JPH05183893A - 動きベクトル検出回路 - Google Patents

動きベクトル検出回路

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JPH05183893A
JPH05183893A JP34509391A JP34509391A JPH05183893A JP H05183893 A JPH05183893 A JP H05183893A JP 34509391 A JP34509391 A JP 34509391A JP 34509391 A JP34509391 A JP 34509391A JP H05183893 A JPH05183893 A JP H05183893A
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真人 山崎
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裕 真崎
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秀夫 水谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来より高速に動きベクトルを検出できる簡
単な構成の動きベクトル検出回路を実現する。 【構成】 演算モジュール101〜116内の評価演算
回路の動作周波数を、検出ブロックA(i,j)等につ
いての画素データの入力周波数のm倍に選定する。探索
データ選択回路40は、探索ブロックBD1(k,
l)、BD2(k,l)の画素データから、m個ずつ取
り出した場合に検出ブロックと同一の大きさの探索ブロ
ック内領域をラスタ走査したと同様なデータ列ODD、
EVENを形成して演算モジュールに与える。各演算モ
ジュールは、この探索画素データ列を用いて、高速動作
周波数で、検出ブロックと複数の照合対象領域との評価
演算を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は動きベクトル検出回路に
関し、例えば動き補償フレーム間予測符号化方式等の動
き補償符号化方式に従う装置に適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、動き補償フレーム間予測符号化
方式においては、動画像であっても予測誤差のダイナミ
ックレンジを小さくすべく、相前後するフレーム間の動
きベクトルを検出して一方のフレームをこの動きベクト
ルに応じてずらせた後、他方のフレームとの差分をとっ
て予測誤差を得るようにしている。
【0003】このような符号化方式は、例えばいわゆる
テレビ電話システムやテレビ会議システム等の伝送系に
採用されていて高速処理が望まれており、そのため、動
きベクトルの検出も高速処理が望まれている。
【0004】従来、動きベクトルの検出を高速に実行す
るため、複数の演算モジュールが並行して演算を実行す
る動きベクトル検出回路が提案されている。例えば、特
開平3−106282号公報も、複数の演算モジュール
が並行して演算を実行する動きベクトル検出回路を開示
している。以下、この公報に記載の従来の動きベクトル
検出回路を説明する。
【0005】図2は、この従来例における検出ブロック
と探索ブロックの説明図である。この従来例の場合、現
フレームを縦横に分割して得た3×3画素でなるブロッ
クを順に検出ブロックA(i,j)として動きベクトル
の検出を行なっている。また、現フレームより1フレー
ム前のフレーム(以下、前フレームと呼ぶ)について、
上記検出ブロックA(i,j)と同一位置を中心とした
縦横11×11画素でなる領域を探索ブロックB(k,
l)としている。すなわち、検出ブロックA(i,j)
と最も近似している、探索ブロックB(k,l)内の縦
横3×3画素の領域を探索することで、動きベクトルを
求める。
【0006】この従来例の場合、探索ブロックB(k,
l)は、さらに縦方向に、3列、3列、3列、2列でな
る4個のブロックB1(k,l)、B2(k,l)、B
3(k,l)、B4(k,l)に分割されている。そし
て、分割探索ブロックB1(k,l)内のいずれかの画
素(下2行の画素を除く)を左上の画素とする縦横3×
3画素の照合対象領域と検出ブロックA(i,j)との
評価演算(相関演算)と、分割探索ブロックB2(k,
l)内のいずれかの画素(下2行の画素を除く)を左上
の画素とする縦横3×3画素の照合対象領域と検出ブロ
ックA(i,j)との評価演算と、分割探索ブロックB
3(k,l)内のいずれかの画素(下2行の画素を除
く)を左上の画素とする縦横3×3画素の照合対象領域
と検出ブロックA(i,j)との評価演算とを並行して
行なう。
【0007】図3は、このような並行演算を実行する従
来の動きベクトル検出回路の全体構成を示すものであ
る。この動きベクトル検出回路は、並行演算を実行する
図4に詳細構成を示す3個の演算モジュール11、1
2、13と、これら演算モジュール11〜13に動作ク
ロックCK1〜CK3を供給するクロック発生手段1か
ら構成されている。
【0008】演算モジュール11は、分割探索ブロック
B1(k,l)内のいずれかの画素(下2行の画素を除
く)を左上の画素とする照合対象領域と検出ブロックA
(i,j)との評価演算(類似評価演算)を行なうもの
であり、かかる演算を、分割探索ブロックB1(k,
l)内の下2行の画素を除く全ての画素について順次繰
返す。そのために、検出ブロックA(i,j)の画素デ
ータ、分割探索ブロックB1(k,l)内の画素デー
タ、分割探索ブロックB2(k,l)内の画素データが
シリアルに入力されている。そして、検出ブロックA
(i,j)と照合対象領域との対応画素間の差の絶対値
の総和でなる評価演算値が最も小さい照合対象領域の位
置情報ADmin1とその値Emin1とを順次更新しながら出
力する。
【0009】演算モジュール12は、分割探索ブロック
B2(k,l)内のいずれかの画素(下2行の画素を除
く)を左上の画素とする照合対象領域を対象とする点を
除き、演算モジュール11と同様な処理を行なう。ま
た、演算モジュール13は、分割探索ブロックB3
(k,l)内のいずれかの画素(下2行の画素を除く)
を左上の画素とする照合対象領域を対象とする点を除
き、演算モジュール11と同様な処理を行なう。
【0010】なお、各演算モジュール11、12、13
の出力は、図示しない動きベクトル判定部に与えられ、
動きベクトル判定部はこれら演算モジュール11〜13
から与えられた評価演算値Emin1〜Emin3の最小値をと
る照合対象領域を、検出ブロックA(i,j)の移動先
と決定する。
【0011】演算モジュール11〜13は同一構成を有
し、その詳細は図4に示す通りである。図4において、
演算モジュールは、3個の演算手段21〜23と、2個
のセレクタ24及び25と、3個のレジスタ26〜28
と、動きベクトルデータ検出手段29と、制御パルス発
生手段30とから構成されている。
【0012】演算手段21は、この演算モジュールが対
象としている分割探索ブロックB1(k,l)、B2
(k,l)又はB3(k,l)中の第1列に位置する画
素を左上の画素とする照合演算領域と検出ブロックA
(i,j)との評価演算を行なうものであり、演算手段
22は、この演算モジュールが対象としている分割探索
ブロックB1(k,l)、B2(k,l)又はB3
(k,l)中の第2列に位置する画素を左上の画素とす
る照合演算領域と検出ブロックA(i,j)との評価演
算を行なうものであり、演算手段23は、この演算モジ
ュールが対象としている分割探索ブロックB1(k,
l)、B2(k,l)又はB3(k,l)中の第3列に
位置する画素を左上の画素とする照合演算領域と検出ブ
ロックA(i,j)との評価演算を行なうものである。
そして、対象とする行を切り替えながら上述の評価演算
を行なう。
【0013】2個のセレクタ24及び25、3個のレジ
スタ26〜28は、この演算モジュール内の演算手段2
2、23や、次の分割探索ブロックに係る演算モジュー
ルの演算手段21に、照合演算領域と検出ブロックA
(i,j)との対応位置の画素データを同期をとって入
力させるために設けられたものである。
