JPH07102141A - 電線用塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

電線用塩化ビニル樹脂組成物

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JPH07102141A
JPH07102141A JP27132693A JP27132693A JPH07102141A JP H07102141 A JPH07102141 A JP H07102141A JP 27132693 A JP27132693 A JP 27132693A JP 27132693 A JP27132693 A JP 27132693A JP H07102141 A JPH07102141 A JP H07102141A
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JP
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vinyl chloride
chloride resin
parts
methyl
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Application number
JP27132693A
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English (en)
Inventor
Sadao Nishii
貞男 西井
Yasunori Hisatsune
康典 久恒
Junichi Hosoi
淳一 細井
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱および水による可塑剤損失が少なく、電気
絶縁性に優れ、低温から高温までの幅広い温度範囲で使
用可能な電線用塩化ビニル樹脂組成物を提供することで
ある。 【構成】 特定の組成を有する混合デカノールをトリメ
リット酸無水物もしくはトリメリット酸とエステル化反
応させ、トリメリット酸エステルに変換した可塑剤用ト
リメリット酸エステルとクレーとを、塩化ビニル樹脂に
それぞれ特定量配合した電線用塩化ビニル樹脂組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱および水による可塑
剤損失が少なく、電気絶縁性に優れ、低温から高温まで
の幅広い温度範囲で使用可能な電線用塩化ビニル樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電線被覆の分野では、塩化ビニル
樹脂やポリエチレンといったプラスチックが広く使用さ
れている。なかでも、塩化ビニル樹脂に可塑剤を配合す
ると、他のプラスチックでは得られない柔軟性が発現さ
れ、電線被覆用途に必要な電気的、物理的及び化学的性
質が向上する。そして、このような軟質塩化ビニル樹脂
組成物は、加工性や着色性にも優れ、価格も比較的安価
なことから、絶縁電線、コード及びケーブルシースとい
った電線被覆を主体とした多岐にわたる分野で好んで利
用されている。
【0003】塩化ビニル樹脂に配合する可塑剤として
は、電線被覆用途に必要な電気的、物理的および化学的
性質のバランスの良いフタル酸ジ−2−エチルヘキシル
などに代表されるフタル酸エステルが主として使用され
ている。しかしながら、フタル酸エステルを可塑剤とし
て用いた電線用塩化ビニル樹脂組成物より得られる成形
品は、フタル酸エステルの種類によって、程度の差はあ
るものの、熱や水の影響により、次第に内部から可塑剤
が失われてゆき、電線被覆の耐寒性や機械的強度および
伸びが低下するという問題がある。
【0004】特に、近年では、建築物の冷暖房化が進
み、冬場でも電線被覆の温度差が大きくなる傾向のある
点からも、熱の影響に対する対策が強く求められてい
る。そして、熱の影響によって受ける上記の欠点を改善
するために、フタル酸エステルに代わる種々の可塑剤の
利用が検討されている。例えば、トリメリット酸エステ
ルやポリエステル系可塑剤などがこれに該当する。
【0005】しかし、トリメリット酸エステルやポリエ
ステル系可塑剤には、それぞれ次のような性能上の問題
点がある。可塑剤として最も多く使われているトリメリ
ット酸エステルは、トリメリット酸トリ−2−エチルヘ
キシル(以下、TOTMという)であるが、TOTMで
は、熱の影響によって受ける上記の欠点を十分に改善す
