JPH05179576A - インクジェット捺染方法 - Google Patents
インクジェット捺染方法Info
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- JPH05179576A JPH05179576A JP3346071A JP34607191A JPH05179576A JP H05179576 A JPH05179576 A JP H05179576A JP 3346071 A JP3346071 A JP 3346071A JP 34607191 A JP34607191 A JP 34607191A JP H05179576 A JPH05179576 A JP H05179576A
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Abstract
染色物を得る。 【構成】 異なる色の染料を含有する捺染インク小滴を
布帛に順次着滴させて、少なくとも2色以上のインクに
よる混色部を布帛に形成し、次いで熱処理することによ
り染料を布帛に染着させ、その後染着させた布帛を洗浄
することにより未染着の染料を布帛から除去するインク
ジェット捺染方法において、混色部の各染料の付着量の
合計を0.025〜1mg/cm2とするとともに、混
色部における捺染インク小滴の着滴順序を、等量の単一
色のインク滴を用いて上記着滴、染着及び除去の各工程
を行った場合の布帛の単一色による染着部の明度の低い
順序とする。
Description
布帛に染色、捺染を行う方法に関する。
ローラー捺染である。これらの方式はは、多品種少量生
産に不向きであり、流行への迅速な対応も困難であるこ
とから最近では、無製版の電子捺染システムの確立が要
望されている。
る捺染方法が数多く提案されており各方面からの期待も
大きくなっている。
(1)発色に十分な濃度を与えること、(2)染料の布
帛に対する染着率が高く、洗浄工程後の廃水処理が容易
であること、(3)布帛上で異色間の混色による不規則
なにじみが目立たないこと、(4)色再現の範囲が広い
こと、(5)工程がより簡易であること、等が挙げられ
る。
おいては、主としてインクに様々な添加剤を加えたり、
インクの打込量を操作したり、布帛に前もって処理を施
す等の対応を行ってきたが、これらの方法だけでは
(3)や(4)の問題を解決することは不可能であっ
た。
法としては、例えば、特開昭62−161541のよう
にインクの打ち込み順序を特定の明度の順に操作する方
法が挙げられるが、布の場合、インクの持つ初期明度に
基ずく打ち込み順序を操作する方法では染料の染着率の
差や染着後の明度の変化のため(3)を解決することは
不可能である。
帛に染着していない染料を除去する洗浄工程があり、従
来の洗浄工程を行わない一般の紙等への記録の場合とは
異なる取り扱いをする必要がある。
ある程度満足させる手段は見いだせても、これらの性能
を同時に満足させ、係る一連の問題点を解決する最高級
の画像を得ることが可能となるインクジェット捺染方法
は今までのところ知られていないのが現状である。
は、上述のごとき従来の一般的なインクジェット捺染の
問題、すなわち鮮明でかつ高濃度、高精彩の染色物を得
るという問題を満足する捺染方法を提供することにあ
る。
ー捺染等の糊剤を用いる方法では染料の染着率が低いた
めに、染料を大量に使用し、その結果、洗浄工程におけ
る染料の流出が環境汚染の原因になる問題を解決するた
めに、染着率の高い捺染方法を提供することにある。
よって達成される。
ット捺染方法において、前述の如き種々の要求性能を同
時に満足させるべく検討を行った結果、布帛の単位面積
に対する染料の付与量を制御し、かつインクを打ち込む
際の順番を、各インクを単独で等量打ち込んだ場合の染
着及び洗浄工程後の画像の明度が低い順にすることによ
って、布帛の厚さや布帛を構成している繊維の構造(繊
維長、太さ、平均より数等)の多少の違いにかかわら
ず、均染性、染着率が改善でき、特に異色間の混色部に
おける滲み等の発色特性が格段に改善できることを知見
した。これは、布帛上に付与されたドットまたはドット
にて構成された画像は、明度の低い、すなわちブラック
の様に布帛とのコントラストが高く人間の視覚感度の高
い色を中心に、明度の高い、すなわちイエローの様に布
帛とのコントラストが低く視覚感度の低い色で縁どりさ
