JPH05179305A - Fe系合金部材の製造方法 - Google Patents

Fe系合金部材の製造方法

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JPH05179305A
JPH05179305A JP22914291A JP22914291A JPH05179305A JP H05179305 A JPH05179305 A JP H05179305A JP 22914291 A JP22914291 A JP 22914291A JP 22914291 A JP22914291 A JP 22914291A JP H05179305 A JPH05179305 A JP H05179305A
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die
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compact
based alloy
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JP22914291A
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English (en)
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Shinichiro Kakehashi
伸一郎 梯
Toshiro Kimura
敏郎 木村
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B11/00Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses
    • B30B11/02Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses using a ram exerting pressure on the material in a moulding space
    • B30B11/027Particular press methods or systems

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Fe系合金を主組成物とする材料を成形する
場合に、粒界結合の形成を容易化することにより、必要
な加圧力の低減、材料の加熱温度の低下、加圧保持時間
の削減を図り、生産性を高める。 【構成】 Fe系合金を主組成物とする材料の粉末Pを
ダイ1の内部に充填し、上パンチ3および下パンチ2に
より材料を密度比85〜98%まで加圧成形したうえ、
ダイ1の内部に余剰空間を画成し、さらにこの余剰空間
内への材料流れSを生じさせつつ材料を密度比98〜1
00%まで連続的に圧縮することにより、成形品を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はFe系合金部材の粉末鍛
造方法に係わり、特に、従来法よりも成形条件を緩和で
きる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、C,Cu,Ni,Cr,Mo,
W,V等を含有するFe系合金からなる成形体を粉末か
ら製造する場合には、従来、焼結あるいは焼結鍛造等の
製造方法が一般的に採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記焼結ま
たは焼結鍛造では、Fe系合金粒子同士の接合のため
に、長時間の加熱保持,相当に高い温度,および高い圧
力を必要とし、製造コストがかかるうえ、プレス設備に
要求される能力が高く、生産性が低いという問題を有し
ていた。
【0004】例えば、この種の合金を焼結により成形す
る場合、予め5〜6ton/cm2の圧力で冷間加圧成
形されたグリーン成形体を、1100〜1150℃,H
2またはNH3分解ガスなどの還元雰囲気で、0.5〜1
h加熱保持して製造されている。
【0005】特に、強度,寸法精度を要求される部品に
ついては、上記加熱保持を950〜1100℃で行い、
第1次焼結して第1次焼結体を得た後、この第1次焼結
体を1100℃に加熱して6〜8ton/cm2の衝撃
圧力でコイニングまたはフォージングを行い、密度比9
7〜100%に高め、必要であればさらに1100〜1
150℃で第2次焼結を行うことにより製造されてい
る。
