JPH05191949A - 電動送風機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小形，高出力で気流の損失がない、高効率の
電動送風機を提供する。 【構成】 電動機軸３と結合した遠心形のインペラ４
と、送出された気流を案内するディフューザ１１と、電
動機フレーム９に固定されディフューザ１１を通った気
流を案内するエアガイド部材７と、インペラ４およびデ
ィフューザ１１を内包して電動機フレーム９に嵌合固定
されるケーシング１とを備え、ディフューザ１１をエア
ガイド部材７とケーシング１とではさんで固定してい
る。ディフューザ１１は有する突起をエアガイド部材７
の凹部に嵌合して位置きめし、また最外径部付近のディ
フューザ翼の先端に大きな面取りを施してその部分に弾
力性を持たせ、ディフューザ翼とケーシング１の密着を
良くしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は真空掃除機等に使用する
電動送風機に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、電動送風機は高入力，高出力化が
進み、小形，高効率化が市場ニーズとなってきている。
従来、この種の電動送風機は特公昭５２−４９１６８号
公報に示されているような構成である。以下その構成を
図５を参照しながら説明する。図５は従来の電動送風機
の構成例を示すもので、ケーシング１の中に電動機２の
回転軸３に固着された遠心形のインペラ４を備え、この
遠心形のインペラ４によりケーシング１の吸気孔５より
空気を吸い込んで径方向に送出する。インペラ４より送
出した気流は排気通路６を有するエアガイド部材７によ
り電動機２の排気孔８へ導かれ、風量と真空圧を得る構
成になっていた。また電動送風機の低騒音化のためにエ
アガイド部材７は図６に示すダウンボリュート形状が採
られていた。図６において１６はエアガイド部材７を電
動機フレーム９に取り付けるためのねじ穴である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、インペラ４とケーシング１との間にドー
ナツ状の空間があり、そのため気流がドーナツ状の空間
を回りながらエアガイド部材７の排気通路６に導かれる
ので、気流の流れに損失が発生し、真空圧の低下および
効率の低下が生ずることが問題となっていた。

【０００４】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、小形，高出力で気流の損失がない、高効率の電動送
風機を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電動送風機は、電動機軸と結合した遠心形
のインペラと、インペラから送出された気流を案内する
ディフューザと、電動機フレームに固定されディフュー
ザを通った気流を案内するエアガイド部材と、上記イン
ペラおよびディフューザを内包して電動機フレームに嵌
合固定されるケーシングとを備え、ディフューザエアガ
イド部材とケーシングとではさんで固定している。さら
にディフューザに突起を設け、この突起をエアガイド部
材に設けられた凹部に嵌合してディフューザを位置きめ
し、また最外径部付近のディフューザ翼の先端に大きな
面取りを施している。

【０００６】

【作用】この構成によりインペラから排出された気流は
ディフューザ翼により分離整流され、エアガイド部材に
導かれて効率よく排出され、ケーシング内での気流の流
れ損失を低減し高真空圧を得る。また、ディフューザを
ダウンボリュート部とケーシングではさみ込み固定する
構成は組立が容易である。さらに最外径部付近のディフ
ューザ翼端面の内径側を大きく面取りすることによりそ
の部分に適度の弾力性を持たせ、ケーシングとの嵌合の
気密性を高くし、かつインペラから排出された気流の圧
力および電動送風機の発熱によりディフューザ翼が内径
方向へ倒れるのを防止する。

【０００７】

【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照しながら説
明する。図中従来例と同じ部材は同番号をつけている。
図１，図２において、２は駆動用の電動機で、この電動
機２のフレーム９には中央に吸気孔５を有するケーシン
グ１が気密に嵌合して取り付けられている。４は複数枚
の羽根を有する遠心形のインペラで電動機軸３に固着さ
れている。１０はインペラ４と電動機のフレーム９の間
に設けられたエアガイドで、ダウンボリュート部１２を
有しフレーム９に固着されたエアガイド部材７と、その
上に重なって取り付けられたディフューザ１１とで構成
され、インペラ４より送出された気流を案内している。

