JPH061901A - 車両内装用塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

車両内装用塩化ビニル樹脂組成物

Info

Publication number
JPH061901A
JPH061901A JP18280592A JP18280592A JPH061901A JP H061901 A JPH061901 A JP H061901A JP 18280592 A JP18280592 A JP 18280592A JP 18280592 A JP18280592 A JP 18280592A JP H061901 A JPH061901 A JP H061901A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
vinyl chloride
chloride resin
temperature
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18280592A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadao Nishii
貞男 西井
Hiroshi Harada
日路史 原田
Hiroaki Hirose
弘明 廣瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP18280592A priority Critical patent/JPH061901A/ja
Publication of JPH061901A publication Critical patent/JPH061901A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 べた付き、フォギングが少ない斜里用内装用
塩化ビニル樹脂組成物を提供する。 【構成】 2‐プロピルヘプタノール95.0〜98.
5重量%と4‐メチル‐2‐プロピルヘキサノール1.
5〜5.0重量%との混合デシルアルコールのフタル酸
ジデシルエステル25〜105重量部、エポキシ化油1
〜10重量部を塩化ビニル樹脂100重量部に配合した
ことを特徴とする車両内装用塩化ビニル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、べた付きやフォギング
が少ない車両内装用塩化ビニル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】シート、計器設置パネル、ドア内張り、
マット、ステアリングホイール、ハンドルパッドなどの
車両内装材には、軟質塩化ビニル樹脂製、ポリプロピレ
ン製、布製などがある。このうち、軟質塩化ビニル樹脂
製の内装材は物理的強度のバランスがよく、比較的安価
なために、成型品、レザーとして広く用いられる。この
軟質塩化ビニル樹脂製品中には可塑剤が含有され、その
代表的なものがフタル酸ジ‐2‐エチルヘキシル(以下
DOPと略す)である。
【0003】軟質塩化ビニル樹脂を車両内装材に使用し
た場合、車内温度の上昇により、可塑剤が揮発してフロ
ントガラスが曇る、いわゆるフォギングといわれる現象
が起こる。この揮発によって、樹脂の劣化がおこり、内
装材の寿命が短くなる。また、軟質塩化ビニル樹脂製の
内装材は、この中に含まれている可塑剤の影響によって
特に夏場などの高温時に表面にべた付きが生じる。シー
トなどの場合には、べた付きにより、肌触りが悪く、座
り心地が悪い。また表面に塵などが付着し易くなり汚れ
易くなる。
【0004】このため軟質塩化ビニル樹脂製内装材のフ
ォギング防止性、表面のべた付き防止性をよくするため
に、DOPを他の可塑剤に変更することが試みられてい
る。例えば、DOPに代えてフタル酸ジイソノニル(D
INPと略す)やフタル酸ジイソデシル(DIDPと略
す)が検討されている。しかし、DINPを使用する場
合には、フォギング防止、べた付き防止が十分ではな
く、DIDPの場合には、低温での柔軟性が不十分であ
る。
【0005】また、トリメリテート系可塑剤、ポリエス
テル系可塑剤についても検討されている。しかし、トリ
メリテート系可塑剤はきわめて優れた性質を持つが、価
格が高く特殊な用途以外には使用しにくく、ポリエステ
ル系可塑剤は安定剤との相性から鉛系安定剤が十分に使
用できず、また価格も高いという欠点がある。また、一
般に、トリメリテート系可塑剤、ポリエステル系可塑剤
は、粘度が高く塩化ビニル樹脂組成物を製造する場合の
作業性がフタル酸エステルの場合に比べて悪くなる傾向
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決することであり、フォギング現象が発生
せず、べた付きがなく、可塑剤の消散しない車両内装用