【0014】3個の演算手段21〜23、2個のセレク
タ24及び25、3個のレジスタ26〜28が上述した
処理を実行する際に必要な制御パルスは、制御パルス発
生手段30が出力する。
【0015】動きベクトルデータ検出手段29には、演
算手段21〜23から評価演算値E1 〜E3 が与えら
れ、動きベクトルデータ検出手段29は、現時点だけで
なく、それまでに与えらえた同一の探索ブロックB
(k,l)に係る評価演算値の最小値Emin1とその位置
データADmin1とを検出して出力するものである。
【0016】図5は、このような動きベクトル検出回路
に対する、検出ブロックA(i,j)、分割探索ブロッ
クB1(k,l)、B2(k,l)、B3(k,l)、
B4(k,l)の各画素データの入力の仕方と、各演算
モジュール11、12、13の各演算手段21、22、
23が評価演算する照合演算領域とをそのタイミングを
も含めて示したものである。この図5において、符号R
(x,y)は、探索ブロックB(k,l)の画素b
(x,y)を左上とした縦横3×3画素の照合演算領域
を表している。この図5から明らかなように、各演算モ
ジュール11、12、13について3個ずつの計9個の
演算手段(21〜23)は、同一演算サイクルにおいて
は、探索ブロックB(k,l)の同一行の異なる列の画
素を左上の画素とする照合演算領域に対する評価演算を
並行して実行している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の動きベクトル検出回路によれば、以下の欠点を
有するものであった。
【0018】動きベクトルの検出のために、現フレーム
及び前フレームの画素データを格納した画像メモリから
同一の画素データを何回も読み出さなければならない。
1個の検出ブロックA(i,j)について同一画素デー
タを複数回読出すことが必要なだけでなく、同一の画素
データを他の検出ブロックを対象とするときでも読出す
ことが必要である。従って、画素データの読出しに無駄
があるということができる。実際上、画像メモリを構成
する集積回路の読出し周波数は、動作ベクトル検出回路
等の演算回路を集積回路で構成した場合に可能な処理周
波数に比べて遅いものであり、従来の場合、この遅い方
の周波数に統一をとると考えられるので、検出するため
の読出し数が多いほど1フレームについての全動きベク
トルを得るまでの時間が遅くなる。
【0019】上記欠点とも関連するが、検出ブロック内
の画素データ列の1回の読出し(1回の演算サイクル)
では、探索ブロックのある1行の各画素を左上の画素と
した複数(9個)の照合対象領域との評価演算しか実行
できない。探索ブロック内の全ての照合演算領域との評
価演算を終了するまでには、探索ブロック内の行を切替
えることを繰返す必要があり、並列演算を適用している
といえども、かなりの時間を要する。
【0020】このような不都合を従来構成の延長線上で
避けようとした場合、探索ブロック内に存在する全ての
照合演算領域の数だけ演算手段を設けることが考えられ
るが、このようにすると、演算部分の構成が複雑になる
と共に、検出ブロック及び探索ブロックの画素データの
読出し構成も複雑になる。
【0021】本発明は、以上の点を考慮してなされたも
のであり、従来より高速に動きベクトルを検出すること
ができる簡単な構成の動きベクトル検出回路を提供しよ
うとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の動きベクトル検
出回路は、相前後する2フレームの内の一方を、縦横M
×M画素でなる複数のブロックに分割し、これら分割ブ
ロックを動きベクトルの検出ブロックとし、相前後する
2フレームの内の他方に、検出ブロックと同位置を含む
縦横のそれぞれが自然数nを用いて表される(n+1)
×M画素の探索ブロックを設定し、この探索ブロック内
で検出ブロックと同じ大きさの合計(n×M)2 個の照
合対象領域を切出し、検出ブロックと各照合対象領域と
の間で検出ブロックと照合対象領域との相関を表す評価
演算を行ない、その評価演算結果から、最適な照合対象
領域を検出して検出ブロックについての動きベクトル情
報を得るものである。
【0023】そして、入力される検出ブロック及び探索
ブロックの画素データ列と同一周期の有する第1のクロ
ック信号、及び、この第1のクロック信号の1/mの周
期を有する第2のクロック信号を発生して当該動きベク
トル検出回路内の各部に供給するクロック発生回路と、
第1のクロック信号と同一周期の入力された探索ブロッ
クの画素データ列を、第2のクロック信号と同一周期の
画素データ列であって、m個ずつを取り出した場合には
いずれかの照合対象領域の画素データ列になっている探
索画素データ列を出力する探索データ選択回路と、第2
のクロック信号の供給を受けて、第1のクロック信号と
同一周期の入力された探索ブロックの画素データ列及び
探索データ選択回路から与えられた探索画素データ列と
から、自己に割当てられているm個の照合対象領域に係
る評価演算を行なう、(n×M)2 /m個の演算モジュ
ールと、各演算モジュールの出力から最適な評価演算結
果を検出して検出ブロックに対する動きベクトル情報を
得る動きベクトル判定回路とを備えるものである。
【0024】ここで、各演算モジュールが、1個の評価
演算回路を備えて、自己に割当てられているm個の照合
対象領域に係る評価演算を、第2のクロック信号の周期
で照合対象領域を変えながら行なうことが好ましい。
【0025】また、探索データ選択回路が、割当てられ
ている照合対象領域が副走査方向に等しい複数の演算モ
ジュールに共通の探索画素データ列を作成して出力する
ことが好ましい。
【0026】
【作用】本発明は、評価演算の単位処理周期を当該動き
ベクトル検出回路に入力される画素データ列の周期の1
/mとすることを意図したものである。言い換えると、
評価演算の動作周波数の高速化を意図したものである。
このような意図に従って探索ブロックの大きさを決定し
ており、設ける回路要素も決定している。
【0027】探索ブロックとして、検出ブロックと同位
置を含む縦横のそれぞれが自然数nを用いて表される
(n+1)×M画素の領域を設定している。本発明で
も、大きく見た処理が、この探索ブロック内で検出ブロ
ックと同じ大きさの合計(n×M)2 個の照合対象領域
を切出し、検出ブロックと各照合対象領域との間で検出
ブロックと照合対象領域との相関を表す評価演算を行な
い、その評価演算結果から、最適な照合対象領域を検出
して検出ブロックについての動きベクトル情報を得るも
のである点は、従来と同様である。
【0028】上述のように、2種類の周波数(周期)が
存在するので、本発明では、入力される検出ブロック及
び探索ブロックの画素データと同一の周期の有する第1
のクロック信号、及び、この第1のクロック信号の1/
mの周期を有する第2のクロック信号を発生して当該動
きベクトル検出回路内の各部に供給するクロック発生回
路を設けている。
【0029】また、評価演算の単位演算の処理周期が短
いことに応じて、探索ブロックの画素データ列を、第2
のクロック信号と同一周期の画素データ列であって、m
個ずつを取り出した場合にはいずれかの照合対象領域の
画素データ列になっている探索画素データ列を出力する
探索データ選択回路を設けている。
【0030】さらに、探索画素データ列の周期が短く、
検出ブロックの画素データ列の周期がそのm倍であるこ
とを利用して、その比であるm個の照合対象領域に係る
評価演算を行なう演算モジュールを設けている。ここ
で、照合対象領域の数が(n×M)2 で、1個の演算モ
ジュールに割当てられている照合対象領域の数がmであ
るので、演算モジュールの個数は(n×M)2 /m個で
ある。
【0031】勿論、各演算モジュールの出力から最適な
評価演算結果を検出して検出ブロックに対する動きベク
トル情報を得る動きベクトル判定回路を設けている。
【0032】ここで、各演算モジュールに設ける評価演
算回路の個数は最大でm個まで考えられるが、入力され
る探索画素データ列がm個毎に同一照合対象領域に係る
ものとなるので、1個の評価演算回路によって、自己に
割当てられているm個の照合対象領域に係る評価演算を
