JPH05197765A - 画像検索方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像検索のための表示品質を低下させること
なく検索のための表示を高速化する。 【構成】 検索対象となり得る原画像に基づいて複数の
多角形データからなる図形データを作成して検索用デー
タベースに格納しておき、画像検索が指示された場合に
検索用データベースから図形データを順次読み出して可
視的に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は画像検索方法およびそ
の装置に関し、さらに詳細にいえば、画像データベース
・システム、マルチメディア・システム等において多数
の画像を順次表示し、順次表示される画像を見て所望の
画像を検索するための方法およびその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から多数の画像を順次表示し、順次
表示される画像の中から所望の画像を検索するための方
法として次の２つの方法が提案されている。第１の方法
は、検索対象となる原画像を間引く等の処理を施して画
像データを圧縮した状態で検索結果表示用の画像（以
下、候補画像と称する）としてアクセスタイムが短い記
憶装置に格納しておく。そして、画像検索時に記憶装置
から候補画像を読出して複数枚同時に表示し、何れかの
候補画像が選択されたことを条件として光ディスク等の
大容量の記憶装置から原画像を読出して表示する方法で
ある。

【０００３】したがって、原画像のみに基づく画像検索
を行なう場合と比較して、画像データが圧縮されている
関係上、候補画像の表示を高速化でき、ひいては画像検
索を高速化できる。第２の方法は、検索対象となる原画
像を構成する画像データを低周波成分から高周波成分へ
と階層化して管理し、外部記憶装置に格納しておく。そ
して、画像検索時に外部記憶装置から階層化された各周
波数成分を低周波成分から順に読出して表示し、表示さ
れている候補画像が選択されたことを条件として光ディ
スク等の大容量の記憶装置から原画像を読出して表示す
る方法である。

【０００４】即ち、階層化された各周波数成分のデータ
量が原画像のデータ量と比較して著しく少なくなってい
るとともに、各周波数成分に基づいて表示された画像
（低周波成分のみに基づく画像がボケたような画像であ
り、高い周波数成分に基づく表示が加えられることによ
り徐々に鮮明な画像になる）を見て選択されるべき画像
であるか否かを判別できるのであるから、全ての周波数
成分の画像データに基づく表示が行なわれる前に要否が
判別でき、以後の表示が不要になるのであるから画像検
索を高速化できる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記第１の方法を採用
した場合には、原画像に対する候補画像のデータ圧縮率
が高ければ画像検索の十分な高速化を達成できるのであ
るが、無条件にデータ圧縮率を高めることができるので
はなく、候補画像を見て原画像が推定できる程度の画像
品質が要求されるのであるからデータ圧縮率を余り高め
ることができない。この結果、候補画像データの読出し
および転送に時間がかかるとともに、候補画像データが
ラスターデータ形式であるから候補画像の高速表示には
限界があり、本の頁をめくる程度の速度で候補画像を表
示することは到底不可能である。また、候補画像１枚当
りのデータ量が比較的多いのであるから、著しく大容量
の高速記憶装置が必要になり、画像検索システム全体と
して著しいコストアップを招いてしまう。

【０００６】第２の方法を採用した場合には、当初表示
される候補画像がボケているのであるから候補画像を短
時間で識別することが著しく困難であり、しかも候補画
像が当初はボケた状態で表示されるのであるから著しく
画像品質が劣化したという印象を与えてしまう。

【０００７】

【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、候補画像の品質を高く維持したままで検
索のための候補画像の表示を著しく高速化できる画像検
索方法およびその装置を提供することを目的としてい
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、請求項１の画像検索方法は、検索対象となる、ピ
クセル単位で色が定まる画像データに基づいてポリゴン
で構成される図形データを作成して画像検索のための情
報と共に記憶装置に格納しておき、画像検索が指示され
たことに応答して画像検索候補となる図形データを記憶
装置から読出して描画し、該当する図形データが選択さ
れるまで図形データの読出しおよび描画を反復する方法
である。

【０００９】請求項２の画像検索方法は、検索対象とな
る画像データに基づいて実質的に同一の色度の領域のそ
れぞれに対応して図形データを作成し、画像検索のため
の情報と共に記憶装置に格納する方法である。請求項３
の画像検索装置は、検索対象となる、ピクセル単位で色
が定まる画像データに基づいてポリゴンで構成される図
形データを作成する図形データ作成手段と、作成された
図形データを画像検索のための情報と共に保持する図形
データ保持手段と、画像検索が指示されたことに応答し
て画像検索候補となる図形データを記憶装置から読出す
図形データ読出し手段と、読出された図形データに基づ
く描画を行なう図形描画手段と、該当する図形データが
選択されるまで図形データ読出し手段による図形データ
の読出しおよび図形描画手段による描画を反復させる反
復制御手段とを含んでいる。

