JPH05193896A - リヤアクスル懸架装置用のシム装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、フォークリフトのリヤアクスルビ
ームとビーム支持ブロックとの間に生ずる隙間のシム調
整を容易化することを目的とする。 【構成】 上記目的を達成するために、本発明によるシ
ム装置は、リヤアクスルビーム(１)の軸ピン(２)の一方
に側方から嵌め込まれる少なくとも１枚のシム(１２)、
及び、前記軸ピンに側方から嵌め込まれる垂直部分(１
１ａ)と、前記シムの下部を支持すると共にビーム支持
ブロック(４)に固定される水平部分(１１ｂ)とから成る
Ｌ字状のシム支持プレート(１１)、から構成したこを特
徴としている。このように、シム支持プレート及びシム
は軸ピンに側方から差し込むことができるので、リヤア
クスルビームをビーム支持ブロックに取り付けた状態で
シム調整ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フォークリフト等の産
業車両のリヤアクスル懸架装置に関し、特に、リヤアク
スルビームを機台フレームのビーム支持ブロックに取り
付ける際に用いられる隙間調整用のシム装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】フォークリフト等の産業車両において
は、凹凸の多い場所における走行時の車両安定化のため
に、後輪を支持するリヤアクスルビームが機台フレーム
に対して揺動可能に取り付けられている。

【０００３】図５は従来一般のリヤアクスル懸架装置を
示すものである。図示のリヤアクスル懸架装置において
は、リヤアクスルビーム１の中央部の前後両側に軸ピン
２が突設されており、この軸ピン２を、機台フレーム３
の下面に設けられた前後一対のビーム支持ブロック４の
貫通孔５に回動可能に嵌合することで、リヤアクスルビ
ーム１が揺動可能に支持されるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、リヤアクス
ルビーム１とビーム支持ブロック４との間には、製造誤
差等の原因により隙間が通常生じるが、この隙間を埋め
てがたつきを防止するために、従来においては平座金状
のシム６を用いていた。

【０００５】しかし、かかる隙間は一定でないため、リ
ヤアクスルビーム１をビーム支持ブロック４に取り付け
た状態で隙間の大きさを測定しなければならず、また、
数種の板厚のシム６を複数枚用意して、その中から適当
なものを選んで使用する必要があった。実際の作業で
は、機台フレーム３を吊り上げた状態で、リヤアクスル
ビーム１を持ち上げてビーム支持ブロック４間に配置し
た後、一方のビーム支持ブロック４にリヤアクスルビー
ム１を押し付けて実際の隙間の大きさを測定していた。
更に、この後、リヤアクスルビーム１を一旦降ろし、隙
間の測定値に応じてシム６を選択して組み合わせ、それ
らを一方の軸ピン２（図示の例では後方側の軸ピン）に
嵌めた後、再度リヤアクスルビーム１を上昇させ、軸ピ
ン２をビーム支持ブロック４に取り付けることとしてい
た。

【０００６】この作業は、実際の隙間の大きさを測定す
るためにリヤアクスルビーム１の上昇・下降を繰り返す
必要があり、また、機台フレーム３の下側から覗き込む
無理な姿勢での作業も多いため、作業性等の面で好まし
くなかった。

【０００７】本発明の目的は、かかる技術的課題を解決
することのできるシム装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によるシム装置
は、（ａ）軸ピンに側方から嵌め込まれる少なくとも１
枚のシム、及び、（ｂ）この軸ピンに側方から嵌め込ま
れる垂直部分と、前記シムの下部を支持すると共にビー
ム支持ブロックに固定される水平部分とから成るＬ字状
のシム支持プレート、から構成されたことを特徴として
いる。

【０００９】

【作用】このような構成のシム装置は、その構成要素で
あるシム及びシム支持プレートを軸ピンに側方から嵌め
込むことができるので、リヤアクスルビームをビーム支
持ブロック間に取り付けた後に装着することが可能であ
る。

【００１０】

【実施例】以下、図面と共に本発明の好適な実施例につ
いて詳細に説明するが、図中、同一又は相当部分には同
一符号を用いることとする。

【００１１】図１及び図２に示すように、本発明のシム
装置１０が用いられるリヤアクスル懸架装置は、先に説
明した従来構成と同様に、機台フレーム３の下面に突設
された前後１対のビーム支持ブロック４と、これらのビ
ーム支持ブロック４間で揺動可能に支持されるリヤアク
スルビーム１とから構成されている。

【００１２】各ビーム支持ブロック４は、機台の幅方向
に延びており、機台フレーム３に固着された上側部分４
ａと、この上側部分４ａにボルト８により締め付け固定
される下側部分４ｂとから成る。また、この上下両部分
４ａ，４ｂの間には、リヤアクスルビーム１の軸ピン２
を受け入れて揺動可能に支持するための貫通孔５が形成
されている。一方、リヤアクスルビーム１の軸ピン２
は、ビーム本体の中央部の前後両面に設けられており、
機台の前後方向に同軸に延びている。

