JPH05190876A - ステップリカバリダイオード - Google Patents

ステップリカバリダイオード

Info

Publication number
JPH05190876A
JPH05190876A JP4164077A JP16407792A JPH05190876A JP H05190876 A JPH05190876 A JP H05190876A JP 4164077 A JP4164077 A JP 4164077A JP 16407792 A JP16407792 A JP 16407792A JP H05190876 A JPH05190876 A JP H05190876A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
step recovery
diode
bandgap
charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4164077A
Other languages
English (en)
Inventor
Tan Michael R Ty
マイケル・レンネ・チ・タン
Shih Y Wang
シー・ユーアン・ワング
John L Moll
ジョン・エル・モル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HP Inc
Original Assignee
Hewlett Packard Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hewlett Packard Co filed Critical Hewlett Packard Co
Publication of JPH05190876A publication Critical patent/JPH05190876A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching and having potential barriers; Capacitors or resistors having potential barriers, e.g. a PN-junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/86Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable only by variation of the electric current supplied, or only the electric potential applied, to one or more of the electrodes carrying the current to be rectified, amplified, oscillated or switched
    • H01L29/861Diodes
    • H01L29/868PIN diodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching and having potential barriers; Capacitors or resistors having potential barriers, e.g. a PN-junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/02Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/12Semiconductor bodies ; Multistep manufacturing processes therefor characterised by the materials of which they are formed
    • H01L29/15Structures with periodic or quasi periodic potential variation, e.g. multiple quantum wells, superlattices
    • H01L29/151Compositional structures
    • H01L29/152Compositional structures with quantum effects only in vertical direction, i.e. layered structures with quantum effects solely resulting from vertical potential variation
    • H01L29/155Comprising only semiconductor materials

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ステップ遷移時間がより短く、より高電圧出力
が可能なダブルヘテロ接合ステップリカバリダイオード
を提供する。 【構成】高ドーピングの広い禁制帯幅のp形領域、電荷
蓄積領域、及び高ドーピングの広い禁制帯幅のn形領域
がPINダイオード構造を画定する。電荷蓄積領域はp
およびn領域とヘテロ接合を形成する。高ドーピングの
狭い禁制帯幅のpおよびn接触領域が広い禁制帯幅のp
およびn領域にそれぞれ隣接し、それらとヘテロ接合を
形成する。非常に薄い、多量にドープされた狭い禁制帯
幅のpおよびn領域が真性領域と広い禁制帯幅のpおよ
びn領域との間にそれぞれ配置される。電荷蓄積領域は
比較的低いp形ドーピング即ち固有電界を備え、逆バイ
アス状態下で電荷蓄積領域から電荷キャリアを追い出
す。電界は、傾斜ドーピング準位即ち傾斜禁制帯幅構造
により生成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般にステップリカバ
リダイオードに関するものであり、とりわけ、広い禁制
帯幅領域と狭い禁制帯幅領域を特徴とするダブルヘテロ
接合ステップリカバリダイオードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステップリカバリダイオードは、立ち上
がり時間と立ち下がり時間が極めて速い(約30ピコ
秒)パルス及びその他の波形を発生するために利用され
る。こうしたダイオードは、一般に、高調波を発生する
効率が高いため、高調波周波数逓倍器にも利用されてい
る。ステップリカバリダイオードは、特殊化された種類
のPINダイオードである。一般に、PINダイオード
は、多量のp形ドープを施した(「p」)領域と多量の
n形ドープを施した(「n」)領域に挟まれたアンドー
プ真性(「i」)領域を特徴とする。本書で用いられる
限りでは、「アンドープ」は、故意にドープされないこ
とを意味し、「少量のドープを施した」は、約1017
ーパント粒子cm-3(立方センチメートル当たり)未満
のドーピング準位になるように、ドーパントが添加され
たことを意味し、「多量のドープを施した」は、約10
17ドーパント粒子cm-3以上のドーピング準位になるよ
うに、ドーパントが添加されたことを意味している。多
量のドープを施した領域は、本書では、pまたはnの指
示記号に添付された肩文字の「+」符号によって表示さ
れる。
【0003】ステップリカバリダイオードは、このPI
Nダイオード構造を特殊目的に適合させたものである。
その独特な用途のため、ステップリカバリダイオード
は、他の種類のPINダイオードとは異なる特殊な設計
の制約を受けることになる。例えば、ステップリカバリ
ダイオードは、順バイアスと逆バイアスの両方の働きを
するので、従って、その順特性と逆特性が、両方とも、
重大な関心事になる。実際、すぐに詳述することになる
ように、ステップリカバリダイオードは、その特殊な機
能を果たし、同時に、順バイアスから逆バイアスに遷移
する。ステップリカバリダイオードは、順バイアス時に
は、大拡散キャパシタンスを、逆バイアス時には、小空
乏キャパシタンスを示し、これらの間において迅速な遷
移を生じるのが望ましい。
【0004】すなわち、ステップリカバリダイオードの
真性領域は、一般に、順バイアス時における電荷の蓄積
を最大にし、これによって、できるだけ拡散キャパシタ
ンスを大きくするため、少数キャリアの寿命が長い(少
なくとも、数ナノ秒)ことを特徴とする半導体材料で形
成しなければならない。また、真性領域は、一般に約1
0,000Åといった、極めて薄いものでなければなら
ず、真性領域と他の領域との接合は、接合において急激
にキャリアを閉じ込めるため、急激なドーピング・プロ
ファイル(約300Å未満の遷移幅)を特徴としなけれ
ばならないが、この両方とも、順バイアスと逆バイアス
の間における迅速な遷移を確実なものにする。所定の回
路で、最良の総合性能を得るためには、遷移速度を最高
にするダイオード構造と、逆ダイオード降伏電圧を最高
にするダイオード構造との間で、構成上の妥協をしなけ
ればならない。 注:10,000Å(オングストローム)=1ミクロン
(マイクロメートル)。便宜上別段の指示がない限り、
本書のおける全ての文章は、オングストロームで表され
たものとする。
【0005】光発生ダイオードと光検出ダイオードは、
共に、他の適応性の広い一般的なPINダイオードから
構成される。これらのダイオードが受ける設計上の制約
は、他のダイオード、とりわけ、ステップリカバリダイ
オードに適用可能な制約とは基本的に異なっているの
で、光を発生し、放出するダイオードに適用されると、
極めて有効な設計原理及び改良が、ステップリカバリダ
イオードの設計にはほとんど当てはまらないか、あるい
は、全く当てはまらないということが、あるいは、この
逆の事態がしばしば見受けられる。例えば、フォトダイ
オードとしても知られる光検出ダイオード、並びに、発
光ダイオード(通常、LEDとして知られる)及びレー
ザ・ダイオードを含むカテゴリに入る光発生ダイオード
の設計は、光学的要件にも、電気的要件にも制約される
