JP3210942B2 - ガス濃度検出方法 - Google Patents

ガス濃度検出方法

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JP3210942B2 JP32987295A JP32987295A JP3210942B2 JP 3210942 B2 JP3210942 B2 JP 3210942B2 JP 32987295 A JP32987295 A JP 32987295A JP 32987295 A JP32987295 A JP 32987295A JP 3210942 B2 JP3210942 B2 JP 3210942B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線分析計等で
実施されるガス濃度検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル方式の赤外線分析計の構成例
を図9に示す。測定器1の比較用の検出器から出力され
るリファレンス信号Rと測定用の検出器から出力される
サンプル信号Sは、それぞれAD変換器2,2でディジ
タル信号に変換されてからマイクロコンピュータ3に入
力される。マイクロコンピュータ3では、これらのリフ
ァレンス信号Rとサンプル信号Sに基づいて数1の演算
を行うことにより濃度検出値Aを算出する。
【数1】 また、この濃度検出値Aは、数2の演算を行うことによ
りフルスケール100%換算値fs %(以下単に「換算
値fs %」という)に変換される。
【数2】 ここで、濃度検出値A0 は、測定器1の検出部にゼロガ
スをセットしたときの濃度検出値Aであり、濃度検出値
max は、測定器1の検出部にその測定レンジでの最大
のガス濃度の試料ガスをセットしたときの濃度検出値A
を示す値である。そして、これらは予め校正処理によっ
て各測定器1ごとに求めておく。このように検出器の出
力をそのまま演算した濃度検出値Aを、数2によって測
定レンジ内の割り合いを表す換算値fs %に変換する
と、測定器1ごとに異なる検出器の特性のバラツキ等に
影響されることのない濃度検出データを得ることができ
る。なお、測定器1からは試料ガスの圧力prと温度の
信号も出力され、それぞれAD変換器2,2を介してマ
イクロコンピュータ3に入力されるようになっている。
【0003】マイクロコンピュータ3では、検量線を用
いて上記換算値fs %をこれに対応する実際のガス濃度
concに変換してから、DA変換器4によってアナロ
グ信号の濃度信号に変換し測定結果として出力するよう
になっている。また、圧力prの信号もDA変換器4に
よってアナログ信号に変換してから圧力信号として出力
する。換算値fs %や濃度検出値Aとガス濃度conc
や試料ガスの圧力prとの対応関係は、直線的であるこ
とが理想であるが、実際には密閉された検出部内での分
子運動の制約等から、ガス濃度concや圧力prが高
くなるほど換算値fs %や濃度検出値Aの変化が乏しく
なる弓なり状の曲線的な特性を有するので、予め求めて
おいた検量線を用いてこの換算値fs %を実際のガス濃
度concに変換する必要が生じる。従って、この検量
線は、ガス濃度concと換算値fs %との対応関係を
示す関数としてマイクロコンピュータ3に設定されたも
のである。
【0004】ところで、ガス濃度concと濃度検出値
Aとの対応関係は、図10に示すように、ガス濃度co
ncが高くなるほど曲線の傾きが小さくなる弓なり状の
特性曲線を示すと共に、試料ガスの圧力prの大きさに
よってもこの特性曲線が大きく相違する。例えば、図1
0では、圧力pr1 〜圧力pr5 の順に高圧となる5段
階の圧力prにおける各特性曲線を例示しているが、こ
れらは相似形ではなく曲線の曲がり具合もそれぞれ異な
る。そして、ガス濃度concと換算値fs %との対応
関係を示す検量線についても、図11に示すように、圧
力prに応じて高圧の圧力pr5 に近づくほど曲率が大
きい特性曲線となる。このため、従来は、試料ガスの検
量線を適宜間隔の圧力prごとに別個に作成する必要が
あった。また、これらの各検量線は、既知の複数のガス
濃度concにおける換算値fs%の値を予め実際に測
定し、これらの測定結果の複数の点を結ぶ高次多項式の
関数を求めることにより作成していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来は、上
