JPH05194469A - プロスタグランジン中間体の製法 - Google Patents

プロスタグランジン中間体の製法

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JPH05194469A
JPH05194469A JP4233473A JP23347392A JPH05194469A JP H05194469 A JPH05194469 A JP H05194469A JP 4233473 A JP4233473 A JP 4233473A JP 23347392 A JP23347392 A JP 23347392A JP H05194469 A JPH05194469 A JP H05194469A
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lactol
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Takashi Ueno
隆司 上野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロスタグランジン製造工程において、5−
6位の二重結合のシス体の生成比を向上させる。 【構成】 プロスタグランジン製造プロセスにおいてラ
クトールにイリドを反応させてα鎖を導入する際、ホス
ホニウム塩とカリウム塩基から得られるイリドを用い、
反応溶媒として反応温度で液体であり、双極子モーメン
トが0.3〜30である溶媒を使用すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプロスタグランジン中間
体の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロスタグランジンは式(c)のごとき基
本骨格を有する。
【化3】
【0003】α鎖の結合した5員環の炭素原子から数え
て2位と3位の炭素原子、即ち式(c)の5位および6位
の炭素原子(以下、C5−C6位と記す)が二重結合を有す
る化合物(以下△5−PGと云う)はシスおよびトランス
異性体を有するが生理活性を発現するのは主としてシス
型であり、これをいかに収率よく得るかが工業的生産性
の上で問題となる。
【0004】従来、プロスタグランジン合成過程におい
てα鎖を導入するには、例えば下式に示すごとくω鎖を
導入したラクトール(d)にウィッティヒ反応によりイリ
ドを反応させることにより行なっている。
【化4】
【0005】(式中、X'は保護基)この際、C5−C6
が二重結合である△5−PG類を得るにはラクトール(d)
と(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムブ
ロミドから得たイリドとを反応させてイリドは通常(4
−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムブロミ
ドにDMSOとNaHから生じさせたメチルサルフィニ
ルカルバニオンナトリウム等を反応させてカルボン酸ナ
トリウム塩: Ph3+C(Br-)H2(CH2)3COOH → Ph3P=C
H(CH2)3COO-Na+ の形で使用している。このイリドはDMSO等の溶剤中
でラクトールと反応させている。反応温度は一般に常温
〜70℃が採用されている。
【0006】従来、α鎖導入に際して一般に採用されて
いる上記方法では生成物中に混在するトランス型の△5
−PG類(△5-trans-PG)の量は10重量%前後であ
り、医薬品原料として生成物の精製が不可欠である。不
純物が多い程この精製工程は生産性をより低下させるこ
ととなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はラクトールに
イリドを反応させてプロスタグランジン中間体を製造す
るに際して、△5-trans-PGの副生を著るしく低減させ
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は式(I)または
(I')で表わされるラクトール:
【化5】
【化6】 [式中、Yは−CH2−CH2−、−CH=CH−、−C
2−CH2−CH2−、−CH2−CH=CH−または−
CH=CH−CH2−(但し、式I'においてYが二重結
合を有するときは、その二重結合はシス体を示す);R1
は置換基を有していてもよい飽和または不飽和の炭素数
1〜12の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香
族炭化水素基、アルコキシアルキル基、またはアリーロ
キシアルキル基;R2は炭素数1〜4のアルキル基;Z
は結合炭素原子と合して環状アセタールを形成する基;
およびXは水素原子または式(a): R5OC(R3)(R4)− (a) (式中、R3およびR4は独立して水素原子または炭素数
1〜4のアルキル基;R5は置換基を有していてもよい
炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニ
ル基、またはベンジル基(但し、R4とR5は両者合して
環を形成してもよい)を表わす)で表わされる基をそれぞ
れ表わす]と式(II): Ph3P=CH−Q−COO-+ (II) [式中、Phはフェニル基;Qは置換基を有していてもよ
い飽和または不飽和の炭素数2〜6の炭化水素基を表
す]で表わされるイリド(II)とを融点−25℃以下、
双極子モーメント0.3〜3.0のエーテル系または芳
香族系溶媒中で反応させるプロスタグランジン中間体の
製法に関する。
【0009】本発明の特徴はイリドとしてカルボン酸カ
リウム塩を用い、かつ特定の溶剤を選択している点にあ
る。従来最も一般的に採用されているDMSOを溶媒と