ることができな。また、TOTMを使用した電線被覆
は、耐寒性に劣るという欠点を有している。
【0006】ポリエステル系可塑剤は、鉛系安定剤が十
分に使用できないため電気絶縁性の良い電線被覆が得に
くく、価格も高いという欠点がある。また、ポリエステ
ル系可塑剤は、粘度が高いので、塩化ビニル樹脂組成物
を製造する時の作業性がフタル酸エステル、トリメリッ
ト酸エステルの場合に比べて悪い。従って、鉛系安定剤
を使用して電気絶縁性の良い電線被覆が得られ、価格も
比較的安く、作業性が良いというトリメリット酸エステ
ルの利点を生かしつつ、熱によって受ける可塑剤損失や
耐寒性に劣るというトリメリット酸エステルの欠点を改
善することが望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱お
よび水による可塑剤損失が少なく、電気絶縁性に優れ、
低温から高温までの幅広い温度範囲で使用可能な電線用
塩化ビニル樹脂組成物を提供することである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決するために鋭意開発研究を進めた結果、次のよ
うな事実を発見するに至った。すなわち、特定の組成を
有する混合デカノールをトリメリット酸無水物もしくは
トリメリット酸とエステル化反応させ、トリメリット酸
エステルに変換した可塑剤用トリメリット酸エステルと
クレーを、塩化ビニル樹脂にそれぞれ特定量配合した塩
化ビニル樹脂組成物から得られた電線被覆は、熱および
水による可塑剤損失が少なく、電気絶縁性に優れ、低温
から高温までの幅広い温度範囲で使用可能なものである
ことを見出し、本発明を完成した。
【0009】本発明は、下記の構成を有する。塩化ビニ
ル樹脂100重量部に対し、以下の組成の混合デカノー
ルとトリメリット酸またはトリメリット酸無水物とをエ
ステル化反応させることによって得られる可塑剤用トリ
メリット酸エステルを25〜90重量部、クレーを5〜
30重量部配合することを特徴とする電線用塩化ビニル
樹脂組成物。混合デカノール組成は、2PHOが82重
量%〜98.5重量%、4MPHOと5MPHOが合わ
せて1.5重量%〜17重量%、MEHOとIPHOが
合わせて0.8重量%以下で成り、2PHOは2−プロ
ピル−1−ヘプタノール、4MPHOは4−メチル−2
−プロピル−1−ヘキサノール、MEHOは2−メチル
−2−エチル−1−ヘプタノール、5MPHOは5−メ
チル−2−プロピル−1−ヘキサノール、IPHOは2
−イソプロピル−1−ヘプタノールをそれぞれ表す。
【0010】本発明における混合デカノールは、例え
ば、オレフィンとしてブテン−1を用いるオキソ合成に
よってn−バレルアルデヒドおよび2−メチルブチルア
ルデヒドの混合物を製造し、得られた混合アルデヒドを
アルドール縮合させた後、脱水反応を実施することによ
って、2−プロピルヘプテナールと4−メチル−2−プ
ロピルヘキセナールの混合物を製造し、さらに、該混合
物に水素添加反応を施すことによって得ることができ
る。また、ブテン−1、ブテン−2、イソブテンの混合
オレフィンを用いるオキソ合成によってn−バレルアル
デヒド及び2−メチルブチルアルデヒド、3−メチルブ
チルアルデヒドの混合物を製造し、得られた混合アルデ
ヒドをアルドール縮合させた後、脱水反応を実施するこ
とによって、2−プロピルヘプテナールと4−メチル−
2−プロピルヘキセナール、5−メチル−2−プロピル
ヘキセナール、2−メチル−2−エチルヘプテナール、
2−イソプロピルヘプテナールの混合物を製造し、さら
に、該混合物に水素添加反応を施すことによっても得る
ことができる。必要に応じて、蒸留により混合デシルア
ルコール組成物を調製してもよい。ただし、本発明にお
ける混合デカノールは、このような調製法によって制限
されるものではない。例えば、2−プロピルヘプタノー
ルと4−メチル−2−プロピルヘキサノールなどを別個
に調製し、それらを混合してもよい。
【0011】本発明における混合デカノールの組成は、
2PHOが82重量%〜98.5重量%、4MPHOと
5MPHOが合わせて1.5重量%〜17重量%、ME
HOとIPHOが合わせて0.8重量%以下で構成され
ていなければならない。2PHOが98.5重量%を越
え、4MPHOと5MPHOの混合物が1.5重量%未
満になると、電気絶縁性が低下し、2PHOが82重量
%未満であるか、4MPHOと5MPHOの混合物が1
7重量%を越えるか、MEHOとIPHOの混合物が
0.8重量%を越えると、熱および水による可塑剤損失
が多くなる。
