JPH05185426A - 長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット - Google Patents

長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット

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JPH05185426A
JPH05185426A JP288992A JP288992A JPH05185426A JP H05185426 A JPH05185426 A JP H05185426A JP 288992 A JP288992 A JP 288992A JP 288992 A JP288992 A JP 288992A JP H05185426 A JPH05185426 A JP H05185426A
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resin
pellets
fiber reinforced
fiber
coating
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JP288992A
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Hikari Iio
光 飯尾
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Nissan Motor Co Ltd
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形性、機械的特性の優れた成形体を提供す
る長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを得る。 【構成】 30重量%以上の補強繊維を含有してなる長
繊維強化ペレットに、該ペレットの総重量に対して5重
量%以下の熱可塑性樹脂をコーティングした長繊維強化
熱可塑性樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形性、機械的特性に優
れた成形体を提供する長繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ
ト、特に強化に用いる長繊維の体積分率が大きい場合の
成形性、機械的特性の優れた長繊維強化熱可塑性樹脂ペ
レットに関する。
【0002】
【従来の技術】今日、市販されている短繊維強化樹脂コ
ンパウンドは溶融樹脂と強化繊維を押出機で、混練し、
ペレット化するために、ペレット製造工程において繊維
が破断したり、また、高充填化が困難などの問題点があ
った。
【0003】このような問題点を解決するために溶融し
た樹脂を長繊維に浸透させ、これを切断する方法(特公
昭43−7448号公報、特公昭44−16793号公
報)あるいは特公昭63−37694号公報等に記載さ
れているような「平行に配列され且つ連続した補強フィ
ラメント束を熱可塑性樹脂で含浸、被覆したものを所定
の長さに切断するプルトルージョン法によって作られた
ペレット構造体」を得る方法、さらには繊維よりなるマ
ットに樹脂を含浸させて複合体シートを作成し、これを
切断してペレット化した後に金型に圧入して成形する方
法(特開平3−30916号公報)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
43−7448号公報や特公昭63−37694号公報
に記載されている長繊維強化ペレットの製造方法では連
続した補強フィラメント束を熱可塑性樹脂で含浸、被覆
した構造となっているために、該フィラメントと樹脂の
濡れが悪く、均一な繊維分布を持つ成形品を得ることは
難しく、また特に繊維含有率が大きい場合にはペレット
間の接触や射出成形機のホッパー投入時あるいは射出成
形機のシリンダ内で樹脂がまだ可塑化溶融していない段
階でスクリューのせん断をうけて、ペレットの表面から
次々に繊維が脱落し、この結果として期待した機械的特
性が得られないおそれがあった。
【0005】一方、特開平3−30916号公報に記載
されているような繊維を含浸させたマットを原料として
長繊維強化ペレットを製造する方法の場合には、ペレッ
トの脱落は防止できるが、その製造工程はプルトルージ
ョン法の場合には、主として引き抜き、切断工程のみで
あるのに対して、特開平3−30916号公報に記載さ
れている方法では、マットの製造、樹脂の含浸、切断、
成形等、製造工程が非常に複雑であり、またプルトルー
