JPH05193719A - 荷搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 上流側を上位として傾斜し、本体フレーム１
に多数配設した遊転ローラ11，11ａを有し、遊転ローラ
11ａに対して接続分離自在な制動装置20と、制動装置20
に接続した制御装置46を設け、制御装置46のオンとオフ
を交互に行わせるタイマー装置47を設けた荷搬送装置。 【効果】 タイマー装置の計時作用により、制御装置を
設定時間毎に交互にオンとオフに切り替えて、制動装置
の接続動と分離動とを交互に行える。被搬送物は、タイ
マー装置の交互のオン、オフ指令に基づいて順次、一旦
停止と搬送とを繰り返しながら傾斜搬送経路を搬送で
き、傾斜角度や荷重の影響を受けることなく、傾斜経路
での被搬送物の搬送速度を調整できて、過速になったり
完全に停止することのない搬送を行え、しかも静かな搬
送を可能にできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえば主コンベヤで
仕分けられた製品を受け取って作業者の手元へ送るとき
などに利用される荷搬送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、仕分け装置としては、たとえば特
開昭57−151529号公報に見られる構成が提供されてい
る。この従来構成は、コンベヤの側方に仕分けラインを
設け、この仕分けラインは遊転ローラコンベヤ（または
鉄板性のシュート）から構成され、コンベヤ側を上位と
して傾斜させている。したがって、コンベヤにより搬送
され、目的とする仕分けラインに搬出された品物は、遊
転ローラ群上を搬送されることになる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記した従来構
成によると、品物のコンベヤからの搬出速度や品物の自
重などによる慣性力で遊転ローラコンベヤ上を滑動する
ため、傾斜角度の影響を受けて、搬送が円滑に行われな
い。すなわち傾斜角度が急なときには仕分けラインの終
端でスピードがつきすぎることになり、また傾斜角度が
緩いと仕分けラインの途中で品物が完全に止まることに
なる。これはシュートの場合も同様である。このように
搬送速度は一定にならず、したがって傾斜角度の設定も
容易に行えない。また駆動ベルトコンベヤを採用したと
きには速度調整を行えるが、その駆動により騒音を発生
することになる。

【０００４】本発明の目的とするところは、傾斜角度や
荷重の影響を受けることなく、傾斜経路での被搬送物の
搬送速度を調整し得、過速になったり完全に停止するこ
とのない搬送を行え、しかも常に静かな搬送を可能とし
た荷搬送装置を提供する点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明の荷搬送装置は、上流側を上位として傾斜して配設
される荷搬送装置であって、本体フレームと、この本体
フレームに多数配設した遊転ローラとを有し、少なくと
も１個の遊転ローラに対して接続分離自在な制動装置
と、この制動装置に接続した制御装置とを設け、この制
御装置のオンとオフを交互に行わせるタイマー装置を設
けている。

【０００６】

【作用】かかる本発明の構成によると、タイマー装置の
計時作用によって制御装置は設定時間毎に交互にオンと
オフに切り替えられ、以て制動装置の接続動と分離動と
を交互に行って、遊転ローラに対して制動作用と制動解
除とを行える。

【０００７】すなわちタイマー装置がオフの設定時間の
とき、制動装置は分離動して遊転ローラに制動を掛けて
おらず、これにより遊転ローラは遊転自在となってい
る。この状態で上流側に渡された被搬送物は、対向した
遊転ローラを遊転させながら傾斜搬送経路を下方へと搬
送されることになる。またタイマー装置がオンの設定時
間のとき、制動装置は接続動して遊転ローラに制動を掛
けており、これにより遊転ローラの遊転を阻止すること
になり、被搬送物にブレーキをかけて搬送を停止し得
る。このようにして被搬送物は、タイマー装置の交互の
オン、オフ指令に基づいて順次、一旦停止と搬送とを繰
り返しながら傾斜搬送経路を搬送される。

【０００８】

【実施例】以下に本発明の一実施例を図１〜図７に基づ
いて説明する。図６、図７において、50は主コンベヤ
で、その一側（または両側）には荷搬送装置51が直角分
岐状に複数並設されている。そして荷搬送装置51に連続
して荷捌きコンベヤ52が配設してある。ここで主コンベ
ヤ50を床面53に対して上方に配設するとともに、荷捌き
コンベヤ52を床面53上に配設しており、したがって荷搬
送装置51は上流側を上位として傾斜して配設される。そ
して主コンベヤ50や荷搬送装置51の下方のスペース54を
台車などの滞留部などに利用している。