記のように検量線を試料ガスの圧力prごとに作成する
ので、予め検量線が用意された圧力prでしか測定を行
うことができないという問題が生じていた。
【0006】また、通常の高次多項式の関数は、図12
に示すように、曲線の傾きの変化の傾向が変わる変曲点
を多く含む凹凸の多い曲線となるだけでなく、補間部分
に思わぬ起伏が生じるおそれがある。従って、このよう
な高次多項式の関数を用いた検量線では、変曲点等の部
分を使用しないように種々の制約が加わるので、測定が
面倒になるという問題もあった。
【0007】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、直角双曲線等を用いて測定時の圧力に応じた
検量線を作成することにより、任意の圧力での測定を可
能にすると共に、変曲点のない検量線によって容易に測
定を行うことができるガス濃度検出方法を提供すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、上記課
題を解決するために、測定時の試料ガスの圧力に応じ
た検量線に基づいて、この試料ガスの濃度検出データに
対応する実際のガス濃度を求めるガス濃度検出方法にお
いて、試料ガスの複数段階のガス濃度ごとに設定された
既定の関数であって、各ガス濃度における試料ガスの圧
力と濃度検出データとの関係を示す関数に基づき、測定
時の試料ガスの圧力における各段階のガス濃度での濃度
検出データをそれぞれ算出する濃度検出データ算出工程
と、測定範囲内で連続し変曲点を生じない曲線を描く係
数が未定の所定の関数について、複数段階のガス濃度に
おけるその関数の各値が濃度検出データ算出工程で算出
した各濃度検出データにそれぞれ近似する係数を定める
ことにより、この関数を検量線として作成する検量線作
成工程とを備えたことを特徴とする。
【0009】の手段によれば、予め定められた各所定
圧力ごとに検量線が用意されているのではなく、測定時
の圧力に応じた検量線をその都度作成するので、試料ガ
スを任意の圧力で測定することができる。しかも、この
検量線は、濃度検出データ算出工程で算出した各濃度検
出データを全て結ぶ曲線ではなく、適宜の関数の係数を
調整してこれら各濃度検出データの近傍を通過するよう
に近似させた曲線を用いるので、高次多項式のような複
雑な関数を用いる必要がなくなる。従って、この検量線
の関数として単純なものを用いることにより、容易に測
定範囲内に変曲点が生じないようにすると共に、演算処
理を簡単にすることができる。
【0010】また、前記の検量線作成工程が作成す
る検量線の関数が直角双曲線を描く関数であることを特
徴とする。
【0011】の手段によれば、検量線として変曲点が
なく計算も容易な直角双曲線を用いるので、簡単に精度
の良い測定を行うことができるようになる。しかも、こ
のガス濃度検出方法における検量線は、ガス濃度が高く
なるに従って単調増加すると共に、このガス濃度が高く
なるほど増加率が低くなって変化の割り合い(曲線の曲
率)も小さくなる特性を必要とするが、直角双曲線はこ
れらの条件を備えた曲線部分を有するので、本来の検量
線を良好に近似させることができる。特に、ボイルシャ
ルルの法則によれば、閉じられた体積V内の圧力Pの変
化は「PV=一定」の直角双曲線で表されるので、高次
多項式に比べればより実際の物理現象に近い特性を提供
する可能性が高くなる。
【0012】さらに、前記の検量線作成工程が作成
する検量線の関数が指数関数(対数関数)であることを
特徴とする。
【0013】の手段によれば、検量線として変曲点が
なく計算も比較的容易な指数関数(対数関数)を用いる
ので、簡単に精度の良い測定を行うことができるように
なる。しかも、この指数関数(対数関数)も、直角双曲
線と同様に、ガス濃度検出方法における検量線の条件に
適合する曲線部分を有するので、本来の検量線を良好に
近似させることができる。特に、光の吸収に伴うLam
bertの法則は指数(対数)関数で表されるので、高
次多項式に比べればより実際の物理現象に近い特性を提
供する可能性が高くなる。なお、この指数関数(対数関
数)の近似計算は、実際には適宜公知の近似計算手法を
用いる。
【0014】さらに、前記〜の検量線作成工程が
最小2乗法により関数の近似を行うものであることを特
徴とする。
【0015】の手段によれば、最小2乗法によって濃
度検出データ算出工程で算出した各濃度検出データと検
量線上の値との差の2乗が最小となるように検量線の関
数を近似するので、最も実用的で有効な近似を行うこと