に適した塩化ビニル樹脂組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは経済性を損
なうことなく、フォギング防止性、べた付き防止性を塩
化ビニル樹脂に付与する方法について鋭意検討した結
果、特定の混合デシルアルコールのフタル酸ジデシルエ
ステル、およびエポキシ化大豆油を配合使用することで
予想もしない結果が得られることを見い出し、この知見
にもとづき本発明の車両内装用塩化ビニル樹脂組成物を
完成するに至った。
【0008】本発明の車両内装用塩化ビニル樹脂組成物
は、2‐プロピルヘプタノール95〜98.5重量%と
4‐メチル‐2‐プロピルヘキサノール1.5〜5.0
重量%との混合デシルアルコールのフタル酸ジデシルエ
ステルを25〜105重量部、エポキシ化油1〜10重
量部を塩化ビニル樹脂100重量部に配合したことを特
徴とする。
【0009】本発明で用いるフタル酸ジデシルエステル
は、デシルアルコールとフタル酸もしくは無水フタル酸
とのエステル化反応によって得られる。
【0010】この混合デシルアルコールは、例えば、オ
レフィンとしてブテン‐1を用いるオキソ合成によって
n‐バレルアルデヒド及び2‐メチルブチルアルデヒド
の混合物を製造し、これらのアルデヒドのアルドール縮
合とその後の脱水反応によって2‐プロピルヘプテナー
ルと4‐メチル‐2‐プロピルヘキセナールの混合物を
製造し、これらの混合物の水素添加反応によって合成す
ることができる。もし、必要ならば蒸留によって、組成
の異なる混合デシルアルコールを調製してもよい。しか
し、本発明はこれらの製造法によって制限されるもので
はない。例えば、2‐プロピルヘプタノールと4‐メチ
ル‐2‐プロピルヘキサノールとを別個に調製し、それ
らを混合することも可能である。
【0011】本発明で用いるエポキシ化油とは、天然も
しくは、工業的に合成された油をエポキシ化したもので
ある。エポキシ化油にはエポキシ化大豆油、エポキシ化
サフラワー油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化紅花
油、エポキシ化綿実油などがある。
【0012】本発明で用いる塩化ビニル樹脂とは、塩化
ビニルホモポリマーまたは塩化ビニルコポリマーであ
り、塩化ビニルコポリマーとは塩化ビニルを主体としこ
れに他のモノマー、例えばエチレン、プロピレン、酢酸
ビニル、アルキルビニルエーテル、メタクリル酸エステ
ル、アクリル酸エステルなどとのコポリマーが挙げられ
るが、本発明はこれらの樹脂に制限されるものではな
い。
【0013】本発明の樹脂組成物には、塩化ビニル樹
脂、混合デシルアルコールのフタル酸ジデシルエステ
ル、エポキシ化大豆油のほか、必要に応じて、他の可塑
剤、安定剤、安定化助剤、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸
収剤、界面活性剤、着色剤、強化剤、加工助剤、充填
剤、発泡剤、難燃剤などを配合することができる。
【0014】本発明にあってはフタル酸ジデシルエステ
ルおよびエポキシ化大豆油以外に、他の可塑剤との併用
も、本発明の効果が損なわれない範囲であれば可能であ
る。この場合の併用可塑剤は、一般に塩化ビニル樹脂に
使用される可塑剤であれば特に制限がなく、例えばフタ
ル酸ジ‐2‐エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、
フタル酸ジイソデシル、アジピン酸ジ‐2‐エチルヘキ
シル。リン酸エステル系可塑剤、塩素化パラフィンなど
が挙げられる。さらに、これらの2種類以上を併用して
も差し支えない。
【0015】安定剤としては、例えば、三塩基性硫酸塩
などの鉛塩類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
バリウム、ステアリン酸亜鉛、リシノール酸カルシウ
ム、ラウリル酸バリウムのような金属石鹸系安定剤類、
ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレイン酸エ
ステル、ジオクチルスズメルカプタイドのような有機ス
ズ系安定剤などを挙げることができる。
【0016】安定化助剤としては、例えば、亜リン酸ト
リフェニル、亜リン酸トリ‐2‐エチルヘキシル、亜リ
ン酸トリノニルフェニルのような亜リン酸エステル類が
あり、酸化防止剤としては、例えば、t‐ブチルヒドロ
キシトルエン、ジラウリルチオジプロピオネートが挙げ
られる。
【0017】滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ス
テアリン酸アミド、ポリエチレンワックスが挙げられ
る。紫外線吸収剤としては、例えば、2‐(5′‐メチ
ル‐2′‐ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2‐(3′‐t‐ブチル‐5′‐メチル‐2′‐ヒドロ
