JPH05197069A - 近赤外線消色性下画つき用紙 - Google Patents

近赤外線消色性下画つき用紙

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JPH05197069A
JPH05197069A JP942392A JP942392A JPH05197069A JP H05197069 A JPH05197069 A JP H05197069A JP 942392 A JP942392 A JP 942392A JP 942392 A JP942392 A JP 942392A JP H05197069 A JPH05197069 A JP H05197069A
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JP
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Application number
JP942392A
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English (en)
Inventor
Katsumi Murofushi
克己 室伏
Kiichi Hosoda
喜一 細田
Takeo Shima
武雄 島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作図、着色などを行なったのちに、下画をほ
ぼ完全に消去することができる近赤外線消色性下画つき
用紙を提供すること。 【構成】 近赤外線吸収性染料および消色剤を含有した
記録材料下画を紙基材に形成してなる近赤外線消色性下
画つき用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は近赤外線消色性下画つき
用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、製品、建築構造物、レイアウト
などの設計やグラフなどの作図を行なうばあいには、方
眼紙(セクションペーパー)が用いられ、鉛筆などを用
いて設計、作図したあと、方眼紙上にトレーシングペー
パーを重ね合わせてトレースすることにより正式図面が
作成されている。
【0003】しかしながら、方眼紙上にトレーシングペ
ーパーを重ね合わせてトレースする作業は、図面などが
複雑なほど長時間を要し、しかも誤記などが発生しやす
くなるため、このようなトレーシングペーパーを用いず
に設計段階における作図用紙から正式図面などを容易に
作成しうる手段が永年思案されているが、未だ有効な解
決策が見出されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
前記実情に鑑みて煩雑なトレースという作業が不要であ
り、設計段階における作図用紙をそのまま正式図面とし
て使用しうる製図用紙を開発するべく鋭意研究を重ねた
結果、設計図面などの作成後に、あらかじめ作図用紙に
形成された方眼などの下画を容易にかつほぼ完全に消去
することができる下画つき用紙を見出し、さらに該下画
つき用紙は、図面作成用の下画つき用紙のみならず、ポ
スターの下書き用紙、ぬり絵の下書き用紙などとしても
好適に使用しうることを見出し、本発明を完成するにい
たった。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は一般
式(I) :
【0006】
【化4】
【0007】(式中、Xはハロゲンイオン、過塩素酸イ
オン、PF6 - 、SbF6 - 、OH- 、スルホン酸イオ
ンまたはBF4 - を示す)または一般式(II):
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 はそ
れぞれ独立して水素原子、炭化水素基またはヘテロ原子
を含む炭化水素基;Yは近赤外領域に吸収特性を有する
陽イオンを示す)で表わされる近赤外線吸収性染料およ
び一般式(III) :
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R5 、R6 、R7 およびR8 はそ
れぞれ独立してアルキル基、アリール基、アリル基、ア
ラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、
複素環基、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリ
ル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アル
キニル基または置換シリル基を示し、R5 、R6 、R7
およびR8 のうち少なくとも1個は炭素数1〜12のアル
キル基;R9 、R10、R11およびR12はそれぞれ独立し