ができる。
【0016】さらに、ガス濃度が既知の試料ガスにつ
いて測定を行うことによりガス濃度のゼロ時と測定レン
ジの最大時における濃度検出データを求める校正工程を
予め実行すると共に、前記〜の濃度検出データ算出
工程と検量線作成工程で用いる濃度検出データを、この
ゼロ時と最大時の間の割り合いで表した換算値とし、試
料ガスの圧力と濃度検出比との関係を示す所定の関数に
基づき、校正工程での圧力における濃度検出比と実際の
測定時の圧力における濃度検出比との比により、前記検
量線に基づいて求めた実際のガス濃度を補正する補正工
程を有することを特徴とする。
【0017】実際の測定機器では、検出器の特性のバラ
ツキ等により相対的な測定しかできない。そこで、の
手段に示すように、予め校正工程によってガス濃度のゼ
ロ時と最大時における濃度検出データを測定しておき、
濃度検出データ算出工程と検量線作成工程における濃度
検出データをこのゼロ時と最大時との間の濃度検出デー
タに対する割り合いである換算値で表すようにすれば、
機器ごとに検量線の作成のためのデータを変更又は調整
する必要がなくなり、全ての機器で共通に設定すること
ができるようになる。ただし、このような校正を行う場
合には、校正時と測定時の圧力の相違を補正するための
補正工程を実行する必要が生じる。
【0018】なお、濃度検出データ算出工程で用いる既
定の関数や、補正工程での試料ガスの圧力に対する濃度
検出データの変化率を表す関数についても、直角双曲線
を描く関数を用いることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0020】図1乃至図8は本発明の一実施形態を示す
ものであって、図1は測定処理の工程を示すブロック
図、図2はP5の検量線作成工程の詳細を示すブロック
図、図3はP11での換算値算出工程の動作を説明する
ための圧力prと換算値fs %との関係を示すグラフ、
図4はP12の最小2乗法による検量線の作成工程の動
作を説明するためのガス濃度concと換算値fs %と
の関係を示すグラフ、図5はガス濃度concと換算値
s %との関係を近似する直角双曲線の性質を説明する
ためのグラフ、図6はP6において濃度検出比fs _r
atioを算出するための圧力prと濃度検出比fs _
ratioとの関係を示すグラフ、図7はゼロ校正処理
の工程を示すブロック図、図8はスパン校正処理の工程
を示すブロック図である。
【0021】本実施形態のガス濃度検出方法は、図9に
示したものと同じハードウエア構成の赤外線検出器に用
いる場合について説明する。このガス濃度検出方法にお
ける測定処理の工程を図1に基づいて説明する。測定器
1の試料用の検出部に試料ガスがセットされると、マイ
クロコンピュータ3は、まず最初の工程(以下「P」と
いう)1において、AD変換器2,2を介しリファレン
ス信号Rx とサンプル信号Sx からなる濃度信号を読み
込む。次に、これらリファレンス信号Rx とサンプル信
号Sx に基づいて数3の演算を行うことにより濃度検出
値Ax を算出すると共に(P2)、
【数3】 この濃度検出値Ax に基づいて数4の演算を行うことに
よりフルスケール100%換算を行い換算値fs x
算出する(P3)。
【数4】 なお、この数4で用いる濃度検出値A0 と濃度検出値A
max は、後に説明する校正処理によってマイクロコンピ
ュータ3内に予め記憶しておいたデータである。また、
P1での濃度信号の読み込みとほぼ同時に、AD変換器
2を介し試料ガスの圧力prx のデータが読み込まれる
(P4)。そして、この圧力prx のデータに基づいて
検量線が作成されると共に(P5)、測定時の濃度検出
比fs _ratiomeasが算出される(P6)。
【0022】上記P5の検量線の作成工程は、数5に示
す直角双曲線の関数の係数a1 ,b1 ,c1 を決定する
ことにより検量線を作成するものである。
【数5】 即ち、図2に示すように、まず圧力prx に基づいて換
算値fs 1 〜fs nを算出する(P51)。これら
の換算値fs 1 〜fs n は、数6に示す直角双曲線
の関数を用いて算出される。
【数6】 また、この数6の関数の係数a2 ,b2 ,c2 は、測定
対象となる試料ガスの種類と各試料ガスの測定レンジご
とに、3〜6段階の各ガス濃度concについてそれぞ
れ予め定められてマイクロコンピュータ3内に記憶され
ている。例えば、一酸化炭素計(以下、CO計とする)
の20%レンジでは、表1に示すように、6段階の各ガ
