JPH0518356B2 - - Google Patents

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JPH0518356B2
JPH0518356B2 JP61255419A JP25541986A JPH0518356B2 JP H0518356 B2 JPH0518356 B2 JP H0518356B2 JP 61255419 A JP61255419 A JP 61255419A JP 25541986 A JP25541986 A JP 25541986A JP H0518356 B2 JPH0518356 B2 JP H0518356B2
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hydroxide
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PHOSPHORUS CHEM IND
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
<発明の技術分野> 本発明は赤リン系難燃剤による熱可塑性樹脂の
難燃化に関するものであり、特定の方法で製造さ
れ、限定された形状を持つ赤リンを用いることに
より、作業性、安全性並びに安定性の優れた難燃
性熱可塑性樹脂組成物を提供しようとするもので
ある。 <発明の背景> 熱可塑性樹脂はその優れた物理的、化学的性質
により、電気、機械、自動車、建築等の広い分野
で大量に用いられているが、近年産業界全般にみ
られる材料の高機能性追求の中で熱可塑性樹脂の
物性に対する要求も又一段と厳しく、本発明の技
術分野である難燃化についても安全性に関する社
会的要請の高まりと相俟つて、従来のような単な
る難燃化のみならず、作業時や燃焼時の安全性並
びに使用安定性の良好な難燃化技術へとより高度
化しているのが現状である。 熱可塑性樹脂の難燃化法としては、従来いろい
ろの方法が提案されているが、一般に実用化され
ているのは有機ハロゲン化合物、有機リン化合物
及び三酸化アンチモン等を単独又は組合わせて用
いる方法である。しかし乍らこれ等の難燃剤には
いずれも、安全性や安定性に問題があつたり、樹
脂の特性を低下させる等の欠点があり、高度化し
た難燃化の要求にこたえ得るものは殆んどない。
即ち、熱可塑性樹脂は比較的高温で成形加工され
るが、有機ハロゲン系難燃剤は、このような高温
での成形時に腐食性の熱分解生成物、或いは加水
分解生成物を生じて、金型を損傷せしめたり成形
後、成形物表面にブリードアウトして外観の低劣
化や樹脂の電気特性を低下させたりする。又、有
機ハロゲン化物は、高度の難燃性付与のためには
比較的多量の添加が必要であり、この結果樹脂本
来の引張強度、耐折強度、耐衝撃強度等の機械的
特性が失われる。更に有機ハロゲン化物の致命的
な欠点として最近特にクローズアツプされている
のが燃焼時の発煙や有害ガスの多量発生の問題で
あり、合成樹脂の火災安全性に対する要求が強ま
る中で、有機ハロゲン化物のような燃焼時に多量
の公害性ガスを発生する添加物は人体に対する安
全性のみならず、装置、機器類の保全の点でも、
その使用範囲は次第に制限されつつあるといえ
る。三酸化アンチモンは通常有機ハロゲン化物の
難燃助剤として用いられているが、三酸化アンチ
モンは、樹脂の引張強度、耐衝撃強度の低下等、
樹脂の物性に悪影響を及ぼすだけでなく、三酸化
アンチモン自身毒物であり作業環境の安全性に問
題がある。 又、有機リン化合物はそれ自身可塑剤として働
くものが多く、この結果、樹脂の耐熱性や機械的
強度を低下させたり、吸水性の増大により変形や
グレーズの発生をもたらすことが指適されてい
る。 一方、従来から用いられている合成樹脂用難燃
剤の一つに赤リンがあり、赤リンは樹脂の耐熱性
に対する影響が少なく、経時的なブリードアウト
の問題もなく、比較的少量の添加で有効な難燃性
を付与できることが知られている。赤リンは、し
かし比較的不安定で高温や機械的衝撃下において
