JPH05194761A - 塩化ビニル樹脂フィルム - Google Patents

塩化ビニル樹脂フィルム

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JPH05194761A
JPH05194761A JP2757192A JP2757192A JPH05194761A JP H05194761 A JPH05194761 A JP H05194761A JP 2757192 A JP2757192 A JP 2757192A JP 2757192 A JP2757192 A JP 2757192A JP H05194761 A JPH05194761 A JP H05194761A
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JP
Japan
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weight
vinyl chloride
chloride resin
temperature
film
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Application number
JP2757192A
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English (en)
Inventor
Sadao Nishii
貞男 西井
Hiroaki Hirose
弘明 廣瀬
Hiroshi Harada
日路史 原田
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノンタック性の良好な塩化ビニル樹脂フィル
ムおよび夏場にも冬場にも取扱作業性がよい柔軟性のバ
ランスのとれた塩化ビニル樹脂遮水シートを提供する。 【構成】 2‐プロピルヘプタノール89重量以上およ
び4‐メチル‐2‐プロピルヘキサノール10重量%〜
以下の混合デシルアルコールのフタル酸ジエステルから
なる可塑剤と塩化ビニル樹脂とを含有することを特徴と
する塩化ビニル樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩化ビニル樹脂フィルム
もしくはシートに関する。更に詳しくは、ノンタック性
良好な塩化ビニル樹脂フィルムおよび塩化ビニル製遮水
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、産業用の資材や日用品などの分野
ではプラスチックのフィルムもしくはシートが広く使用
されている。使用されるプラスチックの種類は塩化ビニ
ル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリブタ
ジエンやエチレン‐酢酸ビニル共重合体などのポリオレ
フィン系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニ
ルアルコールなど多くのものがある。
【0003】また、現代の土木建設工事においては遮水
を目的として塩化ビニル樹脂や、エチレン‐酢酸ビニル
共重合体などのプラスチックのシート、ブチルゴムやエ
チレンプロピレンゴムなどのゴムシート及びアスファル
ト含浸シートなどが一般的に広く使用されている。その
中で塩化ビニル樹脂は可塑剤を配合することによって、
他のプラスチックで得られない柔軟性を示すので、軟質
フィルムとして多くの分野で広く使用されている。ま
た、塩化ビニル樹脂製遮水シートは、物理的強度のバラ
ンスが良く、溶着作業性に優れ、価格も比較的安価なた
めに、農業用貯水池、ゴルフ場人工池、公園の人工池、
調整池、導水路、廃棄物処理場、河川堤防、港湾施設な
どの遮水工事に使用され、遮水シートの代表的存在とな
っている。
【0004】一般に、塩化ビニル樹脂フィルムもしくは
シートには柔軟性を付与するために可塑剤が添加されて
いる。この時の可塑剤としては、フタル酸ジ‐2‐エチ
ルヘキシルがバランスのとれた性能と価格から広く使用
されている。軟質塩化ビニル樹脂のフィルムはこの中に
含まれている可塑剤の影響によって特に夏場などの高温
時にフィルムの表面にべた付きが生じフィルム同士が粘
着して取扱作業性が著しく低下し、時にはフィルムとし
て使用できない場合もあり問題である。
【0005】このため軟質塩化ビニル樹脂フィルムの表
面のべた付きによる作業性低下を改善してノンタック性
を付与するために、従来、種々の方法が提案されてき
た。例えば吐出性ブロッキング防止剤を練り込む方法、
シボロールでフィルムシートの表面の凹凸をつける方