ス濃度concごとにそれぞれ係数a2 ,b2 ,c2
定められている。
【表1】 また、CO計の10%レンジでは、表2に示すように、
3段階の各ガス濃度concごとにそれぞれ係数a2
2 ,c2 が定められ、
【表2】 二酸化炭素計(以下、CO2 計とする)の20%レンジ
と10%レンジにおいても、表3と表4に示すように、
6段階と3段階の各ガス濃度concごとにそれぞれ係
数a2 ,b2 ,c2 が定められている。
【表3】
【表4】 図11に示したように、ガス濃度concと換算値fs
%との対応関係を示す検量線は、試料ガスの圧力prの
大きさによって曲率が異なる特性曲線となるので、ある
特定のガス濃度conci における換算値fs %は、圧
力prの大きさに応じて変化する。そして、この数6の
直角双曲線の関数は、圧力prに応じた換算値fs %の
変化を近似して予め設定しておいたものである。
【0023】CO計の20%レンジの測定の場合を例示
して上記P51による換算値算出工程の具体的処理内容
を説明する。CO計の20%レンジでは、数6の係数a
2 ,b2 ,c2 を表1に示した6種類の値にそれぞれ定
めることにより、数7に示す6種類の直角双曲線の関数
を得る。
【数7】 そして、これら6種類の関数の圧力prに測定時の圧力
prx を代入することにより6種類の換算値fs%1
s %6を算出する。つまり、図3に示すように、圧力
prx のときの各関数の値を換算値fs 1 〜fs 6
として求める。
【0024】上記のようにしてP51により換算値fs
1 〜fs n が算出されると、数5の直角双曲線の関
数がこれらの換算値fs 1 〜fs n とガス濃度がゼ
ロの場合及び測定レンジの最大値の場合の換算値fs
とに近似するように、最小2乗法を用いて係数a1 ,b
1 ,c1 を定める(P52)。例えば、上記CO計の2
0%レンジの場合には、図4に示すように、数5の関数
が描く直角双曲線が点(3.37,fs 1 )〜点(15.59
4,fs 6 )の6点と固定点(0 ,0 )及び固定点(2
0,100 )とに最も近似するように係数a1 ,b1 ,c
1 を定める。そして、このようにして係数a1 ,b1
1 を定めた数5の関数が検量線となる。
【0025】最小2乗法による近似は、例えば数8に示
す直角双曲線に近似させる場合、
【数8】 データ点列を(x1 ,y1 )とすると共に、直角双曲線
上の1点を(x0 ,y0)として、数9とすると、
【数9】 数10となるので、
【数10】 数11とすれば、
【数11】 数12に示す直線近似に帰結する。
【数12】 そして、この直線の傾きから係数bが求まり、定数項か
ら係数aが求まる。また、係数cは、数13の計算によ
って求めることができる。
【数13】
【0026】例えば、A50を数14に示すY軸上の各
値のリストとし、
【数14】 prを数15に示すX軸上の各値のリストとして、
【数15】 数16において、
【数16】 数17の行列演算を解くことによりA,Bを求める。
【数17】 そして、数18によって係数a,b,cを算出すれば、
数8の直角双曲線を近似させることができる。
【数18】 ここで例示した計算の各値は、数19に示すものとな
り、
【数19】 この結果、係数a,b,cは数20に示す値となるの
で、
【数20】 近似された直角双曲線は、数21に示すものとなる。
【数21】
【0027】上記数5に示す関数は、図5に示すよう
に、ガス濃度conc=a1 と換算値fs %=b1 とか
らなる直交する2直線を漸近線とする直角双曲線を描く
ものである。そして、係数a1 ,c1 を負の値とし係数
1 を正の値とすると、ガス濃度concと換算値fs
%の正の領域において、ガス濃度concに従い単調増
加すると共に、このガス濃度concが高くなるほど増
加率が低くなって変化の割り合い(曲線の曲率)も小さ
くなる特性を示すものとなる。従って、この直角双曲線
は、検量線としての条件に適合して、本来の物理現象に
沿った特性を示し得るものとなる。なお、P52では、
数5に示す直角双曲線の関数を得ると共に、これと互い
に逆関数となる数22の関数も同時に得ることができ
る。
【数22】
【0028】上記P5のP52で作成された検量線に、
上記P3で算出された濃度検出値Ax の換算値fs x
を代入することにより、数23の計算を行ってガス濃度
concx を算出する(P7)。
【数23】 ここで、P3において濃度検出値Axを換算値fs x