有毒なホスフインを発生したり、発火したりする
危険があるため、混練成形温度の低い一部の熱硬
化性樹脂においてのみ実用化されており、高融点
の熱可塑性樹脂には殆んど用いられていない。こ
のため赤リン粒子の表面を種々の物資でコーチン
グして赤リンの安定性を高めようとする提案もさ
れているが熱可塑性樹脂に適したものは未だ得ら
れていない。 又、赤リンは比較的水分と反応し易く、極く徴
量の湿分によつて変質、分解し、分解生成物が樹
脂の物性や電気特性に悪影響を及ぼすことも指適
されており、高度の品質安定性が要求される電気
部品や耐湿性が重視される用途には問題がある。 しかし、赤リンは少量添加で難燃効果が大き
く、かつ有機ハロゲン化物に較べて燃焼時の発煙
や有害ガスの発生が少なく、火災時の安全性、低
公害性という今日的な要求にこたえ得る難燃剤と
して、赤リンの耐熱安定性、耐湿安定性の改善に
対する要望が強く、安定な赤リン系難燃剤の出現
が待たれている。 発明者等はこのような状況の中で、赤リンの安
定化の問題にとり組み、従来の如き、赤リン粒子
の表面処理による方法には自ら限界があるとの見
解に立ち、全く別の角度から赤リンの安定化につ
いて鋭意研究の結果、従来の赤リンとは別の製造
方法によつて得られ、赤リン粒子の表面状態や物
性値も従来品とは全く異なる特定の形状を持つ赤
リンが極めて安定で、それ自体十分難燃剤として
用い得るだけでなく、更にこのような赤リンに表
面改質処理を施こすことにより、安定性が著しく
高められ、熱可塑性樹脂の難燃剤として極めて有
用であることを発見して本発明を完成するに至つ
た。 <発明の構成及び効果> 本発明はポリアミド、ポリエステル、ポリエー
テル、ポリカーボネート、ポリスチレン又はポリ
ウレタンから選ばれた1種又は2種以上の熱可塑
性樹脂に難燃化成分として粉砕を必要としない黄
リンの転化処理法により直接的に得られる破砕面
のない徴粒子又はその集合体である球体様赤リン
又はこれを熱硬化性樹脂又は(及び)水酸化アル
ミニウムや水酸化亜鉛で被覆した赤リン系難燃剤
を添加することを特長とする難燃性熱可塑性樹脂
組成物に関するものである。 赤リンは通常転化釜と称する反応容器中で黄リ
ンを数日間加熱処理することによつて製造されて
いるが、この様な方法では、赤リンはケーキ状に
固く凝結した密度の高い一体の塊状物として得ら
れる。赤リンが合成樹脂中において難燃効果を発
現するためには微粉状であることが必要であり、
従つて転化釜から一体の塊状物として得られる通
常の赤リンにおいては粉砕工程が不可欠である。
これに対し、本発明で用いる赤リンは異つた転化
方法によるため、粉砕工程を必要とせず、直接的
に微粒子状としてて生成するもので従来の粉砕品
に比して軟質で蒿比重が小さく無定形である。こ
のような方法で得られる赤リンはそれ自体高い安
定性を持つが、これをさらに熱硬化性樹脂及び
(又は)水酸化アルミニウムや水酸化亜鉛で被覆
したものは非常に安定で発火温度が高く熱可塑性
樹脂の混練成形温度においても安全で、ホスフイ
ンの発生もなく、又、水に対する反応性も従来の
粉砕赤リンを同様に被覆処理したものに比して殆
んど無視出来る程度であり、本発明の樹脂組成物
の耐湿性は難燃剤無添加の樹脂のそれに匹敵す
る。 本発明で用いる赤リンのこのような特異な安定
性は、赤リン粒子の表面状態が従来品とは全く異
なることに由来すると考えられる。即ち、従来の
赤リンのように竪固に凝結した塊状物を粉砕して
得られる粉粒体では粒子表面が鋭い稜線と破砕面
から構成された複雑な多面多稜体を形成している
のに対し、本発明で用いる赤リンは粉砕工程を経
ないため、破砕面や稜線は殆んどなく自然発生的
で連続的な表面を持つ微粒子又はその集合体で構
成される球体様表面を持つ粒子であることが電子
顕微鏡によつて確認されており、本発明ではこの
ような赤リンを球体様表面を持つ赤リンという意
味において球体様赤リンと称しているものであ
る。 従来の赤リンは粉砕によつて粒子表面に多くの
活性点が形成され、不安定であるため、酸素や水
分子が容易に吸着して発火したり、不均化反応に
