JPH05194617A - 糖類分離用樹脂の製造方法 - Google Patents
糖類分離用樹脂の製造方法Info
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- JPH05194617A JPH05194617A JP4026134A JP2613492A JPH05194617A JP H05194617 A JPH05194617 A JP H05194617A JP 4026134 A JP4026134 A JP 4026134A JP 2613492 A JP2613492 A JP 2613492A JP H05194617 A JPH05194617 A JP H05194617A
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- sugar compound
- chemical
- sugar
- resin
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- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 糖類の光学異性体の選択的分離に有効な樹脂
の製造方法の提供。 【構成】 エチレングリコールジメタクリレート等の2
以上のビニル基を有する架橋剤、アクリル酸、メタクリ
ル酸等のカルボン酸基を有するモノビニル誘導体、1又
は2以上のアミノフェニル基、アミノアルキル基等のア
ミノ基を有する糖化合物、重合開始剤及び溶剤の混合物
に、窒素ガス等の不活性ガスを通気して上記糖化合物を
分散させる工程、得られた混合物を重合条件下に付して
上記架橋剤及び上記モノビニル誘導体を重合させる工
程、及び得られた重合体から上記糖化合物を除去する工
程を含む糖類分離用樹脂の製造方法。
の製造方法の提供。 【構成】 エチレングリコールジメタクリレート等の2
以上のビニル基を有する架橋剤、アクリル酸、メタクリ
ル酸等のカルボン酸基を有するモノビニル誘導体、1又
は2以上のアミノフェニル基、アミノアルキル基等のア
ミノ基を有する糖化合物、重合開始剤及び溶剤の混合物
に、窒素ガス等の不活性ガスを通気して上記糖化合物を
分散させる工程、得られた混合物を重合条件下に付して
上記架橋剤及び上記モノビニル誘導体を重合させる工
程、及び得られた重合体から上記糖化合物を除去する工
程を含む糖類分離用樹脂の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糖類の分離用樹脂の製
造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、特定の糖類
に対して高いアフィニティーを有し、クロマトグラフィ
ーのカラムとして糖類の光学異性体の分離に有用な樹脂
の製造方法に関する。
造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、特定の糖類
に対して高いアフィニティーを有し、クロマトグラフィ
ーのカラムとして糖類の光学異性体の分離に有用な樹脂
の製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】糖類は、食品あるいは医薬品等として広
く利用されている。しかし、特に医薬品の分野において
は、合成品及び天然物のいずれについての通常単一の化
合物のみを分離することが必要となる。現在、化学物質
の分離技術は急速に発展しているが、オリゴ糖類、単糖
類のような分子量の大きい化合物のラセミ体から一種類
の光学異性体のみを単離することは容易ではない。
く利用されている。しかし、特に医薬品の分野において
は、合成品及び天然物のいずれについての通常単一の化
合物のみを分離することが必要となる。現在、化学物質
の分離技術は急速に発展しているが、オリゴ糖類、単糖
類のような分子量の大きい化合物のラセミ体から一種類
の光学異性体のみを単離することは容易ではない。
【0003】
【発明の目的】そこで本発明の目的は、糖類の光学異性
体の選択的分離に有効な樹脂を提供することにある。
体の選択的分離に有効な樹脂を提供することにある。
【0004】
【発明の構成】本発明は、2以上のビニル基を有する架
橋剤、カルボン酸基を有するモノビニル誘導体、1又は
2以上のアミノ基を有する糖化合物、重合開始剤及び溶
剤の混合物に不活性ガスを通気して上記糖化合物を分散
させる工程、得られた混合物を重合条件下に付して上記