ので、これらのダイオードと他のダイオードとの間には
物理的にも、構造的にも顕著な差が生じることになる。
これに対し、ステップリカバリダイオードは、光学的機
能は果たさないので、光発生ダイオード及び光検出ダイ
オードにとってクリティカルな半導体材料及び構造に関
する光学特性のほとんどが、ステップリカバリダイオー
ドの設計者にとっては、ほんの些細な問題でしかない。
【0006】また、フォトダイオード及び光発生ダイオ
ードは、常に、単一モードでしか動作しない。光発生ダ
イオードは、光を発生するためのキャリア注入に関して
順バイアスでしか動作しない。フォトダイオードは、逆
バイアスでしか動作しないので、発光した電荷キャリア
は、速やかに感光領域から一掃される。さらに、フォト
ダイオードの真性領域は、感光部であり、通常は、でき
るだけ感度のよいデバイスにするため、入射光子の吸収
長よりも厚い。用途によっては、感度を犠牲にして、速
度を高める場合もあるが、この場合、真性領域は、約1
0,000Åほどにしかならないこともある。しかし、
高速フォトダイオードの真性領域がステップリカバリダ
イオードの真性領域と同じ薄さになったとしても、フォ
トダイオードとステップリカバリダイオードは、まるで
異なるデバイスであり、異なる構造になっている。フォ
トダイオードは、ステップリカバリダイオードほど有効
に機能せず、フォトダイオードに関するほとんどの設計
基準は、ステップリカバリダイオードの設計に役立たな
い。
【0007】次に、ステップリカバリダイオードの動作
について解説し、ステップリカバリダイオードのキャパ
シタンス特性と他のダイオードのキャパシタンス特性の
差について検討する。要するに、ステップリカバリダイ
オードは、実際に実現された理想の非線形コンデンサと
みなすことができる。理想の非線形コンデンサは、順バ
イアス時には、キャパシタンスが比較的大きく、逆バイ
アス時には、キャパシタンスが比較的小さい。こうした
デバイスのキャパシタンス・電圧(C−V)特性が、図
1に示されている。
【0008】ステップリカバリダイオードは、隣接領域
間における階段接合を特徴とする。上述のように、「階
段」接合は、厚さが、約300Å未満であり、一般に
は、こうした接合は、厚さが約100Åである。本書で
は、化学的に同様の材料による隣接領域間の接合は、
「ホモ接合」と呼び、一方、化学的に異なる材料による
隣接領域間の接合は、「ヘテロ接合」と呼ぶ。
【0009】図2には、先行技術によるホモ接合ステッ
プリカバリダイオードの典型的な例が、略断面図で示さ
れている。シリコンをベースにした実施例の場合、厚さ
が約5,000Åのp+ 領域21は、ドーパント濃度が
約1020cm-3〜1022cm-3である。i(真性)領域
22は、厚さが約10,000Å未満である。厚さが約
5,000Åのn+ 領域23は、ドーパント濃度が約1
18cm-3を超える。p+ 領域及びn+ 領域は、これら
の領域に対する少数キャリアの注入を最小限にとどめる
ため、できるだけ多量にドープされる。順バイアスにお
いて、p+ 領域とi領域の間の接合及びi領域とn+
域の間の接合に、順バイアスがかかる。電圧源の正端子
をp領域に接続し、負端子をn領域に接続することによ
って、順バイアスがかけられる。この結果、拡散、すな
わち、真性領域に対するp+ 領域からの比較的高濃度の
ホール(正電荷キャリア)及びn+ 領域(1018
-3)からの電子(負電荷キャリア)の注入が生じる。
【0010】真性領域における両タイプの電荷キャリア
を高濃度にすることによって、両タイプのキャリアが該
領域に有効に蓄積される。これは、コンデンサの充電に
相当するものとみなすことが可能であり、真性領域にお
けるキャリアの濃度が高くなるにつれて、ダイオードの
キャパシタンスが大きくなる。このキャパシタンスは、
順バイアス下における電荷キャリアの拡散の結果として
生じ、従って、順バイアスまたは「拡散」キャパシタン
スと呼ばれる。逆バイアスをかけると、真性領域から電
荷キャリアが引き出される、すなわち、ホールがp+
域に引き戻され、電子はn+ 領域に引き戻されるので、
移動電荷キャリアが真性領域から奪われることになる。
真性領域からキャリアが除去されると、電流がほとんど
流れなくなる。従って、逆バイアス下においては、ダイ
オードは、真性領域の厚さにほぼ等しい極板間にスペー
シングを設けた平行板コンデンサに非常によく似た作用
を示すものとみなすことができる。このキャパシタンス
は、真性領域から電荷キャリアが奪われた結果として生
じるものであり、逆バイアスまたは「空乏」キャパシタ
ンスと呼ばれる。空乏キャパシタンスは、拡散キャパシ
タンスに比べてかなり小さい。
【0011】空乏キャパシタンスと拡散キャパシタンス
は、両方とも、ステップリカバリダイオードの重要な特
性である。最適な性能が得られるのは、拡散キャパシタ
ンスが大きくて、空乏キャパシタンスが小さく、拡散キ
ャパシタンスから空乏キャパシタンスへの遷移時間が、
できるだけ短い場合である。これらの要件のため、一般
に、妥協が必要になる。例えば、拡散キャパシタンスを
最大にすると、遷移時間及び空乏キャパシタンスが最適
ではなくなる。
【0012】これに対し、フォトダイオードの場合、空
乏キャパシタンスは最小にしなければならないが、通常
の動作の場合、該デバイスは、順バイアスで動作しない
ので、拡散キャパシタンスはあまり重要ではなく、従っ
て、設計者は、拡散キャパシタンスには関心を払わず、
空乏キャパシタンスが最小になるように、自由に構造を
構成することができる。光発生ダイオードの場合、高速
変調を容易にするため、拡散キャパシタンスを最小にし
なければならないが、該デバイスは、逆バイアスで動作
しないので、空乏キャパシタンスは重要ではなく、設計
者は、やはり、他のキャパシタンスも最適にしなければ
ならないという矛盾による設計の調整の必要がなく、肝
心のキャパシタンス特性が最適になるように、該デバイ
スの構成に自由に集中することができる。
【0013】次に、ステップ発生器としてのステップリ
カバリダイオードの動作について、図3A及び図3Bを
参照しながら、解説する。正の端子が共通の帰路33を
介してステップリカバリダイオード31の陽極313
(p+ 領域)に接続され、負の端子が限流抵抗器310
を介してステップリカバリダイオードの陰極314(n
+ 領域)に接続されたバイアス電圧源32によって、ス
テップリカバリダイオード31に順バイアスがかけられ
る。この順バイアスによって、このステップリカバリダ
イオードに定常電流id が流れることになる。
【0014】負の端子が共通の帰路33を介して陽極に
接続され、正の端子が直流阻止コンデンサ37を介して
陰極に接続されたステップ電圧源34によって、ステッ
プリカバリダイオードに入力電圧Einが加えられる。電
圧源34は、理想的電圧源35及び50オームの標準的
電源インピーダンス36からなるものとして描かれてい
る。発生回路は、直流阻止コンデンサ38を介して出力
ポート311から出力電圧Eout を送り出す。出力にお
ける負荷は、抵抗器312で示されている。
【0015】時間t1 以前は、入力電圧Einはゼロであ
る。バイアス電源によって供給される定常直流電圧が、
ステップリカバリダイオードに生じるが、コンデンサ3
8によって阻止されるので、出力電圧Eout もゼロであ
る。時間t1 において、入力電圧Einが、ゼロから正の
値に変化し始めて、バイアス電源32からの順バイアス
電圧を相殺し、この結果、ステップリカバリダイオード
に逆バイアスをかけることになる。換言すると、電圧E
inがステップリカバリダイオードにかかり始めると、真
性領域22に電界が形成される。これによって、電流i
d が順電流から逆電流にスイッチされる。通常のダイオ
ードの場合、電荷は、ほとんど、または、全く蓄積され
ず、従って、逆電流は、無視できるほど小さく、逆バイ
アス電圧がすぐにダイオードに生じ、出力電圧Eout が
入力電圧Einをしっかりとトラッキングする。(逆電流
は、真性領域に熱的に発生した電子ホール対によるもの
である、すなわち、この電流は空間電荷で制限され
る。)
【0016】しかし、上述のように、ステップリカバリ
ダイオードの真性領域における電界の形成は、真性領域
からp+ 領域21に向かい、入り込むホールのドリフ
ト、及び、n+ 領域23に向かい、入り込む電子のドリ
フトを生じさせる。この電荷キャリアの流れによって、
ステップリカバリダイオードは、まるで、蓄積された電
荷を放電する大形コンデンサのように、比較的低いイン
ピーダンスを示すように見える(これは、ステップリカ
バリダイオードの大拡散キャパシタンス特性の効果であ
る)。従って、電圧源35が受ける有効インピーダンス
は、ほぼ電源インピーダンス36の値で一定したままで
ある。真性領域に蓄積されたキャリアによる比較的高い
ステップリカバリダイオードの導電率が、出力ポート3
11を有効に短絡させるので、蓄積された電荷が真性領
域から除去されるまで、Eout は、ほぼゼロのままであ
る。
【0017】ステップリカバリダイオードの電圧は、蓄
積された電荷のほとんど全てが真性領域から除去される
まで、ほぼゼロのままである。時間t2 と時間t3 の間
において、残りの電荷キャリア(蓄積された電荷の「テ
ール・エンド」)が、真性領域を出ると、真性領域の抵
抗率が突如として増大する。ステップリカバリダイオー
ドを流れる電流は、減少して、ごくわずかな逆電流にな
る。この結果、さらに、出力電圧Eout に急激なステッ
プ遷移が生じることになる。Eout のステップ遷移の時
間tR (t2 とt3 との時間間隔)は、印加されるステ
ップ電圧Einにおけるステップ遷移の時間よりもはるか
に短い。これは、Einの比較的長いステップ遷移(t1
とt2 との時間間隔の大部分)とEout の比較的短い遷
移tR とを比較することによってグラフから明らかにな
る。
【0018】t1 とt2 との間の持続時間は、主とし
て、蓄積されている電荷の量によって決まり、この電荷
の量は、さらに、キャリアの寿命と順バイアス電流の大
