JPH05183208A - 超電導素子及びその製造方法 - Google Patents

超電導素子及びその製造方法

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JPH05183208A
JPH05183208A JP3336896A JP33689691A JPH05183208A JP H05183208 A JPH05183208 A JP H05183208A JP 3336896 A JP3336896 A JP 3336896A JP 33689691 A JP33689691 A JP 33689691A JP H05183208 A JPH05183208 A JP H05183208A
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穣 高井
Shuichi Yoshikawa
修一 吉川
Masanobu Yoshisato
順信 善里
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、希土類酸化物超電導体のその粒子
界面に高抵抗材料を介在させることにより、超高周波帯
の電磁波を検出するセンサーとして好適な高い粒子間抵
抗値を示す超電導素子及びその製造方法、あるいは、粒
界における酸素欠損等による素子の劣化を防止する超電
導素子及びその製造方法を提供する。 【構成】 超電導素子を形成する希土類元素系酸化物超
電導体粒子5間に、次の条件1)、2)、3)を満たす
材料を含む粒界層6を介在させたこと、あるいは、薄膜
素子の劣化の原因となる個所を次の条件1)、3)を満
たす材料からなる高抵抗膜で覆うこと、を特徴とする超
電導素子及びその製造方法である。1)超電導体粒子に
酸素を供給するか、若しくは超電導体粒子から酸素を奪
取しないこと、2)融点が上記希土類元素系酸化物超電
導体のそれより低いこと、3)電気伝導度が上記希土類
元素系酸化物超電導体のそれより低いこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電磁波センサー、SQU
IDなどのジョセフソン素子、ボロメータなどに用いら
れる超電導素子並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁波センサー、特に数十GHzオーダ
の超高周波帯の電磁波を検出するセンサーとして、超電
導体を用いたものが極めて高い感度を示すことから注目
されている。特に数年前に発見されたYBa2Cu3
7-x(以下YBaCuOと略す)などで代表される酸化
物超電導体は液体窒素が示す77K程度の比較的高い温
度で超電導状態となるので、応用範囲が広がるものとし
て期待が寄せられている。
【0003】この超電導体を用いたジョセフソン素子
は、例えば特開平3−79091号公報に示されてい
る。ところで、一般に数十GHzオーダから数THzオ
ーダの超高周波帯の電磁波を検出する電磁波センサーと
しては、素子端子間の常伝導抵抗値が高い方が検出感度
が良いとされているが、特開平3−79091号公報に
示されているようなジョセフソン素子では素子の抵抗値
が低く、電磁波センサーとしては余り高感度を期待する
ことはできなかった。また、SQUIDやボロメータ等
の他の超電導素子においても同様の問題があった。
【0004】また、ブリッジ型ジョセフソン薄膜素子に
おいて、基板のステップエッジを利用したジョセフソン
接合(SEJJ;Step Edge Josephson Junction)や結
晶方位の異なる結晶面を接合したバイクリスタルのジョ
セフソン接合(バイクリスタルJJ;Bicrystal Joseph
son Junction)、あるいは、多粒界における粒界ジョセ
フソン接合(GBJJ;Grain Boudary Josephson Junc
tion)などのブリッジ部や結晶面接合部及び粒界部にお
ける酸素欠損による素子劣化が問題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、斯る問題を
鑑み、薄膜形成又は厚膜形成、あるいはバルク加工され
た希土類酸化物超電導体のその粒子界面に高抵抗材料が
介在する高インピーダンスの超電導素子及びその製造方
法、また、ブリッジ型ジョセフソン薄膜素子等のブリッ
ジ部における酸素欠損による素子劣化を防ぐことができ
る超電導素子及びその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、希土類元素系
酸化物超電導体粒子間の粒界に高抵抗材料からなる粒界
層を介在させた超電導素子及びその製造方法であって、
該高抵抗材料のうち少なくとも一つが下記条件を満たす
材料にて構成されたことを特徴とする、1)超電導体粒
子に酸素を供給するか、若しくは超電導体粒子から酸素
を奪取しないこと、2)融点が上記希土類元素系酸化物
超電導体のそれより低いこと、3)電気伝導度が上記希
土類元素系酸化物超電導体のそれより低いこと。
【0007】また、本発明は、希土類元素系酸化物超電
導体からなる基体上の所望の領域に高抵抗膜を積層形成
