JPH05180798A - 固体電解質ガスセンサ - Google Patents

固体電解質ガスセンサ

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JPH05180798A
JPH05180798A JP3055660A JP5566091A JPH05180798A JP H05180798 A JPH05180798 A JP H05180798A JP 3055660 A JP3055660 A JP 3055660A JP 5566091 A JP5566091 A JP 5566091A JP H05180798 A JPH05180798 A JP H05180798A
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Kazunari Kaneyasu
一成 兼安
Takeshi Nakahara
毅 中原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製品間の特性のばらつきが小さく、長期間に
亘って幅広い酸素濃度を精度良く測定することができる
限界電流式固体電解質ガスセンサを提供する 【構成】 被測定混合ガスに含まれる検出ガスのイオン
又は、検出ガスの電極反応により生ずるイオンを選択的
に透過し得る固体電解質膜8の両面に多孔性導体12,
18が各々存在し、且つ両導体は検出ガスの酸化及び還
元に要する電位を形成するようにリード線15により電
気的に接続された構造よりなる検出ガス制御スクリーン
と、固体電解質ガスセンサの検出部とを有し、前記検出
ガス制御スクリーンが検出部のイオン化電極10を覆う
ように構成されており、且つ検出ガス制御スクリーンの
固体電解質膜8の単位時間当りのイオン透過量は、作動
条件下にあって、検出部のイオン透過量よりも小さくな
るよう構成されていることを特徴とする固体電解質ガス
センサである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体電解質よりなる選
択透過膜を用いたガスセンサに関する。特にセンサの検
出部に供給される検出ガスの供給速度よりも大きい速度
で検出ガスを電解し、排出することにより生ずる急激な
電圧の立上り或いは該検出ガスの供給速度が律速となっ
た状況下での電流、即ち限界電流を測定することによ
り、検出ガスの濃度を求める形式のガスセンサ、即ち限
界電流式ガスセンサに関する発明である。更に詳しく
は、本発明は、限界電流式ガスセンサにおいて、検出ガ
スを検出部に供給する機構に特徴を有する固体電解質ガ
スセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から限界電流式固体電解質ガスセン
サは公知であり、その利点は、濃淡電池式酸素センサに
比べ幅広い濃度域に亘って測定でき、小型化が可能であ
り、更に参照ガスが不要である等が知られている。限界
電流式固体電解質ガスセンサの基本的な構造は、イオン
導伝性固体電解質を挟んでその両面に電極を配したセン
サの検出部の一方の電極(検出ガスをイオン化させる電
極)に供給する被測定混合ガスの供給量を制御するため
該電極をキャピラリーを持ったキャップで覆うとか、或
いは該電極を多孔質のセラミックスで被覆する構造であ
った。これらの構造にあっては、被測定混合ガスがキャ
ピラリー或いは多孔質セラミックスの細孔を通して電極
に供給される。そこで被測定混合ガス中の検出ガスは、
電極反応により、それ自体イオン化するか或いは電極反
応により生ずる別のイオン(これらを総称して、電極反
応により生成するイオンという)となり、固体電解質を
通して反対側の電極に至る。そこで前記イオン化の反応
とは逆の反応によりガス化して放出される。ここでキャ
ピラリー或いは多孔質セラミックスの細孔から気体の拡
散により供給される検出ガスの供給速度よりもセンサの
検出部におけるガスの排出速度を大きくすることにより
限界電流を生ずるのであるが、検出ガスのセンサ検出部
への供給はキャピラリーを通したキャップ内又は多孔質
セラミックスの細孔内を検出ガスが拡散する速度に支配
されるため細孔内の拡散抵抗の微妙な変化、例えば、被
測定混合ガス中に存在する固体浮遊物の付着などの影響
を容易に受けて、限界電流値が変動し、延いて検出ガス
の測定値にバラツキを生ずる。特に限界電流値を明確に
生ぜしめるために検出ガスの拡散抵抗を大きく持たせる
必要がある。このため細孔部の路程を長くする必要があ
る。しかしながら、被測定混合ガスは、しばしば浮遊固
体やミストを含んでおり、それらが細孔内に付着するこ
とにより測定値の狂いが生じやすいという欠点が避けら
れなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、被測定混合ガスに固体或いは粘性を有する浮遊物が
存在している場合であっても、長時間に亘って検出ガス
の濃度(又は分圧)を正確に測定し得る限界電流式固体
電解質ガスセンサを提供するにある。
【0004】本発明の別の目的は、被測定混合ガスに含
まれる検出ガスの電極反応により生成するイオンを選択
的に透過し得る固体電解質膜の両面に多孔性導体が各々
存在し、且つ両導電体間に検出ガスの酸化又は還元電位
又は、それ以上の電位差を形成するように電気的に接続
された構造よりなる検出ガス制御スクリーンを通して、
検出ガスをセンサの検出部に供給し、該検出部において
