JPH05195491A - 樹脂含浸紙及びこれを基紙とした顔料塗工紙 - Google Patents

樹脂含浸紙及びこれを基紙とした顔料塗工紙

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JPH05195491A
JPH05195491A JP3272092A JP3272092A JPH05195491A JP H05195491 A JPH05195491 A JP H05195491A JP 3272092 A JP3272092 A JP 3272092A JP 3272092 A JP3272092 A JP 3272092A JP H05195491 A JPH05195491 A JP H05195491A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐水性に優れ、かつ、古紙処理装置で製紙用
繊維の回収が可能な樹脂含浸紙及びこれを基紙とした顔
料塗工紙。 【構成】 原紙に、分子量2000〜20000、酸価
80〜300のカルボキシル基変性したスチレン−アク
リル酸エステル共重合樹脂を含浸した樹脂含浸紙を得る
こと、又、この樹脂含浸紙を基紙とし、その片面若しく
は両面に顔料とバインダーを主材とする顔料塗工層を設
け顔料塗工紙を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐水性に優れ、かつ、
古紙処理装置で製紙用繊維の回収が可能な樹脂含浸紙及
びこれを基紙とした顔料塗工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】合成ゴムラテックスまたは合成樹脂エマ
ルジョンを含浸した含浸紙(以下、本発明では、これら
を単に樹脂含浸紙と呼ぶこととする)及びこれを基紙と
して、その表面に白色顔料塗工層や着色顔料塗工層を設
けたものは、耐水性があり、内接強度、耐折強度に優れ
ることから、本の表紙、地図用紙等の出版用、パンフレ
ット、ポスター等の広告宣伝用、箱貼り、ラベル、ステ
ッカー、包装、アルバム表紙,ファイル,便箋等の文房
具類、カバンの芯材、靴の中敷等々に広く使用されてき
た。
【0003】これら樹脂含浸紙は主に次に述べる2つの
方法で製造されている。 耐水性かつ無サイズの原紙を抄造し、これに合成ゴム
ラテックスまたは合成樹脂エマルジョンを含浸加工する
方法(ドライ含浸法と呼ばれている)。これについて
は、例えば本出願人が特公昭38−7505号で提案し
た、紙料中に予め多量の充填剤又は加硫剤を含有せしめ
且抄紙して得た原紙にゴムラテックスに熱可塑性樹脂或
はこれらと熱硬化性樹脂との混合液を含浸せしめ乾燥、
熱処理し次でこれをロール又は熱ロールにて加圧処理す
る布状風合を有する柔軟強力紙の製造方法や、特公昭3
8−7549号、特公昭38−19604号、特公昭4
0−9525号、特公昭42−7652号、特公昭46
−42066号、特公昭62−23118号他に提案の
方法がある。
【0004】長網抄紙機等で湿紙を抄造し、紙匹を乾
燥する前に含浸装置により、合成ゴムラテックスまたは
合成樹脂エマルジョンを含浸加工する方法(ウェット含
浸法と呼ばれている)。これについは、米国特許第29
93828号、同2993470号、他に提案された方
法がある。
【0005】また、これら樹脂含浸紙を基紙として、こ
れに印刷適性を与えるために、カオリン,炭酸カルシウ
ム等の白色顔料とバインダーを主体とした顔料塗工層を
設けたものや、着色顔料とバインダーを主体とした顔料
塗工層を設けることも、特公昭49−35891号他で
提案されている。
【0006】一方、最近では紙廃棄物の発生量が著しく
増大し、環境破壊の問題、資源枯渇の問題が大きくクロ