架橋剤及び上記モノビニル誘導体を重合させる工程、及
び得られた重合体から上記糖化合物を除去する工程を含
むことを特徴とする糖類分離用樹脂の製造方法に関す
る。
橋剤、カルボン酸基を有するモノビニル誘導体、1又は
2以上のアミノ基を有する糖化合物、重合開始剤及び溶
剤の混合物に不活性ガスを通気して上記糖化合物を分散
させる工程、得られた混合物を重合条件下に付して上記
架橋剤及び上記モノビニル誘導体を重合させる工程、及
び得られた重合体から上記糖化合物を除去する工程を含
むことを特徴とする糖類分離用樹脂の製造方法に関す
る。
【0005】さらに本発明は、上記製造方法により得ら
れた樹脂に、糖類の混合物を接触させ、所望の糖類を上
記樹脂に吸着させ、次いで吸着した糖類を溶離すること
を含む、糖類の分離方法に関する。
れた樹脂に、糖類の混合物を接触させ、所望の糖類を上
記樹脂に吸着させ、次いで吸着した糖類を溶離すること
を含む、糖類の分離方法に関する。
【0006】以下、本発明について説明する。本発明の
樹脂は、2以上のビニル基を有する架橋剤及びカルボン
酸基を有するモノビニル誘導体の共重合体である。2以
上のビニル基を有する架橋剤としては、例えばエチレン
グリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン及びテ
トラメチレングリコールジメタクリレートを挙げられ
る。また、カルボン酸基を有するモノビニル誘導体とし
ては、アクリル酸及びメタクリル酸を例示できる。これ
らの化合物は、それぞれ単独でも、二種以上の混合物で
も良い。
樹脂は、2以上のビニル基を有する架橋剤及びカルボン
酸基を有するモノビニル誘導体の共重合体である。2以
上のビニル基を有する架橋剤としては、例えばエチレン
グリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン及びテ
トラメチレングリコールジメタクリレートを挙げられ
る。また、カルボン酸基を有するモノビニル誘導体とし
ては、アクリル酸及びメタクリル酸を例示できる。これ
らの化合物は、それぞれ単独でも、二種以上の混合物で
も良い。
【0007】2以上のビニル基を有する架橋剤とカルボ
ン酸基を有するモノビニル誘導体とのモル比は、2以上
のビニル基を有する架橋剤:カルボン酸基を有するモノ
ビニル誘導体が1〜6:1であることが適当である。架
橋剤の量が少なすぎると、樹脂が固くなり、磨砕できな
くなるという不都合がある。一方、架橋剤の量が多過ぎ
ると、相対的にモノビニル誘導体の量が減り、糖化合物
の取り込みが少なくなり、得られる樹脂の分離能が低下
する。
ン酸基を有するモノビニル誘導体とのモル比は、2以上
のビニル基を有する架橋剤:カルボン酸基を有するモノ
ビニル誘導体が1〜6:1であることが適当である。架
橋剤の量が少なすぎると、樹脂が固くなり、磨砕できな
くなるという不都合がある。一方、架橋剤の量が多過ぎ
ると、相対的にモノビニル誘導体の量が減り、糖化合物
の取り込みが少なくなり、得られる樹脂の分離能が低下
する。
【0008】本発明においては、上記共重合体中に1又
は2以上のアミノ基を有する糖化合物を取り込んだ状態
で共重合体を得る。即ち、アミノ基を有する糖化合物
は、モノビニル誘導体のカルボン酸基と緩やかに結合さ
せて共重合体中に取り込ませる。糖化合物の共重合体へ
の取り込み量は、得られる樹脂の分離能等により適宜決
めることができる。但し、取り込みを容易にするという
観点から、カルボン酸基を有するモノビニル誘導体1モ
ルに対して例えば0.1〜0.5モルとすることが好ま
しい。
は2以上のアミノ基を有する糖化合物を取り込んだ状態
で共重合体を得る。即ち、アミノ基を有する糖化合物
は、モノビニル誘導体のカルボン酸基と緩やかに結合さ
せて共重合体中に取り込ませる。糖化合物の共重合体へ
の取り込み量は、得られる樹脂の分離能等により適宜決
めることができる。但し、取り込みを容易にするという
観点から、カルボン酸基を有するモノビニル誘導体1モ
ルに対して例えば0.1〜0.5モルとすることが好ま
しい。
【0009】1又は2以上のアミノ基を有する糖化合物
としては、アミノフェニル基を有する糖化合物及びアミ
ノアルキル基を有する糖化合物を例示できる。アミノフ
ェニル基及びアミノアルキル基は、1位の水酸基の水素
原子と置換して、酸素原子と結合している。即ち、アミ
ノフェニル基を有する糖化合物の一般式は「糖−O−P
h−NH2 」であり、アミノアルキル基を有する糖化合