て水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、アラ
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、置
換アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、置換ア
ラルキル基、置換アルケニル基または置換アルキニル基
を示す)で表わされる消色剤を含有した記録材料で下画
を紙基材に形成してなる近赤外線消色性下画つき用紙に
関する。
【0012】
【作用および実施例】本発明の近赤外線消色性下画つき
用紙は、その紙面に形成された下画をただ単に近赤外線
を照射するだけで消去することができ、消去後の図面な
どをたとえば正式図面などとしてそのまま使用すること
ができるので、トレースなどの必要がなく、図面などの
作成時間を大幅に短縮しうる従来に例をみないまったく
実用的でかつ画期的なものである。
【0013】本発明の近赤外線消色性下画つき用紙は、
前記したように、近赤外線吸収性染料および消色剤を含
有した記録材料で下画を紙基材に形成したものである。
【0014】前記記録材料は、近赤外線吸収性染料およ
び消色剤を必須成分として含有したものであり、その他
の成分は記録材料の種類に応じて適宜調整される。
【0015】前記近赤外線吸収性染料としては、一般式
(I) :
【0016】
【化7】
【0017】(式中、Xはハロゲンイオン、過塩素酸イ
オン、PF6 - 、SbF6 - 、OH- 、スルホン酸イオ
ンまたはBF4 - を示す)または一般式(II):
【0018】
【化8】
【0019】(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 はそ
れぞれ独立して水素原子、炭化水素基またはヘテロ原子
を含む炭化水素基;Yは近赤外領域に吸収特性を有する
陽イオンを示す)で表わされるものが用いられる。
【0020】前記ハロゲンイオンとしては、フッ素イオ
ン、塩素イオン、臭素イオンおよびヨウ素イオンがあげ
られ、またスルホン酸イオンとしては、たとえばCH3
SO3 - などのメチルスルホン酸イオン、FCH2 SO
3 - 、F2 CHSO3 - 、F3 CSO3 - 、ClCH2
SO3 - 、Cl2 CHSO3 - 、Cl3 CSO3 - 、C
3 OCH2 SO3 - 、(CH3 2 NCH2 SO3 -
などの置換メチルスルホン酸イオン、C6 5 SO3 -
などのフェニルスルホン酸イオン、CH3 6 4 SO
3 - 、(CH3 2 6 3 SO3 - 、(CH3 3
6 2 SO3 - 、HOC6 4 SO3 - 、(HO)2
6 3 SO3 - 、(HO)3 6 2 SO3 - 、CH3
OC6 4 SO3 - 、C6 4 ClSO3 - 、C6 3
Cl2 SO3 - 、C6 2 Cl3 SO3 - 、C6 HCl
4 SO3 - 、C6 Cl5 SO3 - 、C6 4 FSO3 -
6 3 2 SO3 - 、C6 2 3 SO3 - 、C6
4 SO3 - 、C6 5 SO3 - 、(CH3 2 NC6
4 SO3 - などの置換フェニルスルホン酸イオンなど
があげられる。
【0021】また、前記一般式(II)において、R1 、R
2 、R3 およびR4 の具体例としては、たとえば水素原
子、アルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環
基、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、
置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル
基、置換シリル基などがあげられる。これらのなかで好
ましいものの具体例としては、たとえば水素原子、フェ
ニル基、アニシル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘ
キシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ドデシル
基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、メトキシ
メチル基、メトキシエチル基、エトキシフェニル基、ト
ルイル基、t-ブチルフェニル基、フルオロフェニル基、
クロロフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、ビニル
基、アリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニ
ルシリル基、ジブチルフェニルシリル基、トリメチルシ
リル基、ピペリジル基、チエニル基、フリル基などがあ
げられる。また、R1 、R2 、R3 およびR4 のうち少