法、デンプン粉などの粉をフィルム表面にまぶす方法、
フィルム表面へのアクリル樹脂などのコーティングを行
う方法なとが提案されている。
【0006】しかしながら、これらの方法にはそれぞれ
に欠点がある。まず、吐出性ブロッキング防止剤を練り
込む方法は、浮き出しによる透明性の低下を生じる。ま
た、フィルム表面に凹凸をつける方法は強度低下、透明
性の低下の原因となる。また、デンプンなどの粉を表面
にまぶす方法は、カビが発生し易く、フィルムの汚れ、
強度の低下を招き、使用中に水や風で散逸し、持続性が
ないという欠点がある。さらに、フィルムやシートの表
面へのアクリル樹脂などのコーティングを行う方法は、
有効な場合もあるが、コーティング設備、材料費及び製
造工程の複雑化から、フィルム価格が増大する。この経
済性の問題点がある。価格が比較的安価である本来の塩
化ビニルフィルムの特性が生かせない。
【0007】この塩化ビニル樹脂フィルムの欠点を改善
するために種々の可塑剤が検討されている。しかし、可
塑剤を変更した場合にはそれぞれ欠点がある。フタル酸
ジ‐2‐エチルヘキシルの代わりにフタル酸ジイソノニ
ルを使用した場合は、フィルムの引き裂き強さが低下す
る。また、可塑剤としてフタル酸ジイソデシルを使用し
た場合には、低温でのフィルムの柔軟性に問題がある。
【0008】一方、塩化ビニル樹脂遮水シートも、可塑
剤としてフタル酸ジ‐2‐エチルヘキシルが広く使用さ
れている。しかしこの場合、冬場の低温時の柔軟性が良
好なシートは、夏場の高温時には柔らかくなりすぎる。
逆に夏場の高温時に適当な柔らかさを持たせると、冬場
の低温時に硬くなって取扱作業性が悪くなる。また、時
間と共に、熱や水によって可塑剤が消散して、シートの
柔軟性や強度が低下するという問題がある。
【0009】この塩化ビニル樹脂性遮水シートの欠点を
改善するために色々な可塑剤が検討されている。しか
し、可塑剤を変更した場合にはそれぞれ欠点があった。
フタル酸ジ‐2‐エチルヘキシルの代わりにフタル酸ジ
イソノニルを使用した場合は、シートの引き裂き強さが
低下し、熱や水による可塑剤の消散の改善も十分な効果
がない。また、可塑剤としてフタル酸ジイソデシルを使
用した場合には、低温でのシートの柔軟性が不十分であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
従来技術の問題点を解決することであり、軟質塩化ビニ
ル樹脂フィルムの高温時のべたつきを防止したノンタッ
ク性軟質塩化ビニル樹脂フィルムを提供すること、およ
び夏場にも冬場にも取扱作業性が良好な柔軟性のバラン
スのとれた塩化ビニル樹脂製遮水シートを提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本出願人は、これらの課
題を解決するためすでに特願平2−223922,2−
223923号においてフタル酸ジ‐2‐プロピルヘプ
チルを用いることを提案しているが、本発明者らはさら
に検討を重ねた結果、特定のデシルアルコールの混合物
のフタル酸ジエステルを使用することにより本発明を完
成するに至った。なお、本発明において、フィルムとは
フィルムまたはシートを意味する。すなわち、本発明の
塩化ビニル樹脂フィルムは、2‐プロピルヘプタノール
89重量%以上および4‐メチル‐2‐プロピルヘキサ
ノール10重量%以下含まれる混合デシルアルコールの
フタル酸ジエステルからなる可塑剤30〜90重量%と
塩化ビニル樹脂100重量部とを含有することを特徴と
し、一つはノンタック性軟質塩化ビニル樹脂フィルム、
他の一つは塩化ビニル樹脂製遮水シートである。
【0012】本発明のフィルムに用いるフタル酸ジエス
テルからなる可塑剤は、2‐プロピルヘプタノール89
重量%以上および4‐メチル‐2‐プロピルヘキサノー
ル10重量%以下含まれる混合デシルアルコールとフタ
ル酸もしくは無水フタル酸とのエステル化反応によって
得られるフタル酸ジデシルエステルである。
【0013】この混合デシルアルコールは、例えば、オ
レフィンとしてブテン‐1を用いるオキソ合成によって
n‐バレルアルデヒド及び2‐メチルブチルアルデヒド
の混合物を製造し、これらのアルデヒドのアルドール縮
合とその後の脱水反応によって2‐プロピルヘプテナー
ルと4‐メチル‐2‐プロピルヘキセナールの混合物を
製造し、これらの混合物の水素添加反応によって合成す
ることができる。もし、必要ならば蒸留により、混合デ
シルアルコール組成を調製してもよい。しかし、これら
の調製法によって制限されるものではない。例えば、2
‐プロピルヘプタノールと4‐メチル‐2‐プロピルヘ
キサノールとを別個に調製し、それらを混合することも