【００１０】請求項４の画像検索装置は、図形データ作
成手段が、検索対象となる画像データに基づいて実質的
に同一の色度の領域を抽出する領域抽出手段と、抽出さ
れた領域のそれぞれに対応して図形データを作成する個
別図形データ作成手段とを含んでいる。請求項５の画像
検索方法は、検索対象となる、ピクセル単位で色が定ま
る画像データに基づいてコンスタントシェーディングに
より描画されるべきポリゴンで構成される図形データを
作成して画像検索のための情報と共に記憶装置に格納し
ておき、画像検索が指示されたことに応答して画像検索
候補となる図形データを記憶装置から読出してコンスタ
ントシェーディングにより描画し、該当する図形データ
が選択されるまで図形データの読出しおよび描画を反復
する方法である。

【００１１】請求項６の画像検索装置は、検索対象とな
る、ピクセル単位で色が定まる画像データに基づいてコ
ンスタントシェーディングにより描画されるべきポリゴ
ンで構成される図形データを作成する図形データ作成手
段と、作成された図形データを画像検索のための情報と
共に保持する図形データ保持手段と、画像検索が指示さ
れたことに応答して画像検索候補となる図形データを図
形データ保持手段から読出す図形データ読出し手段と、
読出された図形データに基づいてコンスタントシェーデ
ィングによる描画を行なう図形描画手段と、該当する図
形データが選択されるまで図形データ読出し手段による
図形データの読出しおよび図形描画手段による描画を反
復させる反復制御手段とを含んでいる。

【００１２】

【作用】請求項１の画像検索方法であれば、検索対象と
なる、ピクセル単位で色が定まる画像データに基づいて
ポリゴンで構成される図形データを作成して画像検索の
ための情報と共に記憶装置に格納しておくのであり、図
形データは多角形の頂点データ、色データ等の著しく少
ない量のデータで十分であるから、原画像データに対す
る図形データの比率が著しく小さくなり、図形データを
格納しておくための記憶装置の容量を大幅に低減でき
る。また、画像検索が指示されたことに応答して画像検
索候補となる図形データを記憶装置から読出して描画す
るのであるから、図形データの読出し、転送を著しく高
速化でき、しかも得られた図形データに基づいて描画を
行なうのであるから、ラスターデータ形式のデータに基
づく描画と比較して描画所要時間を大幅に短縮できる。
したがって、該当する図形データが選択されるまで図形
データの読出しおよび描画を反復することにより、本の
頁をめくるような速度で検索対象となる画像に対応する
図形を表示でき、高速の画像検索を達成できる。

【００１３】請求項２の画像検索方法であれば、検索対
象となる画像データに基づいて実質的に同一の色度の領
域のそれぞれに対応して図形データを作成し、画像検索
のための情報と共に記憶装置に格納するのであるから、
検索時には、各図形データに基づく２次元の描画を行な
えばよく、描画を高速化でき、しかも原画像と比較して
多少画像品質が低下するが全体としてみれば原画像にか
なり忠実な図形を描画できる。

【００１４】請求項３の画像検索装置であれば、図形デ
ータ作成手段により、検索対象となる、ピクセル単位で
色が定まる画像データに基づいてポリゴンで構成される
図形データを作成して画像検索のための情報と共に図形
データ保持手段に格納しておくのであり、図形データは
多角形の頂点データ、色データ等の著しく少ない量のデ
ータで十分であるから、原画像データに対する図形デー
タの比率が著しく小さくなり、図形データ保持手段の容
量を大幅に低減できる。また、画像検索が指示されたこ
とに応答して図形データ読出し手段により画像検索候補
となる図形データを記憶装置から読出して描画するので
あるから、図形データの読出し、転送を著しく高速化で
き、しかも得られた図形データに基づいて図形描画手段
により描画を行なうのであるから、ラスターデータ形式
のデータに基づく描画と比較して描画所要時間を大幅に
短縮できる。したがって、該当する図形データが選択さ
れるまで反復制御手段により図形データの読出しおよび
描画を反復することにより、本の頁をめくるような速度
で検索対象となる画像に対応する図形を表示でき、高速
の画像検索を達成できる。

【００１５】請求項４の画像検索装置であれば、検索対
象となる画像データに基づいて実質的に同一の色度の領
域を領域抽出手段により抽出し、抽出された領域のそれ
ぞれに対応して個別図形データ作成手段により図形デー
タを作成し、画像検索のための情報と共に図形データ保
持手段に格納するのであるから、検索時には、各図形デ
ータに基づいて２次元の描画を行なえばよく、描画を高
速化でき、しかも原画像と比較して多少画像品質が低下
するが全体としてみれば原画像にかなり忠実な図形を描
画できる。