して用いるとカルボン酸カリウム塩のイリドを用いても
トランス体の低減はみられず、また、THF等本願で特
定する溶媒を用いていもイリドのカルボン酸がリチウム
やナトリウム塩の場合はトランス体の減少はみられな
い。
【0010】本発明に用いられるラクトールは式(I)ま
たは式(I')で表わされる。
【化7】
【化8】
【0011】式中、Yは−CH2−CH2−、−CH=C
H−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH=CH
−また、−CH=CH−CH2−を表わすが、二重結合
はトランス体であってもシス体であってもよい。但しラ
クトールが式(I')で表わされる化合物のときは、Yに
二重結合を有する場合、その二重結合はシス体を示す。
【0012】R1は特に限定的ではなくプロスタグラン
ジン類のω鎖として一般的な全ゆる基が含まれる。典型
的具体例としては、置換基を有していてもよい飽和また
は不飽和の炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、脂環族
炭化水素基または芳香族炭化水素基を表わす。脂肪族炭
化水素基としては好ましくは炭素数2〜10、典型的に
は炭素数5〜7の飽和炭化水素基である。置換基として
はメチル基、エチル基、フッ素原子、塩素原子、水酸
基、メトキシ基、エトキシ基等が例示される。脂環族炭
化水素基としては、シクロプロペニル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基等の他、アルキルシクロペンチ
ル基等のアルキル基を有していてもよい。芳香族炭化水
素基としてはフェニル基、トリル基等の他、ベンジル基
等の芳香族基を含む。またアルコキシアルキル基、例え
ばエトキシブチル基;アリーロキシアルキル基、例えば
フェノキシブチル基等であってもよい。
【0013】R1上の置換基の有無、二重結合の有無
は、△5-cis-PG類と△5-transPG類との生成比には
実質的影響を与えない。R2も特に限定的ではないが、
一般的には炭素数1〜4のアルキル基であり、分岐を有
していもよい。
【0014】Zは、プロスタグランジン合成プロセスに
おいて15位あるいは16位のオキソ基を保護するため
の一般的保護基、典型的には、Zが結合するω鎖中の炭
素原子(15位あるいは16位)と合して環状アセタール
を形成する基である。環状アセタールの具体例としては
例えば、
【化9】 等が例示される。
【0015】Xは水素原子またはプロスタグランジン合
成プロセスにおいて11位のヒドロキシル基を保護する
ために通常用いられる保護基、典型的には式: R5OC(R3)(R4)− (a) で表わされる基である。R3とR4は同一でも異なっても
よく、水素原子または分岐を有してもよい炭素数1〜4
のアルキル基である。R5は置換基を有していてもよい
炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニ
ル基、ベンジル基等であり、置換基としては、ハロゲン
原子、アルコキシ基等が例示される。R4とR5は両者し
て合して環を形成してもよい。
【0016】Xの具体例としてはテトラヒドロピラニル
基、メトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、1−エ
トキシエチル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル
基、ベンジルオキシメチル基、2−メトキシエトキシメ
チル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基等が例
示される。
【0017】本発明に用いられる式(II): Ph3P=CH−Q−COO-+ (II) [式中、PhおよびQは前記と同意義]で表わされるイリ
ド(II)は例えば式(III): [Ph3+CH2−Q−COOH](Hal)- (III) [式中、PhおよびQは前記と同意義。Hal.はハロゲン
原子、特にBr、ClまたはIである。]で表わされるホ
スホニウム塩(III)と適当なカリウム塩基、例えばカリ
ウムt−ブトキシド、水素化カリウム、カリウムビス(ト
リメチルシリル)アミド、カリウムメトキシド、カリウ
ムエトキシド、カリウムn−ブトキシド等を適当な溶媒
中で反応させることにより得られる。従来この反応に
は、ナトリウム塩基が一般に用いられていたが、△5-ci
s-PG類を高収率で得るためにはカリウム塩基が必須で
ある。
【0018】このイリド合成に用いられる溶媒は限定的
ではないが、次工程におけるイリドと式(I)または式
(I')との反応溶媒と同一溶媒を用いることにより、生
成したイリド溶液をそのまゝ次工程で使用することがで
きるので有利である。
【0019】生成したイリド(II)は融点−25℃以
下、双極子モーメント0.3〜3.0のエーテル系また
は芳香族系溶媒中で式(I)または(I')で示されるラク
トール:と反応させる。反応温度は−25℃〜−40℃
程度が適当であり、反応温度が−25℃より高いと△5
−cis体の△5-trans体に対する生成比が低下する。
【0020】本発明に用いられる溶媒は反応温度より低
い融点を有することが必要である。また、双極子モーメ
ントが高すぎても低すぎても△5cis体の生成比あるいは
収率は低下する。好適にはエーテル系溶媒または芳香族
系溶媒であり、エーテル系溶媒の場合は、双極子モーメ
ント1.0〜2.0が特に適しており、芳香族系溶媒の
場合は0.3〜1.0が特に適している。
【0021】本発明に用いられる好ましい溶媒の具体例
はテトラヒドロフラン(1.70D,m.p.−108.5
℃)、ジエチルエーテル(1.12D,m.p.−116.