きさによって決まる。ステップ遷移時間tR の持続時間
は、デバイスの構造と、それが相互作用する外部回路の
両方によって決まる。1969年7月の Procee
dingsof the IEEE 第57巻、第7
号、1250〜1259頁に掲載のMollその他によ
る「Physical Modeling of th
eStep Recovery Diode for
Pulse and Harmonic Genera
tion Circuits」によれば、tR の持続時
間は、下記を含むいくつかの要素に左右される。(i)
真性領域における少数キャリアの遷移時間Tt (T
t は、さらに、真性領域における少数キャリアの飽和ド
リフト速度及び真性領域の厚さによって決まる)、(i
i)RC時定数TRC、ここで、Rは、電源インピーダン
ス36と負荷抵抗器312の並列組み合わせ、Cは、ス
テップリカバリダイオードの逆バイアスまたは空乏キャ
パシタンス(限流抵抗器310は、他の抵抗よりはるか
に大きく、従って、TRCに対する効果は無視することが
できる)、(iii)p+ 領域及びn+ 領域に対する少
数キャリアの拡散量、(iv)p+ 領域とi領域の間及
びi領域とn+ 領域の間におけるドーピング・プロファ
イルの傾斜の急激さ。
【0019】第3と第4の要素を無視すると(少数キャ
リアの拡散及び非急激ドーピング・プロファイル、この
両方とも、真性領域から除去される電荷キャリア分布の
テール・エンドの幅を広げ、従って、達成し得る最短ス
テップ遷移時間tR を増す傾向がある)、tR は、下記
によって求められる。 tR =(Tt 2 +TRC 2 1/2
【0020】従来のほとんどのステップリカバリダイオ
ードは、気相エピタクシ、イオン・ビーム注入、及び、
拡散技法を利用し、シリコンに製作された。シリコン・
ベースのステップリカバリダイオードの真性領域におけ
る少数キャリアの寿命は、比較的長く、一般に約5ナノ
秒を超えるので、結果として比較的大きい拡散キャパシ
タンスが生じる。しかし、こうした技法によって生じる
構造は、5,000Åを超える真性領域の厚さと、2,
500Åを超えるp+ からi、及び、iからn+ へのド
ーパント準位遷移(プロファイル傾斜)を示す。さら
に、少数キャリアは、ドーパント濃度によって決まる数
ミクロンもの拡散深さまで、真性領域からp+ 領域及び
+ 領域に拡散する(この問題については、すぐに検討
することになる図4Bにグラフで示されている)。これ
ら両方の効果によって、真性領域の有効厚さが増し、達
成可能な最短ステップ遷移時間tR が約30ピコ秒(p
s)になる。こうしたデバイスによって得られる最大出
力電圧は、約15ボルトであった。
【0021】ガリウムのようなIII属の材料及び砒素
のようなV属の材料から作られた半導体化合物を用いて
ステップリカバリダイオードを製造することによって、
ステップリカバリダイオードから得ることの可能な最大
出力電圧を増すことが提案されている。しかし、シミュ
レーション研究によって、シリコン・ステップリカバリ
ダイオードにおいて見受けられるものに匹敵する、真性
領域における電荷キャリア濃度を備えたガリウム砒素
(GaAs)ステップリカバリダイオードの場合、放射
再結合によって、キャリアの寿命が約3ナノ秒未満に制
限されるため、拡散キャパシタンスが減少することが明
らかになった。
【0022】放射再結合に関する問題については、次の
ように説明される。正電荷キャリアと負電荷キャリア
が、互いに遭遇すると、これらは、結合し、それぞれの
電荷は、互いに中和し合うことになり、この結果、両方
とも、存在しなくなったものとみなされる。このプロセ
スが、「再結合」と呼ばれる。放射再結合には、光子の
形をとる突発的なエネルギの放出を伴うが、非放射再結
合には、光子の放出は伴わない。
【0023】非放射再結合は、シリコン及びGaAs半
導体材料の両方において同じような割合で発生するが、
放射再結合の場合は、シリコンに比べてGaAsにおけ
る発生率がはるかに高い。従って、電荷キャリアは、G
aAsよりもシリコンにおいて長くもちこたえる。さら
に、真性領域における放射再結合時に放出される光子
は、隣接するp+ 領域及びn+ 領域に少数キャリアを発
生することになりがちであり、これによって、これらの
領域に対する少数キャリアの拡散問題が悪化することに
なる。
【0024】図4A〜図4Dは、図2に示すシリコン・
ダイオードと同様の構造を備えるが、GaAsで製作さ
れた仮想GaAs p+ −i−n+ ホモ接合ステップ
リカバリダイオードに関するシミュレーション結果が示
されている。すなわち、図4Bに最もよく示されている
ように、この仮想GaAsステップリカバリダイオード
は、p+ 領域が図2の領域21に類似し、i領域が図2
2に類似し、n+ 領域が23に類似している。すなわ
ち、図4Aは、高順バイアスVF =1.4ボルトにおけ
るGaAsステップリカバリダイオードのエネルギ帯図
であり、図4Bは、この順バイアスにおけるステップリ
カバリダイオード内の電荷キャリア濃度を示し、図4C
は、V=−5ボルトの逆バイアスにおける同じステップ
リカバリダイオードのエネルギ帯図を表し、図4Dは、
対応する電荷キャリア濃度を表している。
【0025】順バイアスにおける少数キャリアの問題
が、図4Bにグラフで示されている。実線44は、p+
領域41における高準位の正電荷キャリア、i領域42
におけるわずかに低い準位の正電荷キャリア、及び、n
+ 領域に入り込む正電荷キャリアを示している。同様
に、ダッシュ・ライン45は、真性領域42からp+
域41に広がる負の少数キャリアの大拡散を示してい
る。
【0026】これらの少数キャリアの拡散によって、少
数キャリアの分布が望ましくない長い距離にわたって広
がり、n+ 領域及びp+ 領域内に入り込んで、真性領域
の有効厚さを増すので、順バイアスが増すにつれて、ス
テップリカバリダイオードの遷移時間tR が長くなる。
前述のように、この結果、順バイアスによって蓄積され
た電荷を一掃するのに必要な時間が増し、遷移時間が増
すことになる。従って、n+ 領域及びp+ 領域が、両方
とも、少数キャリアの拡散を最小限に抑えるため、可能
な最高の濃度である約1019cm-3の準位までドープさ
れることになる。
【0027】図4Bは、GaAsのシミュレーション研
究の一部として開発されたものであるが、示された少数
電荷キャリアは、質的に、順バイアス状態で、シリコン
・ステップリカバリダイオードに生じる少数電荷キャリ
ア拡散に類似している。以上から明らかなように、ステ
ップ遷移時間がこれまで達成可能であったよりも短く、
これまで得られたよりも高い電圧を発生することができ
る、実用的なステップリカバリダイオードに対する要求
が依然として存在する。
【0028】
【発明の目的】本発明は、非常に短い遷移時間を特徴と
する、新規のダブルヘテロ接合ステップリカバリダイオ
ードを提供することを目的とする。
【0029】
【発明の概要】本発明によるステップリカバリダイオー
ドは、遷移時間が10ピコ秒未満で、大きさが15ボル
トを超えるステップ電圧を発生することが可能である。
簡潔に、かつ、一般的に言えば、本発明によるダブルス
テップリカバリダイオードには、電荷蓄積領域、電荷蓄
積領域とのヘテロ接合を形成する禁制帯幅の広いpタイ
プ領域、及び、やはり、電荷蓄積領域とのヘテロ接合を
形成する禁制帯幅の広いnタイプ領域が含まれている。
3つの領域が相俟って、p+ −i−n+ ステップリカバ
リダイオード構造を形成する。
【0030】p領域及びn領域は、電荷蓄積領域に比べ
ると禁制帯幅が広い。実際、「ダブルヘテロ接合」ステ
ップリカバリダイオードは、本書において、比較的禁制
帯幅の狭い電荷蓄積領域が、それぞれ、比較的禁制帯幅
が広いp領域及びn領域と境界を接するダイオードと定
義される。禁制帯幅が相違することによって、順バイア
スの状態におけるp領域及びn領域に対する少数キャリ
アの拡散が減少し、この結果、ステップ遷移時間が短縮
される。
【0031】ステップリカバリダイオードに順バイアス
電圧がかかると、電荷蓄積領域に電荷キャリアが蓄積さ
れ、ステップリカバリダイオードに低インピーダンスが
生じる。電圧の極性をスイッチして、逆バイアスにする
と、電荷蓄積領域から電荷キャリアが取り除かれるが、
この間、ステップリカバリダイオードのインピーダンス
は低いままであり、さらに、電荷キャリアのほぼ全てが
電荷蓄積領域が除去されると、ステップ回復(ステップ
遷移)が生じる。ステップ回復時には、インピーダンス
が、急激に増大し、極めて高い準位になる。
【0032】望ましい実施例の場合、電荷蓄積領域は、
前述のように、相対的にアンドープの領域を表す真性領
域から構成される。真性領域は、例えば、約5,000
Å未満といったごく薄いものが望ましく、これによっ
て、少数電荷キャリアの遷移時間が短縮されることにな
る。
【0033】pタイプの接触領域が、禁制帯幅の広いp
領域に隣接し、nタイプの接触領域が、禁制帯幅の広い
n領域に隣接するのが望ましい。これらの接触領域は、
禁制帯幅の広い領域に比べて禁制帯幅が狭い。禁制帯幅
の広いp領域と接触p領域の間に、ヘテロ接合が形成さ
れ、禁制帯幅の広いn領域と接触n領域の間に、もう1
つのヘテロ接合が形成される。実施例の1つでは、真性
領域と禁制帯幅の広い領域の1つとの間に傾斜禁制帯幅
領域が配置されている。この傾斜禁制帯幅領域は、真性
領域の比較的狭い禁制帯幅と禁制帯幅の広い領域の比較
的広い禁制帯幅との間において、ほぼ連続した禁制帯幅
の傾斜をもたらすものである。傾斜禁制帯幅領域は、や
はり、真性領域と他の禁制帯幅の広い領域の間に配置す
るのが望ましい。これらの傾斜禁制帯幅領域によって、
禁制帯幅の広い領域と境界を接する接合の急激さが緩和
され、禁制帯幅の広い領域と真性領域との間におけるダ
イポール層の形成が最小限に抑えられるので、それらが
所定のデバイスにおいて利用されるか否かは、できるだ
け急激な接合を形成するのと、ダイポール層の形成を最
小限に抑えるのと、どちらをより重要と考えるかによっ
