JPH05195429A - 炭素繊維の表面処理方法 - Google Patents

炭素繊維の表面処理方法

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JPH05195429A
JPH05195429A JP4004549A JP454992A JPH05195429A JP H05195429 A JPH05195429 A JP H05195429A JP 4004549 A JP4004549 A JP 4004549A JP 454992 A JP454992 A JP 454992A JP H05195429 A JPH05195429 A JP H05195429A
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carbon fiber
treatment
temperature
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alkali metal
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JP4004549A
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Eiji Fujisawa
英治 藤沢
Minoru Takeuchi
実 竹内
Hiroaki Shono
弘晃 庄野
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Nitto Boseki Co Ltd
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Nitto Boseki Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F11/00Chemical after-treatment of artificial filaments or the like during manufacture
    • D01F11/10Chemical after-treatment of artificial filaments or the like during manufacture of carbon
    • D01F11/12Chemical after-treatment of artificial filaments or the like during manufacture of carbon with inorganic substances ; Intercalation
    • D01F11/122Oxygen, oxygen-generating compounds

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素繊維を、それがいかなる形状を有するか
に関わらず、処理温度を低温化し、かつ処理時間を短縮
して効率良く適切な程度に表面処理できる炭素繊維の熱
酸化方法を提供する。 【構成】 アルカリ金属硝酸塩を炭素繊維に付着させ、
それから適切な温度域で空気中で酸化を行う。 【効果】 炭素繊維を、以前よりも低い処理温度かつ短
い処理時間で炭素繊維の弾性率を損なわないよう適切に
表面処理することができる。これにより、炭素繊維の弾
性率を生かし、かつ剪断力にも優れた炭素繊維強化樹脂
複合材料を提供することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】産業上の利用分野 本発明は、炭素繊維の表面処理方法に関し、特に炭素繊
維強化複合材料の成形品強度を向上させるための熱酸化
による炭素繊維の表面処理方法に関する。
【0002】従来の技術 炭素繊維は、耐熱性、耐久性、耐薬品性、軽さ、弾性率
の高さ、及び小さな熱膨張率と言った、工業材料として
の優れた性質を数多く合せ持っているため、繊維強化複
合材料、特に繊維強化樹脂の強化材料として用いられて
いることは周知である。
【0003】一方、炭素繊維は弾性率が大きくなるほど
樹脂との馴染みが少なくなると言う特徴を有し、このた
め弾性率の大きな炭素繊維をそのまま用いて繊維強化樹
脂を加えると剪断力が乏しいと言う欠点が現れる。
【0004】この欠点を克服するために、炭素繊維の表
面に何等かの処理を施して樹脂との馴染みを向上させる
方法が開発されてきた。
