JPH0519698Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、住宅、車両等の壁面や天井等に取
付けられる空調用の吹出装置に関する。

（従来の技術） 従来の吹出装置として、例えば実開昭60−
34009号公報に示されるように、２つの吹出口が
形成された吹出ダクト１枚のダンパを設け、この
ダンパにより両方の吹出口を選択的に開閉させる
よにしたもの等が知られている。このような構造
のものにおいては、一方の吹出口をダンパにより
閉鎖すれば他方の吹出口からのみ送風され、ダン
パを適当な位置まで回動させれば、それに応じた
開度比率で各吹出口から送風されるものであつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、例えば住宅の天井に施設される
吹出装置は、冷風か温風かによつて吹出口を選択
し、選択された一方の吹出口からのみ冷風又は温
風を吹出すようにすることが空調効率を高める上
で望ましい。にもかかわらず上述の吹出装置を用
いた場合には、吹出口の各々から吹出される風量
を独立に調整することができないので、意図しな
い吹出口からも冷風や温風が吹出すことになり、
空調効率を悪化させるという問題点があつた。

そこで、この考案においては、供給する風の指
向性を高め、併せて風量を調節して効率の良い空
調制御が行なえる空調用吹出装置を提供すること
を目的としている。

（問題点を解決するための手段） しかして、この考案の要旨とするところは、空
気入口と２つの吹出口とが形成された吹出ダクト
と、前記２つの吹出口の開度を調節する２つのダ
ンパと、該ダンパと駆動部とを連結するリンク機
構とを有し、このリンク機構は、前記一方のダン
パを閉位置で固定しながらダンパを動かすように
構成されたことにある。

（作用） 従つて、選択された一方のダンパのみが駆動さ
れることにより、一方の吹出口を他の吹出口とは
独立に開閉させることができ、また吹出口の開度
を揺動板の回転量で変えることもでき、そのた
め、上記目的を達成することができるものであ
る。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

第１図、第２図において、吹出ダクト１は、例
えば住宅や車両の天井２に取付けられ、天井２内
に突出する空気導入部４と、この導入部４に続い
て室内側に設けられた第１及び第２の吹出部５
ａ，５ｂと、これら導入部４と吹出部５ａ，５ｂ
との隣に隔壁６により区画されてなる動力室７と
から構成されている。第１の吹出部５ａの側方と
第２の吹出部５ｂの下方には、それぞれ風向板８
ａ，８ｂを有する第１及び第２の吹出口９ａ，９
ｂが形成されており、図示しない空調装置から送
られる空気を空気導入部４の先端に形成された風
入口１０からダクト１内に導き、第１及び第２の
ダンパ１１，１２により吹出方向及び吹出量を調
節するようにしている。

第１及び第２のダンパ１１，１２は、ダンパ本
体１１ａ，１２ａに緩衝部材１１ｂ，１２ｂを接
合して構成されており、ダンパ本体１１ａ，１２
ａの一端に形成された駆動軸１３ａ，１３ｂが前
記第１の吹出口９ａと第２の吹出口９ｂとの間に
それぞれ軸支されている。また、これらダンパ１
１，１２は、その先端が風切り音の発生を抑える
ためにＲ形状に形成され、吹出ダクト１の内面に
設けられた内張り１４に緩衝部材１１ｂ，１２ｂ
が当接する位置をもつて各吹出口９ａ，９ｂを閉
鎖する閉位置としている。また、タンパ１１，１
２はシートを確実にするため、駆動軸１３ａ，１
３ｂ上に設けた、図示しないつる巻ばね等の手段
で壁に押しつけている。そして、第１及び第２の
ダンパ１１，１２のそれぞれは、以下に述べるリ
ンク機構を介して駆動部１５に連結されている。

リンク機構は、ダンパ１１，１２に固定された第
１及び第２のレバー１６ａ，１６ｂと、これらの
レバー１６ａ，１６ｂに連結された揺動板１７と
から構成されている。第１及び第２のレバー１６
ａ，１６ｂは、隔壁６を介して動力室７に突出す
る前記駆動軸１３ａ，１３ｂの一端に設けられて
おり、軸１３ａ，１３ｂに対して垂直に延び、そ
の先端にピン１８ａ，１８ｂが設けられている。
一方、揺動板１７は、第３図にも示されているよ
うに、円弧状の周縁１９を有する扇状に形成され
た扇部２０を有し、例えばモータアクチユエータ
からなる駆動部１５のシヤフト２１に固装されて
この駆動部１５により左右に回転されるようにな
つている。また、扇部２０の両脇には第１及び第
２のアーム部２２ａ，２２ｂが延設され、これら
アーム部２２ａ，２２ｂにより扇部２０との間に
円弧状の周縁１９に続く第１及び第２の溝路２３
ａ，２３ｂが形成されている。