可能である。
【0014】本発明のフィルムに用いるフタル酸ジデシ
ルエステルの配合量は、フィルムもしくはシートの用途
がさまざまにわたっているので、それぞれに応じた仕様
が望まれる。特に遮水シートの場合、地域の気候差もあ
るので、それぞれに応じた仕様が望まれる。しかし、塩
化ビニル樹脂100重量部に対し30〜90重量部を配
合することが好ましい。配合量が30重量部未満では低
温時のシートの柔軟性が不十分であり、90重量部を超
える場合には高温時にシートが柔らかくなりすぎるので
好ましくない。
【0015】可塑剤としてフタル酸ジデシル以外に、一
般に塩化ビニル樹脂に使用される可塑剤、例えばフタル
酸ジ‐2‐エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、ア
ジピン酸ジ‐2‐エチルヘキシル、エポキシ化大豆油、
リン酸エステル系可塑剤などを含んでもかまわなく、さ
らにこれらを併用しても差し支えない。たゞし、可塑剤
併用の割合は、本発明の効果が損なわれない範囲とする
のが好ましい。
【0016】本発明のフィルムに用いる塩化ビニル樹脂
は、ポリ塩化ビニルおよび塩化ビニルコポリマーであ
り、塩化ビニルコポリマーとは塩化ビニルを主体とし、
これに他のモノマー、例えばエチレン、プロピレン、酢
酸ビニル、アルキルビニルエーテル、メタクリル酸エス
テル、アクリル酸エステルなどとのコポリマーが挙げら
れるが、本発明はこれらの樹脂の種類に制限されるもの
ではない。
【0017】本発明のフィルムには、塩化ビニル樹脂、
フタル酸ジデシルエステルのほか、必要に応じて、安定
剤、安定化助剤、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、界
面活性剤、着色剤、強化剤、加工助剤、充填剤などを配
合することができる。
【0018】安定剤としては、例えば、三塩基性硫酸鉛
などの鉛塩類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
バリウム、ステアリン酸亜鉛、リシノール酸カルシウ
ム、ラウリル酸バリウムのような金属石鹸系安定剤類、
ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレイン酸エ
ステル、ジオクチルスズメルカプタイドのような有機ス
ズ系安定剤などを挙げることができる。
【0019】安定化助剤としては、例えば、亜リン酸ト
リフェニル、亜リン酸トリ‐2‐エチルヘキシル、亜リ
ン酸トリノニルフェニルのような亜リン酸エステル類が
あり、酸化防止剤としては、例えばt‐ブチルヒドロキ
シトルエン、ジラウリルチオジプロピオネートが挙げら
れる。
【0020】滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ス
テアリン酸アミド、ポリエチレンワックスが挙げられ
る。紫外線吸収剤としては、例えば、2‐(5′‐メチ
ル‐2′‐ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2‐(3′‐t‐ブチル‐5′‐メチル‐2′‐ヒドロ
キシフェニル)‐5‐クロロベンゾ‐1,2,4‐トリ
アゾールが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノパルミテートが挙げられ
る。
【0021】着色剤としては、例えば、フタロシアニン
ブルー、酸化チタン、カーボンブラックなどが挙げられ
る。強化剤としては、例えば、ポリメタクリル酸エステ
ルとブタジエンとスチレンの共重合体、アクリロニトリ
ル‐ブタジエンゴム、エチレンと酢酸ビニルの共重合体
が挙げられる。加工助剤としては、例えば、ポリメタク
リル酸メチルが挙げられる。充填剤としては、例えば、
炭酸カルシウムが挙げられる。たゞし、本発明はこれら
添加剤の種類で限定されるものではない。
【0022】本発明のフィルムの製造手段としては、一
般に使用されているリボンブレンダーやヘンシェル型ミ
キサーなどの混合設備、バンバリーミキサーや2本ロー
ルなどの混練設備、カレンダーロールやT型ダイスを装
備した押出機やラミネーターといったフィルム成型設備
を用いることができる。
【0023】
【実施例】本発明の塩化ビニルフィルムの優れた性質に
ついて、実施例によってさらに具体的に説明する。実施
例、比較例に示す評価試験は下記の方法による。
【0024】[引っ張り強さ、延び]JIS K 71
13に準じた。 [硬度]JIS K 6301に準じ、スプリング式硬
さ試験機A形を使用した。
【0025】[引き裂き強さ]JIS K 6301に