て決まる。
【0034】禁制帯幅の狭いpタイプ領域は、禁制帯幅
の広いpタイプ領域と真性領域の間に配置することが望
ましい。同様に、禁制帯幅の狭いnタイプ領域は、禁制
帯幅の広いnタイプ領域と真性領域の間に配置される。
これらの禁制帯幅の狭い領域は、電荷キャリアがヘテロ
接合を通って、真性領域に入る際、その再結合を阻止す
る働きをするので、順バイアス状態における真性領域に
対する良好なキャリア接合が確保される。
【0035】禁制帯幅の狭い領域は、禁制帯幅の広い領
域に比べると、比較的薄い。実際、該領域は、真性領域
における放射再結合によって発生する可能性のある光子
のエネルギ準位によって決まる光子吸収長よりも薄いこ
とが望ましい。真性領域の禁制帯幅によって、こうした
光子のエネルギ準位が決まり、このエネルギ準位によっ
て、さらに、吸収長が決まる。禁制帯幅の広い領域は、
このエネルギ準位を有する光子にとってほぼ透明であ
る。結果として、真性領域における放射再結合によって
生じた光子は、禁制帯幅の狭い領域の1つを通って、対
応する禁制帯幅の広い領域に入り込み、これを通過する
が、前記領域の何れにおいても、有効な数の少数キャリ
アを発生することはない。この文脈における「有効な
数」とは、ステップ回復に悪影響を及ぼす少数キャリア
の量である。
【0036】望ましい実施例の1つにおいて、真性領域
は、ガリウム砒素から形成され、禁制帯幅の広い領域
は、AlX Ga1-X Asで表される、アルミニウム、ガ
リウム、及び、砒素の化合物から形成されるが、ここ
で、xは、0.1〜0.4が普通である。代替実施例の
場合、真性領域が、InGaAsPで表される、インジ
ウム、ガリウム、砒素、及び、リンの化合物から形成さ
れ、禁制帯幅の広い領域は、インジウムとリンの化合物
から形成される。もう1つの代替実施例の場合、真性領
域が、GeX Si1-X で表される、ゲルマニウムとシリ
コンの化合物から形成されるが、ここで、xは、0.1
〜0.3であり、禁制帯幅の広い領域は、シリコンから
形成される。この最後のバージョンは、サファイア基板
に製作するのが望ましい。
【0037】禁制帯幅の広いアンドープ材料にダイオー
ドを埋め込み、真性領域の露出表面に隣接した電荷キャ
リアの表面再結合を減少させることによって、さらに性
能を向上させることが可能になる。例えば、真性領域を
ガリウム砒素から形成する実施例の場合、アンドープの
AlGaAsは、真性領域及びp領域のまわりに被着さ
れる。
【0038】もう1つの実施例の場合、ステップ回復の
「遅いテール」部分を減少させることによって、さらに
ステップ遷移時間が改善される。「遅いテール」は、少
数の電荷キャリアがまだ電荷蓄積領域内に存在し、ダイ
オードのインピーダンスが比較的緩やかに上昇する、ス
テップ回復の一部を表している。あるバージョンでは、
電荷蓄積領域は、禁制帯幅の広いp領域よりもドーピン
グ準位の低いpタイプ材料から形成されている。このp
タイプのドーパントは、逆バイアス状態において電荷蓄
積領域から電荷キャリアを追い出すので、ステップ回復
の遅いテール部分の持続時間が最短になる。
【0039】もう1つのバージョンでは、電荷蓄積領域
に、固有電界を発生する手段が含まれている。本書で用
いられる限りにおいて、「固有」は、印加されるバイア
ス電圧または他の電位によって生じるのとは対照的に、
材料の構造によって生じることを意味している。この電
界は、逆バイアスの状態において電荷蓄積領域から電荷
キャリアを追い出し、禁制帯幅の広いp領域により近い
正電荷キャリア(ホール)を閉じ込める働きをする。こ
の電界は、ドーピング・グラデーション(gradat
ion)、禁制帯幅のグラデーション等によって電荷蓄
積領域に発生させるのが望ましい。本発明の他の態様及
び利点については、本発明の原理を例示した、添付の図
面に関連して読み取ることによって、下記の詳細な説明
から明らかになる。
【0040】
【実施例】例示のための図面に示すように、本発明は、
比較的禁制帯幅の広いp領域とn領域の間に比較的禁制
帯幅の狭い中間領域を備えた、新規のダブルヘテロ接合
ステップリカバリダイオードの形で実施される。既存の
ステップリカバリダイオードは、約30ピコ秒もの速い
ステップ遷移時間と、約15ボルトの出力電圧を獲得し
た。これらの値は、(i)少数キャリアがステップリカ
バリダイオードの真性領域を遷移するのに必要な時間、
(ii)ステップリカバリダイオードの空乏キャパシタ
ンスに比例した時定数、(iii)n領域及びp領域に
対する少数キャリアの注入、及び、(iv)真性領域と
n領域及びp領域の間におけるドーピング・グラデーシ
ョンの急激さといった要素によって制限された。
【0041】本発明によれば、ダブルヘテロ接合ステッ
プリカバリダイオードには、禁制帯幅の狭い電荷蓄積領
域、それとのヘテロ接合を形成する禁制帯幅の広いp領
域、及び、それとのヘテロ接合を形成する禁制帯幅の広
いn領域が含まれており、この3つの領域が、相俟っ
て、p+ −i−n+ ダイオード構造を形成している。
この構造によるステップリカバリダイオードは、ステッ
プ遷移時間が15ボルトを超える出力レベルにおいて1
0ピコ秒未満になる。
【0042】第1の望ましい実施例の場合、本発明によ
るダブルヘテロ接合ステップリカバリダイオードは、図
5に示すように、電荷蓄積領域55、電荷蓄積領域より
も禁制帯幅が広く、それとのヘテロ接合512を形成す
る禁制帯幅の広いpタイプ領域58、及び、電荷蓄積領
域よりも禁制帯幅が広く、それとのヘテロ接合513を
形成する禁制帯幅の広いnタイプ領域52から構成され
る。便宜上、2ないし3桁の参照番号の最初の桁、及
び、4桁の参照番号の最初の2桁は、その参照番号が最
初に用いられる図の番号を表している。
【0043】3つの領域58、55、及び、52が相俟
って、p領域及びn領域の禁制帯幅が電荷蓄積領域より
も広いことを特徴とする、PINダイオード構造を形成
している。接合512及び513は、他のどこよりも接
合に隣接した部分が大きい、電荷蓄積領域に蓄積された
電荷濃度の空間変動率を生じるのに十分なだけ急激であ
る。この実施例の場合、電荷蓄積領域55は、固有の材
料から構成される。こうした材料は、一般に、不純物準
位が約1015cm-3未満である。
【0044】ステップリカバリダイオードには、禁制帯
幅が禁制帯幅の広いp領域58より狭く、それとのヘテ
ロ接合510を形成するpタイプ接触領域59と、禁制
帯幅が禁制帯幅の広いn領域52より狭く、それとのヘ
テロ接合511を形成するnタイプ接触領域51が含ま
れているのが望ましい。
【0045】実施例の1つには、真性領域55と禁制帯
幅の広いp領域58の間のpタイプ領域57、または、
真性領域55と禁制帯幅の広いn領域52の間のnタイ
プ領域53のような傾斜禁制帯幅領域が含まれている。
傾斜禁制帯幅領域は、真性領域の禁制帯幅と禁制帯幅の
広い領域の禁制帯幅との間の禁制帯幅における、ほぼ連
続したグラデーションを特徴とする。
【0046】もう1つの実施例には、真性領域55と禁
制帯幅の広いp領域58の間の禁制帯幅の狭いpタイプ
領域56、または、真性領域55と禁制帯幅の広いn領
域52の間の禁制帯幅の狭いnタイプ領域54が含まれ
ている。図5に示す構造のダイオードは、 p+ −P+ −p+ −i−n+ −N+ −n+ のデバイスとして表すことができ、ここで、肩文字
「+」は、約1017cm-3以上程度のドーパント濃度に
よって得られる比較的高いドーピング準位を表してお
り、小文字のpまたはnは、禁制帯幅の狭い材料を表
し、大文字のPまたはNは、禁制帯幅の広い材料を表し
ている。
【0047】図5に示す実施例の場合、真性領域55
は、アンドープのガリウム砒素から構成される。禁制帯
幅の狭いp領域56は、およそ1019cm-3の準位まで
多量にドープしたガリウム砒素から構成され、禁制帯幅
の狭いn領域54は、およそ1018cm-3の準位まで多
量にドープしたガリウム砒素から構成される。禁制帯幅
の広い領域58及び52、及び、利用される場合、傾斜
禁制帯幅領域57及び53は、AlX Ga1-X Asで表
されるアルミニウム、ガリウム、及び、砒素の化合物か
ら構成される。約0.1〜0.4の値を有することが可
能な量xは、0.3の値である。pタイプ領域58及び
57は、およそ1019cm-3の準位までドープされ、n
タイプ領域52及び53は、およそ1018cm-3の準位
までドープされている。接触領域59及び51は、それ
ぞれ、p領域及びn領域において約1019cm-3の準位
及び1018cm-3の準位までドープされたガリウム砒素
から構成される。
【0048】傾斜禁制帯幅p領域57は、禁制帯幅の広
いp領域58を形成する化合物と同様のアルミニウム、
ガリウム、及び、砒素の化合物から構成される。傾斜禁
制帯幅領域57は、Aly Ga1-y Asで表すことがで
きるが、ここで、yの値は、傾斜禁制帯幅領域57と禁
制帯幅の広い領域58の間の接合におけるxと同じ値
と、その反対側の境界におけるゼロとの間で変動する。
【0049】図5に示す構造は、いくつかある技法のう
ち、全て、当該技術において周知の、分子ビーム・エピ
タクシ(MBE)、化学ビーム・エピタクシ(CB
E)、有機金属気相エピタクシ(OMVPE)、及び、
限界反応プロセス(LRP)といった任意の技法によっ
て形成することが可能である。nタイプ・ドーパントに
関するシリコン、テルル、及び、スズ、及び、pタイプ
・ドーパントに関するベリリウム及び炭素を含めて、ド
ーパントについては多くの選択がある。
【0050】真性領域55の厚さは、約5,000Å未
満である。禁制帯幅の広い領域58及び52は、それぞ
れ、厚さが約3,000Åである。pタイプの接触領域
59は、厚さが約5,000Åであり、nタイプの接触
領域51は、さらに厚くすることが可能であり、図5の
実施例では、厚さが10,000Åを超える。禁制帯幅
の狭い領域56及び54は、一般に極めて薄いが、約2
00Åが望ましい。傾斜禁制帯幅領域57及び53は、
それぞれ、厚さが約500Åである。