【0005】炭素繊維の主な表面処理技術は酸化処理で
あり、これには現在のところ薬液酸化、電解酸化、及び
気相酸化と言う方法がある。
【0006】薬液酸化、電解酸化については、大谷杉
郎、奥田謙介、松田滋共著「炭素繊維」増補改訂(株式
会社 近代編集者発行、昭和47年6月15日初版、昭
和61年3月1日増補改訂発行、ISBN 4−874
03−002−5 C3043)の217〜222ペー
ジに簡潔で要点のまとめられた説明がなされている。
【0007】まず薬液酸化について言えば、実験室内で
炭素繊維表面の酸化進行を観察、測定する上では問題が
ないが、処理に要する時間が長いことと一回の操作で可
能な処理量が小さい事を考えると、高濃度の硝酸を用い
る上での作業安全の問題と合わせて、工業化には適切で
ない。
【0008】電解酸化は、長繊維の炭素繊維の表面処理
方法としては用いられる場合がある。しかし、酸化処理
による重量減少に比較して、炭素繊維表面への酸性基導
入は大きいとは言えず、電解後に黒鉛酸を含む処理廃液
が多量に残ると言う問題も起こる。また、長繊維に対し
ては有効であり得るこの方法も、短繊維では炭素繊維の
電極化が難しいため実質上短繊維の表面処理方法とはな
り得ない事から採用に当たっての制限は多い。
【0009】もう一つの気相酸化は、空気酸化が代表的
なものである。炭素繊維の表面処理法としては、これが
最も簡単で工業的に採用しやすいが、ピッチ系炭素繊維
の表面処理に用いる場合、石油アスファルトもしくはコ
ールタール由来のメソフェーズピッチまたはたとえば特
開平1−139621号および特開平1−254796
号に記載されている方法によって得られた縮合多環炭化
水素またはこれを含有する物質を重合して得られたメソ
フェーズピッチ、すなわちいわゆる芳香族樹脂(AR)
ピッチ由来の高弾性率グレードのものなどでは、酸化温
度が500℃近くにも達するため実用的でなくなる。ま
た、この温度域に達すると、空気中では炭素繊維は酸化
分解が進み、繊維の強度自体が低下してしまう。
【0010】また、酸化気体を空気から酸素含有率の高
い気体に置換しても酸化処理効率はそれほど高くなら
ず、酸化処理効率を高めるために酸化気体中にオゾンを
添加したり紫外線を照射したりすることは作業環境を危
険にするため工業的には採用し難いところである。
【0011】発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、炭素繊維を、それがポリアクリロニト
リル、ピッチの他いかなる原料由来であるか、あるいは
長繊維、短繊維ほかいかなる形状を有するかに関わら
ず、処理温度を低温化し、かつ処理時間を短縮して効率
良く適切な程度に表面処理できる炭素繊維の熱酸化方法
を提供することである。
【0012】課題を解決するための手段 本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね
た結果、アルカリ金属硝酸塩を炭素繊維に付着させ、そ
れから適切な温度域で空気中で酸化を行うことにより炭
素繊維の酸化処理温度を下げ、処理速度を向上させるこ
とができることを見出だしこの知見に基づいて本発明を
なすに至った。
【0013】すなわち本発明は、炭素繊維にアルカリ金
属硝酸塩を、炭素繊維重量に対し0.01〜5重量%付
着させ、空気中で該アルカリ金属硝酸塩の融点以上かつ
500℃未満の温度で熱処理する事を特徴とする炭素繊
維の表面処理方法を要旨とし、特に好ましくは炭素繊維
にアルカリ金属硝酸塩を、炭素繊維重量に対し0.01
〜5重量%付着させ、空気中で該アルカリ金属硝酸塩の
分解温度以上かつ500℃未満の温度で熱処理する事を
特徴とする炭素繊維の表面処理方法を要旨とするもので
ある。
【0014】次に本発明の処理方法を詳しく説明する。
処理対象となる炭素繊維は特に限定されない。原料がポ
リアクリロニトリル、ピッチ、レーヨンなどいかなるも
の由来でも用いることができ、形状も長繊維、短繊維、
ミルドファイバーなどいかなるものでもよく、表面にウ
ィスカライジングされたものでも良い。炭素繊維の力学
的特性についても、汎用品、高強度品、高弾性率品など
いずれに対しても用いることができる処理方法である
が、処理効率の高いものであるため、一般的には表面の
酸化処理が困難とされている高弾性率品の炭素繊維、例
えば、メソフェーズ系炭素繊維および芳香族ピッチ系炭
素繊維、を対象とすることが好ましい。
【0015】用いられるアルカリ金属硝酸塩とは、硝酸
ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ルビジウムを指す。こ
の中では潮解性がなく、工業材料として入手しやすい硝
酸カリウムを使用する事が好ましい。
【0016】これらアルカリ金属硝酸塩は、0.05〜
10重量%の水溶液として、または粒径0.1〜5μm
の微粉とするなどして用いる。
【0017】炭素繊維に上記アルカリ金属硝酸塩を付着
させる方法は、炭素繊維を水溶液に含浸させる、炭素繊
維に水溶液または微粉を吹き付ける、炭素繊維に微粉を
振りかける、炭素繊維を微粉にまぶすなどの方法を用い
ることができる。炭素繊維へのアルカリ金属硝酸塩の付
着量は、水溶液を用いる方法の場合、炭素繊維が保有し
た水溶液の量(ピックアップ量)と水溶液の濃度から換
算する。
【0018】上記の操作などによりアルカリ金属硝酸塩
を、自重の0.01〜5重量%、好ましくは0.03〜
3重量%表面に付着させて炭素繊維を空気中で加熱し、
酸化処理する。このアルカリ金属硝酸塩付着量が0.0
1重量%未満では酸化処理においてアルカリ金属硝酸塩
を用いる効果が得られず、また、5重量%を超えると酸
化処理後にアルカリ金属硝酸塩の洗浄除去に時間がかか
るか、あるいは残留アルカリ金属硝酸塩が炭素繊維のマ
トリックスとなる樹脂を劣化させる。
【0019】酸化処理の際には、通常、溶液含浸の場合
でも予備乾燥は必須と言うわけではなく、濡れた炭素繊
維そのままでも開始することができる。
【0020】加熱温度は、上記アルカリ金属硝酸塩の融
点以上、好ましくは分解温度以上かつ500℃未満であ
る。
【0021】加熱温度をこの範囲に設定するのは、この
表面処理方法が、アルカリ金属硝酸塩を熱分解する際に
発生する酸素を利用することによる。アルカリ金属硝酸
塩を熱分解する際には酸素とアルカリ金属亜硝酸塩が発
生する。この炭素繊維表面上で局所的に発生する酸素
が、従来より低い温度で高速の酸化処理を行うことを可
能にする。そのため、酸化処理の加熱温度を通常の空気
酸化のように500℃以上にすると、炭素繊維を過度に
酸化させて弾性率を損なってしまうか、さもなくば、ア
ルカリ金属硝酸塩の使用を余り意味のないことにする。
【0022】一方、アルカリ金属硝酸塩の融点未満の温
度で処理するのでは熱分解による酸素発生が起こらない
ので、表面処理が有効に起こり得ない。
【0023】なお本発明で用いるアルカリ金属硝酸塩の
融点及び分解温度を示せば、 ア)硝酸ナトリウム(NaNO3 )融点306.8℃
分解温度380℃ イ)硝酸カリウム (KNO3 ) 融点333℃
分解温度400℃付近 ウ)硝酸ルビジウム(RbNO3 )融点310℃
分解温度310℃以上 である。
【0024】処理時間は、用いたアルカリ金属硝酸塩の
種類と量、およびその炭素繊維がポリアクリロニトリル
系かピッチ系か、形状が長繊維か短繊維か、汎用品、高
強度品または高弾性率品のいずれか、など様々な条件に
より異なるが、一般には10〜120分間の範囲が適切
である。ピッチ系短繊維を硝酸カリウムで処理する場合
であれば、10〜60分間の範囲が特に適切である。
【0025】上記の酸化処理後、炭素繊維を必要に応じ
て水洗、洗浄する。
【0026】作用 単に硝酸塩を炭素繊維の気相酸化に用いると言う着想で
あれば、特開昭52−25199号公報および米国特許
3876444号明細書にも示されている。
【0027】しかし、特開昭52−25199号公報に
おいて用いられている硝酸塩は、銅、銀、亜鉛、カドミ
ウム、錫、鉛、バナジウム、アンチモン、ビスマス、ク
ロム、モリブデン、タングステンなどの塩であり、また
処理温度も80〜120℃と低いので本発明とはまった
く異なる。また、米国特許3876444号明細書にも
銅、鉛、コバルト、カドミウムのギ酸塩、酢酸塩、硝酸
塩と五酸化バナジウムを併用した炭素繊維の気相酸化に
よる表面処理方法が記載されているが、これも特開昭5
2−25199号公報記載の発明がそうであるのと同
様、重金属の硝酸塩が持つ触媒作用を利用したものであ
り、本発明のアルカリ金属硝酸塩を用いた表面処理方法
とは作用機構が異なる。
【0028】本発明の表面処理方法においては、その優
れた酸化処理能力は、アルカリ金属の硝酸塩が融点以
上、より好ましくは分解温度以上の雰囲気に置かれるこ
とにより、該硝酸塩が酸素と亜硝酸塩に分解することに
よるものである。分解時に発生する酸素は発生期の酸素
であるため、310〜500℃の処理温度において急速