した超電導素子及びその製造方法であって、該高抵抗膜
を構成する材料が下記条件を満たす材料にて構成された
ことを特徴とする、1)超電導体粒子に酸素を供給する
か、若しくは超電導体粒子から酸素を奪取しないこと、
2)電気伝導度が上記希土類元素系酸化物超電導体のそ
れより低いこと。
【0008】
【作用】本発明によれば、希土類元素系酸化物超電導体
と高抵抗材料とを希土類元素系酸化物超電導体が溶融し
ない温度下で同時に熱処理することで高抵抗材料のみが
溶融又は蒸発し、希土類元素系酸化物超電導体粒子間の
粒界に高抵抗材料からなる粒界層を介在させることがで
き、素子の抵抗値が高い超電導素子が得られ、数十GH
zから数THzの超高周波帯の電磁波を検出するセンサ
ーとして好適な高い端子間抵抗値を示す超電導素子が提
供される。
【0009】また、希土類元素系酸化物超電導体からな
る基体上の所望の領域に、超電導体粒子に酸素を供給す
るか、若しくは超電導体粒子から酸素を奪取しない高抵
抗材料からなる保護膜をブリッジ型ジョセフソン薄膜素
子等のブリッジ部に熱処理なしに積層形成することで、
特に熱処理時に生じるこのブリッジ部の粒界領域におけ
る酸素欠損による素子劣化を防ぐことができる。
【0010】
【実施例】[第1実施例]はじめに、本発明の超電導素
子の構造について説明する。
【0011】図1は本発明超電導素子からなるジョセフ
ソン素子を用いた電磁波センサーの一例を示す斜視図で
あり、1はMgO、SrTiO3、結晶化ガラスなどの
結晶系絶縁性基板、2はこの基板1表面に設けられた超
電導膜で、例えばYBaCuO系の希土類元素系酸化物
超電導材料を主構成要素として構成されている。この超
電導膜2の中央部の幅を狭くして電磁波センサーとして
機能する幅10〜50μm、長さ200〜300μm、
厚み50μm程度のサイズをもつセンサー部3が、また
幅広くなっているその両端部は0.1〜1μm厚程度の
金等からなる出力用電極(内側)4a、4a、バイアス
電流用電極(外側)4b、4bがそれぞれ構成されてい
る。
【0012】ここでこの超電導膜2の具体的な構成につ
いて説明しておく。この膜2は図2に拡大して示すよう
に、YBaCuO系の希土類元素系酸化物超電導材料を
素材とする平均粒径数μmの超電導体粒子5、5・・・
を主材とし、その粒子5、5・・・間隙の粒界には、膜
厚約1000Å、若しくはそれより薄い層厚の粒界層6
を介在している。この粒界層6は、主にYBaCuOの
BaとBi23が結合したBi−Ba−O系酸化物(高
抵抗材料)、続いて一部のBaが抜けたYBaCuO、
そしてBi23(高抵抗材料)とが含まれて成る。これ
らの高抵抗材料からなる粒界層6は超電導膜2の超電導
体粒子5、5・・・の界面の抵抗を大きくして素子特性
を向上させるためのものである。
【0013】次に、第1実施例の超電導素子及びその製
造方法について詳細に説明する。
【0014】先ず、本実施例で用いた希土類元素系酸化
物超電導材料の製造方法について説明する。
【0015】従来周知の共沈法及びその生成物の焼成に
よりYBaCuOからなる超電導体粒子の焼結体を形成
する。即ち、硝酸イットリウムY(NO33・3.5H
2O、硝酸バリウムBa(NO32、硝酸銅Cu(N
32・2H2Oをそれぞれ水に溶解し、Y、Ba、C
uがモル比で1:2:3になるように混合する。つい
で、蓚酸H224・2H2Oの水溶液をBa元素2モル
に対し7モル加えて反応させる。尚、この際アンモニア
水NH4OHを滴下してpH調整してpH=4〜7、具
体的にはpH=4.6とし、Y、Ba、Cuの組成比が
1:2:3になるようにする。この反応により生ずる沈
殿物をろ過した後、十分乾燥して超電導素体の粉末を得
る。
【0016】このようにして得られる粉末を、1次焼成
として、大気中において830〜880℃で9時間焼成
する。この実施例では870℃で9時間焼成した。この
焼成により粒径1μm以下の粉末粒子を得る。この粉末
粒子を約2トン/cm2の圧力で、所望の大きさの成形
体に形成する。
【0017】この成形体を、2次焼成として、YBaC
uOの結晶粒が成長する900〜1000℃、本実施例
では酸素雰囲気下において温度925℃で8時間焼成し
て、粒径1μm以下のYBaCuO超電導体粒子からな
る焼結体(超電導相率98%)を形成する。
【0018】図1に示すジョセフソン素子における超電
導膜2は、溶融状態にある酸化ビスマス溶液(融点81
7℃)にYBaCuOの上述の方法により作製した超電
導体粒子を浸漬し、900℃で48時間、O2雰囲気中
でアニール処理した後、室温まで徐冷して得られたバル
クを所定の形状に切断、研摩して形成される。この時、
超電導体YBaCuOは、融点1000℃以上をもつた
め溶融せず、溶融状態にある酸化ビスマス溶液が超電導
体粒子の粒界層に浸透し、超電導膜2は図2に示す構造
を形成する。
【0019】ここで粒界層6を形成する原材料に要求さ
れる条件としては、1)YBaCuOを素材とする超電
導体粒子5、5・・・に酸素を供給するか、若しくは超
電導体粒子5、5・・・から酸素を奪取しないこと、
2)融点が上記YBaCuOを素材とする超電導体粒子
5、5・・・のそれより低いこと、3)電気伝導度が上