【0006】そのうえ、上記工程を経ても、成形品中に
微小なポアが残存するうえ、鍛造工具面近傍には欠陥が
残存するという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、Fe系合金を主組成物とす
る材料の粉末をダイの内部に充填し、上パンチおよび下
パンチにより前記材料を密度比85〜98%まで加圧成
形したうえ、或いはさせつつ前記ダイの内部に余剰空間
を画成し、さらにこの余剰空間内への材料流れを生じさ
せ、粉末に変形の自由度を与えることにより、前記材料
を密度比98〜100%まで連続的に圧縮することによ
り、成形品を得ることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明のFe系合金部材の製造方法では、まず
材料粉末をダイの内部で熱間圧着し、個々の粒子を予備
的に結合させて、後の変形に耐え得る強度を有する中間
成形体にする。続いて、ダイの内部に余剰空間を画成
し、この余剰空間に向けて材料流れを生じさせることに
より、内部の個々の粉末に変形の自由度を与えつつ圧縮
するから、中間成形体の内部では個々の粒子が潰れて粒
子表面の酸化被膜が破れ、バルク金属面が露出する。
【0009】このため、比較的小さい加圧力で粒界結合
を形成することが容易で、同じ密度比を得るに必要な加
圧力が低減できるうえ、材料の加熱温度が低下し、加圧
保持時間も削減でき、生産性を高めることが可能であ
る。さらに密度分布が均一になり表層欠陥も低減できる
ため、伸びおよび衝撃値が向上できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係わるFe系合金部材の製造
方法の実施例を説明する。図1は第1実施例の方法に使
用する装置の断面図であり、符号1は円筒形のパンチ孔
(1A+1B)を有するダイ、2はパンチ孔に下方から
挿入された下パンチ、3はパンチ孔に上方から挿入され
た上パンチである。パンチ孔の上部1Aは下部1Bより
も半径差Dだけ径が小さく、これらの間には段部1Cが
ある。
【0011】ダイ1の内部には、図示しないヒーターが
設けられ、ダイ1,下パンチ2,上パンチ3の温度を自
在に調整できるようになっている。
【0012】下パンチ2の外径は、材料漏れが生じない
程度にパンチ孔下部1Bよりも僅かに径が小さく設定さ
れ、その上部にはパンチ孔上部1Aの内径よりも僅かに
外径の小さい段部2Aが形成されている。また、上パン
チ3の外径はパンチ孔上部1Aよりも僅かに小さく設定
されている。そして下パンチ2および上パンチ3は、図
示しない駆動機構により、それぞれ別個にダイ1に対し
相対的に上下駆動されるようになっている。
【0013】ここで、開放率を次の様に定義する。 開放率=(パンチ孔1Bの断面積−パンチ孔1Aの断面
積)/(パンチ孔1Bの断面積)
【0014】この装置における開放率は3〜40%、好
ましくは5〜30%程度であることが望ましい。3%未
満では中間生成物を鍛造する段階で粉末に十分な変形の
自由度を生じさせる効果に乏しく、十分な緻密化が困難
である。40%より大では、材料流れが生じる際に中間
成形体の表層部に引っ張り応力が生じ、クラックが発生
しやすい。
【0015】なお、ダイ1,下パンチ2,上パンチ3の
材質は、外枠は工具鋼で十分であるが、少なくとも成形
体に接する部分はMo合金(例えばT.Z.M)やW合
金(例えばアンビロイ)にするのが望ましい。成形体に
接する部分にセラミックコーティング等の表面処理を施
すことも有効である。
【0016】次に、上記装置を用いたFe系合金部材の
製造方法を説明する。この方法に使用される材料粉末
は、水アトマイズ法、還元法などいかなる粉末製造方法
によって得られたFe系合金粉末でもよい。粉末に添加
される元素としては、従来この種の合金に使用されてい
るいずれの元素も使用可能である。例えば、C,Cu,
Ni,Cr,Mo,W,V等が使用可能で、勿論複数種
を混合してもよい。また、物性を改善するために、ステ
アリン酸亜鉛,WS2,MoS2,CaF2,BaF2,L
iF等の固体潤滑剤やその他各種のフィラーを添加して
もよい。
【0017】この方法ではまず、材料となるFe系合金
粉末を、図示しない予熱装置により750℃〜液相温度
以下に予熱した後、図1に示すように下パンチ2の段部
2Aをパンチ孔上部1Aに進入させた状態で、パンチ孔
上部1A内にFe系合金粉末Pを所定量入れる。ダイ
1,上パンチ3,下パンチ2も同様の温度まで加熱して
おく。
【0018】次いで、下パンチ2は動かさずに上パンチ
