JPH05183194A

JPH05183194A - 発光装置

Info

Publication number: JPH05183194A
Application number: JP3360611A
Authority: JP
Inventors: Koichi Nitori; 耕一似鳥
Original assignee: Victor Company of Japan Ltd
Current assignee: Victor Company of Japan Ltd
Priority date: 1991-12-27
Filing date: 1991-12-27
Publication date: 1993-07-23

Abstract

(57)【要約】【目的】広い指向性が得られる発光装置を提供する。【構成】発光ダイオード装置７は、発光素子１がリー
ド部３に直接マウントされると共にボンディングワイヤ
５を介してリード部４にボンディングされており、これ
らアセンブリがエポキシ樹脂２によって図のようにモー
ルドされている。そして、このエポキシ樹脂２の発光素
子１の発光面に対向する側の表面に金属薄膜が蒸着され
た回転放物面鏡Ａが形成されており、発光素子１の背面
側の回転放物面鏡Ａに対向する位置にはエポキシ樹脂２
が頂角90゜で円錐状に切り取られた形の逆円錐面鏡Ｂが
形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、赤外線を出力する各種
リモコン装置や空間伝送を行う光通信システム等の光源
として使用される広指向性を有する発光装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】代表的な従来の発光ダイオード装置の構
造を図７に示す。同図に示す発光ダイオード装置６は、
発光素子（発光ダイオードチップ）１がリード部（アノ
ード）３に直接マウントされると共にボンディングワイ
ヤ５を介してリード部（カソード）４にボンディングさ
れており、これらアセンブリがエポキシ樹脂（熱硬化性
樹脂材料）２によって図のようにモールドされている。
この発光ダイオード装置６は、図８に示す指向性パター
ンのグラフのように、発光素子１の真上（０°）を中心
とした狭指向性を有して発光する構造となっている。と
ころが、赤外線を出力する各種リモコン装置や空間伝送
を行う光通信システム等では、広い指向性を有する発光
装置が必要となることがある。そこで、特開昭５８−４
３５８４号では、樹脂モールドの一部あるいは全部に散
乱剤を混入させ、発光素子からの光を散乱剤によって広
範囲に散乱させる発光ダイオード装置が開示されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、散乱剤を使
用した発光ダイオード装置は、広い指向性を得ることが
できるが、散乱剤による光の損失が大きく、光通信シス
テム等に必要な大きな光出力をが得られないという問題
点があった。そこで本発明は、光の損失を少なくした上
で広い指向性が得られる発光装置を提供することを目的
とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、少なくとも１個の発光素子とこの発光素
子に電力を供給するリード部の一部が透明材料でモール
ドされ、前記発光素子の発光面に対向する側の前記透明
材料の表面を回転放物面とし、この回転放物面に高反射
率材料の反射層を形成してなる第１の反射鏡と、前記発
光素子の発光面と反対側の前記第１の反射鏡と対向する
位置に設けられ、前記第１の反射鏡と回転軸を共有する
前記透明材料の表面に形成された回転対称面または逆角
錐面である第２の反射鏡と、この第２の反射鏡によって
反射された光を前記透明材料の外部に出力する窓部とを
備えたことを特徴とする発光装置を提供しようとするも
のである。

【０００５】

【作用】本発明の発光装置は、発光素子とこの発光素子
の電極に接続された複数のリード部を透明材料でモール
ドし、発光素子から発光されるほぼ全ての光を平行光線
あるいはこれに近い光線束に変換する回転放物面鏡（第
１の反射鏡）と、透明材料を介してこの第１の反射鏡と
対向する位置にこの第１の反射鏡にて反射された光線束
の指向性を広げる方向に進路変換する第２の反射鏡とを
設けたものである。そして、この２つの反射鏡は透明材
料上に金属薄膜で形成したり、透明材料自体による光の
全反射の性質を利用することにより形成される。

【０００６】

【実施例】本発明の発光装置の実施例を図面と共に説明
する。図１及び図２は本発明の第１の実施例である発光
ダイオード装置の例を示す斜視図と断面図である。図１
及び図２に示す発光ダイオード装置７は、発光素子（発
光ダイオードチップ）１がリード部（アノード）３に直
接マウントされると共にボンディングワイヤ５を介して
リード部（カソード）４にボンディングされており、こ
れらアセンブリがエポキシ樹脂（熱硬化性樹脂材料）２
によって図のようにモールドされている。そして、この
エポキシ樹脂２の発光素子１の発光面に対向する側の表
面に金属薄膜が蒸着された回転放物面鏡（第１の反射
鏡）Ａが形成されており、発光素子１の背面側の回転放
物面鏡Ａに対向する位置にはエポキシ樹脂２が頂角90゜
で円錐状に切り取られた形の逆円錐面鏡（第２の反射
鏡）Ｂが形成されている。