準じ、測定にはB形試験片を使用した。 [柔軟温度]JIS K 6745に準じた。
【0026】[加熱重量変化率]JIS K 7113
の2号試験片を120℃のギアー式老化試験機にて12
0時間加熱し、重量変化率を測定する。重量変化率は試
験前後の試験片の重量差を試験前の重量で割ったものを
百分率で示したものである。マイナスが重量減少を示
す。
【0027】[温水重量変化率]JIS K 7113
の2号試験片を100℃の温水中に480時間浸漬し、
重量変化率を測定する。重量変化率は試験前後の試験片
の重量差を試験前の重量で割ったものを百分率で示した
ものである。マイナスが重量減少を示す。 [100%モジュラス]各温度による柔軟性としてJI
S K 7113の引っ張り試験に準じ、伸びが100
%に達した時の応力を求めた。
【0028】[べた付き剥離荷重]50×120mmに裁
断した厚さ0.075mmの試験用フィルムシートを2枚
重ね合わせ、その片側50×50mmを上下から平滑な5
0×50mmのガラス板(厚さ1mm)で挾む。さらに、上
側のガラス板に1kgの荷重を乗せ、これを温度70℃、
湿度80%の恒湿恒温槽に入れて2時間放置する。2時
間後、これを恒湿恒温槽から取り出し、直ちに荷重とガ
ラス板を取り除き、気温23℃、湿度50%の部屋に2
4時間放置する。
【0029】その後、この2枚重ねのフィルムサンプル
の荷重を乗せなかった側のフィルム端を1枚づつ、それ
ぞれ引っ張り試験機のつかみ金具の上下に取り付け、重
ね合わせた2枚のフィルムを剥離させるのに必要な力の
測定を行った。それぞれ、3組のフィルムサンプルにつ
いて測定を行い、それらの値の算術平均を測定値とし
た。測定値の数値が小さい程、べた付きが少なく、フィ
ルム同士の剥離が良好なことを示す。
【0030】実施例1 マグネット式撹拌機、ジムロート型凝縮器、熱電対温度
計及び滴下装置を装着した2リットルの四つ口フラスコ
に市販のnバレルアルデヒド688.3g、2‐メチル
バレルアルデヒド14.2gを仕込み攪拌した。1.0
重量%NaOH水溶液を調製し、これをフラスコ中に2
5℃にて滴下した。60分後に滴下を終了し、この時の
系内温度は58℃であった。この後加熱を開始し、85
℃に達してから4時間そのまま攪拌を続けた。次に、室
温まで冷却した後攪拌を止め、油水分離し584.8g
(水分0.54重量%)の油層(アルドール縮合液)を
得た。磁気式撹拌機、水素調圧器及び熱電対温度計を装
着した1リットルのステンレススチールオートクレーブ
に窒素雰囲気下、アルドール縮合液の油層534.2g
及び触媒としてラネーニッケル26.5gを仕込んだ。
系内を水素で3回置換した後、水素圧力を50kg/cm2
に設定し、500rpm で攪拌した。それと同時に、電気
炉を加熱し昇温を開始したところ、系内温度が95℃付
近から水素吸収が始まり、その後3.5時間水素吸収が
継続した(その間の最高到達温度は160℃であっ
た)。水素吸収が停止してから更に2時間、130から
145℃で攪拌を続けた後加熱を停止した。一晩放置
後、メンブランフィルターを用いて触媒をろ別したとこ
ろ、540.2gの油層を得た。この油層を25段オル
ダーショウ蒸留装置を用いて減圧蒸留した。蒸留初期は
30〜60mmHgの減圧下で行い、その後10〜30mmHg
に変更して、塔頂温度が105℃/16mmHg〜106℃
/17mmHgの留出分を得た。これをキャピラリーガスク
ロマトグラフィーにて分析した結果、2‐プロピルヘプ
タノール(2PHO)96.0重量%および、4‐メチ
ル‐2‐プロピルヘキサノール(MPHO)3.9重量
%を含む混合デシルアルコールであることがわかった。
【0031】2リットルフラスコに、原料として無水フ
タル酸413.2g及び混合デシルアルコール108
6.5gを窒素雰囲気下で仕込んだ。この溶液を攪拌し
ながら加熱し反応液温度が60℃になったところで触媒
であるテトライソプロポキシチタンの25重量%デカノ
ール溶液7.0gを加えた後、さらに220℃まで昇温
した。生成水は反応器に取り付けた油水分離機を用いて
系外に除去し、未反応アルコールは系内に戻した。反応
液の温度が220℃に到達してから1時間毎にサンプリ
ングを実施し、酸価が0.3以下になったところ(約5
時間後)で加熱を停止し、通常の中和、水洗、減圧蒸留
及び後処理操作を経た後、目的物であるフタル酸ジデシ
ルエステル(DXP)1160gを得た。この時の酸価
は0.021、残アルコール分は100ppm 以下、水分
0.07重量%であった。平均重合度1030のポリ塩
化ビニル(チッソ(株)製:PVC ニポリットSL)
100重量部に対し、フタル酸ジデシル(DXP)50
