JPH05185535A - バッテリー用トレイ - Google Patents

バッテリー用トレイ

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Publication number
JPH05185535A
JPH05185535A JP4004789A JP478992A JPH05185535A JP H05185535 A JPH05185535 A JP H05185535A JP 4004789 A JP4004789 A JP 4004789A JP 478992 A JP478992 A JP 478992A JP H05185535 A JPH05185535 A JP H05185535A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
tray
fiber
sheet
thermoplastic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4004789A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinobu Uzurano
吉信 鶉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP4004789A priority Critical patent/JPH05185535A/ja
Publication of JPH05185535A publication Critical patent/JPH05185535A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 長さが5〜30mmの繊維を用いた繊維強化熱可
塑性樹脂のシート状物の成形体であるバッテリー用トレ
イ1。 【効果】 曲げ強度が大きく、かつフック部の強度も大
きい。したがって繊維の使用量を従来の約1/2にする
ことが可能となり、軽量化、コストダウンをはかること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は短繊維による繊維強化熱
可塑性樹脂からなる成形用シートを用いて製造したバッ
テリー用トレイに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、とくに乗用車や小型の車のバッ
テリーは通常エンジンルームに搭載される。バッテリー
には金属を腐食する硫酸が使用されているので、エンジ
ンルーム内では水平にかつ移動しないようにしっかりと
固定せねばならないが、エンジンルーム内には通常床板
はなく、しかもエンジンをはじめとする装置類で一杯な
ので、バッテリーを収容する空間を生み出すにはいろい
ろの工夫がなされている。
【0003】最近では、エンジンルーム内のフレーム、
たとえばタイヤハウジングに支持具で固定したバッテリ
ー用トレイにバッテリーを載せ、トレイとバッテリーと
を固定する方法が多用されている。
【0004】このようなバッテリー用トレイには重量の
大きなバッテリーを支持するのに充分な強度と、バッテ
リー液の硫酸に耐える耐酸性を有することが要求され
る。
【0005】このような観点から、バッテリー用トレイ
としては、長繊維のガラス繊維で強化した熱可塑性樹脂
の成形用シート状物(一般にスタンパブルシートといわ
れている)、とくにガラス繊維ロービングで強化したポ
リプロピレン樹脂からなるスタンパブルシートを加熱後
所用枚数積層したものを金型に入れ、圧縮成形したもの
が使用されている。
【0006】図1はこのようにして成形されたガラス繊
維強化ポリプロピレン樹脂製のバッテリー用トレイを示
す斜視図、図2は図1のA−A線部分断面図、図3は該
バッテリー用トレイにバッテリーを載せ、固定した状態
を示す斜視図である。図1〜2において、1はバッテリ
ー用トレイであり、トレイ1は底部2と側壁3とからな
り、一対の相対する側壁の中央部には外方に突出するよ
うにフック4が形成されている。図3に示すように、バ
ッテリー5はトレイ1に載せられ、バッテリー5の上面
に差し渡した押さえ板6とトレイ1とを、フックボルト
7および押さえ板固定用ナット8で締め付けることによ
って固定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記のごとくバッテリ
ー5を押さえ板6とフックボルト7、ナット8とでトレ
イに固定したばあい、トレイ側壁3のフック4の取付部
付近には常に引っ張り応力が集中することになる。とこ
ろで、急発進、急停車、急旋回などの際にはさらに大き
な応力がこの場所に加わり、それがたび重なるとフック
部の破壊につながるばあいがある。図1、2における9
はこのような破損しやすい個所を示す。
【0008】本発明者はその原因を究明すべく鋭意研究
を重ねた結果、その原因が前記スタンパブルシートの成
形時に型端部にガラス繊維の蛇行による内部欠陥が生じ
るためであることが判明した。すなわち、図4に示すご
とく型端部にガラス繊維リッチ部10と樹脂リッチ部11が