【００１６】請求項５の画像検索方法であれば、検索対
象となる、ピクセル単位で色が定まる画像データに基づ
いてコンスタントシェーディングにより描画されるべき
ポリゴンで構成される図形データを作成して画像検索の
ための情報と共に記憶装置に格納しておくのであり、図
形データは多角形の頂点データ、コンスタントシェーデ
ィングのための色データ等の著しく少ない量のデータで
十分であるから、原画像データに対する図形データの比
率が著しく小さくなり、図形データを格納しておくため
の記憶装置の容量を大幅に低減できる。また、画像検索
が指示されたことに応答して画像検索候補となる図形デ
ータを記憶装置から読出して各ポリゴンを描画するので
あるから、図形データの読出し、転送を著しく高速化で
き、しかも得られた図形データに基づいてコンスタント
シェーディングにより描画を行なうのであるから、ラス
ターデータ形式のデータに基づく描画と比較して描画所
要時間を大幅に短縮できる。したがって、該当する図形
データが選択されるまで図形データの読出しおよびコン
スタントシェーディングによる描画を反復することによ
り、本の頁をめくるような速度で検索対象となる画像に
対応する図形を表示でき、高速の画像検索を達成でき
る。尚、この場合には、全てのポリゴンをコンスタント
シェーディングにより描画する関係上、検索のための画
像の品質が多少低下することになるが、各画像毎のデー
タサイズを著しく小さくでき、少ない要領のメモリで検
索用画像データの蓄積を達成でき、しかもデータ転送を
含めて画像検索のための所要時間を著しく短縮できると
いう著しい利点を有しているのであるから、上記多少の
品質の低下はさほど問題にはならない。

【００１７】請求項６の画像検索装置であれば、図形デ
ータ作成手段により、検索対象となる、ピクセル単位で
色が定まる画像データに基づいてコンスタントシェーデ
ィングにより描画されるべきポリゴンで構成される図形
データを作成して画像検索のための情報と共に図形デー
タ保持手段に格納しておくのであり、図形データは多角
形の頂点データ、コンスタントシェーディングのための
色データ等の著しく少ない量のデータで十分であるか
ら、原画像データに対する図形データの比率が著しく小
さくなり、図形データ保持手段の容量を大幅に低減でき
る。また、画像検索が指示されたことに応答して図形デ
ータ読出し手段により画像検索候補となる図形データを
記憶装置から読出して描画するのであるから、図形デー
タの読出し、転送を著しく高速化でき、しかも得られた
図形データに基づいて図形描画手段によりコンスタント
シェーディングによる描画を行なうのであるから、ラス
ターデータ形式のデータに基づく描画と比較して描画所
要時間を大幅に短縮できる。したがって、該当する図形
データが選択されるまで反復制御手段により図形データ
の読出しおよび描画を反復することにより、本の頁をめ
くるような速度で検索対象となる画像に対応する図形を
表示でき、高速の画像検索を達成できる。尚、この場合
には、全てのポリゴンをコンスタントシェーディングに
より描画する関係上、検索のための画像の品質が多少低
下することになるが、各画像毎のデータサイズを著しく
小さくでき、少ない要領のメモリで検索用画像データの
蓄積を達成でき、しかもデータ転送を含めて画像検索の
ための所要時間を著しく短縮できるという著しい利点を
有しているのであるから、上記多少の品質の低下はさほ
ど問題にはならない。

【００１８】

【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。図６はこの発明の画像検索方法が実施される
画像検索システムの構成を示す概略図であり、光ディス
ク等の大容量記憶装置１ａを有するホスト・コンピュー
タ・システム１と、画像検索のための処理を行なうグラ
フィックス処理装置２とを通信回線３を介して接続して
いる。

【００１９】図１はこの発明の画像検索方法のうち、原
画像に基づいて図形データを作成する処理を説明するフ
ローチャートであり、ステップＳＰ１において原画像を
取込み、ステップＳＰ２において原画像の色データ（例
えばＲＧＢデータ）を色度データ（例えばｕｖデータ）
に変換する。ここで、ＲＧＢデータからｕｖデータへの
変換は例えば、ｕ＝４Ｘ／（Ｘ＋１５Ｙ＋３Ｚ）および
ｖ＝６Ｙ／（Ｘ＋１５Ｙ＋３Ｚ）の演算を行なうことに
より達成できる。但し、Ｘ＝０．６０７Ｒ＋０．１７４
Ｇ＋０．２０１Ｂ、Ｙ＝０．２９９Ｒ＋０．５８７Ｇ＋
０．１１４Ｂ、Ｚ＝０．０６６Ｇ＋１．１１７Ｂであ
る。

