JPH05187997A - 赤外線水分測定装置 - Google Patents

赤外線水分測定装置

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JPH05187997A
JPH05187997A JP303192A JP303192A JPH05187997A JP H05187997 A JPH05187997 A JP H05187997A JP 303192 A JP303192 A JP 303192A JP 303192 A JP303192 A JP 303192A JP H05187997 A JPH05187997 A JP H05187997A
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regression
absorbance
equation
calibration curve
value
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JP303192A
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English (en)
Inventor
Kiyomi Sato
清美 佐藤
Yasuo Saito
保雄 斉藤
Kenji Konishi
賢治 小西
Norito Oda
憲人 小田
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IIOSU KK
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
IIOSU KK
Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】赤外線水分測定装置における検量線の式を回帰
分析により自動設定するときに、測定原理に合った適正
なを回帰式を得る。 【構成】吸光度と実測水分値のサンプルデータから回帰
分析によって一次から三次までの回帰式を演算する。各
回帰式のF検定を行なってサンプルデータに応じた次数
の存在の有無を調べる。F検定で存在する次数の回帰式
の単調増加関数であるか否かの判定を行なう。単調増加
関数で最高次の回帰式を検量線の式として設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被測定物による赤外線
の吸光度に基づいて被測定物の水分値を測定する赤外線
水分測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置はいわゆる赤外線水
分計として知られており、その測定原理は、近赤外線領
域において特定波長の光のエネルギが水分および物質の
化学構成により吸収され、そのときの吸光度が被測定物
の含水率に比例するという関係(Lambert−Be
erの法則)を利用したものである。
【0003】しかし、この測定方法は水の量をこれと関
連のある他の物理量として検出する間接的測定方法であ
るので、吸光度を水分値(重量パーセントで表した含水
率)に換算するための検量線の式を測定条件に応じて設
定する必要がある。
【0004】そこで、複数の試料について水分計で実際
に吸光度を測定し、試料の実測水分値(乾燥法などによ
って実測した水分値や基準試料などにおける既知の水分
値)と吸光度との多点のデータをサンプリングし、これ
らのサンプルデータに基づいて回帰分析を行い、回帰式
として検量線の式を決定するようにしている。
【0005】上記の作業はキャリブレーションと称さ
れ、このようなキャリブレーションの手間を省くため
に、入力されたサンプルデータについて自動的に回帰分
析を行なって検量線の式を登録する機能を備えた水分計
が開発されている。
【0006】ところで、水分計の測定原理であるLam
bert−Beerの法則によると、含水率と吸光度の
関係は、 (含水率)=a×(吸光度)+b (a:比例定数、
b:定数) となり、検量線の式は、原理的には一次式で、吸光度が
増加するにつれて水分値が増加するような関数すなわち
吸光度に対する単調増加関数になっている必要がある。
【0007】しかし、測定対象物によっては上記のよう
な比例関係が成り立たない場合もあり、検量線の式とし
て高次式の方が適している場合もある。このため、回帰
式の次数をサンプルデータに応じて適宜設定する必要が
ある。
【発明が解決しようとする課題】ここで、前記のように
検量線の式を登録する機能を備えた水分計においては、
回帰式の次数を自動的に決定する自動選択機能と、使用
者が一次〜三次の中から所望の次数を設定できる機能と
があり、これら2種類の機能を選択できるようになって
いる。
【0008】しかしながら、従来の自動選択機能におけ
る次数の決定に際しては、回帰からのバラツキが一番小
さくなるような次数を選択するようにしているので、一
般に高次式による回帰のほうがバラツキが小さいため、
自動選択機能では三次の回帰式が選ばれる場合が多くな
っている。
【0009】このため、例えば、図8に示したような検
量線を登録してしまうことがある。この検量線による
と、吸光度値0.1を境に吸光度が増加しても水分値が
減少することになり、検量線は単調増加関数であるとい
う原理に合わないものになってしまう。
【0010】例えば、水分計の表示水分値は吸光度0.