3℃)、ジブチルエーテル(1.22D,m.p.−98
℃)、ジイソプロピルエーテル(1.22D,m.p.−8
5.89℃)、ジメトキシエタン(1.79D,m.p.−
58℃)トルエン(0.37D,m.p.−94.99
℃)、エチルベンゼン(0.58D,m.p.−95℃)、
クメン(0.65D,m.p.−96℃)等である。特に好
ましいのはテトラヒドロフランである。
【0022】溶媒は上記エーテルまたは芳香族系溶媒の
みでなく、これに式(b): (R6)(R7)N−CO−N(R8)(R9) (b) [式中、R6、R7、R8およびR9は炭素数1〜2のアル
キル基を表わす(但しR7とR8は両者合して環を形成し
てもよい)]で表わされる尿素系化合物を併用することに
より、△5-cis-PG類の生成比および収率を一層向上さ
せることかできる。
【0023】代表的な尿素系化合物の例は、1,3−ジ
メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)ピリミ
ジン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン(DMEU)、1,1,3,3−テトラメチル尿素、1,
1,3,3−テトラエチル尿素などである。これらの尿素
系化合物は全溶媒に対して50体積%以下、通常1〜5
0体積%より好ましくは3〜10体積%用いるのが好ま
しい。尿素系溶媒自体の双極子モーメントや融点は限定
的でないが、混合溶媒としたときの融点は反応温度以下
でなければならない。特にXが水素原子の場合におい
て、上記尿素化合物を用いることが好ましい。
【0024】本発明において溶媒の使用量はイリド(I
I)とラクトール(I)または(I')が反応温度で均一に溶
解するに十分な量である。一般的にはラクトール(I)ま
たは(I')の5〜100(ml/g)である。ラクトール
(I)または(I')とイリド(II)の反応を下記に示す。
【化10】 [式中、X、Y、Z、R1、R2、Ph3およびQは前記と
同意義]。
【0025】本発明方法で得られたプロスタグランジン
中間体から常法により各種プロスタグランジンおよびプ
ロスタグランジン誘導体を合成し得る。特にプロスタグ
ランジンA2、D2、E2、F2およびJ2およびそれらの
各種誘導体原料として有用である。以下実施例をあげて
本発明を説明する。
【0026】実施例1
【化11】 13,14−ジヒドロ−20−エチル−15−ケト−P
GF2αイソプロピルエステル(4)の合成:100mlナス
フラスコに、4−カルボキシブチルトリフェニルホスホ
ニウムブロマイド(1.03g、2.32mmol)のテトラ
ヒドロフラン(THF)(0.4ml)溶液を加え、これへカ
リウムt−ブトキシド(1.0−M、4.64ml、4.6
4mmol)を滴下し、30分間攪拌した。−78℃に冷却
後、ラクトール(1)(0.247g、0.58mmol)のT
HF溶液(2ml)を30分間で滴下し、−40℃まで6時
間で昇温した。その後、−40℃で17時間攪拌した。
常法処理後、粗カルボン酸(2)を得た。収量;0.38
7g。 乾燥アセトニトリル中(5ml)、DBU(0.26ml)及び
ヨウ化イソプロピル(0.17ml)を用い、イソプロピル
エステル(3)とした後、酢酸で加水分解し、13,14
−ジヒドロ−20−エチル−15−ケト−PGF2αイ
ソプロピルエステル(4)を得た。収量;0.1906g
(94%)、△5−トランス体生成比1.4%。ほぼ同様
の実験を12回行ないトランス体生成比1.1%〜3.