キシフェニル)‐5‐クロロベンゾ‐1,2,4‐トリ
アゾールが挙げられる。
【0018】界面活性剤としては、例えば、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノパルミテートが挙げられる。着色剤
としては、例えば、フタロシアニンブルー、酸化チタ
ン、カーボンブラックなどが挙げられる。充填剤として
は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、
タルク、ハイドロタルサイトなどが挙げられる。
【0019】発泡剤しては、アゾジカルボンアミド、ジ
ニトロンペンタメチレンテトラミンなどが挙げられ。さ
らに、必要によっては発泡抑制剤、発泡促進剤の併用も
可能である。難燃剤としては、三酸化アンチモン、五酸
化アンチモン、酸化モリブデン、ホウ酸亜鉛などが挙げ
られる。本発明はこれら添加剤に限定されるものではな
い。
【0020】
【実施例】本発明の車両内装用塩化ビニル樹脂組成物の
優れた性質について、実施例によってさらに具体的に説
明する。実施例、比較例に示す評価試験は下記の方法に
よる。
【0021】〔引張試験〕JIS K 6723に準じ
て、引張り強さ、伸びを測定した。 〔低温柔軟温度〕JIS K 6745に準じた。 〔加熱重量変化率〕JIS K 7113の2号試験片
を120℃のギヤー式老化試験機にて120時間加熱
し、重量変化率を測定する。重量変化率は試験前後の試
験片の重量差を試験前の重量で割ったものを百分率で示
したものである。マイナスが重量減少を示す。
【0022】〔温水重量変化率〕JIS K 7113
の2号試験片を100℃の温水中に480時間浸漬し、
重量変化率を測定する。重量変化率は試験前後の試験片
の重量差を試験前の重量で割ったものを百分率で示した
ものである。マイナスが重量減少を示す。 〔曇価〕日産法に基づき100℃のオイルバスに5時間
浸漬後、ヘイズメーターで測定する。測定値が小さい
程、フォギングが少ないことを示す。
【0023】〔べた付き剥離荷重〕50×120mmに裁
断した厚さ0.075mmの試験用フィルムシートを2枚
重ね合わせ、その片側50×50mmを上下から平滑な5
0×50mmのガラス板(厚さ1mm)で挟む。さらに、上
側のガラス板に1kgの荷重を乗せ、これを温度70℃、
湿度80%の恒湿恒温槽に入れて2時間放置する。2時
間後、これを恒湿恒温槽から取り出し、直ちに荷重とガ
ラス板を取り除き、気温23℃、湿度50%の部屋に2
4時間放置する。
【0024】その後、この2枚重ねのフィルムサンプル
の荷重を乗せなかった側のフィルム端を1枚づつ、それ
ぞれ引っ張り試験機のつかみ金具の上下に取り付け、重
ね合わせた2枚のフィルムを剥離させるのに必要な力の
測定を行った。それぞれ、3組のフィルムサンプルにつ
いて測定を行い、それらの値の算術平均を測定値とし
た。測定値の数値が小さい程、べた付きが少なく、フィ
ルム同士の剥離が良好なことを示す。
【0025】実施例1 〔混合デシルアルコールの調製〕マグネット式撹拌機、
ジムロート型凝縮器、熱電対温度計及び滴下装置を装着
した2リットル四つ口フラスコに市販のn‐バレルアル
デヒド688.3g、2‐メチルブチルアルデヒド1
4.2gを仕込み撹拌した。1.0重量%NaOH水溶
液を調製し、これをフラスコ中に25℃にて滴下した。
60分後に滴下を終了し、この時の系内温度は58℃で
あった。この後加熱を開始して85℃に達してから4時
間そのまま撹拌を続けた。次に、室温まで冷却した後撹
拌を止め、油水分離し584.8g(水分0.54重量
%)の油層(アルドール縮合液)を得た。
【0026】磁気式撹拌機、水素調圧器及び熱電対温度
計を装着した1リットルステンレススチールオートクレ
ーブに窒素雰囲気下、アルドール縮合液の油層534.
2g及び触媒としてラネーニッケル26.5gを仕込ん
だ。系内を水素で3回置換した後、水素圧力を50kg/
cm2 に設定し、500rpm で撹拌した。それと同時に、
電気炉を加熱し昇温を開始したところ、系内温度が95
℃付近から水素吸収が始まり、その後3.5時間水素吸
収が継続した(その間の最高到達温度は160℃であっ
た)。水素吸収が停止してから更に2時間、130から
145℃で撹拌を続けた後加熱を停止した。
【0027】一晩放置後、メンブランフィルターを用い
て触媒をろ別し、540.2gの油層を得た。この油層
を25段オルダーショウ蒸留装置を用いて減圧蒸留し
た。蒸留初期は減圧度30から60mmHgで運転し、その
後減圧度を10から30mmHgに変更して塔頂温が105
℃/16mmHgから106℃/17mmHgの留出分を得た。
これをキャピラリーガスクロマトグラフィーにて分析し
た結果、2‐プロピルヘプタノール(2PHO)96.