【００２０】次いで、ステップＳＰ３において、変換さ
れたｕｖデータに基づいて同一のｕｖデータを有する領
域に原画像を分割する。具体的には、例えばステップＳ
Ｐ２において得られたｕ，ｖ値の出現頻度を算出し、出
現頻度が多い順に所望の数のｕ，ｖ値を代表色として選
択する。但し、ｕｖ色度図上において各代表色間の距離
が所定距離以上離れるように代表色を選択する。そし
て、代表色として選択されなかった色についてはｕｖ色
度図上で最も距離が短い代表色のｕｖ値で置換する。そ
して、ステップＳＰ４において、分割された領域を多角
形で近似し［具体的には、例えば、ステップＳＰ３にお
ける領域分割の結果に基づいて明確化された領域の境界
線を折れ線近似し、頂点数、頂点の座標およびＲＧＢデ
ータに基づいて多角形を表現する。多角形の表現例は例
えば、［ｎ，｛（ｘ１，ｙ１，Ｒ０，Ｇ０，Ｂ０），
（ｘ２，ｙ２，Ｒ０，Ｇ０，Ｂ０），・・・，（ｘｎ，
ｙｎ，Ｒ０，Ｇ０，Ｂ０）｝］となる。ここで、ＲＧＢ
値は代表色のｕ，ｖ値から逆算した仮の値（ＲＧＢ比）
で色情報のみを持たせている］、ステップＳＰ５におい
て、近似された多角形の中から所定面積よりも小さい多
角形領域を除去して図形データを得る。具体的には、例
えば周囲長等を算出して多角形領域の判別を行ない、近
似された多角形自体が小さい場合には該当する多角形が
除去され、近似された多角形が複雑な形状であって、小
さい突出領域を有するような場合には該当する突出領域
が除去されるので、最終的に得られる多角形は比較的単
純な形状の多角形のみになり、データ量を著しく少なく
できる。

【００２１】以上のように多角形近似および小領域除去
が行なわれた後は、ステップＳＰ６において多角形デー
タを面積順にソートすることにより、２次元的な描画を
行なった場合に正確な描画が達成できる描画順序を得、
ステップＳＰ７において各図形データに明度情報を付与
する。具体的には、例えば、上記仮のＲＧＢ値に基づい
て（Ｒｎ，Ｇｎ，Ｂｎ）＝｛（Ｒ＋Ｇ＋Ｂ）／（Ｒ０＋
Ｇ０＋Ｂ０）｝（Ｒ０，Ｇ０，Ｂ０）の演算を行なって
明度値を得たＲＧＢ値に変更する。但し、Ｒ＋Ｇ＋Ｂは
各頂点座標に対応する位置での原画像の明度値である。
そして、ステップＳＰ８において、得られた図形と原画
像との誤差が所定値よりも大きいか否か、即ち、近似さ
れた多角形の明暗を直線補間した場合に原画像と所定値
よりも大きい誤差が存在するか否かを判別し、大きいと
判別された場合にはステップＳＰ９において、得られた
多角形を分割し（具体的には明暗の誤差が最大になる点
を通る線分で得られた図形を分割し）、再びステップＳ
Ｐ７の処理を行なう。逆に、ステップＳＰ８において誤
差が所定値以下であると判別された場合にはステップＳ
Ｐ１０において得られた図形データを記憶装置に格納す
る。

【００２２】したがって、以上の一連の処理を行なうこ
とにより、原画像をかなり忠実に再現できる図形データ
を得ることができる。図２は作成された図形データに基
づく処理を説明するフローチャートであり、画像検索が
指示された場合に、ステップＳＰ１において図形データ
メモリ（大容量記憶装置１ａに含まれていてもよく、ま
た大容量記憶装置１ａと別体であってもよい）から順に
図形データを読み出し、ステップＳＰ２において、読み
出した図形データに基づいて補間演算等を行なって原画
像に対応する図形を可視的に表示し、ステップＳＰ３に
おいて可視的に表示されている図形が検索対象図形とし
て選択されたか否かを判別し、検索対象図形として選択
されない場合には再びステップＳＰ１の処理を行なう。
逆に、ステップＳＰ３において検索対象図形として選択
された場合には、ステップＳＰ４において該当する原画
像データを大容量記憶装置１ａから読み出し、ステップ
ＳＰ５において原画像を可視的に表示して一連の処理を
終了する。

【００２３】以上の説明から明らかなように、検索途中
においては原画像データに基づく可視的表示ではなく対
応する図形データに基づく可視的表示を行なうのである
から、かなり高速に、即ち、頁をめくる程度の速度で図
形を順次可視的に表示でき、何れかの図形が検索対象と
して選択された場合にのみ原画像を可視的に表示でき
る。