【0051】Å接触領域51及び59は、金属コネクタ
に対する良好なオーム接触の形成を容易にする。図示実
施例の場合、nタイプ接触領域51は、半絶縁n+ ガリ
ウム砒素基板50にオーム接触を形成する。領域51及
び59と物理的に接触する金属接触を形成する各種物理
的構造については、周知のところであり、本書では、こ
れ以上の解説は行わない。Å傾斜禁制帯幅領域53及び
57によって、領域52及び54の間、及び、領域56
及び58の間のダイポール層が、それぞれ、最小限に抑
えられる。もう1つの実施例の場合、傾斜禁制帯幅領域
53及び57を省いて、禁制帯幅の広い領域58及び5
2と真性領域55の間にできるだけ急激な接合が形成さ
れる。
【0052】Å禁制帯幅の狭い領域54及び56は、禁
制帯幅の広い領域52及び58と真性領域の間における
遷移を良好にする。これらの領域52及び58を省く
と、ヘテロ接合界面における再結合のため、真性領域に
対するキャリアの注入が不十分になる。この結合は、通
常はヘテロ接合に存在する欠陥によって生じる界面状態
によって発生する。Å領域54及び56は、また、禁制
帯幅の広い領域における比較的低めの自由キャリア濃度
を補償する。例えば、Casey及びPanishによ
る「HeterostructureÅLasersÅ
PartÅA:FundamentalÅPrinci
ples」第4章、あるいは、カリフォルニア州Pal
oÅAltoにある、ヒューレット・パッカード社の研
究所から出版されているTechnicalÅMemo
Å85−HDL−11における論述を参照されたい。こ
の低めの自由キャリア濃度は、禁制帯幅の狭いGaAs
に存在するものより高い、AlX Ga1-X Asにおける
nタイプのドナー活性化エネルギによって生じる。
【0053】Å禁制帯幅の広い領域58及び52は、真
性領域55に注入されるホールと電子の両方についてポ
テンシャル障壁を形成する。これらの障壁は、少数キャ
リアを真性領域55に閉じ込めることによって、ダイオ
ードの真性領域からp領域及びn領域に対する少数キャ
リアの拡散を減少させる、すなわち、禁制帯幅の広い特
質を備えたp領域58が、p領域58に対する少数電子
の拡散を減少させ、禁制帯幅の広い特質を備えたn領域
52が、n領域52に対する少数ホールの拡散を減少さ
せる。
【0054】Åすなわち、禁制帯幅の広いp領域58に
対して注入される少数電子の拡散準位が、exp−△E
c /kT分の1に低下するが、ここで、△Ec は、禁制
帯幅の狭い材料から禁制帯幅の広い材料へ移動する際に
遭遇する伝導帯の不連続部分である。同様に、禁制帯幅
の広いn領域に対して注入される少数ホールの拡散準位
が、exp−△Ev /kT分の1に低下するが、ここ
で、△Ev は、禁制帯幅の狭い材料から禁制帯幅の広い
材料へ移動する際に遭遇する価電子帯の不連続部分であ
る。これに関するさらに詳細な解説については、Cas
ey及びPanishによる「Heterostruc
tureÅLasersÅPartÅA:Fundam
entalÅPrinciples」第4章参照のこ
と。
【0055】Å禁制帯幅の狭い領域54及び56は、光
子、とりわけ、真性領域における放射再結合によって生
じる可能性のある光子に関する所定の吸収長よりも薄い
ことが望ましい。この吸収長は、光子のエネルギ準位に
よって決まり、このエネルギ準位は、さらに、真性領域
の禁制帯幅の関数である。禁制帯幅の広い領域は、この
エネルギ準位を有する光子にとって透明である。結果と
して、真性領域における放射再結合によって生じ、禁制
帯幅の狭い領域の1つに入った光子は、この禁制帯幅の
狭い領域を通過し、禁制帯幅の広い領域に入り込み、こ
れを通過することになるが、これらの領域に有効数の少
数キャリアが生じることはない。
【0056】Åすなわち、禁制帯幅の広い領域58及び
52が透明であることによって、ガリウム砒素の真性領
域55のような直接禁制帯材料に生じる可能性のある発
光キャリアの悪影響が減少する。禁制帯幅の広い領域の
場合、禁制帯幅は、禁制帯幅の狭い領域55における電
子・ホール対再結合によって生じる光子のエネルギを上
回るので、禁制帯幅の広い領域は、こうした光子にとっ
て透明である。禁制帯幅の狭いp領域56及びn領域5
4は、それぞれ、厚さが、真性領域内における電荷キャ
リアの再結合によって生じる光子に関する該領域の吸収
長未満である。従って、こうした再結合によって生じる
光子の吸収は、禁制帯幅の狭い領域と禁制帯幅の広い領
域の何れかにおいて行われることになりがちであり、こ
うした光子は、通過して、p接触領域59及びn接触領
域51にまで到達する。
【0057】Å禁制帯幅の広い領域は、接触領域におい
て光子によって発生するキャリアが拡散によって真性領
域に戻るのを阻止する、ポテンシャル障壁を形成してい
る。光子によって発生したキャリアを接触領域に閉じ込
めると、接触領域におけるキャリアの非放射再結合また
は放射再結合が生じる。放射再結合の場合、2次光子が
発生し、再吸収される。接触領域における電子濃度とホ
ール濃度の積が、順バイアス状態にある真性領域におけ
る電子濃度とホール濃度の積に比べてかなり小さいの
で、2次光子の数は、1次光子の数に比べてかなり少な
くなる。
【0058】Å図6A、図7A、及び、図8Aには、そ
れぞれ、ゼロ・バイアス、1.4ボルト順バイアス、及
び、5ボルト逆バイアスにおける、図5のダブルヘテロ
接合ステップリカバリダイオードのエネルギ帯図のシミ
ュレーション結果が示されている。図6B、図7B、及
び、図8Bには、それぞれ、ゼロ・バイアス、1.4ボ
ルト順バイアス、及び、5ボルト逆バイアスにおける、
該ステップリカバリダイオードの電子及びホール濃度図
のシミュレーション結果が示されている。これらの図に
示すように、p+ −P+ −i構造は、真性領域からp+
接触領域への電子の注入に対する良好なポテンシャル障
壁の働きをし、i−N+ −n+ 構造は、真性領域からn
+ 接触領域へのホールの注入に対する良好なポテンシャ
ル障壁の働きをする。
【0059】Å図7Bに示すように、図2に示す従来の
シリコン・ステップリカバリダイオードにおけるn領域
及びp領域に対する少数キャリアの注入に比べると、真
性領域から禁制帯幅の広い領域への少数キャリアの注入
は、数桁分も減少する。この減少は、領域58に関する
exp−△Ec /kTに等しく、ここで、△Ec は、ヘ
テロ接合界面510における禁制帯幅の不連続部であ
る。同様に、この減少は、領域52に関するexp−△
Ev /kTに等しく、ここで、△Ev は、ヘテロ接合界
面511における禁制帯幅の不連続部である。これによ
って明らかなように、禁制帯幅の広い領域によって、真
性領域55から接触領域への少数キャリアの注入が制限
されるので、主として、真性領域の厚さによって遷移時
間が決まることになる。
【0060】Å上述のように、ガリウム砒素ダイオード
の真性領域において電子・ホール対が受ける主再結合メ
カニズムは、放射性である。すなわち、電子・ホール対
は、主として、再結合によって、禁制帯幅のエネルギに
近いエネルギを持つ光子を発生する。これらの光子の一
部は、再吸収され、その結果、半導体中のほかの部分に
電子・ホールが発生する。例えば、1957年1月のÅ
PhysicalÅReviewÅ第105巻、第1号
に記載の、Dumkeによる「Spontaneous
ÅRadiativeÅRecombinationÅ
inÅSemiconductors」を参照された
い。真性領域に本発明による禁制帯幅の放射線に対して
透明な禁制帯幅の広い材料によるクラッディングを施す
ことによって、光子によって発生する少数キャリアが真
性領域から有効に分離される。
【0061】Å他の材料を選択して、本発明によるダブ
ルヘテロ接合ステップリカバリダイオードを形成するこ
とも可能である。これらの材料には、他のIII−V材
料系及びII−VI材料系が含まれる。とりわけ適した
材料系は、Si/GeX Si1- X /Si材料系であり、
この場合、真性領域は、GeX Si1-X で表されるゲル
マニウムとシリコンの化合物から構成され、禁制帯幅の
広い領域は、シリコンで構成される。この化合物におけ
るxの値は、約0.3が望ましい。デバイスは、サファ
イア基板に形成するのが望ましい。この材料系で製作さ
れるステップリカバリダイオードの一般構造は、図5に
示された、上述のダイオードの構造に類似しているの
で、別個には図示しない。
【0062】Åシリコン及びゲルマニウム材料系は、ダ
ブルヘテロ接合ステップリカバリダイオードに関して、
III−V材料系に比べていくつかの利点がある。これ
らの利点には、下記の利点が含まれている。 Å1)この系は、間接禁制帯であり、従って、少数キャ
リアの寿命が延び、さらに、ダイオードの順バイアス・
キャパシタンスが増すことになる。 Å2)非放射再結合メカニズムだけが重要であり、結果
として、光子の発生及び自己吸収は、重要ではない。 Å3)シリコンは、上部表面を酸化させて、表面再結合
を大幅に減少させる二酸化珪素のパッシベーション領域
を形成することによって、簡単にパッシベーションが施
される。 Å4)nタイプの材料とpタイプの材料の両方につい
て、ドーピング濃度を高めることが可能である。 Åシリコン及びゲルマニウム材料系の欠点は、シリコン
とGeX Si1-X 化合物との間における格子の不整合
(仮像)である。これは、通常、真性領域の厚さを数千
オングストロームに制限し、少数キャリアの寿命を縮め
る可能性もある。
【0063】もう1つの有効な材料系は、インジウム、
ガリウム、及び、砒素の化合物によって得られる。これ
らの材料から製作されるダブルヘテロ接合ステップリカ
バリダイオードには、図20に示すように、InGaA
sPで表されるインジウム、ガリウム、砒素、及び、リ
ンの化合物からなる真性領域2001、及び、それぞ
れ、インジウム及びリンの化合物からなる、禁制帯幅の
広いp領域2002及び禁制帯幅の広いn領域2003
が含まれている。禁制帯幅の狭いp領域2004及び禁