れた構造となるため、明度の高い色が肉太りになっても
人間の目にはほとんど感じられないことによる。インク
ジェット捺染においては、紙に印字するような場合と違
って付与された染料の染着を行わなければならず、この
染着工程において染料の染着率の差による発色の差が生
じるため、インクの打ち込み順序は発色後の明度の順で
なければならない。また、染着工程において滲み等が発
生することによって画像の悪化が懸念されるが、上記の
様に染料の打込量を制御することによって滲み等の画像
の悪化をほとんど感じられないものにできる。
明は、(a)異なる色の染料を含有する捺染インク小滴
を布帛に順次着滴させて、少なくとも2色以上のインク
による混色部を布帛に形成する工程、(b)前記混色部
を形成した布帛を熱処理することにより染料を布帛に染
着させる工程、(c)染着させた布帛を洗浄することに
より未染着の染料を布帛から除去する工程、上記3工程
(a),(b),(c)を少なくとも有するインクジェ
ット捺染方法において、混色部の各染料の付着量の合計
を0.025〜1mg/cm2 とするとともに、混色部
における捺染インク小滴の着滴順序を、等量の単一色の
インク滴を用いて上記着滴、染着及び除去の各工程を行
った場合の布帛の単一色による染着部の明度の低い順序
とするものであり、更に捺染インクを少なくとも4色以
上とすることを含むものである。
成する素材としては、綿、絹、ナイロン、ポリエステル
等の天然繊維、合成繊維等が挙げられるが、中でも綿、
絹等の天然繊維が好ましい。上記繊維は織物、編物、不
織布等いずれの形態でも使用できる。繊維の物理特性と
しては、一般的に布帛を構成する糸や繊維の長さが長
く、太さが細く、かつより数が多いものほど良い。
の場合は、平均繊維長が25〜50mm、平均繊維太さ
が0.6〜2.2d、平均より数が70〜150/cm
の繊維から構成される布帛が、絹繊維を主体として含有
する布帛の場合は、平均糸太さ14〜147d、平均繊
維太さ2.5〜3.5dである布帛が好適である。
の公定水分率よりやや高めのものが好ましい。水分率と
しては、公定水分率よりも5〜100%増のものが好ま
しい。
素、水、有機溶剤、添加剤等からなり、これらの発色後
の明度の異なるインクを本発明においては適宜用いる。
して染色可能であれば良い。酸性染料、直接染料、カチ
オン染料、反応染料、分散染料、建染染料等を用いるこ
とができる。これらの染料は、インク中に1種以上含有
され、色相の異なったものと併用することも可能であ
り、その使用量としては、一般的にはインク全量に対し
て合計で2〜30重量%、好ましくは3〜25重量%、
より好ましくは4〜20重量%の範囲である。
は、インク全量に対して10〜93重量%、好ましくは
25〜87重量%、より好ましくは30〜80重量%の
範囲である。
ジアセトンアルコールなどのケトン又はケトアルコール
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプ
ロピレン付加重合体;エチレングリコール、プロピレン
グリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコ
ール、ヘキシレングリコール等のアルキレン基が2乃至
6個の炭素原子を含むアルキレングリコ−ル類;1,
2,6−ヘキサントリオール等のトリオール類;チオジ
グリコール;グリセリン;エチレングリコールモノメチ
ル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノ
メチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコー
ルモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコー
ルの低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコール
ジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリ
コールジメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコ
ールの低級ジアルキルエーテル類;スルホラン、N−メ
チル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン等が挙げられる。