検出ガスの供給される速度よりも速い汲出し速度で検出
ガスを排出するよう構成した固体電解質ガスセンサによ
り限界電流値を測定することを特徴とするガス濃度の測
定方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
被測定混合ガスに含まれる検出ガスのイオン又は、検出
ガスの電極反応により生成するイオンを選択的に透過し
得る固体電解質膜の両面に多孔性導体が各々存在し、且
つ両導体は検出ガスの酸化及び還元に要する電位を形成
するように電気的に接続された構造よりなる検出ガス制
御スクリーンと、固体電解質ガスセンサの検出部とを有
し、前記検出ガス制御スクリーンが検出部のイオン化電
極を覆うように構成されており、且つ検出ガス制御スク
リーンの固体電解質膜の単位時間当りのイオン透過量
は、作動条件下にあって、検出部のイオン透過量よりも
小さくなるよう構成されていることを特徴とする固体電
解質ガスセンサが提供される。
【0006】また、本発明によれば、被測定混合ガスに
含まれる検出ガスの電極反応により生成するイオンを選
択的に透過し得る固体電解質膜の両面に多孔性導電体が
各々存在し、且つ両導電体は、検出ガスの酸化及び還元
に要する電位を形成するように電気的に接続された構造
よりなる検出ガス制御スクリーンを通して、検出ガスを
センサの検出部に供給し、当該供給された検出ガスの供
給速度よりも速い汲出し速度を有する検出部を有する固
体電解質ガスセンサにより、限界電流値を測定すること
を特徴とする被測定混合ガス中の検出ガス濃度の測定方
法が提供される。
【0007】従来の限界電流式固体電解質ガスセンサ
は、図3、図4に示すように固体電解質1の両面に夫々
電極3及び4が存在したセンサの検出部の一方の電極に
キャピラリーaを有するキャップ2(図4の場合)又は
多孔質セラミックス20(図3の場合)を設けて、該電
極上で反応するガス量を制限する構造である。
【0008】上記の限界電流式固体電解質ガスセンサを
酸素センサとして使用する場合、キャップ又は多孔質セ
ラミックスを設けた側の電極3を陰極、その反対側の電
極4を陽極となるように両電極間に電源5によって酸素
の還元に要する電圧以上の電圧を印加する。該陰極上で
酸素は還元されて酸素、イオン(O2-)となり、固体電
解質よりなるイオン透過層1を通して酸素イオンは陽極
側に移動し、陽極上で酸化されて酸素ガスとなって放出
される。この酸素イオンの移動によって電流が流れる。
この電流はリード線15により、電源5と直列に接続さ
れている電流計6によって測定することができる。
【0009】また陰イオン側に供給される酸素は、酸素
イオンとなり陽極側に汲み出されることになる。そこで
陰極側に供給する酸素をキャップのキャピラリーa又は
多孔質セラミックス20の細孔の拡散抵抗により制限
し、被測定混合ガス中の酸素濃度と一定の関係を有する
限界電流が現れてくる。この限界電流値を前記電流計6
で測定し、あらかじめ、酸素濃度と限界電流値との関係
について検量線を求めておくことによって、酸素濃度を
知ることができる。また規格化された装置にあっては、
前記検量線に基づいて、限界電流値から直接酸素濃度を
表示させることも可能である。
【0010】しかしながら、このような限界電流式固体
電解質ガスセンサは前述したように酸素(検出ガス)を
陰極面に供給する機構において、ガス拡散量を制限する
ための細孔の大きさや多孔質セラミックスの気孔率や細
孔径の制御が容易でなく、センサの製品間で出力電流の
バラツキが大きい事や、長期間の使用において目詰まり
することによる測定値の変動などの問題があった。
【0011】本発明は、上述の欠点を解消するものとし
て、キャピラリー付のキャップや多孔質セラミックスに
よる検出ガスの拡散速度或いは拡散量を制御する方式に
代えて、後に詳述する検出ガス制御スクリーンを用い被
測定混合ガス中の検出ガスを電極反応により生成するイ
オンとして固体電解質を通して移動させることにより制
限する方式を用いたものである。かくして、被測定ガス
中の検出ガスは、何等細孔内を拡散により移動させるこ
とはなく、センサの検出部に検出ガスを供給することが
可能となるため、センサ製品間のバラツキや、長期間の
使用による測定値の変動など、不都合の少ないセンサが
得られるのである。
【0012】本発明のガスセンサをその代表的な実施態
様を示す図1及び図2により説明する。これらの例から
分かるように本発明は、電極10及び11間に固体電解
質からなるイオン透過層9を介在させて構成されたセン
サの検出部と2個の多孔性導電体12及び18間に固体
電解質からなるイオン透過層8を介在させ、且つ両導電
体12及び18を電気的に接続して構成された検出ガス
制御スクリーンとよりなる。そして、該検出ガス制御ス
クリーンを構成する2つの多孔性導電体間には、被測定
混合ガス中の検出ガスをイオン化するか或いは該検出ガ
スの電極反応によりイオン性物質を生成するにたる電位
差又はそれ以上の電位差が形成されている。かかる電位
差は、検出ガスが酸素等の場合一般に導電体12と18
とが夫々接している検出ガスの濃度の差により形成され
る濃淡電池の起電力によって形成される。しかしなが
ら、検出ガスの種類によっては、イオン発生のための酸
化或いは還元電位が大きい場合があり、更に検出ガスと
多孔性導電体12との間の過電圧が大きい場合等は図2
に例示する如く、外部電源22により電圧を適宜印加す
るべきである。またセンサの検出部の機構は、従来公知
