JPH05179416A - プラズマ溶射による膜の形成方法 - Google Patents

プラズマ溶射による膜の形成方法

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JPH05179416A
JPH05179416A JP3359753A JP35975391A JPH05179416A JP H05179416 A JPH05179416 A JP H05179416A JP 3359753 A JP3359753 A JP 3359753A JP 35975391 A JP35975391 A JP 35975391A JP H05179416 A JPH05179416 A JP H05179416A
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JP
Japan
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film
sprayed
forming
low density
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JP3359753A
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English (en)
Inventor
Mikio Deguchi
幹雄 出口
Satoru Hamamoto
哲 濱本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラズマ溶射により、自立した溶射膜を容易
に低コストで生産性良く製造するための方法を得る。 【構成】 母材1表面に、低密度層3を形成し、低密度
層3上にこれより密度の高い溶射膜2を形成し、その
後、溶射膜2を母材1から分離する。あるいは、母材1
上に、低密度層3とこれより密度の高い溶射膜2をこの
順にそれぞれ複数回積層し、各溶射膜2を前記母材1か
ら分離し、さらに各溶射膜2同士を分離し、複数枚の溶
射膜2を得る。 【効果】 容易に溶射膜を母材から分離でき、自立した
溶射膜の製造歩留りを向上でき、生産性を改善できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プラズマ溶射による
膜の形成方法に関し、特に自立した溶射膜の形成方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来におけるプラズマ溶射膜の一
例の構造を示す断面概念図である。図において、1は溶
射に用いる母材、2は溶射膜である。
【0003】プラズマ溶射においては、放電により生成
される高温のプラズマジェット中に導入された原料粉末
がプラズマの熱エネルギーによって瞬間的に溶融され、
プラズマジェットの流れに乗って母材表面に叩きつけら
れ、母材に熱を奪われて急速に固化し、母材表面に膜と
なって堆積する。
【0004】溶射膜2と母材1との結合は、通常、物理
的機械的な結合力によるものであって、母材1の構成物
質と溶射材料との化学結合によるものではないので、一
般に、母材1と溶射膜2の材料そのもの同士の付着力は
強くはない。すなわち、母材表面が全く凹凸のない完全
な鏡面の場合には、溶射された材料は膜として堆積せ
ず、粉末の状態のまま容易に母材表面から剥離してしま
う。従って、母材表面にプラズマ溶射によって膜状に堆
積させるために、溶射の前に予め母材表面にブラスト処
理を施す等の手段により凹凸を設けることが一般的に行
われている。母材1が元々凹凸のあるザラザラとした表
面の場合は、そのままでもその上に溶射が可能である。
母材表面の凹凸による、母材1と溶射膜2の噛み合わせ
により、溶射膜2は母材1とお互いに結合することにな
る。
【0005】以上のように、溶射膜2と母材1との結合
は、両者の噛み合いによる機械的な結合であるので、同
じ母材表面に対しては、溶射膜2が緻密で膜そのものの
機械的強度が強いほど、母材1への付着力が強くなる。
このことはすなわち、緻密な溶射膜2を得ようとする
と、必然的に溶射膜2と母材1との付着が強固となるこ
とを意味している。
【0006】溶射膜2を母材1に付着させたままの状態
で、これを母材1のコーティング膜として用いる場合に
は、溶射膜2と母材1の付着が強固であることは、コー
ティング膜としての信頼性という観点からして望ましい
ことである。しかしながら、用途によっては、溶射膜2
を母材1から分離して、自立した膜として用いる場合が
ある。この場合、溶射膜2が緻密になればなるほど、母
材1との付着が強固になるので、溶射膜2を母材1から
機械的に分離することは困難になる。そのため、母材1
に溶射膜2を溶射した後、母材1のみを溶解するような
溶剤で母材を溶かし去って溶射膜2のみを残すという方
