JPH05185446A - 高分子量ポリメチルメタクリレートの成形物品およびその製造方法 - Google Patents

高分子量ポリメチルメタクリレートの成形物品およびその製造方法

Info

Publication number
JPH05185446A
JPH05185446A JP560292A JP560292A JPH05185446A JP H05185446 A JPH05185446 A JP H05185446A JP 560292 A JP560292 A JP 560292A JP 560292 A JP560292 A JP 560292A JP H05185446 A JPH05185446 A JP H05185446A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
molecular weight
polymethylmethacrylate
female
molded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP560292A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Matsumura
和浩 松村
Yoshio Tadokoro
義雄 田所
Kazuo Hinobeta
和夫 比延田
Nobuhiro Usui
信裕 臼井
Yoshiki Nishigaki
善樹 西垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP560292A priority Critical patent/JPH05185446A/ja
Publication of JPH05185446A publication Critical patent/JPH05185446A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】未閉鎖の雌雄金型間に溶融状態の重量平均分子
量が18万以上28万未満のポリメチルメタクリレート
を供給し、成形品投影面積あたりの型締力を150Kg
/cm2 以下として型締を行い加圧、冷却して成形され
た高分子量ポリメチルメタクリレートの成形物品。 【効果】複雑な形状を経済的に効率の良い方法で賦形さ
れ、かつ機械的強度、耐クレージング性などの性能の優
れた高分子量ポリメチルメタクリレートの成形物品を提
供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子量ポリメチルメ
タクリレートの成形物品に関する。くわしくは、高分子
量ポリメチルメタクリレートをプレス成形により成形す
ることにより得られる、耐クレージング性に優れ、且つ
外観の良好な成形物品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリメチルメタクリレートの成形
物品は、射出成形、押出成形、注入成形などで賦形され
る。注入成形とは、型内にメチルメタクリレートのモノ
マーと重合触媒を注入し加熱重合して賦形する方法であ
る。この方法で賦形された成形物品は、重量平均分子量
(Mw)が100万前後であることから、ポリメチルメ
タクリレートの成形物品の弱点であるクレージングに対
して優れた耐性を示すが、複雑な形状の成形物品を経済
的に効率よく成形するのは困難である。
【0003】複雑な形状の成形物品を経済的に効率よく
得るには、射出成形法が最も有効である。しかし、射出
成形法では溶融樹脂を閉塞された金型内に射出圧入する
ことから、樹脂の流動性が重視され、適用できる樹脂の
分子量に制限を受ける。すなわち、Mwが18万以上の
ポリメチルメタクリレートは溶融粘度が極めて高いた
め、射出成形機のノズル、金型のゲートなどでの剪断抵
抗による発熱により樹脂の分解が起こるとともに、製品
として必要な樹脂の流動長さも得にくい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、複雑な形状
を経済的に効率の良い方法で賦形され、かつ機械的強
度、耐クレージング性などの性能の優れた高分子量ポリ
メチルメタクリレートの成形物品に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、通常の射
出成形が不可能な領域の高分子量ポリメチルメタクリレ
ートの成形方法について鋭意検討した結果、プレス成形
を適用することにより上記課題を解決できることをみい
だし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、未閉鎖の雌雄金型間
に溶融状態の重量平均分子量が18万以上28万未満の
ポリメチルメタクリレートを供給し、成形品投影面積あ
たりの型締力を150Kg/cm2 以下として型締を行