の限界電流式固体電解質ガスセンサのそれと同様であ
る。即ち電極10及び11間に固体電解質からなるイオ
ン透過層9が介在し、且つ両電極10と11とはリード
線15によって、電源5と電流計6とが直列に接続され
て回路を形成している。検出ガス制御スクリーンとセン
サの検出部とは、周辺部を封止材7により気密にシール
されている。封止材7の材質は、検出ガス例えば、酸素
ガスの不透過性のものであれば特に限定されない。好適
な材料を例示すれば、ガラス、無機セメント、低融点セ
ラミックス等が挙げられる。これらの材質のうち、熱膨
張係数がイオン透過層と等しいか、やや小さいものを用
いるのが好ましい。また接合性から粒径は10μm以下
望ましくは5μm以下の微粉末として用いるのがより好
ましい。更に必要に応じて、検出ガス制御スクリーンと
センサの検出部の側面を封止材によりコートし、ケーシ
ング14を形成させることにより、気密性を高め外側を
保護することも工業的に有意義である。
【0013】本発明においては、2枚の固体電解質から
なるイオン透過層を用いることを特徴としており、これ
らのイオン透過層は目的とするイオンを透過する固体電
解質であればよく、従来公知のものが使用できる。例え
ば検出ガスが酸素の場合、一般には、CeO2 ,ZrO
2 ,HfO2 ,ThO2 ,Bi2 3 等の酸化物の少な
くとも一種に、CaO,Y2 3 ,Gd2 3 ,Sm2
3 ,MgO等の少なくとも一種を固溶させた固体電解
質が好適に使用できる。特にCeO2 系は低温でのイオ
ン伝導度が高いため、酸素センサ素子の低温作動化が期
待でき最適である。上記の固溶量は固溶する酸化物との
組合せによって異なるが、一般には2〜40%の範囲で
あれば十分である。可燃性ガスセンサの場合、プロトン
伝導性のものであれば公知のものが何ら制限なく使用で
きる。一般にはアンチモン酸(Sb2 5 ・nH
2 O),リン酸ジルコニウム(Zr(HPO4 2 ・H
2 O),リンモリブデン酸(H3 Mo1240・nH
2 O),リンタングステン酸(H3 1240・nH
2 O),リン酸ウラニル(HUO2 PO4 ・nH
2 O)、H型ゼオライトで代表される無機イオン交換
体、ポリスチレンスルホン酸、Nafion(デュポン
社の登録商標)で代表される有機高分子イオン交換体等
を挙げることができる。上記プロトン導電性固体電解質
は、単独で、あるいは2種以上を混合して用いることが
できる。フッ素ガスセンサの場合、フッ素イオン伝導性
であれば公知のものが何ら制限なく使用できる。一般に
はβ−PbF2 ,CaF2 ,SrF2 ,LaF2 ,Ti
Sn2 3 の単独、あるいは2種以上を混合して用いる
ことができる。その他ハロゲンガスに対してはKAg4
5 ,PbCl2 ,PbBr,なども使用できる。
【0014】更にSO2 ,SO3 ,CO,CO2 ,NO
2 などにはそれぞれK2 SO4 ,K2 CO3 ,Ba(N
3 2 などが使用可能である。検出ガス制御スクリー
ンに使用されるイオン透過層は、基本的にセンサ検出部
において汲み出される検出ガスの排出速度よりも少ない
検出ガスを供給するよう構成される必要がある。このた
め、該スクリーン層の固体電解質は、検出部の固体電解
質よりも輸率の小さい物質を用いるとか、同種の固体電
解質にあっては、有効面積を小さく(例えば10〜90
%程度)するか、層の厚さを大きくする等が考えられ
る。また輸率を小さくするには、固体電解質のイオン交
換容量を小さくするか導電性の高い金属粉を混合する等
の手段が可能である。しかしながら、イオン透過層は、
ガスの通り抜けに大使バリヤーとなること及び工業的使
用に耐えるという実用的意義から、0.1〜5000μ
m、特にイオン透過層が無機材質の場合には0.5〜1
000μm、有機材質の場合には1〜2000μmの範
囲が好適である。
【0015】また、イオン透過層の製造方法は、特に制
限されない。一般には、上記の固体電解質の微粉体を成
型する方法、成型,焼結させる方法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、蒸着法等による方法が好
適に採用される。勿論ナフィオレ等市販の材料をそのま
ま使用することも可能である。
【0016】固体電解質よりなるイオン透過層の両側に
夫々存在させる導電体12及び18並びに電極10及び
11は夫々同種又は異種の導電体で構成される。好まし
い材質の例は、白金パラジウム、ロジウム、銀等の貴金
属類及びそれらの酸化物、一般式La1-X SrX BO3
(但しBはCo,Cu,Fe,Ni等の元素を表し、x
は0.01〜0.5の数)で表されるペロブスカイト型
酸化物からなる酸化物、上記貴金属と金属酸化物を混合
した複合組成物が挙げられる。
【0017】また検出ガス制御スクリーンの多孔性導電
体及び、検出部の電極層の厚みは、一般に0.1μm〜
50μmの範囲、好ましくは0.2μm〜30μmが適
している。さらに、ガス分子あるいは生成したイオンの
イオン透過層への拡散を効率よく行わせるため、電極層
も多孔質体を使用することが望ましい。前記導電体12
及び18並びに電極10及び11の形成方法は、特に限
定されるものではなく、公知の方法が制限なく採用され
る。代表的な方法を例示すれば、固体電解質膜の両面に
スクリーン印刷、真空蒸着、化学メッキ、イオンプレー
ティング、スパッタリング法を行う方法が挙げられる。
【0018】また、ガスセンサの作動する温度が高温で