に変換する際に、校正処理によって算出した濃度検出値
0 と濃度検出値Amax を利用するので、このガス濃度
concx は、校正時と測定時の圧力prの相違に基づ
く誤差が含まれる。そこで、この誤差を補正するため
に、上記のように、P6で圧力prx に基づき測定時の
濃度検出比fs _ratiomeasが算出される。即ち、
このP6では、数24に示す直角双曲線の関数を用いて
濃度検出比fs _ratioを計算する。
【数24】 また、この数24の関数の係数a3 ,b3 ,c3 は、測
定対象となる試料ガスの種類と測定レンジごとに予め定
められてマイクロコンピュータ3内に記憶されている。
例えば、CO計とCO2 計の20%レンジと10%レン
ジでの係数a3 ,b3 ,c3 の各値は表5に示すように
定められ、
【表5】 試料ガスの種類と測定レンジに応じて、数25に示す4
種類の関数のいずれか1つを用いることになる。
【数25】 濃度検出比fs _ratioは、大気圧に対する各圧力
prでの濃度検出値Aの比であるため、これら数25の
関数は、図6に示すように、大気圧の場合に濃度検出比
s _ratioがほぼ1となり、圧力prが上昇する
に従って濃度検出比fs _ratioの値が単調増加す
るものとなる。
【0029】上記のようにして試料ガスの種類と測定レ
ンジごとに係数a3 ,b3 ,c3 が定まった数24に、
測定時の圧力prx を代入すると、数26に示すように
測定時の濃度検出比fs _ratiomeasが算出され
る。
【数26】 そして、このP6で算出した濃度検出比fs _rati
measは、後に説明する校正処理によってマイクロコン
ピュータ3内に記憶しておいた濃度検出比fs _rat
iocal と共に、ガス濃度の補正工程に送られる(P
8)。また、このガス濃度の補正工程には、P7で算出
したガス濃度concx も送られる。
【0030】そして、数27の演算を行うことにより、
ガス濃度concx を補正してガス濃度concxmに変
換する。
【数27】 ここで、濃度検出比fs _ratiocal は、図6に示
すように、校正時の圧力prs における濃度検出比fs
_ratioである。従って、数27でこれら濃度検出
比fs _ratiomeasと濃度検出比fs _ratio
cal との比によってガス濃度concx を割ると、校正
時と測定時の圧力prの相違によるガス濃度concx
の誤差を補正し、より正確なガス濃度concxmを得る
ことができる。
【0031】上記測定処理の動作は、リファレンス信号
x やサンプル信号Sx と圧力prx 等のデータがAD
変換器2でサンプリングされる度にリアルタイムに実行
される。そして、これにより試料ガスの温度やこの温度
に伴う圧力prx の変化の影響を除去したガス濃度co
ncxmを連続的に測定することができる。
【0032】次に、本実施形態のガス濃度検出方法にお
ける校正時の工程を説明する。校正処理は、測定処理に
先立って実行されるものである。この校正処理のうちの
ゼロ校正処理は、図7に示すように、測定器1の検出部
にゼロガスをセットして、リファレンス信号R0 とサン
プル信号S0 からなる濃度信号を読み込む(P11)。
次に、これらリファレンス信号R0 とサンプル信号S0
に基づいて数28の演算を行うことにより濃度検出値A
0 を算出する(P12)。
【数28】
【0033】この校正処理のうちのスパン校正処理は、
図8に示すように、測定器1の検出部にガス濃度が既知
のスパンガスをセットして、リファレンス信号Rs とサ
ンプル信号Ss からなる濃度信号を読み込むと共に(P
21)、これらリファレンス信号Rs とサンプル信号S
sに基づいて数29の演算を行うことにより濃度検出値
s を算出する(P22)。
【数29】 また、P21での濃度信号の読み込みとほぼ同時に、ス
パンガスの圧力prs のデータを読み込む(P23)。
そして、この圧力prs のデータに基づいて検量線が作
成されると共に(P24)、校正時の濃度検出比fs _
ratiocal が算出される(P25)。
【0034】上記P24では、スパンガスの圧力prs
について測定処理のP5に示したものと同じ工程を実行
することにより検量線を作成する。ただし、このスパン
校正処理では、検量線を数5の関数ではなく、数22の
逆関数の形で作成する。そして、この検量線に基づいて
スパンガスの既知のガス濃度spnに対応する換算値f
s s を算出する(P26)。ガス濃度spnは、ポテ