発生し、応力は樹脂リッチ部に集中する。その結果、樹
脂リッチ部とガラス繊維リッチ部との界面で初期破壊が
発生する。初期破壊はガラス繊維に沿って伝波するとと
もに、樹脂内部でも伝波し、最終的には樹脂リッチ部の
なかでもとくに外部応力が集中する前記フック取り付け
部付近の破壊につながる。
【0009】前記の点に鑑みて本発明は、応力の集中が
すくなく長期間の実用によっても破壊の危険のない、軽
量かつコストの低いバッテリー用トレイを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は長さが5〜30mm
の短繊維を含有する繊維強化熱可塑性樹脂のシート状物
の成形体であることを特徴とするバッテリー用トレイに
関する。
【0011】
【作用】本発明のバッテリー用トレイは、長さが5〜30
mmの範囲の強化用繊維を用いた繊維強化熱可塑性樹脂か
らなるスタンパブルシートを使用しているので、型端部
に強化用繊維の蛇行による内部欠陥が発生せず、応力の
集中がない結果フック取付け部近傍の破壊が起こらない
ばかりか、曲げ強度も向上する。
【0012】
【実施例】本発明に使用される強化用繊維としては通常
はガラス繊維が用いられるが、マトリックス樹脂との親
和性がよく、酸に侵されないものであればガラス繊維以
外のものでもよく、たとえばカーボンファイバーなども
使用可能である。
【0013】前記繊維の長さは5〜30mmの範囲、とくに
10〜15mm程度が好ましい。繊維の長さが前記範囲を超え
ると、型端部に繊維の蛇行が起こりやすくなるので、前
記内部欠陥を生じやすくなり、逆に前記範囲に満たない
とフック部の強度が小さくなってバッテリー用トレイと
して使用できなくなる。
【0014】使用される繊維の太さは5〜30μmの範囲
が好ましい。
【0015】繊維の使用量は、使用する繊維の種類など
に応じて適宜変更しうるものであるが、本発明では従来
品より含有量を減らしても強度の大きなものがえらる。
製品の強度の点から、全重量の15〜50重量%の範囲、と
くに20〜40重量%程度が好ましい。
【0016】マトリックス樹脂としては、酸に強く、圧
縮成型が可能でかつ堅いものを選ぶことが必要である。
その例としてはポリオレフィン樹脂が適当で、分子量が
1×104 〜3×105 程度のポリプロピレン樹脂やその変
性物が最も好ましい。その他ポリアミド樹脂なども使用
可能である。
【0017】前記スタンパブルシートは従来から知られ
ている方法、たとえばポリプロピレン樹脂とガラス繊維
とを一旦懸濁液化したのち固形分を分離採取し、乾燥後
加熱プレスによってシート化してえられる。
【0018】本発明のバッテリー用トレイの製造は、ス
タンパブルシートを使用する従来法と同様にすればよ
く、たとえば前記スタンパブルシートを1枚あるいは必
要により複数枚積層したものを成形型を使用して圧縮成
形してえられる。
【0019】本発明の作用効果を一例をあげて示せば、
13mm程度のガラス繊維を使用した繊維強化ポリプロピレ
ン樹脂からなるスタンパブルシートを形成してえられた
バッテリー用トレイのばあい、ガラス繊維ロービングを
使用した従来品と較べ、1/2のガラス繊維含有量で従
来品と同等以上の強度を示す。
【0020】従って、本発明の繊維強化ポリプロピレン
樹脂製のバッテリー用トレイは、コスト、重量の点で従
来品に比べてはるかに優れたものである。
【0021】以下に具体例について本発明を説明する
が、本発明はこれのみに限定されるものではない。
【0022】実施例1 太さ10μm、長さ約13mmのガラス繊維を全重量に対して
20重量%含有するガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂か
らなる厚さ3mmのスタンパブルシートを210 ℃に加熱後
成形型に入れ、圧力150kgf/cm2 の下に成形して図1に
示す形状のバッテリー用トレイをえた。えられたバッテ
リー用トレイの肉厚は平均して2mmであった。えられた
バッテリー用トレイについて、その曲げ強度およびフッ
ク部の強度を測定した。
【0023】曲げ強度の測定はトレイの底部2(図1)
およびフック取付部付近の破損しやすい個所9(図1)
から曲げ強度試験用試料を切り出し、JISK7203-73 によ
り曲げ強度を測定することによって行なった。
【0024】フック部の強度測定はバッテリートレイを
治具に固定し、フック部を50mm/min の試験速度でひっ
ぱり、破壊時の力を測定することによって行なった。そ
れらの結果を表1に示す。
【0025】実施例2 実施例1と同じガラス繊維を全重量の40重量%含有する
ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂からなる厚さ3mmの
スタンパブルシートを、実施例1と同様に成形してバッ
テリー用トレイをえた。えられたバッテリー用トレイに
ついてフック部の強度を測定した。
【0026】比較例1 ガラスロービングを全重量の40重量%含有するガラス繊
維強化ポリプロピレン樹脂からなる厚さ3mmのスタンパ