ーズアップされている。従来、紙廃棄物は古紙処理装置
で製紙用繊維を回収し、再生紙に利用するか、ゴミ焼却
場で焼却する、埋め立てる等の方法で処理されていた。
再生紙を製造するには、古紙から繊維の回収が可能か不
可能かの選別をする作業が大変であり、古紙の中でも離
解作業の容易な、品質の安定したものだけが利用されて
いるのが現状である。
【0007】上記樹脂含浸紙及びそれを基紙とした顔料
塗工紙はいずれも、耐水強度が大きいため、古紙処理装
置で容易に離解出来ず、従って焼却処理や、埋め立て処
理を行わざるを得ないことが大きな欠点である。また、
これらが回収用古紙に混入した場合に、古紙処理時にこ
れらが離解されないために、その除去に困難を伴ってい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決する目的でなされたものであり、耐水性と耐久
性の性能を満たしながら、従来の古紙処理装置で古紙か
ら製紙用繊維の回収がきわめて容易となる樹脂含浸紙、
及びそれを基紙とした顔料塗工紙を開発することを課題
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の古
紙回収装置で用水を加温できることと、アルカリ性薬品
を添加できることに注目し、種々検討した結果、本発明
を完成するに至ったものである。即ち、本発明の要旨と
するところは、原紙に、分子量2000〜20000、
酸価80〜300のカルボキシル基変性したスチレン−
アクリル酸エステル共重合樹脂を含浸した樹脂含浸紙を
得ること、及びこの樹脂含浸紙を基紙とし、その片面若
しくは両面に顔料とバインダーを主材とする顔料塗工層
を設けた顔料塗工紙を得ることにある。
【0010】本発明に使用する原紙は、ドライ含浸する
場合は、耐水性があり、かつ無サイズであることが必要
である。この場合、原紙は通常、NBKP,LBKP,
NBSPなどの製紙用パルプを、フリーネス450〜6
00mlC.S.F.に叩解し、これに他の製紙用繊維
を必要により併用し、これにメラミン樹脂,尿素樹脂,
ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂,ポリアミン・エ
ピクロルヒドリン樹脂などの公知の湿潤紙力増強剤を添
加し、また染料、着色顔料、クレー,炭酸カルシウム,
二酸化チタン等の填料、定着剤などを適宜併用し、円網
抄紙機や長網抄紙機などの公知の抄紙機を使用して常法
に基づき、通常40〜200g/m2で抄造する。
【0011】湿潤紙力増強剤は、次の工程の樹脂含浸時
に、紙切れを起こさないだけの湿潤紙力強度を保つ量を
添加することが必要で、そのパルプに対する添加割合
(乾燥重量で)は通常0.2〜1.0重量%の範囲であ
る。湿潤紙力増強剤の添加量が1.0重量%より多い場
合、古紙から繊維回収処理の際に離解作業が困難となる
傾向があるので、添加量は1.0%以下が好ましい。
【0012】次いで、このようにして抄造した原紙に、
分子量2000〜20000、酸価80〜300のカル
ボキシル基変性したスチレン−アクリル酸エステル共重
合樹脂(後に詳述する)を公知の方法を用いてドライ含
浸後乾燥処理する。含浸量は通常原紙に対して5〜50
重量%(乾燥重量比で)である。
【0013】一方、ウェット含浸法の場合は、先ず湿紙
を抄造し、それに分子量2000〜20000、酸価8
0〜300のカルボキシル基変性したスチレン−アクリ
ル酸エステル共重合樹脂を公知の方法を用いて含浸した
後に乾燥する。湿紙の抄造においては、ドライ含浸法と
異なり紙料に湿潤紙力増強剤の添加は行わなくともよ
い。湿紙は通常、NBKP,LBKP,NBSPなどの
製紙用パルプを、フリーネス500〜650mlC.