ジョン法で製造した場合と異なって、必ずしも繊維はペ
レット長手方向に配向しているわけではないため、ペレ
ット化の時点ですでにペレット中の繊維は配向分布を有
している。このためフィラメントと樹脂間の濡れにおい
ては優れているものの、機械的特性はプルトルージョン
法で製造した場合と同等あるいはそれ以下となってしま
う。
【0006】本発明の目的は前記事情に鑑みてプルトル
ージョン法で特に顕著な、高繊維含有率時のペレット表
面からの繊維の脱落防止を、長繊維強化ペレットの基本
的な各製造方法に比較的簡便な工程を付加することによ
って達成し、もって成形性、機械的特性の優れた長繊維
強化熱可塑性樹脂ペレットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる現況
下で鋭意検討した結果、各種製造方法によって製造した
長繊維強化ペレットの表面にコーティングを施すことに
よって、繊維の体積分率が大きい場合にも、成形性が良
好で機械的特性にも優れた成形品が得られる長繊維強化
ペレットが得られることを見出して本発明を完成した。
【0008】従って本発明の長繊維強化ペレットは30
重量%以上の補強繊維を含有してなる長繊維強化熱可塑
性樹脂ペレットにおいて、前記長繊維強化ペレットに、
前記長繊維強化ペレットの総重量に対して1〜5重量%
の熱可塑性樹脂をコーティングしたことを特徴とする。
【0009】本発明において長繊維強化ペレットを構成
する熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエ
ステル系樹脂、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン1
2、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン610等の
ポリアミド系樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボ
ネート等の汎用樹脂、およびポリフェニレンサルファイ
ド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリ
アミドイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリアリルエーテルケトン、ポリエーテル
ニトリル、熱可塑性ポリイミド、ポリケトンサルファイ
ド、ポリサルホン等の耐熱性エンジニアリングプラスチ
ックおよび超耐熱性エンジニアリングプラスチックを用
いることができる。さらに長繊維強化ペレットを構成す
るマトリックス樹脂とコーティング樹脂の相溶性を向上
させるために両者の共重合体を少なくとも一方に用いる
ことも可能であり、相溶化以外の特性の改良のためにマ
トリックス樹脂あるいはコーティング樹脂に各種重合体
を用いることも可能である。
【0010】また補強用の繊維としては、マトリックス
樹脂の弾性率よりも大きな弾性率を持つものであれば特
に限定されるわけでなく、例えばガラス繊維、炭素繊
維、セラミックス繊維、鉱物繊維等の無機繊維、ステレ
ンス、黄銅、ニッケル等の金属繊維、ポリアクリロニト
リル繊維、セルロース繊維、ポリフェニレンベンゾチア
ゾール繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、液晶芳
香族ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ア
ラミド繊維等の有機繊維等があげられる。
【0011】この他に難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、潤滑剤、着色剤、熱安定剤等の各種安定剤や充填剤
を成形性や機械的特性を損なわない範囲内で添加しても
よい。
【0012】更に具体的には、充填剤としては炭酸カル
シウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タル
ク、珪酸、珪酸カルシウム、マイカ、ガラス、ガラスバ
ルン、石英バルン、黒鉛、ホウ素、アルミナ、炭化珪
素、炭化ホウ素、ボリア、窒化ホウ素、窒化珪素、窒化
アルミニウム、シリカ、ベリリウム、酸化ベリリウムの
無機粉末、アスベスト、チタン酸カリ、炭素、黒鉛、ホ
ウ素、アルミナ、炭化珪素、炭化ホウ素、ボリア、石
英、シリカ、ベリリウム、窒化ホウ素等の無機ウィス
カ、アラミドパルプ、マイクロセルロース、熱硬化性樹
脂粉末等であり、離型剤、無機フィラーとしては高級脂
肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコー
ルエステル、流動パラフィン、硫酸バリウム、シラス、
酸化アンチモン等があり、その他に結晶化促進剤として
アルキレングリコール誘導体、ポリアルキレングリコー
ル誘導体、アイオノマー、雲母、二酸化チタン等があ
る。
【0013】長繊維強化ペレットの製造方法としては、
公知の製造方法を任意に用いることが可能であり、例え
ば電線被覆ペレット法や溶融含浸ペレット法等のプルト
ルージョン法をベースとした長繊維強化ペレットの製造
方法、あるいは特開平3−30916号公報に記載され
ているような繊維よりなるマットに樹脂を含浸した後
に、切断、成形を行ってペレット化する方法や、プリプ
レグシート、望ましくは一方向に配向した連続繊維を含
むプリプレグシートを〔0°〕X (xは板厚によって決
まる積層数)に積層した後、繊維の配向方向がペレット
長手方向と一致するように切断することによってペレッ
ト化してもよく、また溶融紡糸した熱可塑性樹脂と補強
に用いる上記繊維を公知の方法で混繊して混繊糸を得た
後、熱可塑性樹脂の溶融温度以上にまで加熱し、ローラ
ー圧縮を行うことによってペレット化を行ってもよい。
【0014】前記した熱可塑性樹脂、補強繊維、その他
充填剤等を用いて、前記した製造方法等によって製造し
た長繊維強化ペレットは、繊維の体積分率が大きい場合
や含浸性に劣るマトリックス樹脂を使用した場合にはペ
レット外周部から繊維の脱落が発生しやすいため、本発
明では長繊維強化ペレットにコーティングを施す。
【0015】この時使用する長繊維強化ペレットは、少
なくとも繊維含有率が30重量%以上である必要があ
り、これ未満では樹脂コーティングによる機械的特性の
改善は難しい。
【0016】また、本発明における長繊維強化ペレット
とは、ペレット中に含まれる補強繊維の平均繊維長が2
mm以上のものを言い、いわゆる短繊維強化ペレットを使
用した場合には、成形品の表面状態等が改善可能となる
場合もあるが、機械的特性の改善効果は少ない。
【0017】長繊維強化ペレットのコーティングに用い
る樹脂としてはコーティング可能であれば特に制約はな
いが、マトリックス樹脂と同種あるいはマトリックス樹
脂と相溶性を示す樹脂が特に望ましい。
【0018】また成形性および成形品の表面状態を重視
する場合には、コーティング剤として長繊維強化ペレッ
トを構成するマトリックス樹脂の溶融(流動)開始温度
よりも低い溶融開始温度を有する樹脂を使用すると、成
形機内部で長繊維強化ペレット表面のコーティング樹脂
が先行して溶融するために、繊維の分散がよく、繊維の
うきの少ない良好な表面状態を有する成形品を得ること
が可能である。
【0019】また、コーティング量がある範囲内にある
ときは、コーティング樹脂の溶融が先行するためにペレ
ット中の繊維の破断が減少する。このため成形品の機械
的特性は繊維の脱落が減少する効果も加わって明らかに
向上する。
【0020】コーティング量は繊維の脱落を防止する意
味からは、長繊維強化ペレットの表面に数μm程度のコ
ーティング層が形成される程度でも充分であるが、繊維
の破断の低減や未充填のフィラメント束にコーティング
樹脂を充填するのが主目的であれば、コーティングを施
していない長繊維強化ペレットの重量に対して、少なく
とも1重量%以上に相当するコーティングが必要であ
る。またコーティング量の上限はコーティング樹脂の強
度にもよるが5重量%を越えると、コーティングによっ
て繊維の破断が減少する長所よりも繊維の体積分率が減
少する短所のほうが大きいために成形品の機械的特性は
むしろ低下する。
【0021】なお、コーティング樹脂を被覆することに
よって生じる繊維の体積分率の減少を考慮して、あらか
じめ所望の繊維含有率よりも大きな繊維含有率を有する
長繊維強化ペレットを用意すれば前記問題点が解決可能
であることは言うまでもない。
【0022】前記したようにコーティングに使用する樹
脂には特に制限はないが、コーティンググレードがメー
カー設定されている樹脂、例えばポリエーテルサルホン
(三井東圧化学(株)PES 5003P)やポリエー
テルエーテルケトン(住友化学(株)PEEK VIC
TREX 15P)等を用いてコーティングするのが簡
便である。コーティング方法としてはコーティング樹脂
を溶媒に溶かし、その溶液にペレットを浸漬するか、ま
たはスプレーコーティングあるいは塗布具を用いた手作
業、流動浸漬等、様々な方法が考えられるが、なかでも
コーティング樹脂を溶かした溶液にペレットを浸漬する
のが簡単でしかも均質なコーティングが行えるため望ま
しい。
【0023】ディピング時間は10μm前後のコーティ