物の一般式は「糖−O−アルキル−NH2 」である。ア
ミノフェニル基としては、p−アミノフェニル基、o−
アミノフェニル基、1,3−ジアミノフェニル基を例示
できる。又、アミノアルキル基のアルキル基は、炭素数
1〜6であることが好ましい。
としては、アミノフェニル基を有する糖化合物及びアミ
ノアルキル基を有する糖化合物を例示できる。アミノフ
ェニル基及びアミノアルキル基は、1位の水酸基の水素
原子と置換して、酸素原子と結合している。即ち、アミ
ノフェニル基を有する糖化合物の一般式は「糖−O−P
h−NH2 」であり、アミノアルキル基を有する糖化合
物の一般式は「糖−O−アルキル−NH2 」である。ア
ミノフェニル基としては、p−アミノフェニル基、o−
アミノフェニル基、1,3−ジアミノフェニル基を例示
できる。又、アミノアルキル基のアルキル基は、炭素数
1〜6であることが好ましい。
【0010】又、糖の種類には特に限定はない。糖の種
類としては、例えば、ガラクトース、ガラクトサミン、
グルコース、グルコサミン、マンノース、グルクロン
酸、ガラクツロン酸及びこれらの誘導体を挙げることが
できる。ここで誘導体とは、各糖の2、3、4、6位の
水酸基の水素原子が他の置換基で置換されたもの、グル
クロン酸、ガラクツロン酸のカルボン酸基がアミドにな
ったもの、ガラクトサミン及びグルコサミンの2位のア
ミノ基の水素原子の1又は2が他の置換基で置換された
もの等をいう。各糖の2、3、4、6位の水酸基の水素
原子と置換する置換基として、アルキルカルボニル基又
はアリールカルボニル基を例示できる。アルキルカルボ
ニル基のアルキル基は、炭素数1〜6であることが好ま
しく、特にアセチル基であることが好ましい。さらに、
ベンジルカルボニル基もアルキルカルボニル基に包含す
る。アリールカルボニル基のアリール基としては、メチ
ルフェニル基、ニトロフェニル基、アミノフェニル基等
を例示できる。さらに、各糖の2、3、4、6位の水酸
基の水素原子は、単糖(例えばガラクトシル、グルコシ
ル)又はオリゴ糖類(例えば、ジガラクトース、ジグル
コース、トリマンノース)と置換したものであることも
できる。アミノ基を有する糖化合物の例を、下記一般式
(1)〜(7)に示す。
類としては、例えば、ガラクトース、ガラクトサミン、
グルコース、グルコサミン、マンノース、グルクロン
酸、ガラクツロン酸及びこれらの誘導体を挙げることが
できる。ここで誘導体とは、各糖の2、3、4、6位の
水酸基の水素原子が他の置換基で置換されたもの、グル
クロン酸、ガラクツロン酸のカルボン酸基がアミドにな
ったもの、ガラクトサミン及びグルコサミンの2位のア
ミノ基の水素原子の1又は2が他の置換基で置換された
もの等をいう。各糖の2、3、4、6位の水酸基の水素
原子と置換する置換基として、アルキルカルボニル基又
はアリールカルボニル基を例示できる。アルキルカルボ
ニル基のアルキル基は、炭素数1〜6であることが好ま
しく、特にアセチル基であることが好ましい。さらに、
ベンジルカルボニル基もアルキルカルボニル基に包含す
る。アリールカルボニル基のアリール基としては、メチ
ルフェニル基、ニトロフェニル基、アミノフェニル基等
を例示できる。さらに、各糖の2、3、4、6位の水酸
基の水素原子は、単糖(例えばガラクトシル、グルコシ
ル)又はオリゴ糖類(例えば、ジガラクトース、ジグル
コース、トリマンノース)と置換したものであることも
できる。アミノ基を有する糖化合物の例を、下記一般式
(1)〜(7)に示す。
【0011】
【化8】
【0012】
【化9】
【0013】
【化10】
【0014】
【化11】
【0015】
【化12】
【0016】
【化13】
【0017】
【化14】
【0018】(式中、R1、R6、R11 、R16 、R21 、R
26 、R31 は、それぞれアミノフェニル基又はアミノア
ルキル基であり、R2、R3、R4、R5、R7a 、R7b 、R8、
R9、R10 、R12 、R13 、R14 、R15 、R17a、R17b、R
18 、R19 、R20 、R22 、R23 、R24 、R25 、R27 、R28
、R29 、R30 、R32 、R33 、R34 、R35 は、それぞれ
独立に、水素原子、水酸基、アミノ基、置換又は無置換
のアルキルカルボニル基、置換又は無置換のアリールカ
ルボニル基、単糖類又はオリゴ糖類である。)
26 、R31 は、それぞれアミノフェニル基又はアミノア
ルキル基であり、R2、R3、R4、R5、R7a 、R7b 、R8、