制帯幅の狭いn領域2005は、それぞれ、インジウ
ム、ガリウム、及び、砒素の化合物から構成される。接
触領域2005は、基板2006に形成される。亜鉛が
p領域2002及び2004に対するドーパントの働き
をし、セレンがn領域2003及び2005に対するド
ーパントの働きをする。インジウム系は、これらの材料
で製作されるダイオードが、図5に示すガリウム砒素及
び関連の材料によって製作されるダイオードに比べて低
い表面再結合率を示すので、有効な材料系である。
【0064】もう1つの実施例の場合、例えば、真性領
域の露出部分及び禁制帯幅の広いp領域を図9に示すよ
うな材料で包囲し、カバーして、ダイオードを禁制帯幅
の広いアンドープ材料に埋め込むことによって、ステッ
プ遷移時間がさらに短縮される。この実施例の場合、図
5に示すようなダイオード構造のエッチングを真性領域
の底まで施すことによって、メサ構造が形成される。次
に、ダイオードのまわりにアルミニウム、ガリウム、及
び、砒素のアンドープ化合物91を被着させて、真性領
域及びp領域がカバーされる。この構造によって得られ
る利点は、下記のように説明される。
【0065】周知のように、注入されるキャリアは、半
導体表面において再結合する。この効果に関する一般的
な説明については、1978年6月1日の Appli
edPhysics Letters、32(11)に
掲載の、Nelsonその他による「Interfac
ial Recombination Velocit
y in AlGaAs/GaAs Heterost
ructures」を参照されたい。この表面再結合の
効果によって、図5に示すダイオードの構造に注入キャ
リアの不均一な分布が生じ、遷移期間に、蓄積された全
ての注入キャリアを同時に真性領域から除去するという
わけにはゆかなくなるため、ステップ遷移時間が延長さ
れることになる。また、表面再結合の効果によって、真
性領域に蓄積することの可能な電荷の総量が減少する。
さらに、少数キャリアの寿命が短縮されるので、ダイオ
ードの有効拡散キャパシタンスが減少する。禁制帯幅の
広いアンドープ材料にダイオードを埋め込むことによっ
て、表面再結合が数桁分も減少する。
【0066】本発明のもう1つの実施例の場合、ステッ
プ回復の「遅いテール」部分を最小限に抑えることによ
って、ステップ遷移時間がさらに短縮される。図10に
グラフで示すように、ステップ回復には3つの異なる段
階がある。第1の段階すなわち「遅いテール」部分(ポ
イントAとBの間)において、電荷キャリアがドリフト
し、拡散して、真性領域から出て行くにつれて、ダイオ
ードを通る逆電流が次第に減少する。第2の段階(ポイ
ントBとCの間)において、真性領域にかかる逆バイア
ス電圧によって生じる電界が強くなることによって、電
子及びホール分布のテール・エンドが真性領域から押し
出されると、電流は、急激に減少する。
【0067】最後に、第3の(ポイントCとDの間)段
階において、電流は、RC時定数TRCによって決まる
「転向」曲線を示して、さらにゆっくりと減少する。図
3Aに関連して前述のように、時定数における抵抗要素
は、ダイオードが接続されている回路によって加えられ
る電源インピーダンス及び負荷インピーダンスと、ダイ
オードの内部抵抗によって決まり、容量要素は、ダイオ
ードの空乏キャパシタンスすなわち逆バイアスキャパシ
タンスである。
【0068】本発明では、ステップ回復の「遅いテー
ル」部分を減少させる方法を2つ提供するが、その両方
とも、電荷蓄積領域に小量のドープを施した領域を利用
することが必要とされる。これらのうち第1の方法で
は、電荷蓄積領域は、禁制帯幅の広い領域に比べてドー
ピング準位が低く、逆バイアス時に、電荷蓄積領域から
電荷キャリアを追い出す働きをする、pタイプ材料から
構成される。特に、最後のごくわずかなキャリアが電荷
蓄積領域を出て行く時間に、こうしたpタイプ・ドーピ
ングによって電荷キャリアを加速させるメカニズムにつ
いて、次に説明する。
【0069】Physical Properties
of Semiconductors の251〜2
53頁において、Wolfe、Holonyak、St
illmanによって教示されているように、電子の移
動度μN はホールの移動度μP の10倍に当たる。電子
の拡散速度DN 及びホールの拡散速度DP は、アインシ
ュタインの関係式によって、電子とホールの移動度に関
係づけられる。 DN =kTμN /q DP =kTμP /q ここで、kは、ボルツマン定数、Tは、ケルビン度で表
した温度である。DN は、DP よりかなり大きいので、
印加されるバイアス電圧が、順バイアスから逆バイアス
にスイッチされると、ホール及び電子は、当初、異なる
速度で、順バイアス濃度勾配から拡散する。このホール
と電子の拡散速度の差によって、図11に示すように、
わずかに電荷の分離が生じる。
【0070】印加電圧が順バイアスから逆バイアスにス
イッチされてから、電子及びホールの濃度分布が、異な
る拡散速度の結果として発散し始めるのに、約420ピ
コ秒かかる。この電荷分離によって、電子とホールの両
方が、共に、両極性拡散速度DA と称する共通の拡散速
度で、拡散するようになるまで、電子の拡散を妨げ、ホ
ールの拡散を加速する方向に内部電界が生じる。この電
界の形成が、図12に示されている。
【0071】両極性拡散速度DA は、下記の関係式によ
って電子及びホールの拡散速度に関係づけられる。 DA =((p+n)DP N )/(pDP +nDN ) ここで、nは、正味電子濃度であり、pは、正味ホール
濃度である。従って、両極性拡散速度は、DP <DA
N の範囲内であり、p>>nを選択することによっ
て、ほぼDN に等しくすることができる。従って、電荷
蓄積領域に十分なpドーピングを施すことによって、両
極性拡散速度DA を電子拡散速度DN とほぼ同じにする
ことが可能である。こうして、ホールと電子が逸れてゆ
く共通速度は、こうしたドーピングのない場合以上に増
すことになる。これは、電荷蓄積領域のドーピングによ
って、電荷キャリアの出て行く速度が増すためである。
pタイプ・ドーピングの量は、必要とされる降伏電圧に
よって制限される。
【0072】ステップ回復の遅いテール部分を減少させ
る第2の方法では、電荷蓄積領域は、電荷キャリアが拡
散して、電荷蓄積領域を出る速度を増すための固有電界
手段を構成する。本書で用いられる限りでは、「固有」
は、印加される電位からではなく、材料の構造から生じ
ることを意味している。この電界は、電荷蓄積領域にお
けるドーピング・グラデーションまたは禁制帯幅のグラ
デーションによって生じるのが望ましい。ドーピング・
グラデーションを利用する場合、pタイプのドーピング
とし、前述のように、両極性拡散速度を増すことによっ
て、電荷拡散速度も増すようにすべきである。ホールに
固有の拡散速度は、電子に比べると低いので、電界は、
電荷蓄積領域全体に行き渡るのが望ましい。
【0073】図13、図14、及び、図17には、ステ
ップ回復の遅いテール部分が上述のように減少する、ス
テップリカバリダイオードの特定の実施例が示されてい
る。真性領域が電荷蓄積領域1305に置き換えられて
いる点を除けば、図13のステップリカバリダイオード
は、図5に示すステップリカバリダイオードに類似して
いる。下記のパラグラフで示す点を除けば、他の領域1
300〜1304及び1306〜1309は、それぞ
れ、領域50〜54及び56〜59に類似している。こ
の構造は、図5の構造に関連して述べた技法のうち任意
の技法によって形成することが可能である。同様の元素
及び化合物が利用されており、同様のドーパントを用い
ることが可能である。
【0074】電荷蓄積領域1305は、順バイアスにお
いて、両タイプの少数キャリアのバルク蓄積が生じる、
厚さ約4,000Åのpドープ領域である。禁制帯幅の
広い領域1302及び1308は、それぞれ、厚さが約
4,000Å未満である。所望の場合は、完全に省くこ
との可能な傾斜禁制帯幅領域1303及び1307は、
それぞれ、約250オングストロームの厚さが望まし
い。傾斜禁制帯幅p領域1307は、Aly Ga1-y
sで表されるアルミニウム、ガリウム、及び、砒素の化
合物から構成されるが、ここで、yの値は、傾斜禁制帯
幅領域1307と禁制帯幅の広いp領域1308の間の
接合1312におけるxと同じ値と、その反対側の境界
におけるゼロとの間において変動する。
【0075】基板1300とnタイプの接触領域130
1の間に、追加領域1314を設けるのが望ましい。こ
の領域1314は、より均一なヘテロ接合の成長を可能
にする、厚さが1,000Åの、15周期の超格子であ
る。電荷蓄積領域1305のドーピング準位は、逆バイ
アス電圧の印加時に、この領域の降伏電圧に達する前
に、この領域が完全に空乏状態になるように選択されて
いる。一般に、これには、領域1305のドーパント濃
度が約1016〜1017cm-3であることが必要になる。
pタイプのドーピングは、あまり高くすることができな
いので、図10の転向領域において、過剰な転向が生じ
る。図示実施例の場合、ドーパント準位は、厚さが4,
000Åの領域で、降伏電圧が15ボルトの場合に、約
1017cm-3である。このドーピング準位においては、
過剰な転向が生じない。
【0076】図21に示すように、電荷蓄積領域130
5におけるドーピング準位が少なくとも1017cm-3
場合、1016cm-3のドーピング準位に比べて、遅いテ
ール領域が大幅に減少するので、より急激なステップ遷
位が生じる。図14には、図13の電荷蓄積領域130
5が、領域1405と禁制帯幅の狭いp領域1306の
間の境界1414における約1017cm-3の準位と、領
域1405と禁制帯幅の狭いn領域1304の間の境界
1415における約5・1014cm-3の準位との間で変
動するpタイプのドーパント準位を有する電荷蓄積領域
1405に置き換えられている点を除けば、図13に示
すものと同じである代替実施例が示されている。この傾
斜ドーパント準位の効果については、次に、図15及び
16に関連して説明する。