法が行われている。
【0007】しかし、この方法では溶かし去った母材1
は再生することができないので、製造コストが高くつ
き、また、溶解には長い時間を要するので、生産性を高
めることができない、等という問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のプラズマ溶射法
は、以上のようになされているので、自立した溶射膜を
得ることが困難で、コストが高くつき、生産性を高める
ことが難しいという問題点があった。
【0009】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、容易に、かつ低コストで生産性
良く、自立した溶射膜を製造することのできるプラズマ
溶射による膜の形成方法を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるプラズ
マ溶射による膜の形成方法は、母材表面に、低密度層を
形成し、前記低密度層上に所望の密度の溶射膜を形成
し、その後、前記溶射膜を前記母材から分離するように
したものである。
【0011】またこの発明にかかるプラズマ溶射による
膜の形成方法は、母材上に、低密度層と溶射膜をこの順
にそれぞれ複数回積層し、各溶射膜を前記母材から分離
し、さらに各溶射膜同士を分離し、複数枚の溶射膜を得
るようにしたものである。
【0012】
【作用】この発明のプラズマ溶射による膜の形成方法に
おいては、母材表面に、低密度層を形成し、前記低密度
層上に所望の密度の溶射膜を形成し、その後、前記溶射
膜を前記母材から分離するようにしたので、溶射膜を母
材から容易に分離することができる。
【0013】またこの発明のプラズマ溶射による膜の形
成方法においては、母材上に、低密度層と溶射膜をこの
順にそれぞれ複数回積層し、各溶射膜を前記母材から分
離し、さらに各溶射膜同士を分離し、複数枚の溶射膜を
得るようにしたので、溶射膜を母材から容易に分離する
ことができ、かつ1つの母材から、多数枚の溶射膜を一
度に得ることができる。
【0014】
【実施例】図1はこの発明の一実施例によるプラズマ溶
射による膜の形成方法を示す試料断面構造模式図であ
る。図において、1は溶射に用いる母材、2はプラズマ
溶射により堆積した溶射膜、3は低密度層である。
【0015】母材1の表面は、凹凸になるように処理
し、溶射膜の形成が可能な表面状態にしておく。母材1
表面にまず低密度層3を溶射し、その上にさらに上記低
密度層3より密度の高い所定の密度の溶射膜2を溶射す
る。低密度層3は、溶射膜2と同じ材質であってもよい
し、異なる材質のものでもよい。同一の材質で低密度層
3を溶射するためには、溶射時にプラズマに投入する放
電エネルギーを、溶射膜2を溶射する場合よりも小さく
すればよい。低密度層3は緻密さが低いため、これと母
材1との付着力は、溶射膜2が直接母材1に付着してい
る場合に比べて小さいので、母材1を溶かし去る必要な
く、低密度層3を破壊することにより、容易に機械的に
溶射膜2を母材1から分離することができる。
【0016】また、溶剤により母材1を溶解して溶射膜
2を分離する方法を用いる場合においても、低密度層3
は多孔質となっているので、溶剤は低密度層3内に浸透
し、浸透した溶剤によって、低密度層3に接している母
材1の表面が溶解され、母材1全体が溶解する以前に、
低密度層3及び溶射膜2の分離が行われるため、母材1
の全体を溶かし去ってしまう必要はなくなる。
【0017】なお、上記実施例においては、母材を溶解
する溶剤を使用した場合を示したが、低密度層を溶解す
る溶剤を浸透させ、低密度層を溶解することにより母材
と溶射膜を分離してもよい。この場合、低密度層と溶射
膜が同じ組成である時には、低密度層が多孔質であるた
め浸透する速度が違うので、これを利用することができ
る。
【0018】このように本実施例では、母材と溶射膜と
の間に低密度層を設けたので、溶射膜を母材から容易に
分離することができる。
【0019】図2は本発明の第2の実施例によるプラズ
マ溶射による膜の形成方法を示す試料断面構造模式図で
ある。図において、1は溶射に用いる母材、2はプラズ
マ溶射により堆積した溶射膜、3は低密度層である。上
記第1の実施例では、母材1上に低密度層3と溶射膜2
とをそれぞれ1層ずつ設けているのに対し、第2の実施
例では、低密度層3と溶射膜2とを繰り返し積み重ねて
形成している。溶射膜2と低密度層3とを同じ材質のも
ので構成する場合には、溶射時のプラズマに投入する放
電エネルギーに時間的に強弱を繰り返すことにより、こ
のような構成を実現することができる。この構造におい
て、低密度層3の部分を破壊することにより、それぞれ
の溶射膜2をお互いに分離し、1つの母材1から、多数
枚の溶射膜2を一度に得ることができる。