行なうことができ、このようにすることで演算モジュー
ルの構成を簡単なものとすることができる。
【0033】また、検出ブロック間の重複はないが、探
索ブロック間は一部で重複する。そこで、この性質を利
用して、探索データ選択回路に、割当てられている照合
対象領域が副走査方向に等しい複数の演算モジュールに
共通の探索画素データ列を作成して出力することが、構
成の簡単化の面から好ましい。
【0034】
【実施例】(A)実施例の基本的な考え方 まず、この実施例に係る検出ブロック及び探索ブロック
を明らかにして、実施例の基本的な考え方を説明する。
【0035】図6及び図7はそれぞれ、検出ブロック及
び探索ブロックの説明図である。この実施例は、検出ブ
ロックA(i,j)を現フレームNF側に設定し、探索
ブロックB(k,l)を前フレームLF側に設定して動
きベクトル情報を得るものである。検出ブロックA
(i,j)は、縦横h×gでなる現フレームNFを縦横
に分割した正方ブロックであり、この実施例の場合、図
7(A)に示すように、縦横8×8画素の大きさに選定
されている。他方、探索ブロックB(k,l)は、前フ
レームLFにおける検出ブロックA(i,j)の対応ブ
ロックC(i,j)を中心に含む領域が該当し、この実
施例の場合、図7(B)に示すように、縦横16×16
画素の大きさに選定されている。探索ブロックB(k,
l)の画素データの入力は、後述するように、これが縦
方向に2等分された2個の分割探索ブロックBD1
(k,l)及びBD2(k,l)の画素データを並行し
て入力することで実行されるようになされている。
【0036】ここで、厳密な意味での探索ブロックBM
(k,l)は、上述した探索ブロックB(k,l)の最
終行及び最終列を除いた縦横15×15画素でなるもの
である。しかし、探索ブロック内の2個の画素データの
動きベクトル検出回路への並行入力のバランスを考慮し
て、動きベクトル検出回路に対する入力は探索ブロック
B(k,l)について行なうこととしている。
【0037】動きベクトルの検出は、厳密な探索ブロッ
クBM(k,l)内から、検出ブロックA(i,j)と
同じ大きさの照合対象領域を切り出して検出ブロックA
(i,j)との評価演算を行ない、評価が最も高い照合
演算領域の位置と検出ブロックA(i,j)の位置の差
を捕らえることで行なう。厳密な探索ブロックBM
(k,l)には、検出ブロックA(i,j)と同じ大き
さの照合演算領域が(15−8+1)2 個すなわち64
個存在する。
【0038】動きベクトルを最も高速に求めるには、こ
の64個の照合対象領域との評価演算を並行して実行す
れば良い。しかし、1個の照合対象領域との評価演算を
行なう演算回路を64個設ければ回路が複雑になる。そ
こで、この実施例の場合、少ない演算回路によって、仮
想的に64個の演算回路を並列に並べたと同様な状態を
作り出すこととし、効率よく演算処理を行ってその演算
結果から正確な動きベクトルを高速に検出することがで
きるようにした。
【0039】このような仮想的な回路状態を作り出すた
めに、動きベクトル検出回路内の動作周波数(クロッ
ク)を操作している。
【0040】同じ評価演算を行なう演算回路を何個も並
列に設ける場合、LSI化が容易にできる。このような
演算用LSIの動作周波数は一般に数十メガヘルツであ
り、他方、探索ブロックB(k,l)や検出ブロックA
(i,j)に係る画素データを格納している画像メモリ
のような大規模のRAMの動作周波数は数メガヘルツ程
度である。従来のように、演算処理構成の動作周波数と
画素データを提供する画素データ出力構成の動作周波数
が等しい場合、後者の動作周波数に全体の動作周波数を
合わせると演算処理構成の能力を十分には引き出せな
い。逆に、演算処理構成の動作周波数に画素データ出力
構成(画像メモリ)の動作周波数に合わせると、画像メ
モリをキャシュメモリのような構成にしなければならな
くなり、回路が複雑になり回路規模も大きくなる。
【0041】この実施例の動きベクトル検出回路では、
評価演算時の動作周波数と、画素データの入力周波数と
を変えている。すなわち、評価演算時の動作周波数を画
素データの入力周波数の4倍に選定している。言い換え
ると、16個の演算回路によって64個の演算回路があ
ると同様な仮想的な状態を作り出している。
【0042】このことはまた次のことを意味する。例え
ば、探索ブロックB(k,l)の1画素データの入力期
間は、動作周期の4倍の期間であるので、演算処理から
見れば4個のデータを入力したと同様に取り扱うことが
でき、従って、同一の画素データを従来のように何回も
入力ことを不要にできる。
【0043】(B)実施例の全体構成 次に、以上のような基本的な考え方に従っている一実施
例を図面を参照しながら説明する。ここで、図1がこの
実施例の全体構成を示すものである。
【0044】図1において、この動きベクトル検出回路
は、16個の演算モジュール101〜116と、探索デ
ータ選択回路40と、動きベクトル判定回路41と、タ
イミング発生回路42と、クロック発生回路43とから
構成されている。
【0045】検出ブロックA(i,j)が新たなブロッ
クに切り替わったときに有意となるスタート信号STA
RT*(*はアクティブロウを意味する)は、タイミン
グ発生回路42及びクロック発生回路43に与えられ
る。
【0046】タイミング発生回路42は、このスタート
信号START*のタイミングに基づいて、16個の演
算モジュール101〜116に対するクリア信号CLR
1〜CLR16と、動きベクトル判定回路41に対する
クリア信号CLRVECとを発生する。これらクリア信
号CLR1〜CLR16、CLRVECのタイミング
は、各部の動作の後述する説明で明らかにする。
【0047】クロック発生回路43には、図示しない原
発振器から画素データの入力周波数の4倍の周波数を有
するクロック信号CLOCKも与えられており、スター
ト信号START*に同期した、クロック信号CLOC
Kと同一周波数のクロック信号CLK1と、クロック信
号CLOCKの1/4の周波数のクロック信号CLK2
とを発生して16個の演算モジュール101〜116、
探索データ選択回路40及び動きベクトル判定回路41
に与える。なお、後述するように、高速クロック信号C
LK1が評価演算の動作周波数を定めている。
【0048】各演算モジュール101、…、116は、
図10及び図11に示す詳細構成を有し、自己モジュー
ルに割当てられた4個の照合対象領域に対する評価演算
を行なうものである。勿論、当然に検出ブロックA
(i,j)の画素データと、探索ブロックB(k,l)
の画素データが入力されている。
【0049】検出ブロックA(i,j)の計64個の画
素データは、図示しない画像メモリからラスタ状に読み
出されて、当該動きベクトル検出回路にシリアルに入力
される。上述した16個の演算モジュール101〜11
6は、検出ブロックA(i,j)の画素データ列からみ
れば縦属接続されたものであり、検出ブロックA(i,
j)の画素データ列は各演算モジュール101、…、1
15で4画素データ期間だけ遅延されて次の演算モジュ
ール102、…、116に引き渡される。
【0050】このように縦属接続された16個の演算モ
ジュール101〜116の内、奇数番目の位置の演算モ
ジュール101、103、…、115は、探索ブロック
B(k,l)の第1列〜第4列かつ第1行〜第8行内の
画素データを左上とする縦横8×8画素でなる照合対象
領域との評価演算を行なうものである(図7(B)参
照)。ここで、第1番目の演算モジュール101は、探
索ブロックB(k,l)の第1行の第1列〜第4列の画
素データb(0,0)〜b(0,3)を左上とする照合
対象領域との評価演算を行なうものである。第3番目の
演算モジュール103は、探索ブロックB(k,l)の
第2行の第1列〜第4列の画素データb(1,0)〜b
(1,3)を左上とする照合対象領域との評価演算を行
なうものである。以下、同様に、奇数番目の位置の演算
モジュール105、…、115に、4個の照合対象領域
が割り付けられている。
【0051】他方、縦属接続された16個の演算モジュ
ール101〜116の内、偶数番目の位置の演算モジュ
ール102、104、…、116は、探索ブロックB