【００２４】したがって、図１の処理を行なうことによ
り原画像にある程度忠実な図形を規定する図形データを
検索用データベースとして登録しておくことができ、原
画像自体を登録しておく場合と比較して検索用データベ
ースの容量を大幅に少なくできるとともに、原画像と比
較して余り品質が低下していない図形を検索用データベ
ースとして登録できる。そして、実際に検索を行なう場
合には、図形データに基づく可視的表示を行なうのであ
るから原画像に基づく可視的表示と比較して表示速度を
著しく高速化でき、しかも検索用の図形の品質が原画像
に対してかなり高く維持でき、この結果、高品質かつ高
速の画像検索を達成できることになる。

【００２５】

【実施例２】図３はこの発明の画像検索装置の一実施例
を示すブロック図であり、原画像取り込み部１１と、原
画像取り込み部１１により取り込まれたＲＧＢデータに
基づいて所定の変換処理を施すことにより色度データに
変換するＲＧＢ／ｕｖ変換部１２と、変換された色度デ
ータの中から出現頻度が高い複数の色度値を代表色とし
て選択する代表色選択部１３と、選択されなかった色度
データを最も色度が近い代表色の色度値で置換する色度
値置換部１４と、色度値に基づいて原画像を複数の領域
に分割する領域分割部１５と、小領域を除去して単純な
多角形データを得る領域補正部１６と、多角形データを
面積順にソートする多角形ソート部１７と、各多角形に
明度情報を付与する明度情報付与部１８と、明度情報が
付与された多角形と原画像との誤差が所定値よりも大き
いか否かを判別して誤差が所定値以下である場合に複数
の多角形データを原画像に対応する図形を示すデータと
して検索用データベース２０に供給する誤差判別部１９
と、誤差が所定値よりも大きいことを示す誤差判別部１
９からの判別結果に応答して該当する多角形を分割して
明度情報付与部１８に再び供給する多角形分割部２１
と、原画像をそのまま保持する原画像保持部２２と、画
像検索指示に応答して検索用データベース２０から図形
データを順次読み出す図形データ読み出し部２３と、読
み出された図形データに基づいて補間演算、描画処理等
を行なって図形を可視的に表示する図形表示部２４と、
表示された図形が検索対象であるか否かを判別する図形
判別部２５と、表示された図形が検索対象であることを
示す図形判別部２５からの判別結果に応答して原画像保
持部２２から該当する原画像データを読み出して可視的
に表示する原画像表示部２６と、表示された図形が検索
対象でないことを示す図形判別部２５からの判別結果に
応答して図形データ読み出し部２３の動作を反復される
反復制御部２７とを有している。

【００２６】上記構成の画像検索装置の作用は次のとお
りである。先ず、検索対象となり得る原画像が原画像取
り込み部１１により取り込まれる毎に、原画像取り込み
部１１により取り込まれたＲＧＢデータに基づいて所定
の変換処理を施すことによってＲＧＢ／ｕｖ変換部１２
において色度データに変換し、代表色選択部１３によ
り、変換された色度データの中から出現頻度が高い複数
の色度値を代表色として選択し、色度値置換部１４によ
り、選択されなかった色度データを最も色度が近い代表
色の色度値で置換する。そして、色度値に基づいて領域
分割部１５により原画像を複数の領域に分割し、該当す
る場合には領域補正部１６により小領域を除去して単純
な多角形データを得、多角形ソート部１７により多角形
データを面積順にソートする。さらに、明度情報付与部
１８により各多角形に明度情報を付与し、明度情報が付
与された多角形と原画像との誤差が所定値よりも大きい
か否かを誤差判別部１９により判別して誤差が所定値以
下である場合に複数の多角形データを原画像に対応する
図形を示すデータとして検索用データベース２０に供給
する。逆に、誤差が所定値よりも大きい場合には多角形
分割部２１により該当する多角形を分割して明度情報付
与部１８に再び供給する。したがって、分割後の各多角
形にはそれぞれ対応する明度情報が付与される。また、
取り込まれた原画像はそのまま原画像保持部２２に保持
される。

【００２７】以上のようにして検索用データベース２０
に図形データが格納された後に画像検索指示があった場
合には、図形データ読み出し部２３により検索用データ
ベース２０から図形データを順次読み出し、読み出され
た図形データに基づいて図形表示部２４により補間演
算、描画処理等を行なって図形を可視的に表示する。そ
して、図形判別部２５により、表示された図形が検索対
象でないと判別されれば、反復制御部２７により図形デ
ータ読み出し部２３を反復動作させるので、次の図形を
可視的に表示する。逆に、図形判別部２５により、表示
された図形が検索対象であると判別されれば、原画像表
示部２６により原画像保持部２２から該当する原画像デ
ータを読み出して可視的に表示する。