よりホスフインや酸化生成物を生ずる原因になつ
ているが、粉砕工程を経ない球体様赤リンでは活
性点が殆んど無いため表面が極めて安定で酸素や
水分子の吸着、反応が生起せず、赤リン自体の安
定性が著しく高められているものと考えられる。
また、熱硬化性樹脂や水酸化アルミニウム等によ
る被覆処理においても粉砕赤リンは表面の状態か
ら被覆形成が不均一で不安定な露出破砕面が残存
し易く、一方、球体様赤リンでは被覆が均一かつ
完全に行なわれるため被覆赤リンの安定性に決定
的な差が生ずると推定される。 球体様赤リンはこのように極めて安定な表面を
持つため比較的混練成形温度の低い樹脂や耐湿性
に対する要求が緩やかな樹脂においては被覆処理
を行なうことなく、そのまま難燃剤として用いて
も従来の粉砕赤リンを原料とする被覆赤リンに較
べて、何ら遜色のない性能を示すが、成形温度の
高い樹脂や耐湿性に関する要求の厳しい用途に対
しては熱硬化性樹脂や水酸化アルミニウム等によ
る被覆を行なうことが望ましく、これによつて赤
リン系難燃剤の問題点を殆んど解消することがで
きる。又、樹脂との相溶性を高め、作業性を向上
させる点からも被覆処理を行なうことが望まし
い。 更に本発明の樹脂組成物の利点の一つとして、
樹脂本来の物性が損われないことがあげられる。
即ち従来の粉砕赤リンを難燃剤として添加すると
樹脂の引張強度、曲げ強度、電気特性等が低下す
ることがが知られているが、本発明の球体様赤リ
ンを添加した樹脂組成物ではこの様な樹脂の物理
特性に対する影響が殆んどみられない。粉砕赤リ
ンにおいては、鋭利な破砕面を持つ粒子の形状と
分解反応による生成物が樹脂の物性低下の原因で
あると考えられるが、安定な球体様赤リンは化学
的に安定であるばかりでなく、形態的にも樹脂の
物性を低下させない特性を持つものとみられる。 以上述べた如く本発明の樹脂組成物は、球体様
赤リンを難燃剤として用いることにより赤リン系
難燃剤の利点を失うことなく安全性及び安定性を
改善した極めて有用な組成物である。 本発明で用いる球体様赤リンは、例えば次のよ
うな方法によつて製造することができる。即ち、
不活性ガスで置換した密閉容器中において黄リン
を沸点附近の温度に加熱して赤リンの転化反応を
開始させ、転化率又は赤リンの粒径が所望の水準
に達した時反応を停止し、未転化の黄リンを溜去
すると粉砕を全く要しない比較軽質の微小球体様
粒子又はその集合体から成る無定形赤リンが得ら
れる。この際反応時間及び反応温度により転化率
や赤リン粒子の粒径を任意に調整することができ
る。本発明の目的に適した赤リンの製造条件とし
ては反応温度250℃〜350℃、転化率60%以下とす
ることが好ましい。反応温度が250℃以下では転
化速度が遅いため実際的でなく、又350℃以上で
は転化反応の制御が困難で生成物の性状も均一で
なく、形状も本発明の目的に合致したものが得ら
れなくなる。又転化率を60%以上にすると生成赤
リンが塊化し、粉砕工程を経ずに難燃剤として用
いることが出来なくなり、やはり本発明の目的が
達せられなくなる。通常反応時間が長い程、又反
応温度が高い程転化率は高く、粒径が大となる。 例えば280℃、4時間の反応で転化率40%、平
均粒径50μmの粒子が生成する。又このようにし
て得られる赤リンの粒度は通常の粉砕品に比して
分布巾が非常に狭く、極めて均一性の高いもので
あり、この結果平均粒径が同じでも空隙率が高く
相対的に蒿比重の小さい軽質のものが得られる。
本発明の組成物においては粒径200μm以下のもの
が用い得るが、樹脂組成物の物性に対する影響や
成形物の外観面を考慮すると粒径100μm以下のも
のが特に好ましい。 本発明において球体様赤リンの水酸化アルミニ
ウム又は水酸化亜鉛による被覆はアルミニウム又
は亜鉛の水溶性塩類、例えば硫酸アルミニウム、
塩化アルミニウム、硫酸亜鉛、塩化亜鉛等の水溶
液を赤リンの水懸濁液に加えた後、水酸化ナトリ
ウムによる中和又は重炭酸アンモニウムによる複
分解によつて水酸化アルミニウム又は水酸化亜鉛
を赤リン粒子上に吸着させることによつて行な