R9、R10 、R12 、R13 、R14 、R15 、R17a、R17b、R
18 、R19 、R20 、R22 、R23 、R24 、R25 、R27 、R28
、R29 、R30 、R32 、R33 、R34 、R35 は、それぞれ
独立に、水素原子、水酸基、アミノ基、置換又は無置換
のアルキルカルボニル基、置換又は無置換のアリールカ
ルボニル基、単糖類又はオリゴ糖類である。)
【0019】尚、アルキルカルボニル基の代表例として
は、アセチル基を例示できる。また、アリールカルボニ
ル基の代表例としては、ベンジル基を例示できる。
は、アセチル基を例示できる。また、アリールカルボニ
ル基の代表例としては、ベンジル基を例示できる。
【0020】以下にアミノ基を有する糖化合物の具体例
を挙げる。 p−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−
ガラクトース p−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−α−D−
ガラクトース o−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−
ガラクトース o−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−α−D−
ガラクトース m−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−
ガラクトース m−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−α−D−
ガラクトース p−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−
グルコース p−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−α−D−
グルコース o−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−
グルコース o−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−α−D−
グルコース m−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−
グルコース m−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−α−D−
グルコース
を挙げる。 p−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−
ガラクトース p−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−α−D−
ガラクトース o−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−
ガラクトース o−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−α−D−
ガラクトース m−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−
ガラクトース m−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−α−D−
ガラクトース p−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−
グルコース p−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−α−D−
グルコース o−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−
グルコース o−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−α−D−
グルコース m−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−
グルコース m−アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−α−D−
グルコース
【0021】本発明で用いることができる重合開始剤
は、ビニル化合物の重合を開始できるものであれば良
い。但し、40〜60℃での加熱、又は−10〜10℃