の全重量に対して重量%で3〜60%、好ましくは5〜
50%の範囲である。
混合物としても使用できるが、もっとも好ましい液媒体
組成は、該溶剤が少なくとも1種の多価アルコールを含
有するものである。中でも、チオジグリコール単独もし
くはジエチレングリコール、チオジグリコール混合系は
特に良好なものである。
〜0.15重量%の塩素イオン及び/又は硫酸イオンを
含有させることによって、均染性、染着率等の発色特性
がさらに改善でき、好ましいものである。
あるが、その他各種の分散剤、界面活性剤、粘度調整
剤、表面張力調整剤、蛍光増白剤等を必要に応じて添加
することができる。
ス類、水溶性樹脂等の粘度調整剤;カチオンあるいはノ
ニオン形の各種界面活性剤;ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等の表面張力調整剤;緩衝液によるp
H調整剤、防カビ剤等を挙げることができる。
ット記録方式としては、バブルジェット等公知のものが
使用できる。
インクの小滴をインクジェット法で順次着滴させて、少
なくとも2色以上のインクによる混色部を形成するもの
である。この場合、混色部の各染料の付着量の合計は、
0.025〜1mg/cm2、好ましくは0.04〜
0.7mg/cm2 、より好ましくは0.05〜0.5
mg/cm2 とするものである。この値は、インクの吐
出量とインク中の染料濃度を実測することにより求める
ことができる。染料の付着量が0.025mg/cm2
未満では、高濃度の発色が難しく、にじみ等も目立ちに
くいので本発明の効果が明確にならない。1mg/cm
2 を超える場合は、染着率向上の顕著な効果が認められ
ない。
ることが必要である。すなわち、等量の単一色のインク
滴を布帛に着滴させ、熱処理、洗浄工程を行った後、各
インク滴の染着部の明度の低いインクの順序とするもの
で、これにより鮮明でかつ混色部での不規則なにじみが
目立たず、色再現の範囲が広い良好なインクジェット捺
染ができるものである。
えばよいが、本発明者らは、高速分光光度計 CA−3
5(村上色彩技術研究所製)により測色し、最終染着部
の画像をCIE1976(L* ,a* ,b* )空間にお
いて定義される知覚色度指数で表現した際のL* 値を明
度値とした。
は、次いで熱処理を行い、染料を布帛に染着する。熱処
理方法としては、従来公知の方法で良く、例えば、スチ
ーミング法、HTスチーミング法、サーモフィクッス
法、また定着にアルカリ剤を必要とするときにあらかじ
めアルカリ処理した布帛を用いない場合は、アルカリパ
ッドスチーム法、アルカリブロッチスチーム法、アルカ
リショック法等が挙げられる。
た布帛を洗浄し、未染着の染料を従来公知の方法にて除
去する。
に具体的に説明する。なお、文中、部、及び%とあるの
は重量基準である。 I.インク調整 各4色の反応染料インク及び酸性染料インクを調製し
た。 1.反応染料インク 反応染料 4〜20部 チオジグリコール 24部 ジエチレングリコール 11部 塩化カリウム 0.004部 硫酸ナトリウム 0.002部 メタケイ酸ナトリウム 0.001部 塩化鉄 0.0005部 水 45〜61部 用いた反応染料は次の通りである。 ・イエローインク C.I.リアクティブ イエロー 95 ・マゼンタインク C.I.リアクティブ レッド 226 ・シアンインク C.I.リアクティブ ブルー 15 ・ブラックインク C.I.リアクティブ ブラック 39 それぞれ、上記成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウ
ムにてpH8.4に調整し、2時間攪拌した後、フロロポ
アフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にて
濾過し水性インクを得た。 2.酸性染料インク 酸性染料 4〜20部 チオジグリコール 23部 トリエチレングリコールモノメチルエーテル 6部 塩化カリウム 0.05部 メタケイ酸ナトリウム 0.001部 塩化鉄 0.0005部 塩化亜鉛 0.0003部 水 51〜67部 用いた染料は次ぎの通りである。 ・イエローインク C.I.アシッド イエロー 110 ・マゼンタインク C.I.アシッド レッド 266 ・シアンインク C.I.アシッド ブルー 90 ・ブラックインク C.I.アシッド ブラック 26 それぞれ、上記成分を混合し、混合液を酢酸にてpH4.