に炭素繊維を酸化する。そのため、前述の先行技術によ
るように硝酸イオンによる空気(酸化気体)中の酸素を
活性化させる触媒作用よりも低い温度ではるかに速い速
度で炭素繊維を酸化表面処理できる。
【0029】硝酸カリウムを炭素繊維の表面処理に用い
ると言う発想は、Popovska,Nが、Carbo
n,Vol.23,No.6,675−679(198
5)において示している。しかし彼等の採用した処理温
度は600〜800℃と高すぎるので、窒素中では適切
でも空気中では過度の処理となってしまうため処理され
た炭素繊維及びそれを用いて得た強化樹脂の弾性率が損
なわれてしまう。また、窒素中で600〜800℃と言
う条件は、炭素繊維の表面処理のような工程では工業上
採用できるものでもなく、本発明の見地から言えばアル
カリ金属硝酸塩を表面処理に用いることの利点を活用で
きていないものと言うべきである。
【0030】実施例 次の実施例をもって本発明を更に詳細に説明する。むろ
ん本発明は以下の実施例のみに限定されるものではな
い。
【0031】製造例1 メソフェーズピッチ系炭素
繊維の製造 石炭系ピッチより調製されたメソフェーズ含量90%の
プリカーサーピッチを340℃で溶融紡糸し、ピッチ繊
維ストランドを得た。このピッチ繊維のストランドを3
mm長に切断し、次いで、空気雰囲気中で310℃まで
1℃/分で昇温し不融化した。更に窒素雰囲気中で10
00℃まで5℃/分で昇温し、10分間保持して炭素繊
維チョップトストランドとした。
【0032】製造例2 芳香族樹脂系炭素繊維の製
造 軟化点240℃のAR〔芳香族樹脂、三菱ガス化学
(株)社製〕をプリカーサーとして、330℃で溶融紡
糸し、ARピッチ繊維ストランドを得た。このピッチ繊
維のストランドを3mm長に切断し、次いで、空気雰囲
気中で270℃まで1℃/分で昇温し不融化した。更に
窒素雰囲気中で1000℃まで5℃/分で昇温し、10
分間保持して炭素繊維チョップトストランドとした。
【0033】実施例1 メソフェーズピッチ系炭素
繊維の酸化処理 製造例1で得た炭素繊維チョップトストランドを硝酸カ
リウム0.1%水溶液に浸漬させた後取り出した。この
とき、チョップトストランドが保有する上記硝酸カリウ
ム0.1%水溶液のピックアップは30%であった。こ
のチョップトストランドを120℃で乾燥し、炭素繊維
表面に硝酸カリウムを付着させた。このときの硝酸カリ
ウム付着率は、0.03%であった。次に、炭素繊維表
面に硝酸カリウムが付着したチョップトストランドを4
25℃で30分間熱処理した。
【0034】実施例2 メソフェーズピッチ系炭素
繊維の酸化処理 製造例1で得た炭素繊維チョップトストランドを、実施
例1と同様に硝酸カリウムを付着させた。熱処理温度を
450℃としたほか、実施例1と同様に熱処理した。
【0035】実施例3 メソフェーズピッチ系炭素
繊維の酸化処理 製造例1で得た炭素繊維チョップトストランドを、実施
例1と同様に硝酸カリウムを付着させた。熱処理温度を
475℃としたほか、実施例1と同様に熱処理した。
【0036】参考例1 酸化処理されたメソフェー
ズピッチ系炭素繊維とナイロン6との複合材料の曲げ強
度測定 実施例1〜3で熱処理して得た炭素繊維チョップトスト
ランドを、ポリエーテルタイプのウレタン樹脂エマルジ
ョン(固形分1重量%含有)中に浸漬し、エマルジョン
をチョップトストランドに十分含浸させた後、120℃
で乾燥してサイジングを行った。次に表面処理の効果を
確認するために、熱可塑性樹脂と上記チョップトストラ
ンドの複合成形体を得て、曲げ強さを測定した。ナイロ
ン6(東洋紡製)70重量部と上記実施例1〜3のチョ
ップトストランド30重量部とを配合し、一軸の押し出
し機を用いて265℃でコンパウンドとした。このコン
パウンドをシリンダー温度270℃、金型温度90℃の
条件で射出成形機により長さ126mm、幅12mm、
厚さ6mmの試験片に成形した。得られた試験片をAS
TM D790により曲げ強さを測定した。結果を表1
に示す。
【表1】 表1 サンプル 酸化温度(℃) 成形体の曲げ強さ(kg/cm2 実施例1 425 2370 実施例2 450 2407 実施例3 470 2405
【0037】比較参考例1 酸化処理されていない
メソフェーズピッチ系炭素繊維とナイロン6との複合材
料の曲げ強度測定 参考例1と同じ条件で、用いる炭素繊維チョップトスト
ランドを酸化処理されていない製造例1の物に換えて、
成形体の曲げ強さを測定した。成形体の曲げ強さは、2