【００１３】本発明によるシム装置１０は、これらの軸
ピン２の一方（図示実施例では後側の軸ピン）に取り付
けられ、リヤアクスルビーム１の後面と後側ビーム支持
ブロック４との間に配置される。図３に明示するよう
に、本発明によるシム装置１０は、１枚の鋼板をＬ字状
に折り曲げて形成されたシム支持プレート１１と、この
シム支持プレート１１により支持される少なくとも１枚
のシム１２とから構成されている。

【００１４】シム支持プレート１１の垂直部分１１ａに
は、軸ピン２に側方から嵌め込むためのＵ字状の切欠き
１３が形成されている。また、垂直部分１１ａの下端か
ら直角に延びる水平部分１１ｂには、これをビーム支持
ブロック４の下側部分４ｂにボルト止めするため、ボル
ト１４を通すための穴１５が設けられている。尚、リヤ
アクスルビーム１とビーム支持ブロック４との間の隙間
の大きさにより、ビーム支持ブロック４に対するシム支
持プレート１１の取付位置は異なるので、この穴１５は
前後方向に延びる長穴とされている。

【００１５】一方、シム１２は、シム支持プレート１１
と同様、軸ピン２に側方から嵌め込むためのＵ字状切欠
き１６を有している。図示実施例のシム１２は、軸ピン
２と同径の穴を有したシム用板材をほぼ半分に切断して
形成したものである。シム１２は、隙間の大きさに応じ
て厚さの異なるものを複数枚組み合わせて使用されるた
め、複数種のシムを用意しておく必要がある。

【００１６】次に、上記構成のシム装置を用いてシム調
整する場合について説明する。

【００１７】まず、従来一般の方法に従って、吊下げ状
態の機台フレーム３の下側からリヤアクスルビーム１を
上昇させて、リヤアクスルビーム１の軸ピン２をビーム
支持ブロック４の上側部分４ａの所定箇所に配置し、ビ
ーム支持ブロック４の下側部分４ｂを上側部分４ａに宛
てがってボルト１４で固定する。これにより、リヤアク
スルビーム１はビーム支持ブロック４により揺動可能に
支持される。この後、リヤアクスルビーム１を前側のビ
ーム支持ブロック４に寄せて、リヤアクスルビーム１の
後面と後側のビーム支持ブロック４との間にのみ隙間を
形成する。ここで、その隙間の寸法を測定し、シム支持
プレート１１の垂直部分１１ａの厚さを考慮した上で、
適当な厚さのシム１２を複数種用意する。そして、それ
らのシム１２を隙間の下方から差し込んでＵ字状切欠き
１６を軸ピン２に嵌め、その後、シム１２とリヤアクス
ルビーム１との間にシム支持プレート１１の垂直部分１
１ａを挿入して軸ピン２に嵌め込む。最後に、ボルト１
４をシム支持プレート１１の水平部分１１ｂの穴１５か
らビーム支持ブロック４の下側部分４ｂに形成されたボ
ルト穴にねじ込んでシム支持プレート１１を固定する。
このように、隙間測定からシム取付作業までを、リヤア
クスルビーム１をビーム支持ブロック４に取り付けたま
まの状態で行うことができる。

【００１８】図４は本発明の別の実施例であり、シム支
持プレート１１′の垂直部分１１a′が波形に形成され
ている。前記実施例では、シム支持プレート１１の垂直
部分１１ａが平板形状となっているため、実際には、極
く僅かな隙間が残るが、垂直部分１１a′を波形とした
場合、その弾性作用によって僅かな隙間を埋めることが
可能となる。

【００１９】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、リヤア
クスルビームをビーム支持ブロックに取り付けた状態で
シムを装着することができるので、リヤアクスルビーム
の上昇・下降を繰り返す必要がなく、よって、下から覗
き込むような無理な姿勢での作業が減り、作業能率が著
しく向上する。

【００２０】また、本発明のシム装置は取外しも容易で
あるので、再調整にも有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるシム装置が取り付けられたリヤア
クスル懸架装置の断面図である。

【図２】図１のリヤアクスル懸架装置の背面図である。

【図３】本発明によるシム装置を示す分解斜視図であ
る。

【図４】本発明の別の実施例によるシム装置におけるシ
ム支持プレートを示す斜視図である。

【図５】従来のシムを用いているリヤアクスル懸架装置
を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１ リヤアクスルビーム ２ 軸ピン ３ 機台フレーム ４ ビーム支持ブロック １０ シム装置 １１ シム支持プレート １１ａ 垂直部分 １１ｂ 水平部分 １２ シム １３，１６ Ｕ字状切欠き

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リヤアクスルビームがその中央部の前後
   に突設された１対の軸ピンを介して、機台フレームの下
   面に設けられた前後１対のビーム支持ブロック間で揺動
   可能に支持される産業車両のリヤアクスル懸架装置にお
   いて、前記リヤアクスルビーム及び前記ビーム支持ブロ
   ック間の隙間を埋めるためのシム装置であって、前記軸
   ピンの一方に側方から嵌め込まれる少なくとも１枚のシ
   ム、及び、該軸ピンに側方から嵌め込まれる垂直部分
   と、前記シムの下部を支持すると共に前記ビーム支持ブ
   ロックに固定される水平部分とから成るＬ字状のシム支
   持プレート、から構成されるリヤアクスル懸架装置用の
   シム装置。