ある場合は必要に応じてガスセンサを加熱すればよい。
かかるガスセンサの加熱は、ガスセンサ外部の熱源から
の放熱によってもよいし、予めヒーターをガスセンサに
装着し、ヒーターからの熱伝導や放熱を利用してもよ
い。ガスセンサへのヒーターの装着位置は、ガスセンサ
の作動を阻害しない位置であれば特に限定されない。
【0019】図5は本発明の具体的態様の一つである。
検出ガス制御スクリーンの導電体12及び18は一方の
端部で接続されており、該スクリーン部の起電力は、導
電体12に接する検出ガス濃度と同18に接する検出ガ
ス濃度との差によってもたらされる。該スクリーンとセ
ンサの検出部とは封止材7によって周辺を密封された間
隙bが形成されている。更にセンサの検出部の下部は還
元cをおいて、絶縁性を有する多孔質体17及びヒータ
ー13及び該ヒーター用の電源13が備えられている。
図5の例にあっても固体電解質膜8を通して間隙部bに
供給されるガス量は、間隙部cに汲み出される量よりも
少なくなるよう構成されている。また絶縁性の多孔質体
17の孔は間隙部cを内に汲み出されたガスが何ら抵抗
なく外界に排出し得るための孔径と孔数を有している。
【0020】図6は本発明の別の態様であり、検出ガス
制御スクリーンの導電体12及び18間に外部の電源2
2により導電体12の表面で、被測定混合ガス中の検出
ガスに基づく電極反応を生ぜしめるに必要な電位差以上
の電圧を印加する方式である。また加熱の効率のため多
孔質体17と電極11とを密着させた構造である。
【0021】図7は、本発明の別の態様であり、検出ガ
ス制御スクリーンとセンサの検出部との間に存在する間
隙部bに多孔質よりなるスペーサー19を介在させた態
様である。スペーサー19は、間隙を保持し、且つ検出
ガスの透過を制限しないものが特に制限なく使用され
る。一般には、SiO2 ・MgO,SiO2 ・Al2
3 ,ゼオライト,SiO2 等の多孔質セラミックスが好
適に使用される。上記多孔質セラミックスは、検出ガス
の透過を妨げない範囲で任意に選ぶことができる。
【0022】図8は、被測定混合ガスと接する導電体1
2を保護する目的で、金網、開孔率の高いセラミックス
その他の多孔体よりなるカバー23を付設した態様であ
る。
【0023】図9は、検出ガス制御スクリーンがセンサ
の検出部を覆う別の態様の例であって、検出ガス制御ス
クリーンの固体電解質膜8と検出部の固体電解質膜9と
が一体に構成されており、該スクリーンを透過して供給
されるガスはカバー21によって形成される間隙bに一
旦保持されて検出部に供給される態様である。即ち、こ
の例では検出ガス制御スクリーンの導電体12の電極反
応により形成されたイオンは導電体18によりガスとな
り間隙部bに供給される。間隙部b内のガスは検出部に
おいて汲み出され、電極11の部分から排出される。こ
の例の特徴は、下面のヒーター13により、検出ガス制
御スクリーンとセンサの検出部とを均一に加熱すること
が可能となる。
【0024】図10は、図9の態様の変形であり、固体
電解質膜8と同じく9との間を絶縁性の封止材7によっ
て分断してある。更に検出ガス制御スクリーンの導電体
10と検出部の電極10とが一体に構成されている。こ
の場合導電体18と電極10とは同じ電位になるが、導
電体12と18との間及び電極10と11との間の各電
位差を検出ガスに基づく電極反応に必要な範囲に保つこ
とによって支障なく測定することが可能となる。
【0025】図11は基本的に図1に示す態様である
が、本発明のセンサーの構造は板状に限られるものでな
いことを例示したものである。
【0026】本発明は、勿論図示した態様に限定される
ものではなく、限界電流式固体電解質ガスセンサであっ
て、該センサの検出部に供給するガスが固体電解質膜に
よるイオン透過層によりイオンとして透過した後、再度
ガスとして供給される方式を用いることを特徴とするあ
らゆる態様を包含するものである。
【0027】本発明の限界電流式固体電解質ガスセンサ
は、酸素ガス、炭酸ガス、各種ハロゲンガス、SO2
SO3 、CO、NO、NO2 、NH3 、H2 S等の種々
のガスの濃度測定に適用することができる。
【0028】
【効果】以上の説明より理解されるように、本発明の限
界電流式固体電解質ガスセンサは、検知ガス制御スクリ
ーンによって、被測定混合ガス中の検出ガスを電極反応
により生成するイオンとして固体電解質を通して移動さ
せることにより、センサ検出部への該検出ガスの移動を
制限する方式により、検出ガスの拡散量を制限する方式
の従来の限界電流式固体電解質ガスセンサに比べて製造
条件による特性のばらつきが小さく、小孔の目づまり等
による特性の劣化も認められず長期間にわたって幅広い
酸素濃度を精度良く測定することが可能である。
【0029】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するために、以下
実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に
制限されるものではない。
【0030】なお、ガスセンサの限界電流特性の測定方
法を以下に述べる。限界電流特性測定・・ガスセンサを
検地ガス濃度の異なる被測定ガス中に置き、センサ部の
電極に直流電圧を印加する。印加電圧は0Vから0.0
4V/minの速度で連続的に変化させ、その際流れる
電流を電流計により測定し、レコーダーに記録した。そ