での紫外線照射で、作動する重合開始剤が、糖化合物と
モノビニル誘導体との結合を維持しつつ重合させること
ができることから好ましい。そのような重合開始剤とし
てアゾビスニトリル類を挙げることができる。アゾビス
ニトリル類の例としては、アゾビスブチロニトリル(A
IBN)、アゾビスジメチルバレロニトリル(ABD
V)を挙げることができる。
は、ビニル化合物の重合を開始できるものであれば良
い。但し、40〜60℃での加熱、又は−10〜10℃
での紫外線照射で、作動する重合開始剤が、糖化合物と
モノビニル誘導体との結合を維持しつつ重合させること
ができることから好ましい。そのような重合開始剤とし
てアゾビスニトリル類を挙げることができる。アゾビス
ニトリル類の例としては、アゾビスブチロニトリル(A
IBN)、アゾビスジメチルバレロニトリル(ABD
V)を挙げることができる。
【0022】溶剤としては、アクリロニトリル、ベンゼ
ン、クロロホルム、低級アルコール類又はヘキサン等を
用いることができる。又、これらは、混合物、例えばベ
ンゼン/アクリロニトリル、クロロホルム/ヘキサンと
して用いることもできる。
ン、クロロホルム、低級アルコール類又はヘキサン等を
用いることができる。又、これらは、混合物、例えばベ
ンゼン/アクリロニトリル、クロロホルム/ヘキサンと
して用いることもできる。
【0023】本発明の方法では、まず、2以上のビニル
基を有する架橋剤、カルボン酸基を有するモノビニル誘
導体、1又は2以上のアミノ基を有する糖化合物、重合
開始剤及び溶剤の混合物を調製する。重合開始剤は、架
橋剤及びモノビニル誘導体の合計1モルに対して0.0
02〜0.05モルとし、溶媒は、混合物の10〜50
0重量%とすることができる。得られた混合物に、不活
性ガスを通気して上記糖化合物を分散させる。不活性ガ
スとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム及びネオンを例
示できる。不活性ガスの通気は、例えば−20〜60℃
で1〜60分間行う。この工程で、分散した糖化合物
は、カルボン酸基を有するモノビニル誘導体とアミノ基
を介して結合する。
基を有する架橋剤、カルボン酸基を有するモノビニル誘
導体、1又は2以上のアミノ基を有する糖化合物、重合
開始剤及び溶剤の混合物を調製する。重合開始剤は、架
橋剤及びモノビニル誘導体の合計1モルに対して0.0
02〜0.05モルとし、溶媒は、混合物の10〜50
0重量%とすることができる。得られた混合物に、不活
性ガスを通気して上記糖化合物を分散させる。不活性ガ
スとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム及びネオンを例
示できる。不活性ガスの通気は、例えば−20〜60℃
で1〜60分間行う。この工程で、分散した糖化合物
は、カルボン酸基を有するモノビニル誘導体とアミノ基
を介して結合する。
【0024】次に、得られた混合物を重合条件下に付し
て上記架橋剤及び上記モノビニル誘導体をバルク重合さ
せる。重合条件は、重合開始剤の種類によっても異なる
が、例えば40〜60℃での加熱するか、又は−10〜
10℃での紫外線照射をする。重合時間は、モノマーの
種類、重合開始剤の種類や量等により、適宜選択できる
が、例えば2〜40時間とすることができる。
て上記架橋剤及び上記モノビニル誘導体をバルク重合さ
せる。重合条件は、重合開始剤の種類によっても異なる
が、例えば40〜60℃での加熱するか、又は−10〜
10℃での紫外線照射をする。重合時間は、モノマーの
種類、重合開始剤の種類や量等により、適宜選択できる
が、例えば2〜40時間とすることができる。
【0025】得られた共重合体から、共重合体中に取り
込まれた上記糖化合物を除去する。糖化合物の除去は、
除去が容易であるという観点から、共重合体の塊を機械
的に粉砕し、必要により、粒度を調整した後に行うこと
が好ましい。粒度の調整は、例えばナイロン網等を用い
て10〜25μにすることができる。共重合体微粒子
は、糖化合物を溶解できる溶媒で洗浄することにより、
糖化合物を除去することができる。溶媒としては、前記
の重合に用いた溶媒を挙げることができる。溶媒での洗
浄は、粉砕し、粒度を調整した共重合体微粒子を高速液
体クロマトグラフィーのカラムに充填し、上記溶媒、又
はこの溶媒に必要により水又は酢酸を添加したものを流
通させることにより行うことが好ましい。
込まれた上記糖化合物を除去する。糖化合物の除去は、