ブルシートを用いて、実施例1と同様の操作によってバ
ッテリー用トレイをえ、曲げ強度およびフック部の強度
を測定した。結果を表1に示す。
【0027】比較例2 長さ2mmのガラス繊維を全重量の40重量%含有するガラ
ス繊維強化ポリプロピレン樹脂からなる厚さ3mmのスタ
ンパブルシートを用いて、実施例1と同様の操作によっ
てバッテリー用トレイをえ、曲げ強度およびフック部の
強度を測定した。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1から強化用ガラス繊維として、長さ13
ミリのものを使ったガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂
製バッテリー用トレイは、ガラスロ−ビングあるいは長
さが2mmの短いガラス繊維を使用したものにくらべて、
ガラス繊維含有量が約1/2で同等の強度がえられるこ
とがわかる。
【0030】
【発明の効果】本発明のバッテリートレイは型端部、一
般部共に曲げ強度が大きく、かつフック部の強度も大き
い。従って強化用繊維の使用量を従来の長繊維ないしは
ロービングを使用するばあいにくらべて約1/2にする
ことが可能となり、軽量化、コストダウンをはかること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッテリー用トレイの一実施例を示す
斜視図である。
【図2】図1のA−A線部分断面図である。
【図3】トレイにバッテリーを固定した状態を示す斜視
図である。
【図4】従来例のトレイにおける型端部に生じる内部欠
陥を示す説明図である。
【符号の説明】
1 トレイ 4 フック 5 バッテリー 10 ガラス繊維リッチ部 11 樹脂リッチ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 22:00 4F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さが5〜30mmの短繊維を含有する繊維
    強化熱可塑性樹脂からなるシート状物の成形体であるこ
    とを特徴とするバッテリー用トレイ。
  2. 【請求項2】 前記シート状物の短繊維含有率が15〜50
    重量%である請求項1記載のバッテリー用トレイ。
  3. 【請求項3】 前記短繊維がガラス繊維であり、かつ前
    記熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂からなる請求項1
    記載のバッテリー用トレイ。
JP4004789A 1992-01-14 1992-01-14 バッテリー用トレイ Pending JPH05185535A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4004789A JPH05185535A (ja) 1992-01-14 1992-01-14 バッテリー用トレイ

Applications Claiming Priority (1)

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JP4004789A JPH05185535A (ja) 1992-01-14 1992-01-14 バッテリー用トレイ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05185535A true JPH05185535A (ja) 1993-07-27

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ID=11593557

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JP4004789A Pending JPH05185535A (ja) 1992-01-14 1992-01-14 バッテリー用トレイ

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JP (1) JPH05185535A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6622809B2 (en) * 2001-01-12 2003-09-23 Suzuki Motor Corporation Battery fixing structure of a vehicle
CN103911014A (zh) * 2014-03-19 2014-07-09 淮南市金德实业有限公司 一种反光型玻璃钢锚杆托盘及生产方法

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6622809B2 (en) * 2001-01-12 2003-09-23 Suzuki Motor Corporation Battery fixing structure of a vehicle
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