の結果より、各検地ガス濃度において共通に限界電流の
得られる電圧を、素子の最適印加電圧とした。
【0031】実施例1 図5に示した如くイオン透過層9の両面に電極10,1
1を形成した酸素検出部、イオン透過層8の両面に形成
した導電体層12,18の一部を電気的に接続させた酸
素制御スクリーンと多孔質セラミックス上にヒーターを
形成したヒーター部により酸素センサを構成した。酸素
検出部、酸素制御スクリーン、ヒーター部はガラス7に
より接合しその側面をガラス14で封止した。ヒーター
部のヒーター13には直流電圧16を印加し、450℃
にセンサ素子を加熱した。酸素検出部の酸素制御スクリ
ーン側の電極10を陰極、ヒーター部側の電極11を陽
極として直流電圧5を印加し、その際流れる電流値を測
定するために電流計6を電源に直列に接続した。
【0032】上記において、イオン透過層8,9には、
酸素イオン伝導体である酸化第二セリウムに酸化カルシ
ウムを30mol%固溶させた(CeO2 0.7 (Ca
O)0.3 粉末を成型、焼結した直径4mm、厚さ約0.3
mmの緻密な円盤状の固体電解質焼結体を用いた。
【0033】陽陰電極10,11として白金ペーストを
スクリーン印刷し、800℃で焼き付けたものを、ま
た、リード線15には白金線を用いた。更に、酸素制御
スクリーンの導電体層12,18はイオン透過層8の両
面に白金ペーストをスクリーン印刷し、その一部をイオ
ン透過層8の側面を介して白金ペーストで接続し、80
0℃で焼き付けたものを用いた。
【0034】ヒーター部に用いた多孔質セラミックス1
7は、酸素の拡散が律速になることがないように十分な
気孔を有し、イオン透過層と熱膨張係数の近い耐熱性無
機物質として、MgO・SiO2 粉末を成型、焼結した
直径4mm、厚さ約0.6mmの円盤状の焼結体を用いた。
【0035】ヒーター13は、従来から公知のものが使
用できるが、安定性、耐熱性の点から本実施例において
は、上記多孔質セラミックス上に白金ペーストを波型に
スクリーン印刷し900℃で焼き付けたものを用いた。
【0036】接合用のガラス7は、熱膨張係数がイオン
透過層と等しいかやや小さく、粒径が10μm以下、望
ましくは5μm以下のものが好ましい。そこで本実施例
においては、平均粒径6μmのガラス粉末をボールミル
で3時間粉砕し、テレビネオール、エチルセルロースで
ペースト化し、イオン透過層9の電極の形成されていな
い部分にスクリーン印刷することにより酸素検出部とヒ
ーター部、酸素制御スクリーンの接合を行った。封止用
のガラス14は上記と同様のガラスペーストを用い、セ
ンサ素子の側面に2回塗布することにより形成した。こ
れらのガラス7,14は620℃で焼結することにより
酸素の透過のない緻密なものとなった。
【0037】図12は、酸素濃度の異なる被測定ガス中
に酸素センサを置き、電極10,11間に印加する電圧
を変化させ、各電圧における電流値を測定した結果を縦
軸に電流(μA)、横軸に電圧(V)をとって示したも
のである。図12において、電圧が変化しても電流が変
化しない横軸に対してほぼ平行な線を示す部分が認めら
れるが、その線の示す電流値が各酸素濃度における限界
電流値である。
【0038】第1表は、図12より各酸素濃度において
共通に限界電流の得られる電圧800mVにおける限界
電流値と酸素濃度の関係を示したものである。図13
は、第1表を縦軸に限界電流(μA)、横軸下線に酸素
濃度の関数−ln (1−PO2/P)〔Pは被測定ガスの
全圧、PO2は酸素分圧を夫々表す〕と同じく横軸上線に
酸素濃度(%)をとって示したものである。図13は、
酸素濃度が未知の被測定ガスの酸素濃度を測定する際の
検量線として用いられる。つまり図5に示した酸素セン
サの被測定ガス中での限界電流値を測定することによ
り、酸素濃度未知の被測定ガスの酸素濃度を測定するこ
とができる。
【0039】さらに、出力電流のばらつき測定として酸
素センサ30個について、限界電流特性測定により得ら
れた最適印加電圧をそれぞれ印加し、大気中における出
力電流を測定した。第4表には、出力電流の最大値、平
均値、変動係数を示した。第4表より、本発明の酸素セ
ンサは、従来の小孔や多孔質セラミックスを用いる酸素
センサに比べてセンサ間の出力電流のばらつきが小さ
く、再現性良く製造することが可能である。
【0040】さらに、目づまりに対する耐久性測定とし
て、酸素センサ30個を重油炊きボイラーの排気ガス中
に挿入し、酸素センサには限界電流特性測定によって得
られた最適印加電圧を印加して出力電流を測定した。第
5表は、3,5,10,20,30日後の出力電流が初
期の出力電流の半分以下になった酸素センサの個数を示
したものである。第5表より、本発明のセンサは、重油
炊きボイラーの排気ガス中というほこりやすすの非常に
多い雰囲気においても、従来の小孔や多孔質セラミック
スを用いる酸素センサのように目づまりにより出力電流
の低下もほとんど見られず、長期間にわたって安定した
出力を示すことがわかった。
【0041】実施例2 図7に示すような酸素センサ素子を作製した。本センサ
は、図5において酸素検出部と酸素制御スクリーンをガ
ラス7により接合した部分をセラミックペーストで接合
し、酸素検出部と酸素制御スクリーンの空間部bに多孔
質セラミック19を存在させたものである。さらに、ヒ
ーター13も酸素検出部の酸素制御スクリーンに接しな
い側にセラミックペーストをスクリーン印刷することに