09で11.801%WBであるのに対して、吸光度0
・13では7.929%WBとなってしまい、このよう
な範囲の吸光度に対しては正しい水分値を得ることがで
きない。また、このような不都合は、使用者が二次、三
次を選択した場合にも生じることがある。
【0011】本発明は、実測水分値と吸光度のサンプル
データに対して適正な検量線を設定できる赤外線水分測
定装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになした本発明の赤外線水分測定装置は、赤外線の吸
光度と水分値との関係を示す検量線の式が設定可能であ
って、試料に照射した赤外線の該試料による吸光度と上
記検量線の式とに基づいて試料の水分値を測定するよう
にした赤外線水分測定装置において、前記吸光度と該吸
光度を示す試料の実測水分値との複数のサンプルデータ
に基づいて吸光度と水分値との関係を示す一次から高次
までの回帰式を求める回帰式演算手段と、前記サンプル
データに対する前記回帰式の適否を検定して適正な回帰
式を選別する検定手段と、前記回帰式が吸光度に対して
単調増加関数となるかを判定する単調増加性判定手段
と、前記回帰式演算手段で求められた回帰式のうちサン
プルデータに対して適正な回帰式であって最高次でかつ
吸光度に対して単調増加関数となる回帰式を前記検量線
の式として設定する検量線設定手段、とを備えたことを
特徴とする。
【0013】
【作用】本発明の赤外線水分測定装置において、回帰式
演算手段は、吸光度と該吸光度を示す試料の実測水分値
との複数のサンプルデータに基づいて吸光度と水分値と
の関係を示す一次から高次までの回帰式を求める。検定
手段はサンプルデータに対する回帰式の適否を検定して
適正な回帰式を選別する。検量線設定手段は、サンプル
データに対して適正な回帰式であって最高次でかつ吸光
度に対して単調増加関数となる回帰式を検量線の式とし
て設定する。
【0014】
【実施例】図2は本発明実施例の赤外線水分測定装置の
ブロック図である。光学系1は、水分によって吸収され
やすい近赤外線領域の測定光と水分によって殆ど吸収さ
れない近赤外線領域の参照光を試料Aに照射し、試料A
からの反射光を受光して測定光と参照光の各受光量をア
ナログ信号として出力する。
【0015】この光学系1からのアナログ信号は、アナ
ログ処理回路2で増幅されるとともに測定光に対応する
信号と参照光に対応する信号とにそれぞれ分離される。
この分離された各信号はA/Dコンバータ3でデジタル
データに変換され、測定光の反射光量を示す測定光デー
タSおよび参照光の反射光量を示す参照光データRとし
てそれぞれ制御部4に入力される。
【0016】制御部4はマイクロコンピュータで構成さ
れており、CPU41はプログラムメモリ42に記憶さ
れている制御プログラムに基づいて演算メモリ43を使
用しながら各種の演算処理を行なう。また、I/Oイン
ターフェース44を介して、A/Dコンバータ3、表示
器5およびパネルスイッチ6との間でデータの入出力を
行なう。
【0017】表示器5は液晶表示パネル等で構成されて
おり、この表示器5には、測定された水分値や吸光度の
他に、メッセージや動作モードを選択するためのメニュ
ー等が表示される。
【0018】また、パネルスイッチ6は、例えば図3に
示したように、メニュー表示するときのMENUキー6
a、モード切換えに用いるEXITキー6b、データ入
力などに使用するテンキー6c等を備えている。
【0019】そして、表示器5でメニュー形式の表示が
行なわれ、パネルスイッチ6の操作により、データ入力
モード、検量線計算モードおよび測定モードを切換えて
選択するようになっている。
【0020】図1は、CPU41の制御により実現され
る制御部4の各種機能を示す機能ブロック図であり、デ
ータ入力モードでは、サンプルデータ記憶機能により、
パネルスイッチ6から入力される吸光度と実測水分値の
サンプルデータを所定の制御動作で取り込んで演算メモ
リ43に記憶する。
【0021】検量線計算モードでは、使用者が検量線の
次数を指定する次数指定モードと最適な次数を自動的に
選択する自動選択モードとの二通りがあり、パネルスイ