なくとも1個は炭素数1〜12のアルキル基であることが
好ましいが、かかるアルキル基のなかでもより好ましい
ものとしては、たとえばn-ブチル基、n-ペンチル基、n-
ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ドデシル
基などの炭素数が4〜12のアルキル基があげられる。
【0022】また、前記一般式(I) または(II)で表わさ
れる近赤外線吸収性染料のYとして好ましいものは、た
とえば近赤外領域に吸収特性を有するシアニン、トリア
リールメタン、アミニウム、ジインモニウム、チアジ
ン、キサンテン、オキサジン、スチリル、ピリリウム系
陽イオン染料などがあげられる。かかるYの代表例とし
ては、たとえば
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】などがあげられる。
【0026】前記近赤外線吸収性染料の配合量は、記録
材料の種類によって異なるので一概には決定することが
できないため、通常後述するように該記録材料の種類に
応じて調整される。
【0027】本発明に用いられる消色剤としては、一般
式(III) :
【0028】
【化11】
【0029】(式中、R5 、R6 、R7 およびR8 はそ
れぞれ独立してアルキル基、アリール基、アリル基、ア
ラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、
複素環基、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリ
ル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アル
キニル基または置換シリル基を示し、R5 、R6 、R7
およびR8 のうち少なくとも1個は炭素数1〜12のアル
キル基:R9 、R10、R11およびR12はそれぞれ独立し
て水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、アラ
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、置
換アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、置換ア
ラルキル基、置換アルケニル基または置換アルキニル基
を示す)で表わされるものが用いられる。
【0030】前記消色剤の具体例としては、たとえばテ
トラメチルアンモニウムn-ブチルトリフェニルホウ素、
テトラメチルアンモニウムn-ブチルトリアニシルホウ
素、テトラメチルアンモニウムn-オクチルトリフェニル
ホウ素、テトラメチルアンモニウムn-オクチルトリアニ
シルホウ素、テトラエチルアンモニウムn-ブチルトリフ
ェニルホウ素、テトラエチルアンモニウムn-ブチルトリ
アニシルホウ素、テトラブチルアンモニウムn-ブチルト
リフェニルホウ素、テトラブチルアンモニウムn-ブチル
トリアニシルホウ素、テトラオクチルアンモニウムn-オ
クチルトリフェニルホウ素、テトラブチルアンモニウム
n-ドデシルトリフェニルホウ素、トリメチルハイドロゲ
ンアンモニウムn-ブチルトリフェニルホウ素、トリエチ
ルハイドロゲンアンモニウムn-ブチルトリフェニルホウ
素、テトラハイドロゲンアンモニウムn-ブチルトリフェ
ニルホウ素、テトラメチルアンモニウムテトラブチルホ
ウ素、テトラエチルアンモニウムテトラブチルホウ素、
テトラn-ブチルアンモニウムテトラn-ブチルホウ素、テ
トラメチルアンモニウムトリn-ブチル(トリフェニルシ
リル)ホウ素、テトラエチルアンモニウムトリn-ブチル
(トリフェニルシリル)ホウ素、テトラブチルアンモニ
ウムn-ブチル(トリフェニルシリル)ホウ素、テトラメ
チルアンモニウムトリn-ブチル(ジメチルフェニルシリ
ル)ホウ素、テトラエチルアンモニウムトリn-ブチル
(ジメチルフェニルシリル)ホウ素、テトラブチルアン
モニウムトリn-ブチル(ジメチルフェニルシリル)ホウ
素、テトラメチルアンモニウムn-オクチルジフェニル
(ジn-ブチルフェニルシリル)ホウ素、テトラエチルア
ンモニウムn-オクチルジフェニル(ジn-ブチルフェニル
シリル)ホウ素、テトラブチルアンモニウムn-オクチル
ジフェニル(ジn-ブチルフェニルシリル)ホウ素、テト
ラメチルアンモニウムジメチルフェニル(トリメチルシ
リル)ホウ素、テトラエチルアンモニウムジメチルフェ
ニル(トリメチルシリル)ホウ素、テトラブチルアンモ
ニウムジメチルフェニル(トリメチルシリル)ホウ素な
どがあげられ、これらの消色剤は単独でまたは2種以上
を混合して用いられる。
【0031】前記消色剤の配合量は、前記近赤外線吸収
性染料の種類によって異なるので一概には決定すること
ができないが、通常前記近赤外線吸収性染料100 部(重
量部、以下同様)に対して0.1 〜2500部、好ましくは0.