【0012】本発明における塩化ビニル樹脂とは、ポリ
塩化ビニルおよび塩化ビニルコポリマーを言い、塩化ビ
ニルコポリマーとは、塩化ビニルを主体とし、これと他
のモノマー、例えばエチレン、プロピレン、酢酸ビニ
ル、アルキルビニルエーテル、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル等とのコポリマーが挙げられるが、
本発明は上記の樹脂の種類に制限されるものではない。
【0013】本発明において用いるトリメリット酸エス
テルの配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対し2
5〜90重量部でなければならない。25重量部未満で
は、耐寒性が悪化し、寒冷時における柔軟性が悪化し、
90重量部を超えると、温暖時に柔らかくなりすぎる傾
向があり、機械的強度も低下する。
【0014】可塑剤としてトリメリット酸エステル以外
の一般に塩化ビニル樹脂に使用される可塑剤、例えばフ
タル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニ
ル、フタル酸ジイソデシル、アジピン酸ジ−2−エチル
ヘキシル、エポキシ化大豆油、リン酸エステル系可塑剤
などを併用して配合してもかまわないが、この際、加え
る可塑剤を本発明に用いるトリメリット酸エステルの可
塑化効率に換算し、塩化ビニル樹脂100重量部に対し
25〜90重量部の範囲になるよう調製しなければなら
ない。また、これらの可塑剤を併用する時は、本発明の
効果が損なわれない範囲で配合しなければならない。使
用可塑剤中に含有するこれらの可塑剤は、50重量%以
下であることが好ましい。
【0015】本発明におけるクレーとは、粘土鉱物を表
し、火成岩、水成岩、変成岩などの母岩が天然の風化作
用によって分解し、次第に微細な新しい鉱物群にかわっ
たものを指す。一般に、クレーは、SiO2 もしくはS
iOが30〜80重量%、Al23が0.5〜50重量
%、MgOもしくはMgO2 が0.1〜35重量%含有
した組成物であるが、Fe23、FeO、CaO、Na
2O 、K2O 、TiO2 、水分などが含まれてもよい。
比重は、2〜7g/cm3が好ましく、具体例として、カオ
リンクレー、ろう石クレー、タルク、セリサイト、焼成
クレー、アスベスト、マイカ、ベントナイトが挙げられ
る。
【0016】本発明において用いるクレーの配合量は、
塩化ビニル樹脂100重量部に対し5〜30重量部でな
ければならない。5重量部未満では、電線被覆に必要な
電気絶縁性が得られず、30重量部を超えると、電線被
覆の機械的強度および伸びが低下する。
【0017】本発明の塩化ビニル樹脂組成物には、塩化
ビニル樹脂、トリメリット酸エステルのほか、必要に応
じて、安定剤、安定化助剤、酸化防止剤、滑剤、紫外線
吸収剤、界面活性剤、着色剤、強化剤、加工助剤、充填
剤などが配合されていても良い。
【0018】安定剤としては、例えば、三塩基性硫酸鉛
などの鉛塩類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
バリウム、ステアリン酸亜鉛、リシノール酸カルシウ
ム、ラウリル酸バリウムのような金属石鹸系安定剤類、
ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレイン酸エ
ステル、ジオクチルスズメルカプタイドのような有機ス
ズ系安定剤などを挙げることができる。
【0019】安定化助剤としては、例えば、亜リン酸ト
リフェニル、亜リン酸トリ−2−エチルヘキシル、亜リ
ン酸トリノニルフェニルのような亜リン酸エステル類が
あり、酸化防止剤としては、例えば、t−ブチルヒドロ
キシトルエン、ジラウリルチオジプロピオネートが挙げ
られる。
【0020】滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ス
テアリン酸アミド、ポリエチレンワックスが挙げられ
る。紫外線吸収剤としては、例えば、2−(5´−メチ
ル−2´−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(3´−t−ブチル−5´−メチル−2´−ヒドロ
キシフェニル)−5−クロロベンゾ−1,2,4−トリ
アゾールが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノパルミテートが挙げられ
る。
【0021】着色剤としては、例えば、フタロシアニン