除去が容易であるという観点から、共重合体の塊を機械
的に粉砕し、必要により、粒度を調整した後に行うこと
が好ましい。粒度の調整は、例えばナイロン網等を用い
て10〜25μにすることができる。共重合体微粒子
は、糖化合物を溶解できる溶媒で洗浄することにより、
糖化合物を除去することができる。溶媒としては、前記
の重合に用いた溶媒を挙げることができる。溶媒での洗
浄は、粉砕し、粒度を調整した共重合体微粒子を高速液
体クロマトグラフィーのカラムに充填し、上記溶媒、又
はこの溶媒に必要により水又は酢酸を添加したものを流
通させることにより行うことが好ましい。
【0026】上記のようにして得られた樹脂は、糖類を
吸着し、分離する能力を有する。糖類の分離は、糖類の
混合物を、この樹脂に接触させ、所望の糖類を樹脂に吸
着させ、次いで吸着した糖類を溶離することにより行う
ことができる。具体的には、クロマトグラフィーの分離
用カラムの充填材として、本発明の分離用樹脂を用い
る。
吸着し、分離する能力を有する。糖類の分離は、糖類の
混合物を、この樹脂に接触させ、所望の糖類を樹脂に吸
着させ、次いで吸着した糖類を溶離することにより行う
ことができる。具体的には、クロマトグラフィーの分離
用カラムの充填材として、本発明の分離用樹脂を用い
る。
【0027】本発明の方法によれば、異なる糖類の混合
物を各糖類に分離することは勿論のこと、糖類の光学異
性体を分離することもできる。分離の対象である糖類と
しては、上記アミノ基を有する糖類を挙げることができ
る。
物を各糖類に分離することは勿論のこと、糖類の光学異
性体を分離することもできる。分離の対象である糖類と
しては、上記アミノ基を有する糖類を挙げることができ
る。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに説明する。
【0029】実施例1 600mgのp−アミノフェニル−テトラ−o−アセチ
ル−β−D−ガラクトース、0.903g(0.01モ
ル)のメタクリル酸、10.39g(0.063モル)
のエチレングリコールジメタクリレート、125mgの
アゾビスブチロニトリルを10mlのクロロホルムに溶
解した。この溶液に20℃で10分間窒素ガス(流量1
リットル/分)をバブルした。次いで、この溶液に4℃
で紫外線ランプ(出力44W)を用いて紫外線を20時
間照射した。
ル−β−D−ガラクトース、0.903g(0.01モ
ル)のメタクリル酸、10.39g(0.063モル)
のエチレングリコールジメタクリレート、125mgの
アゾビスブチロニトリルを10mlのクロロホルムに溶
解した。この溶液に20℃で10分間窒素ガス(流量1
リットル/分)をバブルした。次いで、この溶液に4℃
で紫外線ランプ(出力44W)を用いて紫外線を20時
間照射した。
【0030】得られた樹脂の塊を乳鉢で粉砕し、ナイロ
ン網で、10〜25μmの樹脂粒子を得た。この樹脂粒
子5.6gをシンターガラス漏斗に移し、樹脂中のp−
アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−ガラ
クトースをアクリロニトリルと酢酸の混合溶媒(90:
10)で洗い流した。得られた樹脂をHPLCカラムに
充填し、糖の分離に用いた。
ン網で、10〜25μmの樹脂粒子を得た。この樹脂粒
子5.6gをシンターガラス漏斗に移し、樹脂中のp−
アミノフェニル−テトラ−o−アセチル−β−D−ガラ
クトースをアクリロニトリルと酢酸の混合溶媒(90:
10)で洗い流した。得られた樹脂をHPLCカラムに
充填し、糖の分離に用いた。
【0031】即ち、p−アミノフェニル−テトラ−o−
アセチル−β−D−ガラクトースとp−アミノフェニル
−テトラ−o−アセチル−α−D−ガラクトースを各1
0μg含有するアセトニトリル溶液20μlをサンプル
とした。装置は、HPLC装置(LKB、ブロマ、スウ
ェーデン)を用いた。流速を0.5ml/分にした場合
の両化合物の保持時間(リテンションタイム)は、8.
69と7.94であった。また、流速を1.0ml/分
にした場合の両化合物の保持時間(リテンションタイ
ム)は、4.05と3.73であった。
アセチル−β−D−ガラクトースとp−アミノフェニル
−テトラ−o−アセチル−α−D−ガラクトースを各1
0μg含有するアセトニトリル溶液20μlをサンプル
とした。装置は、HPLC装置(LKB、ブロマ、スウ
ェーデン)を用いた。流速を0.5ml/分にした場合
の両化合物の保持時間(リテンションタイム)は、8.