5 〜1000部の範囲から選ばれる。かかる消色剤の配合量
が前記範囲よりも少ないばあいには、充分な消色性が付
与されなくなり、また前記範囲よりも多いばあいには、
えられた記録材料を用いて印刷された下画の耐光性がわ
るくなって変色、退色しやすくなる傾向がある。
【0032】前記記録材料としては、たとえばトナー、
インキ、インクリボン、感圧転写シート、感熱転写シー
トなどがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定
されるものではない。前記記録材料の代表的なものとし
ては、前述したもののなかではトナー、インキ、感圧転
写シートがあげられる。
【0033】前記トナーとは、近赤外線吸収性染料およ
び消色剤を結着用樹脂に配合したものを粉砕し、粉末状
の記録材料としたものである。
【0034】前記結着用樹脂としては、たとえばポリス
チレンなどで代表されるポリスチレン系樹脂、ポリエス
テル、不飽和ポリエステルなどで代表されるポリエステ
ル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレートな
どで代表される(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコ
ール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリビニルブチラール系樹脂、フェノールホルムア
ルデヒド樹脂、ロジン変性フェノールホルムアルデヒド
樹脂などがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限
定されるものではない。これら結着用樹脂は通常単独で
または2種以上を混合して用いられる。
【0035】なお、本発明においては、前記結着用樹脂
には必要により、たとえばポリオレフィンワックス、パ
ラフィン系ワックスなどのワックスが配合される。かか
るワックスの配合量は、かかるワックスを配合すること
による効果を充分に発現せしめるために前記結着用樹脂
100 部に対して0.1 部以上、好ましくは0.5 部以上とす
ることが望ましいが、かかるワックスの配合量が多すぎ
るばあいには電気的潜像を形成する感光体への成膜など
が発生する傾向があるので、前記結着用樹脂100 部に対
して20部以下、好ましくは10部以下とすることが望まし
い。
【0036】前記近赤外線吸収性染料の配合量は、前記
結着用樹脂100 部に対して0.01〜30部、好ましくは0.5
〜20部である。かかる近赤外線吸収性染料の配合量が前
記範囲よりも少ないばあいには、充分な着色性が付与さ
れなくなり、また前記範囲よりも多いばあいには、えら
れるトナーのトリボ電荷量に悪影響を与えることがあ
る。
【0037】なお、トナーには、たとえば帯電制御剤、
可塑剤、耐熱性老化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤
が適宜配合されていてもよい。
【0038】前記トナーの製造方法には、溶液法と溶融
法がある。
【0039】前記溶液法とは、近赤外線吸収性染料、消
色剤および結着用樹脂を有機溶剤に溶解混練し、これに
必要により添加剤を配合して溶融混合し、えられた混合
物から有機溶剤を除去したのち、たとえばハンマーミ
ル、カッターミルなどで粗粉砕したのち、たとえばジェ
ットミルなどで微粉砕してトナーを製造する方法であ
る。
【0040】また、前記溶融法とは、近赤外線吸収性染
料および消色剤を結着用樹脂に加熱溶融混練し、これに
必要により添加剤を配合し、混練後、冷却したのち、前
記溶液法と同様にして微粉砕してトナーを製造する方法
である。
【0041】前記トナーの粒子径の範囲は、通常30μm
以下、なかんづく3〜25μm程度となるように調整され
るのが好ましい。また、前記トナーの平均粒子径は、通
常20μm以下、なかんづく7〜15μm程度であることが
好ましい。かかる平均粒子径が20μmをこえるばあいに
は、原画に対して忠実な画像の再現が困難となる傾向が
ある。
【0042】記録材料としてトナーを用いて下画を紙基
材に形成する方法としては、たとえばいわゆる静電荷像
現像用複写機を用いて所定の下画を形成する方法が代表
例としてあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定
されるものではない。
【0043】前記トナーを用いて下画を紙基材に形成す
る方法は、所定の画像を正確に少量だけ複写する必要が
あるばあいにとくに有効である。
【0044】前記インキとしては、たとえば印刷インキ
をはじめ、水性ペン用インキ、フエルトペン用インキな
どがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定され
るものではない。前記インキの代表的なものとしては、
前述したもののなかでは印刷インキがあげられる。
【0045】前記印刷インキは、被印刷物である紙基材
の表面にインキを定着させるためのビヒクルに近赤外線
吸収性染料および消色剤を混合することによりえられ
る。
【0046】前記ビヒクルとしては、たとえば空気中に
放置する比較的短時間で乾燥する乾性油、乾燥性、艶、
転移性などを改善するための樹脂および必要な粘度と流
動性を与える溶剤からなる。
【0047】前記乾性油としては、たとえばアマニ油、
シナキリ油、大豆油、ヒマシ油などがあげられる。
【0048】前記樹脂としては、たとえばロジン、セラ
ックなどの天然樹脂;硬化ロジン、ロジンエステル、マ
レイン酸樹脂、フマル酸樹脂などの天然樹脂誘導体;フ
ェノール樹脂、キシレン樹脂、尿素- メラミン樹脂、ケ
トン樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル- 酢酸ビニル樹
脂、ブチラール樹脂、スチレン- マレイン酸樹脂、塩素
化ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリエステル、アル
キッド樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン、ニトロセルロースなどのような合成樹脂があげられ
る。
【0049】前記溶剤としては、たとえばヘキサン、ヘ
プタン、ゴム揮発油などの脂肪族炭化水素類;トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、シクロヘキシルア
ルコールなどのアルコール類;ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、グリセリンなどのグリコール類;エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレン
グリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテルアセテートなどのグリコ
ール誘導体;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチ
ルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケト
ン類などがあげられる。
【0050】前記乾性油、樹脂および溶剤の配合量は、
印刷インキの種類によって異なるので一概には決定する
ことができないが、通常ビヒクル中に乾性油が10〜30重
量%、樹脂が20〜40重量%、また溶剤が30〜60重量%含
有されるように調整される。
【0051】なお、前記ビヒクルには、必要に応じて可
塑剤、填料、紫外線吸収剤、ワックスなどを配合しても
よい。
【0052】前記近赤外線吸収性染料の配合量は、通常
ビヒクル100 部に対して0.01〜90部、なかんづく0.5 〜
20部の範囲内で調整される。かかる配合量が前記範囲よ
りも少ないばあいには、着色性が充分でなくなり、また
前記範囲よりも多いばあいには、消色に要する時間が長
くなるようになる。
【0053】印刷インキを用いて下画を紙基材に形成す
る方法としては、たとえばオフセット印刷、凸版印刷、
グラビア印刷、孔版印刷、フレキソ印刷、金属印刷、プ
ラスチック印刷、ガラス印刷、転写紙印刷などの特殊印
刷、インパクトプリンターなどのプリンターによる電子
式印刷などの方法があげられる。
【0054】前記印刷インキを用いて印字する方法は、
同一形状の画像を紙基材に形成したものを大量に生産す
る必要があるばあいにとくに有効である。
【0055】前記感圧転写シートとは、たとえばパラフ
ィンワックスなどのバインダーに近赤外線吸収性染料お
よび消色剤を配合し、さらにキシレン樹脂などの柔軟剤
を配合したものをポリエチレンテレフタレートなどの樹
脂フィルムやパラフィン紙などの表面に塗布したもので
ある。かかる感圧転写シートを用いたばあいには、同一
形状の画像を一度に大量には形成することができない
が、少数の下画を形成する際には、大がかりな印刷機や
複写機などが不要であるので簡便なものである。
【0056】前記感圧転写シートの使用に際しては、被
複写物である紙基材上に感圧転写シートを重ね合わせ、
押圧、印字することにより所定の形状を有する画像など
が形成される。
【0057】前記紙基材としては、本発明においてはと
くに限定がなく、いずれのものも使用しうる。かかる紙
基材の具体例としては、パルプからなる天然紙、天然樹