S.F.に叩解し、これに他の製紙用繊維を必要により
併用し、これにメラミン樹脂,尿素樹脂,ポリアミド・
エピクロルヒドリン樹脂,ポリアミン・エピクロルヒド
リン樹脂などの公知の湿潤紙力増強剤、染料、着色顔
料、クレー,炭酸カルシウム,二酸化チタン等の填料、
定着剤などを適宜添加し、円網抄紙機や長網抄紙機など
の公知の抄紙機を使用して常法に基づき、通常50〜
2,000g/m2(乾燥重量換算)で抄造する。含浸
量は通常原紙に対して5〜50重量%(乾燥重量比で)
である。
【0014】次に本発明で最も重要な、分子量2000
〜20000、酸価80〜300のカルボキシル基変性
したスチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂について
説明する。本発明の樹脂含浸紙は、従来公知の樹脂含浸
紙と比較して、実用上遜色のない耐水性があることが必
要である。耐水性とは、具体的には湿潤時の寸法変化が
少ないこと、湿潤層間強度、湿潤引張強度の大きなこ
と、冷水及び温水に浸漬した時の表面の外観変化の少な
いこと等である。また、本発明の樹脂含浸紙は、古紙処
理装置で繊維の回収ができることが必要である。新聞古
紙や段ボール古紙等からの製紙用繊維の回収は、周知の
ようにフローテーション法や洗浄法により行われる。ま
た、紙の製造工程で発生する古紙はビーターやパルパー
等により離解し、繊維を回収している。これら古紙処理
装置は普通、用水を加熱できる装置がつけられている。
【0015】古紙から繊維を回収処理する時にアルカリ
性物質、たとえば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、
消石灰等を併用することは公知である。古紙は印刷が施
されている場合が殆どである。アルカリ性物質はインキ
中に含まれるベヒクルや古紙に含まれるロジンサイズ剤
を鹸化させ、除去を助長する目的で添加しているが、本
発明のような目的に使用されたことは未だ無かった。ア
ルカリ濃度は通常0.01〜1.0重量%、好ましくは
0.1〜0.5重量%の範囲であるので、この範囲で溶
解する樹脂を使用することが本発明では好ましい。
【0016】また、古紙処理装置では、スラリーを80
℃以上の温度にすることはきわめて困難かつ危険となる
ので、樹脂は80℃以下の温度で溶解することが必要で
ある。
【0017】以上の観点から、本発明者は種々の樹脂を
検討した。耐水性があり、かつ80℃以下のアルカリ性
水溶液に溶解可能な樹脂には、カルボキシル基変性した
ポリアクリル酸エステル樹脂、酸度の大きなマレイン酸
樹脂、フタル酸樹脂、酢ビ−マレイン酸共重合樹脂、無
水マレイン酸−アクリル酸エステル共重合樹脂、カルボ
キシル基変性したスチレン−アクリル共重合樹脂、等が
あり、含浸加工のし易さ、及び内添が出来ることから、
これらの水系、エマルジョン系を検討した。その結果、
特定のカルボキシル基変性したスチレン−アクリル樹脂
は高度の耐水性があり、アルカリ性水溶液に速やかに溶
解する性質に優れていることが判った。本発明には、分
子量2000〜20000、酸価80〜300のものが
好適に使用できる。分子量が2000未満であると生物
化学的に安全面で不安があり、また20000を越える
と含浸加工時に粘度が高く樹脂の浸透が著しく悪くな
る。酸価が80未満であると古紙からの繊維の回収性が
悪くなり、300を越えると耐水強度が不足する。本発
明では、この樹脂に、古紙処理時に離解を阻害しない範
囲なら他の樹脂を併用することができる。
【0018】本発明はこのようにして製造した樹脂含浸
紙を基紙として、さらに片面若しくは両面に顔料塗工層
を設けることもできる。印刷適性を付与するには、製紙
業界で大量に製造されている、アート紙やコート紙用の
塗料処方と同一の塗料を塗工すればよい。例えば、カオ
リン,炭酸カルシウム,二酸化チタン等の白色顔料に分
散剤を加え水に分散し、澱粉,PVA,カゼイン,SB
RやMBR等の合成ゴムラテックス,ポリアクリル酸エ
ステルエマルジョン等の合成樹脂エマルジョン、等のバ
インダーや流動性改良剤,ダスティング防止剤等の副資
材を適宜加え塗料を調製する。白色顔料に対するバイン
ダーの添加割合は通常、12〜25重量%であり、塗工
量は片面につき2〜30g/m2である。塗工は常法に
従い、エアナイフコーター,ブレードコーター,ロール
コーター等で行う。さらに必要に応じて、スーパーキャ
レンダー処理やエンボス処理を施すこともできる。
【0019】顔料塗工層は上記したように、アート紙や
コート紙用の塗料処方と同一の塗料を塗工すればよい。
ここに使用するバインダーは、アルカリ水溶液に溶解さ
れなくても、古紙をパルパー等で離解した場合に微細な
