とにより、第１のカセットガイド部材17は自在に下降で
きることになる。同様にモータ24を回転させて第２のカ
セットガイド部材17′の下面の下にロッドの曲げ部を位
置させるときは第２のカセットガイド部材17′は下降で
きない。また、モータ24を回転させてロッドを移動さ
せ、第１のカセットガイド部材17の下面から離れたとこ
ろにてモータ24を停止することにより、第１のカセット
ガイド部材17は自在に下降できることになる。ここでロ
ッド21及びラックとピニオン22,23、モータ24は所定の
ガイド部材の下降を阻止する阻止手段を構成している。
なお、モータ24の停止動作はロッド21の停止位置を検出
する位置検出センサー（図示せず）を設けることによ
り、より確実なものになる。

第５図は、本発明の第三の実施例におけるカセットガ
イド部材とロッドの関係を示す平面図である。第５図に
おいて27及び27′は支軸であり、各々第1,第２のカセッ
トガイド部材17,17′と係合して第1,第２のカセットガ
イド部材17,17′の回り止めの役目をする。

第６図は本発明の第三の実施例におけるカセットホル
ダーとカセットの関係図である。第６図において、25,2
6はカセットの種類を判別する判別手段を構成するスイ
ッチであり、カセットホルダー２に固定されている。
今、リールから背面までの距離が小さな第１のカセット
1aが挿入されたときはスイッチ25のみが導通し、リール
から背面までの距離が大きな第２のカセット1bが挿入さ
れたときはスイッチ25及び26の両方が導通することによ
り、第１のカセット1aと第２のカセット1bを判別するこ
とができる。カセットの種類が２種類以上の時は、種類
に応じて同様のスイッチを設けることにより、各々のカ
セットを判別することができる。以上の構成で、カセッ
ト1a又は1bをカセットホルダー２に挿入したときにカセ
ットの種類を判別し、その挿入カセットの種類に応じて
そのカセットの背面に当接するカセットガイド部材のみ
が下降しないようにモータ24を回転させてロッド21を移
動させ、他のカセットガイド部材は下降するようにして
おく。そうすればカセットの背面に当接するカセットガ
イド部材が側圧を受けて摩擦のためにカセットの下降と
ともに下降することを阻止でき、より確実なカセットの
装着が実現できる。以上、２種類のカセットで説明した
がこの場合も、前述のように２種類以上のカセットを使
用する場合でもカセットの寸法に応じてカセットガイド
部材を設けることにより同様に実現できる。また、本実
施例では１つのロッドにてカセットガイド部材の下降を
阻止したが、２つ以上の独立したロッドにてカセットガ
イド部材の下降を阻止してもよい。この場合、装着され
るべきカセットよりリール中心から背面までの寸法が大
きなカセットの背面に沿うように位置されたカセットガ
イド部材は下降する必要はない。

発明の効果 以上のように本発明によると、リール中心から背面ま
でのカセット外形寸法が互いに異なる２種類以上のカセ
ットを使用するときに、比較的簡単な構成でカセット装
着動作を確実にすることができ、装着不良にて生ずるテ
ープの損傷、記録再生ミスを防止することができ、信頼
性が高い装置をつくることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第一の実施例である磁気記録再生装置
の第１のカセット装着時の側面図、第２図は本発明の第
一の実施例である磁気記録再生装置の第２のカセット装
着時の側面図、第３図は本発明の第二の実施例である磁
気記録再生装置のカセット装着時の側面図、第４図は本
発明の第三の実施例である磁気記録再生装置のカセット
挿入時の側面図、第５図は本発明の第三の実施例である
磁気記録再生装置のカセットガイド部材とロッドの関係
を示す平面図、第６図は本発明の第三の実施例である磁
気記録再生装置のカセットホルダーとカセットの関係を
示した側面図、第７図はフロントローディングの説明を
するための斜視図、第８図は従来の磁気記録再生装置の
カセット装着時の側面図である。 １……カセット、２……カセットホルダー、３……基
盤、４……サイドプレート、５……アーム、６……ロッ
ド、７……蓋、８……回動支点、９……ねじりコイルば
ね、10……蓋開け部材、11……リール台、12……リー
ル、13……カセット位置決めピン、14……孔、15……支
軸、 16……圧縮ばね、17……カセットガイド部材、18……ス
トッパー、19……カセット背面、 20……カセットガイド部材、21……ロッド、 22……ラック、23……ピニオン、24……モータ、25,26
……スイッチ、27……支軸。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】リール中心からカセット背面までのカセッ
   ト外形寸法が各々異なり、前面に開閉自在の蓋を有する
   ２種類以上のカセットを装着して記録又は再生を行う磁
   気記録再生装置であって、挿入されたカセットを垂直方
   向に移動して所定の位置に装着させるカセット装着手段
   と、基盤上の装着されうるカセットの背面の位置に夫々
   垂直に植設された支軸と、該支軸と係合し柱状形状に形
   成され、該先端が挿入時のカセット下面の高さからカセ
   ット装着時のカセット下面以下の高さの範囲において上
   下に自在に保持されたガイド部材と、該ガイド部材を常
   に上方に付勢する付勢手段と、を具備し、前記カセット
   装着手段によるカセットの装着時にカセットの背面を前
   記いずれかのガイド部材の側面に沿うように各々のカセ
   ットの種類に応じて前記ガイド部材を配置したことを特
   徴とする磁気記録再生装置。
2. 【請求項２】カセットの種類のなかでリール中心からカ
   セット背面までのカセット外形寸法が最も大きなカセッ
   トの背面に沿うように設けたガイド部材を固定したこと
   を特徴とする請求項１記載の磁気記録再生装置。
3. 【請求項３】前記カセットの種類を判別する判別手段
   と、カセットが下降する以前に装着されるカセットの背
   面に沿うべきガイド部材の下降を阻止する阻止手段と、
   を具備したことを特徴とする請求項１又は２記載の磁気
   記録再生装置。