脂や合成樹脂からなる樹脂ペーパー、フィルムなどがあ
げられる。
【0058】前記記録材料を用いて形成された下画つき
用紙の下画の形状、模様、文字などは任意であり、前記
下画つき用紙をたとえば方眼紙(セクションペーパー)
として用いるばあいには、直角で交叉する複数の縦線お
よび横線を形成すればよく、またたとえばポスターの下
画、ぬり絵の下画などとして用いるばあいには、所望の
形状を形成すればよい。
【0059】なお、前記下画つき用紙をたとえばぬり絵
などに用いたばあいには、記録材料に含まれた近赤外線
吸収染料は、自然光下であっても該自然光に含有された
近赤外線によって徐々にではあるが消色するので、あえ
て近赤外線を照射するという手段をとらなくてもよい。
【0060】なお、本発明においては、たとえば作成後
に消去が必要とされる記号、文字などをあらかじめ紙基
材に前記近赤外線消色型トナーで形成しておいてもよ
く、また近赤外線を照射することにより消色されないこ
とが望まれる箇所には、あらかじめ近赤外線によって消
色されない、たとえば顔料などの色剤を含有したイン
キ、トナーなどを用いて印刷、複写などによって所望の
記号、文字などを形成しておいてもよい。
【0061】前記記録材料によって形成された印字、画
像などは、たとえば半導体レーザー、ハロゲンランプ、
発光ダイオードなどの手段で近赤外線を照射することに
より、消色させることができる。
【0062】かくして近赤外線を照射することにより、
あらかじめ形成された下画をほぼ完全に消色することが
できるが、新たに墨、印刷インキ、着色剤などで形成さ
れた印字、画像などは消色されないので、消色後の紙基
材は、そのまま正式図面などとして用いられる。
【0063】本発明の近赤外線消色性下画つき用紙は、
前記したように、一般に用いられているたとえば方眼紙
(セクションぺーパー)やぬり絵などと同様にしてたと
えば鉛筆、墨などを用いて製図、作図などを行なった
り、クレヨン、色鉛筆、絵の具などを用いて着色するこ
とができ、製図、作図などを完了したのちには、近赤外
線を照射するだけであらかじめ形成された下画が消色
し、消去されるので、製図、作図などをするばあいには
トレーシングペーパーを用いてトレースをする必要がま
ったくなく、製図、作図などに要する時間を大幅に短縮
しうるものである。
【0064】つぎに本発明の近赤外線消色性下画つき用
紙を実施例にもとづいてさらに詳細に説明するが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0065】実施例1〜9 表1に示す結着用樹脂、消色剤およびワックスと、表2
〜3に示す近赤外線吸収性染料を表4に示す配合割合で
混合し、加圧型ニーダーを用いて110 ℃に加熱し、溶融
混練して均一な組成となるように調製したのち、室温ま
で冷却して固化し、ついでジェットミルで粉砕した。つ
ぎに、風力分級機を用いて分級して平均粒子径約12μm
のトナー粒子をえた。
【0066】えられたトナー粒子100 部に対して表1に
示す外添剤を配合し、ヘンシェルミキサーで均一な組成
となるように混合して近赤外線消色型トナーをえた。
【0067】つぎに、えられたトナー5部およびノンコ
ートフェライトキャリア95部をポリプロピレン製ボトル
(内容量:500ml )に入れ、回転装置を用いて50rpm の
条件で30分間混合して現像剤(総重量300g)をえた。
【0068】印刷装置として、レーザービームプリンタ
ーKX-P4420(九州松下電器(株)製)および上下左右に
それぞれ2cmの余白が設けられ、線間距離が1mmの縦線
および横線が直交するように形成されたコピーマスター
を用い、前記現像剤が入れられたボトルを前記印刷装置
に装着し、印刷を行なった。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】えられた近赤外線消色性下画つき用紙を方
眼紙として用いて製品の設計を担当している男性10名に
より、所定の製品の製図を依頼した。
【0073】製図が完了したのち、近赤外線照射用アル
ミニウムコート型ハロゲンランプ(2 W/cm2 )を用
い、30cmの距離から近赤外線を照射して方眼紙に形成さ
れていた縦線および横線を消去して正式図面を作成し
た。
【0074】つぎに前記男性10名をパネラーとして近赤
外線消色性方眼紙を用いてえられた正式図面の評価を以
下の方法にもとづいて行なった。その結果を表4に示
す。
【0075】(イ)使用性 従来のトレースを行なっていたばあいとくらべて使用性
を評価した。評価基準は以下のとおり。
【0076】(評価基準) A:従来とくらべて作業性が向上したと評価した人が10
名 B:従来とくらべて作業性が向上したと評価した人が7