5%であった。
【0027】実施例2 13,14−ジヒドロ−20−エチル−15−ケト−P
GF2αイソプロピルエステル(4)の合成:100mlナス
フラスコに、4−カルボキシブチルトリフェニルホスホ
ニウムブロマイド(1.03g、2.32mmol)およびD
MPU(1.6ml)を加え、生じた溶液にカリウムt−ブ
トキシド(1.0−M、4.64ml、4.64mmol)を滴
下し30分間攪拌した。−35℃に冷却後、ラクトール
(1)(0.247g、0.58mmol)のTHF−DMPU
(3:1)溶液(0.45ml)及びこのラクトール溶液の容
器のTHF−DMPU(3:1)洗浄液(0.45ml)を2
0分間で滴下し、15時間攪拌した。常法処理後、粗カ
ルボン酸(2)を得た。収量:1.21g。 粗カルボン酸(2)(1.21g)を乾燥アセトニトリル(5
ml)中、DBU(0.26ml)、ヨウ化イソプロピル(0.
17ml)を用いて、イソプロピルエステル(3)とした。
収量0.2945g(92%)。イソプロピルエステル
(3)を酸で加水分解して13,14−ジヒドロ−20−
エチル−15−ケト−PGF2αイソプロピルエステル
(4)を得た。収量:0.2080g、(92%)、△5-トラ
ンス体生成比1.1%。
【0028】実施例3
【化12】
【0029】13,14−ジヒドロ−20−エチル−1
5,15−エチレンジオキシ−PGF2αイソプロピルエ
ステル(7)の合成:アルゴン雰囲気下1l四頚フラスコに
乾燥THF(70ml)を入れ、これへカリウムt−ブトキ
シド(9.31g)を懸濁した。4−カルボキシブチルト
リフェニルホスホニウムブロマイド(17.5g)及びD
MPU(2.12ml)を加えて1時間攪拌した。冷却し内
温を−35℃とし、これへ−35℃に冷却したラクトー
ル(5)(3.00g)の乾燥THF(60ml)溶液を滴下し
た。ラクトール(5)の容器をTHF(10ml)で洗浄し、
洗液を反応溶液へ加えた。冷却浴を−10℃に昇温しつ
つ20.5時間攪拌した。常法処理後、粗カルボン酸
(6)を得た。収量4.22g。粗カルボン酸(6)(4.2
2g)を乾燥アセトニトリル(21ml)中、DBU(8.8
7ml)及びヨウ化イソプロピル(2.96ml)を用いてイ
ソプロピルエステル(7)とした。収量:3.70g(9
0.1%)△5-トランス生成比3.3%。
【0030】実施例4
【化13】
【0031】13,14−ジヒドロ−20−エチル−1
5,15−エチレンジオキシ−PGF2αイソプロピルエ
ステルの合成:ラクトール(5)(2.15g)を用い、D
MEU(1.37ml)を用いた他は実施例3と同一の試薬
を同じ比率で用い、エステル(7)を得た。収量:2.4
8g(84.3%、2ステップ)△5−トランス体存在比
3.1%。シス/トランスの比率の分析はHPLCを用
い紫外分光光度計による面積比により行なった。△5-ト
ランス体の生成比率は吸光係数による補正は行なってい
ない。
【0032】実施例5
【化14】
【0033】メチル(Z)−7−{(4aR,5R,6S,
7aR)−2−[1(RS)−フルオロペンチル]−6−ヒ
ドロキシ−2−メトキシペルヒドロシクロペンタ[b]−
ピラン−5−イル}ヘプタ−5−エノエート(10)の合
成:乾燥THF(10ml)に4−カルボキシブチルトリフ
ェニルホスホニウムブロマイド(6.00g)を懸濁させ
カリウムt−ブトキシド(3.35g)のTHF(35ml)溶
液を加え室温で30分間攪拌した。−40℃に冷却し、
ラクトール(8)(0.821g)のTHF(15ml)溶液を
加えた。ゆっくり昇温し−20℃で3時間攪拌した。常
法処理して得たカルボン酸(9)をジアゾメタンでエステ
ル化後、シリカゲルカラム精製しメチルエステル(10)
を得た。収量:0.928g(85%)△5−トランス体生
成比0.6%
【0034】実施例6
【化15】
【0035】13,14−ジヒドロ−15−ケト−20
−エチル−PGF2aイソプロピルエステル(4)の合成:
4−カルボキシブチルトリフェニルホスホニウムブロマ
イド(1.022g、2.30mmol)をTHF(2ml)中に
懸濁しカリウムt−ブトキシド(0.517g、4.61m
mol)のTHF(3ml)溶液を滴下し室温で1時間攪拌し
た。−40℃に冷却し、ラクトール(11)(0.180
g、0.58mmol)のTHF(2ml)溶液を滴下し−20℃
まで1時間で昇温した。−15℃で15時間攪拌した。
常法処理しカルボン酸(12)を得た。収量:0.257
8g。 粗カルボン酸体(12)をアセトニトリル(6ml)中ヨウ化
イソプロピル(0.2ml)及びDBU(0.3ml)を用い
てイソプロピルエステル(4)とした。△5-トランス体生
成比3.7〜3.8%。
【0036】比較例
【化16】
【0037】13,14−ジヒドロ−15−ケト−20
−エチル−PGF2aメチルエステル(15)の合成:ラク
トン(13)(1.22g)を乾燥トルエン(30ml)中、−
78℃でDIBAL−H(7.6ml)で還元した。45分
間攪拌後、メタノール(10ml)を加え室温で80分間攪
拌後エーテルを加え、濾過した。濾液を減圧濃縮し、ラ
クトール(5)を得た。水素化ナトリウム(60%、1.