より形成した多孔質セラミックス17の上に形成した。
上記の多孔質セラミックス17,19は、酸素の透過が
律速になることがないように十分な気孔を有するものと
した。
【0042】本センサにおいても実施例1と同様に、被
測定ガスの酸素濃度と一定の関係を有する限界電流が得
られた。
【0043】また、実施例1と同様に、酸素センサの出
力電流のばらつきを測定した結果を第4表に示した。第
4表より、本発明の酸素センサは、従来の小孔や多孔質
セラミックスを用いる酸素センサに比べてセンサ間の出
力電流のばらつきが小さく、再現性良く製造することが
可能である。
【0044】さらに、実施例1と同様に、目づまりに対
する耐久性を測定した結果を、第5表に示した。第5表
より、本発明の酸素センサは、従来の小孔や多孔質セラ
ミックスを用いる酸素センサのように目づまりによる出
力電流の低下もほとんど見られず、長期間にわたって安
定した出力を示すことがわかった。
【0045】実施例3 図8に示すような酸素センサ素子を作製した。本センサ
は、図5とほぼ同様の構造のセンサであるが、被検出ガ
スに直接さらされている導電体層12にほこりや塵、す
す等が体積するのを防止するために保護カバー23を設
けたものである。この保護カバー23は、導電体層12
に供給される酸素の透過を制限しないものが特に制限な
く使用される。一般には、SiO2 ・MgO,SiO2
・Al2 3 ,SiO2 ,ゼオライト等の多孔質セラミ
ックス、ステンレス等の金属のメッシュ、石綿等のセラ
ミックス綿等が好適に使用されるものである。
【0046】本センサにおいても実施例1と同様に、被
測定ガスの酸素濃度と一定の関係を有する限界電流が得
られた。
【0047】また、実施例1と同様に、酸素センサの出
力電流のばらつきを測定した結果を第4表に示した。第
4表より、本発明の酸素センサは、従来の小孔や多孔質
セラミックスを用いる酸素センサに比べてセンサ間の出
力電流のばらつきが小さく、再現性良く製造することが
可能である。
【0048】さらに、実施例1と同様に、目づまりに対
する耐久性を測定した結果を、第5表に示した。第5表
より、本発明の酸素センサは、従来の小孔や多孔質セラ
ミックスを用いる酸素センサのように目づまりによる出
力電流の低下もほとんど見られず、長期間にわたって安
定した出力を示すことがわかった。
【0049】実施例4 図9に示すような酸素センサ素子を作製した。本センサ
は、酸素イオン透過層8は実施例1で用いた焼結体と同
じ材料、製造方法で、その形状が縦約4mm、横約3mm、
厚さ約0.6mmの直方体のものを用いた。この酸素イオ
ン透過層8の界面に導電体層11,12を、他方の面に
導電体層10,18を形成し、導電体層10,18の側
に緻密質セラミックス21を接合しその上にヒーター1
3を形成した。
【0050】本センサにおいても実施例1と同様に、被
測定ガスの酸素濃度と一定の関係を有する限界電流が得
られた。
【0051】また、実施例1と同様に、酸素センサの出
力電流のばらつきを測定した結果を第4表に示した。第
4表より、本発明の酸素センサは、従来の小孔や多孔質
セラミックスを用いる酸素センサに比べてセンサ間の出
力電流のばらつきが小さく、再現性良く製造することが
可能である。
【0052】さらに、実施例1と同様に、目づまりに対
する耐久性を測定した結果を、第5表に示した。第5表
より、本発明の酸素センサは、従来の小孔や多孔質セラ
ミックスを用いる酸素センサのように目づまりによる出
力電流の低下もほとんど見られず、長期間にわたって安
定した出力を示すことがわかった。
【0053】実施例5 図10に示すような酸素センサ素子を作製した。本セン
サは、実施例4で用いた酸素イオン透過層と同様のもの
を2枚用い、その酸素イオン透過層8,9の片面にそれ
ぞれ導電体層12,11を形成した。酸素イオン透過層
8,9は導電体層11,12を形成した面を上にして一
方の側面をガラス7により接合する事により電気的に絶
縁し、導電体層11,12を形成していない側に図9に
おいては単独の導電体層として形成していた導電体層1
0,18を共通の導電体層として形成した。また、共通
の導電体層を10,18を形成した側には緻密質セラミ
ックス21を接合しその上にヒーター13を形成した。
【0054】本センサにおいても実施例1と同様に、被
測定ガスの酸素濃度と一定の関係を有する限界電流が得
られた。
【0055】また、実施例1と同様に、酸素センサの出
力電流のばらつきを測定した結果を第4表に示した。第
4表より、本発明の酸素センサは、従来の小孔や多孔質
セラミックスを用いる酸素センサに比べてセンサ間の出
力電流のばらつきが小さく、再現性良く製造することが
可能である。
【0056】さらに、実施例1と同様に、目づまりに対
する耐久性を測定した結果を、第5表に示した。第5表
より、本発明の酸素センサは、従来の小孔や多孔質セラ
ミックスを用いる酸素センサのように目づまりによる出
力電流の低下もほとんど見られず、長期間にわたって安
定した出力を示すことがわかった。
【0057】実施例6 図11に示すような酸素センサ素子を作製した。本セン
サは、筒状に作製したイオン透過層8の両面に導電体層
12,18を形成した酸素制御スクリーンの内側に、同
じ形状でイオン透過層8より小さく作製したイオン透過
層9の両面に電極11を形成した酸素センサ部を、ガラ
ス7により嵌合してなるものである。図9においては、
酸素制御スクリーンが外側で酸素センサ部が内側となっ