3を降下させ、材料粉末Pを密度比85〜98%、より
好ましくは85〜90%までに熱間圧着して中間成形体
とする。
【0019】中間成形体Qが鍛造に耐え得る強度となっ
たら、下パンチ2の降下を開始する。この間、上パンチ
3は停止することなく連続的に降下し続ける。下パンチ
2の降下速度は上パンチ3とほぼ等しく設定され、両者
は中間成形体Qを挟んで固定しつつ降下する。中間成形
体Qがパンチ孔下部1B内に移動したら、下パンチ2を
停止し、降下し続ける上パンチ3により、パンチ孔下部
1B内で中間成形体Qをさらに圧縮する。
【0020】この時点で、中間成形体Qの周囲には、円
筒状の余剰空間が生じていることになる。これにより、
図2に示すように中間成形体Qは潰れてパンチ孔下部1
Bの内径まで拡径し、さらに上下端に円環状の膨出部S
が生じる。このため、中間成形体Qの内部では粉末に変
形の自由度が与えられ個々の粒子の酸化被膜が破れ、粒
子間結合が形成され、密度比98〜100%まで緻密化
することが可能となる。
【0021】鍛造成形体Rが十分に緻密化したら、下パ
ンチ2を降下させてダイ1から引き抜き、さらに上パン
チ3を下げて鍛造成形体Rをダイ1から押し出し、次工
程へと移送する。
【0022】次いで、図4に示すように下パンチ2を初
期位置に復帰させ、上パンチ3を上方に待避させて、パ
ンチ孔上部1Aに粉末を充填する。以下、同様に上記サ
イクルを繰り返して次々に成形体Rを得る。
【0023】上記構成からなるFe系合金部材の製造方
法によれば、材料粉末Pをダイ1の内部で熱間圧着し、
個々の粒子を予備的に結合させて、後の変形に耐え得る
強度を有する中間成形体Qにしたうえ、ダイ1の内部に
余剰空間を画成し、この余剰空間に向けて材料流れを生
じさせることにより、中間成形体Qを変形させつつ圧縮
するから、中間成形体Qの内部では個々の粒子が潰れて
粒子表面の酸化被膜が破れ、バルク金属面が露出する。
このため、比較的小さい加圧力で粒界結合を形成するこ
とが容易で、同じ密度比を得るに必要な加圧力が低減で
きるとともに、材料の加熱温度が低下し、加圧保持時間
も削減でき、生産性を高めることも可能である。
【0024】なお、上記の例では単純化のためパンチ孔
の断面形状を円形にしていたが、各部の形状は製造すべ
き物品に合わせて適宜変更してよいのは勿論である。
【0025】次に、図5ないし図8は本発明の第2実施
例を示す図である。図中符号10はダイ、10Aはパン
チ孔、12は下パンチ、16は上パンチであり、この例
の特徴は、下パンチ12および上パンチ16の外周に、
それぞれ筒状のスリーブ14,18が通され、これらス
リーブ14,18が各パンチ12,16とは独立して昇
降されることにある。スリーブ14,18の肉厚は、上
記第1実施例と同様に開放率によって決定される。 開放率=(スリーブ断面積)/(パンチ孔10Aの断面
積)
【0026】この装置を用いてFe系合金部材を製造す
るには、前記実施例と同様に材料粉末Pを予熱した後、
下パンチ12および下スリーブ14を揃えた状態で、図
5に示すようにダイ10のパンチ孔10Aに充填する。
【0027】次いで図6に示すように、上パンチ16お
よび上スリーブ18を揃えて降下させると同時に、下パ
ンチ12および下スリーブ14を揃えて上昇させ、材料
粉末Pを圧縮して前記実施例と同様の中間成形体Qを熱
間圧着成形する。
【0028】さらに連続して、図7に示すように、上パ
ンチ16を降下させつつ相対的に上スリーブ18を上昇
させる一方、下スリーブ14を下パンチ12に対して相
対的に降下させつつ中間成形体Qを圧縮(鍛造)する。
これにより、上下スリーブ14,18が後退して生じた
円環状の余剰空間により、粉末に変形の自由度が生じ、
中間成形体Q内の粒子同士の結合力が強化して緻密化さ
れる。
【0029】その後、図8に示すように、上パンチ16
と上スリーブ18を上方に待避させ、下パンチ12と下
スリーブ14を揃えて上昇させ、成形体Rをダイ1から
突き出して、1サイクルが終了する。
【0030】この実施例の方法では、前記第1実施例の
効果に加え、次の効果も得られる。すなわち、この例で
は上スリーブ18と下スリーブ14を昇降制御すること
により、材料流れの進行と余剰空間の形成とを正確に制
御できるから、材料流れの先端(S)に各スリーブ1
4,18により常に一定圧力をかけながら、これらスリ
ーブ14,18を後退させることができる。すると、材
料流れの先端に圧力をかけない場合に比して、材料流れ
の先端面に引張応力が生じにくく、引張応力に起因した
クラックが生じにくい。