ブルー、酸化チタン、カーボンブラックなどが挙げられ
る。強化剤としては、例えば、メタクリル酸エステルと
ブタジエンとスチレンの共重合体、アクリロニトリル−
ブタジエンゴム、エチレンと酢酸ビニルの共重合体が挙
げられる。加工助剤としては、例えば、ポリメタクリル
酸メチルが挙げられる。充填剤としては、例えば、炭酸
カルシウムが挙げられる。ただし、本発明はこれら添加
剤の種類で限定されるものではない。
【0022】本発明の塩化ビニル樹脂組成物の製造手段
としては、一般に使用されているリボンブレンダーやヘ
ンシェル型ミキサーなどの混合設備、バンバリーミキサ
ーや2本ロールなどの混練設備、カレンダーロールやT
型ダイスを装備した押出機やラミネーターといったフィ
ルム成型設備を用いることができる。
【0023】
【実施例】次に、以下のような実施例に基づき本発明内
容を詳細に述べる。また、以下の実施例における物性値
は下記の試験方法によった。 〔引っ張り試験〕JIS K 6723に準じて、引っ
張り強さと伸びを測定した。 〔柔軟温度〕JIS K 6745に準じた。 〔加熱重量変化率〕JIS K 6723の引っ張り試
験片を温度158℃のオーブン中で168時間加熱し、
重量変化率を測定する。重量変化率は次の式により求め
た。 重量変化率=(W2−W1)/W1×100 ここに、W1は試験前の試験片の重量を、W2は試験後の
試験片の重量を表す。 〔温水重量変化率〕JIS K 7113の2号試験片
を100℃の温水中に48時間浸漬し、重量変化率を測
定する。重量変化率については次の式により求めた。 重量変化率=(W2−W1)/W1×100 ここに、W1は試験前の試験片の重量(g)を、W2は試
験後の試験片の重量(g)を表す。 〔体積固有抵抗〕JIS K 6723に準じ、恒温槽
の温度を30℃と60℃で測定した。
【0024】実施例1 (1)アルドール縮合 マグネット式攪拌機、ジムロート型凝縮器、熱電対温度
計および滴下装置を装着した2リットル四つ口フラスコ
に市販のn−バレルアルデヒド332.2g、2−メチ
ルブチルアルデヒド18.5g、3−メチルブチルアル
デヒド0.7gを込み攪拌した。1.0重量%NaOH
水溶液355.6gを調製し、これをフラスコ中に25
℃にて滴下した。60分後に滴下を終了し、この時の系
内温度は60℃であった。この後加熱を開始し、85℃
に達してから4時間そのまま攪拌を続けた。次に、室温
まで冷却した後攪拌を止め、油水分離し292.0g
(水分0.53重量%)の油層を得た。
【0025】(2)水素添加 磁気式攪拌機、水素調圧器及び熱電対温度計を装着した
3リットルステンレススチールオートクレーブに窒素雰
囲気下、(1)に準拠して得たアルドール縮合液の油層
1602.5g及び触媒としてラネーニッケル80.4
gを仕込んだ。系内を水素で3回置換した後、水素圧力
を50Kg/cm2Gに設定し、500rpmで攪拌し
た。それと同時に、電気炉を加熱し昇温を開始したとこ
ろ、系内温度が95℃付近から水素吸収が始まり、その
後3.5時間水素吸収が継続した(その間の最高到達温
度は165℃であった)。水素吸収が停止してから更に
2時間、130〜148℃で攪拌を続けた後加熱を停止
した。一晩放置後、メンブランフィルターを用いて触媒
を濾別したところ、1616.3gの油層を得た。この
油層を減圧にて単蒸留を行った。留出分をキャピラリー
ガスクロマトグラフィーにて分析した結果、以下の組成
の混合アルコールであることがわかった。 2PHO 94.5重量% 4MPHO 5.1重量% 5MPHO 0.25重量% MEHO 0.11重量% IPHO 0.029重量%
【0026】(3)エステル化 2リットルガラス四つ口フラスコに、原料として試薬の
無水トリメリット酸(和光純薬工業(株)製)384.
2g及びデカノール混合物(2PHO:94.5重量
%、4MPHO:5.1重量%、5MPHO:0.25
重量%、MEHO:0.11重量%、IPHO:0.0
29重量%を含む混合アルコール)1138.3gを窒
素雰囲気下仕込んだ。この溶液を攪拌しながら加熱し反
応液温度が170℃になったところで触媒であるテトラ
イソプロポキシチタン1.8gを加えた後、さらに22
0℃まで昇温した。生成水は反応器に取り付けた油水分
離器を用いて系外に除去し、未反応アルコールは系内に
戻した。反応液温度が220℃に到達してから1時間毎
にサンプリングを実施し、酸価が0.1以下になったと
ころ(約3時間後)で加熱を停止し、通常の中和、水
洗、減圧蒸留(85℃/20mmHg〜220℃/0.