記YBaCuOを素材とする超電導体粒子5、5・・・
のそれより低いこと、の3点が挙げられる。
【0020】特に、1)は、原材料が溶融されて作成さ
れる溶融液が少なくとも超電導体界面で反応する時以外
は酸素を奪取しない、即ち酸化物超電導体は酸素を奪わ
れないため超電導特性は保持される。
【0021】又、2)は、超電導特性を破壊せずに粒界
層を形成するために必要である。
【0022】更に3)は、この原材料が粒界層を構成す
る材料となるために不可欠である。
【0023】この粒界層6を形成する原材料として、上
記したBi23は、下記する表1に示すように、温度が
低下するに従って酸素含有量が減少し、即ち酸素を外部
に供給する性質を有しており、1)の条件を満たす。ま
た融点は上記したように817℃であり、また3)の条
件である電気伝導度は、YBaCuOが臨界温度オンセ
ットにおいて100〜1000S/cm(比抵抗:10
-3〜10-2Ω・cm)に比べて、1.6×10-4S/c
m(比抵抗:6250Ω・cm)と低く、要求条件を全
て満たしている。
【0024】
【表1】
【0025】このようにして形成された超電導膜2は、
図2に示すように粒径数μmのYBaCuOを素材とす
る超電導体粒子5、5・・・の間隙に厚み約1000Å
以下の粒界層6中に高抵抗材料であるBi23のほか、
更にBiBaO2.77等からなる高抵抗材料のBi−Ba
−O系酸化物が主に介在された構成であり、このような
構成の超電導膜2は、超電導の近接効果により、恰も粒
界層をトンネル現象のように電子が流れる状態となり、
ジョセフソン接合を有するジョセフソン素子としての特
性を示し、電磁波センサーのセンサー部3として要求さ
れる特性を全て満たしている。
【0026】[第2実施例]次に、第2実施例の超電導
素子及びその製造方法について詳細に説明する。
【0027】第1実施例と同様の方法により作製した酸
化物超電導体の焼結体を乳鉢にてすり潰して1〜5μm
程度の粉末状にした後、この粉末状焼結体に粒径1μm
以下の粉末状のBi23(総量に対して15wt%以下
の混合比)を添加し、更に乳鉢にてすり潰して均一に混
合した粒径1〜2μm程度の混合粉末(混合物)を作製
する。その後、この混合粉末を約2トン/cm2の圧力
で、YBaCuO超電導体からなる超電導体粒子とBi
23粒子が均一に混合した約10mm×5mm×1mm
の成形体(混合物)を形成する。図3に、この成形体の
要部概要を示す拡大断面図を示す。5はYBaCuO超
電導体からなる超電導体粒子を、7はBi23からなる
高抵抗材料の粒子を示す。
【0028】尚、YBaCuO超電導体粒子5、5・・
・からなる粉末焼結体は、共沈法以外の従来周知の方法
で形成してもよく、適宜変更可能である。
【0029】続いて、電気炉内において、この成形体を
直径1mmのジルコニアからなる粒子を敷き詰めた上に
載置した状態で、酸素雰囲気中、例えば室温から900
〜940℃まで約3時間で昇温し、900〜940℃で
約3〜48時間保持した後、約100℃/hrで室温迄
徐冷して熱処理を行って熱処理成形体を得るのである。
即ち、この熱処理によって、成形体中のBi23粒子が
溶融されて酸化ビスマス溶融液になるので、結果的に、
YBaCuO超電導体からなる超電導体粒子がこの酸化
ビスマス溶液に浸漬されることになり、図2に示す構造
となる。
【0030】図4に混合比15wt%の示差熱分析、並
びその際の重量変化の測定結果を示す。この時の測定条
件は、温度の変化速度は10℃/min、試料重量は7
2.336mg、酸素ガス雰囲気(80ml/min)
である。
【0031】この図から930℃で熱量変化(a)及び
重量変化(b)が起こっており、化学変化が顕著に起こ
っていることが判る。尚、この測定では熱電対の設定
上、試料温度は十数℃低くなるので、実際は940℃よ
り若干高い温度で化学反応が起こっているのである。こ
の結果、成形体を950℃(3時間保持)で熱処理を行
う場合、この成形体に超電導特性が出現しないのであ
る。又、成形体を900℃以下(48時間保持)で熱処
理を行う場合、この成形体は脆くなってしまい素子とし
て不都合となる。
【0032】従って、YBaCuO超電導体からなる超
電導体粒子を酸化ビスマス溶液に浸漬するための熱処理
保持温度は、900℃より高い方が望ましく、且つ94
0℃以下の温度範囲で行う必要があることが判る。
【0033】図5〜図9に、混合粉末中のBi23の混
合比(Bi23/混合粉末の重量百分率)がそれぞれ
0、5、10、15、20wt%である該混合粉末から
作成された熱処理成形体(940℃で3時間保持)の抵
抗−温度特性を示す。
【0034】これらの図から、混合比0〜10wt%か
らの熱処理成形体は良好な超電導特性が得られ、更に混
合比15wt%でも臨界温度近傍で若干裾を引いている
ものの超電導特性に実用上問題がないことが判る。一
方、混合比20wt%からの熱処理成形体は明確な臨界
温度が見られず、良好な超電導特性が得られないことが
判る。従って、混合粉末中のBi23の混合比は、15
wt%以下でなければならない。
【0035】また、図10に異なる混合比から作製され
る超電導膜とオンセット時での比抵抗ρの関係を示す。