【0031】また、材料流れの先端部(S)の形状を制
御できるから、鍛造成形体Rの形状を製品の最終形状に
近づけておくことにより、成形後の加工量が少なくて済
む利点も有する。
【0032】次に、図9ないし図13は本発明の第3実
施例を示し、図中符号20はダイ、22は下パンチ、2
4は上パンチであり、この例ではダイ20の内部に、パ
ンチ孔20Aの内壁面に互いに対向して開口する一対の
スリット25が形成され、これらスリット25内に、水
平方向摺動可能なスライド26がそれぞれ挿入されてい
る。
【0033】これらスライド26をいっぱいに挿入した
状態において、各スライド26の先端面は、パンチ孔2
0Aの内壁面と一致する。スライド26の厚さは成形体
最終高さの5〜30%程度が望ましい。理由は第1実施
例と同様である。
【0034】この装置を用いたFe系合金部材の製造方
法は、以下の通りに行う。まず、図9に示すように各ス
ライド26の先端面をパンチ孔20Aの内壁面と一致さ
せた状態で、予熱しておいた材料粉末Pを充填する。
【0035】次いで、図10に示すように、上パンチ2
4と下パンチ22により粉末Pを熱間圧着して中間成形
体Qとした後、図11に示すように各スライド26を後
退させつつ、同時に圧縮を続行する。各スライド26が
後退するにつれ、余剰空間が生じてそこへ材料が流れて
いき、凸部Sが形成され、中間成形体Qが緻密化されて
鍛造成形体Rとなる。
【0036】次に、図12に示すように下パンチ22を
待避させ、上パンチ24を降下させ、前記凸部Sを切断
して成形体Rのみをダイ20から突き出す。さらに図1
3に示すように上パンチ24を上方に待避させ、各スラ
イド26を復帰させて各凸部Sを落下させ、1サイクル
を完了する。
【0037】この例でも、前記第2実施例と同様に、各
スライド26により材料に圧力をかけながら鍛造するこ
とができるため、材料流れの先端部Sに引張応力が生じ
にくく、クラックが発生しにくい利点を有する。また、
凸部Sを成形体Rの突き出しとともに切断するため、潤
滑剤の巻き込み等により凸部Sを切断する必要がある場
合には、後加工の手間がその分省ける。
【0038】次に、図14ないし図17は本発明の第4
実施例を示し、この例では、ダイが上ダイ30と下ダイ
32に上下2分割され、上ダイ30は駆動機構により上
昇可能となっている。符号36は下パンチ、38は上パ
ンチである。
【0039】この方法ではまず、図14に示すように上
ダイ30と下ダイ32とを当接させた状態で、パンチ孔
34に材料粉末Pを充填する。次いで、図15に示すよ
うに上パンチ38と下パンチ36により粉末Pを熱間圧
着して中間成形体Qとした後、図16に示すように上ダ
イ30を一定長だけ上昇させ、圧縮を続行する。これに
より上ダイ30と下ダイ32の間に余剰空間40が生
じ、そこへ材料が流れて凸部Sが形成されるとともに、
中間成形体Qが緻密化されて鍛造成形体Rとなる。
【0040】次に、図17に示すように上パンチ38を
上方に待避させた後、下パンチ36を上昇させ、前記凸
部Sを切断して成形体Rのみをダイから突き出して1サ
イクルを完了する。
【0041】一方、図18および図19は、第1実施例
の装置を改良したものである。図18の例は、パンチ孔
1Aの下部に2段階に拡径する第1段部50、第2段部
52を形成したものであり、まずパンチ孔1Aの上部内
で材料粉末を熱間圧着した後、第1段部50内および第
2段部52内で密度比98〜100%に本鍛造する。パ
ンチ孔1Aから第1段部50への開放率は5〜10%、
第2段部52への開放率は10〜30%程度であること
が望ましい。
【0042】この場合にも、上パンチは連続的に降下し
続け、下パンチ2はパンチ圧力に応じて段階的に降下す
ることにより、熱間圧着→予備鍛造→本鍛造が連続的に
切れ目なく進行する。
【0043】一方、図19は、パンチ孔1Aの下部52
を下方に開くテーパ状に形成したことを特徴とするもの
で、パンチ孔1Aの上部内で材料粉末を熱間圧着した
後、下パンチ2を徐々に降下させつつ、上パンチにより
中間成形体を鍛造していき、最下位置で鍛造を完了する
ようにする。
【0044】これによれば、下パンチ2の降下速度を調
整することにより、中間成形体の外周面に常に圧力をか
けつつ鍛造を行うことができるため、この効果の得られ
る他の実施例に比して装置の構成が単純でありながら、
中間成形体の外周面にクラックが生じにくい利点を有す
る。
【0045】なお、テーパ部54の断面角度αは3〜1
5゜、より好ましくは5〜10゜程度とされる。3゜未