5mmHgの留分をカット)及び後処理操作を経た後、
目的物である混合トリメリテート(以下、TXTM−1
という)1162.6gを得た。この時の酸価は0.0
24、残アルコール分は170ppm、水分0.02重
量%であった。
【0027】(4)シート化 平均重合度1030のポリ塩化ビニル(チッソ(株);
SL)100重量部に対し、TXTM−1を50重量
部、クレー(焼成クレー)を10重量部、炭酸カルシウ
ムを10重量部、三塩基性硫酸鉛を5重量部、ステアリ
ン酸バリウムを1重量部配合し、これを170℃の試験
ロールにて5分間混練し、厚さ1.3mmのシートを作
成した。更に、これを180℃にて4分間予熱した後、
2分間180kg/cm2の圧力にて加圧、3分間18
0kg/cm2の圧力にて冷却し、厚さ1mmの塩化ビ
ニル樹脂組成物のシートを作成し、該シートを用いて引
っ張り強さ、伸び、柔軟温度、加熱重量変化率、温水重
量変化率、体積固有抵抗の測定を行った。測定結果を第
1表に示す。
【0028】実施例2 実施例1のTXTM−1の配合量を50重量部から70
重量部に変更した以外は、実施例1に準拠して試験を実
施した。
【0029】実施例3 実施例1のTXTM−1の配合量を50重量部から85
重量部に変更した以外は、実施例1に準拠して試験を実
施した。
【0030】実施例4 実施例1のTXTM−1の配合量を50重量部から30
重量部に変更した以外は、実施例1に準拠して試験を実
施した。
【0031】実施例5 (1)アルドール縮合 マグネット式攪拌機、ジムロート型凝縮器、熱電対温度
計および滴下装置を装着した2リットル四つ口フラスコ
に市販のn−バレルアルデヒド681.1g、2−メチ
ルブチルアルデヒド34.8gを込み攪拌した。1.0
重量%NaOH水溶液695.9gを調製し、これをフ
ラスコ中に25℃にて滴下した。60分後に滴下を終了
し、この時の系内温度は59℃であった。この後加熱を
開始し、85℃に達してから4時間そのまま攪拌を続け
た。次ぎに、室温まで冷却した後攪拌を止め、油水分離
し585.3g(水分0.58重量%)の油層(アルド
ール縮合液)を得た。 (2)水素添加 このアルドール縮合液を用い、水素添加反応及び減圧蒸
留を実施例1の(2)に準拠して行った。生成した混合
デカノールをキャピラリーガスクロマトグラフィーにて
分析した結果、以下の組成であった。 2PHO 97.9重量% 4MPHO 2.0重量% 5MPHO 0.025重量% MEHO 0.073重量% IPHO 0.001重量%以下 (3)エステル化 実施例5の(2)によって得られた混合デカノールを用
い、実施例1の(3)に準拠してエステル化を実施し、
TXTM−2を合成した。 (4)シート化 実施例5の(3)によって得られたTXTM−2を用
い、実施例1の(4)に準拠して塩化ビニル樹脂組成物
のシートを作成し、該シートを用いて引っ張り強さ、伸
び、柔軟温度、加熱重量変化率、温水重量変化率、体積
固有抵抗の測定を行った。測定結果を第1表に示す。
【0032】実施例6 (1)アルドール縮合 マグネット式攪拌機、ジムロート型凝縮器、熱電対温度
計および滴下装置を装着した2リットル四つ口フラスコ
に市販のn−バレルアルデヒド584.7g、2−メチ
ルブチルアルデヒド107.8g、3−メチルブチルア
ルデヒド2.1gを仕込み攪拌した。1.0重量%Na
OH水溶液695.8gを調製し、これをフラスコ中に
25℃にて滴下した。60分後に滴下を終了し、この時
の系内温度は61℃であった。この後加熱を開始し、8
5℃に達してから4時間そのまま攪拌を続けた。次ぎ
に、室温まで冷却した後攪拌を止め、油水分離し58
4.9g(水分0.54重量%)の油層(アルドール縮
合液)を得た。 (2)水素添加 このアルドール縮合液を用い、水素添加反応及び減圧蒸
留を実施例1の(2)に準拠して行った。生成した混合
デカノールをキャピラリーガスクロマトグラフィーにて