【０００９】次に前記荷搬送装置51の詳細を図１〜図５
に基づいて説明する。１は断面Ｕ形状の本体フレーム
で、左右一対の側枠１Ａと、これら側枠１Ａの下部間を
連結するベース枠１Ｂとにより構成される。両側枠１Ａ
の相対向する内側面にはＬ状のガイド部２が形成され、
さらに上部にはナット体３の摺動を許す蟻溝部４が形成
されている。両側枠１Ａの内面側には、その下端を嵌合
させて樹脂製の支持体５がフレーム長さ方向で位置変更
（摺動）自在に設けられ、これら支持体５は、中間部に
形成してなる取付け孔６に通したボルト７を前記ナット
体３に螺合させることで変更位置において固定される。

【００１０】前記支持体５は矩形板状で、前記取付け孔
６の上方位置には貫通孔８が形成されている。そして両
支持体５間に、ローラ軸10を介して遊転ローラ11が配設
される。すなわち遊転ローラ11に対して相対遊転自在に
挿通したローラ軸10の両端を貫通孔８に挿入することで
ローラ軸10の取付けを行え、以て遊転ローラ11はローラ
軸心12の周りで遊転自在となる。

【００１１】前記遊転ローラ11を搬送方向で複数のブロ
ック（後述する）に分けるとともに、各ブロック毎に、
少なくとも１個の遊転ローラ11ａに対して接続分離自在
な制動装置20を設けている。すなわち制動装置20を設け
た一方の支持体５は、前記ガイド部２に嵌合させる下端
や取付け孔６を形成した基板部21と、この基板部21の下
半分内面から内方に向けて連設した前後一対のカバー板
部22と、これらカバー板部22の下端間に設けられた連結
板部23とによりケース状に形成されている。

【００１２】前記基板部21の下端に軸受孔部24が形成さ
れ、この軸受孔部24に内端を嵌入した支軸25が、前記ロ
ーラ軸心12に沿いかつ上下揺動自在に取付けられる。そ
して前記カバー板部22の遊端間に樹脂製のＬ形板部26を
差し込みにより取付け、このＬ形板部26の縦板に形成し
た上下方向の凹部27に前記支軸25の外端を嵌合して、支
軸25の上下揺動範囲を規制している。

【００１３】前記支軸25に、筒状のボス部材28を回転自
在に取付け、このボス部材28にウレタンゴム製の制動体
29を固着している。この制動体29は筒状であって、その
外周を前記遊転ローラ11ａの外周下部に下方から当接離
間自在としており、そしてボス部材28とともに周方向へ
位相を変位させることで、その当接作用部を変えて摩損
などに対処している。前記支軸25に作用して制動体29の
当接を行わせるエアシリンダ装置30が、支軸25の外端に
取付けたシリンダゴム受け31とＬ形板部26の横板との間
に介装されている。前記ボス部材28はスプロケット32を
一体に有しており、このスプロケット32の歯間に係合す
るストッパ体33を基板部21側に設けている。

【００１４】上記した21〜33により１つのユニット化し
た制動装置20を構成し、この制動装置20は支持体５など
を介して遊転ローラ11ａと１組となって、本体フレーム
１に配設される。そして上記のように遊転ローラ11また
は制動装置20と対になった遊転ローラ11ａを、本体フレ
ーム１に設定ピッチＰ置きに配置することで、遊転ロー
ラ11，11a 群により傾斜搬送経路35を形成する。36は被
搬送物の一例である製品を示す。

【００１５】前述した遊転ローラ11，11ａは、たとえば
図１に示すように、所定の配列とした６個（複数個）を
１ブロックとして搬送方向で複数のブロックＡ，Ｂ，Ｃ
…Ｎが配置される。各ブロックＡ〜Ｎは、隣どうしのブ
ロックでオンとオフを逆にするように、一つ置きに二つ
のグループＡ，Ｃ，Ｅ・・・とＢ，Ｄ，Ｆ・・・に分け
られ、そしてグループ毎に制御される。