ッチ6の操作により各モードが選択される。
【0022】次数指定モードでは、パネルスイッチ6か
らの入力データに基づいて次数を設定し、入力されたサ
ンプルデータの回帰分析を行なって指定された次数の回
帰式を求め、この回帰式が吸光度に対して単調増加とな
るか否かの判定を行なって検量線を設定する。
【0023】また、自動選択モードでは、入力されたサ
ンプルデータの回帰分析を行なって一次〜三次の回帰式
を求め、各回帰式について回帰式の適否を検定するF検
定を行い、さらに、このF検定で適正と判定された次数
の回帰式について単調増加の判定を行い、単調増加関数
となる最高次数の式により検量線を設定する。
【0024】なお、上記の各モードにおいて、検量線が
設定されるとその式の次数と係数を表示器5に表示し、
適当な検量線の式が存在しない場合にはメッセージを表
示する。
【0025】測定モードでは、測定光データSおよび参
照光データRに基づいて吸光度を演算し、この吸光度と
設定された検量線から水分値を演算して表示器5に表示
する。また、この測定モードでは、表示の切換えを行な
うことにより吸光度を表示できるようになっており、こ
の吸光度の表示はキャリブレーション作業でサンプルデ
ータを得るときに利用される。
【0026】なお、吸光度は、参照光データRと測定光
データSによりX=log(R/S)として求められ、検量
線は、次式のような一次〜三次のうち選択された次数の
式によって決定される。 Y=α+β・X Y=α+β・X+γ・X2 Y=α+β・X+γ・X2 +δ・X3 但し、Yは水分値、α,β,γ,δは回帰分析により得
られた係数である。
【0027】ここで、自動選択モードにおけるF検定
は、回帰式を高次式としたときにその高次成分がサンプ
ルデータの分布状態に対して有意なものであるか否かを
検定するものであり、例えば以下の検定方法を適用する
ことができる。 (1)回帰からの残差平方和を用いて検定する方法。 (2)回帰からのバラツキを用いて検定する方法。
【0028】(1)の場合は、回帰計算によって得られ
た一次から三次までの回帰式について、次表1の分散分
析表を求める。
【表1】
【0029】先ず、二次回帰式の検定について考える
と、高次成分が存在すると一般に残差平方和SE2はSE1
より小さくなり、残差の小さくなる分SE1−SE2が回帰
の二次成分を表す尺度となる。
【0030】ここで、 Ve1=(SE1−SE2)/1、Ve2=SE2/(N−3) F0 =Ve1/Ve2 とおくと、SE1−SE2の自由度は1であるので、二次成
分が存在しないという仮定のもとではF0 が自由度1,
N−3のF分布に従うことを利用してF検定を行なうこ
とができる。すなわち、 F0 ≧F のとき、二次成分は有意であるから二次回帰式が存在す
ると判定する。
【0031】三次回帰式の場合についても同様に、 Ve3=(SE2−SE3)/1、Ve4=SE3/(N−4) F0 =Ve3/Ve4 とおき、三次成分が存在しないという仮定のもとでF0
が自由度1,N−4のF分布に従うことを利用して、 F0 ≧F のとき、三次回帰式が存在すると判定する。
【0032】上記の検定を行なうときのF値は、それぞ
れの場合の自由度からF表を参照して求めるようにして
もよいが、例えば、F値の範囲の平均値や最小の自由度
のF値など、近似的に実用上問題のないF値(代表値)
を予め求めておき、如何なる自由度においてもこの代表
値を用いるようにしてもよい。
【0033】例えば、たばこをコンベアで搬送しながら
たばこの水分管理を行なうときに用いられるオンライン
用水分計では、サンプルデータ数Nは11≦N≦50程
度の範囲になるので、F値の範囲は5%有意で、次のよ
うな範囲になる。但しφ1 は自由度である。 F(1,11-4;0.05)≧F(1, φ1 ;0.05) ≧F(1,50-3;0.05) F(1,7;0.05) ≧F(1, φ1 ;0.05) ≧F(1,47;0.05)
【0034】ここで、F(1,47;0.05) の値はF表にはな