分析した結果、以下の組成であった。 2PHO 84.6重量% 4MPHO 14.8重量% 5MPHO 0.38重量% MEHO 0.16重量% IPHO 0.039重量% (3)エステル化 実施例6の(2)によって得られた混合デカノールを用
い、実施例1の(3)に準拠してエステル化を実施し、
TXTM−3を合成した。 (4)シート化 実施例6の(3)によって得られたTXTM−3を用
い、実施例1の(4)に準拠して塩化ビニル樹脂組成物
のシートを作成し、該シートを用いて引っ張り強さ、伸
び、柔軟温度、加熱重量変化率、温水重量変化率、体積
固有抵抗の測定を行った。測定結果を第1表に示す。
【0033】実施例7 実施例1で用いた可塑剤をTXTM−1からTXTM−
3とTOTM(チッソ(株)製)の混合物に代え、TX
TM−3を40量部、TOTMを10重量部混合した以
外は、実施例1に準拠して試験を実施した。
【0034】実施例8 実施例1のTXTM−1をTXTM−3に代え、クレー
の配合量を10重量部から28重量部に変更した以外
は、実施例1に準拠して試験を実施した。
【0035】実施例9 実施例1のTXTM−1をTXTM−3に代え、クレー
の配合量を10重量部から5重量部に変更した以外は、
実施例1に準拠して試験を実施した。
【0036】比較例1 実施例1のTXTM−1をTXTM−3に代え、クレー
を配合しなかった以外は、実施例1に準拠して試験を実
施した。
【0037】比較例2 実施例1のTXTM−1をTXTM−3に代え、クレー
の配合量を10重量部から32重量部に変更した以外
は、実施例1に準拠して試験を実施した。
【0038】比較例3 (1)アルドール縮合 マグネット式攪拌機、ジムロート型凝縮器、熱電対温度
計および滴下装置を装着した2リットル四つ口フラスコ
に市販のn−バレルアルデヒド563.0g、2−メチ
ルブチルアルデヒド118.9g、3−メチルブチルア
ルデヒド12.5gを込み攪拌した。1.0重量%Na
OH水溶液695.5gを調製し、これをフラスコ中に
25℃にて滴下した。60分後に滴下を終了し、この時
の系内温度は61℃であった。この後加熱を開始し、8
5℃に達してから4時間そのまま攪拌を続けた。次ぎ
に、室温まで冷却した後攪拌を止め、油水分離し58
5.7g(水分0.55重量%)の油層(アルドール縮
合液)を得た。 (2)水素添加 このアルドール縮合液を用い、水素添加反応及び減圧蒸
留を実施例1の(2)に準拠して行った。生成した混合
デカノールをキャピラリーガスクロマトグラフィーにて
分析した結果、以下の組成であった。 2PHO 77.8重量% 4MPHO 17.0重量% 5MPHO 3.2重量% MEHO 0.54重量% IPHO 0.38重量% (3)エステル化 比較例3の(2)によって得られた混合デカノールを用
い、実施例1の(3)に準拠してエステル化を実施し、
TXTM−4を合成した。 (4)シート化 比較例3の(3)によって得られたTXTM−4を用
い、実施例1の(4)に準拠して塩化ビニル樹脂組成物
のシートを作成し、該シートを用いて引っ張り強さ、伸
び、柔軟温度、加熱重量変化率、温水重量変化率、体積
固有抵抗の測定を行った。測定結果を第2表に示す。
【0039】比較例4 (1)アルドール縮合 マグネット式攪拌機、ジムロート型凝縮器、熱電対温度
計および滴下装置を装着した2リットル四つ口フラスコ
に市販のn−バレルアルデヒド700.5gを仕込み攪
拌した。1.0重量%NaOH水溶液を調製し、これを
フラスコ中に25℃にて滴下した。60分後に滴下を終
了し、この時の系内温度は62℃であった。この後加熱
を開始し、85℃に達してから4時間そのまま攪拌を続
けた。次ぎに、室温まで冷却した後攪拌を止め、油水分
離し585.4g(水分0.58重量%)の油層(アル
ドール縮合液)を得た。 (2)水素添加 磁気式攪拌機、水素調圧器及び熱電対温度計を装着した