重量部、カルシウム−亜鉛系複合安定剤2重量部を配合
し、これを175℃の試験ロールにて5分間混練りし、
厚さ1.3mmのシートサンプルを作成した。さらに、こ
れを185℃にて2分間予熱した後、3分間150kg/
cm2 の圧力にて加圧し厚さ1mmのシートを作成し、引っ
張り強さ、伸び、硬さ、引き裂き強さ、柔軟温度、加熱
重量変化率、温水重量変化率、100%モジュラスの測
定を行った。また、同じ配合を用い同じ試験ロール条件
にて混練りし、厚さ0.075mmのフィルムを作成して
べた付き剥離荷重の測定を行った。測定結果は表1に示
す。
【0032】実施例2 実施例1のDXP50重量部をDXP56重量部に変更
し、その他の配合と試験は実施例1と同様にした。
【0033】実施例3 実施例1のDXP50重量部をDXP70重量部に変更
し、その他の配合と試験は実施例1と同様にした。
【0034】実施例4 実施例1のDXP50重量部をDXP85重量部に変更
し、その他の配合と試験は実施例1と同様にした。
【0035】実施例5 実施例1のDXP50重量部をDXP30重量部に変更
し、その他の配合と試験は実施例1と同様にした。
【0036】実施例6 マグネット式撹拌機、ジムロート型凝縮器、熱電対温度
計及び滴下装置を装着した2リットルの四つ口フラスコ
に市販のnバレルアルデヒド695.3g、2‐メチル
バレルアルデヒド7.0gを仕込み攪拌した。1.0重
量%NaOH水溶液を調製し、これをフラスコ中に25
℃にて滴下した。60分後に滴下を終了し、この時の系
内温度は58℃であった。この後加熱を開始し、85℃
に達してから4時間そのまま攪拌を続けた。次ぎに、室
温まで冷却したのち攪拌を止め、油水分離し585.7
g(水分0.56重量%)の油層(アルドール縮合液)
を得た。磁気式撹拌機、水素調圧器及び熱電対温度計を
装着した1リットルのステンレススチールオートクレー
ブに窒素雰囲気下、アルドール縮合液の油層535.1
g及び触媒としてラネーニッケル26.5gを仕込ん
だ。系内を水素で3回置換した後、水素圧力を50kg/
cm2 に設定し、500rpm で攪拌した。それと同時に、
電気炉を加熱し昇温を開始したところ、系内温度が95
℃付近から水素吸収が始まり、その後3.5時間水素吸
収が継続した(その間の最高到達温度は160℃であっ
た)。水素吸収が停止してから更に2時間、130から
145℃で攪拌を続けた後加熱を停止した。一晩放置
後、メンブランフィルターを用いて触媒をろ別したとこ
ろ、540.2gの油層を得た。この油層を25段オル
ダーショウ蒸留装置を用いて減圧蒸留した。蒸留初期は
30〜60mmHgの減圧下で行い、その後10〜30mmHg
に変更して、塔頂温度が105℃/15mmHgから106
℃/17mmHgの留出分を得た。これをキャピラリーガス
クロマトグラフィーにて分析した結果、2‐プロピルヘ
プタノール(2PHO)97.9重量%および、4‐メ
チル‐2‐プロピルヘキサノール(MPHO)2.0重
量%を含む混合デシルアルコールであることがわかっ
た。
【0037】2リットルフラスコに、原料として無水フ
タル酸413.4g及び混合デシルアルコール108
6.5gを窒素雰囲気下仕込んだ。この溶液を攪拌しな
がら加熱し反応液温度が60℃になったところで触媒で
あるテトライソプロポキシチタンの25重量%デカノー
ル溶液7.0gを加えた後、さらに220℃まで昇温し
た。生成水は反応器に取り付けた油水分離器を用いて系
外に除去し、未反応アルコールは系内に戻した。反応液
温度が220℃に到達してから1時間毎にサンプリング
を実施し、酸価が0.3以下になったところ(約5時間
後)で加熱を停止し、通常の中和、水洗、減圧蒸留及び
後処理操作を経た後、目的物であるフタル酸ジデシルエ
ステル(DXP)1161gを得た。この時の酸価は
0.020、残アルコール分は100ppm 以下、水分
0.06重量%であった。配合及び試験は実施例1と同
様とした。
【0038】実施例7 実施例1のDXP50重量部をDXP40重量部及びD
OP(チッソ(株)製)10重量部に変更し、その他は
実施例1と同様の配合、試験を行った。
【0039】実施例8 マグネット式撹拌機、ジムロート型凝縮器、熱電対温度
計及び滴下装置を装着した2リットルの四つ口フラスコ
に市販のnバレルアルデヒド668.0g、2‐メチル
バレルアルデヒド35.5gを仕込み攪拌した。1.0
重量%NaOH水溶液を調製し、これをフラスコ中に2
5℃にて滴下した。60分後に滴下を終了し、この時の
系内温度は57℃であった。この後加熱を開始し、85
℃に達してから4時間そのまま攪拌を続けた。次ぎに、
室温まで冷却したのち攪拌を止め、油水分離し584.