(k,l)の第5列〜第8列かつ第1行〜第8行内の画
素データを左上とする縦横8×8画素でなる照合対象領
域との評価演算を行なうものである。ここで、第2番目
の演算モジュール102は、探索ブロックB(k,l)
の第1行の第5列〜第8列の画素データb(0,4)〜
b(0,7)を左上とする照合対象領域との評価演算を
行なうものである。第4番目の演算モジュール104
は、探索ブロックB(k,l)の第2行の第5列〜第8
列の画素データb(1,4)〜b(1,7)を左上とす
る照合対象領域との評価演算を行なうものである。以
下、同様に、偶数番目の位置の演算モジュール106、
…、116に、4個の照合対象領域が割り付けられてい
る。
【0052】勿論、演算モジュール数16と各演算モジ
ュール101、…、116に割当てられている照合対象
領域数4とを掛けると、全照合対象領域数64になる。
【0053】これら演算モジュール101〜116に対
する探索ブロックB(k,l)内のデータの供給は、探
索データ選択回路40が行なう。探索データ選択回路4
0には、分割探索ブロックBD1(k,l)の計128
個の画素データが、図示しない画像メモリからラスタ状
に読み出されてシリアルに入力され、また、分割探索ブ
ロックBD2(k,l)の計128個の画素データが、
図示しない画像メモリからラスタ状に読み出されてシリ
アルに入力される。探索データ選択回路40は、図8に
示す詳細構成を有し、奇数番目の演算モジュール10
1、103、…、115に与える画素データ列ODD
と、偶数番目の演算モジュール102、104、…、1
16に与える画素データ列EVENとを形成して出力す
る。これら出力画素データ列ODD及びEVENは、入
力された1画素データの期間に4個の画素データが挿入
されたものであり、4個ずつ取り出した場合には、ある
照合対象領域の画素データ列になっているものである。
【0054】各演算モジュール101、…、116はそ
れぞれ、自己に割当てられている4個の照合対象領域に
ついての評価演算を行ない、得られた4個の評価値を、
クリア信号CLR1、…、CLR16が有意の間に動き
ベクトル判定回路41に与える。なお、各演算モジュー
ル101、…、116からの出力タイミングは、後述す
るようにずれており、そのため、共通の信号線を介して
動きベクトル判定回路41に評価値が入力される。
【0055】上述のように、評価演算の動作周波数を画
素データの入力周波数の4倍に選定しているので、検出
ブロックA(i,j)の全64個の画素データを入力す
る期間では64×4回の単位評価演算を実行できる。探
索データ選択回路40がこの期間に64×4個の探索画
素データを演算モジュールに供給するので、各演算モジ
ュール101、…、116に上述のように4個の照合対
象領域を割当てることができる。
【0056】動きベクトル判定回路41は、図13に示
す詳細構成を有し、全ての演算モジュール101〜11
6から与えられた全て(64個)の照合対象領域につい
ての評価値の最小値MINと、その最小値をとる照合対
象領域と検出ブロックA(i,j)との位置ずれを表す
動きベクトルVECとを得て出力する。
【0057】以下、この実施例の動きベクトル検出回路
の各部の詳細構成及びその動作を順に説明する。
【0058】 (C)探索データ選択回路40の詳細構成及びその動作 まず、探索データ選択回路40の詳細構成及びその動作
を図面を参照しながら詳述する。ここで、図8が探索デ
ータ選択回路40の詳細構成を示すブロック図であり、
図9がその各部タイミングチャートである。なお、図9
において、(k,l)は、縦書及び横書を問わず、探索
ブロックB(k,l)の画素データb(k,l)を意味
している(図7参照)。
【0059】図8において、この探索データ選択回路4
0は、1入力データ期間の遅延回路として機能する16
個のレジスタ50〜65と、マルチプレクサとして機能
する2個の4入力1出力選択器66及び67と、2個の
2入力1出力選択器68及び69とから構成されてい
る。
【0060】4個のレジスタ50〜53は縦属接続され
ており、この第1段のレジスタ50には、図9(A)に
示す分割探索ブロックBD1(k,l)の画素データ列
が入力される。各レジスタ50、…、53は、1入力デ
ータ期間を周期とするクロック信号CLK2に基づい
て、入力された画素データを取込むものである。従っ
て、各レジスタ50、…、53からはそれぞれ、図9
(D)〜(G)に示すように、入力された分割探索ブロ
ックBD1(k,l)の画素データ列を、1入力データ
期間、2入力データ期間、3入力データ期間、4入力デ
ータ期間だけ遅延させた画素データ列が出力される。こ
れら4種類の画素データ列が選択器66に入力される。
【0061】この選択器66には、1入力データ期間の
1/4の期間を周期とするクロック信号CLK1が入力
されており、このクロック信号CLK1が与えられる毎
に、入力端子を巡回的に切替えて入力を選択する。かく
して、選択器66の出力は、図9(H)に示すように、
入力された4種類の画素データ列を多重化したものとな
る。このような多重化画素データ列は選択器68及び6
9に入力される。
【0062】12個のレジスタ54〜65は縦属接続さ
れており、この第1段のレジスタ54には、図9(B)
に示す分割探索ブロックBD2(k,l)の画素データ
列が入力される。各レジスタ54、…、65は、1入力
データ期間を周期とするクロック信号CLK2に基づい
て、入力された画素データを取込むものである。入力側
の8個のレジスタ54〜61は、その出力を単に次段の
レジスタ55〜62に引き渡すものであり、従って、レ
ジスタ61からの出力は、図9(C)に示すように、入
力された分割探索ブロックBD2(k,l)の画素デー
タ列を8入力データ期間だけ遅延させたものとなる。後
側の4個のレジスタ62〜65の出力は、選択器67に
入力される。すなわち、選択器67には、入力された分
割探索ブロックBD2(k,l)の画素データ列を、9
入力データ期間、10入力データ期間、11入力データ
期間、12入力データ期間だけ遅延させた図9(I)〜
(L)に示すような4種類の画素データ列が入力され
る。
【0063】この選択器67には、1入力データ期間の
1/4の期間を周期とするクロック信号CLK1が入力
されており、このクロック信号CLK1が与えられる毎
に、入力端子を巡回的に切替えて入力を選択する。かく
して、選択器67の出力は、図9(M)に示すように、
入力された4種類の画素データ列を多重化したものとな
る。このような多重化画素データ列は選択器68及び6
9に入力される。
【0064】各選択器68、69はそれぞれ、例えば2
入力(2個の多重化画素データ列)のいずれを選択する
かを表すパターンを格納しており、クロック信号CLK
1が与えられる毎にこのパターンに従う入力を選択す
る。図9(N)は選択器68の出力を示すものであり、
この出力画素データ列ODDが奇数番目の演算モジュー
ル101、103、…、115に探索ブロックB(k,
l)のデータとして入力される。また、図9(O)は選
択器69の出力を示すものであり、この出力画素データ
列EVENが偶数番目の演算モジュール102、10
4、…、116に探索ブロックB(k,l)のデータと
して入力される。
【0065】なお、図9(N)及び(O)において、符
号☆は選択器67から与えられた画素データを選択した
ことを表しており、この符号が付されていない画素デー
タは選択器66の出力である。
【0066】当該探索データ選択回路40からの出力探
索画素データ列ODD及びEVENはそれぞれ、4個置
きに画素データを取り出した場合には、同一照合対象領
域の画素データをラスタ状に取り出したと同様のものと
なっている。
【0067】例えば、図9(N)において、符号aが付
された画素データを64個取り出すと、b(0,0)、
b(0,1)、b(0,2)、b(0,3)、b(0,
4)、…となり、画素データb(0,0)を左上とする
縦横8×8の照合対象領域の画素データ列となる。ま
た、符号bが付された64個画素データを取り出すと、
b(0,1)、b(0,2)、b(0,3)、b(0,
4)、b(0,5)、…となり、画素データb(0,
1)を左上とする縦横8×8の照合対象領域の画素デー