0重量%および4‐メチル‐2‐プロピルヘキサノール
(MPHO)3.9重量%を含む混合デシルアルコール
であることがわかった。
【0028】〔フタル酸ジデシルエステルの調製〕2リ
ットルフラスコに、原料として無水フタル酸413.2
g及び上記の混合デシルアルコール1086.5gを窒
素雰囲気下仕込んだ。この溶液を撹拌しながら加熱し反
応液温度が60℃になったところで触媒であるテトライ
ソプロポキシチタンの25重量%デカノール溶液7.0
gを加えた後、さらに220℃まで昇温した。生成水は
反応器に取り付けた油水分離器を用いて系外に除去し、
未反応アルコールは系内に戻した。反応液温度が220
℃に到達してから1時間ごとにサンプリングを実施し、
酸価が0.3以下になったところ(約5時間後)で加熱
を停止し、通常の中和、水洗、減圧蒸留及び後処理操作
を経た後、目的物であるフタル酸ジデシルエステル(D
XP−1)1160gを得た。この時の酸価は0.02
1、残アルコール分は100ppm 以下、水分0.07重
量%であった。
【0029】〔車両内装用塩化ビニル樹脂組成物の製
造〕平均重合度1030のポリ塩化ビニル(チッソ
(株)製:PVC ニポリットSL)100重量部に対
し、フタル酸ジデシルエステル(DXP−1)60重量
部、エポキシ化大豆油3重量部、バリウム‐亜鉛系安定
剤2重量部を配合し、車両内装用塩化ビニル樹脂組成物
を得た。
【0030】これを175℃の試験ロールにて5分間混
練りし、厚さ1.3mmのシートサンプルを作成した。さ
らに、これを185℃にて2分間予熱した後、3分間1
50kg/cm2 の圧力にて加圧し厚さ1mmのシートを作成
し該シートを用いて所定の試験片を調製し、引張り強
さ、伸び、柔軟温度、加熱重量変化率、温水重量変化
率、曇価の測定を行った。また、上述の配合と同じ配
合、同じ試験ロール条件にて混練りし、別に厚さ0.0
75mmのフィルムを作制してべた付き剥離荷重の測定を
行った。測定結果は表1に示す。
【0031】実施例2 〔混合デシルアルコールの調製〕マグネット式撹拌機、
ジムロート型凝縮器、熱電対温度計及び滴下装置を装着
した2リットル四つ口フラスコに市販のn‐バレルアル
デヒド695.3g、2‐メチルブチルアルデヒド7.
0gを仕込み撹拌した。1.0重量%NaOH水溶液を
調製し、これをフラスコ中に25℃にて滴下した。60
分後に滴下を終了し、この時の系内温度は58℃であっ
た。この後加熱を開始して85℃に達してから4時間そ
のまま撹拌を続けた。次ぎに、室温まで冷却した後撹拌
を止め、油水分離し585.7g(水分0.56重量
%)の油層(アルドール縮合液)を得た。
【0032】磁気式撹拌機、水素調圧器及び熱電対温度
計を装着した1リットルステンレススチールオートクレ
ーブに窒素雰囲気下、アルドール縮合液の油層535.
1g及び触媒としてラネーニッケル26.5gを仕込ん
だ。系内を水素で3回置換した後、水素圧力を50kg/
cm2 に設定し、500rpm で撹拌した。それと同時に、
電気炉を加熱し昇温を開始したところ、系内温度が95
℃付近から水素吸収が始まり、その後3.5時間水素吸
収が継続した(その間の最高到達温度は160℃であっ
た)。水素吸収が停止してから更に2時間、130から
145℃で撹拌を続けた後加熱を停止した。
【0033】一晩放置後、メンブランフィルターを用い
て触媒をろ別し、540.2gの油層を得た。この油層
を25段オルダーショウ蒸留装置を用いて減圧蒸留し
た。蒸留初期は減圧度30から60mmHgで運転し、その
後減圧度を10から30mmHgに変更して塔頂温が105
℃/15mmHgから106℃/17mmHgの留出分を得た。
これをキャピラリーガスクロマトグラフィーにて分析し
た結果、2‐プロピルヘプタノール(2PHO)97.