ンショメータの設定やシリアル通信によって読み込まれ
る。また、このガス濃度spnを数22のガス濃度co
ncに代入して、数30の計算を行うことにより換算値
s s を算出する。
【数30】
【0035】上記P26で算出された換算値fs
s は、数2に示したフルスケール100%換算の定義か
ら、上記P22で算出された濃度検出値As とゼロ校正
処理のP12で算出された濃度検出値A0 と濃度検出値
max との間に数31の関係を有するので、
【数31】 これを書き換えた数32の計算によってこの濃度検出値
max を算出する(P27)。
【数32】 この濃度検出値Amax は、その測定レンジにおける最大
のガス濃度concのときに濃度検出値Aが示す値を予
測したものである。また、上記P25では、測定処理の
P6に示したものと同じ工程で、数33の演算を行うこ
とにより校正時の濃度検出比fs _ratiocal が算
出される。
【数33】 そして、ゼロ校正処理で求めたゼロガスの濃度検出値A
0 と、スパン校正処理で求めた濃度検出値Amax とこの
校正時の濃度検出比fs _ratiocal がマイクロコ
ンピュータ3内に記憶されると共に、上記のように測定
処理時に読み出して使用される。
【0036】上記測定処理のP3で数4において濃度検
出値Ax をフルスケール100%換算して換算値fs
x に変換するためには、予めこの校正処理によって濃度
検出値A0 と濃度検出値Amax を定めておく必要があ
る。ここで、濃度検出値Ax は、測定器1の光源や検出
器の特性に加えて電気系統の他の素子の特性の影響も受
けるために、機器ごとにバラツキが生じ得る濃度検出デ
ータである。しかし、これを換算値fs x に変換する
ことにより、機器間のバラツキに影響されない濃度検出
データとすることができる。従って、濃度検出値Ax
このような換算値fs x に変換することにより、機器
間で共通するデータに基づいて作成した検量線を用いて
ガス濃度concx を求めることができるようになる。
即ち、濃度検出値Ax から直接ガス濃度concx を求
める場合には、表1〜表4に示した係数a1 ,b1 ,c
1 のデータを機器ごとに調整する必要が生じるが、フル
スケール100%換算を行えば、この係数a1 ,b1
1 のデータを共通にしておき、校正処理により機器間
のバラツキを調整することができる。ただし、このよう
な校正処理による調整を行う場合には、校正処理時の圧
力prs と測定処理時の圧力prx との相違による誤差
を補正するために、P8によるガス濃度の補正処理が必
要となる。
【0037】以上説明したように、本実施形態のガス濃
度検出方法によれば、測定処理時に読み込んだ圧力pr
x の値に応じた検量線をその都度作成するので、試料ガ
スの圧力prx を制限されることなく任意の圧力prx
で測定することができるようになる。しかも、この検量
線は、数5に示すような直角双曲線の係数を調整して最
小2乗法により近似させたものであるため、測定範囲内
に変曲点が生じおそれがなくなり、測定が極めて容易と
なる。また、検量線としてこのような直角双曲線を用い
ることにより演算処理を簡単にすることもできる。この
ため、従来のように、高次多項式の検量線を用いた場合
には、浮動小数演算プロセッサを備えた高性能のMPU
[Micro Processor Unit]等を用いる必要が生じるが、本
実施形態のガス濃度検出方法では、比較的安価な1チッ
プマイクロコンピュータ等に浮動小数演算ライブラリを
組み込んだようなものを用いて、十分にリアルタイム処
理を行うことが可能となり、機器のコストダウンを図る
こともできる。
【0038】なお、本実施形態では、検量線だけでなく
全ての近似曲線に直角双曲線を用いたが、指数関数等の
他の関数を用いることも可能である。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のガス濃度検出方法によれば、測定時の圧力に応じた検
量線をその都度作成することができるので、試料ガスを
任意の圧力で測定することができる。また、この検量線
を簡単な関数で近似させることにより、容易に測定範囲
内に変曲点が生じないようにすることができ、しかも、
演算処理を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、測定
処理の工程を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すものであって、P5