タ列となる。また、画素データb(1,0)を最初とし
て符号aが付された画素データを64個取り出すと、b
(1,0)、b(1,1)、b(1,2)、b(1,
3)、b(1,4)、…となり、画素データb(1,
0)を左上とする縦横8×8の照合対象領域の画素デー
タ列となる。
【0068】逆に言えば、このような出力探索画素デー
タ列ODD及びEVENを作り出すために、当該探索デ
ータ選択回路40内の各部が動作している。
【0069】(D)演算モジュールの詳細構成及び動作 次に、演算モジュール101〜116の詳細構成及び動
作を図面を参照しながら詳述する。ここで、図10が演
算モジュール44(101〜116)の詳細構成を示す
ブロック図、図11がその評価演算回路49の詳細構成
を示すブロック図、図12が演算モジュール44の動作
の説明に供するタイミングチャートである。なお、図1
2において、(k,l)は、縦書及び横書を問わず、探
索ブロックB(k,l)の画素データb(k,l)を意
味しており、[i,j]は、検出ブロックA(i,j)
の画素データa(i,j)を意味しており(図7参
照)、符号´は、1個前の検出ブロックに対する検出時
に関するデータを意味している。
【0070】図10において、演算モジュール44は、
1入力データ期間を周期とするクロック信号CLK2が
与えられる4個のレジスタ45〜48と、評価演算回路
49から構成されている。
【0071】レジスタ45〜48は縦属接続されてお
り、入力された検出ブロックA(i,j)の画素データ
列を4入力データ期間だけ遅延させて、次段の演算モジ
ュールに与えると共に評価演算回路49に与える。評価
演算回路49には、探索データ選択回路40が出力した
探索ブロックB(k,l)に係る画素データ列ODD又
はEVENも与えられており、これらの画素データ列に
基づいて、当該演算モジュール44に割当てられている
4個の照合対象領域に対する評価演算を行なって評価値
を出力する。
【0072】上述したレジスタ45〜48による遅延
は、検出ブロックA(i,j)の画素データ列と、探索
ブロックB(k,l)に係る画素データ列ODD又はE
VENとを同期させて評価演算回路49に入力させるた
めである。すなわち、図12(A)に示すスタート信号
START*が新たな検出ブロックの開始を指示した時
点から、図12(B)〜(D)に示すように、検出ブロ
ックA(i,j)、分割探索ブロックBD1(k,
l)、BD2(k,l)の画素データ列が並行して入力
されてくる。しかし、照合のための探索ブロックB
(k,l)の画素データ列ODD及びEVENは、探索
データ選択回路40から与えられるため、その回路40
の処理遅延によって、図12(H)及び(L)に示すよ
うに、図12(B)に示す検出ブロックA(i,j)の
画素データ列の開始位相からずれたものとなる。また、
当該演算モジュール44に割当てられている照合対象領
域の画素データが始まる、画素データ列ODD及びEV
ENの時点も、図12(B)に示す検出ブロックA
(i,j)の画素データ列の開始位相からずれたものと
なる。従って、図12(F)に示すクロック信号CLK
2の周期を利用した同期化が必要となっている。
【0073】このような同期化された検出ブロックA
(i,j)の画素データ列と、探索ブロックB(k,
l)に係る画素データ列ODD又はEVENとが与えら
れる評価演算回路49は、図11に示す詳細構成を有す
る。すなわち、評価演算回路49は、差分絶対値演算器
70、加算器71、7個のレジスタ72〜78、選択器
79及び出力制御回路80から構成されている。
【0074】差分絶対値演算器70は、その時点で入力
されている検出ブロックA(i,j)の画素データと、
探索ブロックB(k,l)に係る画素データ列ODD又
はEVENの画素データとの差の絶対値を演算して加算
器71に与えるものである。
【0075】加算器79は、今回の差分絶対値と、選択
器79から与えられたそのまでの差分絶対値の累積値と
を加算して累積値を更新するものである。この加算器7
1の出力はレジスタ72に与えられる。
【0076】4個のレジスタ72〜75は縦属接続され
ており、1入力データ期間の1/4の期間を周期とする
クロック信号CLK1によってラッチ動作するものであ
る。従って、加算器71からの差分絶対値の累積値は4
クロック周期(1入力データ期間)だけ遅延されて選択
器79に与えられる。
【0077】選択器79は、クリア信号CLR(CLR
1〜CLR16のいずれか)が与えられているときに0
データを選択し、それ以外のときに差分絶対値の累積値
を選択して加算器71に与える。なお、クリア信号CL
Rは、縦属接続された3個のレジスタ76〜78によっ
て3クロック周期だけ遅延されて選択器79に与えられ
るようになされている。これは、タイミング発生回路4
2(図1参照)が出力したクリア信号CLRと、探索ブ
ロックB(k,l)に係る画素データ列ODD又はEV
ENの位相が、例えば、図12(H)及び(I)や、図
12(L)及び(M)に示すように、3クロック周期だ
けずれているためである。
【0078】ここで、探索ブロックB(k,l)に係る
画素データ列ODD又はEVENは、上述したように、
4個置きに取り出した場合には、同一の照合対象領域の
画素データ列となる。従って、レジスタ72〜75及び
選択器79を介して加算器71に与えられるそれまでの
差分絶対値の累積値と、差分絶対値演算器70から与え
られる差分絶対値とは、同一の照合対象領域のものであ
る。このようにして、検出ブロックA(i,j)と照合
対象領域の対応する画素データの差分絶対値が累積され
ていき、検出ブロックA(i,j)の全ての画素データ
が入力されて処理されたときの差分絶対値の累積値が評
価値となる。
【0079】評価値の出力は出力制御回路80が制御す
る。出力制御回路80には、レジスタ72から出力され
た差分絶対値の累積値が与えられると共に、クリア信号
CLRが与えられる。出力制御回路80は、クリア信号
CLRが有意のときに、レジスタ72から出力された差
分絶対値の累積値を当該演算モジュール44の出力評価
値として送出し、クリア信号CLRが非有意のときに、
レジスタ72から出力された差分絶対値の累積値に対し
ては出力を阻止する。ここで、レジスタ72によって1
クロック周期遅延されていることを考慮すると、クリア
信号CLRが有意の期間は、当該演算モジュール44に
割当てられている4個の照合対象領域に対する評価値
(差分絶対値の全画素に対する総和)が得られているタ
イミングと合致している。
【0080】次に、評価演算回路49の動作を具体例を
挙げて説明する。ここでは、第1番目の演算モジュール
101に設けられている評価演算回路49を考える。こ
の評価演算回路49に対する各種入力は、図12
(E)、(G)〜(I)のようになっている。
【0081】クリア信号CLR1は、3クロック周期だ
け遅延されて選択器79に与えられるので、検出ブロッ
クA(i,j)の最初のデータa(0,0)が当該評価
演算回路49に入力されている期間では、選択器79は
0データを選択して加算器71に与えている。
【0082】このような状態で、探索画素データ列OD
Dの最初の探索データb(0,0)が入力されると、差
分絶対値演算器70は|a(0,0)−b(0,0)|
を求め、これがそのまま加算器71の出力となってレジ
スタ72の出力も|a(0,0)−b(0,0)|とな
る。しかし、このタイミングではクリア信号CLR1が
非有意に戻っているのでこれが出力されることはなく、
次に、クリア信号CLR1が有意になるまでは継続して
出力は阻止される。次の探索データb(0,1)が入力
されると、差分絶対値演算器70は|a(0,0)−b
(0,1)|を求め、これがそのまま加算器71の出力
となり、レジスタ72の出力は|a(0,0)−b
(0,1)|、レジスタ73の出力は|a(0,0)−
b(0,0)|となる。次の探索データb(0,2)が
入力されると、差分絶対値演算器70は|a(0,0)
−b(0,2)|を求め、これがそのまま加算器71の
出力となってレジスタ72の出力は|a(0,0)−b
(0,2)|、レジスタ73の出力は|a(0,0)−
b(0,1)|、レジスタ74の出力は|a(0,0)