【0036】この図から混合比が大きくなるほど比抵抗
ρ、即ち素子にした際の素子抵抗Rnが大きくなること
が判る。従って、実用可能な超電導特性を示す混合比が
15wt%以下のうち、大きい混合比のものから作製さ
れるジョセフソン素子の特性がより良好になるのであ
る。
【0037】次に、上述のようにして得られた熱処理成
形体(熱処理保持温度:900℃より高く940℃以
下)を用いて第1実施例と同じ電磁波センサーを作成し
た。即ち、MgO、結晶化ガラス等の絶縁基板1上に前
記熱処理成形体を例えば融点400℃程度のPb系低融
点ガラスで溶融固化して、または樹脂等で接合した後、
該熱処理成形体を研摩し、所望の形状に加工して図1に
示す電磁波センサーが得られるのである。
【0038】図11(a)と(b)にそれぞれ超電導膜
2(混合比15wt%)と比較例(混合比0wt%)の
SEM分析の結果を示す断面図を示す。
【0039】このようにして形成された超電導膜は、図
11(a)に示す如く粒径数μmのYBaCuOを素材
とする超電導体粒子の間隙に厚み約1000Å以下の粒
界層が介在した形状になっている。
【0040】この粒界層6には、超電導体粒子YBaC
uOからのBaとBi23とが結合した高抵抗材料であ
るBiBaO2.77等のBi−Ba−O系酸化物が主に含
まれ、続いて、その超電導体粒子の存在する内側に一部
のBaの抜けたYBaCuO等(Y2Ba1Cu1X、C
uO及びY23)が、外側には高抵抗材料であるBi 2
3が順に多く構成していることが、X線分析より判明
した。
【0041】このような構成の超電導膜2は、超電導の
近接効果により、恰も粒界層をトンネル現象のように電
子が流れる状態となり、ジョセフソン接合を有するジョ
セフソン素子としての特性を示し、電磁波センサーのセ
ンサー部3として要求される特性を全て満たしている。
例えば、高抵抗材料からなる界面層を有しない従来の電
磁波センサーの素子抵抗Rn(50K)は0.1Ω程度
であるのに比べて、本実施例の電磁波センサーのRn
(50K)は混合比5wt%で0.2〜0.3Ωと改善
される。更に混合比10wt%ではRn(50K)が3
Ω程度と非常に高くなるので、素子と空間伝搬電磁波と
のインピーダンス損失の減少又は素子自体の電磁波検出
感度の向上により素子感度Rvが100V/Wと大きく
なり、GaAsショットキーからなる半導体センサ(3
00K)より特性が良好となるのである。更に、混合比
が大きい15wt%では、Rnが5〜13Ωと混合比1
0wt%よりRvが大きくなる。
【0042】又、本実施例の超電導膜は熱処理保持温度
が900℃より高く940℃以下で熱処理を行っている
ので、第1実施例の超電導膜に比べて脆弱でないのでよ
り望ましい。
【0043】以上の説明においては超電導膜は、YBa
CuOの超電導体粒子の溶融酸化ビスマス溶液浸漬工程
及び徐冷工程を経て得られたバルクを所定の形状に切
断、研摩して形成するタイプ、あるいは、YBaCuO
の超電導体粒子とBi23粉末を混合し、成形工程、熱
処理工程及び徐冷工程を経て得られたバルクを、所定の
形状に切断、研摩して形成するタイプなど、所謂バルク
タイプについて説明したが、薄膜構成のものでも実現で
きる。
【0044】具体的には、MgO基板にYBaCuO薄
膜をマグネトロンスパッタ、イオンビームスパッタ、レ
ーザビームスパッタなどの方法で20μmの厚みで形成
した後、そのYBaCuO薄膜上にBi23の薄膜を種
々のスパッタリング法を用いて10〜20μmの厚みに
被着せしめ、900℃程度の熱処理を施すことによっ
て、図2に示すように粒径数μmのYBaCuOを素材
とする超電導体粒子5、5・・・の間隙に厚み約100
0Å、若しくはそれ以下の厚みのBi−Ba−O系酸化
物、Baの抜けたYBaCuO及びBi23等を主成分
とする高抵抗材料からなる粒界層6が形成された構成を
得ることができる。
【0045】[第3実施例]次に、第3実施例の超電導
素子及びその製造方法について詳細に説明する。
【0046】第2実施例において、基板上に希土類酸化
物超電導体からなる超電導薄膜、高抵抗材料からなる高
抵抗膜を順次被着形成した後、熱処理を行って超電導体
粒子の界面に高抵抗材料を介在させてジョセフソン素子
等の超電導素子を形成する場合、熱処理時において高抵
抗材料が蒸発するので、超電導体粒子の界面に所望量の
高抵抗材料を介在させるためには、高抵抗膜の膜厚、熱
処理温度制御等の各種条件の設定が困難であるといった
問題がある。
【0047】そこで、第3実施例では、熱処理時におけ
る高抵抗材料の蒸発を防ぎながら、薄膜形成された希土
類酸化物超電導体のその粒子界面に高抵抗材料を容易に
介在させることが可能な超電導素子の製造方法を説明す
る。図12に第3実施例に係わる超電導素子の製造工程
を示す。
【0048】最初に、上面が(100)結晶面となるM
gO基板又は上面が(110)結晶面となるSrTiO
3基板等の6mm×6mm×1mm程度の絶縁基板31
を準備する。
【0049】次に、図12(a)に示すように、金属マ
スクを介してイオンビームスパッタ法により前記絶縁基
板21上面に幅1mm、長さ5mm、厚さ300〜10
00Åで、例えば500Å厚程度の高抵抗材料であるB