いので、F(1,40;0.05) で代表すると、 F(1,7;0.05) ≧F(1, φ1 ;0.05) ≧F(1,40;0.05) 5.59 ≧F(1, φ1 ;0.05) ≧4.08 となるので、F値の範囲の平均値を用いたときの代表値
は、 (5.59+4.08) /2 =4.8350 となる。
【0035】また、通常F検定を行なう場合、F表に求
めたい自由度の値がないときはこれより小さい自由度φ
A ,φB のF表の値と比較して検定が行なわれる。この
ことを応用して、検定を行なう範囲で最小な自由度のF
値を代表値としてもよい。例えば上記と同様の場合、検
定を行なう範囲は、 F(1,7;0.05) ≧F(1, φ1 ;0.05) ≧F(1,40;0.05) 5.59 ≧F(1, φ1 ;0.05) ≧4.08 であるので、この場合のF値の代表値は5.59となる。
【0036】(2)の検定方法であるバラツキを用いて
検定する方法では、回帰計算によって得られた一次から
三次までの回帰式について、先ず各々の回帰からのバラ
ツキを求める。
【0037】いま、一次式による回帰からのバラツキを
σ1 、二次式による回帰からのバラツキをσ2 、三次式
による回帰からのバラツキをσ3 とし、一次回帰からの
残差不偏分散をσ1 2、二次回帰からの残差不偏分散をσ
2 2とおく。なお、自由度はそれぞれN−2,N−3であ
る。
【0038】ここで、 F0 =σ1 2/σ2 2 とおくと、 F0 =(二次成分+三次以降の成分+誤差)/(三次以
降の成分+誤差) であるので二次成分の大小によりF0 の大小が定まる。
そこで、二次成分が存在しないという仮定のもとではF
0 は自由度N−2,N−3のF分布に従うことを利用し
てF検定を行なうことができる。すなわち、 F0 ≧F のとき、二次成分は有意であるから二次回帰式が存在す
ると判定できる。
【0039】三次回帰式の場合についても同様に、三次
回帰からの残差不偏分散をσ3 2とし、 F0 =σ2 2/σ3 2 とおくと、三次成分が存在しないという仮定のもとでは
0 は自由度N−3,N−4のF分布に従うことを利用
して、 F0 ≧F のとき三次回帰式が存在すると判定できる。
【0040】この検定方法は回帰からのバラツキを用い
て検定を行なうので、 (F0 1/2 =(σ1 21/2 ÷(σ2 21/2 =σ1 ÷σ2 (F0 1/2 =(σ2 21/2 ÷(σ3 21/2 =σ2 ÷σ3 とおく。また、 F0 ≧Fであるとき、(F0 1/2 ≧(F)1/2 0 <Fであるとき、(F0 1/2 <(F)1/2 となる。
【0041】そこで、 (F0 1/2 =σ1 ÷σ2 ≧(F)1/2 であるとき、二次回帰は存在し、 (F0 1/2 =σ2 ÷σ3 ≧(F)1/2 であるとき、三次回帰は存在すると判定する。
【0042】また、この検定を行なうときのF値
((F)1/2 )は、(1)の検定方法と同様にF表を参
照して求めてもよいが、近似的に実用上問題のない代表
値を用いるようにしてもよい。
【0043】すなわち、前記同様にサンプルデータ数N
が11≦N≦50の範囲にある場合、検定を行なう範囲
は次のようになる。なお、φ2 は自由度である。 F(11-3,11-4;0.05) ≧F( φ12 ;0.05) ≧F(50-2,50-3;0.05) F(8,7;0.05) ≧F( φ12 ;0.05) ≧F(48,47;0.05)
【0044】ここで、F(48,47;0.05)の値はF表にはな
いので、F(40,40;0.05)で代表すると、 F(8,7;0.05) ≧F( φ12 ;0.05) ≧F(40,40;0.05) 3.73≧F( φ12 ;0.05) ≧1.69 (3.73)1/2≧( F( φ12 ;0.05))1/2 ≧(1.69)1/2 1.9313 ≧( F( φ12 ;0.05))1/2 ≧1.3000 となるので、F値の範囲の平均値を用いたときの代表値
は、 (1.9313+1.3000) /2 =1.6157 となる。また、最小の自由度のF値を代表値とする場合
は、1.9313を(F)1/2 の代表値とする。
【0045】このように、高次回帰のF検定には次の6
通りの種類がある。 F0 を回帰からの残差平方和から求め、それぞれの場