【０００７】このような構成の発光ダイオード装置７に
おいて、発光素子１から発光される光は、この発光素子
１の発光面に対向する側に設けられた回転放物面鏡Ａに
よって反射される。このとき、発光素子１をこの回転放
物面鏡Ａのほぼ焦点位置に設置することにより、発光さ
れるほぼ全ての光を反射させて平行光線とすることがで
きる。そして、回転放物面鏡Ａによって反射された反射
光（平行光線）は、頂角90゜の逆円錐状に形成された逆
円錐面鏡Ｂによって全反射されて、侵入してきた平行光
線の進行方向に対して約90゜方向変換され、回転放物面
鏡Ａの回転軸に対してほぼ垂直方向に360 ゜方向の均一
な広指向性（水平方向で無指向性）を持つ平行光として
エポキシ樹脂２の全側周面（窓部）Ｇより出力される。
なお、逆円錐面鏡Ｂは、エポキシ樹脂２自体が有する光
の全反射の性質を利用して、回転放物面鏡Ａからの平行
光の入射角が全反射の臨界角以上となるようにすること
により、金属薄膜を蒸着することなく、光の反射が可能
となっている。以上、第１の実施例として回転放物面鏡
Ａによって反射された反射光を逆円錐面鏡Ｂによって36
0 ゜方向の広指向性を持つ平行な出力光に変換する例に
ついて説明したが、第２の反射鏡である逆円錐面鏡Ｂの
傾斜を図６（Ａ），（Ｂ）に示す発光ダイオード装置１
０，１１のように曲線状の回転対称面Ｅ，Ｆとしても良
く、この場合、360 ゜方向の均一な広指向性を持ち、上
下方向には、放射状に広がる出力光が得られる。

【０００８】図３は本発明の第２の実施例である発光ダ
イオード装置８を示す斜視図である。そして、この第２
の実施例は、第１の実施例の第２の反射鏡の形状を変更
したものであり、第１の実施例と同一構成部分には同一
符号を付し、その説明を省略する。図３に示す発光ダイ
オード装置８の第２の反射鏡は、回転放物面鏡Ａの回転
軸上に頂点を有する逆角錐状の鏡Ｃとなっており、回転
放物面鏡Ａによって反射された反射光（平行光線）は、
この逆角錐状の鏡Ｃによって全反射されて、侵入してき
た平行光線の進行方向に対して約90゜方向変換され、回
転放物面鏡Ａの回転軸に対してほぼ垂直方向に360 ゜方
向の不均一な広指向性（水平方向で無指向性）を持つ平
行光としてエポキシ樹脂２の全側周面（窓部）Ｇより出
力される。

【０００９】同様に、図４及び図５に示す第３の実施例
の発光ダイオード装置９において、第２の反射鏡は、第
２の実施例の回転放物面鏡Ａの回転軸上に頂点を有する
逆角錐状の鏡Ｃの傾斜の上の方だけを曲線状にした鏡Ｄ
であり、言い換えると、回転放物面鏡Ａの回転軸に垂直
な平面による断面が多角形でありかつ回転軸を含む平面
による断面が曲線を含む面形状となっている鏡Ｄであ
る。そして、回転放物面鏡Ａによって反射された反射光
（平行光線）は、この鏡Ｄによって全反射されて、侵入
してきた平行光線の進行方向に対して約90゜方向変換さ
れ、回転放物面鏡Ａの回転軸に対してほぼ垂直方向に36
0 ゜方向の不均一な広指向性（水平方向で無指向性）を
持ち、上下方向に放射状に広がる出力光が得られる。な
お、この図４及び図５に示した第２の反射鏡のように、
その傾斜の上方だけでなく、図６（Ａ），（Ｂ）のよう
に第２の反射鏡の傾斜全てを曲線状にしても良い。

【００１０】そして、以上説明した各実施例の第２の反
射鏡Ｂ〜Ｆは、エポキシ樹脂２自体が有する光の全反射
の性質を利用して、回転放物面鏡Ａからの平行光の入射
角が全反射の臨界角以上となるようにすることにより、
光の全反射を可能としているが、第２の反射鏡Ｂ〜Ｆと
して高反射率材料である金（Au）やアルミニウム（Al）
などの金属薄膜を蒸着して反射層を形成したものでも良
く、この場合、臨界角を考慮することなく、第２の反射
鏡Ｂ〜Ｆの形状を設定することができる。さらに、各実
施例のように第２の反射鏡Ｂ〜Ｆの形状を変えるだけで
なく、回転放物面鏡Ａに対する発光素子１の位置や第２
の反射鏡Ｂ〜Ｆの頂角などを任意に変更することによ
り、さまざまな指向性パターンを持った発光装置を実現
することができる。