9重量%および4‐メチル‐2‐プロピルヘキサノール
(MPHO)2.0重量%を含む混合デシルアルコール
であることがわかった。
【0034】〔フタル酸ジデシルエステルの調製〕2リ
ットルフラスコに、原料として無水フタル酸413.4
g及び上記の混合デシルアルコール1086.5gを窒
素雰囲気下仕込んだ。この溶液を撹拌しながら加熱し反
応液温度が60℃になったところで触媒であるテトライ
ソプロポキシチタンの25重量%デカノール溶液7.0
gを加えた後、さらに220℃まで昇温した。生成水は
反応器に取り付けた油水分離器を用いて系外に除去し、
未反応アルコールは系内に戻した。反応液温度が220
℃に到達してから1時間ごとにサンプリングを実施し、
酸価が0.3以下になったところ(約5時間後)で加熱
を停止し、通常の中和、水洗、減圧蒸留及び後処理操作
を経た後、目的物であるフタル酸ジデシルエステル(D
XP−2)1161gを得た。この時の酸価は0.02
0、残アルコール分は100ppm 以下、水分0.06重
量%であった。
【0035】〔車両内装用塩化ビニル樹脂組成物の製
造〕DXP−1をDXP−2に変える以外は、実施例1
と同様に行った。
【0036】実施例3 DXP−2の60重量部を30重量部に変更し、その他
の配合は実施例2と同様にし、車両内装用塩化ビニル樹
脂組成物を得た。得られた組成物を用いて実施例1に準
拠して、所定の試験片を調製し、引張り強さ、伸び、柔
軟温度、加熱重量変化率、温水重量変化率、曇価および
べた付き剥離荷重の測定を行なった。
【0037】実施例4 DXP−2の60重量部を100重量部に変更し、その
他の配合は実施例2と同様にし、車両内装用塩化ビニル
樹脂組成物を得た。得られた組成物を用いて実施例1に
準拠して、所定の試験片を調製し、引張り強さ、伸び、
柔軟温度、加熱重量変化率、温水重量変化率、曇価およ
びべた付き剥離荷重の測定を行なった。
【0038】実施例5 エポキシ化大豆油3重量部を8重量部に変更し、その他
の配合は実施例2と同様にし、車両内装用塩化ビニル樹
脂組成物を得た。得られた組成物を用いて実施例1に準
拠して、所定の試験片を調製し、引張り強さ、伸び、柔
軟温度、加熱重量変化率、温水重量変化率、曇価および
べた付き剥離荷重の測定を行なった。
【0039】比較例1 エポキシ化大豆油を使用せず、その他の配合は実施例2
と同様にし、塩化ビニル樹脂組成物を得た。得られた組
成物を用いて実施例1に準拠して、所定の試験片を調製
し、引張り強さ、伸び、柔軟温度、加熱重量変化率、温
水重量変化率、曇価およびべた付き剥離荷重の測定を行
なった。
【0040】比較例2 エポキシ化大豆油3重量部を12重量部に変更し、その
他の配合は実施例2と同様にし、塩化ビニル樹脂組成物
を得た。得られた組成物を用いて実施例1に準拠して、
所定の試験片を調製し、引張り強さ、伸び、柔軟温度、
加熱重量変化率、温水重量変化率、曇価およびべた付き
剥離荷重の測定を行なった。
【0041】比較例3 〔混合アルコールの調製〕マグネット式撹拌機、ジムロ
ート型凝縮器、熱電対温度計及び滴下装置を装着した2
リットル四つ口フラスコに市販のn‐バレルアルデヒド
668.0g、2‐メチルブチルアルデヒド35.5g
を仕込み撹拌した。1.0重量%NaOH水溶液を調製
し、これをフラスコ中に25℃にて滴下した。60分後
に滴下を終了し、この時の系内温度は57℃であった。
この後加熱を開始し、85℃に達してから4時間そのま
ま撹拌を続けた。次ぎに、室温まで冷却した後撹拌を止
め、油水分離し584.2g(水分0.54重量%)の
油層(アルドール縮合液)を得た。
【0042】磁気式撹拌機、水素調圧器及び熱電対温度
計を装着した1リットルステンレススチールオートクレ
ーブに窒素雰囲気下、アルドール縮合液の油層533.