合の自由度からF表を参考にしてF値を求め、両者を比
較する方法。 F0 を回帰からの残差平方和から求め、如何なる自由
度においてもF値の範囲の平均値を代表値とし、両者を
比較する方法。 F0 を回帰からの残差平方和から求め、如何なる自由
度においても最小の自由度のF値を代表値とし、両者を
比較する方法。 F0 を回帰からのバラツキを用いて求め、それぞれの
場合の自由度からF表を参考にしてF値を求め、両者を
比較する方法。 F0 を回帰からのバラツキを用いて求め、如何なる自
由度においてもF値の範囲の平均値を代表値とし、両者
を比較する方法。 F0 を回帰からのバラツキを用いて求め、如何なる自
由度においても最小の自由度のF値を代表値とし、両者
を比較する方法。
【0046】次に、回帰式が単調増加関数であるか否か
の判定は次のように行なう。
【0047】回帰式が一次の場合には、その一次の係数
が正の場合に単調増加関数であると判定する。
【0048】また、回帰式が二次以上の場合には、次の
ような判定を行なう。赤外線水分測定装置の検量線作成
を行なう場合は、吸光度のバラツキや実際の工程におけ
る水分値が若干使用範囲を越えても異常値を示さないよ
うに、やや広い範囲で検量線作成を行なう。そこで、判
定を行なう場合、先ず、サンプルデータ中の吸光度最小
値をMIN、吸光度最大値をMAXとして、 Δx=MAX−MIN、 α=MIN−0.2×Δx,β=MAX+0.2×Δx とおいた区間[α,β]を設定する。
【0049】次に、この区間[α,β]を次のように1
00分割し、 γ=(β−α)÷100 この区間の値xを変数とする回帰式f(x)に対して、
f(x1 )とf(x2 )の大小関係を調べる。 但し、f(x1 )=f(α+γ・(n−1)) f(x2 )=f(α+γ・n) n=1,2,…
【0050】すなわち、x2 >βとなるまでnを増加さ
せて計算し、常に f(x1 )≦f(x2 ) であったら単調増加関数であると判定して終了する。ま
た、 f(x1 )>f(x2 ) となる場合があったら単調増加関数ではないと判定す
る。
【0051】図4〜図6は実施例におけるフローチャー
トであり、サンプルデータを入力した後の検量線計算モ
ードの制御動作を示している。なお、この実施例では、
前記の方法でF検定を行なうようにしている。
【0052】検量線計算モードに入ると、先ずステップ
S1で使用者によるモードの指定を監視し、モードの指
定があると、ステップS2で次数入力による次数指定モ
ードまたは自動選択モードの何れが指定されているかを
判定し、次数指定モードが指定されていれば、ステップ
S3で回帰分析を行なって指定された次数の回帰式を計
算し、図5のステップS15に進む。
【0053】ステップS2で自動選択モードが選択され
ていれば、ステップS4でサンプルデータ数Nが11以
上であるか否かを判定し、N≧11でなければステップ
S5で回帰分析を行なって一次の回帰式を計算して図5
のステップS16に進む。
【0054】また、ステップS4でN≧11であれば、
ステップS6で回帰分析を行なって一次式から三次式ま
での回帰式を計算し、さらに一次式から三次式までの回
帰からの各バラツキσ1 ,σ2 ,σ3 を求めてステップ
S7に進む。
【0055】ステップS7では、小数点以下4桁までの
有効数字について、 σ1 −1.6157×σ2 ≧0 であるか否かを判定し、判定が“YES”のときは適正
な二次回帰式が存在しているとしてステップS8に進
み、判定が“NO”のときは適正な二次回帰式が存在し
ていないとしてステップS9に進む。
【0056】ステップS8では、小数点以下4桁までの
有効数字について、 σ2 −1.6157×σ3 ≧0 であるか否かを判定し、判定が“YES”のときは適正
な三次回帰式が存在しているとしてステップS10に進
み、判定が“NO”のときは適正な三次回帰式が存在し
ていないとしてステップS11に進む。
【0057】また、ステップS9では、ステップS8と
同様の判定を行なって、判定が“YES”のときは適正
が三次回帰式が存在しているとしてステップS12に進
み、判定が“NO”のときは適正が三次回帰式が存在し