う。 この際、赤リンの水懸濁液は水100重量部に対
して赤リン10〜100重量部、アルミニウム又は亜
鉛の水溶性塩類の水溶液濃度は5〜30%、水酸化
物の被覆生成量は赤リン100重量部につき0.3〜30
重量部が好ましく、優れた赤リン系難燃剤が得ら
れるが、本発明はこれによつて特に限定されるも
のではない。 本発明において、球体様赤リンの被覆に用いら
れる熱硬化性樹脂は樹脂の合成原料物又はその初
期縮合物が赤リンの水懸濁液中で容易に重合反応
を進行するか又はその初期縮合物が水中に乳化分
散し、赤リンの粒子表面に均一に沈着、被覆する
ならばどのような樹脂原料でもよいが、通常はフ
エノール・ホルマリン系、尿素・ホルマリン系、
メラミン・ホルマリン系、フルフリルアルコー
ル・ホルマリン系、アニリン・ホルマリン系、エ
ポキシ系及び多価アルコール・多塩基酸系などか
ら選ばれる。上記樹脂群のうち、フルフリルアル
コール・ホルマリン系、アニリン・ホルマリン系
及び多価アルコール・多塩基酸系などは大量の水
の存在下では重合反応が進行し難いので樹脂原料
物質の初期縮合物を予め調製しておき、これを赤
リンの水懸濁液に添加することが好ましい。 樹脂による被覆処理条件は用いる熱硬化性樹脂
の種類によつて幾分変動するが、水100重量部に
対して赤リン10〜100重量部を含む赤リンの水懸
濁液に樹脂の合成原料又は初期縮合物を赤リン
100重量部に対して1〜35重量部添加し、樹脂の
合成原料を用いる場合は40〜100℃で1〜3時間、
予め調製した初期縮合物を用いる場合は60〜100
℃で1〜2時間の撹拌処理を行なう。この際、必
要に応じて重合触媒や、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム又は水酸化チタンのような充填
剤を共存させておくことができる。充填剤の添加
により樹脂被覆の機械的強度が上昇すると共に赤
リン特有の紫紅色に対する隠蔽効果があり、赤リ
ン系難燃剤の用途の拡大に寄与し得る。充填剤の
添加量は赤リン100重量部につき1〜35重量部が
好ましい。生成物を分離・水洗し、130〜140℃で
乾燥し重合反応を完結させると安定性の極めて良
好な赤リン系難燃剤が得られる。 又、熱硬化性樹脂による被覆に先立ち、赤リン
粒子に予め水酸化アルミニウム又は、水酸化亜鉛
を吸着させておくと、赤リンの安定性は更に向上
し、これを用いて難燃化した樹脂組成物において
は、長期間に亘つて、赤リン系難燃剤の添加によ
る影響が殆んど現われない。水酸化アルミニウム
又は、水酸化亜鉛による前処理は水100重量部中
に赤リン5〜100重量部を含む赤リンの水懸濁液
中でアルミニウム又は亜鉛の硫酸塩又は、塩化物
のような水溶性化合物と苛性アルカリとの中和反
応、又は重炭酸アンモニウムによる複分解反応に
より水酸化アルミニウム又は水酸化亜鉛を生成さ
せ、赤リン粒子に吸着させることによつて行な
う。添加するアルミニウム塩又は亜鉛塩は赤リン
100重量部に対し0.1〜30重量部の水酸化物を生成
するに必要な量が好ましい。 表1に示す如く本発明で用いる球体様赤リン系
難燃剤はいずれも極めて安定で発火温度が高く又
酸素や水分子の吸着に由来するとみられるホスフ
インや酸化生成物の生成が殆んどなく成形温度の
高い熱可塑樹脂にも安全に配合することができ、
かつ高温下や微量水分の存在下においても変質せ
ず樹脂組成物の物性が長期間に亘つて安定に保持
される。これは比較的苛酷な条件下で使用される
電気・機械関係の構造材料や機能性部品等の所謂
エンジニアリングプラスチツクの組成物に対して
特に有用で本発明はこのような樹脂組成物の提供
を目的とするものである。 即ち本発明の難燃性樹脂組成物はポリアミド、
ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン又はポリウレタンから選ばれる
1種又は2種以上の熱可塑性樹脂に粉砕工程を経
ない前記球体様赤リン系難燃剤を添加することを
特徴とするものであり、他に必要に応じて、充填
剤、安定剤、可塑剤、着色剤、ガラス繊維、滑剤