9g及び触媒としてラネーニッケル26.7gを仕込ん
だ。系内を水素で3回置換した後、水素圧力を50kg/
cm2 に設定し、500rpm で撹拌した。それと同時に、
電気炉を加熱し昇温を開始したところ、系内温度が95
℃付近から水素吸収が始まり、その後3.5時間水素吸
収が継続した(その間の最高到達温度は160℃であっ
た)。水素吸収が停止してから更に2時間、130から
145℃で撹拌を続けた後加熱を停止した。
【0043】一晩放置後、メンブランフィルターを用い
て触媒をろ別し、540.2gの油層を得た。この油層
を25段オルダーショウ蒸留装置を用いて減圧蒸留し
た。蒸留初期は減圧度30から60mmHgで運転し、その
後減圧度を10から30mmHgに変更して塔頂温が103
℃/15mmHgから106℃/17mmHgの留出分を得た。
これをキャピラリーガスクロマトグラフィーにて分析し
た結果、2‐プロピルヘプタノール(2PHO)89.
9重量%および4‐メチル‐2‐プロピルヘキサノール
(MPHO)9.9重量%を含む混合アルコールである
ことがわかった。
【0044】〔フタル酸ジエステルの調製〕2リットル
フラスコに、原料として無水フタル酸413.0g及び
上記の混合アルコール1086.3gを窒素雰囲気下仕
込んだ。この溶液を撹拌しながら加熱し反応液温度が6
0℃になったところで触媒であるテトライソプロポキシ
チタンの25重量%デカノール溶液6.9gを加えた
後、さらに220℃まで昇温した。生成水は反応器に取
り付けた油水分離器を用いて系外に除去し、未反応アル
コールは系内に戻した。反応液温度が220℃に到達し
てから1時間ごとにサンプリングを実施し、酸価が0.
3以下になったところ(約5時間後)で加熱を停止し、
通常の中和、水洗、減圧蒸留及び後処理操作を経た後、
目的物であるフタル酸ジエステル(DXP−3)115
8gを得た。この時の酸価は0.022、残アルコール
分は100ppm 以下、水分0.05重量%であった。
【0045】〔塩化ビニル樹脂組成物の製造〕DXP−
1を上記DXP−3に変える以外は、実施例1と同様に
して、塩化ビニル樹脂組成物を得た。得られた組成物を
用いて実施例1に準拠して、所定の試験片を調製し、引
張り強さ、伸び、柔軟温度、加熱重量変化率、温水重量
変化率、曇価およびべた付き剥離荷重の測定を行なっ
た。
【0046】比較例4 〔混合アルコールの調製〕マグネット式撹拌機、ジムロ
ート型凝縮器、熱電対温度計および滴下装置を装着した
2リットル四つ口フラスコに市販のn‐バレルアルデヒ
ド700.5gを仕込み撹拌した。1.0重量%NaO
H水溶液を調製し、これをフラスコ中に25℃にて滴下
した。60分後に滴下を終了し、この時の系内温度は6
2℃であった。この後加熱を開始し、85℃に達してか
ら4時間そのまま撹拌を続けた。次ぎに、室温まで冷却
した後撹拌を止め、油水分離し585.4g(水分0.
58重量%)の油層(アルドール縮合液)を得た。
【0047】磁気式撹拌機、水素調圧器及び熱電対温度
計を装着した1リットルステンレススチールオートクレ
ーブに窒素雰囲気下、アルドール縮合液の油層534.
5g及び触媒としてラネーニッケル26.5gを仕込ん
だ。系内を水素で3回置換した後、水素圧力を50kg/
cm2 に設定し、500rpm で撹拌した。それと同時に、
電気炉を加熱し昇温を開始したところ、系内温度が95
℃付近から水素吸収が始まり、その後3.5時間水素吸
収が継続した(その間の最高到達温度は160℃であっ
た)。水素吸収が停止してから更に2時間、130から
145℃で撹拌を続けた後加熱を停止した。一晩放置
後、メンブランフィルターを用いて触媒をろ別し、54
0.4gの油層を得た。この油層を25段オルダーショ
ウ蒸留装置を用いて減圧蒸留した。蒸留初期は減圧度3
0から60mmHgで運転し、その後減圧度を10から30
mmHgに変更して塔頂温が112℃/20mmHgから113
℃/20mmHgの留出分を得た。これをキャピラリーガス
クロマトグラフィーにて分析した結果、2‐プロピルヘ
プタノール(2PHO)99.8重量%および4‐メチ
ル‐2‐プロピルヘキサノール(MPHO)0.1重量
%を含む混合アルコールであることがわかった。
【0048】〔フタル酸ジエステルの調製〕2リットル