ング膜を形成する程度であれば、通常1分以内で十分で
あり、コーティング厚さに応じて任意に設定してよい。
【0024】コーティング樹脂を溶かす溶媒としては、
長繊維強化ペレットを構成するマトリックス樹脂を溶か
すものは成形品内の補強繊維の体積分率を調整するのに
不便であるため避けるのが望ましく、前記マトリックス
樹脂を変性あるいは溶消せしめない溶媒であれば特に限
定されるものではなく、コーティング樹脂の種類によっ
て異なるが、例えばN−メチル−2−ピロリドン、シク
ロヘキサノン、キシレン、クロロホルム、メタノール、
アセトン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,
2,2−テトラクロロエタン、ジメチルスルホキサイ
ド、トルエン、メチルエチルケトン、シクロペンタノ
ン、塩化メチレン、2塩化エタン、ピリジン、ニトロベ
ンゼン、フタル酸ジメチル、N,N−ジメチルホルムア
ミド、γ−ブチルラクトン等があり、必要に応じて前記
溶媒の混合液を用いてもよく、代表的な混合液の例とし
てはN,N−ジメチルホルムアミド:シクロヘキサノ
ン:メチルエチルケトン=20:80:25(容積比)
またはN−メチル−2−ピロリドン:トルエン=2:1
(容積比)あるいはN−メチル−2−ピロリドン:塩化
メチレン=1:1(容積比)等の混合液がある。
【0025】コーティング樹脂の濃度は溶媒、コーティ
ング樹脂の種類にもよるが、浸漬塗装で10%、刷毛塗
りで20%、スプレー塗装で13〜15%前後が適して
いる。
【0026】コーティングを行う長繊維強化ペレット
は、コーティングの剥離を防止するために、コーティン
グ後に加熱処理を行うのが望ましく、また可能であれば
コーティング前に予備乾燥を行うのがさらに望ましい。
加熱処理の温度、時間はコーティング樹脂の種類にもよ
るが、通常100℃〜150℃、10分程度の加熱処理
で十分であるが、特殊な目的、例えば長繊維強化ペレッ
トを構成するマトリックス樹脂とコーティング樹脂との
反応促進あるいは相溶化またはペレット表面状態のコン
トロール等、を期待する場合にはそれに応じた温度およ
び時間設定を行っても良い。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって何
ら限定されるものではない。
【0028】実施例1 Eガラス繊維(合計繊度:67.5テックス、フィラメント
数:400 本) 40本をφ40mm−2ベント押出成形機の先端
に設置した 400℃のダイ(出口断面積:幅3.0mm、厚
さ:1.5mm)に通した後、ポリエーテルサルホン樹脂(英
国ICI社、「VICTREX」PES 4100G)
を押出機より供給し、370〜380℃で溶融、混練
し、加熱ダイ内に押し出しながら、ポリエーテルサルホ
ン樹脂が融着したEガラス繊維を10 m/minで引き抜い
た。この引抜物を水槽中を走行させて冷却固化させた
後、長さ10mmに切断して50重量%ガラス長繊維強化
ポリエーテルサルホン樹脂ペレットを得た。
【0029】次にコーティング樹脂としてポリエーテル
サルホン樹脂(三井東圧化学(株)、「VICTRE
X」PES 5003P)を用い、N−メチルピロリド
ンを溶剤とし、コーティング樹脂と溶剤の配合比率を1
0〜30重量%に調合し、さらにキシレンで希釈したポ
リエーテルサルホンコーティング溶液に前記の方法で得
られた50重量%ガラス長繊維強化ポリエーテルサルホ
ン樹脂ペレットを60秒間浸漬した後、汎用小型オーブ
ン中で150℃、10分間加熱して、脱溶剤、乾燥処理
を行い、樹脂コーティングペレットを得た。
【0030】このようにして得られた長繊維強化ペレッ
トを180℃で5時間熱風乾燥した後、日本製鋼所製7
5TON(型締圧)射出成形機を用い、シリンダ温度:
380℃、金型温度:200℃で、厚み3mmのJIS
1号引張りおよび曲げ試験片を成形した。
【0031】本発明の効果の評価は以下の項目について
行った。 (1) 各種製造方法で得られた長繊維強化ペレットの表面
状態(繊維の脱落の有無) (2) 各実施例(または比較例)で得られた試験片の表面
状態と繊維の分散度合い (3) 引張強さ、引張弾性率(JIS K6911準拠) (4) 曲げ強さ、曲げ弾性率(JIS K6911準拠) (1) 〜(4) の各項目についての評価結果を表1に示す。
【0032】比較例1 実施例1に記載したのと同様の方法で得られた50重量
%ガラス長繊維強化ポリエーテルサルホン樹脂ペレット
に樹脂コーティングを施すことなく、このペレットを用
いて、前記した成形機および成形条件で前記した試験片
を得た。実施例1に記載した(1) 〜(4) の各項目につい