23からなる高抵抗膜23を形成する。この成膜は、
所望の酸化ビスマスからなるターゲットを用い、例えば
Arガス圧:2×10-4Torr、基板温度:室温、成
膜速度:2000Å/hrの条件で行われる。
【0050】続いて、図12(b)に示すように、前記
高抵抗膜23上にレジストをスピンコート法により塗布
し、直径約1μmで相互の間隔が約1μmである点状の
パターンをもつ金属マスクを介して露光・現像して、上
記高抵抗膜23上に例えば直径約1μmで相互の間隔が
約1μmである点状のレジストパターンを作成した後、
イオンビームエッチング法によりエッチングを行って、
高抵抗膜23を高抵抗材料が直径約1μmで相互の間隔
約1μmに分散配置された形状の高抵抗膜23sを形成
する。図13は、この分散配置された形状の高抵抗膜2
3sを示すの拡大図である。
【0051】その後、図12(c)に示すように、電磁
波センサーの形状に対応したマスクを介してイオンビー
ムスパッタ法により高抵抗膜23s上にYBaCuOか
らなる0.3〜1μm厚程度、例えば0.5μm厚の超
電導薄膜22を形成して素子ウエハー24を形成する。
この成膜は、YBa2Cu4.57-xからなるターゲット
を用い、例えば全ガス圧比:2×10-4Torr(流量
比、Arガス:O2ガス=2:1) 、基板温度:670
〜700℃、成膜速度:2000Å/hrの条件で作成
される。尚、上記高抵抗膜と超電導薄膜の膜厚の値等は
超電導特性と素子抵抗が良好であるYBaCuOとBi
23との混合比の範囲となるように適宜選択してよい。
【0052】上述のように形成された素子ウエハー24
は、電気炉内において、酸素雰囲気中、例えば室温から
所定の温度まで約3時間で昇温し、この温度で約3〜5
時間保持した後、約100℃/hrで室温迄徐冷する。
この場合、所定の温度とは、Bi23の融点(817
℃)より高く、反応が起こって超電導特性が失われる温
度より低い温度(940℃)である。この熱処理によっ
て、高抵抗膜23を構成するBi23が溶融されて酸化
ビスマス溶液になるので、YBaCuO超電導体粒子が
この酸化ビスマス溶液に浸漬されて超電導薄膜22が得
られるのである。
【0053】尚、このように薄膜形成法によって超電導
膜を形成する場合、Bi23の融点から940℃までの
範囲で熱処理を行ってもよいが、超電導薄膜が剥離する
惧れがあるので、上限を940℃より20℃程度低い温
度までの範囲で、特に超電導粒子が粒成長して抵抗が小
さくなる惧れのない900℃以下の温度で熱処理を行う
のが望ましい。
【0054】続いて、熱処理を行った素子ウエハー24
を所定の形状に切断して図1に示す電磁波センサーを作
成する。
【0055】ここで、上記高抵抗膜を構成するBi23
は、その溶融液が温度の低下に従って酸素含有量が減少
し、即ち酸素を外部に供給する性質を有しており、また
融点はYBaCuOが1000℃以上であるのに対し8
17℃であり、また電気伝導度は、YBaCuOが10
0〜1000S/cm(比抵抗:10-3〜10-2Ω・c
m)に比べて、1.6×10-4S/cm(比抵抗:62
50Ω・cm)と低いという特性をもつ。従って、高抵
抗材料が溶融されて作成される溶融液が少なくとも超電
導体界面で反応する時以外は少なくとも酸素を奪取しな
いため、酸化物超電導体の組成は変わらず、又、高抵抗
材料が溶融される際に、超電導体は溶融されないので、
酸化物超電導体の構造も変わらないので、超電導特性は
損なわれない。更に、高抵抗材料は電気伝導度が低く、
超電導素子の粒界層を構成する材料として適しているの
である。
【0056】このようにして形成された超電導膜22
は、図2に示すように粒径数μmのYBaCuOを素材
とする超電導体粒子5、5・・・の間隙に高抵抗材料の
粒界層6としてのBi23、超電導体YBaCuOのB
aとBi23が結合したBiBaO2.77等のBi−Ba
−O系酸化物及びYBaCuOのBaが抜けたYBaC
uOが主に介在された構成である。このような構成の超
電導膜2は、超電導体と常電導体が多数接合する粒界結
合型のジョセフソン接合を有するジョセフソン素子とし
ての特性を示し、電磁波センサーのセンサー部3として
素子抵抗Rnが10Ω程度、素子感度Rvが1000V
/W程度の良好な特性になるのである。
【0057】尚、高抵抗材料が分散配置された高抵抗膜
23sは、高抵抗材料が不均一に分散されていても効果
があるが、上記実施例のように均一に分散されている方
が、熱処理時に高抵抗材料の溶融液が超電導薄膜により
均一に拡散されるので望ましい。又、分散された高抵抗
材料は円形点状でなくともよく、適宜変更でき、例えば
メッシュ状でもよい。
【0058】又、高抵抗膜23に超電導薄膜を直接形成
するようにしてもよいが、上述のように高抵抗膜を高抵
抗材料が分散配置された形状にすると、熱処理時に酸化
ビスマス溶融液が超電導薄膜中に放射状に拡散して超電
導体粒子が均一に浸漬されるので望ましく、又主に基板
の表面に超電導薄膜が形成できるので、超電導特性の劣
化を抑えることができ、更に超電導体と高抵抗材料を所
望の混合比にするのに、高抵抗膜23に比べて、分散配
置された形状の高抵抗膜23sは膜厚を厚くできるの