【００２８】したがって、原画像にかなり忠実な図形に
基づいて高速に画像検索を行なうことができる。

【００２９】

【実施例３】図４はこの発明の画像検索方法の他の実施
例のうち、原画像に基づいて図形データを作成する処理
を説明するフローチャートであり、ステップＳＰ１にお
いて原画像を取込み、ステップＳＰ２において原画像の
色データ（例えば、ＲＧＢデータ）を色度データ（例え
ば、ＣＩＥの３次元色信号データＬ^*ａ^*ｂ^*）に変換す
る。ここで、ＲＧＢデータからＬ^*ａ^*ｂ^*データへの変
換は、例えば、Ｌ^*＝１１６（Ｙ／Ｙ０）１／３−１
６、ａ^*＝５００｛（Ｘ／Ｘ０）１／３−（Ｙ／Ｙ０）
１／３｝、およびｂ^*＝２００｛（Ｙ／Ｙ０）１／３−
（Ｚ／Ｚ０）１／３｝の演算を行なうことにより達成で
きる。但し、（Ｘ０，Ｙ０，Ｚ０）は光源の三刺激値、
Ｘ＝０．６０７×Ｒ＋０．１７４×Ｇ＋０．２０１×
Ｂ、Ｙ＝０．２９９×Ｒ＋０．５８７×Ｇ＋０．１１４
×Ｂ、Ｚ＝０．０６６×Ｇ＋１．１１７×Ｂである。

【００３０】次いで、ステップＳＰ３において、変換さ
れたＬ^*ａ^*ｂ^*データに基づいて同一のＬ^*ａ^*ｂ^*データ
を有する領域に原画像を分割する。そして、ステップＳ
Ｐ４において、分割された領域を多角形で近似し｛具体
的には、例えば、ステップＳＰ３における領域分割の結
果に基づいて明確化された領域の境界線を折れ線近似
し、頂点数、頂点の座標および領域全体を代表するＲＧ
Ｂデータ（代表色のＬ^*ａ^*ｂ^*データから逆算した値）
に基づいて多角形を表現する｝、ステップＳＰ５におい
て、近似された多角形の中から所定面積よりも小さい多
角形領域を除去して図形データを得る。

【００３１】以上のように多角形近似および小領域除去
が行なわれた後は、ステップＳＰ６において多角形を面
積順にソートすることにより、２次元的な描画を行なっ
た場合に正確な描画が達成できる描画順序を得、ステッ
プＳＰ７において得られた図形データを記憶装置に格納
する。したがって、以上の一連の処理を行なうことによ
り、原画像をかなり忠実に（但し、図１のフローチャー
トよりも忠実度は低下する）再現できる図形データを得
ることができる。また、このようにして得られた図形デ
ータは図１のフローチャートにより得られた図形データ
と比較して著しくデータ量が少なく、少ない容量のメモ
リを用いて十分な数の図形データを蓄積できる。

【００３２】以上のようにして作成された図形データに
基づく処理は図２のフローチャートとほぼ同じであり、
異なる点は、図２のフローチャートのステップＳＰ２に
おける、補間演算等による可視的表示に代えて、コンス
タントシェーディングによる可視的表示を採用した点の
みである。したがって、この実施例の画像検索方法を採
用した場合には、各図形データのデータサイズを著しく
小さくできる関係上、データ転送所要時間を大幅に短縮
でき、ひいては画像検索所要時間を大幅に短縮できるこ
とになる。

【００３３】

【実施例４】図５はこの発明の画像検索装置の他の実施
例を示すブロック図であり、原画像取り込み部１１と、
原画像取り込み部１１により取り込まれたＲＧＢデータ
に基づいて所定の変換処理を施すことにより色度データ
に変換するＲＧＢ／Ｌ^*ａ^*ｂ^*変換部１２´と、変換さ
れた色度データの中から例えば出現頻度が高い色度値を
代表色として選択する代表色選択部１３と、選択されな
かった色度データを最も色度が近い代表色の色度値で置
換する色度値置換部１４と、色度値に基づいて原画像を
複数の領域に分割する領域分割部１５と、小領域を除去
して単純な多角形データを得る領域補正部１６と、多角
形データを面積順にソートする多角形ソート部１７と、
ソートされた多角形データを原画像に対応する図形を示
すデータとして保持する検索用データベース２０と、原
画像をそのまま保持する原画像保持部２２と、画像検索
指示に応答して検索用データベース２０から図形データ
を順次読み出す図形データ読み出し部２３と、読み出さ
れた図形データに基づいてコンスタントシェーディング
により図形を可視的に表示する図形表示部２４´と、表
示された図形が検索対象であるか否かを判別する図形判
別部２５と、表示された図形が検索対象であることを示
す図形判別部２５からの判別結果に応答して原画像保持
部２２から該当する原画像データを読み出して可視的に
表示する原画像表示部２６と、表示された図形が検索対
象でないことを示す図形判別部２５からの判別結果に応
答して図形データ読み出し部２３の動作を反復される反
復制御部２７とを有している。