15g)を乾燥エーテルで洗い、乾燥DMSO(30ml)に
懸濁した後、65〜70℃に1時間保った。その後室温
とし、(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウ
ムブロマイド(6.4g)のDMSO溶液を加え40分間
撹拌後、ラクトール(5)のDMSO溶液を滴下し、一夜
攪拌した。常法処理によりカルボン酸(6)を得た。これ
をジアゾメタンでメチルエステル(14)とした後、シリ
カゲルカラム精製した。収量:1.29g(82%)。 得られたメチルエステル(14)(1.06g)を酢酸:水:
THF(3:1:1)混合溶媒(18ml)に溶解し50℃に3
時間保った。常法処理により、13,14−ジヒドロ−
20−エチル−15−ケト−PGF2αメチルエステル
(15)を得た。収率:0.868g(74%)、△5-トラ
ンス体生成比:9.3%。
【0038】
【発明の効果】本発明方法を用いるとラクトールにα鎖
を導入する際、△5-trans-PG類の生成が抑制され、得
られたプロスタグランジン中間体中の△5-cis-PG類の
生成比が著しく向上する。その結果、得られた中間体の
精製が不要もしくは、短縮できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)または(I')で表わされるラクト
    ール: 【化1】 【化2】 [式中、Yは−CH2−CH2−、−CH=CH−、−C
    2−CH2−CH2−、−CH2−CH=CH−または−
    CH=CH−CH2−(但し、式I'においてYが二重結
    合を有するときはその二重結合はシス体を示す);R1
    置換基を有していてもよい飽和または不飽和の炭素数1
    〜12の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族
    炭化水素基、アルコキシアルキル基、またはアリーロキ
    シアルキル基;R2は炭素数1〜4のアルキル基;Zは
    結合する炭素原子と合して環状アセタールを形成する
    基;およびXは水素原子または式(a): R5OC(R3)(R4)− (a) (式中、R3およびR4は独立して水素原子または炭素数
    1〜4のアルキル基;R5は置換基を有していてもよい
    炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニ
    ル基、またはベンジル基(但し、R4とR5は両者合して
    環を形成してもよい)を表わす)で表わされる基をそれぞ
    れ表わす]と式(II): Ph3P=CH−Q−COO-+ (II) [式中、Phはフェニル基;Qは置換基を有していてもよ
    い飽和または不飽和の炭素数2−6の炭化水素基を表
    す]で表わされるイリド(II)とを融点−25℃以下、
    双極子モーメント0.3〜3.0のエーテル系または芳
    香族系溶媒中で反応させるプロスタグランジン中間体の
    製法。
  2. 【請求項2】 溶媒がテトラヒドロフラン、ジエチルエ
    ーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル
    またはトルエンから選ばれる請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 反応を−25〜−40℃の範囲で行なう
    請求項1記載の製法。
  4. 【請求項4】 溶媒として、エーテル系または芳香族系
    溶媒に加えて、式: (R6)(R7)N−CO−N(R8)(R9) (b) [式中、R6、R7、R8およびR9は炭素数1〜2のアル
    キル基を表わす(但し、R7とR8は両者合して環を形成
    してもよい)]で表わされる尿素系化合物を使用する請求
    項1に記載の製法。
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