で、膜厚制御が容易になるので望ましい。
【0059】上記実施例では、基板として絶縁基板を用
いたが、超電導体からなる基板上に絶縁膜を形成したも
のを用いてもよく、適宜変更が可能である。
【0060】又、高抵抗膜及び超電導薄膜の成膜方法
は、上記スパッタリング法に限らず、MOCVD法、C
VD法、又は蒸着法等の各種薄膜形成技術を適宜用いる
ことができ、更に、高抵抗材料及び超電導体の粉末をそ
れぞれ分散させたペーストをスクーリン印刷・焼成して
形成してもよく、適宜変更可能である。
【0061】本発明の超電導素子の製造方法では、高抵
抗材料からなる高抵抗膜上に超電導薄膜を形成するの
で、熱処理時に溶融又は蒸発する高抵抗材料は超電導薄
膜を構成する超電導体粒子の界面に被着され、超電導膜
から高抵抗材料の蒸発等を防止できる。この結果、高抵
抗な界面層を容易に形成できるのである。特に、この高
抵抗膜を高抵抗材料が分散配置された形状にすると高抵
抗材料が超電導薄膜中に均一に拡散されるので望まし
い。
【0062】[第4実施例]次に、第4実施例の超電導
素子及びその製造方法について詳細に説明する。
【0063】第4実施例では、薄膜構成からなる他の具
体的な構造例として、図14に示す如く、(1)基板の
ステップエッジを利用したSEJJ(図14(a))、
(2)異なる結晶方位の結晶を接合したバイクリスタル
JJ(図14(b))、(3)多粒界GBJJ(図14
(c))、などのブリッジ部分の保護膜としての効果を
得るBi23薄膜を使用した構造の超電導素子及びその
製造方法について説明する。
【0064】電磁波センサやSQUID用の素子に応用
される酸化物超電導体からなるブリッジ型ジョセフソン
薄膜素子の劣化原因として、人工粒界領域等における酸
素欠損、不純物吸着、あるいは、ヒートサイクルによる
クラック発生が考えられる。
【0065】ここで、保護膜として用いるBi23は、
1)超電導体粒子に酸素を供給するか、若しくは超電導
体粒子から酸素を奪取しないこと、2)電気伝導度が上
記希土類元素系酸化物超電導体のそれより低いこと。の
諸条件を満たす材料であるため、クラックの発生しやす
いブリッジ部分を覆うようにこのBi23の薄膜を上述
の手法により形成すると、例えばブリッジ部分における
酸素の膜外放出を阻止でき、Ic(臨界電流)、Tc
(臨界温度)、Rn(素子抵抗)の低下に現れるブリッ
ジ型ジョセフソン薄膜素子の素子特性の劣化を防止する
ことができる。
【0066】図14にブリッジ型ジョセフソン薄膜素子
のブリッジ部における保護膜としての効果を得ることの
できる具体例を示す。
【0067】まず、第1実施例と同様の方法により、Y
BaCuOからなる酸化物超電導体を用いて、1500
〜2000Åの厚さのブリッジ型ジョセフソン薄膜素子
32、42、52を基板31、41、51上に形成す
る。続いて、この素子のセンサー部となるブリッジ部に
Bi23膜33、43、53からなる保護膜を形成す
る。Bi23膜はRFマグネトロン又はイオンビームス
パッタリング等により、超電導体YBaCuO膜上の酸
素欠損、及びクラックの発生しやすいブリッジ部分等所
望の領域に、成膜基板温度を室温で積層形成する。室温
で成膜することで、下地のYBaCuO膜表面からの酸
素欠損を最低限に抑え、又成膜時のBi23の蒸発を防
ぐこともできる。この時、Bi23膜の膜厚は、500
Å程度に制御して積層する。この膜厚は、熱膨張係数の
差による応力を無視できる程度のものである。
【0068】図14(a)は、結晶方向(100)のM
gO等からなるステップ状の基板31に結晶方向(00
1)のYBaCuOからなるジョセフソン素子32を形
成したの場合(SEJJ)であり、その斜視図(a1)
とそのII−II’断面図(a2)を示す。このステップの
エッジ部分eに異なる結晶方位の接合部が形成される。
従来、この接合部の粒界部分fに酸素欠損等の欠陥が多
く生じていた。この部分にBi23膜33を設けると、
この膜は、超電導体粒子に酸素を供給するか、若しくは
超電導体粒子から酸素を奪取しない材料により構成され
ているため、酸化物超電導体の酸素欠損を抑制し、その
結果、ジョセフソン素子の素子特性の劣化を防ぐことが
できる。
【0069】図14(b)は、平坦な基板41上の異な
る結晶方位h,lを有するYBaCuO膜42を接合し
た人工粒界に適用した場合(バイクリスタルJJ)であ
り、その断面図を示す。やはりこの場合もこの粒界部分
bに酸素欠損等の欠陥が生じやすい。しかし、この部分
にBi23膜43を設けることで、同様に超電導素子の
劣化を防ぐことができる。
【0070】図14(c)は、基板51上のYBaCu
Oからなるグラニュラ超電導体(多粒界GBJJ)によ
り形成された超電導素子52上にBi23膜53を保護
膜として形成した場合であり、その平面図を示す。この
場合も、グラニュラ超電導体の粒界における酸素欠損を
防ぎ、同様に超電導素子の劣化を防ぐことができる。
【0071】このように、第4実施例においてBi23
膜等の高抵抗膜を超電導素子の酸素欠損による劣化を防
止する保護膜として用いる場合、酸化物超電導体はYB
aCuOなど希土類元素系酸化物超電導体に限らず、B
