JPH0519160U - 複数の収容部を有するブリスター包装体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 一枚の板状基板上に各個別々に包装された、
例えば電動歯ブラシの換えブラシ等を、それぞれ独自に
容易に取出し可能にすることを目的とする。 【構成】 合成樹脂体又は厚紙からなる板状基板１と、
内部に独立した収容部４を二以上、屈曲させて設けた合
成樹脂体からなる外装体２を、この収容部４側を板状基
板１に向けて対面させ、その板状基板１と外装体２の外
周同士を接着させた複数の収容部４を有するブリスター
包装体であって、この外装体２の収容部４間を通過する
相対向した側端間に横断的に切離部９を設けた構成とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、板状基板上に各個別々に包装された、例えば電動歯ブラシの換えブ ラシ等を、それぞれ独自に容易に取出し可能な複数の収容部を有するブリスター 包装体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、電動歯ブラシの換えブラシ等のように、その全体が小さく、しかも比較 的頻繁に取換える必要があり、又衛生状態も保つ必要のあるものは、例えば図６ に示すように合成樹脂体又は厚紙からなる板状基板ａと、内部に独立した電動歯 ブラシの換えブラシｂ等の外形状を象どった収容部ｃを二以上、屈曲させて設け た合成樹脂体からなる外装体ｄを、この収容部ｃ側を板状基板ａに向けて対面さ せ、その板状基板ａと外装体ｄの外周同士、並びに場合によっては収容部ｃ間同 士を接着させた、一般にブリスター包装体と称される包装体を用いて包装してい る。この図中ｅが板状基板ａと外装体ｄの外周並びに収容部ｃ間の接着部を示し ている。

【０００３】 そして、この内部に収容された電動歯ブラシの換えブラシｂ等を取出すために 、板状基板ａと外装体ｄ間の接着部ｅの接着力を弱く設定するとともに、図７に 示すように四隅の角部の内、一箇所の接着を省略して板状基板ａのこの部分を図 中一点鎖線で示すように折返し可能とし、この部分を折返して外装体ｄから板状 基板ａを剥離させるための剥離部ｆとしたり、又板状基板ａと外装体ｄ間の接着 部ｅの接着力を特に考慮することなく、板状基板ａの収容部ｃに対面した部分に 同じく板状基板ａを剥離させるための切込みを設けたりしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、図７に示すものでは、板状基板ａは比較的剛性を備えたものである から、剥離部ｅを形成するために折返しが困難であったり、又剥離部ｆは四隅の 角部の一箇所に設けられるものであるから、外装体ｄから板状基板ａを剥離させ る場合、剥離部ｆから接着部ｅが斜め方向に向き、板状基板ａと外装体ｄ間の接 着部ｅの接着力が弱いと言っても、剥離動作が困難であったり、剥離動作の途中 で板状基板ａが破断するおそれがあって、内部の収容部ｃに入れた電動歯ブラシ の換えブラシｂ等の取出しに手間どる。又、このような剥離動作を通じて所望の 換えブラシｂ等が入っている収容部ｃだけを開放させることは困難で、他の収容 部ｃに板状基板ａの剥離が及ぶおそれも残される。更に、板状基板ａの収容部ｃ に対面した部分に板状基板ａを剥離させるための切込みを設けた場合には、板状 基板ａ、外装体ｄに変形が生じたとき、この切欠きが開放するおそれがあり、内 部にほこり、ごみ等が侵入するおそれがある。

【０００５】 このような従来の問題点に鑑みて考案されたのが、本考案に係る複数の収容部 を有するブリスター包装体であって、一枚の板状基板上に各個別々に包装された 、例えば電動歯ブラシの換えブラシ等を、それぞれ独自に容易に取出し可能にす ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

こうした目的を達成するため、本考案の請求項１では、合成樹脂体又は厚紙か らなる板状基板と、内部に独立した収容部を二以上、屈曲させて設けた合成樹脂 体からなる外装体を、この収容部側を板状基板に向けて対面させ、その板状基板 と外装体の外周同士を接着させた複数の収容部を有するブリスター包装体であっ て、この外装体の収容部間を通過する相対向した側端間に横断的に切離部を設け た複数の収容部を有するブリスター包装体を構成した。又、請求項２では、板状 基板の外装体側の切離部背後に間欠的に破断状になった補助切離部を設けるとと もに、この板状基板の外装体との接着部の内側にこの補助切離部と交差させて、 二条の平行な同じく間欠的に破断状になった切断部を収容部を間にはさむ位置関 係で設けることを、請求項３では、切離部を間欠的な微小貫通孔を連続させて設 けることをそれぞれ例示した。そして、請求項４では、請求項３において、切離 部を構成する間欠的な微小貫通孔がレーザーカッターで形成されることを例示し た。更に、請求項５では、切離部をハーフカット状のＶ字形溝又はＵ字形溝を形 成して設けることを例示した。