【００３４】上記構成の画像検索装置の作用は次のとお
りである。先ず、検索対象となり得る原画像が原画像取
り込み部１１により取り込まれる毎に、原画像取り込み
部１１により取り込まれたＲＧＢデータに基づいて所定
の変換処理を施すことによってＲＧＢ／Ｌ^*ａ^*ｂ^*変換
部１２´において色度データに変換し、代表色選択部１
３により、変換された色度データの中から出現頻度が高
い複数の色度値を代表色として選択し、色度値置換部１
４により、選択されなかった色度データを最も色度が近
い代表色の色度値で置換する。そして、色度値に基づい
て領域分割部１５により原画像を複数の領域に分割し、
該当する場合には領域補正部１６により小領域を除去し
て単純な多角形データを得、多角形ソート部１７により
多角形データを面積順にソートして、ソートされた複数
の多角形データを原画像に対応する図形を示すデータと
して検索用データベース２０に供給する。また、取り込
まれた原画像はそのまま原画像保持部２２に保持され
る。

【００３５】以上のようにして検索用データベース２０
に図形データが格納された後に画像検索指示があった場
合には、図形データ読み出し部２３により検索用データ
ベース２０から図形データを順次読み出し、読み出され
た図形データに基づいて図形表示部２４´によりコンス
タントシェーディングに基づいて図形を可視的に表示す
る。そして、図形判別部２５により、表示された図形が
検索対象でないと判別されれば、反復制御部２７により
図形データ読み出し部２３を反復動作させるので、次の
図形を可視的に表示する。逆に、図形判別部２５によ
り、表示された図形が検索対象であると判別されれば、
原画像表示部２６により原画像保持部２２から該当する
原画像データを読み出して可視的に表示する。

【００３６】したがって、原画像にかなり忠実な図形に
基づいて高速に画像検索を行なうことができる。また、
全ての多角形をコンスタントシェーディングにより描画
するのであるから、多角形の各頂点毎に色データを割り
当てる必要がなく全体としてデータ量を少なくでき、デ
ータ転送所要時間、描画所要時間を大幅に短縮できると
ともに、色データの補間演算が不要になるので構成を簡
素化できる。

【００３７】

【発明の効果】以上のように請求項１の発明は、原画像
データに対する図形データの比率が著しく小さくなり、
図形データを格納しておくための記憶装置の容量を大幅
に低減できるとともに、画像検索が指示されたことに応
答して画像検索候補となる図形データを記憶装置から読
出して描画するのであるから、図形データの読出し、転
送、描画を著しく高速化でき、ひいては、該当する図形
データが選択されるまで図形データの読出しおよび描画
を反復することにより、本の頁をめくるような速度で検
索対象となる画像に対応する図形を表示でき、高速の画
像検索を達成できるという特有の効果を奏する。

【００３８】請求項２の発明は、請求項１の効果に加
え、検索対象となる画像データに基づいて実質的に同一
の色度の領域のそれぞれに対応して図形データを作成
し、画像検索のための情報と共に記憶装置に格納するの
であるから、検索時には、各図形データに基づいて２次
元の描画を行なえばよく、描画を高速化できるととも
に、原画像と比較して多少画像品質が低下するが全体と
してみれば原画像にかなり忠実な図形を描画できるとい
う特有の効果を奏する。

【００３９】請求項３の発明は、原画像データに対する
図形データの比率が著しく小さくなり、図形データを格
納しておくための記憶装置の容量を大幅に低減できると
ともに、画像検索が指示されたことに応答して画像検索
候補となる図形データを記憶装置から読出して描画する
のであるから、図形データの読出し、転送、描画を著し
く高速化でき、ひいては、該当する図形データが選択さ
れるまで図形データの読出しおよび描画を反復すること
により、本の頁をめくるような速度で検索対象となる画
像に対応する図形を表示でき、高速の画像検索を達成で
きるという特有の効果を奏する。

【００４０】請求項４の発明は、請求項１の効果に加
え、検索対象となる画像データに基づいて実質的に同一
の色度の領域のそれぞれに対応して図形データを作成
し、画像検索のための情報と共に記憶装置に格納するの
であるから、検索時には、各図形データに基づいて２次
元の描画を行なえばよく、描画を高速化できるととも
に、原画像と比較して多少画像品質が低下するが全体と
してみれば原画像にかなり忠実な図形を描画できるとい
う特有の効果を奏する。

【００４１】請求項５の発明は、全てのポリゴンをコン
スタントシェーディングにより描画するのであるから、
各画像毎のデータサイズを著しく小さくでき、少ない要
領のメモリで検索用画像データの蓄積を達成でき、しか
もデータ転送を含めて画像検索のための所要時間を著し
く短縮できるという特有の効果を奏する。請求項６の発
明も、全てのポリゴンをコンスタントシェーディングに
より描画するのであるから、各画像毎のデータサイズを
著しく小さくでき、少ない要領のメモリで検索用画像デ
ータの蓄積を達成でき、しかもデータ転送を含めて画像
検索のための所要時間を著しく短縮できるという特有の
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の画像検索方法のうち、原画像に基づ
いて図形データを作成する処理を説明するフローチャー
トである。