2g(水分0.54重量%)の油層(アルドール縮合
液)を得た。
【0040】磁気式撹拌機、水素調圧器及び熱電対温度
計を装着した1リットルのステンレススチールオートク
レーブに窒素雰囲気下、アルドール縮合液の油層53
3.9g及び触媒としてラネーニッケル26.7gを仕
込んだ。系内を水素で3回置換した後、水素圧力を50
kg/cm2 に設定し、500rpm で攪拌した。それと同時
に、電気炉を加熱し昇温を開始したところ、系内温度が
95℃付近から水素吸収が始まり、その後3.5時間水
素吸収が継続した(その間の最高到達温度は160℃で
あった)。水素吸収が停止してから更に2時間、130
から145℃で攪拌を続けた後加熱を停止した。一晩放
置後、メンブランフィルターを用いて触媒をろ別したと
ころ、540.2gの油層を得た。この油層を25段オ
ルダーショウ蒸留装置を用いて減圧蒸留した。蒸留初期
は30〜60mmHgの減圧下で行い、その後10〜30mm
Hgに変更して、塔頂温度が103℃/15mmHg〜106
℃/17mmHgの留出分を得た。これをキャピラリーガス
クロマトグラフィーにて分析した結果、2‐プロピルヘ
プタノール(2PHO)89.9重量%および、4‐メ
チル‐2‐プロピルヘキサノール(MPHO)9.9重
量%を含む混合デシルアルコールであることがわかっ
た。
【0041】2リットルフラスコに、原料として無水フ
タル酸413.0g及び混合デシルアルコール108
6.3gを窒素雰囲気下仕込んだ。この溶液を攪拌しな
がら加熱し反応液温度が60℃になったところで触媒で
あるテトライソプロポキシチタンの25重量%デカノー
ル溶液6.9gを加えた後、さらに220℃まで昇温し
た。生成水は反応器に取り付けた油水分離器を用いて系
外に除去し、未反応アルコールは系内に戻した。反応液
温度が220℃に到達してから1時間毎にサンプリング
を実施し、酸価が0.3以下になったところ(約5時間
後)で加熱を停止し、通常の中和、水洗、減圧蒸留及び
後処理操作を経た後、目的物であるフタル酸ジデシルエ
ステル(DXP)1158gを得た。この時の酸価は
0.022、残アルコール分は100ppm 以下、水分
0.05重量%であった。配合及び試験は実施例1と同
様とした。
【0042】実施例9 マグネット式撹拌機、ジムロート型凝縮器、熱電対温度
計及び滴下装置を装着した2リットルの四つ口フラスコ
に市販のnバレルアルデヒド700.5gを仕込み攪拌
した。1.0重量%NaOH水溶液を調製し、これをフ
ラスコ中に25℃にて滴下した。60分後に滴下を終了
し、この時の系内温度は62℃であった。この後加熱を
開始し、85℃に達してから4時間そのまま攪拌を続け
た。次ぎに、室温まで冷却したのち攪拌を止め、油水分
離し585.4g(水分0.58重量%)の油層(アル
ドール縮合液)を得た。
【0043】磁気式撹拌機、水素調圧器及び熱電対温度
計を装着した1リットルのステンレススチールオートク
レーブに窒素雰囲気下、アルドール縮合液の油層53
4.5g及び触媒としてラネーニッケル26.5gを仕
込んだ。系内を水素で3回置換した後、水素圧力を50
kg/cm2 に設定し、500rpm で攪拌した。それと同時
に、電気炉を加熱し昇温を開始したところ、系内温度が
95℃付近から水素吸収が始まり、その後3.5時間水
素吸収が継続した(その間の最高到達温度は160℃で
あった)。水素吸収が停止してから更に2時間、130
から145℃で攪拌を続けた後加熱を停止した。一晩放
置後、メンブランフィルターを用いて触媒をろ別したと
ころ、540.4gの油層を得た。この油層を25段オ
ルダーショウ蒸留装置を用いて減圧蒸留した。蒸留初期
は30〜60mmHgの減圧下で行い、その後10〜30mm
Hgに変更して、塔頂温度が112℃/20mmHg〜113