【０００８】上記構成において、電動機２が駆動されて
高速回転するインペラ４から発生した気流はエアガイド
１０を通って電動機の排気孔８から排気される。気流
は、ディフューザ１１の複数のディフューザ翼１３によ
って分離整流され、徐々に拡大しながらエアガイド部材
７のダウンボリュート部１２を通って効率よく排出さ
れ、ケーシング１内での損失が低減され、高真空圧を得
ることができる。上記のように、ディフューザ１１をダ
ウンボリュート部１２を有するエアガイド部材７とケー
シング１とではさんで固定してエアガイド１０を構成す
ることにより従来と同じ外形で高真空圧タイプの電動送
風機を提供することができる。

【０００９】図３は上記構成中のディフューザ１１の一
例である。ディフューザ１１には複数個の突起１４を設
けている。この突起１４は電動機フレーム９に固定され
たエアガイド部材７に設けられた対応する凹部（図示せ
ず）に嵌合し、ディフューザ１１をエアガイド部材７の
排気通路になめらかに続くように位置きめし、かつまわ
りどめする。位置きめされたディフューザ１１は電動機
フレーム９に嵌合固定されたケーシング１とエアガイド
部材７との間にはさまれて固定される。

【００１０】この構成においてディフューザ翼１３の最
外径部は気流のもれを防ぐためにケーシング１の内径に
密着している必要がある。図４はディフューザ１１のデ
ィフューザ翼１３の断面を示している。最外径部付近の
ディフューザ翼１３の先端の内径側は１５のように大き
く面取りされている。上記のようにディフューザ１１は
エアガイド部材７とケーシング１にはさまれて固定され
るが、ケーシング１とディフューザ翼１３の接触面に隙
間が発生すると気流のもれで真空圧が低下し、かつイン
ペラ４より排出された圧力の高い気流と、電動送風機よ
り発生する熱によりディフューザ翼１３が内径方向に倒
れる場合がある。

【００１１】上記最外径部付近のディフューザ翼１３の
先端の大きな面取りは、先端を適度に薄くすることによ
ってディフューザ翼１３に適度の弾性を持たせ、それに
よりケーシング１との密着を良くして気流のもれを防止
し真空圧の低下を防ぐものである。またインペラ４より
排出された圧力の高い気流および電動送風機の発熱によ
るディフューザ翼１３の内径方向への倒れも防止する。

【００１２】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
電動送風機は、ディフューザをエアガイド部材とケーシ
ングとではさんで固定する構成により、従来の外形を変
更することなく、高真空圧タイプとすることができる。
またディフューザに突起を設けエアガイド部材の凹部に
嵌合させる構成は簡単に組立てができ、製造時の作業性
が向上する。さらに、最外径部付近のディフューザ翼の
先端に大きな面取りを施すことによりケーシングとの隙
間をなくし、かつ排気圧力および発熱によるディフュー
ザ翼の倒れを防止しているので、性能が安定している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電動送風機の半断面図

【図２】ディフューザの平面図

【図３】突起を有するディフューザの半断面側面図

【図４】ディフューザ翼の断面図

【図５】従来の電動送風機の半断面図

【図６】従来のエアガイド部材の平面図

【符号の説明】

１ ケーシング ３ 電動機軸 ４ インペラ ７ エアガイド部材 ９ 電動機フレーム １１ ディフューザ １３ ディフューザ翼 １４ ディフューザの突起 １５ ディフューザ翼先端の面取り

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動機軸と結合した遠心形のインペラ
   と、インペラから送出された気流を案内するディフュー
   ザと、電動機フレームに固定されディフューザを通った
   気流を案内するエアガイド部材と、上記インペラおよび
   ディフューザを内包して電動機フレームに嵌合固定され
   るケーシングとを備え、ディフューザをエアガイド部材
   とケーシングとではさんで固定した電動送風機。
2. 【請求項２】 ディフューザに突起を設け、この突起を
   エアガイド部材に設けられた凹部に嵌合してディフュー
   ザを位置きめした請求項１記載の電動送風機。
3. 【請求項３】 最外径部付近のディフューザ翼の先端に
   大きな面取りを施した請求項１または２記載の電動送風
   機。