JPH0519219Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は大型トラツク等に具備される車両用エ
アダクト装置に関する。

（従来技術及びその問題点） 従来、下端がエンジンの吸気系に接続されて立
ち上がるエアダクトと、一側面に設けたエア導入
口を車両走行方向と直交する方向に向けて前記エ
アダクトの上端に取り付けられたダクトカバーと
より成る車両用エアダクト装置は公知である。

斯かる従来のエアダクト装置はそのダクトカバ
ーを縦長にすることによつて、該ダクトカバー内
での比重差による気水分離機能を高めるように構
成されていた。しかしながら、このようにダクト
カバーを縦長にすることは車高を低くする上で不
都合である。しかるに、車高を低くするために只
単にダクトカバーを偏平断面形状にした場合、該
断面形状が小さくなるので、ダクトカバー内に導
入される空気の流速が大きくなり、従つて、気水
分離機能が低下してしまう。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、気
水分離機能を低下させることなく、ダクトカバー
を偏平断面形状にして車高を低くすることができ
るようにした車両用エアダクト装置を提供するこ
とを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上述の問題点を解決するために本考案によれ
ば、下端がエンジンの吸気系に接続されて立ち上
がるエアダクトと、前記エアダクトの上端部に取
り付けられ、車両走行方向に沿う一側面を開口さ
せ、この開口をエア導入口としたダクトカバーと
より成る車両用エアダクト装置において、前記ダ
クトカバーは、前記エア導入口が車両走行方向に
延びる偏平な断面形状を有し、前記エアダクト
は、その上端が前記ダクトカバー内に突出される
とともに、車両走行方向でみて前記エア導入口の
中心から偏倚させて位置付けられ、前記上端は、
その突出距離がエア導入口側からダクトカバーの
奥側に向けて漸次減少された開口端面を有して車
両用エアダクト装置を構成したものである。

（作用） ダクトカバー内に導入された空気流が該ダクト
カバー内でサイクロンを構成し、該サイクロン効
果により気水分離される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。第１図は本考案のエアダクト装置を具備した
車両（トラツク）の要部側面図であり、同図中１
はキヤブで、その外側の後部一側方には本考案の
エアダクト装置２が設けられている。該エアダク
ト装置２は、エアダクト２とダクトカバー４とか
ら成る。前記エアダクト３は、その下端がエンジ
ン（図示省略）の吸気系に接続され且つ上端側が
前記キヤブ１の後部壁１ａに沿つて略垂直に立ち
上がつている。ダクトカバー４は、第２図乃至第
４図に示す如く一側面が開口する偏平断面形状の
方形箱状をなしている。前記ダクトカバー４の一
側面開口部がエア導入口５となつている。また、
ダクトカバー４の各コーナ部は円弧状に成形され
ている。ダクトカバー４は、その一側面に設けた
エア導入口５を車両の走行方向と直交する方向に
向け且つ該エア導入口５の長手方向を車両走行方
向に向けて、エアダクト３の上端に取り付けられ
ている。エアダクト３の上端はダクトカバー４の
車両走行方向前側（後側でもよい。）に偏倚して
取り付けられている。エアダクト３の上端は車両
の進行方向後側に略45°傾斜しており、第２図及
び第３図に示すように、ダクトカバー４の車両進
行方向前側の下部コーナ４ａ部分を貫通して該ダ
クトカバー４内方に所定寸法Ｌだけ突出してい
る。エアダクト３の上端面は第４図に示すよう
に、ダクトカバー４の一側面のエア導入口５側か
ら内端側に向かうに従い、ダクトカバー４内に対
する突出長さが漸次小さくなる傾斜面とされてい
る。ダクトカバー４の底壁には車両走行方向と直
交する方向に互いに間隔を存して、一対の排水溝
６，６が設けられている。これら排水溝６，６
は、断面Ｖ字形をなし、且つ車両走行方向に沿つ
て設けられている。排水溝６，６は、その底部が
車両進行方向後端側から前端側に向かうに従い漸
次低くなる如く傾斜している。そして、排水溝
６，６の車両進行方向前側端６ａ，６ａがダクト
カバー４の外部に開口している。ダクトカバー４
のエア導入口５は防塵用のメツシユカバー７によ
り覆われている。

次に、上記構成のエアダクト装置２の作用を説
明する。

ダクトカバー４内にそのエア導入口５からメツ
シユカバー７を介して空気が導入される。この場
合、エア導入口５の車両進行方向略中間部から後
側の範囲から導入された空気流Ａは、障害物かな
いため整流の状態でダクトカバー４の内端コーナ
壁面４ｂに衝突案内され渦流となる。また、エア
導入口５の車両進行方向略中間部から前側の範囲
から導入された空気流Ｂは、エアダクト３の上端
の壁３ａに衝突することにより流速が低下して乱
流を起こし、そして、エアダクト３の上端両側を
通る流れB₁，B₂に２分されてダクトカバー４の
内端側に向かつて流れる。この２分された空気の
流れB₁，B₂は、エアダクト３の上端開口部の直
前で、空気流Ａと合流することにより、強力なサ
イクロンＳが誘発され、そのサイクロン効果によ
り、導入空気流Ａ，Ｂに混入している水分は遠心
力で壁面に衝突してダクトカバー４の底壁上に落
下した後、排水溝６，６からダクトカバー４外部
へ排水され、水分が分離された空気は吸い上げら
れて、エアダクト３の上端開口部からその内部に
吸い込まれる。

上記実施例においては、エアダクト３の上端
を、ダクトカバー４内方に所定寸法Ｌだけ突出さ
せたから、分離された水分がエアダクト３の上端
開口部からその内部に直接吸い込まれることがな
い。なお、このエアダクト３の上端のダクトカバ
ー４内方への突出長さＬを調整することにより、
サイクロン効果の度合を調整することができる。

（考案の効果） 上述の如く本考案の車両用エアダクト装置にお
いては、ダクトカバーは、エア導入口が車両走行
方向に延びる偏平な断面形状を有し、エアダクト
は、その上端がダクトカバー内に突出されるとと
もに、車両走行方向でみて前記エア導入口の中心
から偏倚させて位置付けられ、前記上端は、その
突出距離がエア導入口側からダクトカバーの奥側
に向けて漸次減少された開口端面を有するので、
気水分離機能を低下させることなく車高を低くす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考
案のエアダクト装置を具備した車両の要部側面
図、第２図はダクトカバー部分の一部切欠斜視
図、第３図は第２図の矢視図、第４図は第２図
の矢視図である。 ２……エアダクト装置、３……エアダクト、４
……ダクトカバー、５……エア導入口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 下端がエンジンの吸気系に接続されて立ち上
   がるエアダクトと、前記エアダクトの上端部に
   取り付けられ、車両走行方向に沿う一側面を開
   口させ、この開口をエア導入口としたダクトカ
   バーとより成る車両用エアダクト装置におい
   て、 前記ダクトカバーは、前記エア導入口が車両
   走行方向に延びる偏平な断面形状を有し、前記
   エアダクトは、その上端が前記ダクトカバー内
   に突出されるとともに、車両走行方向でみて前
   記エア導入口の中心から偏倚させて位置付けら
   れ、前記上端は、その突出距離がエア導入口側
   からダクトカバーの奥側に向けて漸次減少され
   た開口端面を有することを特徴とする車両用エ
   アダクト装置。 (2) 前記ダクトカバー内に突出するエアダクトの
   上端部は、斜め上方に延びていることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の車両
   用エアダクト装置。