〜9名 C:従来とくらべて作業性が向上したと評価した人が6
名以下 (ロ)外観 目視により外観を観察して評価した。評価基準は以下の
とおり。
【0077】(評価基準) A:方眼紙の縦線および横線が消去され、正式図面とし
て充分に使用しうると評価した人が10名 B:正式図面として充分に使用しうると評価した人が7
〜9名 C:正式図面として充分に使用しうると評価した人が6
名以下
【0078】
【表4】
【0079】実施例10 実施例1で用いたのと同じトナーの原料20部、乾性油変
性アルキッド樹脂20部およびトルエン60部を混合し、充
分に溶解、分散させて印刷インキをえた。
【0080】えられた印刷インキを用い、オフセット印
刷により、実施例1でえられた方眼紙と同様の縦線およ
び横線を有する近赤外線消色性方眼紙をえた。
【0081】えられた近赤外線消色性方眼紙を用いて実
施例1と同様にして製図し、正式図面を作成した。
【0082】つぎに、正式図面の評価を実施例1と同様
にして行なったところ、使用性および外観のいずれも評
価はAであった。
【0083】以上のことから、本発明の近赤外線消色性
下画つき用紙は、作図後に近赤外線を照射するだけで形
成画像を速やかに消色することができ、しかも消色後の
用紙をそのまま正式な図面などとして使用することがで
きるので、従来の煩雑なトレースといった作業が不要な
ため、製図作業や作図作業の効率を格段に向上させるこ
とができるものであることがわかる。
【0084】
【発明の効果】本発明の近赤外線消色性下画つき用紙
は、図面などを完成したあとに、あらかじめ形成された
下画をほぼ完全に消去しうるものであり、トレースなど
の煩雑な製図、作図作業を不要としうるものであるの
で、製図、作図作業の効率を大幅に改善しうるものであ
る。したがって、本発明の近赤外線消色性下画つき用紙
は、たとえば設計図面作成用の方眼紙をはじめ、ぬり
絵、ポスター用下画つき用紙などとして好適に使用しう
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/36 5/30 C09B 23/00 L 7375−4H H 7375−4H M 7375−4H C09D 11/10 PSW 7415−4J D21H 27/00 8305−2H B41M 5/26 J 7199−3B D21H 5/00 Z (72)発明者 島 武雄 兵庫県神戸市兵庫区明和通三丁目2番15号 バンドー化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) : 【化1】 (式中、Xはハロゲンイオン、過塩素酸イオン、PF6
    - 、SbF6 - 、OH- 、スルホン酸イオンまたはBF
    4 - を示す)または一般式(II): 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 はそれぞれ独立し
    て水素原子、炭化水素基またはヘテロ原子を含む炭化水
    素基;Yは近赤外領域に吸収特性を有する陽イオンを示
    す)で表わされる近赤外線吸収性染料および一般式(II
    I) : 【化3】 (式中、R5 、R6 、R7 およびR8 はそれぞれ独立し
    てアルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、
    アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、置
    換アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、置換ア
    ラルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基また
    は置換シリル基を示し、R5 、R6 、R7 およびR8
    うち少なくとも1個は炭素数1〜12のアルキル基;
    9 、R10、R11およびR12はそれぞれ独立して水素原
    子、アルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル
    基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、置換アル
    キル基、置換アリール基、置換アリル基、置換アラルキ
    ル基、置換アルケニル基または置換アルキニル基を示
    す)で表わされる消色剤を含有した記録材料で下画を紙
    基材に形成してなる近赤外線消色性下画つき用紙。
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