塊になって繊維から離脱するので、繊維の回収には支障
がない。しかし、回収の効率を高めるためには、バイン
ダーにアルカリ可溶性の樹脂を使用したほうが好ましい
場合がある。この場合は前に述べたような樹脂を使用で
きる。
【0020】意匠性を付与する目的のためには、白色顔
料の代わりに、カーボンブラック,アゾ顔料,多環式顔
料,レーキ顔料等の着色顔料の単独或はこれらを適宜混
合し、或は着色顔料と白色顔料を混合し、これに上記バ
インダーと副資材を適宜加え塗料を調製し、基紙に通常
5〜30g/m2、好ましくは8〜15g/m2塗工す
る。本発明では、さらにその表面に、表面強度を高める
目的で、ポリアクリル酸エステルエマルジョン等を塗工
することもできる。また、さらにエンボス処理を施すこ
とも適宜行われる。
【0021】以下実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。
【実施例】
実施例.1耐水性原紙の抄造 NBKP70重量部(乾燥重量部、以下同じ),LBK
P30重量部を叩解し、ポリアミド・エピクロルヒドリ
ン樹脂系の湿潤紙力増強剤(商品名「エピノックスP1
30」、ディックハーキュレス(株)製造)0.2重量
部、クレー10重量部、ポリアクリルアマイド(商品名
「ポリマセット500L」、荒川化学工業(株)製造)
0.2重量部、硫酸バンド3重量部を加え定着し、フリ
ーネス550mlC.S.F.で長網多筒式抄紙機を用
い、坪量100g/m2(乾燥重量、以下同じ)の耐水
性原紙を抄造した。耐水性かつアルカリ可溶性樹脂の含浸 上記原紙に、分子量20000、酸価100のカルボキ
シル基変性したスチレン−アクリル酸エステル共重合樹
脂エマルジョン(商品名「J−450」、ジョンソンポ
リマー(株)製造)を、20g/m2含浸処理した。
【0022】実施例.2 実施例1の原紙に、分子量7000、酸価200のカル
ボキシル基変性したスチレン−アクリル酸エステル共重
合樹脂エマルジョン(商品名「J−62」、ジョンソン
ポリマー(株)製造)を、20g/m2含浸処理した。
【0023】実施例.3 実施例1の原紙に、分子量15000、酸価87のカル
ボキシル基変性したスチレン−アクリル酸エステル共重
合樹脂エマルジョン(商品名「J−632」、ジョンソ
ンポリマー(株)製造)を、20g/m2含浸処理し
た。
【0024】実施例.4 実施例1の樹脂含浸紙を基紙として、その両面に下記処
方の塗料を、エアナイフコーターを使用して、15g/
2ずつ塗工した。顔料塗工液配合 カオリン(商品名「UW90」、エンゲルハード(株)
製造)60重量部、炭酸カルシウム(商品名「TP12
1」、奥多摩工業(株)製造)40重量部、分散剤(商
品名「アロン−T40」、東亜合成(株)製造)0.5
重量部を水重量部に加え分散機で分散し、これにSBR
ラテックス(商品名「JSR0619」、日本合成ゴム
(株)製造)18重量部、酸化澱粉(商品名「MS38
00」、日本食品化工(株)製造)5重量部、耐水化剤
(商品名「エピノックスP9007Y」、ディックハー
キュレス(株)製造)1重量部を加え、濃度45重量%
の塗工液を調製した。
【0025】実施例.5 実施例3の樹脂含浸紙を基紙として、実施例4と同一の
塗料を片面15g/m2ずつ両面に塗工した。
【0026】実施例.6 実施例.3の含浸紙を基紙とし、実施例4の塗工液中の
バインダー(SBRラテックス)のみを、実施例2の含
浸樹脂と同一の、分子量7000、酸価200のカルボ
キシル基変性したスチレン−アクリル酸エステル共重合
樹脂エマルジョン(商品名「J−62」、ジョンソンポ
リマー(株)製造)に代えた塗工液を、片面15g/m
2ずつ両面に塗工した。
【0027】比較例.1 実施例1と同一の原紙を使用し、カルボキシル基変性M
BR(商品名「ラックスターDM−801」、大日本イ
ンキ化学(株)製造)を、含浸機を使用して20g/m
2含浸した。
【0028】比較例.2 実施例1と同一の原紙を使用し、アクリル系のアルカリ
可溶性樹脂(商品名「AE−120」、日本合成ゴム
(株)製造)を10g/m2含浸した。
【0029】比較例.3 実施例1と同一の原紙を使用し、分子量20000、酸
価54のカルボキシル基変性したスチレン−アクリル酸
エステル共重合樹脂エマルジョン(商品名「J−39
0」、ジョンソンポリマー(株)製造)を、20g/m
2含浸処理した。
【0030】比較例.4 実施例1と同一の原紙を使用し、分子量20500、酸
価320のカルボキシル基変性したスチレン−アクリル
酸エステル共重合樹脂エマルジョン(商品名「リオタイ
トPF−1572」、ジョンソンポリマー(株)製造)