い加圧、冷却して成形する高分子量ポリメチルメタクリ
レートの成形物品およびその製造方法である。
【0007】本発明において、ポリメチルメタクリレー
トとしては、重量平均分子量(Mw)が18万以上28
万未満のものを使用する。Mwが18万未満のものは通
常の射出成形が適用可能な領域の溶融粘度を有するが、
分子量が低いために注形法で賦形さた成形物品より性能
が劣り、特に耐クレージング性に問題がある。
【0008】一方、Mwが28万以上のものは、性能は
向上するものの溶融粘度が高過ぎて溶融成形が不可能で
ある。すなわち、複雑な形状の成形物品を経済的に効率
よく得ることができない。従って、本発明に好適なポリ
メチルメタクリレートのMwは、18万以上28万未満
であり、好ましくは、20万以上26万未満である。
【0009】本発明に使用されるポリメチルメタクリレ
ートは、メタクリル酸メチルを主成分として重合された
ものであり、耐熱性、成形性等を改良する目的で下記重
合性単量体を共重合させたものも含まれる。
【0010】重合性単量体としては、スチレン、ビニル
トルエン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブ
チル等の炭素数が1から20のアルコールのアクリル酸
エステル類、アクリロニトリル、マレイミド、置換マレ
イミド、アクリル酸等が挙げられ、これら単量体の1種
または2種以上を用いることができる。
【0011】また、本発明に用いられるポリメチルメタ
クリレートは、耐衝撃性を改良するための、ブタジエン
系、アクリル系、シリコン系等のゴム成分を含んでいて
もよい。
【0012】本発明の成形方法では、溶融状態にある高
分子量のポリメチルメタクリレート(以下、溶融樹脂と
いう)を未閉鎖の上下金型間に供給し、型締めを行い成
形物品を得る。通常は、型締動作を途中で停止または減
速して、上金型または下金型内に設けた樹脂通路からキ
ャビティ空間に溶融樹脂を供給する。
【0013】本発明で用いるポリメチルメタクリレート
は、Mwが高く溶融粘度も高いことから、外観の良い成
形物品を得るためには、キャビティクリアランス、型締
速度等の成形条件の設定が重要である。本発明における
一般的な成形条件を以下に説明する。
【0014】50〜105℃に加熱された雌雄一対の金
型の面から形成されるキャビティのクリアランスが(C
+0.1)以上(C+6)mm以下の間に雌または雄金
型内に設けた溶融樹脂通路を介して溶融樹脂供給口から
キャビティ空間に溶融樹脂を供給する。ここで、Cは賦
形完了時のキャビティクリアランス、すなわち、最終型
締時のクリアランスである。
【0015】供給する溶融樹脂の温度は、通常250〜
320℃とする。溶融樹脂の供給中は30mm/秒以下
の速度で型締めを行い、成形品投影面積あたり150K
g/cm2 以下の型締力で加圧冷却して成形することに
よって外観の良好な高分子量ポリメチルメタクリレート
の成形物品を得ることができる。また、溶融樹脂の供給
が完了すると同時、または直前に型締めを再開または再
増速する成形方法が好ましい方法である。
【0016】溶融樹脂供給時のキャビティクリアランス
が(C+6)mm以上より大きい場合は、供給中の樹脂
が冷却されるためにコールドマークが発生し、成形品の
外観が著しく損なわれる。また、クリアランスが(C+
0.1)mm以下より小さい場合は、射出成形に近ずく
ため成形品の歪が大きくなる。
【0017】本発明のプレス成形方法においては、成形
品投影面積あたりの型締力を150Kg/cm2 以下と
して型締を行う。型締力が150Kg/cm2 以上で
は、ポリメチルメタクリレートのような成形歪の残りや
すい樹脂では、成形品の残留歪が過大になり、溶剤接触
などでクレーズもしくはクラックが発生しやすい。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例で具体的に説
明する。尚、本発明において得られた成形品の性能は以
下の方法で評価した。
【0019】耐クレージング性の評価条件を以下に示
す。 イソプロパノール浸漬(IPA浸漬)テスト:成形品を
25℃の100%イソプロパノール(試薬1級、和光純
薬製)に5分間浸漬したのち、室温で1時間風乾する。
この工程を3サイクル行ったのち、クレーズおよびクラ
ックの発生の有無を目視観察した。
【0020】冷湿熱サイクルテスト:MIL規格 20
2D 106Cに示される条件で10サイクルまで実施
し、クレーズおよびクラックが発生するサイクル数を求
めた。
【0021】引張強度テスト:図1に示す成形品の上面
から、JIS K7113に規定される1号引張ダンベ
ルを切削により製作した。このサンプルを、オートグラ
フ(島津製作所製、DSS−2000型)を用いて、5
mm/分の速度で引張試験を行い、破断強度を求めた。