【0077】図15には、図13に示すダイオードのエ
ネルギ図が示されている。該領域1405におけるドー
パント準位の傾斜は、領域1405内に傾斜エネルギ帯
を形成している。これらの傾斜エネルギ帯は、この領域
内における電界の存在を示している。このダイオードに
印加される電圧が逆バイアスにスイッチされ、電荷蓄積
領域内における電荷キャリアの濃度が、除去によって、
背景のpタイプ不純物準位未満のポイントに達すると、
この電界が、電子を領域1302に押しやり、ホールを
領域1308に押しやって、ステップ回復の「遅いテー
ル」部分を最小限に抑える。傾斜ドーパント準位のもう
1つの利点は、降伏電圧が、均一にドープされたpタイ
プ電荷蓄積領域の降伏電圧より高くなるということであ
る。
【0078】図15及び図16から明らかなように、そ
れぞれ、領域1308及び1302におけるp+ ドーパ
ント準位及びn+ ドーパント準位は、十分に高いので、
これらの領域には、縮退ドーピングが施される。すなわ
ち、領域1302における伝導帯の底部及び領域130
8における価電子帯の上部は、ほぼフェルミ・エネルギ
準位EF に位置する。
【0079】図17には、図13に示すものと同様のス
テップリカバリダイオードが示されているが、この場
合、pドープした電荷蓄積領域1305が、アンドープ
の傾斜禁制帯幅電荷蓄積領域1705に置き換えられて
いる。このステップリカバリダイオードに関するエネル
ギ図が、図18に示されている。電荷蓄積領域における
禁制帯幅の境界の傾斜は、電界の存在を示している。こ
の結果、図14に示す実施例の傾斜ドーパント準位と同
じタイプの効果が得られる。図19には、図18の実施
例によって生じる遅いテールの減少が示されている。傾
斜禁制帯幅電荷蓄積領域は、ホールの大部分をその出口
点の近くに閉じ込めて、拡散によって出て行くのに必要
な時間長を短縮する。
【0080】以上から明らかなように、本発明によるダ
ブルヘテロ接合ステップリカバリダイオードは、遷位時
間が10ピコ秒未満で、15ボルトを超える大きさのス
テップ電圧を提供する。これは、上に詳細に述べたよう
に、禁制帯幅の広い材料及び禁制帯幅の狭い材料の利
用、傾斜禁制帯幅材料の利用、及び、ステップ回復の
「遅いテール」部分を減少させる電荷蓄積領域の利用に
よって得られる二重ヘテロ接合といった、新規の特徴に
よって実現される。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を用いるこ
とにより、ステップリカバリダイオードのステップ遷移
時間を非常に短くすることができ、また、出力電圧を高
くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のステップリカバリダイオードの容量−電
圧特性を示す図である。
【図2】従来のシリコン・ステップリカバリダイオード
構造の概略断面図である。
【図3A】パルス発生器回路における従来のステップリ
カバリダイオードを示す図である。
【図3B】図3Aに示すパルス発生器によって供給され
る入力電圧、結果生ずるダイオード電流、および出力電
圧を、時間の関数として示した図である。
【図4A】順バイアスされたホモ接合GaAsステップ
リカバリダイオードのエネルギ帯のシミュレーション結
果を示す図である。
【図4B】順バイアスされたホモ接合GaAsダイオー
ドにおける、電子およびホール濃度のシミュレーション
結果を示す図である。
【図4C】逆バイアスされたホモ接合GaAsステップ
リカバリダイオードのエネルギ帯のシミュレーション結
果を示す図である。
【図4D】逆バイアスされたホモ接合GaAsダイオー
ドにおける、電子およびホール濃度のシミュレーション
結果を示す図である。
【図5】本発明によるダブルヘテロ接合ステップリカバ
リダイオードの一実施例を示す図である。
【図6A】ゼロ・バイアスにおける、図5に示すダイオ
ードのエネルギ帯図である。
【図6B】ゼロ・バイアスにおける、図5に示すダイオ
ードの電子およびホール濃度を示す図である。
【図7A】順バイアスにおける、図5に示すダイオード
のエネルギ帯図である。
【図7B】順バイアスにおける、図5に示すダイオード
の電子およびホール濃度を示す図である。
【図8A】逆バイアスにおける、図5に示すダイオード
のエネルギ帯図である。
【図8B】逆バイアスにおける、図5に示すダイオード
の電子およびホール濃度を示す図である。
【図9】本発明の別の実施例を示す図である。
【図10】印加電圧が順バイアスから逆バイアスに変わ
るときの、従来のステップリカバリダイオードに流れる
電流の時間変化を示す図である。
【図11】ステップ遷移時の従来のステップリカバリダ
イオードの真性領域における正および負電荷キャリアの
分離を示す図である。
【図12】図11に示す電荷キャリアの分離により真性
領域に生成される電界を示す図である。
【図13】電荷蓄積領域が軽くドープされたp形材料か
ら形成されていることを除いて、図5に示すのと同様の
ステップリカバリダイオードの他の実施例を示す図であ
る。
【図14】電荷蓄積領域がドーピング準位におけるグラ
デーションによって特徴付けられる、図13に示すのと
同様のステップリカバリダイオードの他の実施例を示す
図である。
【図15】図2に示す種類の従来のステップリカバリダ
イオードのエネルギ図である。
【図16】図14に示す種類の従来のステップリカバリ
ダイオードのエネルギ図である。
【図17】電荷蓄積領域が禁制帯幅におけるグラデーシ
ョンによって特徴付けられる、図13に示すのと同様の
ステップリカバリダイオードを示す図である。
【図18】図17に示す種類のステップリカバリダイオ
ードのエネルギ図である。
【図19】印加電圧が順バイアスから逆バイアスに変わ
るときの、ステップリカバリダイオードに流れる電流に
関し、禁制帯幅におけるグラデーション効果の時間変化
を示す図である。
【図20】インジウムおよびリンの化合物から成ること
を除いて、図5に示すのと同様のステップリカバリダイ
オードの他の実施例を示す図である。
【図21】印加電圧が順バイアスから逆バイアスに変わ
るときの、電荷蓄積領域のドーピング準位が異なる場合
の、図13に示す種類の2つのステップリカバリダイオ
ードに流れる電流の時間変化を比較した図である。
【符号の説明】
ΔEv:価電子帯の不連続部分、 ΔEc:
伝導帯の不連続部分

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】逆バイアス状態下で電荷蓄積領域から電荷
    キャリアを追い出し、これにより、ステップ回復の、遅
    いテール部分の期間を最小限にする手段を備えた前記電
    荷蓄積領域と、 前記電荷蓄積領域より広い禁制帯幅を有し、該電荷蓄積
    領域との間で第1のヘテロ接合を画定する広禁制帯幅p
    形領域と、 前記電荷蓄積領域より広い禁制帯幅を有し、該電荷蓄積
    領域との間で第2のヘテロ接合を画定する広禁制帯幅n
    形領域と、 を備えて成り、順バイアス電圧の印加により前記電荷蓄
    積領域に電荷キャリアを蓄積して低インピーダンスを呈
    し、逆バイアス電圧への極性切替えにより、ほぼ全ての
    前記電荷キャリアが前記電荷蓄積領域から一掃されたと
    きにステップ回復して、インピーダンスが階段的に増大
    することを特徴とするダブルヘテロ接合ステップリカバ
    リダイオード。
JP4164077A 1991-05-31 1992-05-29 ステップリカバリダイオード Pending JPH05190876A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US708950 1991-05-31
US07/708,950 US5148267A (en) 1989-09-08 1991-05-31 Double heterostructure step recovery diode with internal drift field

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05190876A true JPH05190876A (ja) 1993-07-30

Family

ID=24847835

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4164077A Pending JPH05190876A (ja) 1991-05-31 1992-05-29 ステップリカバリダイオード

Country Status (3)

Country Link
US (1) US5148267A (ja)
EP (1) EP0515840A2 (ja)
JP (1) JPH05190876A (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5396103A (en) * 1991-05-15 1995-03-07 Minnesota Mining And Manufacturing Company Graded composition ohmic contact for P-type II-VI semiconductors
US5508529A (en) * 1992-06-09 1996-04-16 University Of Cincinnati Multi-quantum well injection mode device and associated electronic neuron apparatus
US5302838A (en) * 1992-06-09 1994-04-12 University Of Cincinnati Multi-quantum well injection mode device
US5680073A (en) * 1993-06-08 1997-10-21 Ramot University Authority For Applied Research & Industrial Development Ltd. Controlled semiconductor capacitors