この揺動板１７は、扇部２０が前記ピン１８
ａ，１８ｂの内側を摺接するよう第１及び第２の
レバー１６ａ，１６ｂに対峙して設けられ、また
第１及び第２のアーム部２２ａ，２２ｂが扇部２
０の径よりも幾分長く形成されており、レバー１
６ａ，１６ｂのピン１８ａ，１８ｂを揺動板１７
の回転に伴い円弧状の周縁１９から一方の溝路に
かけて案内すると共に、第１及び第２のダンパ１
１，１２の両方が閉位置にあるときにアーム部２
２ａ，２２ｂのそれぞれの先端に保持するように
している。

上記構成において、第１及び第２のダンパ１
１，１２が閉位置にある状態から、揺動板１７を
第３図の矢視方向に回転させれば、第１のレバー
１６ａのピン１８ａが第１の溝路２３ａに案内さ
れ、同時にこのレバー１６ａが回転方向に動かさ
れて第１のダンパ１１が連続的に開かれていく。
この状態においては、第２のレバー１６ｂのピン
１８ｂは扇部２０の円弧状の周縁１９上にあり、
第２のダンパ１２は閉位置に固定されたままであ
る。同様に矢視方向と反対方向に揺動板１７を回
転させれば、同様の機構により第２のレバー１６
ｂが動かされ、第１のダンパ１１を閉位置で固定
したまま第２のダンパ１２のみを連続的に動かす
ことができる。

従つて、一方の吹出口を他の吹出口とは独立に
開度調節することができ、吹出ダクト１内に導か
れる空気が冷風か温風かによつて吹出口９ａ，９
ｂを選択し、例えば冷風の場合には第１の吹出口
９ａから天井に沿つて、温風の場合には第２の吹
出口９ｂから室内下方に向けて、それぞれ開度に
応じた風量を室内に供給することができるもので
ある。

尚、ダンパ１１，１２はステツプ状に可変する
ようにしてもよく、また揺動板１７の回転角は室
温に対応させて決定するようにしてもよい。ま
た、駆動軸１３ａ，１３ｂは同一軸とし、レバー
１６ａ，１６ｂをそれぞれダンパ１１，１２に設
けてもよい。

（考案の効果） 以上述べたように、この考案によれば、吹出ダ
クトに形成された２つの吹出口に、それぞれ吹出
口の開度を調節する２つのダンパを設け、これら
ダンパと駆動部とを連結するリンク機構により、
一方のダンパを閉位置で固定しながら他方のダン
パを動かすようにしたので、吹出口から供給され
る風の指向性を高めることができると共に、風量
調節も同時に行なうことができ、効率のよい空調
制御が図れるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の吹出装置を示す第２図にお
ける−線の断面図、第２図は同上の吹出装置
における一部切欠の正面図、第３図はリンク機構
を示す拡大図である。 １……吹出ダクト、９ａ，９ｂ……吹出口、１
０……空気入口、１１，１２……ダンパ、１５…
…駆動部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 空気入口と２つの吹出口とが形成された吹出
   ダクトと、前記２つの吹出口の開度を調節する
   ２つのダンパと、該ダンパと駆動部とを連結す
   るリンク機構とを有し、このリンク機構は、前
   記一方のダンパを閉位置で固定しながら他方の
   ダンパを動かすように構成されたことを特徴と
   するダクト空調用室内吹出装置。 ２ リンク機構は、ダンパにそれぞれ固定された
   レバーと、このレバーに連結された揺動板とを
   有し、この揺動板は円弧状の周縁を有する扇部
   と、この扇部の両脇に延設されて該扇部との間
   に前記円弧状の周縁に続く溝路を形成するアー
   ム部とから成り、該揺動板の回転により、一方
   のレバーに形成されたピンを一方の溝路に、他
   方のレバーに形成されたピンを前記円弧状の周
   縁にそれぞれ案内するようにしたことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の空調
   用吹出装置。