等公知の添加物を配合することができる。球体様
赤リン系難燃剤の添加量は熱可塑性樹脂100重量
部に対して0.1〜30重量部の範囲が好ましい。0.1
%以下では難燃効果が期待できず、30%以上では
樹脂の物性に対する影響が現われるので好ましく
ない。本発明においては、又必要であれば他の公
知の難燃剤を併用することも可能である。以下実
施例により本発明を具体的に説明する。 <実施例> 本発明に用いる球体様赤リン及びこれに基づく
難燃剤の製造例を参考例1〜6として記載した。
又参考例の球体様赤リン系難燃剤と従来の粉砕赤
リン系難燃剤の安定性を比較測定し、結果を表1
に示した。 参考例1(球体様赤リンの製造例) 反応装置として蓋部に、熱電対、還流冷却器
(空冷)及びガス排出管を装備したステンレス製
反応容器(容量1)を用いた。還流冷却器の頂
部は開閉コツクを介して窒素ガスボンベと接続
し、ガス排出管と反応容器の間にも開閉コツクを
設けた。ガス排出管には水冷ジヤケツトをとりつ
け、先端部は黄リン捕集容器内の水中に導いた。
水100mlを入れた反応容器に黄リン500gを装填し
二つのコツクを開にして窒素ガスを導入し、装置
内をガス置換した後、反応容器の底部に設置した
電気加熱器により加熱した。黄リンを覆つている
水が蒸発し終ると温度上昇が始まるが140℃に達
した時、コツクを二つ共閉にして装置内を密封
し、引続き加熱して270℃迄昇温した。発生する
黄リン蒸気を還流し乍ら同温度で4時間反応させ
た後排出管のコツクを開き、次いで還流冷却器の
コツクも開にして窒素ガスを導入し乍ら黄リンの
沸点(280℃)に加熱し、未転化の黄リンを蒸留
し、排出管を経て黄リン捕集容器内で凝集させ
た。 約2時間の蒸留で、殆んどの黄リンが留出した
が、微量の残留黄リンを除去するため、330℃で
更に1時間加熱した。反応容器から平均粒径
50μmの流動性のある球体様赤リン211gを得た。 参考例 2 球体様赤リン500gを水800mlに懸濁させ10%硫
酸アルミニウム水溶液300mlを加え十分に撹拌し
ながら5%水酸化ナトリウム水溶液100mlを滴下
した。50℃に加熱して30分間保持した後、過、
水洗し120℃で乾燥して被覆赤リン516gを得た。 参考例 3 球体様赤リン500gを水800gに懸濁させ20%塩
化亜鉛水溶液300mlを加え十分に撹拌しながら10
%水酸化ナトリウム水溶液400mlを滴下し50℃に
加熱し30分熟成した。放冷後過、水洗し120℃
で乾燥して被覆赤リン540gを得た。 参考例 4 球体様赤リン500gを水1000mlに懸濁させ、フ
エノール15g、37%ホルマリン27gを添加、80℃
に加熱して撹拌下に85%リン酸10gを加えた。1
時間同温度で加熱撹拌後放冷、過、水洗し、
滓を140℃で3時間乾燥し被覆赤リン532gを得
た。 参考例 5 球体様赤リン500gを水750mlに懸濁させ、尿素
10g、37%ホルマリン20gを加えて撹拌下90℃に
加熱しさらに85%リン酸10gを添加した。2時間
加熱、撹拌を続けた後一昼夜放置して過、水洗
し、140℃で3時間乾燥し被覆赤リン514gを得
た。 参考例 6 球体様赤リン250gを水500mlに懸濁させ8%硫
酸アルミニウム水溶液40mlを添加、十分に撹拌
し、これに5%水酸化ナトリウム溶液18mlを滴下
し50℃に加温して10分間保持した。次いでフエノ
ール8g及び37%ホルマリン15gを添加し、80℃
で1時間加熱撹拌した後放冷、過、水洗し140
℃で3時間乾燥した。被覆赤リン270gを得た。
【表】 発火温度は試料1gを容量10mlの磁製ルツボに
入れて電気炉内に静置し、1℃/minの昇温速度
で加熱して発火温度を測定し、ホスフイン発生量
は試料20gを500ml容量のフラスコ中で40mlの水
に懸濁し十分に振盪して密栓し、24時間放置後空
間部のホスフイン濃度を測定した。又溶出P2O5
は試料5gを水100mlに懸濁し121℃、2気圧で