i系(Bi2Sr2Ca1Cu2X等)、あるいはTl系
(Tl2Ba2Ca2Cu3X等)の場合においても、同
様の超電導素子の劣化を防ぐ効果が得られる。
【0072】以上、第1〜4実施例では、超電導体粒子
としてYBaCuOを用いたが、YBaCuOに限るこ
となく、Yを他の希土類元素に代えたEuBaCuO、
HoBaCuO、ErBaCuOなどの種々の希土類元
素系酸化物超電導体を適宜用いることができる。
【0073】又、高抵抗材料として、第1〜4実施例で
用いたBi23以外に、MoO3も用いられる。このM
oO3も金属の酸化物であってYBaCuOからの酸素
の奪取はなく、融点は795℃、又、電気伝導度は約
1.0×10-4S/cmであり、高抵抗材料に適してい
る。更に、Bi23、MoO3以外に、SbO、Pb
O、B23、PtO2等も同様に高抵抗材料として用い
ることができるであろう。
【0074】本発明の超電導素子の製造方法は、上記電
磁波センサーに限らず、SQUID等の他のジョセフソ
ン素子、更にはボロメータ等の他の超電導素子にも使用
できる。
【0075】
【発明の効果】本発明の超電導素子及びその製造方法に
よれば、希土類元素系酸化物超電導体粒子間の粒界に、
1)超電導体粒子に酸素を供給するか、若しくは超電導
体粒子から酸素を奪取しないこと、2)融点が上記希土
類元素系酸化物超電導体のそれより低いこと、3)電気
伝導度が上記希土類元素系酸化物超電導体のそれより低
いこと。の諸条件を満たす材料を含む粒界層を介在させ
ているので、高い粒子間抵抗値を示すジョセフソン素子
が提供され、数十GHzから数THzの超高周波帯の電
磁波を検出する高感度電磁波センサーを実現することが
できる。
【0076】又、本発明の超電導素子の製造方法によれ
ば、高抵抗材料からなる高抵抗膜上に超電導薄膜を形成
することで、熱処理時に溶融又は蒸発する高抵抗材料は
超電導薄膜を構成する超電導体粒子の界面に被着されて
高抵抗な界面層を容易に形成できる。
【0077】さらに、本発明の超電導素子の製造方法に
よれば、Bi23の薄膜をブリッジ型ジョセフソン薄膜
素子のブリッジ部分の保護膜として用いることで、素子
の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の超電導素子のの構造を示す斜
視図である。
【図2】本発明の超電導素子の要部概要を示す拡大断面
図である。
【図3】本発明の第2実施例に係わる超電導素子の製造
工程の要部概要を示す拡大断面図である。
【図4】本発明に係わる超電導膜の示差熱分析及びその
質量変化を示す図である。
【図5】本発明の比較例の超電導膜の抵抗−温度特性の
関係を示す図である。
【図6】本発明に係わる超電導膜の抵抗−温度特性の関
係を示す図である。
【図7】本発明に係わる超電導膜の抵抗−温度特性の関
係を示す図である。
【図8】本発明に係わる超電導膜の抵抗−温度特性の関
係を示す図である。
【図9】本発明に係わる超電導膜の抵抗−温度特性の関
係を示す図である。
【図10】本発明に係わる超電導膜の比抵抗とBi23
の添加量の関係を示す図である。
【図11】本発明に係わる超電導膜と比較例の断面を示
す図である。
【図12】本発明の第3実施例に係わる超電導素子の製
造工程を示す工程図である。
【図13】本発明の第3実施例に係わる高抵抗膜の分散
配置を示す拡大図である。
【図14】本発明の第4実施例に係わる超電導素子の構
造を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 超電導膜 3 センサー部 5 超電導体粒子 6 粒界層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/08 7308−4K H01B 12/06 ZAA 8936−5G H01L 39/22 ZAA D 8728−4M

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】希土類元素系酸化物超電導体粒子間の粒界
    に高抵抗材料からなる粒界層を介在させた超電導素子で
    あって、 該高抵抗材料のうち少なくとも一つが下記条件を満たす
    材料にて構成されたことを特徴とする超電導素子、 1)超電導体粒子に酸素を供給するか、若しくは超電導
    体粒子から酸素を奪取しないこと、 2)融点が上記希土類元素系酸化物超電導体のそれより
    低いこと、 3)電気伝導度が上記希土類元素系酸化物超電導体のそ
    れより低いこと。
  2. 【請求項2】上記高抵抗材料の少なくとも一つがBi2
    3であることを特徴とする請求項1記載の超電導素
    子。
  3. 【請求項3】酸化物超電導体からなる基体上の所望の領
    域に下記の条件を満たす原材料からなる高抵抗膜を積層
    形成したことを特徴とする超電導素子、 1)希土類元素系酸化物超電導体粒子に酸素を供給する
    か、若しくは超電導体粒子から酸素を奪取しないこと、 2)電気伝導度が上記希土類元素系酸化物超電導体のそ
    れより低いこと。
  4. 【請求項4】上記原材料がBi23であることを特徴と
    する請求項3記載の超電導素子。