JP2000514958A (ja) * 1997-05-16 2000-11-07 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ シリコンゲルマニウム半導体デバイスとその製造方法
WO1999039413A2 (en) * 1998-01-28 1999-08-05 Koninklijke Philips Electronics N.V. Ii-iv lasers having index-guided structures
US6438733B1 (en) 1999-03-04 2002-08-20 Simplex Solutions, Inc. IC substrate noise modeling with improved surface gridding technique
US6480986B1 (en) * 1999-03-04 2002-11-12 Simplex Solutions, Inc. IC substrate noise modeling including extracted capacitance for improved accuracy
US6577658B1 (en) 1999-09-20 2003-06-10 E20 Corporation, Inc. Method and apparatus for planar index guided vertical cavity surface emitting lasers
US6558973B2 (en) * 2001-01-22 2003-05-06 Honeywell International Inc. Metamorphic long wavelength high-speed photodiode
US7202102B2 (en) * 2001-11-27 2007-04-10 Jds Uniphase Corporation Doped absorption for enhanced responsivity for high speed photodiodes
KR100429388B1 (ko) * 2002-04-30 2004-04-29 국방과학연구소 핀다이오드 및 핀다이오드 제조방법
US6794734B2 (en) 2002-05-03 2004-09-21 Mia-Com Heterojunction P-I-N diode and method of making the same
US20070227587A1 (en) * 2006-03-31 2007-10-04 Walsh Kevin M Photoelectric Cells Utilizing Accumulation Barriers For Charge Transport
JP5335562B2 (ja) * 2009-06-02 2013-11-06 ルネサスエレクトロニクス株式会社 メサ型フォトダイオード及びその製造方法
JP2011035018A (ja) * 2009-07-30 2011-02-17 Renesas Electronics Corp 半導体受光素子
TWI455354B (zh) * 2012-07-05 2014-10-01 Univ Nat Central Homogeneous junction type of high speed photodiode
JP6024317B2 (ja) * 2012-09-10 2016-11-16 富士通株式会社 半導体装置
US11322626B2 (en) 2019-10-29 2022-05-03 Lawrence Livermore National Security, Llc Tunnel drift step recovery diode
US20230121080A1 (en) * 2021-10-18 2023-04-20 Lawrence Livermore National Security, Llc Monolithic growth of epitaxial silicon devices via co-doping

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6030654B2 (ja) * 1980-12-31 1985-07-17 株式会社林原生物化学研究所 ヒトコロニ−刺激因子の製造方法
JPS594178A (ja) * 1982-06-30 1984-01-10 Fujitsu Ltd 半導体装置
JPS59171534A (ja) * 1983-03-18 1984-09-28 三洋電機株式会社 脈拍計
US4604636A (en) * 1983-05-11 1986-08-05 Chronar Corp. Microcrystalline semiconductor method and devices
US4546480A (en) * 1983-08-19 1985-10-08 Xerox Corporation Injection lasers with quantum size effect transparent waveguiding
JPS5946606B2 (ja) * 1983-11-30 1984-11-14 松下電器産業株式会社 湯沸器
JPS60253282A (ja) * 1984-05-30 1985-12-13 Fujitsu Ltd Pinダイオ−ド
US4738933A (en) * 1985-08-27 1988-04-19 Fei Microwave, Inc. Monolithic PIN diode and method for its manufacture
JPS63122281A (ja) * 1986-11-12 1988-05-26 Shindengen Electric Mfg Co Ltd ヘテロ接合ダイオ−ドとその製造方法
JPS63158862A (ja) * 1986-12-23 1988-07-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体容量素子

Also Published As

Publication number Publication date
US5148267A (en) 1992-09-15
EP0515840A2 (en) 1992-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05190876A (ja) ステップリカバリダイオード
JP3539977B2 (ja) 光電半導体構成素子
Harder et al. High-speed GaAs/AlGaAs optoelectronic devices for computer applications
EP0236189B1 (fr) Structure semi-conductrice monolithique d'un transistor bipolaire à hétérojonction et d'un laser
JP2845081B2 (ja) 半導体受光素子
JP3287458B2 (ja) 超高速・低電圧駆動アバランシェ増倍型半導体受光素子
JPH0728047B2 (ja) 光トランジスタ
US4973858A (en) Resonant tunneling semiconductor devices
US5343054A (en) Semiconductor light-detection device with recombination rates
JPS582077A (ja) 半導体デバイス
JP3486193B2 (ja) 光電半導体素子
US5757025A (en) Infrared photodetector using delta-doped semiconductors
Susa et al. Properties of GaAs/Al0. 53Ga0. 47As avalanche photodiode with superlattice fabricated by molecular beam epitaxy
EP0416226A1 (en) Double heterostructure step recovery diode
EP0253174A1 (en) Resonant tunneling semiconductor devices
Kasap Pn junction devices and light emitting diodes
WO2003077283A2 (en) Drift-dominated detector
Kim et al. Waveguide-type PnpN optical thyristor operating at 1.55 μm
Choi et al. AlGaAs/GaAs NpnP depleted optical thyristor using bottom mirror layers
JP3286034B2 (ja) 半導体受光素子
Lorenz et al. Semiconductor-diode light sources
JPH02262133A (ja) 半導体デバイス
Schamiloglu et al. Simulation, modeling, and experimental studies of high-gain gallium arsenide photoconductive switches for ultra-wideband applications
EP0996169A2 (en) Semiconductor device with a carrier confinement layer
Huang Investigation of resonant cavity-enhanced photodetectors and avalanche optoelectronic switches