【００１１】

【発明の効果】本発明の発光装置は、発光素子の発光面
に対向する側の前記透明材料の回転放物面に反射層を形
成してなる第１の反射鏡と、発光素子の発光面と反対側
の第１の反射鏡と対向する位置に設けられ、第１の反射
鏡と回転軸を共有する透明材料の表面に形成された回転
対称面または逆角錐面である第２の反射鏡と、この第２
の反射鏡によって反射された光を透明材料の外部に出力
する窓部とを備えたので、１個の発光素子から出力され
る光を円周360 ゜方向の光に変換して放射することがで
き、水平方向での無指向性が実現できる。また、多くの
発光素子を並べて使用しなくても広い指向性を実現する
ことができる。

【００１２】そして、第２の反射鏡の形状を種々変更す
ることにより、垂直方向での指向性を用途に応じて自由
に設計、選択することができる。また、第２の反射鏡の
形状を変更するだけで、垂直方向での指向性を変化させ
ることができるというように、光学系の構成が単純であ
るので、発光装置の設計が容易である。さらに、従来例
のように広指向性にするために散乱剤を使用していない
ので、散乱剤による光の損失がなく、大きな光出力が得
られるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の発光装置の第１の実施例を示す斜視図
である。

【図２】図１に示した第１の実施例の断面図である。

【図３】本発明の発光装置の第２の実施例を示す斜視図
である。

【図４】本発明の発光装置の第３の実施例を示す斜視図
である。

【図５】図４に示した第３の実施例の断面図である。

【図６】（Ａ），（Ｂ）はその他の実施例を示す断面図
である。

【図７】従来の発光ダイオード装置を示す構成図であ
る。

【図８】従来の発光ダイオード装置の指向性パターンを
示すグラフである。

【符号の説明】

１発光素子（発光ダイオードチップ）２エポキシ樹脂（熱硬化性樹脂材料）３リード部（アノード）４リード部（カソード）５ボンディングワイヤ６〜１１発光ダイオード装置（発光装置）Ａ回転放物面鏡（第１の反射鏡）Ｂ逆円錐面鏡（第２の反射鏡）Ｃ逆角錐状の鏡（第２の反射鏡）Ｄ鏡（第２の反射鏡）Ｅ，Ｆ回転対称面（第２の反射鏡）Ｇ全側周面（窓部）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも１個の発光素子とこの発光素子
に電力を供給するリード部の一部が透明材料でモールド
され、前記発光素子の発光面に対向する側の前記透明材料の表
面を回転放物面とし、この回転放物面に高反射率材料の
反射層を形成してなる第１の反射鏡と、前記発光素子の発光面と反対側の前記第１の反射鏡と対
向する位置に設けられ、前記第１の反射鏡と回転軸を共
有する前記透明材料の表面に形成された回転対称面であ
る第２の反射鏡と、この第２の反射鏡によって反射された光を前記透明材料
の外部に出力する窓部とを備えたことを特徴とする発光
装置。
【請求項２】少なくとも１個の発光素子とこの発光素子
に電力を供給するリード部の一部が透明材料でモールド
され、前記発光素子の発光面に対向する側の前記透明材料の表
面を回転放物面とし、この回転放物面に高反射率材料の
反射層を形成してなる第１の反射鏡と、前記発光素子の発光面と反対側の前記第１の反射鏡と対
向する位置に設けられ、前記第１の反射鏡と回転軸を共
有する前記透明材料の表面に形成された逆角錐面である
第２の反射鏡と、この第２の反射鏡によって反射された光を前記透明材料
の外部に出力する窓部とを備えたことを特徴とする発光
装置。
【請求項３】前記第２の反射鏡が前記回転軸に垂直な平
面による断面が多角形であり且つ前記回転軸を含む平面
による断面が曲線を含むことを特徴とする請求項２記載
の発光装置。
【請求項４】前記第２の反射鏡は前記第１の反射鏡側か
ら入射する前記回転軸と平行な光線に対して、その入射
角が全反射の臨界角以上となる角度で設けられた前記透
明材料の回転対称面であることを特徴とする請求項１乃
至３記載の発光装置。
【請求項５】前記第２の反射鏡は前記透明材料の回転対
称面に高反射率材料の反射層を形成してなることを特徴
とする請求項１乃至３記載の発光装置。