ているが、この構造が逆であった場合酸素制御スクリー
ンに接する側の酸素センサ部の電極を陰極、その逆を陽
極とすればなんら問題はない。
【0058】本センサにおいても実施例1と同様に、被
測定ガスの酸素濃度と一定の関係を有する限界電流が得
られた。
【0059】また、実施例1と同様に、酸素センサの出
力電流のばらつきを測定した結果を第4表に示した。第
4表より、本発明の酸素センサは、従来の小孔や多孔質
セラミックスを用いる酸素センサに比べてセンサ間の出
力電流のばらつきが小さく、再現性良く製造することが
可能である。
【0060】さらに、実施例1と同様に、目づまりに対
する耐久性を測定した結果を、第5表に示した。第5表
より、本発明の酸素センサは、従来の小孔や多孔質セラ
ミックスを用いる酸素センサのように目づまりによる出
力電流の低下もほとんど見られず、長期間にわたって安
定した出力を示すことがわかった。
【0061】実施例7 イオン透過層8,9には、酸素イオン伝導体である酸化
ジルコニウムに酸化イットリウムを7mol%固溶した
(ZrO2 0.93(Y2 3 0.07の焼結体を、電極1
0,11、導電体層12,18には白金を用い、ヒータ
ー13、ガラス7,14は実施例1と同様にして、図5
に示した構造の酸素センサ素子を作製した。
【0062】ヒーター13には直流電流電圧を印加し、
素子を500℃に加熱した。実施例1と同様に、電極1
0を陰極、電極11を陽極として直流電圧を印加し、そ
の際流れる電流を電流計6に測定した。
【0063】その結果、図12に示したものと同様に、
各酸素濃度において限界電流が得られた。
【0064】第2表は各酸素濃度で共通に限界電流の得
られる電圧1.3Vにおける限界電流値と酸素濃度の関
係を示したものである。図14は、第2表のデータを縦
軸に限界電流値(μA)、横軸に酸素濃度の関数−ln
(1−PO2/P)と酸素濃度(%)をとって示したもの
である。イオン透過層に(ZrO2 0.93(Y2 3
0.07を用いた本素子は(CeO2 0.7 (CaO)0.3
を用いた素子よりは素子温度が高温ではあるが、大きな
限界電流値を示し、図14のような検量線が得られた。
【0065】実施例8 電極10,11、導電体層12,18には、ペロブスカ
イト型酸化物であるLa0.6 Sr0.4 CoO3 と白金の
複合組成物を、イオン透過層8,9には(CeO2
0.7 (CaO)0.3 の焼結体を用い、ヒーター13、ガ
ラス7,14は実施例1と同様にして、図5に示した構
造の酸素センサを作製した。
【0066】電極10,11、導電体層12,18に用
いた複合組成物は、炭酸ランタン、炭酸ストロンチウ
ム、酢酸コバルトを所定のモル比で混合し、焼成、粉砕
して得られたペロブスカイト型酸化物La0.6 Sr0.4
CoO3 の粉末と、白金ペーストを重量比2:8で混合
しペースト化したものを、スクリーン印刷により形成し
たものである。
【0067】ヒーター13には直流電圧を印加し、素子
を400℃に加熱した。実施例1と同様に、電極10を
陰極、電極11を陽極として直流電圧を印加し、その際
流れる電流を電流計6で測定した。
【0068】その結果、図12に示したものと同様に、
各酸素濃度において限界電流が得られた。
【0069】第3表は各酸素濃度で共通に限界電流の得
られる電圧1.0Vにおける限界電流値と酸素濃度の関
係を示したものである。図15は、第3表のデータを縦
軸に限界電流値(μA)、横軸に酸素濃度の関数−ln
(1−PO2/P)と酸素濃度(%)をとって示したもの
である。電極に複合電極を用いた本素子は白金電極を用
いた素子よりも素子温度が低いにもかかわらず大きな限
界電流値を示し、さらに図15に示すような検量線が得
られた。
【0070】実施例9 図1に示した構造の水素センサを作製した。イオン伝導
体8,9にはプロトン導電体であるアンチモン(Sb2
5 ・nH2 O)にテフロン粉末を混合したものを用い
た。陽陰電極10,11、導電体層12,18には白金
ブラックを用い、プロトン導電体を直径5mmの円盤状に
成型する際に同時に形成した。イオン伝導体8,9は、
単位時間当りのイオン透過量に差を持たせるために、イ
オン伝導体8をイオン伝導体9に比べて厚みを厚くし
た。実施例1と同様にガラス7によりセンサ部とイオン
透過層とを接合し、その側面をガラス14により封止し
た。ガラス7,14は250℃で焼結することによりガ
スの透過のない緻密なものとなった。
【0071】本センサにおいても電極10を陽極、電極
11を陰極として直流電圧5を印加し、実施例1と同様
の方法で限界電流特性を測定した結果、被測定ガス中の
水素濃度と一定の関係を有する限界電流が得られた。そ
の際の水素濃度と限界電流値の関係を第6表に示した。
【0072】図16は、第6表を縦軸に限界電流(μ
A)、横軸下線に水素濃度の関数−ln (1−PO2
P)〔Pは被測定ガスの全圧、PO2は水素分圧を夫々表
す〕と同じく横軸上線に水素濃度(%)をとって示した
ものである。図16は、水素濃度が未知の被測定ガスの
水素濃度を測定する際の検量線として用いられる。つま
り上記水素センサの被測定ガス中での限界電流値を測定
することにより、水素濃度未知の被測定ガスの水素濃度
を測定することができる。
【0073】さらに、本センサは水素だけではなく、一
酸化炭素、エタノールなどの可燃性ガスに対しても感度
を有することがわかった。
【0074】実施例10 図6に示すような構造のフッ素ガスセンサを作製した。