【０００７】

【作用】

而して、こうした複数の収容部を有するブリスター包装体では、例えば電動歯 ブラシの換えブラシ等を収容部に入れて包装し、所望の換えブラシ等を取出すと きには以下のようにする。所望の換えブラシ等が入った収容部の内側に設けた切 離部を通じてその全体を折曲げ、この切離部の外側にある外装体部分を他の部分 から切離させた後、この外装体部分の切離端を手指で持ち、板状基板から引離す ように引張って、この部分を板状基板から剥離させ、内部の収容部に入れた換え ブラシ等を取出すのである。

【０００８】 又、板状基板の外装体側の切離部背後に間欠的に破断状になった補助切離部を 設けるとともに、この板状基板の外装体との接着部の内側にこの補助切離部と交 差させて、二条の平行な間欠的に破断状になった切断部を収容部を間にはさむ位 置関係で設けた場合には、所望の換えブラシ等が入った収容部の内側にある板状 基板側の補助切離部と外装体側の切離部を通じてその全体を折曲げ、この補助切 離部と切離部の外側にある板状基板並びに外装体部分を他の部分から切離させた 後、この切離された板状基板部分の二条の平行な切断部の端部間を手指で持ち、 これを他の部分から引離すように引張って取外し、ここの内部の収容部に入れた 換えブラシ等を取出すのである。

【０００９】

【実施例】

本考案に係る複数の収容部を有するブリスター包装体の詳細を添付の図面に基 づき更に説明する。

【００１０】 図１は平面図、図２は底面図、図３は拡大縦断正面図をそれぞれ示しているが 、図中１は透明で硬質又は比較的硬質な合成樹脂体、例えばポリエステル樹脂か らなる長尺な板状基板、２はその内部に電動歯ブラシの換えブラシ３等を収容さ せるその換えブラシ３等の外形状を象どった収容部４を二つ、縦方向に屈曲させ て設けた同じく透明で硬質又は比較的硬質な合成樹脂体、例えば同じくポリエス テル樹脂からなる板状基板１とその外形状をほぼ一致させた外装体である。そし て、こうしたブリスター包装体は、外装体２側に設けた二つの収容部４に換えブ ラシ３等を入れて、板状基板１と外装体２の外周同士、並びに場合によっては収 容部４間同士を接着させて形成されるものである。尚、図中５がこの板状基板１ と外装体２間の接着部を示している。又、６は内部の二つの収容部４に換えブラ シ３等を入れた包装体を陳列するため等に利用される係止部である。この板状基 板１と外装体２の接着は、例えば高周波ウエルダーによる点状又は線状の溶着が 好適に利用可能である。

【００１１】 本考案では、こうした包装体において、内部の二つの電動歯ブラシの換えブラ シ３等を、それぞれ独自に容易に取出し可能とすることを目的として、この外装 体２の二つの収容部４、４間を通過する相対向した側端間に横断的に間欠的な微 小貫通孔を連続させた切離部７を設けている。そして、内部の二つの収容部４、 ４に入れた換えブラシ３等の内、一方を取出すときには、外装体２に設けた切離 部７を通じてその全体を折曲げ、外装体２を二つに切離させた後、この外装体２ 部分の一方の切離端を手指で持ち、板状基板１から引離すように引張って、この 部分を板状基板１から剥離させ、内部の二つの収容部４の内、一方に入れた換え ブラシ３等を取出すのである。ここで言う微小貫通孔とは、孔径が、例えば０． １〜０．４mmの範囲内のものである。

【００１２】 ところで、合成樹脂体からなる板状基板１と外装体２を高周波ウエルダーによ る点状又は線状の溶着によって、その外周同士、並びに場合によってはその収容 部４、４間同士を接着させたときには、その両者の接着力は強固である。このた め、前記したような動作が円滑に行えない場合がある。こうしたことから、図２ に示すように、板状基板１の外装体２側の切離部７背後に間欠的に破断状になっ た補助切離部８を設けるとともに、この板状基板１の外装体２との接着部５の内 側にこの補助切離部８と交差させて、二条の平行な同じく間欠的に破断状になっ た切断部９を二つの収容部４を間にはさむ位置関係で、係止部６と反対側の端部 は板状基板１の側端まで、又他方の端部は係止部６の手前まで設け、その端部同 士間にも更に切断部９を設けている。図示した実施例では、切断部９は収容部４ 外側の板状基板１と外装体２の重合部分に設けられている。そして、二つの収容 部４の内、一方に入れた換えブラシ３等を取出すときには、板状基板１側の補助 切離部８と外装体２側の切離部７を通じてその全体を折曲げ、包装体を二つに切 離させた後、この切離させた一方の板状基板１の二条の平行な切断部９間を手指 で持ち、これを他の部分から引離すように引張って取外し、ここの内部の収容部 ４に入れた換えブラシ３等を取出すのである。

【００１３】 板状基板１は合成樹脂体から形成する他、表面に加工を施した又は加工を施さ ない厚紙から形成することも可能である。このとき、外装体２との接着は、ホッ トメルトタイプの接着剤を用いることが考慮される。そして、板状基板１と外装 体２をこうしたホットメルトタイプの接着剤を用いて接着させた場合、両者の接 着力は比較的弱いことから、図２に示すように板状基板１に補助切離部８や切断 部９を設けなくとも、内部の収容部４に入れた換えブラシ３等の取出しは容易に 行える。しかしながら、板状基板１に補助切離部８や切離部７を設けることも可 能である。