【0022】高分子量ポリメチルメタクリレートの製造
法:メチルメタクリレート97%とメチルアクリレート
3%にラウロイルパーオキサイド0.28%およびn−
ラウリルメルカプタン0.02〜0.1%を混合溶解し
た油相と、カルボキシメチルセルロース0.01%とド
デシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.001%を溶解さ
せた水相を混合攪拌し、85℃で懸濁重合を行い、Mw
が18万〜27.5万のポリメチルメタクリレートを製
造した。
【0023】実施例1〜10 図2〜3に示す成形装置を用い、図1に示す成形品を表
1に示す条件で、型締力を約100Kg/cm2 として
成形を行った。
【0024】表2に示すように、これらの成形品は外観
が良好であり、かつイソプロパノール浸漬テスト、冷湿
熱サイクルテストにおいてもクレーズの発生がなく、耐
クレージング性に優れたものであった。
【0025】実施例11〜13 表1に示す重量平均分子量のポリメチルメタクリレート
を使用し、図5の装置を用い、図4に示す成形品を表1
に示す条件で成形した。
【0026】表2に示すように、これらの成形品は実施
例1〜7と同様に、外観が良好であり、耐クレージング
性にも優れたものであった。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【比較例】
比較例1〜4 表3に示すように、Mw15万〜30万のポリメチルメ
タクリレートを使用し、実施例1〜10と同様の装置を
用い、表3に示す条件で成形を行った。
【0030】結果を表4に示すが、比較例1は、成形品
の外観は良好であるが、イソプロパノール浸漬テスト、
冷湿熱サイクルテストでクラックが発生した。比較例2
は、成形時の充填不良、或はコールドマーク、シルバー
等の成形品の外観不良が発生した。
【0031】比較例3〜4 図2〜3の装置で、雌雄金型を完全に閉塞し、300ト
ンの力で型締を行ったのち、溶融樹脂を供給した。即ち
射出成形を行った。
【0032】比較例3は、外観の良好な成形品がえられ
たが、イソプロパノール浸漬、冷湿熱サイクルテストで
クラックが発生した。
【0033】比較例4は、溶融樹脂が金型に完全充填し
ない上に、成形品表面にシルバーが発生した。
【0034】比較例5〜6 実施例11〜13と同様の装置を用い、表3に示す条件
で成形を行った。
【0035】比較例5は外観の良好な成形品がえられた
が、イソプロパノール浸漬、冷湿熱サイクルテストでク
ラックが発生した。
【0036】比較例6は、溶融樹脂が完全に充填しない
上に、樹脂の供給口(ゲート)周辺の成形品表面にシル
バーの発生が顕著であった。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】 1)冷湿熱サイクル:クラック発生サイクル
【0039】
【発明の効果】本発明により、外観が良好で耐クレージ
ング性の優れた高分子量ポリメチルメタクリレートの成
形物品が経済的に効率よく提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法により成形される成形品の
斜視図。
【図2】 本発明の製造方法を説明する金型の縦断面
図。
【図3】 本発明の製造方法を説明する金型の縦断面
図。
【図4】 本発明の製造方法により成形される成形品の
斜視図。
【図5】 本発明の製造方法を説明する金型の縦断面
図。
【符号の説明】 1.上金型 2.製品部成形上金
型面 3.非製品部成形上金型面 4.上金型勘合部 5.下金型 6.製品部成形下金
型面 7.非製品部成形下金型面 8.下金型勘合部 9.樹脂通路 10.樹脂通路端 11.非製品部キャビティ 12.境界部間隙 13.製品部キャビティ 14.溶融樹脂 15.成形品 16.スペーサー 17.ゲート開閉用ピストン A.製品部 B.非製品部 C.境界部(ゲート)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 臼井 信裕 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 西垣 善樹 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未閉鎖の雌雄金型間に溶融状態の重量平均
    分子量が18万以上28万未満のポリメチルメタクリレ
    ートを供給し、成形品投影面積あたりの型締力を150
    Kg/cm2 以下として型締を行い加圧、冷却して成形
    された高分子量ポリメチルメタクリレートの成形物品。
  2. 【請求項2】未閉鎖の雌雄金型間に溶融状態の重量平均
    分子量が18万以上28万未満のポリメチルメタクリレ
    ートを供給し、成形品投影面積あたりの型締力を150
