JPH05180275A - ロープ連結具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クレーンの巻上ロープの緊定および解除を容
易、かつ、安全に行えるロープ連結具を提供する。 【構成】 ロープソケット７の差し込み用くさび穴部
を、相対向する第一分割くさび穴部構成体７Ａと第二分
割くさび穴部構成体７Ｂとで形成し、両分割くさび穴部
構成体７Ａ、７Ｂに設けたフランジｆを、複数のボルト
９、ナット１１により互いに締結する。ロープソケット
７の差し込み用くさび穴に、巻上ロープ２を掛け回した
くさび片６を差し込み、くさび効果により巻上ロープ２
を緊定する。巻上ロープ２およびくさび片６を抜き出す
時には、ナット１０、ボルト９をゆるめることにより、
両分割くさび穴部構成体７Ａ、７Ｂ間に隙間を生じさ
せ、くさび効果をなくす。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、クレーンの巻上ロー
プ用に適するロープ連結具に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５はクレーンの一例を示し、クレーン
本体に設置された巻上ウインチ１から繰り出された巻上
ロープ２は、ブーム３の先端部に取付けらたシーブを経
てフック４のシーブ５に掛け回され、ロープ連結具６を
介してブーム３の先端下側部に連結されている。巻上ウ
インチ１の巻き取り、繰り出し動作により、フック４に
吊り下げた吊り荷を上下させる。

【０００３】つぎに、従来のロープ連結具を図６および
図７により説明する。巻上ロープ２の反巻上ウインチ側
の端末部はくさび片６の外周に掛け回され、くさび片６
とともにロープソケット７の差し込み用穴７ａにはめ込
まれている。差し込み用穴７ａにはくさび片６に対向す
る勾配面が形成されている。巻上ロープ２を矢印方向に
引くことにより、くさび片６とロープソケット７の勾配
面とによりくさび効果を発生させ、巻上ロープ６を緊定
する。すなわち、巻上ロープ２がくさび片６と差し込み
用穴７ａとの間に締め付けられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このようなロープ連結
具では、巻上ロープ２、くさび片６がロープソケット７
の差し込み用穴７ａにきつくはまり込み、巻上ロープ２
をはずす時、なかなかはずれない問題点がある。そのた
め、一般に、ロープソケット７の連結ピン側を地面等の
固い部分に置き、他の作業員がロープソケット７を押え
て固定し、矢印とは逆方向に大ハンマで叩いてくさび片
６を抜き出す手段がとられている。この際、くさび片６
を直接大ハンマで叩けないので、丸棒等を介して叩くし
かなく、丸棒等が飛んだり、急にくさび片６がはずれた
りし、危険であるばかりでなく、面倒な作業となる。

【０００５】この発明は、これにかんがみてなされたも
ので、大ハンマで叩かず、一人の作業員でロープソケッ
トからくさび片および巻上ロープの掛け回し部分を安全
に抜き出すことができるロープ連結具を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明は、ロープソケットの差し込み用くさび穴
部を、相対向する第一分割くさび穴部構成体と第二分割
くさび穴部構成体とで形成し、両分割くさび穴部構成体
に設けた結合フランジを、固定具により互いに締結し、
差し込み用くさび穴部の穴に、ロープを掛け回したくさ
び片を差し込むように構成したことを特徴とする。

【０００７】

【作用】ロープを緊定する場合は、第一分割くさび穴部
構成体と第二分割くさび穴部構成体とを固定具により締
結し、差し込み用くさび穴に、ロープを掛け回したくさ
び片を差し込み、ロープを引張って緊定する。ロープお
よびくさび片を抜き出す場合は、固定具をゆるめ、両分
割くさび穴部構成体の間に隙間を発生させて、くさび効
果をなくす。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図１ないし図４
により説明する。図１および図２はロープの緊定状態、
図３および図４はロープの緊定を解いた状態を示す。

【０００９】ロープソケット７の差し込み用くさび穴部
は、相対向する第一分割くさび穴部構成体７Ａと第二分
割くさび穴部構成体７Ｂとで形成されており、両分割く
さび穴部構成体７Ａ、７Ｂに設けたフランジｆは、複数
のボルト９、ばね座１０、ナット１１により締結されて
いる。ロープソケット７の差し込み用くさび穴には、巻
上ロープ２を掛け回したくさび片６が差し込まれ、くさ
び効果により巻上ロープ２が緊定されている。この状態
で、巻上ロープ２がロープソケット７から抜け出すこと
なく、安全にクレーン作業を行うことができる。

【００１０】巻上ロープ２およびくさび片６を抜き出す
時には、ナット１０、ボルト９をゆるめることにより、
図３に示すように両分割くさび穴部構成体７Ａ、７Ｂ間
に隙間Ｇを生じさせる。これにより、それまで両分割く
さび穴部構成体７Ａ、７Ｂ、くさび片６、巻上ロープ２
の間に生じていたくさび効果がなくなり、巻上ロープ２
およびくさび片６を容易に抜き出すことができる。

【００１１】

【発明の効果】以上説明したこの発明によれば、従来の
ロープ連結具と同様な組付け作業により、ロープをロー
プソケットにくさび効果により緊定することができ、ま
た、固定具をゆるめることによりくさび効果をなくし、
ロープおよびくさび片を安全、かつ、容易にロープソケ
ットから抜き出すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例のロープ緊定状態を示す側
面図、

【図２】図１のＡ−Ａ線から見た平面図、

【図３】この発明の一実施例のロープの緊定を解いた状
態を示す側面図、

【図４】図３の図２相当の平面図、

【図５】従来のロープ連結具を介して巻上ロープをブー
ムの先端下側部に連結したクレーンの一例を示す側面
図、

【図６】従来のロープ連結具を示す断面側面図、

【図７】図６のＢ−Ｂ線で切断した断面図である。

【符号の説明】

２ 巻上ロープ ６ くさび片 ７ ロープソケット ７Ａ 第一分割くさび穴部構成体 ７Ｂ 第二分割くさび穴部構成体 ｆ フランジ ９ ボルト １１ ナット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロープソケットの差し込み用くさび穴部
   を、相対向する第一分割くさび穴部構成体と第二分割く
   さび穴部構成体とで形成し、両分割くさび穴部構成体に
   設けた結合フランジを、固定具により互いに締結し、差
   し込み用くさび穴部の穴に、ロープを掛け回したくさび
   片を差し込むように構成したことを特徴とするロープ連
   結具。