【0020】また、上記溶射膜の分離を行う工程は、低
密度層を溶解する溶剤を浸透させて行ってもよく、同様
の効果が得られる。
【0021】なお、上記第1、第2の実施例において、
母材1,溶射膜2,低密度層3それぞれの材質は何であ
ってもよく、上記と同様の効果を奏する。
【0022】
【発明の効果】以上のように、この発明に係るプラズマ
溶射による膜の形成方法においては、母材表面に、低密
度層を形成し、前記低密度層上にこれより高い所定の密
度の溶射膜を形成し、その後、前記溶射膜を前記母材か
ら分離するようにしたので、溶射膜を母材から容易にか
つ短時間に分離することができ、生産性が改善される効
果がある。
【0023】またこの発明によるプラズマ溶射の方法に
おいては、母材上に、低密度層と溶射膜をこの順にそれ
ぞれ複数回積層し、各溶射膜を前記母材から分離し、さ
らに各溶射膜同士を分離し、複数枚の溶射膜を得るよう
にしたので、溶射膜を母材から容易に分離することがで
き、かつ1つの母材から、多数枚の溶射膜を一度に得る
ことができ、生産性が改善される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例によるプラズマ溶射に
よる膜の形成方法を示す図である。
【図2】この発明の第2の実施例によるプラズマ溶射に
よる膜の形成方法を示す図である。
【図3】従来のプラズマ溶射の方法の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】 1 母材 2 溶射膜 3 低密度層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電により生成される高温のプラズマジ
    ェットを用いて原料粉末を溶融し、母材上に膜堆積を行
    うプラズマ溶射による膜の形成方法において、 前記母材表面に、低密度の溶射層を形成する工程と、 前記低密度層上にこれより密度の高い所定密度の溶射膜
    を形成する工程と、 溶射後に前記溶射膜を前記母材から分離する工程とを含
    むことを特徴とするプラズマ溶射による膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記溶射膜を前記母材から分離する工程
    は、前記低密度層を機械的に破壊しながら分離を行う工
    程であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ溶射
    による膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記溶射膜を前記母材から分離する工程
    は、前記低密度層に前記低密度層あるいは前記母材を溶
    解する溶剤を浸透させて分離を行う工程であることを特
    徴とする請求項1記載のプラズマ溶射による膜の形成方
    法。
  4. 【請求項4】 放電により生成される高温のプラズマジ
    ェットを用いて原料粉末を溶融し、母材上に膜堆積を行
    うプラズマ溶射による膜の形成方法において、 前記母材上に、低密度の溶射層とこれより密度の高い所
    定密度の溶射膜をこの順にそれぞれ複数回積層する工程
    と、 各溶射膜を前記母材から分離し、さらに各溶射膜同士を
    分離し、複数枚の溶射膜を得る工程とを含むことを特徴
    とするプラズマ溶射による膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記各溶射膜を前記母材から分離し、さ
    らに各溶射膜同士を分離する工程は、前記低密度層を機
    械的に破壊しながら分離を行う工程であることを特徴と
    する請求項4記載のプラズマ溶射による膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記各溶射膜を前記母材から分離し、さ
    らに各溶射膜同士を分離する工程は、前記低密度層を溶
    解する溶剤を浸透させて分離を行う工程であることを特
    徴とする請求項4記載のプラズマ溶射による膜の形成方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006521666A (ja) * 2003-03-07 2006-09-21 フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 金属製担体およびアノード官能性層を含む層系の製造方法
JP2016533883A (ja) * 2013-08-16 2016-11-04 シンポアー インコーポレイテッド ナノ多孔性窒化ケイ素膜ならびにそのような膜の製造方法および使用方法

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