1リットルステンレススチールオートクレーブに窒素雰
囲気下、アルドール縮合液の油層534.5g及び触媒
としてラネーニッケル26.5gを仕込んだ。系内を水
素で3回置換した後、水素圧力を50Kg/cm2に設
定し、500rpmで攪拌した。それと同時に、電気炉
を加熱し昇温を開始したところ、系内温度が95℃付近
から水素吸収が始まり、その後3.5時間水素吸収が継
続した(その間の最高到達温度は160℃であった)。
水素吸収が停止してから更に2時間、130から145
℃で攪拌を続けた後加熱を停止した。一晩放置後、メン
ブランフィルターを用いて触媒を濾別したところ、54
0.4gの油層を得た。この油層を25段オルダーショ
ウ蒸留装置を用いて減圧蒸留した。蒸留初期は減圧度3
0から60mmHgで運転し、その後減圧度を10から
30mmHgに変更して塔頂温が112℃/20mmH
gから113℃/20mmHgの留出分を得た。これを
キャピラリーガスクロマトグラフィーにて分析した結
果、以下の組成であった。 2PHO 99.8重量% 4MPHO 0.14重量% 5MPHO 0.046重量% MEHO 0.001重量%以下 IPHO 0.001重量%以下 (3)エステル化 比較例4の(2)によって得られた混合デカノールを用
い、実施例1の(3)に準拠してエステル化を実施し、
TXTM−5を合成した。 (4)シート化 比較例4の(3)によって得られたTXTM−5を用
い、実施例1の(4)に準拠して塩化ビニル樹脂組成物
のシートを作成し、該シートを用いて引っ張り強さ、伸
び、柔軟温度、加熱重量変化率、温水重量変化率、体積
固有抵抗の測定を行った。測定結果を第2表に示す。
【0040】比較例5 実施例1で用いた可塑剤をTXTM−1からTXTM−
1とTOTMの混合物に代え、TXTM−1を28量
部、TOTMを22重量部混合した以外は、実施例1に
準拠して試験を実施した。
【0041】比較例6 実施例1のTXTM−1の配合量を50重量部から95
重量部に変更した以外は、実施例1に準拠して試験を実
施した。
【0042】比較例7 実施例1で用いた可塑剤をTXTM−1からTOTMに
変更した以外は、実施例1に準拠して試験を実施した。
【0043】
【発明の効果】本発明に係る特定の組成比を有する混合
デカノールを用いた可塑剤用トリメリット酸エステルと
クレーとを、塩化ビニル樹脂に対しそれぞれ特定量配合
した塩化ビニル樹脂組成物から得られる電線被覆は、機
械的強度および伸びに優れ、低温における柔軟性におい
ても優れていることが判明した。また、熱や水などの影
響による電線被覆からの可塑剤の経時的な損失が改善さ
れるので、高温における電線被覆の劣化も改善されるこ
とが判明した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル樹脂100重量部に対し、以下
    の組成の混合デカノールとトリメリット酸またはトリメ
    リット酸無水物とをエステル化反応させることによって
    得られる可塑剤用トリメリット酸エステルを25〜90
    重量部、クレーを5〜30重量部配合することを特徴と
    する電線用塩化ビニル樹脂組成物。混合デカノール組成
    は、2PHOが82重量%〜98.5重量%、4MPH
    Oと5MPHOが合わせて1.5重量%〜17重量%、
    MEHOとIPHOが合わせて0.8重量%以下で成
    り、2PHOは2−プロピル−1−ヘプタノール、4M
    PHOは4−メチル−2−プロピル−1−ヘキサノー
    ル、MEHOは2−メチル−2−エチル−1−ヘプタノ
    ール、5MPHOは5−メチル−2−プロピル−1−ヘ
    キサノール、IPHOは2−イソプロピル−1−ヘプタ
    ノールをそれぞれ表す。
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