  5. 【請求項5】希土類元素系酸化物超電導体粒子間の粒界
    に高抵抗材料からなる粒界層を介在させる超電導素子の
    製造方法であって、 該希土類元素系酸化物超電導体粒子を、それが溶融しな
    い温度下において、下記の条件を満たす原材料の溶融液
    に浸漬する工程と、 徐冷する工程と、 を順に備えたことを特徴とする超電導素子の製造方法、 1)超電導体粒子に酸素を供給するか、若しくは超電導
    体粒子から酸素を奪取しないこと、 2)融点が上記希土類元素系酸化物超電導体のそれより
    低いこと、 3)電気伝導度が上記希土類元素系酸化物超電導体のそ
    れより低いこと。
  6. 【請求項6】希土類元素系酸化物超電導体粒子間の粒界
    に高抵抗材料からなる粒界層を介在させる超電導素子の
    製造方法であって、 該希土類元素系酸化物超電導体及び下記の条件を満たす
    原材料からなる混合物を形成する工程と、 該希土類元素系酸化物超電導体粒子が溶融しない温度下
    において熱処理する工程と、 徐冷する工程と、 を順に備えたことを特徴とする超電導素子の製造方法、 1)超電導体粒子に酸素を供給するか、若しくは超電導
    体粒子から酸素を奪取しないこと、 2)融点が上記希土類元素系酸化物超電導体のそれより
    低いこと、 3)電気伝導度が上記希土類元素系酸化物超電導体のそ
    れより低いこと。
  7. 【請求項7】希土類元素系酸化物超電導体粒子間の粒界
    に高抵抗材料からなる粒界層を介在させる超電導素子の
    製造方法であって、 該希土類元素系酸化物超電導体からなる基体上の所望の
    領域に下記の条件を満たす原材料からなる高抵抗膜を積
    層形成する工程と、 該希土類元素系酸化物超電導体粒子が溶融しない温度下
    において熱処理する工程と、 徐冷する工程と、 を順に備えたことを特徴とする超電導素子の製造方法、 1)希土類元素系酸化物超電導体粒子に酸素を供給する
    か、若しくは超電導体粒子から酸素を奪取しないこと、 2)融点が上記希土類元素系酸化物超電導体のそれより
    低いこと、 3)電気伝導度が上記希土類元素系酸化物超電導体のそ
    れより低いこと。
  8. 【請求項8】希土類元素系酸化物超電導体粒子間の粒界
    に高抵抗材料からなる粒界層を介在させる超電導素子の
    製造方法であって、 基板上に下記の条件を満たす原材料からなる高抵抗膜と
    該希土類元素系酸化物超電導体からなる超電導薄膜とを
    順次積層形成する工程と、 該希土類元素系酸化物超電導体粒子が溶融しない温度下
    において熱処理する工程と、 徐冷する工程と、 を順に備えたことを特徴とする超電導素子の製造方法、 1)希土類元素系酸化物超電導体粒子に酸素を供給する
    か、若しくは超電導体粒子から酸素を奪取しないこと、 2)融点が上記希土類元素系酸化物超電導体のそれより
    低いこと、 3)電気伝導度が上記希土類元素系酸化物超電導体のそ
    れより低いこと。
  9. 【請求項9】上記高抵抗膜は上記原材料を分散配置した
    形状であることを特徴とする請求項8記載の超電導素子
    の製造方法。
  10. 【請求項10】上記原材料がBi23であることを特徴
    とする請求項5、6、7、8又は9記載の超電導素子の
    製造方法。
  11. 【請求項11】上記希土類元素系酸化物超電導体粒子が
    上記原材料の溶融液に浸漬される温度、及び上記熱処理
    の工程において上記原材料が溶融状態となる温度が、9
    00℃より高く且つ940℃以下であることを特徴とす
    る請求項5、6、7、8、9又は10記載の超電導素子
    の製造方法。
  12. 【請求項12】酸化物超電導体からなる基体上の所望の
    領域に下記の条件を満たす原材料からなる高抵抗膜を積
    層形成する超電導素子の製造方法であって、 該高抵抗膜は、前記基体温度が室温で積層形成されるこ
    とを特徴とする超電導素子の形成方法、 1)希土類元素系酸化物超電導体粒子に酸素を供給する
    か、若しくは超電導体粒子から酸素を奪取しないこと、 2)電気伝導度が上記希土類元素系酸化物超電導体のそ
    れより低いこと。
  13. 【請求項13】上記原材料がBi23であることを特徴
    とする請求項12記載の超電導素子の製造方法。
  14. 【請求項14】上記原材料と上記希土類元素系酸化物超
    電導体の総量に対する上記原材料の混合比が、0wt%
    を含まず、15wt%以下であることを特徴とする請求
    項5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載
    の超電導素子の製造方法。
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WO2020003613A1 (ja) * 2018-06-26 2020-01-02 三菱電機株式会社 電磁波検出器および電磁波検出器アレイ

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