ていないとして図5のステップS16に進む。
【0058】ステップS10では、一次式から三次式ま
でが存在するので、一次式から三次式の各回帰式を変数
ωの“1”〜“3”の各値に対応つけて記憶し、ステッ
プS13でω=3とおいて図5のステップS15に進
む。
【0059】ステップS11では、一次式と二次式が存
在するので、一次式および二次式の各回帰式を変数ωの
“1”,“2”の値に対応つけて記憶し、ステップS1
4でω=2とおいて図5のステップS15に進む。
【0060】また、ステップS12では、一次式と三次
式が存在するので、一次式および三次式の各回帰式を変
数ωの1,2の値に対応つけて記憶し、ステップS14
でω=2とおいて図5のステップS15に進む。
【0061】以上のステップS13またはステップS1
4までの処理により、自動選択モードのときの回帰式に
ついてのF検定が終了し、サンプルデータに対して適正
な回帰式が得られる。
【0062】図5において、ステップS15では、検定
する回帰式、すなわち、変数ωの値に対応する回帰式ま
たはステップS3で計算された回帰式が一次式であるか
否かを判定し、一次式であればステップS16に進み、
一次式でなければステップS19に進む。なお、ステッ
プS13およびステップS14の後では変数ωの値に対
応する回帰式は二次式か三次式の何方かであるので、ス
テップS15の処理を行なわないでステップS19の処
理に進むようにしてもよい。
【0063】ステップS16では、回帰式の一次の係数
a(Y=a・X+b)が正であるか否かを判定し、正で
あればステップS17で検定を終了して一次の回帰式を
検量線の式として表示器5に表示する。また正でなけれ
ばステップS18でキャリブレーション異常の警告、サ
ンプルデータ(キャリブレーションデータ)の再入力指
示およびモード変更の表示を表示器5に行い終了する。
【0064】以上のステップS16およびステップS1
7の処理により、一次式についての単調増加関数の検定
が終了する。
【0065】ステップS15で一次式でなければ、ステ
ップS19でサンプルデータから吸光度最小値MINと
吸光度最大値MAXを求め、ステップS20でα,βを
計算して検定を行なう範囲を決める。
【0066】次に、ステップS21で区間の幅β−αを
計算して β−α≧0.0100 であるか否かを判定し、判定が“NO”であればステッ
プS22で吸光度の最小値である0.0001をγとおいて図
6のステップS24に進む。また、判定が“YES”で
あればステップS23で小数点以下4桁までの有効数字
について区間[α,β]を100分割してγの値をセッ
トして図6のステップS24に進む。
【0067】図6において、ステップS24では変数n
を1にセットし、ステップS25で、nの値に応じて小
数点以下3桁までの有効数字について、 f(x2 )−f(x1 )≧0 但し、f(x1 )=f(α+γ・(n−1)) f(x2 )=f(α+γ・n) であるか否かを判定し、判定が“NO”であればステッ
プS29に進み、判定が“YES”であればステップS
26でnを1増加させてステップS27の判定を行な
う。
【0068】ステップS27では、小数点以下4桁の有
効数字について β−x2 ≧0 であるか否かの判定を行い、判定が“YES”であった
らステップS25に戻り、判定が“NO”であったら、
ステップS28で検定を終了して次数指定モードの場合
には指定された次数での回帰結果(回帰式)を表示し、
自動選択モードでは検定の終了した次数での回帰結果す
なわち現在のωの値に対応する回帰式を表示する。ま
た、この回帰式の各係数を記憶することにより検量線の
式を設定する。
【0069】ステップS29では、自動選択モードであ
るか次数指定モードであるかを判定し、自動選択モード
の場合はステップS31に進み、次数指定モードの場合
にはステップS30でキャリブレーション異常の警告、
次数の再指定指示およびモード変更の表示を表示器5に
行い終了する。
【0070】ステップS31ではωを1だけ減少させ、
ステップS32でω=1であるか否かを判定し、ω=1
でなければステップS24に戻り、ωの値に対応した次