295kg/cm2 であった。
【0038】実施例4 芳香族樹脂系炭素繊維の酸
化処理 製造例2で得た炭素繊維チョップトストランドを硝酸カ
リウム0.05%水溶液に浸漬させた後取り出した。こ
のとき、チョップトストランドが保有する上記硝酸カリ
ウム0.05%水溶液のピックアップは30%であっ
た。このチョップトストランドを120℃で乾燥し、炭
素繊維表面に硝酸カリウムを付着させた。このときの硝
酸カリウム付着率は、0.015%であった。次に、炭
素繊維表面に硝酸カリウムが付着したチョップトストラ
ンドをマッフル炉中で425℃で30分間熱処理した。
【0039】実施例5 芳香族樹脂系炭素繊維の酸
化処理 製造例2で得た炭素繊維チョップトストランドを、硝酸
カリウム0.1%水溶液を用いて実施例4と同様の操作
で硝酸カリウムを付着させた。このときの硝酸カリウム
付着率は、0.03%であった。熱処理は、実施例4と
同様に行った。
【0040】実施例6 芳香族樹脂系炭素繊維の酸
化処理 製造例2で得た炭素繊維チョップトストランドを、硝酸
カリウム0.3%水溶液を用いて実施例4と同様の操作
で硝酸カリウムを付着させた。このときの硝酸カリウム
付着率は、0.09%であった。熱処理は、温度を40
0℃としたほかは実施例4と同様に行った。
【0041】実施例7 芳香族樹脂系炭素繊維の酸
化処理 製造例2で得た炭素繊維チョップトストランドを、硝酸
カリウム0.3%水溶液を用いて実施例4と同様の操作
で硝酸カリウムを付着させた。このときの硝酸カリウム
付着率は、0.09%であった。熱処理は、温度を37
5℃としたほかは実施例4と同様に行った。
【0042】実施例8 芳香族樹脂系炭素繊維の酸
化処理 製造例2で得た炭素繊維チョップトストランドを、硝酸
カリウム0.5%水溶液を用いて実施例4と同様の操作
で硝酸カリウムを付着させた。このときの硝酸カリウム
付着率は、0.15%であった。熱処理は、実施例4と
同様に行った。
【0043】実施例9 芳香族樹脂系炭素繊維の酸
化処理 製造例2で得た炭素繊維チョップトストランドを、硝酸
カリウム1.0%水溶液を用いて実施例4と同様の操作
で硝酸カリウムを付着させた。このときの硝酸カリウム
付着率は、0.30%であった。熱処理は、実施例4と
同様に行った。
【0044】実施例10 芳香族樹脂系炭素繊維の
酸化処理 製造例2で得た炭素繊維チョップトストランドを硝酸カ
リウム10%水溶液に浸漬させた後取り出した。このと
き、チョップトストランドが保有する上記硝酸カリウム
10%水溶液のピックアップは28%であった。このチ
ョップトストランドを120℃で乾燥し、炭素繊維表面
に硝酸カリウムを付着させた。このときの硝酸カリウム
付着率は2.8%であった。次に、炭素繊維表面に硝酸
カリウムが付着したチョップトストランドを425℃で
10分熱処理した。
【0045】比較例1 芳香族樹脂系炭素繊維の空
気酸化 製造例2で得た炭素繊維チョップトストランドを、空気
中、530℃で60分間熱処理して表面酸化した。
【0046】参考例2 酸化処理された芳香族樹脂
系炭素繊維とポリカーボネート樹脂との複合材料の曲げ
強度測定 実施例4〜10で熱処理して得た炭素繊維チョップトス
トランドを、ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂エマ
ルジョン(固形分1重量%含有)中に浸漬し、エマルジ
ョンをチョップトストランドに十分含浸させた後、十分
乾燥してサイジングを行った。次に表面処理の効果を確
認するために、熱可塑性樹脂と上記チョップトストラン
ドの複合成形体を得て、曲げ強さを測定した。ユーピロ
ンS−2000〔ポリカーボネート樹脂、三菱ガス化学
(株)製〕80重量部と上記実施例4〜9のチョップト
ストランド20重量部とを配合し、一軸の押し出し機を
用いて300℃でコンパウンドとした。このコンパウン
ドをシリンダー温度300℃、金型温度120℃の条件
で射出成形機により長さ126mm、幅12mm、厚さ
6mmの試験片に成形した。得られた試験片をASTM
D790により曲げ強さを測定した。結果を表2に示
す。
【表2】 表2 サンプル KNO3 付着量 酸化温度 処理時間 成形体の曲げ強さ (%) (℃) (分) (kg/cm2 実施例4 0.015 425 30 1777 実施例5 0.03 425 30 1754 実施例6 0.09 400 30 1850 実施例7 0.09 375 30 1654 実施例8 0.15 425 30 1821 実施例9 0.3 425 30 1641 実施例10 2.8 425 10 1735