【００１６】すなわち各ブロックＡ〜Ｎにおいて、制動
装置20のエアシリンダ装置30群に接続した給排ホース40
を、電磁弁41を介して給気装置42からの給気ホース43に
択一的に接続自在に構成してある。44はレギュレータ、
45はサイレンサーを示す。そして各ブロックＡ〜Ｎに
は、それぞれ電磁弁41を内蔵した制御装置46が設けら
れ、各制御装置46は共通のタイマー装置47に接続してい
る。

【００１７】ここで、タイマー装置47からの２本の信号
線Ｘ，Ｙのうち、１本の信号線Ｘは一方のグループＡ，
Ｃ，Ｅ・・・における各制御装置46に接続し、残りの信
号線Ｙは他方のグループＢ，Ｄ，Ｆ・・・における各制
御装置46に接続している。そしてタイマー装置47は、そ
の計時作用によって、一方のグループＡ，Ｃ，Ｅ・・・
における各制御装置46と、他方のグループＢ，Ｄ，Ｆ・
・・における各制御装置46とを、設定時間置きに交互に
オン、オフすべく構成してある。

【００１８】次に上記実施例における搬送作業を説明す
る。図６、図７において主コンベヤ50で搬送される製品
36は、目的とする荷搬送装置51に搬出され、そして荷搬
送装置51の傾斜搬送経路35上を自重などにより搬送され
たのち荷捌きコンベヤ52に移る。この荷捌きコンベヤ52
上の製品36は作業者により下流側に移動され、そして作
業者によりトラックなどに積み込まれる。

【００１９】次に荷搬送装置51での搬送作業を説明す
る。一方のグループＡ，Ｃ，Ｅ・・・は、図１ならびに
図３に示すように、タイマー装置47から信号線Ｘを介し
ての指令がオフであることから、対応する制御装置46が
オフとなって、給気ホース43から給排ホース40を分離す
べく電磁弁41を切換えている。これにより給排ホース40
は開放され、エアシリンダ装置30は非作動となって支軸
25を下方に揺動させ、遊転ローラ11ａから制動体29を離
間させている。したがって一方のグループＡ，Ｃ，Ｅ・
・・において制動作用は発生しておらず、以て一方のグ
ループＡ，Ｃ，Ｅ・・・上の製品36は自重などにより傾
斜搬送経路35上を移動される。

【００２０】このとき他方のグループＢ，Ｄ，Ｆ・・・
は、図１、 図３の仮想線Ｏならびに図４に示すように、
タイマー装置47から信号線Ｙを介しての指令がオンであ
ることから、対応する制御装置46がオンとなって、給気
ホース43に給排ホース40を接続すべく電磁弁41を切換え
ている。すなわち電磁弁41を接続動させることにより、
給排ホース40を介してエアシリンダ装置30へ給気され
る。これにより、エアシリンダ装置30の伸びで支軸25を
上方へ揺動させ、その制動体29を対応する遊転ローラ11
ａに下方から圧接させて、この遊転ローラ11ａの遊転を
阻止することになり、以て製品36にブレーキをかけて搬
送を阻止し得る。すなわち他方のグループＢ，Ｄ，Ｆ・
・・では制動装置20を作動させて遊転ローラ11ａの遊転
を強制的に止めており、製品36は他方のグループＢ，
Ｄ，Ｆ・・・内にて停止することになる。

【００２１】このように、図１の実線で示す一方のグル
ープＡ，Ｃ，Ｅ・・・の製品36は、この一方のグループ
Ａ，Ｃ，Ｅ・・・に制動作用が生じていないことから傾
斜下位側に搬送され、そして図１の仮想線で示すよう
に、それぞれ一つ下位のグループＢ，Ｄ，Ｆ・・・に入
ったのちブレーキをかけられて停止される。

【００２２】そしてタイマー装置47の設定時間が過ぎる
と、図２に示すように、このタイマー装置47から信号線
Ｙを介してのオン信号が消滅し、グループＢ，Ｄ，Ｆ・
・・の対応する制御装置46がオフとなって、給気ホース
43から給排ホース40を分離すべく電磁弁41を切換え、以
てグループＢ，Ｄ，Ｆ・・・において制動作用は解放さ
れる。これと同時にタイマー装置47から信号線Ｘを介し
てオン信号が発せられ、これによりグループＡ，Ｃ，Ｅ
・・・の対応する制御装置46がオンとなって、給気ホー
ス43に給排ホース40を接続すべく電磁弁41を切換え、以
てグループＡ，Ｃ，Ｅ・・・においてブレーキをかけ搬
送を阻止することになる。