−b(0,0)|となる。次の探索データb(0,3)
が入力されると、差分絶対値演算器70は|a(0,
0)−b(0,3)|を求め、これがそのまま加算器7
1の出力となってレジスタ72の出力は|a(0,0)
−b(0,3)|、レジスタ73の出力は|a(0,
0)−b(0,2)|、レジスタ74の出力は|a
(0,0)−b(0,1)|、レジスタ75の出力は|
a(0,0)−b(0,0)|となる。
【0083】次には、検出データもa(0,1)に変化
する。このときには、選択器79に対するクリア信号C
LR1も非有意に戻っており、選択器79はレジスタ7
5にラッチされているデータが出力する状態になる。こ
のような状態で、次の探索データb(0,1)が入力さ
れると、差分絶対値演算器70は|a(0,1)−b
(0,1)|を求め、加算器71によって、この値|a
(0,1)−b(0,1)|に選択器79からの値|a
(0,0)−b(0,0)|が加算されてレジスタ72
にはこの加算値(累積値)がラッチされる。
【0084】以下、同様にして、左上の画素がb(0,
0)の照合対象領域、左上の画素がb(0,1)の照合
対象領域、左上の画素がb(0,2)の照合対象領域、
左上の画素がb(0,3)の照合対象領域をクロック周
期で切替えながら、検出ブロックA(i,j)と照合対
象領域との対応画素の差分絶対値を求めてはそれまでの
累積値に加算していく。
【0085】検出データが最後の画素データa(7,
7)になった状態において、探索データb(7,7)が
入力されると、検出ブロックA(i,j)と左上の画素
がb(0,0)の照合対象領域との対応画素の差分絶対
値の総和M1がレジスタ72にラッチされる。
【0086】次の探索データb(7,8)が入力される
タイミングで、クリア信号CLR1が再び有意となる。
このときには出力制御回路80は入力データをそのまま
出力できる状態になる。従って、次の探索データb
(7,8)が入力されると、左上の画素がb(0,0)
の照合対象領域に対する評価値M1が動きベクトル判定
回路41に出力されると共に、検出ブロックA(i,
j)と左上の画素がb(0,1)の照合対象領域との対
応画素の差分絶対値の総和M2がレジスタ72にラッチ
される。
【0087】以下、同様に、探索データb(7,9)が
入力されると、左上の画素がb(0,1)の照合対象領
域に対する評価値M2が動きベクトル判定回路41に出
力されると共に、検出ブロックA(i,j)と左上の画
素がb(0,1)の照合対象領域との対応画素の差分絶
対値の総和M3がレジスタ72にラッチされ、探索デー
タb(7,10)が入力されると、左上の画素がb
(0,2)の照合対象領域に対する評価値M3が動きベ
クトル判定回路41に出力されると共に、検出ブロック
A(i,j)と左上の画素がb(0,3)の照合対象領
域との対応画素の差分絶対値の総和M4がレジスタ72
にラッチされる。そして、検出ブロックA(i,j)を
切替えた後の最初の探索データが入力されると、左上の
画素がb(0,3)の照合対象領域に対する評価値M4
が動きベクトル判定回路41に出力される。
【0088】他の演算モジュール102〜116も同様
に動作する。なお、1段異なる演算モジュール間の評価
値の出力タイミングは、例えば、図12(J)及び
(N)との比較から明らかなように、4入力データ期間
異なっている。
【0089】 (E)動きベクトル判定回路41の詳細構成及び動作 次に、動きベクトル判定回路41の詳細構成及び動作
を、図面を参照しながら詳述する。ここで、図13がこ
の動きベクトル判定回路41の詳細構成を示すブロック
図、図14がその各部タイミングチャートである。
【0090】動きベクトル判定回路41は、大きくは、
評価値M1〜M64の最小値を検出する構成と、最小値
をとる照合対象領域と検出ブロックA(i,j)との位
置ずれである動きベクトルを得る構成とからなってい
る。
【0091】評価値M1〜M64の最小値を検出する構
成は、データ幅変換器81、現評価値用レジスタ82、
最小評価値用レジスタ83及び87、選択器84、比較
器85及びインバータ86から構成されている。
【0092】データ幅変換器81は、1入力データ期間
の1/4の期間に現れる各評価値のデータ幅を1入力デ
ータ期間に変換するものである。例えば、全てのクリア
信号CLR1〜CLR16のオア出力が、評価値が入力
されている期間を示すものとして与えられてそれを上述
した高い周波数のクロック信号CLK1で内部レジスタ
に書込み、それをインバータ82から与えられる低い周
波数のクロック信号CLK2の反転信号で読出すことで
データ幅を変換する。従って、図14(A)に示すよう
に入力された離散的な評価値列M1〜M64は、図14
(D)に示すように、連続でかつ各評価値のデータ幅が
4倍に変換されたものとなる。このようなデータ幅が変
換された評価値列M1〜M64は、レジスタ82及び選
択器84に与えられる。
【0093】選択器84には、後述するようにレジスタ
83にラッチされているその時点までの最小評価値も与
えられている。選択器84は、比較器85からの比較出
力に基づいて、データ幅変換器81から出力されている
評価値がその時点までの最小評価値より小さい場合にデ
ータ幅変換器81から出力されている評価値を選択し、
データ幅変換器81から出力されている評価値がその時
点までの最小評価値以上の場合に最小評価値を選択し、
レジスタ83に与える。なお、図14(C)に示すクリ
ア信号CLRVECが与えられた直後は、選択器84
は、データ幅変換器81から出力されている評価値M1
を選択する。
【0094】レジスタ82は、図14(D)に示すデー
タ幅変換器81から出力されている評価値を、1入力デ
ータ期間を周期とする図14(B)に示すクロック信号
CLK2に基づいてラッチして比較器85に与える。図
14(E)は、このラッチ内容を示すものである。レジ
スタ83は、図14(F)に示す選択器84から出力さ
れているその時点までの最小評価値を、クロック信号C
LK2の図14(H)に示す反転信号に基づいてラッチ
して比較器85に与える。図14(G)は、このラッチ
内容を示すものである。
【0095】比較器85は、両レジスタ82及び83の
ラッチ内容を比較し、レジスタ82に格納されている評
価値が小さいときに、レジスタ83に格納されているそ
れまでの最小評価値を、今、データ幅変換器81から出
力されている評価値に更新させるように選択器84を動
作させる図14(I)に示す比較出力を選択器84に与
える。比較器85は、上記以外の場合は、レジスタ83
に格納されているそれまでの最小評価値を選択させる比
較出力を選択器84に与える。
【0096】なお、レジスタ83に格納されているそれ
までの最小評価値MINは、クロック信号CLK2によ
って出力用レジスタ87にラッチされて出力される。な
お、このレジスタ87の出力は図14(N)に示すよう
に変化するものであるが、次に、クリア信号CLRVE
Cが与えられた時点の内容が、今回の検出ブロックA
(i,j)に係る最小評価値である。
【0097】この動きベクトル判定回路41における最
小値をとる照合対象領域と検出ブロックA(i,j)と
の位置ずれである動きベクトルを得る構成は、主とし
て、ベクトル発生器88、選択器89及び2個のレジス
タ90、91である。
【0098】ベクトル発生器88は、クリア信号CLR
VECが与えられたときに、初期ベクトルV(−4,−
4)を出力し、その後、クロック信号CLK2が与えら
れる毎にベクトルを更新して発生するものである。この
ベクトル発生器88が発生する図14(K)に示すベク
トルは、その時点でレジスタ82にラッチされている評
価値(従って半周期前側にずれているがデータ幅変換器
81が出力している評価値)に係る照合対象領域に対応
するものである。
【0099】選択器89は、比較器85からの比較出力
に基づいて、上述した選択器84と同様な選択動作を行
なうものである。すなわち、選択器84がデータ幅変換
器81から出力されている最新の評価値を最小のものと
して選択した場合には、選択器89もそれに対応した、
図14(K)に示すベクトル発生器88が出力したベク
トルを選択する。また、選択器84がレジスタ83から