    Kg/cm2 以下として型締を行い加圧、冷却して成形
    することを特徴とする高分子量ポリメチルメタクリレー
    トの成形物品の製造方法。
  3. 【請求項3】50〜105℃とした未閉鎖の雌雄金型の
    キャビティクリアランスを(C+0.1mm以上(C+
    6)mm以下(但し、Cは賦形完了時のキャビティクリ
    アランス)として、雌または雄金型内に設けた樹脂通路
    から250〜320℃のポリメチルメタクリレートを供
    給しながら30mm/秒以下の速度で型締めを行うこと
    を特徴とする請求項2記載の高分子量ポリメチルメタク
    リレートの成形物品の製造方法。
JP560292A 1992-01-16 1992-01-16 高分子量ポリメチルメタクリレートの成形物品およびその製造方法 Pending JPH05185446A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP560292A JPH05185446A (ja) 1992-01-16 1992-01-16 高分子量ポリメチルメタクリレートの成形物品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP560292A JPH05185446A (ja) 1992-01-16 1992-01-16 高分子量ポリメチルメタクリレートの成形物品およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05185446A true JPH05185446A (ja) 1993-07-27

Family

ID=11615771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP560292A Pending JPH05185446A (ja) 1992-01-16 1992-01-16 高分子量ポリメチルメタクリレートの成形物品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05185446A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100553165B1 (ko) 금형장치, 금형장치를 갖는 성형기
CN1063253A (zh) 热塑性树脂的注射模塑法及用于注射模塑法的模具
EP1314544A3 (en) Injection compression molding method and injection compression machine of lens
WO2000078527A1 (fr) Procede de moulage par soufflage, produit moule par soufflage et moule de moulage par soufflage
JPH05185446A (ja) 高分子量ポリメチルメタクリレートの成形物品およびその製造方法
JP2009269271A (ja) 突き合わせバリを抑制しアンダーカット処理する成形方法
JP5997949B2 (ja) 樹脂の射出成形方法
JPS61205112A (ja) 射出圧縮成形方法
CA2351686A1 (en) Process and apparatus for producing plastic panels with undercut, integral attachments as well as such a plastic panel
JPS63280612A (ja) 射出成形品の品質を改善する方法
JPH03274127A (ja) 熱可塑性樹脂の成形装置及びその成形法
JP3478392B2 (ja) プラスチック製品の射出成形方法
JP3216275B2 (ja) メタクリル系樹脂成形品およびその製造法
JP2002187177A (ja) 射出圧縮成形品の製造方法
JP2008126637A (ja) プリフォーム圧縮成形用金型
CN214448185U (zh) 一种便于脱模的瓶盖注塑机
JP2000005861A (ja) 成形装置及び成形方法
JP2004148783A (ja) 射出成形用金型
JP2007030600A (ja) 樹脂バックドアの製造方法及びそれにより製造された樹脂製バックドア
CN212764337U (zh) 一种pvc圆盘机两开模
CN210026263U (zh) 一种吹塑机增压锁模装置
CN209409174U (zh) 一种注塑模具防卡死机构
MXPA06008395A (es) Moldeado por inyeccion.
JP3615618B2 (ja) 製品製造用の組成物及び製品の製造法
JP2007008974A (ja) レーザー溶着用熱可塑性樹脂組成物