満では本発明の効果が得られず、15゜より大では成形
体にクラックが生じやすくなる。また、上記のようなテ
ーパ部54と段部50,52等を組み合わせてもよい。
【0046】次に、図20および図21はさらに別の実
施例を示す平面図であり、この例ではダイ60が、中央
にパンチ孔60Aを画成する4つのブロック62で構成
されている。
【0047】各ブロック62はパンチ孔60Aに向けて
付勢されており、パンチ孔60A内で中間成形体を形成
した後、さらに圧力を上げると各ブロック62が互いに
離間してパンチ孔60Aの内径が拡大するとともに、各
ブロック62の間に間隙64が生じ、中間成形体は拡径
方向および前記間隙64のそれぞれに向けて材料流れを
生じつつ鍛造される。
【0048】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、各実施例の構成を組み合わせてもよいし、
ダイ,上下パンチ等の形状は任意に変更してよく、さら
に各部の駆動を行う機構としては、いかなる機構を用い
てもよい。
【0049】
【実験例】次に、実験例を挙げて本発明の効果を実証す
る。
【0050】Fe系合金としてFH15,FS90を使
用して、下記の比較例、実験例の方法により直方体状の
Fe系合金部材を作成し、それらの物性を比較した。な
お、上記各合金の組成は以下の通りである。 FH15:0.6〜1.1C,2〜4Cu,残部Fe FS90:0.4〜0.6C,1.75〜2.25N
i,0.3〜0.6Mo,残部Fe
【0051】(比較例)図22に示す装置により、直方
体状のFe系合金部材を成形した。符号70はダイであ
り、このダイ70には平面視12mm×57mmのパン
チ孔が形成されている。72は下パンチ、74は上パン
チである。
【0052】FH15,FS90の各粉末60gをパン
チ孔に充填し、各パンチ72,74により常温において
6ton/cm2の圧力で圧縮し、グリーン成形体とし
た後、1100℃〜1150℃でNH3分解ガス中にお
いて1h焼結した。その後、FS90について、基本的
に図22と同様の機構の装置により、1100℃に予熱
された前記焼結体を8ton/cm2の衝撃圧力でコイ
ニングし、密度比99%の焼結鍛造体を得た。さらに、
FS90の一部を焼入焼戻処理した。
【0053】(実験例)一方、図23に示す装置によ
り、直方体状のFe系合金部材を成形した。符号80は
ダイであり、これは上記ダイ70と共通であり、パンチ
孔の寸法も等しい。
【0054】84,82は断面矩形状の上パンチ,下パ
ンチであり、その両側にはスライド86,87がそれぞ
れ配置され、別個に駆動されるようになっている。各パ
ンチ84,82の断面寸法は12×50mm、スライド
86,87の断面寸法は12×3.5mmである。
【0055】FH15,FS90の各粉末を予め800
℃に加熱するとともに、ダイ80を同温度に加熱した
後、粉末60gをパンチ孔に充填し、上パンチ84とス
ライド86を揃えて粉末を密度比90%まで圧縮し、さ
らに各スライド86を相対的に後退させつつ上パンチ8
4を降下させて最終的に8ton/cm2の圧力で圧縮
し、成形体を得た。成形体の寸法は12×57×10m
mとなり、両端上には12×3.5×5mmの突起が形
成された。さらにFS90の一部には焼入焼戻を行っ
た。
【0056】次に、上記4種の成形体のうち焼入焼戻を
施していないものをそれぞれ縦に2分割し、その断面の
各点(計25点)における硬度をHRBにより測定し
た。その結果を等高線表示した結果を図24ないし図2
7に示す。
【0057】図24および図25はFH15の結果であ
り、図24は比較例、図25は実験例の方法でそれぞれ
得られたものである。硬さ分布は密度分布に体応する。
また、図26および図27はFS90の結果であり、図
26は比較例、図27は実験例の方法でそれぞれ得られ
たものである。図から明らかなように、実験例の方法に
よれば成形体の内部に材料流れが生じ、比較例の方法と
同圧力でありながら、はるかに均質化されている。
【0058】表1は、上記6種の特性を示したものであ
る。この表1から、比較例に比して実験例では、強度,
延性,靱性がいずれも向上していることがわかる。ま
た、熱処理した試験片では、伸びを同等に保ったまま、
強度を上げることができた。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるF
e系合金部材の製造方法では、まず材料粉末をダイの内
部で熱間圧着し、個々の粒子を予備的に結合させて、後
の変形に耐え得る強度を有する中間成形体にしたうえ、