℃/20mmHgの留出分を得た。これをキャピラリーガス
クロマトグラフィーにて分析した結果、2‐プロピルヘ
プタノール(2PHO)99.8重量%及び、4‐メチ
ル‐2‐プロピルヘキサノール(MPHO)0.1重量
%を含むデシルアルコールであることがわかった。
【0044】2リットルフラスコに、原料として無水フ
タル酸413.2g及びデシルアルコール1086.5
gを窒素雰囲気下仕込んだ。この溶液を攪拌しながら加
熱し反応液温度が60℃になったところで触媒であるテ
トライソプロポキシチタンの25重量%デカノール溶液
7.0gを加えた後、さらに220℃まで昇温した。生
成水は反応器に取り付けた油水分離器を用いて系外に除
去し、未反応アルコールは系内に戻した。反応液温度が
220℃に到達してから1時間毎にサンプリングを実施
し、酸価が0.3以下になったところ(約5時間後)で
加熱を停止し、通常の中和、水洗、減圧蒸留及び後処理
操作を経た後、目的物であるフタル酸ジデシルエステル
(DXP)1160gを得た。この時の酸価は0.02
1、残アルコール分は100ppm 以下、水分0.04重
量%であった。配合、試験は実施例1と同様に行った。
【0045】比較例1 実施例1のDXP50重量部をDXP28重量部、DO
P(チッソ (株) 製)22重量部に変更し、その他は実
施例1と同様の配合、試験を行った。
【0046】比較例2 実施例1のDXP50重量部をDXP95重量部に変更
し、その他は実施例1と同様の配合、試験を行った。
【0047】比較例3 実施例1の配合で、DXP50重量部を市販のDOP
(チッソ(株)製)50重量部に代え、試験は実施例1
と同様の試験を行った。
【0048】比較例4 実施例1の配合で、DXP50重量部をフタル酸ジイソ
ノニル(積水化学工業(株)製:DINP)50重量部
に代え、試験は実施例1と同様の試験を行った。
【0049】比較例5 実施例1の配合で、DXP50重量部をフタル酸ジイソ
デシル(積水化学工業(株)製:DIDP)50重量部
に代え、試験は実施例1と同様の試験を行った。
【0050】これらの結果を表1、表2、表3に示す。
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル樹脂フィルムは、べ
た付き荷重の評価結果からわかるようにノンタック性が
改善されるばかりでなく、各温度での100%モジュラ
スの評価結果からわかるように、冬場や冷蔵庫中などの
低温時にも柔軟性を保持して、硬くなりすぎない。ま
た、夏場などの高温時にも柔らかくなりすぎないので、
取扱作業性が良好である。柔軟性がよく、べた付きがな
いため取扱作業性が改善され、べた付きによって生じる
塵の付着や汚染も防止された。さらに、引き裂き強さも
同時に満足した。また、加熱重量変化率、温水重量変化
率で評価されるように、可塑剤の消散による塩化ビニル
樹脂性フィルムの柔軟性や強度の低下といった劣化が防
げる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2‐プロピルヘプタノール89重量%以
    上および4‐メチル‐2‐プロピルヘキサノール10重
    量%以下含まれる混合デシルアルコールのフタル酸ジエ
    ステルからなる可塑剤30〜90重量部と塩化ビニル樹
    脂100重量部とを含有する塩化ビニル樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1からなるノンタック性軟質塩化
    ビニル樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1からなる塩化ビニル樹脂製遮水
    シート。
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