出力されているいままでの最小評価値を継続して最小の
ものとして選択した場合には、選択器89もそれに対応
した、図14(M)に示すレジスタ90が出力したベク
トルを選択する。この選択された最小評価値に対応した
ベクトルがレジスタ90にクロック信号CLK2の反転
信号に基づいてラッチされる。なお、選択器89は、ク
リア信号CLRVECが与えられた直後は、選択器84
と同様に、ベクトル発生器88が発生したベクトルを選
択する。
【0100】レジスタ90に格納されているそれまでの
最小評価値MINに対する動きベクトルVECは、クロ
ック信号CLK2によって出力用レジスタ87にラッチ
されて出力される。なお、このレジスタ87の出力は図
14(O)に示すように変化するものであるが、次に、
クリア信号CLRVECが与えられた時点の内容が、今
回の検出ブロックA(i,j)に係る動きベクトルであ
る。
【0101】以上のように、この動きベクトル判定回路
41においては、入力された評価値のデータ幅を変換
し、最初の評価値M1はそのままそれまでの最小評価値
とし、それ以降の評価値M2〜M64に対しては、それ
までの最小評価値と大小比較し、小さい場合に最小評価
値を更新する処理を行ない、これに並行して最小評価値
を有する照合対象領域に係るベクトルに検出動きベクト
ルとして更新する処理を行ない、今回の検出ブロックA
(i,j)についての全ての評価値M1〜M64に対す
る処理を終了したときの最小評価値MIN及び対応動き
ベクトルVECを出力する。
【0102】(F)動きベクトル情報の連続検出処理 上述したように、1個の検出ブロックA(i,j)の画
素数は64個であるのに対して、分割探索ブロックBD
1(k,l)及びBD2(k,l)の画素数はそれぞれ
128個である。従って、単純には、ある検出ブロック
A(i,j)についての動きベクトルを得るために画素
データを入力する場合、検出ブロックA(i,j)につ
いての画素データの入力が先に終わってしまい、次の検
出ブロックA(i,j)についての処理になるまで検出
ブロックA(i,j)についての画素データの入力を停
止しなければならない。
【0103】しかし、隣合う検出ブロックに対する探索
ブロック間では一部領域が重複することを利用すると、
検出ブロックA(i,j)に対する画素データの入力を
中断することなく行なうことができて、動きベクトル情
報を効率良く検出することができる。
【0104】以下、上述した構成の動きベクトル検出回
路によって、各検出ブロックの動きベクトル情報の検出
を効率良く実行する方法について説明する。
【0105】ここで、1フレームの大きさを、図15に
示すように縦横48×64画素とすると、図15(A)
に示すように検出ブロックA(i,j)はA1〜A48
の48個となる。以下の説明のために、前フレームLF
についても、図15(B)に示すように検出ブロックA
(i,j)と同じ大きさのブロックC1〜C48を規定
しておく。
【0106】48個の検出ブロックA1〜A48の処理
順序は任意に選定できるが、この実施例の場合、縦方向
に変えていくこととしている。すなわち、この処理順序
が、後述するように動きベクトル情報の検出を効率良く
実行できる方法である。例えば、A4、A12、A2
0、…、A44のような順序とする。
【0107】ここで、検出ブロック列A4〜A44が処
理対象となったとする。図16は、この検出ブロック列
A4〜A44の画素配列を示すものである。図17は、
この検出ブロック列A4〜A44についての動きベクト
ルの検出に必要な前フレームの領域の画素配列を示すも
のである。この図17に示すように、検出ブロック列A
4〜A44についての動きベクトルの検出に必要な探索
の領域は、検出ブロック列A4〜A44に対応した前フ
レームLFのブロック列C4〜C44の領域と、その左
隣のブロック列C3〜C43の右半分の領域と、ブロッ
ク列C4〜C44に右隣のブロック列C5〜C45の左
半分の領域と、最上位ブロックC4の上方の縦横4×1
6画素の領域CUと、最下位ブロックC44の下方の縦
横4×16画素の領域CL(図示はしていない)とであ
る。領域CU及びCLは、前フレームLFの範囲を越え
た領域であるので、この領域の画素データとしてはダミ
ーデータを用いる。なお、このダミーデータ領域CU及
びCLは仮想的なものであり、後述するように、読出し
については一方だけが存在するのと等価である。
【0108】このような探索のための領域を縦方向に2
等分する。このような2等分された領域CD1及びCD
2は、上述した分割探索ブロックBD1及びBD2(図
7(B)参照)に対応する。
【0109】今、検出ブロックA4が処理対象となった
とする。この場合の探索ブロックは図17で一点鎖線で
囲んだ領域D1である(図7(B)参照)。従って、検
出ブロックA4の処理時には、図16に示す検出ブロッ
クA4の画素配列からラスタ状に画素データを読出し、
図17に示す分割領域CD1にある探索ブロックD1の
部分の画素配列からラスタ状に画素データを読出し、分
割領域CD2にある探索ブロックD1の部分の画素配列
からラスタ状に画素データを読出すことを同時に行な
う。これにより、上述した動きベクトルの検出動作が開
始して実行される。ここで、検出ブロックA4に対する
読出しが終了したときには、図18に示すように、探索
ブロックD1の半分のデータしか読み出されていない。
そこで、探索ブロックD1からの画素データの読出しを
継続する。
【0110】また、検出ブロックA4に対する読出しが
終了したときには、間隔を開けることなく、図18に示
すように、次の検出ブロックA12の画素データのラス
タ状の読出しを行なう。
【0111】ここで、検出ブロックA12に対する探索
ブロックは、図17に示す二点鎖線で囲んだ領域D2で
ある。すなわち、検出ブロックA4に対する探索ブロッ
クD1と検出ブロックA12に対する探索ブロックD2
とは、図17に斜線を付した部分が共通である。従っ
て、この共通領域の画素データの読出しは、検出ブロッ
クA4に対する探索画素データの読出しを意味すると共
に、検出ブロックA12に対する探索画素データの読出
しを意味する。
【0112】すなわち、検出ブロックA4に対する読出
しが終了したときに、間隔を開けることなく、次の検出
ブロックA12の画素データのラスタ状の読出せば、そ
の探索ブロックD2の画素データも同期して読出してい
ることになる。
【0113】従って、処理対象の検出ブロックが切り替
わっても、検出ブロック及び探索ブロックの画素データ
のラスタ状の読出しを継続して行なうことができ、この
ようにすると読出しに無駄が生じず、このような継続読
出しを採用している。
【0114】縦方向の最後の検出ブロックA44の画素
データの読出しが終了した場合には、これに対応する探
索ブロックの画素データで読み出されていないものはダ
ミーデータだけである。従って、ダミーデータの読出し
を継続する。この検出ブロックA44の次には、検出ブ
ロックA5が処理対象となるが、この検出ブロックA5
の探索ブロックについて前半で読出す画素データもダミ
ーデータである。従って、ダミーデータの読出しという
点で、検出ブロックA44及びA5は共通しており、検
出ブロックA44の画素データの読出しが終了したとき
に、間隔を開けることなく、次の検出ブロックA5の画
素データのラスタ状の読出せばその探索ブロックの画素
データも同期して読出していることになる。
【0115】以上のように、検出ブロックA1〜A48
の処理対象順序を縦方向に選定すると、検出ブロック及
び探索ブロックの画素データを中断することなく、画素
メモリから読出して上述した構成の動きベクトル検出回
路に入力することができ、効率良く動きベクトル情報を
得ることができる。
【0116】(G)実施例の効果 以上のように、上記実施例によれば、評価演算の処理速
度を、画像メモリからの画素データの読出し速度より高
速(4倍)にした構成としたので、画像メモリからの同
一画素データの読出しが1回で全ての動きベクトルを得
ることができ、従来より高速に動きベクトルを検出する
ことができる。ここで、画像メモリからの読出し速度
は、従来と同様であるので、高速読出しのためのキャッ
シュメモリ等が不要となる。
【0117】また、演算モジュール内に1個の評価演算