ダイの内部に余剰空間を画成し、この余剰空間により、
粉末に変形の自由度を生じさせつつ圧縮するから、中間
成形体の内部では個々の粒子がすり潰れて均質な成形体
が形成される。したがって、比較的小さい加圧力で粒界
結合を形成することが容易であり、同じ加圧力で、より
高密度かつ均質な成形体が得られるうえ、より低い加工
温度かつ短時間で、従来材と同等以上の機械的特性が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるFe系合金部材の製造方法の第
1実施例での熱間圧着過程を示す縦断面図である。
【図2】第1実施例での鍛造過程を示す縦断面図であ
る。
【図3】第1実施例での成形体突き出し過程を示す縦断
面図である。
【図4】第1実施例での粉末充填過程を示す縦断面図で
ある。
【図5】本発明の第2実施例での粉末充填過程を示す縦
断面図である。
【図6】第2実施例での熱間圧着過程を示す縦断面図で
ある。
【図7】第2実施例での鍛造過程を示す縦断面図であ
る。
【図8】第2実施例での成形体突き出し過程を示す縦断
面図である。
【図9】本発明の第3実施例での粉末充填過程を示す縦
断面図である。
【図10】第3実施例での熱間圧着過程を示す縦断面図
である。
【図11】第3実施例での鍛造過程を示す縦断面図であ
る。
【図12】第3実施例での成形体突き出し過程を示す縦
断面図である。
【図13】第3実施例での後処理過程を示す縦断面図で
ある。
【図14】本発明の第4実施例での粉末充填過程を示す
縦断面図である。
【図15】第4実施例での熱間圧着過程を示す縦断面図
である。
【図16】第4実施例での鍛造過程を示す縦断面図であ
る。
【図17】第4実施例での成形体突き出し過程を示す縦
断面図である。
【図18】本発明の第5実施例に使用される装置の縦断
面図である。
【図19】本発明の第6実施例に使用される装置の縦断
面図である。
【図20】本発明の第7実施例に使用される装置の平面
図である。
【図21】第7実施例での鍛造過程を示す平面図であ
る。
【図22】比較例の実験方法を示す縦断面図である。
【図23】実験例の実験方法を示す縦断面図である。
【図24】比較例で得られた試験片の密度分布を示すグ
ラフである。
【図25】実験例で得られた試験片の密度分布を示すグ
ラフである。
【図26】比較例で得られた試験片の密度分布を示すグ
ラフである。
【図27】実験例で得られた試験片の密度分布を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 ダイ 1A パンチ孔 2 下パンチ 3 上パンチ P 材料粉末 Q 中間成形体(熱間圧着成形体) R 鍛造成形体 S 材料流れの先端(凸部) 10 ダイ 10A パンチ孔 12 下パンチ 14 下スリーブ 16 上パンチ 18 上スリーブ 20 ダイ 20A パンチ孔 22 下パンチ 24 上パンチ 26 スライド 30 上ダイ 32 下ダイ 34 パンチ孔 36 下パンチ 38 上パンチ 40 間隙 50 第1段部 52 第2段部 54 テーパ部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe系合金を主組成物とする材料の粉末
    をダイの内部に充填し、上パンチおよび下パンチにより
    前記材料を密度比85〜98%まで加圧成形したうえ、
    前記ダイの内部に余剰空間を画成し、さらにこの余剰空
    間内への材料流れを生じさせつつ粉末に変形の自由度を
    与え、前記材料を密度比98〜100%まで連続的に圧
    縮することにより、成形品を得ることを特徴とするFe
    系合金部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記一連の成形過程での前記材料の温度
    を、750℃以上かつ前記Fe系合金の液相温度以下に
    保つことを特徴とする請求項1記載のFe系合金部材の
    製造方法。
JP22914291A 1991-09-09 1991-09-09 Fe系合金部材の製造方法 Pending JPH05179305A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006026694A (ja) * 2003-12-04 2006-02-02 Murata Mfg Co Ltd 粉末成形方法及び粉末成形装置

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