数の検量線について単調増加性の判定を行なう。ω=1
であれば図5のステップS16に戻る。
【0071】以上のステップS19〜ステップS32の
処理により、次数指定モードおよび自動選択モードにお
ける高次の回帰式についての単調増加性の検定が終了す
る。
【0072】次表2はサンプルデータの一例であり、こ
の20点(N=20)のデータについて回帰分析を行な
ったところ、図7(A),(B)および図8のような一
次から三次までの回帰式が得られた。
【表2】
【0073】また、上表2のサンプルデータに対して自
動選択モードで検量線の式を求めたところ、図7(A)
および次式の回帰式が検量線の式として得られた。 Y=3.4790+83.3353 ×X
【0074】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、試
料に照射した赤外線に対する試料による吸光度と検量線
の式とに基づいて試料の水分値を測定するようにした赤
外線水分測定装置において、吸光度と試料の実測水分値
との複数のサンプルデータに基づいて吸光度と水分値と
の関係を示す一次から高次までの回帰式を求め、サンプ
ルデータに対する回帰式の適否を検定するとともに回帰
式が吸光度に対して単調増加関数となるかを判定し、サ
ンプルデータに対して適正な回帰式であって最高次でか
つ吸光度に対して単調増加関数となる回帰式を検量線の
式として設定するようにしたので、実測水分値と吸光度
のサンプルデータに対して適正でかつ水分測定の測定原
理に合った検量線を自動的に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の赤外線水分測定装置における制
御部の機能ブロック図である。
【図2】実施例の赤外線水分測定装置のブロック図であ
る。
【図3】実施例におけるパネルスイッチを示す図であ
る。
【図4】実施例におけるフローチャートの一部であり、
主にF検定の部分を示すフローチャートである。
【図5】実施例におけるフローチャートの一部であり、
主に一次式の単調増加性の判定と高次式の単調増加関数
判定範囲を設定する部分を示すフローチャートである。
【図6】実施例におけるフローチャートの一部であり、
主に高次式の単調増加性の判定を行なう部分を示すフロ
ーチャートである。
【図7】実施例における回帰結果の一例を示す図であ
る。
【図8】適正でない検量線の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 光学系 2 アナログ処理回路 3 A/Dコンバータ 4 制御部 5 表示器 6 パネルスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 賢治 神奈川県平塚市黒部丘1番31号 日本たば こ産業株式会社生産技術開発センター内 (72)発明者 小田 憲人 静岡県三島市徳倉2丁目16番12号 株式会 社イーオス内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線の吸光度と水分値との関係を示す
    検量線の式が設定可能であって、試料に照射した赤外線
    の該試料による吸光度と上記検量線の式とに基づいて試
    料の水分値を測定するようにした赤外線水分測定装置に
    おいて、 前記吸光度と該吸光度を示す試料の実測水分値との複数
    のサンプルデータに基づいて吸光度と水分値との関係を
    示す一次から高次までの回帰式を求める回帰式演算手段
    と、 前記サンプルデータに対する前記回帰式の適否を検定し
    て適正な回帰式を選別する検定手段と、 前記回帰式が吸光度に対して単調増加関数となるかを判
    定する単調増加性判定手段と、 前記回帰式演算手段で求められた回帰式のうちサンプル
    データに対して適正な回帰式であって最高次でかつ吸光
    度に対して単調増加関数となる回帰式を前記検量線の式
    として設定する検量線設定手段、とを備えたことを特徴
    とする赤外線水分測定装置。
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