8に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフィルター
FP−100(商品名、住友電工製)にて濾過し、水性
インクを得た。 II.インクジェット染色装置 カラーバブルジェットコピアPIXEL PRO(商品
名、キヤノン製)を、吐出液適量が増減できる様に改造
して用いた。
(400ドット/インチ×400ドット/インチ) III.布帛 下記の織物2種を用い、水添加後絞り率を変えて水分率
を調整した。
記した様に染料付着量、布帛の水分率、及びインクの打
ち込み順序を変えて、上記インクジェット装置でプリン
トした。染料付着量は、それぞれのインク中の染料濃度
を4〜20重量%の範囲で変え、更にインクジェット装
置の駆動条件(ヘッド電圧,温度、駆動パルス幅,周波
数)を操作して吐出液滴量を20〜50pl内で変更
し、必要に応じて多重打ちを行うなどして調整した。布
帛の水分率は、布帛に水を添加した後、絞り率を変える
ことによって調整した。プリント物は、その後、100
℃で5分間アルカリ雰囲気下でスチーミングを行い、洗
浄乾燥した。得られた捺染物の、鮮明性、滲み性を評価
し、単色ベタ部の光学濃度(OD)の平均値を測定して
染着率の判定基準とした。その結果は、染料付着量が合
計で0.025〜1mg/cm2 で、かつ布帛の水分率
が公定水分率の5〜100%増しの時、鮮明性及び滲み
性が良好であった。染着率は、OD値の相対評価によっ
て判定したところ、布帛の公定水分率が5〜100%増
しのときが良く、染料付着量を1mg/cm2 より多く
したは場合は低下することがわかる。さらに、染着後の
明度の低い順にインクを打ち込んだ場合は、混色部の滲
み性が格段に良好で非常に鮮明な画像が得られた。
の染料濃度×多重打ち回数 *2 水分率は次式より計算した 水分率(%)=(W−W’)/W’×100 W=含水した布帛の重量、W’=絶乾の布帛重量 *3 使用した各染料を単一で等重量等面積に付着した
場合の染着後の明度の順番は、ブラック<マゼンタ<シ
アン<イエローであった。
タ,3シアン,4イエロー B=1ブラック,2イエロー,3シアン,4マゼンタ C=1イエロー,2シアン,3マゼンタ,4ブラック *4 肉眼で観察した時の図柄のシャープさで判定し
た。
1と同様に表2に記した様に染料付着量、布帛の水分率
及びインクの打ち込み順序を変えて上記インクジェット
装置でプリントした。その後、100℃で30分間スチ
ーミングを行い、洗浄乾燥した。得られた捺染物の、鮮
明性、滲み性を評価し、光学濃度(OD)の平均値を測
定して染着率の判定基準とした。その結果、実験例1と
ほぼ同様の結果が得られた。
の染料濃度×多重打ち回数 *2 水分率は次式より計算した 水分率(%)=(W−W’)/W’×100 W=含水した布帛の重量、W’=絶乾の布帛重量 *3 使用した各染料を単一で等重量、等面積に付着し
た場合の染着後の明度の順番は、ブラック<マゼンタ<
シアン<イエローであった。
タ,3シアン,4イエロー B=1ブラック,2イエロー,3シアン,4マゼンタ C=1イエロー,2シアン,3マゼンタ,4ブラック *4 肉眼で観察した時の図柄のシャープさで判定し
た。
ェット捺染方法によれば、滲みがなく鮮明で且つ高濃
度、高精細の染色物を得ることが可能となる。
において、染着率の格段の向上が可能となり、廃水によ
る環境汚染の問題にも対応できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 (a)異なる色の染料を含有する捺染イ
ンク小滴を布帛に順次着滴させて、少なくとも2色以上
のインクによる混色部を布帛に形成する工程 (b)前記混色部を形成した布帛を熱処理することによ
り染料を布帛に染着させる工程 (c)染着させた布帛を洗浄することにより未染着の染
料を布帛から除去する工程 上記3工程(a),(b),(c)を少なくとも有する
インクジェット捺染方法において、混色部の各染料の付
着量の合計を0.025〜1mg /cm2 とするとと
もに、混色部における捺染インク小滴の着滴順序を、等
量の単一色のインク滴を用いて上記着滴、染着及び除去
の各工程を行った場合の布帛の単一色による染着部の明
度の低い順序とすることを特徴とするインクジェット捺
染方法。 - 【請求項2】 捺染インクが少なくとも4色以上である
請求項1記載の捺染方法。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0754282A (ja) * | 1993-08-19 | 1995-02-28 | Kanebo Ltd | 布帛の捺染方法 |
JPH08226083A (ja) * | 1995-02-22 | 1996-09-03 | Toray Ind Inc | 染色布帛およびインクジェット染色方法 |
JP2001172886A (ja) * | 1999-10-01 | 2001-06-26 | Canon Inc | 捺染方法、該方法により得られる捺染物及び加工品 |
US6705717B1 (en) | 1993-09-30 | 2004-03-16 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink-jet printer and printing system capable of printing on clothes and papers, ink to be used in the system and production method for producing article with employing the system |
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-
1991
- 1991-12-27 JP JP3346071A patent/JP3004791B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP3004791B2 (ja) | 2000-01-31 |
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