フラスコに、原料として無水フタル酸413.2gおよ
び上記の混合アルコール1086.5gを窒素雰囲気下
仕込んだ。この溶液を撹拌しながら加熱し反応液温度が
60℃になったところで触媒であるテトライソプロポキ
シチタンの25重量%デカノール溶液7.0gを加えた
後、さらに220℃まで昇温した。 生成水は反応器に
取り付けた油水分離器を用いて系外に除去し、未反応ア
ルコールは系内に戻した。反応液温度が220℃に到達
してから1時間ごとにサンプリングを実施し、酸価が
0.3以下になったところ(約5時間後)で加熱を停止
し、通常の中和、水洗、減圧蒸留及び後処理操作を経た
後、目的物であるフタル酸ジエステル(DXP−4)1
160gを得た。この時の酸価は0.021、残アルコ
ール分は100ppm 以下、水分0.04重量%であっ
た。
【0049】〔塩化ビニル樹脂組成物の製造〕DXP−
1をDXP−4に変える以外は、実施例1と同様にし
て、塩化ビニル樹脂組成物を得た。得られた組成物を用
いて実施例1に準拠して、所定の試験片を調製し、引張
り強さ、伸び、柔軟温度、加熱重量変化率、温水重量変
化率、曇価およびべた付き剥離荷重の測定を行なった。
【0050】比較例5 DXP−1を、市販のDOP(チッソ(株)製)に変
え、その他は実施例1と同様にして、塩化ビニル樹脂組
成物を得た。得られた組成物を用いて実施例1に準拠し
て、所定の試験片を調製し、引張り強さ、伸び、柔軟温
度、加熱重量変化率、温水重量変化率、曇価およびべた
付き剥離荷重の測定を行なった。
【0051】比較例6 DXP−1の60重量部を市販のDOP(チッソ(株)
製)100重量部に変え、その他は実施例1と同様にし
て、塩化ビニル樹脂組成物を得た。得られた組成物を用
いて実施例1に準拠して、所定の試験片を調製し、引張
り強さ、伸び、柔軟温度、加熱重量変化率、温水重量変
化率、曇価およびべた付き剥離荷重の測定を行なった。
【0052】比較例7 DXP−1をフタル酸ジイソノニル(積水化学工業
(株)製:DINP)に変え、その他は実施例1と同様
にして、塩化ビニル樹脂組成物を得た。得られた組成物
を用いて実施例1に準拠して、所定の試験片を調製し、
引張り強さ、伸び、柔軟温度、加熱重量変化率、温水重
量変化率、曇価およびべた付き剥離荷重の測定を行なっ
た。
【0053】比較例8 DXP−1の60重量部をフタル酸ジイソノニル(積水
化学工業(株)製:DINP)100重量部に変え、そ
の他は実施例1と同様にして、塩化ビニル樹脂組成物を
得た。得られた組成物を用いて実施例1に準拠して、所
定の試験片を調製し、引張り強さ、伸び、柔軟温度、加
熱重量変化率、温水重量変化率、曇価およびべた付き剥
離荷重の測定を行なった。
【0054】比較例9 DXP−1をフタル酸ジイソデシル(積水化学工業
(株)製:DIDP)に変え、その他は実施例1と同様
にして、塩化ビニル樹脂組成物を得た。得られた組成物
を用いて実施例1に準拠して、所定の試験片を調製し、
引張り強さ、伸び、柔軟温度、加熱重量変化率、温水重
量変化率、曇価およびべた付き剥離荷重の測定を行なっ
た。
【0055】比較例10 DXP−1の60重量部をフタル酸ジイソデシル(積水
化学工業(株)製:DIDP)100重量部に変え、そ
の他は実施例1と同様にして、塩化ビニル樹脂組成物を
得た。得られた組成物を用いて実施例1に準拠して、所
定の試験片を調製し、引張り強さ、伸び、柔軟温度、加
熱重量変化率、温水重量変化率、曇価およびべた付き剥
離荷重の測定を行なった。
【0056】これらの実施例と比較例組成物の試験結果
を表1、表2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明の車両内装用塩化ビニル樹脂組成
物は、曇価、温水重量変化率、加熱重量変化率の試験結
果でわかるように、熱により可塑剤の消散がないため、
柔軟性や強度の低下といった劣化が防げて寿命が長くな
る。また、べた付き荷重の試験結果からわかるように、
べた付き防止性にすぐれ快適に使用できる車両用内装材
を造ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2‐プロピルヘプタノール95〜98.
    5重量%と4‐メチル‐2‐プロピルヘキサノール1.