【００１４】 板状基板１に切断部９を設ける場合、二条を平行な状態で設ける他、板状基板 １の収容部４に対面した部分に一条だけ設けること等もできる。そして、このよ うに板状基板１の収容部４に対面した部分に設けるときには、収容部４内部にほ こり、ごみ等が侵入するおそれを少なくするため、図４に示すように、板状基板 １の表面に切断に支障のない程度の薄膜のラミネート層10を設けることが考慮さ れる。

【００１５】 外装体２側に設ける切離部７は収容部４の表面側にも付加的に設けることがで きる。このときには、外装体２をこの切離部７を通じて折曲げることで切離させ て収容部４の開放が可能となる。

【００１６】 このような切離部７を構成する間欠的な微小貫通孔を連続させて設けるには、 この外装体２を真空成型法又は圧空成型法等で成形した後、これを設ける部分に 図５に示すようにレーザーカッターの発振子よりなるへッド11を位置づけて形成 する。このような微小貫通孔を真空成型法又は圧空成型法による成形前に、例え ば打抜き加工によって形成したときには、この微小貫通孔を通じて空気が洩れて 成形は不可能であった。又、成形後、後加工で収容部４の表面側等のように立体 形状になった部分にこうした間欠的な微小貫通孔を連続させて設けることは不可 能であった。しかしながら、レーザーカッターを用いることで始めて、こうした 加工が可能になったのである。板状基板１側に設ける補助切離部８や切断部９も 、素材が合成樹脂体であるときには、レーザーカッターで加工することができる 。しかし、型抜き加工で形成することも可能である。

【００１７】 又、外装体２側に設ける切離部７はその表面側からハーフカット状のＶ字形溝 又はＵ字形溝等に形成することもできる。このときには、型押し加工によって形 成される。

【００１８】 図示した実施例にかかわらず、収容部４を横方向に二つ設けたり、収容部４を 三つ以上設けることもできる。又、板状基板１を合成樹脂体から形成する場合、 又は外装体２を着色された合成樹脂体から形成することもできる。更に、こうし た包装体は電動歯ブラシの換えブラシ３を包装する他、歯間清掃ブラシ等のよう に、その全体が小さく、しかも比較的頻繁に取換える必要のあるものを包装する ことも可能である。

【００１９】

【考案の効果】

こうした本考案に係る複数の収容部を有するブリスター包装体では、一枚の板 状基板上に各個別々に包装された、例えば電動歯ブラシの換えブラシ等を、それ ぞれ独自に容易に取出しが可能となる。又、外装体側の切離部をレーザーカッタ ーによる加工で間欠的な微小貫通孔を連続させて形成して設けるようにすれば、 外装体の立体形状になった部分であっても、成形後の後加工で切離部の形成が可 能となり、内部の、例えば電動ブラシの換えブラシ等の取出しに好適な態様のブ リスター包装体が提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る複数の収容部を有するブリスタ
ー包装体を示す平面図

【図２】 その底面図

【図３】 その拡大縦断正面図

【図４】 他の実施例を示す拡大縦断正面図

【図５】 加工方法を示す断面説明図

【図６】 従来の複数の収容部を有するブリスター包装
体を示す平面図

【図７】 その底面図

【符号の説明】

１ 板状基板 ２ 外装体 ３ 換えブラシ ４ 収容部 ５ 接着部 ６ 係止部 ７ 切離部 ８ 補助切離部 ９ 切断部 10 ラミネート層 11 ヘッド

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂体又は厚紙からなる板状基板
   と、内部に独立した収容部を二以上、屈曲させて設けた
   合成樹脂体からなる外装体を、この収容部側を板状基板
   に向けて対面させ、その板状基板と外装体の外周同士を
   接着させた複数の収容部を有するブリスター包装体であ
   って、この外装体の収容部間を通過する相対向した側端
   間に横断的に切離部を設けた複数の収容部を有するブリ
   スター包装体。
2. 【請求項２】 板状基板の外装体側の切離部背後に間欠
   的に破断状になった補助切離部を設けるとともに、この
   板状基板の外装体との接着部の内側にこの補助切離部と
   交差させて、二条の平行な同じく間欠的に破断状になっ
   た切断部を収容部を間にはさむ位置関係で設けた請求項
   １記載の複数の収容部を有するブリスター包装体。
3. 【請求項３】 切離部を間欠的な微小貫通孔を連続させ
   て設けた請求項１又は２記載の複数の収容部を有するブ
   リスター包装体。
4. 【請求項４】 切離部を構成する間欠的な微小貫通孔が
   レーザーカッターで形成された請求項３記載の複数の収
   容部を有するブリスター包装体。
5. 【請求項５】 切離部をハーフカット状のＶ字形溝又は
   Ｕ字形溝を形成して設けた請求項１又は２記載の複数の
   収容部を有するブリスター包装体。