の検量線作成工程の詳細を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態を示すものであって、P1
1での換算値算出工程の動作を説明するための圧力pr
と換算値fs %との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の一実施形態を示すものであって、P1
2の最小2乗法による検量線の作成工程の動作を説明す
るためのガス濃度concと換算値fs %との関係を示
すグラフである。
【図5】本発明の一実施形態を示すものであって、ガス
濃度concと換算値fs %との関係を近似する直角双
曲線の性質を説明するためのグラフである。
【図6】本発明の一実施形態を示すものであって、P6
において濃度検出比fs _ratioを算出するための
圧力prと濃度検出比fs _ratioとの関係を示す
グラフである。
【図7】本発明の一実施形態を示すものであって、ゼロ
校正処理の工程を示すブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態を示すものであって、スパ
ン校正処理の工程を示すブロック図である。
【図9】ガス濃度検出方法を実施する赤外線検出器の構
成を示すブロック図である。
【図10】圧力prに応じたガス濃度concと濃度検
出値Aとの関係の変化を示すグラフである。
【図11】圧力prに応じたガス濃度concと換算値
s %との関係の変化を示すグラフである。
【図12】従来例を示すものであって、高次多項式の関
数を用いて作成した検量線を示すガス濃度concと換
算値fs %との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
P5 検量線作成工程 pr 測定時の圧力 A 濃度検出値 fs % フルスケール100%換算値 g(fs %) 検量線 conc ガス濃度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定時の試料ガスの圧力に応じた検量線
    に基づいて、この試料ガスの濃度検出データに対応する
    実際のガス濃度を求めるガス濃度検出方法において、 試料ガスの複数段階のガス濃度ごとに設定された既定の
    関数であって、各ガス濃度における試料ガスの圧力と濃
    度検出データとの関係を示す関数に基づき、測定時の試
    料ガスの圧力における各段階のガス濃度での濃度検出デ
    ータをそれぞれ算出する濃度検出データ算出工程と、 測定範囲内で連続し変曲点を生じない曲線を描く係数が
    未定の所定の関数について、複数段階のガス濃度におけ
    るその関数の各値が濃度検出データ算出工程で算出した
    各濃度検出データにそれぞれ近似する係数を定めること
    により、この関数を検量線として作成する検量線作成工
    程とを備えたことを特徴とするガス濃度検出方法。
  2. 【請求項2】 前記検量線作成工程が作成する検量線の
    関数が直角双曲線を描く関数であることを特徴とする請
    求項1に記載のガス濃度検出方法。
  3. 【請求項3】 前記検量線作成工程が作成する検量線の
    関数が指数関数(対数関数)であることを特徴とする請
    求項1に記載のガス濃度検出方法。
  4. 【請求項4】 前記検量線作成工程が最小2乗法により
    関数の近似を行うものであることを特徴とする請求項1
    乃至請求項3のいずれかに記載のガス濃度検出方法。
  5. 【請求項5】 ガス濃度が既知の試料ガスについて測定
    を行うことによりガス濃度のゼロ時と測定レンジの最大
    時における濃度検出データを求める校正工程を予め実行
    すると共に、 前記濃度検出データ算出工程と検量線作成工程で用いる
    濃度検出データを、このゼロ時と最大時の間の割り合い
    で表した換算値とし、 試料ガスの圧力と濃度検出比との関係を示す所定の関数
    に基づき、校正工程での圧力における濃度検出比と実際
    の測定時の圧力における濃度検出比との比により、前記
    検量線に基づいて求めた実際のガス濃度を補正する補正
    工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の
    いずれかに記載のガス濃度検出方法。
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