100時間放置後、液中のP2O5含量を測定した。 実施例 1〜8 ナイロン6、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リフエニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリ
スチレン、ポリフエニレンオキシド−ポリスチレ
ン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、又はポ
リスチレンを各々混合押出器中で溶融しこれに参
考例1〜6の球体様赤リン系難燃剤を表2に示し
た割合で添加し混練した。混合物をノズルを通し
て押し出し試片を作成した。 各試片の難燃性、引張強度、絶縁耐力、曲げ強
度及び耐湿性を測定し結果を表3に示した。 比較例 1〜8 ナイロン6、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リフエニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリ
スチレン、ポリフエニレンオキシド−ポリスチレ
ン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂又はポリ
スチレンを各々混合押出器中で溶融し、これに従
来品の粉砕赤リン系難燃剤を表2に示した割合で
添加し混練した。混合物をノズルを通して押し出
し試片を作成した。 各試片の難燃性、引張強度、絶縁耐力、曲げ強
度及び耐湿性を測定し結果を表3に示した。
【表】
【表】
【表】 難燃性はUL−94垂直燃焼試験法により、引張
強度、絶縁耐力及び曲げ強度は夫々ASTMの
638、149及び790により測定した。成形後の数値
は成形直後の測定値を、低下率は121℃、2気圧
100%RHで100時間放置後の測定値を成形後の測
定値に対する低下率で表わしたものである。又、
耐湿性は121℃、2気圧、100%RHで100時間放
置後の重量増加率を測定しそれから同一条件で測
定した難燃剤無添加の同一組成の樹脂の重量増加
率を差引いたものである。 測定結果は、いずれの項目に関しても本発明の
球体様赤リン系難燃剤で難燃化した樹脂組成物
が、従来の粉砕赤リン系難燃剤を添加したものよ
り遥かに優れていることを示しており、本発明に
よつて、従来赤リン系難燃剤に起因するとされて
いる欠点が殆んどなく、高度の難燃性と安定性を
具備した極めて有用な熱可塑性樹脂組成物を得る
ことができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、
    ポリカーボネート、ポリスチレン及びポリウレタ
    ンから選ばれた1種又は2種以上の熱可塑性樹脂
    に難燃化成分として粉砕を必要としない黄リンの
    転化処理法により直接的に得られる破砕面のない
    球体様赤リンを添加することを特徴とする難燃性
    熱可塑性樹脂組成物。 2 球体様赤リンが、不活性ガスで置換した反応
    容器内で黄リンを250℃〜350℃に加熱し、60%以
    下の転化率で転化させた赤リンである特許請求の
    範囲第1項記載の組成物。 3 球体様赤リンの含量が熱可塑性樹脂100重量
    部に対し0.1〜30重量部である特許請求の範囲第
    1項記載の組成物。 4 球体様赤リンの粒径が200μm以下である特許
    請求の範囲第1項記載の組成物。 5 球体様赤リンが熱硬化性樹脂で被覆されてい
    る特許請求の範囲第1項記載の組成物。 6 球体様赤リンが水酸化アルミニウム又は水酸
    化亜鉛で被覆されている特許請求の範囲第1項記
    載の組成物。 7 球体様赤リンが水酸化アルミニウム又は水酸
    化亜鉛、及び熱硬化性樹脂で二重に被覆されてい
    る特許請求の範囲第1項記載の組成物。 8 熱硬化性樹脂による被覆が水酸化アルミニウ
    ム、水酸化マグネシウム及び水酸化チタンから選
    ばれた1種又は2種以上の化合物の存在下に行な
    われる特許請求の範囲第5項又は第7項記載の組
    成物。
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