ての評価結果を表1に示す。
【0033】実施例2 ポリエーテルエーテルケトンのプリプレグシート(英国
ICI社、APC−2、炭素繊維:AS4、1mm=約8
プライ)を〔O°〕24(0度方向に24プライ積層)積
層して、(縦)250mm×(横)250mm×(厚さ)3
mmの一方向炭素連続繊維強化ポリエーテルエーテルケト
ン樹脂積層板(炭素繊維重量分率:67%)を作製し、
この積層板を切断して、10mm×3mm×3mmの長繊維強
化直方体ペレットを得た。このようにして得られた長繊
維強化ペレットを実施例1に記載したポリエーテルサル
ホンコーティング溶液に3分間浸漬した後、180℃で
10分間加熱した。この操作を5回、つまり浸漬3分×
5回、加熱10分×5回、繰り返した後、最終成形品の
炭素繊維含有率が50重量%になるようにポリエーテル
エーテルケトン樹脂ペレット(ICI社、「VICTR
EX」PEEK 450G)をV型ブレンダーでドライ
ブレンドし、日本製鋼所製75TON(型締圧)射出成
形機を用いて、シリンダ温度:380℃、金型温度:1
80℃で厚み3mmのJIS1号引張りおよび曲げ試験片
を成形した。実施例1に記載した(1) 〜(4) の各項目に
ついての評価結果を表1に示す。
【0034】比較例2 実施例2に記載した、一方向炭素連続繊維強化ポリエー
テルエーテルケトン樹脂積層板を原料とする長繊維強化
ペレットの製造方法を用いて、67重量%の長繊維強化
ポリエーテルエーテルケトン樹脂ペレットを得た。樹脂
コーティングを施していない前記長繊維強化樹脂ペレッ
トにポリエーテルエーテルケトン樹脂ペレット(ICI
社、「VICTREX」PEEK 450G)を、最終
成形品の炭素繊維含有率が50重量%になるようにV型
ブレンダーを用いてドライブレンドし、日本製鋼所製7
5TON(型締圧)射出成形機を用いて、シリンダ温
度:380℃、金型温度:180℃で厚み3mmのJIS
1号引張りおよび曲げ試験片を成形した。実施例1に
記載した(1) 〜(4) の各項目についての評価結果を表1
に示す。
【0035】実施例3 ポリエーテルエーテルケトン樹脂と炭素繊維の250mm
×250mm×3mmの一方向混繊布積層板(日東紡績
(株):TEXXES hybrid fabrics CWC 101
3D、19×13(COUNT/inch)、炭素繊維重量:マトリ
ックス重量=150:78、1プライの厚さ=0.13mm)
を以下の成形条件で製造した。 即ち、温度条件:室温→400℃まで約10℃/min で
昇温、400℃で30分保持、 400℃→室温まで約10℃/min で降温 圧力条件:0〜60分まで5kg/cm2、60分〜100分
まで15kg/cm2この一方向混繊布積層板を実施例2同様
に切断して長繊維強化ペレットを作製し、つづいて実施
例2記載の条件でポリエーテルサルホン樹脂コーティン
グを行った。このようにして得られた長繊維強化ペレッ
トにポリエーテルエーテルケトン樹脂ペレット(ICI
社、「VICTREX」PEEK 450G)を最終成
形品の炭素繊維含有率が50重量%になるようにV型ブ
レンダーを用いてドライブレンドし、実施例2記載の成
形機、成形条件で前記実施例および比較例記載の試験片
を得た。実施例1に記載した(1) 〜(4) の各項目につい
ての評価結果を表1に示す。
【0036】比較例3 実施例3に記載した方法と同様の製造方法を用いて長繊
維強化樹脂ペレットを得た後、樹脂コーティングを行う
ことなく、実施例2記載の成形機、成形条件で実施例3
同様50重量%炭素長繊維強化ポリエーテルエーテルケ
トン樹脂製試験片を得た。実施例1に記載した(1) 〜
(4) の各項目についての評価結果を表1に示す。次に、
実施例4〜実施例6ではペレットとしてガラス長繊維強
化ナイロン66を用い、コーティング樹脂としてナイロ
ン66よりも溶融あるいは流動開始温度の高いポリエー
テルエーテルサルホン(実施例4)およびポリエーテル
イミド(実施例5)とナイロン66よりも溶融開始温度
の低いナイロン6(実施例6)を用い、コーティングを
行わない場合(比較例4)と比較した。
【0037】実施例4 ポリエーテルサルホンパウダー(英国ICI社製PES
4100P)を150℃、3時間予備乾燥を行った
後、N,N−ジメチルホルムアミド:シクロヘキサノン
=20:80(容積比)混合液を70℃に保った還流釜
に添加し、ゆっくりと樹脂固形分が消えるまで攪拌し
た。次に溶液を40℃まで冷却し、メチルエチルケトン
を追加し、攪拌後、室温まで冷却した。この溶液にガラ
ス長繊維強化ナイロン66ペレット(英国ICI社製:
商標“Verton”グレード:RF−700−12:
ガラス繊維の重量分率=60重量%)を1分間浸漬した
後、真空オーブンを用いて140℃、10分間の脱溶剤
を行った後、東芝機械(株)製220トン射出成形機を
用いて、シリンダ温度:310℃、金型温度:100℃
の成形条件で厚み3mmのJIS 1号引張りおよび曲げ
試験片を作成した。実施例1に記載した(1) 〜(4) の各
項目についての評価結果を表1に示す。
【0038】実施例5 ポリエーテルイミドパウダー(米国GE社製 ULTE
M 1000)を150℃、3時間予備乾燥を行った
後、Nメチル−2−ピロリドンを80℃に保った還流釜
に添加し、ゆっくりと樹脂固形分が消えるまで攪拌し
た。次に溶液を40℃まで冷却し、トルエンを追加し、
攪拌後、室温まで冷却した。この溶液に実施例4で用い
た長繊維強化ナイロン66ペレットを1分間浸漬した
後、実施例4記載の方法で脱溶剤を行い、実施例4記載
の成形機、成形条件で厚み3mmのJIS 1号引張りお
よび曲げ試験片を得た。実施例1に記載した(1) 〜(4)
の各項目についての評価結果を表1に示す。
【0039】実施例6 ナイロン6パウダー(英国ICI社製 ナイロン6 B
300のパウダー化)を100℃、5時間予備乾燥を行
った後、1,1,2−トリクロロエタン:1,1,2,
2−テトラクロロエタン:塩化メチレン=3:3:5
(容積比)の混合液を70℃に保った還流釜に添加し、
ゆっくりと樹脂固形分が消えるまで攪拌した。次に溶液
を40℃まで冷却し、塩化メチレンを追加し、攪拌後、
室温まで冷却した。この溶液に実施例4で用いた長繊維
強化ナイロン66ペレットを1分間浸漬した後、実施例
4記載の方法で試験片を得た。実施例1に記載した(1)
〜(4) の各項目についての評価結果を表1に示す。
【0040】比較例4 樹脂コーティングを施していないガラス長繊維強化ナイ
ロン66ペレット(ICI社製 「Verton」RF
−700−12)を実施例4記載の成形機、成形条件を
用いて厚み3mmのJIS 1号引張りおよび曲げ試験片
を得た。実施例1に記載した(1) 〜(4) の各項目につい
ての評価結果を表1に示す。
【0041】以下の実施例および比較例は本発明の効果
が発生する最低繊維含有率を求めるために行ったもので
ある。実施例7〜8、比較例5〜8 実施例1においてガラス繊維にかえて炭素繊維(東邦レ
ーヨン社製 HTAグレード)を用い、またマトリック
ス樹脂としてポリエーテルサルホン樹脂にかえてポリエ
ーテルエーテルケトン樹脂(ICI社製 PEEK 4
50G)を用いて、実施例1記載の手法を用いて炭素繊
維含有率が25重量%、30重量%、35重量%の炭素
長繊維強化ポリエーテルエーテルケトン樹脂ペレットを
得た。3種(25重量%、30重量%、35重量%)に
ついてそれぞれ実施例1記載の方法によってポリエーテ
ルサルホンコーティングを施したペレットとコーティン
グを施さないペレットを用意し、実施例2記載の成形
機、成形条件を用いて厚み3mmのJIS 1号引張りお
よび曲げ試験片を得た。実施例1に記載した(1) 〜(4)
の各項目についての評価結果を表2に示す。
【0042】比較例5〜6からも明らかなように繊維含
有率が小さくなると、ペレット表面の繊維間にも十分に
樹脂が含浸するうえに、分散性も良くなり、強度向上の
メリットもなくなる。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、長繊維強化樹
脂ペレットは、ペレット表面からの繊維の脱落の減少
や、長繊維強化樹脂ペレットを用いて製造した成形体中
の繊維の分散状態、表面状態等の改善(特に樹脂温度、
金型温度が低い状態での改善効果が大きい)が可能とな
り、さらには溶融開始温度が長繊維強化樹脂ペレットを
構成するマトリックス樹脂よりも低い樹脂をコーティン
グに使用することによって、成形機内における繊維の破
損の低減が可能となり、機械的特性にも優れた成形品の
提供が可能となった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 30重量%以上の補強繊維を含有してな
    る長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットにおいて、前記長繊
    維強化ペレットに、前記長繊維強化ペレットの総重量に
    対して1〜5重量%の熱可塑性樹脂をコーティングした
    ことを特徴とする長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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