イオン伝導体8,9にはフッ素イオン導電体であるCa
2 にNaFをドープしたものを用い、直径5mm、厚さ
0.4mmの円盤状に成型し、900℃で焼結した。イオ
ン伝導体8はイオン伝導体9に比べて単位時間当りのイ
オン透過量を少なくする必要があるため、NaFのドー
プ量を変化させることで輸率を変化させた。実際には、
イオン伝導体8はNaFを0.5%、イオン伝導体9は
NaFを1%ドープした。電極10,11、導電体層1
2,18には白金を用い、スクリーン印刷し、800℃
で焼付けを行うことによって形成した。センサ部とイオ
ン透過層はガラス7により接合し、その側面をガラス1
4で密封して、620℃で焼結することにより、ガスの
透過のない緻密なものとなった。
【0075】本センサはヒーター13に直流電圧16を
印加することによりセンサ素子を450℃に加熱した。
また、導電体層12でのイオン化を促進するために、検
出ガス制御スクリーンの両面に形成された導電体層1
2,18の間に直流電圧22で1Vを印加した。
【0076】本センサにおいても電極10を陰極、電極
11を陽極として直流電圧5を印加して、実施例1と同
様に限界電流特性を測定した。その結果、被測定ガス中
のフッ素濃度に依存した限界電流が得られた。その時の
フッ素ガス濃度と限界電流値の関係を第7表に示した。
【0077】図17は、第7表を縦軸に限界電流(μ
A)、横軸下線にフッ素濃度の関数−ln (1−PO2
P)〔Pは被測定ガスの全圧、PO2はフッ素分圧を夫々
表す〕と同じく横軸上線にフッ素濃度(%)をとって示
したものである。図17は、フッ素濃度が未知の被測定
ガスのフッ素濃度を測定する際の検量線として用いられ
る。つまり上記フッ素センサの被測定ガス中での限界電
流値を測定することにより、フッ素濃度未知の被測定ガ
スのフッ素濃度を測定することができる。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の限界電流式固体電解質ガスセンサの基
本構成を示す概念図
【図2】本発明のガスセンサの基本構成を示す概念図
【図3】従来の限界電流式固体電解質ガスセンサの概念
【図4】従来の限界電流式固体電解質ガスセンサの概念
【図5】本発明の限界電流式固体電解質ガスセンサの他
の態様を示す図
【図6】本発明の限界電流式固体電解質ガスセンサの他
の態様を示す図
【図7】本発明の限界電流式固体電解質ガスセンサの他
の態様を示す図
【図8】本発明の限界電流式固体電解質ガスセンサの他
の態様を示す図
【図9】本発明の限界電流式固体電解質ガスセンサの他
の態様を示す図
【図10】本発明の限界電流式固体電解質ガスセンサの
他の態様を示す図
【図11】本発明の限界電流式固体電解質ガスセンサの
他の態様を示す図
【図12】実施例1の酸素センサにおける被検体混合ガ
ス中の酸素濃度の異なる例に対する電圧と電流の関係を
示す図
【図13】実施例1における限界電流密度と酸素濃度と
の関係を表す図
【図14】実施例7における限界電流密度と酸素濃度と
の関係を表す図
【図15】実施例8における限界電流密度と酸素濃度と
の関係を表す図
【図16】実施例9における限界電流密度と酸素濃度と
の関係を表す図
【図17】実施例10における限界電流密度と酸素濃度
との関係を表す図
【符号の説明】
1 イオン透過層(固体電解質膜) 2 電極 3 電極 4 キャップ 5 電源 6 電流計 7 封止材 8 イオン透過層(固体電解質膜) 9 イオン透過層(固体電解質膜) 10 電極 11 電極 12 多孔性導電体 13 ヒーター 14 ケーシング 15 リード線 16 電源 17 絶縁性の多孔質体 18 多孔性導電体 19 スペーサー 20 多孔質セラミックス a キャピラリー b 間隙部 c 間隙部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定混合ガスに含まれる検出ガスのイ
    オン又は、検出ガスの電極反応により生成するイオンを
    選択的に透過し得る固体電解質膜の両面に多孔性導体が
    各々存在し、且つ両導体は検出ガスの酸化及び還元に要
    する電位を形成するように電気的に接続された構造より
    なる検出ガス制御スクリーンと、固体電解質ガスセンサ
    の検出部とを有し、前記検出ガス制御スクリーンが検出
    部のイオン化電極を覆うように構成されており、且つ検
    出ガス制御スクリーンの固体電解質膜の単位時間当りの
    イオン透過量は、作動条件下にあって、検出部のイオン
    透過量よりも小さくなるよう構成されていることを特徴
    とする固体電解質ガスセンサ。
  2. 【請求項2】 被測定混合ガスに含まれる検出ガスの電
    極反応により生成するイオンを選択的に透過し得る固体
    電解質膜の両面に多孔性導電体が各々存在し、且つ両導
    電体は検出ガスの酸化及び還元に要する電位を形成する
    ように電気的に接続された構造よりなる検出ガス制御ス
    クリーンを通して、検出ガスをセンサの検出部に供給
    し、当該供給された検出ガスの供給速度よりも速い汲出
    し速度を有する検出部を有する固体電解質ガスセンサに
    より、限界電流値を測定することを特徴とする被測定混
    合ガス中の検出ガス濃度の測定方法。
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