回路を設けるだけで、4個の照合対象領域に対する評価
演算を実行することができ、構成を簡単なものとするこ
とができる。
【0118】さらに、各演算モジュールに全ての照合対
象領域を等分に(4個ずつ)割当て、各演算モジュール
を並行して動作させるので、全ての照合対象領域に対す
る評価演算を並行して実行していると等価な状態を作り
出すことができ、この点からも従来より高速に動きベク
トルを検出することができる。
【0119】さらにまた、この実施例の場合、探索デー
タ選択回路を各演算モジュールに共通に設けて、演算モ
ジュール内には探索画素データを選択するような構成を
不要としたので、演算モジュールの構成を簡単なものと
することができる。その結果、演算モジュールをディス
クリート部品で構成すれば動きベクトル検出回路の構成
も簡単になり、また、集積回路で構成するとしても構成
が簡単な分だけ信頼性が向上する。
【0120】(H)他の実施例 なお、上記実施例においては、検出ブロックを現フレー
ムに、探索ブロックを前フレームに設定して動きベクト
ルを検出するものを示したが、逆に、検出ブロックを前
フレームに、探索ブロックを現フレームに設定して動き
ベクトルを検出するものであっても良い。フレーム間の
差も1フレームに限定されるものではない。
【0121】また、当該動きベクトル検出回路を利用す
る装置も、動き補償フレーム間予測符号化器等の符号化
装置に限定されるものではない。
【0122】さらに、検出ブロックや探索ブロックの大
きさ等も上記実施例のものに限定されるものではない。
但し、以下のような関係を満足するものであることを要
する。検出ブロックが縦横N×N画素であれば、探索ブ
ロックを縦横のそれぞれの画素数Mが(n+1)×Nの
ものに選定する(ここで、nは自然数)。演算モジュー
ルにおける評価演算の動作周波数を、画像メモリからの
画素データの読出し周波数のm倍に選定した場合に、演
算モジュールの個数Pを、(n×M)2 =P×mを満足
するように選定する。
【0123】上記実施例では、画素データを読出すラス
タ走査が横方向を主走査方向とするものであったが、縦
方向を主走査方向とする読出しであっても良い。
【0124】さらに、上記実施例においては、演算モジ
ュールを検出ブロックの画素データ列からみて縦属接続
し、割当てられている照合対象領域が副走査方向に共通
の演算モジュールには共通の探索画素データ列を入力す
るようにしたが、各演算モジュールに検出ブロックの画
素データ列や探索画素データ列を個別に与えるものであ
っても良い。
【0125】また、演算モジュール内の評価演算回路の
個数も1個に限定されるものではない。上記実施例の変
形例として、2個の評価演算回路を設けてそれぞれに2
個の照合対象領域を担当させることを挙げることができ
る。
【0126】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、評価演
算の処理速度を、画像メモリからの画素データの読出し
速度より整数倍にして処理する構成としたので、従来よ
り高速に動きベクトルを検出することができる簡単な構
成の動きベクトル検出回路を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】従来の検出ブロック及び探索ブロックの説明図
である。
【図3】従来の全体構成を示すブロック図である。
【図4】従来の演算モジュールの詳細構成を示すブロッ
ク図である。
【図5】従来の画素データ列及び評価演算対象領域の変
化を示す説明図である。
【図6】実施例の検出ブロック及び探索ブロックの説明
図(その1)である。
【図7】実施例の検出ブロック及び探索ブロックの説明
図(その2)である。
【図8】実施例の探索データ選択回路の詳細構成を示す
ブロック図である。
【図9】実施例の探索データ選択回路の各部タイミング
チャートである。
【図10】実施例の演算モジュールの構成を示すブロッ
ク図である。
【図11】実施例の評価演算回路の詳細構成を示すブロ
ック図である。
【図12】実施例の演算モジュールの動作の説明に用い
るタイミングチャートである。
【図13】実施例の動きベクトル判定回路の詳細構成を
示すブロック図である。
【図14】実施例の動きベクトル判定回路の各部タイミ
ングチャートである。
【図15】実施例の画素データの最適な読出し方法の説
明図(その1)である。
【図16】実施例の画素データの最適な読出し方法の説
明図(その2)である。
【図17】実施例の画素データの最適な読出し方法の説
明図(その3)である。
【図18】実施例の画素データの最適な読出し方法の説
明図(その4)である。
【符号の説明】
101〜116…演算モジュール、40…探索データ選
択回路、41…動きベクトル判定回路、43…クロック
発生回路、49…評価演算回路、50〜65、72〜7
8…1入力画素データ期間遅延用レジスタ、70…差分
絶対値演算器、71…加算器、79…選択器、80…出
力制御回路。
フロントページの続き (72)発明者 徳野 芳雄 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相前後する2フレームの内の一方を、縦
    横M×M画素でなる複数のブロックに分割し、これら分
    割ブロックを動きベクトルの検出ブロックとし、相前後
    する2フレームの内の他方に、検出ブロックと同位置を
    含む縦横のそれぞれが自然数nを用いて表される(n+
    1)×M画素の探索ブロックを設定し、この探索ブロッ
    ク内で検出ブロックと同じ大きさの合計(n×M)2
    の照合対象領域を切出し、検出ブロックと各照合対象領
    域との間で検出ブロックと照合対象領域との相関を表す
    評価演算を行ない、その評価演算結果から、最適な照合
    対象領域を検出して上記検出ブロックについての動きベ
    クトル情報を得る動きベクトル検出回路であって、 入力される検出ブロック及び探索ブロックの画素データ
    列と同一周期の有する第1のクロック信号、及び、この
    第1のクロック信号の1/mの周期を有する第2のクロ
    ック信号を発生して当該動きベクトル検出回路内の各部
    に供給するクロック発生回路と、 第1のクロック信号と同一周期の入力された探索ブロッ
    クの画素データ列を、第2のクロック信号と同一周期の
    画素データ列であって、m個ずつを取り出した場合には
    いずれかの照合対象領域の画素データ列になっている1
    以上の探索画素データ列を出力する探索データ選択回路
    と、 上記第2のクロック信号の供給を受けて、第1のクロッ
    ク信号と同一周期の入力された探索ブロックの画素デー
    タ列及び探索データ選択回路から与えられた探索画素デ
    ータ列とから、自己に割当てられているm個の照合対象
    領域に係る評価演算を行なう、(n×M)2 /m個の演
    算モジュールと、 各演算モジュールの出力から最適な評価演算結果を検出
    して検出ブロックに対する動きベクトル情報を得る動き
    ベクトル判定回路とを備えたことを特徴とする動きベク
    トル検出回路。
  2. 【請求項2】 上記各演算モジュールが、1個の評価演
    算回路を備えて、自己に割当てられているm個の照合対
    象領域に係る評価演算を、上記第2のクロック信号の周
    期で照合対象領域を変えながら行なうことを特徴とする
    請求項1に記載の動きベクトル検出回路。
  3. 【請求項3】 上記探索データ選択回路は、割当てられ
    ている照合対象領域が副走査方向に等しい複数の上記演
    算モジュールに共通の探索画素データ列を作成して出力
    することを特徴とする請求項1に記載の動きベクトル検
    出回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03106283A (ja) * 1989-09-20 1991-05-02 Graphics Commun Technol:Kk 動ベクトル検出装置

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