【００２３】このようにして製品36は、各ブロックＡ〜
Ｎで順次、一旦停止と搬送とを繰り返しながら傾斜搬送
経路25上を搬送され、そして荷捌きコンベヤ52に搬出さ
れる。

【００２４】上記実施例において、タイマー装置47の設
定時間は、傾斜角度や取り扱う被搬送物によって任意に
変更される。また各ブロックＡ〜Ｎにそれぞれ１個の制
動装置20を配設しているが、これは各ブロックＡ〜Ｎに
２個以上の制動装置20を配設してもよい。そして樹脂製
の遊転ローラ11，11ａを使用しているが、これは金属製
の遊転ローラ11，11ａであってもよい。

【００２５】図８は本発明の別の実施例を示す。すなわ
ち荷搬送装置51の全体を一つのブロックとしてオンとオ
フとを交互に繰り返すように構成している。この実施例
によると、荷搬送装置51をオフとした状態では、主コン
ベヤ50からの製品36を順次受け入れ、そして設定時間の
経過で荷搬送装置51をオンとした状態では、受け入れた
製品36群を傾斜搬送経路35上で停止（ストレージ）し得
る。その後、荷搬送装置51をオフとした状態では、停止
（ストレージ）している製品36群を荷捌きコンベヤ52に
搬出し得るとともに、主コンベヤ50からの新たな製品36
を順次受け入れ得る。

【００２６】

【発明の効果】上記構成の本発明によると、タイマー装
置の計時作用によって制御装置は設定時間毎に交互にオ
ンとオフに切り替えることができ、以て制動装置の接続
動と分離動とを交互に行うことができて、遊転ローラに
対して制動作用と制動解除とを行うことができる。

【００２７】すなわちタイマー装置がオフの設定時間の
とき、制動装置は分離動して遊転ローラに制動を掛け
ず、これにより遊転ローラを遊転自在にでき、被搬送物
は、対向した遊転ローラを遊転させながら傾斜搬送経路
を下方へと搬送できる。またタイマー装置がオンの設定
時間のとき、制動装置は接続動して遊転ローラに制動を
掛けており、これにより遊転ローラの遊転を阻止して、
被搬送物にブレーキをかけることができ、その搬送を停
止できる。

【００２８】このように被搬送物は、タイマー装置の交
互のオン、オフ指令に基づいて順次、一旦停止と搬送と
を繰り返しながら傾斜搬送経路を搬送でき、傾斜角度や
荷重の影響を受けることなく、傾斜経路での被搬送物の
搬送速度を調整できて、過速になったり完全に停止する
ことのない搬送を行うことができ、しかも静かな搬送を
可能にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示し、一方ブロックが分離
状態での概略側面図である。

【図２】同一方ブロックが接続状態での概略側面図であ
る。

【図３】同要部の一部切欠き側面図である。

【図４】同制動部の一部切欠き正面図である。

【図５】同非制動部の一部切欠き正面図である。

【図６】同荷搬送装置を使用した設備の一例を示す概略
側面図である。

【図７】同荷搬送装置を使用した設備の一例を示す概略
平面図である。

【図８】本発明の別の実施例を示し、搬送状態を示す概
略側面図である。

【符号の説明】

１ 本体フレーム 11 遊転ローラ 11ａ 遊転ローラ 20 制動装置 29 制動体 30 エアシリンダ装置 35 傾斜搬送経路 36 製品（被搬送物） 41 電磁弁 46 制御装置 47 タイマー装置 51 荷搬送装置 Ａ〜Ｎ ブロック

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上流側を上位として傾斜して配設される
   荷搬送装置であって、本体フレームと、この本体フレー
   ムに多数配設した遊転ローラとを有し、少なくとも１個
   の遊転ローラに対して接続分離自在な制動装置と、この
   制動装置に接続した制御装置とを設け、この制御装置の
   オンとオフを交互に行わせるタイマー装置を設けたこと
   を特徴とする荷搬送装置。