を、20g/m2含浸処理した。
【0031】各実施例、比較例の評価結果を表1に示
す。
【0032】特性評価方法 湿潤時の寸法変化 用紙を水に浸漬し、10分後に取り出し横方向の伸縮率
(%)を計算した。 湿潤層間強度 用紙を15mm幅に切り、10分間水に浸漬し、万能引
張り試験機で用紙の縦方向の紙層間強度(gf/15m
m)を測定した。 湿潤強度保持率 JIS P8135の規定に従って測定した。即ち、用
紙を15mm幅に切り、10分間水に浸漬し、万能引張
り試験機で用紙の縦方向の引っ張り強度(Kgf/15
mm)を測定した。この値を水に浸漬しない場合の引張
り強度の値で割った値を湿潤強度保持率(%)で表示し
た。 水浸漬耐水性 試料を105mm×86mmの長方形に切取り、冷水及
び80℃の温水中に沈め、2時間後の耐水紙の状態を観
察した。シワ、亀裂等,表面の外観変化の状態で評価
し、評価は5点法(5:優、4:良、3:普通、2:
劣、1:非常に劣る)で行った。3以上が実用的に使用
可能な範囲である。 製紙用繊維の回収性試験方法 試料5g/m2を採り、濃度0.5重量%の水酸化ナト
リウム水溶液150ml(50℃)中に沈め、10分後
に取り出し、水1000mlの入った家庭用ミキサー
(日立(株)製、VA−895形)にて30秒間離解
し、離解状態を観察した。この方法は、古紙処理装置に
よる離解試験と完全に相関関係があることを確認してあ
る。評価結果は5点法で示し、5は完全に離解したも
の、4はごく少し未離解物が残るもの、3は未離解状態
のものが少し残るもの、2はその量が多いもの、1は未
離解状態のものが大量に残るものを表す。3以上が実用
的に使用可能な範囲である。
【0033】
【表1】
【0034】表1の結果から明らかのように、本発明の
実施例1〜6はいずれも、耐水性に優れ、かつ繊維の回
収性試験においても優れた結果が得られている。比較例
1は従来の樹脂含浸紙の代表的な例で、耐水性は優れる
が繊維の回収性には劣ることを示している。比較例2は
他のアルカリ可溶樹脂の代表例を挙げ、回収性は優れて
いるが耐水性には劣っていることを示している。比較例
3と4は、含浸樹脂がカルボキシル基変性したスチレン
−アクリル樹脂であるが、分子量、酸価が限定値をはず
れ、比較例3では耐水性が、比較例4では回収性が劣る
ことを示す。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明の樹脂含浸紙
及びそれを基紙とした顔料塗工紙は製造され、下記に述
べるような利点がある。 1)従来の樹脂含浸紙と遜色のない耐水性を持ちなが
ら、従来の樹脂含浸紙では事実上不可能であった、古紙
から製紙用繊維の回収が可能となった。 2)この特性を生かし、本の表紙、地図用紙等の出版
用、パンフレット、ポスター等の広告宣伝用、箱貼り、
ラベル、包装、便箋等の文具用、テープ基紙、擬革紙用
基紙、ガスケット、パッキング、靴の中底,かかと芯、
鞄類の中芯、壁紙用基紙、等々に好適に利用でき、これ
らの廃棄物,工程で生まれる不良品から製紙用繊維を回
収できる。 3)製紙用繊維の回収に当たっては、従来の古紙処理装
置を使用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7199−3B D21H 1/28 Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙に、分子量2000〜20000、
    酸価80〜300のカルボキシル基変性したスチレン−
    アクリル酸エステル共重合樹脂を含浸したことを特徴と
    する樹脂含浸紙。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂含浸紙を基紙とし、
    その片面若しくは両面に顔料とバインダーを主材とする
    顔料塗工層を設けたことを特徴とする顔料塗工紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001200494A (ja) * 2000-01-20 2001-07-27 Toppan Printing Co Ltd 耐水紙
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JP2011122026A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Showa Denko Kk 熱硬化性水中油型エマルション、それで処理された紙又は繊維加工品、及びその製造方法

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