69と7.94であった。また、流速を1.0ml/分
にした場合の両化合物の保持時間(リテンションタイ
ム)は、4.05と3.73であった。
Claims (11)
- 【請求項1】 2以上のビニル基を有する架橋剤、カル
ボン酸基を有するモノビニル誘導体、1又は2以上のア
ミノ基を有する糖化合物、重合開始剤及び溶剤の混合物
に不活性ガスを通気して上記糖化合物を分散させる工
程、 得られた混合物を重合条件下に付して上記架橋剤及び上
記モノビニル誘導体を重合させる工程、及び 得られた重合体から上記糖化合物を除去する工程を含む
ことを特徴とする糖類分離用樹脂の製造方法。 - 【請求項2】 2以上のビニル基を有する架橋剤がエチ
レングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン及
びテトラメチレングリコールジメタクリレートからなる
群から選ばれる一種又は二種以上の化合物である請求項
1記載の製造方法。 - 【請求項3】 カルボン酸基を有するモノビニル誘導体
がアクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選ばれる
一種又は二種以上の化合物である請求項1記載の製造方
法。 - 【請求項4】 1又は2以上のアミノ基を有する糖化合
物が、アミノフェニル基を有する糖化合物及びアミノア
ルキル基を有する糖化合物からなる群から選ばれる一種
又は二種以上の化合物である請求項1記載の製造方法。 - 【請求項5】 アミノフェニル基又はアミノアルキル基
を有する糖化合物が下記一般式(1)〜(6)で表され
る化合物である請求項4記載の製造方法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 (式中、R1、R6、R11 、R16 、R21 、R26 、R31 は、そ
れぞれアミノフェニル基又はアミノアルキル基であり、
R2、R3、R4、R5、R7a 、R7b 、R8、R9、R10 、R12 、R
13 、R14 、R15 、R17a、R17b、R18 、R19 、R20 、R22
、R23 、R24 、R25 、R27 、R28 、R29 、R30 、
R32 、R33 、R34 、R35 は、それぞれ独立に、水素原
子、水酸基、アミノ基、置換又は無置換のアルキルカル
ボニル基、置換又は無置換のアリールカルボニル基、単
糖類又はオリゴ糖類である。) - 【請求項6】 重合開始剤がアゾビスニトリル類から選
ばれる一種又は二種以上の化合物である請求項1記載の
製造方法。 - 【請求項7】 溶剤がアクリロニトリル、ベンゼン、ク
ロロホルム、低級アルコール類及びヘキサンからなる群
から選ばれる一種又は二種以上の化合物である請求項1
記載の製造方法。 - 【請求項8】 不活性ガスが窒素、アルゴン、ヘリウム
及びネオンからなる群から選ばれる一種又は二種以上の
化合物である請求項1記載の製造方法。 - 【請求項9】 不活性ガスの通気を−20〜60℃で1
〜60分間行う請求項1記載の製造方法。 - 【請求項10】 重合条件が40〜60℃での加熱、又
は−10〜10℃での紫外線照射である請求項1記載の
製造方法。 - 【請求項11】 請求項1記載の製造方法により得られ
た樹脂に、糖類の混合物を接触させ、所望の糖類を上記
樹脂に吸着させ、次いで吸着した糖類を溶離することを
含む、糖類の分離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4026134A JPH05194617A (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 糖類分離用樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4026134A JPH05194617A (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 糖類分離用樹脂の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05194617A true JPH05194617A (ja) | 1993-08-03 |
Family
ID=12185087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4026134A Withdrawn JPH05194617A (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 糖類分離用樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05194617A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1411068A1 (en) * | 2002-10-16 | 2004-04-21 | Shinwa Chemical Industries, Ltd. | Copolymer, and adsorbent or concentrating medium and needle for solid phase microextraction prepared using the copolymer |
-
1992
- 1992-01-17 JP JP4026134A patent/JPH05194617A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1411068A1 (en) * | 2002-10-16 | 2004-04-21 | Shinwa Chemical Industries, Ltd. | Copolymer, and adsorbent or concentrating medium and needle for solid phase microextraction prepared using the copolymer |
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---|---|---|---|
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