    5〜5.0重量%との混合デシルアルコールのフタル酸
    ジデシルエステルを25〜105重量部、エポキシ化油
    1〜10重量部を塩化ビニル樹脂100重量部に配合し
    たことを特徴とする車両内装用塩化ビニル樹脂組成物。
JP18280592A 1992-06-18 1992-06-18 車両内装用塩化ビニル樹脂組成物 Pending JPH061901A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18280592A JPH061901A (ja) 1992-06-18 1992-06-18 車両内装用塩化ビニル樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18280592A JPH061901A (ja) 1992-06-18 1992-06-18 車両内装用塩化ビニル樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH061901A true JPH061901A (ja) 1994-01-11

Family

ID=16124745

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18280592A Pending JPH061901A (ja) 1992-06-18 1992-06-18 車両内装用塩化ビニル樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH061901A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0621362A1 (en) * 1993-03-31 1994-10-26 MONTEFIBRE S.p.A. Polyester fibre-based thermoformable composite articles
US7291748B2 (en) 2005-07-28 2007-11-06 Basf Corporation C10/C7 ester mixtures based on 2-propylheptanol
EP3369771A4 (en) * 2015-10-27 2018-10-03 LG Chem, Ltd. Plasticizer composition, resin composition, and methods for preparing same
US10836739B2 (en) 2015-05-27 2020-11-17 New Japan Chemical Co., Ltd Epoxycyclohexane dicarboxylic acid diester, plasticizer, stabilizer and resin composition

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0621362A1 (en) * 1993-03-31 1994-10-26 MONTEFIBRE S.p.A. Polyester fibre-based thermoformable composite articles
US7291748B2 (en) 2005-07-28 2007-11-06 Basf Corporation C10/C7 ester mixtures based on 2-propylheptanol
US10836739B2 (en) 2015-05-27 2020-11-17 New Japan Chemical Co., Ltd Epoxycyclohexane dicarboxylic acid diester, plasticizer, stabilizer and resin composition
EP3369771A4 (en) * 2015-10-27 2018-10-03 LG Chem, Ltd. Plasticizer composition, resin composition, and methods for preparing same
US10407560B2 (en) 2015-10-27 2019-09-10 Lg Chem, Ltd. Plasticizer composition, resin composition, and methods for preparing same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI747838B (zh) 氯乙烯樹脂組成物、線束及儀表板
CN111777796A (zh) 增塑剂组合物和树脂组合物及其制备方法
CN113692425B (zh) 增塑剂组合物和包含该增塑剂组合物的树脂组合物
CN108350215B (zh) 增塑剂组合物、树脂组合物及其制备方法
EP3434721A1 (en) Plasticizer composition and resin composition comprising same
EP3398987A1 (en) Plasticizer composition and resin composition comprising same
CN113785010B (zh) 柠檬酸酯类增塑剂组合物和包含该增塑剂组合物的树脂组合物
CN113661206B (zh) 环己烷三酯类增塑剂组合物和包含该增塑剂组合物的树脂组合物
EP3808804B1 (en) Plasticizer composition and resin composition comprising the same
KR20180004903A (ko) 가소제 조성물, 수지 조성물 및 이들의 제조 방법
JPH061901A (ja) 車両内装用塩化ビニル樹脂組成物
WO2022004320A1 (ja) 塩化ビニル樹脂用可塑剤、塩化ビニル樹脂組成物及びその成形品
EP3275930B1 (en) Plasticizer composition, resin composition, and preparation methods therefor
JPH062281A (ja) 塩化ビニル樹脂製家具用レザー
JP3132163B2 (ja) 塩化ビニル樹脂製建築内装材
JPH061900A (ja) 電線被覆用塩化ビニル樹脂組成物
CN115698155B (zh) 乙酰柠檬酸酯类增塑剂组合物和包含其的树脂组合物
JPH05194761A (ja) 塩化ビニル樹脂フィルム
JP3132161B2 (ja) 塩化ビニル樹脂製耐寒シート
JPH07102141A (ja) 電線用塩化ビニル樹脂組成物
JP7235112B2 (ja) フタル酸エステル組成物
JPH061858A (ja) 塩化ビニル樹脂製防水製品
US7211140B1 (en) Low temperature plasticizers for flexible polyvinyl chloride resin applications
TWI838555B (zh) 鄰苯二甲酸酯組成物、塑化劑、樹脂組成物、成形體以及鄰苯二甲酸酯組成物的製造方法
JPH07157615A (ja) 可塑剤組成物