【0047】比較参考例2 酸化処理されていない
芳香族樹脂系炭素繊維および空気酸化された芳香族樹脂
系炭素繊維とポリカーボネート樹脂との複合材料の曲げ
強度測定 参考例2と同じ条件で、用いる炭素繊維チョップトスト
ランドを酸化処理されていない製造例2の物、および比
較例1のものに換えて、成形体の曲げ強さを測定した。
結果を表3に示す。
【表3】 表3 サンプル 酸化温度 処理時間 成形体の曲げ強さ (℃) (分) (kg/cm2 無処理品 −− −− 1573 比較例1 530 60 1630
【0048】実施例11 メソフェーズピッチ系炭
素繊維の酸化処理 製造例1で得た炭素繊維チョップトストランドを硝酸カ
リウム0.5%水溶液に浸漬させた後取り出した。この
とき、チョップトストランドが保有する上記硝酸カリウ
ム0.5%水溶液のピックアップは30%であった。こ
のチョップトストランドを120℃で乾燥し、炭素繊維
表面に硝酸カリウムを付着させた。このときの硝酸カリ
ウム付着率は0.15%であった。次に、炭素繊維表面
に硝酸カリウムが付着したチョップトストランドを40
0℃で60分熱処理した。
【0049】比較例2 メソフェーズピッチ系炭素
繊維の空気酸化 製造例1で得た炭素繊維チョップトストランドを、空気
中、470℃で60分間熱処理して表面酸化した。
【0050】参考例3 酸化処理されたメソフェー
ズピッチ系炭素繊維とポリアセタール樹脂との複合材料
の曲げ強度測定 実施例11で熱処理して得た炭素繊維チョップトストラ
ンドを、ポリエーテルタイプのウレタン樹脂エマルジョ
ン(固形分1重量%含有)中に浸漬し、エマルジョンを
チョップトストランドに十分含浸させた後、十分乾燥し
てサイジングを行った。次に表面処理の効果を確認する
ために、熱可塑性樹脂と上記チョップトストランドの複
合成形体を得て、曲げ強さを測定した。ジュラコン〔ポ
リアセタール樹脂、ポリプラスチックス(株)社製〕8
0重量部と上記実施例11のチョップトストランド20
重量部とを配合し、一軸の押し出し機を用いて200℃
でコンパウンドとした。このコンパウンドをシリンダー
温度200℃、金型温度90℃の条件で射出成形機によ
り長さ126mm、幅12mm、厚さ6mmの試験片に
成形した。得られた試験片をASTM D790により
曲げ強さを測定した。成形体の曲げ強さは、1848kg
/cm2 であった。
【0051】比較参考例3 酸化処理されていない
メソフェーズピッチ系炭素繊維および空気酸化されたメ
ソフェーズピッチ系炭素繊維とポリアセタール樹脂との
複合材料の曲げ強度測定 参考例3と同じ条件で、用いる炭素繊維チョップトスト
ランドを酸化処理されていない製造例1の物、および比
較例2のものに換えて、成形体の曲げ強さを測定した。
結果を表4に示す。
【表4】 表4 サンプル 酸化温度 処理時間 成形体の曲げ強さ (℃) (分) (kg/cm2 無処理品 −− −− 1735 比較例2 470 60 1744
【0052】発明の効果 本発明により、これまで表面の酸化処理が困難とされて
きた高弾性率の炭素繊維を含めてあらゆる炭素繊維を、
以前よりも低い処理温度かつ短い処理時間で炭素繊維の
弾性率を損なわないよう適切に表面処理することができ
る。これにより、炭素繊維の弾性率を生かし、かつ剪断
力にも優れた炭素繊維強化樹脂複合材料を提供すること
が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 実 福島県福島市小倉寺字敷ケ森34 (72)発明者 庄野 弘晃 福島県福島市伏拝字沼ノ上2−532

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維にアルカリ金属硝酸塩を、炭素
    繊維重量に対し0.01〜5重量%付着させ、空気中で
    該アルカリ金属硝酸塩の融点以上かつ500℃未満の温
    度で熱処理する事を特徴とする、炭素繊維の表面処理方
    法。
  2. 【請求項2】 炭素繊維にアルカリ金属硝酸塩を、炭素
    繊維重量に対し0.01〜5重量%付着させ、空気中で
    該アルカリ金属硝酸塩の分解温度以上かつ500℃未満
    の温度で熱処理する事を特徴とする、炭素繊維の表面処
    理方法。
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