【図２】作成された図形データに基づく処理を説明する
フローチャートである。

【図３】この発明の画像検索装置の一実施例を示すブロ
ック図である。

【図４】この発明の画像検索方法の他の実施例のうち、
原画像に基づいて図形データを作成する処理を説明する
フローチャートである。

【図５】この発明の画像検索装置の他の実施例を示すブ
ロック図である。

【図６】この発明の画像検索方法が実施される画像検索
システムの構成を示す概略図である。

【符号の説明】

１ａ 大容量記憶装置 １２ ＲＧＢ／ｕｖ変換部 １３ 代表色選択部 １４ 色度値置換部 １５
領域分割部 １６ 領域補正部 １７ 多角形ソート部 １８
明度情報付与部 １９ 誤差判別部 ２０ 検索用データベース ２
１ 多角形分割部 ２３ 図形データ読み出し部 ２４ 図形表示部
２７ 反復制御部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 検索対象となる、ピクセル単位で色が定
   まる画像データに基づいてポリゴンで構成される図形デ
   ータを作成して画像検索のための情報と共に記憶装置
   （１ａ）に格納しておき、画像検索が指示されたことに
   応答して画像検索候補となる図形データを記憶装置（１
   ａ）から読出して描画し、該当する図形データが選択さ
   れるまで図形データの読出しおよび描画を反復すること
   を特徴とする画像検索方法。
2. 【請求項２】 検索対象となる画像データに基づいて実
   質的に同一の色度の領域のそれぞれに対応して図形デー
   タを作成し、画像検索のための情報と共に記憶装置（１
   ａ）に格納する請求項１に記載の画像検索方法。
3. 【請求項３】 検索対象となる、ピクセル単位で色が定
   まる画像データに基づいてポリゴンで構成される図形デ
   ータを作成する図形データ作成手段（１２）（１３）
   （１４）（１５）（１６）（１７）（１８）（１９）
   （２１）と、作成された図形データを画像検索のための
   情報と共に保持する図形データ保持手段（２０）と、画
   像検索が指示されたことに応答して画像検索候補となる
   図形データを図形データ保持手段（２０）から読出す図
   形データ読出し手段（２３）と、読出された図形データ
   に基づく描画を行なう図形描画手段（２４）と、該当す
   る図形データが選択されるまで図形データ読出し手段
   （２３）による図形データの読出しおよび図形描画手段
   （２４）による描画を反復させる反復制御手段（２７）
   とを含むことを特徴とする画像検索装置。
4. 【請求項４】 図形データ作成手段（１２）（１３）
   （１４）（１５）（１６）（１７）（１８）（１９）
   （２１）が、検索対象となる画像データに基づいて実質
   的に同一の色度の領域を抽出する領域抽出手段（１２）
   （１３）（１４）（１５）と、抽出された領域のそれぞ
   れに対応して図形データを作成する個別図形データ作成
   手段（１６）（１７）（１８）（１９）（２１）とを含
   んでいる請求項３に記載の画像検索装置。
5. 【請求項５】 検索対象となる、ピクセル単位で色が定
   まる画像データに基づいてコンスタントシェーディング
   により描画されるべきポリゴンで構成される図形データ
   を作成して画像検索のための情報と共に記憶装置（１
   ａ）に格納しておき、画像検索が指示されたことに応答
   して画像検索候補となる図形データを記憶装置（１ａ）
   から読出してコンスタントシェーディングにより描画
   し、該当する図形データが選択されるまで図形データの
   読出しおよび描画を反復することを特徴とする画像検索
   方法。
6. 【請求項６】 検索対象となる、ピクセル単位で色が定
   まる画像データに基づいてコンスタントシェーディング
   により描画されるべきポリゴンで構成される図形データ
   を作成する図形データ作成手段（１２）（１３）（１
   ４）（１５）（１６）（１７）（１８）（１９）（２
   １）と、作成された図形データを画像検索のための情報
   と共に保持する図形データ保持手段（２０）と、画像検
   索が指示されたことに応答して画像検索候補となる図形
   データを図形データ保持手段（２０）から読出す図形デ
   ータ読出し手段（２３）と、読出された図形データに基
   づいてコンスタントシェーディングによる描画を行なう
   図形描画手段（２４）と、該当する図形データが選択さ
   れるまで図形データ読出し手段（２３）による図形デー
   タの読出しおよび図形描画手段（２４）による描画を反
   復させる反復制御手段（２７）とを含むことを特徴とす
   る画像検索装置。